以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るカバー付容器1の正面図、図2は、カバー付容器1のカバー3の断面図、図3はカバー付容器1の内カバー32の断面斜視図、図4はカバー付容器1のキャップ4を下方向から見た斜視図である。なお本発明の各実施形態においては、便宜上、カバー付容器1を普通に台や棚等に載置したときに上となる方向、すなわちカバー3が位置する側を上側として、以下説明する。つまり図1において、容器2およびカバー3の図中の上側を上方として説明する。
カバー付容器1は、図1に示すように、容器2と、容器2に着脱可能なカバー3とを備えている。容器2は、ガラスで形成された円筒状の容器本体21と、容器本体21の上端に位置し容器本体21と一体的に形成された円筒状のネック22と、ネック22の上端の開口から挿入されるスプレーチューブ(図示せず)を具備するスプレーヘッド24とを備えている。ネック22の外周面とスプレーヘッド24の内周面は、スプレーヘッド24がネック22に対してねじ留め可能なようにねじ切りされており、スプレーヘッド24をネック22に回転させながら被せることにより、スプレーヘッド24をネック22に取り付けている。なお本実施形態では、ネック22とスプレーヘッド24とで容器2の首部23を構成している。首部23の外周面すなわちネック22に取り付けられたスプレーヘッド24の外周面には、後述するキャップ4の突起41cが係合する係合溝23aが設けられている。
容器本体21には、香水等の化粧料が収容されており、容器本体21に充填された内容物は、スプレーヘッド24を容器本体21側に押圧することにより、スプレーチューブを介してスプレーヘッド24の吐出孔(図示せず)から吐出される。なおスプレーヘッド24はスプレー容器に一般に使用されるポンプ構造を使用することができる。
カバー3は、容器本体21の形状に対応する形状で形成されており、図2に示すように、下端が開放した円筒状の箱体である外カバー31と、外カバー31の内側に固定された下端が開放した円筒状の箱体である内カバー32と、内カバー32の内部で遊動可能なキャップ4とを備えている。
外カバー31は剛性を有するABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)やPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂で形成されており、容器本体21と同じ外径で形成されている。なお本実施形態では、外カバー31と容器本体21とを同じ外径で形成されたものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、外径が異なっていてもよい。内カバー32は、図2および図3に示すように、外カバー31と2重構造をなすように形成されており、上下方向の中央よりも下方の内周面には、内周面から内方に向かって環状に延びる突部33を備えている。突部33は、突部33の内周面からさらに内方に向かって環状に延びるカバー側凸部33aと、カバー側凸部33aの上方の突部33の内周面に沿って形成された底面が円弧状の係止溝33bとを備えている。なお内カバー32外カバー31は圧着、溶着、接着等により互いに固定される。内カバー32は、外カバー31と一体的に形成されてもよいし、外カバー31とは同じ樹脂または異なる樹脂により別体で形成されていてもよい。また、内カバー32は、図3に示すような、天面を設けるように形成されていることに限らず、筒状であってもよい。
キャップ4は、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)等の弾性を有する樹脂で形成されており、図2および図4に示すように、円筒状のキャップ本体41と、キャップ本体41の外周面から側方に放射状に延びる複数の張出部42を備えている。本実施形態では張出部42は8つとしたが、本発明において張出部42の数は特に限定されるものではなく、好ましくは2〜8である。キャップ本体41の内面は、上端側の上端内周面41aと、上端内周面41aよりも大きい内径で形成された下端側の下端内周面41bとを備えており、下端内周面41bには上述した容器2の首部23の係合溝23aに係合する環状の突起で構成された突起41cが形成されている。また上端内周面41aと下端内周面41bとの境界には段部41dが形成されている。張出部42は、キャップ本体41の外周面から側方に水平に延びる基部42aと、基部42aの先端から下方に向かって延びる弾性変形可能な爪片42bと、爪片42bの外周面に突出する円弧状の突起42cとを備えている。なおキャップ本体41の内側が容器2の首部23に係合する係合部として機能する。
本発明において特徴的なのは、キャップ4がカバー3の内部で遊動可能であることである。すなわちキャップ4は、突部33のカバー側凸部33aの上面から上側の内カバー32の内部空間Sにおいて、上下左右、奥手前、斜め、回転等、動きを制限されることなく移動および回転可能となっている。そしてカバー3をカバー3の下端を下側にして、すなわちカバー3を図2に示すように位置させた場合に、キャップ4は自重により下方に移動するが、キャップ4の張出部42の爪片42bの下端がカバー側凸部33aを含む突部33の上面のいずれかに当接して係止され、カバー3から離脱しないように構成されている。なお、キャップ4の外形の最小値は、カバー側凸部33aの内径よりも大きくなるように形成されているので、キャップ4が内カバー32の内部空間Sにおいて、いずれの方向に回転した場合であっても、キャップ4はカバー3から離脱しないように構成されている。
ただし、組み立ての際には、キャップ4を内部空間Sの中に組み込むためにキャップ4と凸部33aの少なくも一方を弾性変形させて内部空間Sの中に押し込む必要がある。
次に容器2に対するカバー3の着脱動作について、以下、図面を参照して説明する。図5はカバー付容器1のカバー3の着脱動作を説明するための図である。
まず、容器2からカバー3を取り外す場合には、図5(a)に示すカバー3が容器2に取り付けられた状態から、使用者がカバー3を把持して容器2から離脱する方向へ持ち上げると、キャップ4は容器2と共にカバー3から離脱する方向(カバー3に対して相対的に下方向)へ移動し、図5(b)に示すように、キャップ4は張出部42の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接してカバー側凸部33aに係止された状態になる。キャップ4が下方向に移動する際には、キャップ4は、爪片42bの外周面が突部33の内周面に押されながら移動するので、爪片42bはキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態で移動することになる。そしてカバー側凸部33aと爪片42bが協働して、キャップ4をカバー側凸部33aに係止した状態において、内カバー32の係止溝33bにキャップの突起42cが係合して、キャップ4により強固に係止されるように構成されている。下方向)へ移動し、図5(b)に示すように、キャップ4は張出部42の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接してカバー側凸部33aに係止された状態になる。キャップ4が下方向に移動する際には、キャップ4は、爪片42bの外周面が突部33の内周面に押されながら移動するので、爪片42bはキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態で移動することになる。そしてカバー側凸部33aと爪片42bが協働して、キャップ4をカバー側凸部33aに係止した状態において、内カバー32の係止溝33bにキャップの突起42cが係合して、キャップ4により強固に係止されるように構成されている。
ここで、キャップ4の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつカバー側凸部33aと爪片42bとの係止力f2が内容物で満たされた容器2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、キャップ4の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図5(c)に示すように、カバー3を容器2から取り外すことができる。
一方、容器2にカバー3を取り付ける場合には、カバー3を容器2に上方から被せて容器2の首部23をカバー3の下端側からキャップ4の下端内周面41bに向けて挿入し、容器2のスプレーヘッド24をキャップ4の上端内周面41a内に挿入する。次に図5(b)に示すように、爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、さらに容器2をカバー3に向けて押し上げると、キャップ4は段部41dによって内カバー32の内部空間S内に押し上げられて、爪片42bの外周面が突部33の内周面に押され、爪片42bがキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態でキャップ4が上方に移動するので、図5(a)に示すように、キャップ4の突起42cが係止溝33bから外れ、さらにカバー側凸部33aと張出部42との係止が外れる。
次いでキャップ4の上端41fが内カバー32の天面に当接し、首部23の係合溝23aにキャップ4の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4が首部23に係合されて、カバー3が容器2に取り付けられる。なおキャップ4の上端41fが内カバー32の天面に当接した状態において、外カバー31および内カバー32の下端は容器本体21の上端面と若干のクリアランスを有し、このクリアランスは例えば0.5mm程度とする。なお、内カバー32を筒状に形成した場合には、キャップ4の上端41fが外カバー31の天面に当接され、首部23の係合溝23aにキャップ4の突起41cが確実に押し込まれる。
なお、キャップ4が首部23に係合されてカバー3が容器2に取り付けられた状態においては、内容物で満たされた容器2の自重Wよりもキャップ4の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合力f1の方が大きく構成されており、使用者がカバー3のみを把持してカバー付容器1を持ち運んだ場合であっても、キャップ4は容器2と共にカバー3から離脱する方向へ移動するが、図5(b)に示すように、キャップ4はキャップ4の張出部42の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接して係止され、カバー3から離脱しないようになっている。
一般に、本実施形態のように首部23を有するガラス製の容器2においては、製造上、やむを得ず容器2に、いわゆる首曲がり等の歪みが生じてしまう場合がある。ここで図6に首曲がりが生じているカバー付容器1のカバー3の着脱動作を説明するための図を示す。
図6に示す容器2は、一例として、例えば首部23が容器本体21に対して3°傾いて形成されており、その他の構成については上述した実施形態のカバー付容器1と同様である。まず、容器2からカバー3を取り外す場合には、図6(a)に示すカバー3が容器2に取り付けられた状態から、使用者がカバー3を把持して容器2から離脱する方向へ持ち上げると、キャップ4は容器2と共にカバー3から離脱する方向へ移動し、図6(b)に示すように、キャップ4は張出部42の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接してカバー側凸部33aに係止された状態になる。すなわちキャップ4は首部23と同じ3°に傾いた状態のまま、外カバー31と内カバー32も3°傾いた状態になる。
そして、使用者が容器2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、キャップ4の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図5(c)に示すように、カバー3を容器2から取り外すことができる。
一方、容器2にカバー3を取り付ける場合には、図6(c)に示す状態から、カバー3を容器2に上方から被せて容器2の首部23をカバー3の下端側からキャップ4の下端内周面41bに向けて挿入し、容器2のスプレーヘッド24をキャップ4の上端内周面41a内に挿入する。このとき首部23は図6(b)に示すようにキャップ4の下端内周面41bに対して垂直に挿入される。
そして爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、さらに容器2をカバー3に向けて押し上げると、キャップ4は段部41dによって内カバー32の内部空間S内に押し上げられて、爪片42bの外周面が突部33の内周面に押され、爪片42bがキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態でキャップ4が上方に移動するので、図5(a)に示すように、キャップ4の突起42cが係止溝33bから外れ、さらにカバー側凸部33aと張出部42との係止が外れて、キャップ4が内カバー32の内部空間S内で遊動可能な状態となる。
キャップ4が遊動可能な状態において、容器本体21が外カバー31および内カバー32に対して垂直になるように、容器2をカバー3に向けて押し上げると、キャップ4は内部空間S内で首部23の傾きに合わせて3°傾いた状態で上端41fが内カバー32の天面に当接し、首部23はキャップ4に対して垂直に押し込まれることになる。従って、首部23の係合溝23aにキャップ4の突起41cが平行に確実に押し込まれることになり、キャップ4が首部23に係合されて、カバー3が容器2に確実に取り付けられる。
このように、本実施形態のキャップ4は、内カバー32の内部空間S内で遊動可能に構成されているので、容器2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4が内カバー32の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4の傾きのみが変更するので、カバー3を容器2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2に対するカバー3の着脱を容易にすることができる。また、カバー3を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
なお、図6においては、首曲がりが生じているカバー付容器1のカバー3の着脱動作について説明したが、首曲がりが生じていない図5のカバー付容器1において、カバー3に対して容器2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4が内カバー32の内部空間S内で傾くことにより、キャップ4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2に対するカバー3の着脱を容易にすることができる。
上述したカバー付容器1のカバー3は、容器2の首部23のみを覆うものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、容器のカバーとして、首部23と肩部の一部、または容器本体21全体を覆うオーバーキャップを採用することもできる。以下、本発明のカバー付容器にかかる一の実施の形態のオーバーキャップ付容器について図面を参照して説明する。図7は本実施形態のオーバーキャップ付容器5の斜視図、図8は図7のオーバーキャップ付容器5の概念図である。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5は、図7,図8に示すように、容器2−2と、容器2−2に着脱可能であって、容器2−2全体を覆うオーバーキャップ6とを備えている。容器2−2は、ガラスで形成され、水平断面が左右端から中心に向かうにつれて幅広となる筒状の容器本体21と、容器本体21の上端に位置し、ネック22とスプレーヘッド24とで構成された首部23とを備えている。なお首部23は上述した実施形態の首部23と同様の構造であるため、ここでの詳細な説明は省略する。なお容器2−2には、香水等の化粧料が収容されている。
オーバーキャップ6は、オーバーキャップ本体61と、首部23に着脱され、オーバーキャップ本体61の内部で遊動可能なキャップ4と、キャップ4をオーバーキャップ本体61から離脱しないように係止するオーバーキャップ側係止部62aとを備えている。オーバーキャップ本体61は、透明性を有さず、かつ剛性を有する樹脂で形成されており、図7に示すように、容器2−2の形状に対応するように形成されていて、下端に開口を有し、上端に円弧状の稜線を有してガラスで形成され、水平断面が左右端から中心に向かうにつれて幅広となる筒状に形成されている。
ここで図8のキャップ4とオーバーキャップ側係止部62aは、便宜上、説明し易くするために概念図で示してあるが、実際には、上述した実施形態の図5に示すキャップ4と突部33のカバー側係止部33aと同様の構造とする。すなわち、オーバーキャップ本体61の内面に突部33が形成される。なお突部33は図5と同様にオーバーキャップ本体61を2重構造にして内側のオーバーキャップに形成するようにしてもよい。
以上のように形成されたオーバーキャップ付容器5は、図8の左図に示すように、キャップ4とオーバーキャップ側係止部62aとが係止していない状態で、使用者がオーバーキャップ本体61を把持して容器2−2から離脱する方向(上方向)へ持ち上げると、キャップ4は容器2と共にオーバーキャップ本体61から離脱する方向(下方向)へ移動し、図8の右図に示すように、キャップ4はオーバーキャップ側係止部62aに係止された状態になり、容器本体21の下端部がオーバーキャップ本体61から突出する。
そして使用者が突出した容器本体2−2の下端部を引っ張ると、キャップ4と首部23との係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつオーバーキャップ側係止部62aとキャップ4との係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、キャップ4がオーバーキャップ側係止部62aに係止した状態で、キャップ4と首部23との係合のみが解除されることになり、容器2−2をオーバーキャップ6から取り外すことができる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5は、容器2−2全体を覆うオーバーキャップ6を備えているので、香水等の化粧料が充填された容器2−2を、袋やカバン等に入れて持ち運びするときに、オーバーキャップ6によって容器2−2が破損するのを防止することができる。またオーバーキャップ6を、透明性を有さないものとしたことにより、容器2−2のガラスが露出しないので、容器2−2の内容物を太陽光の照射等の環境から守ることができる。
このように、オーバーキャップ6には様々な利点があるが、製造上、やむを得ず胴曲がりや首曲がり等の歪みが生じてしまった容器2−2に、オーバーキャップ6を着脱する際には、容器2−2に対してオーバーキャップ6が覆う面積が広いため、上述した実施形態のカバー3よりも容器2−2を着脱し難くなる。また、使用者が容器2−2を斜めにしてオーバーキャップ6に挿入した場合、オーバーキャップ6に対して容器2−2が斜めに嵌合されてしまい、容器2−2をオーバーキャップ6から取り出し難くなってしまう。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5は、キャップ4がオーバーキャップ6の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4がオーバーキャップ6の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5においても、オーバーキャップ6に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4がオーバーキャップ6の内部で傾くことにより、キャップ4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6の着脱を容易にすることができる。
次に第2の実施形態のオーバーキャップ付容器5−2について、以下図面を参照して説明する。図9は第2の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-2の上部拡大断面図、図10,図11はオーバーキャップ付容器5−2のオーバーキャップ6−2の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−2のオーバーキャップ6−2は、容器本体21の形状に対応する形状で形成されており、図9に示すように、オーバーキャップ本体61と、オーバーキャップ本体61の内側に固定された内カバー62と、内カバー62の内部空間Sで遊動可能なキャップ4−2とを備えている。
内カバー62は、図9〜図11に示すように、オーバーキャップ本体61と2重構造をなすように形成されており、上端側の内周面には、内周面から内方に向かって環状に延びる突部63を備えている。突部63は、上面63aが傾斜面で形成されている。なお内カバー62は、オーバーキャップ本体61と一体的に形成されてもよいし、オーバーキャップ本体61とは同じ樹脂または異なる樹脂により別体で形成されていてもよい。
キャップ4−2は、弾性を有する樹脂で形成されており、図9に示すように、円筒状のキャップ本体41と、キャップ本体41の外周面から側方に水平に放射状に延びる8つの張出部43を備えている。キャップ本体41の内面は、上端側の上端内周面41aと、上端内周面41aよりも大きい直径で形成された下端側の下端内周面41bとを備えており、下端内周面41bには容器2−2の首部23の係合溝23aに係合する環状の突起で構成された突起41cが形成されている。また上端内周面41aと下端内周面41bとの境界には段部41dが形成されており、下端内周面41bの下方には下方に向かって内径が大きくなるスカート部41eを備えている。
スカート部41eは、容器2−2の首部23が斜めに挿入された際に、容器2−2の首部23が下端内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内するものであり、かつ最大外径が突部63の最小内径よりも大きく形成することにより、キャップ4−2が突部63よりも上側に移動しないように規制するものでもある。
張出部43は、端部が下方に上述した突部63の上面63aと同じ傾斜を有する傾斜面43aを有しており、傾斜面43aが突部63の上面63aに上方から係止することにより、キャップ4−2を内カバー62の内部空間Sから離脱しないようにする。
以下、容器2−2に対するオーバーキャップ6−2の着脱動作について説明する。まず、図10(a)に示す収納時の状態から、オーバーキャップ6−2を容器2−2から取り外す動作を説明する。まず図10(b)に示すように、使用者がオーバーキャップ6−2を持ち上げる。さらにオーバーキャップ6−2を持ち上げると、図10(c)に示すように、突部63の上面63aに張出部43の傾斜面43aが上方から当接して係止する。
次に使用者が、オーバーキャップ6−2から突出した容器2−2の下端部を把持して容器2−2をオーバーキャップ6−2から引っ張ると、図11(d)に示すように、首部23の係合溝23aとキャップ4−2の突起41cとの係合が解除されて、キャップ4−2が首部23から離脱し、オーバーキャップ6−2から容器2−2を取り出すことができる。
ここで、首部23の係合溝23aとキャップ4−2の突起41cとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつ張出部43の傾斜面43aと突部63の上面63aとの係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2−2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、張出部43の傾斜面43aが突部63の上面63aに係止した状態で、キャップ4−2の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図11(d)に示すように、オーバーキャップ6−2から容器2を取り外すことができる。
一方、オーバーキャップ6−2を容器2−2に取り付ける場合には、図11(e)に示すように、オーバーキャップ6−2を容器2−2の上から被せると、容器2−2の首部23がスカート部41eによって下端内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内されて、スプレーヘッド24が上端内周面41aに挿入される。そして使用者が、オーバーキャップ6−2をさらに容器2−2に向かって押圧することにより、図11(f)に示すように、内カバー62の天面がキャップ4−2の上端41fに当接して、キャップ4−2が容器2−2の首部23に向かって押し込められる。
そして、図10(a)に示すように、首部23の係合溝23aにキャップ4−2の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4−2が首部23に係合されて、オーバーキャップ6−2が容器2−2に取り付けられる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−2においても、キャップ4−2がオーバーキャップ6−2の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4−2がオーバーキャップ6−2の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4−2の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6−2を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−2に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6−2の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−2を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5−2においても、オーバーキャップ6−2に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4−2がオーバーキャップ6−2の内部で傾くことにより、キャップ4−2に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−2の着脱を容易にすることができる。
次に第3の実施形態のオーバーキャップ付容器5−3について、以下図面を参照して説明する。図12は第3の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-3の上部拡大断面図、図13,図14はオーバーキャップ付容器5−3のオーバーキャップ6−3の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−3は、上述した第2の実施形態のオーバーキャップ付容器5−2とは、内カバー62とキャップ4−3との係止方法が異なっている。本実施形態においては、異なる箇所についてのみ詳細に説明し、同様の箇所については同じ符号で示して説明は省略する。なお本実施形態においてキャップ4−3、オーバーキャップ本体61および内カバー62は、磁石に磁着しない非磁性の材料で形成されるものとする。
本実施形態の内カバー62は、図12〜図14に示すように、オーバーキャップ本体61と2重構造をなすように形成されており、上端側の側面には、互いに対向する位置において内周面から内方に向かって延びる突部で形成された後述するカバー側磁着部65を保持する保持部64を備えている。カバー側磁着部65は、磁石で構成されており、保持部64に接着剤等で固着されている。なお固着方法については、特に限定されるものではなく、例えば保持部64に凹部を設けて磁石を嵌め込む等、一般的に使用される固着方法を使用することができる。またカバー側磁着部65が2つに限られるものではなく、適宜個数を変更することができる。
キャップ4−3は、キャップ本体41の外周面(側面)から左右の側方に水平に延びる2つの突部で形成された後述するキャップ側磁着部45を保持する保持部44を2つ備えている。キャップ側磁着部45は、磁石で構成されており、保持部44に設けられた凹部に嵌合されて固着されている。なお固着方法については、上記と同様に特に限定されるものではなく、例えば接着剤で固定する等、一般的に使用される固着方法を使用することができる。またキャップ側磁着部45が2つに限られるものではなく、カバー側磁着部65の個数に応じて適宜個数を変更することができる。
カバー側磁着部65とキャップ側磁着部45は、互いに磁着するように構成されており、本実施形態においては、カバー側磁着部65はN極がキャップ4側に対面するように、キャップ側磁着部45はS極が内カバー62側に対面するようにそれぞれ設けられている。なお、カバー側磁着部65とキャップ側磁着部45が、互いに磁着する構成であれば、S極とN極とを上記とは逆に配置してもよいし、カバー側磁着部65とキャップ側磁着部45の各組毎に異なる配置にしてもよいし、適宜変更することができる。
また、本実施形態においてカバー側磁着部65およびキャップ側磁着部45は、少なくとも一方が磁石で他方が磁石に磁力で吸着される磁性材料で構成されていればよく、内容物で満たされた容器2−2をキャップ4−3の係合部すなわちキャップ本体41の内側で保持したキャップ4−3全体の重さを十分に支え得ると共に、容器2−2を手で下に引っ張ったときに外れる程度の磁力を持ったものを使用する。
以下、容器2−2に対するオーバーキャップ6−3の着脱動作について説明する。まず、図13(a)に示す収納時の状態から、オーバーキャップ6−3を容器2−2から取り外す動作を説明する。まず図13(b)に示すように、使用者がオーバーキャップ6−2を持ち上げる。さらにオーバーキャップ6−2を持ち上げると、図13(c)に示すように、カバー側磁着部65とキャップ側磁着部45が互いに磁着することでキャップ4−3が内カバー62に係止する。
次に使用者が、オーバーキャップ6−3から突出した容器2−2の下端部を把持して容器2−2をオーバーキャップ6−3から引っ張ると、図14(d)に示すように、首部23の係合溝23aとキャップ4−3の突起41cとの係合が解除されて、キャップ4−3が首部23から離脱し、オーバーキャップ6−3から容器2−2を取り出すことができる。
ここで、首部23の係合溝23aとキャップ4−3の突起41cとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつカバー側磁着部65とキャップ側磁着部45との係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2−2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、カバー側磁着部65とキャップ側磁着部45とが磁着した状態で、キャップ4−3の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図14(d)に示すように、オーバーキャップ6−3から容器2−2を取り外すことができる。
一方、オーバーキャップ6−3を容器2−2に取り付ける場合には、図14(e)に示すように、オーバーキャップ6−3を容器2−2の上から被せると、容器2−2の首部23がスカート部41eによって下端内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内されて、スプレーヘッド24が上端内周面41aに挿入される。そして使用者が、オーバーキャップ6−3をさらに容器2−2に向かって押圧することにより、図14(f)に示すように、内カバー62の天面がキャップ4−3の上端41fに当接して、キャップ4−3が容器2−2の首部23に向かって押し込められる。
そして、図13(a)に示すように、首部23の係合溝23aにキャップ4−3の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4−3が首部23に係合されて、オーバーキャップ6−3が容器2−2に取り付けられる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−3においても、キャップ4−3がオーバーキャップ6−3の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4−3がオーバーキャップ6−3の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4−3の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6−3を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−3に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6−3の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−3を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5−3においても、オーバーキャップ6−3に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4−3がオーバーキャップ6−3の内部で傾くことにより、キャップ4−3に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−3の着脱を容易にすることができる。
次に第4の実施形態のオーバーキャップ付容器5−4について、以下図面を参照して説明する。図15は第4の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-4の上部拡大断面図、図16,図17はオーバーキャップ付容器5−4のオーバーキャップ6−4の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−4は、上述した第2の実施形態のオーバーキャップ付容器5−2とは、内カバー62とキャップ4−4との係止方法が異なっている。本実施形態においては、異なる箇所についてのみ詳細に説明し、同様の箇所については同じ符号で示して説明は省略する。
本実施形態の内カバー62は、図15〜図17に示すように、オーバーキャップ本体61と2重構造をなすように形成されており、内側上面には、内カバー62の中心軸を真ん中にして左右方向に一定の間隔をおいて内側上面から下方に向かって延びる吊り棒7を備えている。吊り棒7は棒体71と、棒体71の下端に設けられた円板状のフック72で構成されている。なお、フック72の形状は特に限定されるものではなく、後述する貫通孔46cの内径よりも大きな外径を有するものであればいずれの形状であってもよい。また棒体71は円筒、円柱、角柱等、いずれの形状であってもよい。
キャップ4−4は、キャップ本体41の外周面(側面)から左右の側方に水平に延びる2つの延出部46を備えている。延出部46は、キャップ本体41の外周面から側方に水平に延び出す基部46aと、基部46aの先端から下方に向かって延びる爪片46bとを備えている。基部46aには、棒体71が挿通するフック72よりも小さい内径の貫通孔46cが形成されており、基部46aの下面にフック72の上面が当接することで、キャップ4−4が内カバー62に係止する。
以下、容器2−2に対するオーバーキャップ6−4の着脱動作について説明する。まず、図16(a)に示す収納時の状態から、オーバーキャップ6−4を容器2−2から取り外す動作を説明する。図16(a)に示す状態においては、フック72は、延出部46の基部46aの下面から間隔を空けて位置している。まず図16(b)に示すように、使用者がオーバーキャップ6−4を持ち上げる。さらにオーバーキャップ6−4を持ち上げると、図16(c)に示すように、フック72の上面が基部46aの下面に当接することでキャップ4−4が内カバー62に係止する。
次に使用者が、オーバーキャップ6−4から突出した容器2−2の下端部を把持して容器2−2をオーバーキャップ6−4から引っ張ると、図17(d)に示すように、首部23の係合溝23aとキャップ4の突起41cとの係合が解除されて、キャップ4−4が首部23から離脱し、オーバーキャップ6−4から容器2−2を取り出すことができる。
ここで、首部23の係合溝23aとキャップ4−4の突起41cとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつフック72の上面と基部46aの下面との係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2−2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、フック72の上面と基部46aの下面とが当接した状態で、キャップ4の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図17(d)に示すように、オーバーキャップ6−4から容器2−2を取り外すことができる。
一方、オーバーキャップ6−4を容器2−2に取り付ける場合には、図17(e)に示すように、オーバーキャップ6−4を容器2−2の上から被せると、容器2−2の首部23がスカート部41eによって下端内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内されて、スプレーヘッド24が上端内周面41aに挿入される。そして使用者が、オーバーキャップ6−4をさらに容器2−2に向かって押圧することにより、図17(f)に示すように、内カバー62の天面がキャップ4−4の上端41fに当接して、キャップ4−4が容器2−2の首部23に向かって押し込められる。
そして、図16(a)に示すように、首部23の係合溝23aにキャップ4−4の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4−4が首部23に係合されて、オーバーキャップ6−4が容器2−2に取り付けられる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−4においても、キャップ4−4がオーバーキャップ6−4の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4−4がオーバーキャップ6−4の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4−4の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6−4を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6−4の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−4を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5−4においても、オーバーキャップ6−4に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4−4がオーバーキャップ6−4の内部で傾くことにより、キャップ4−4に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−4の着脱を容易にすることができる。
次に第5の実施形態のオーバーキャップ付容器5−5について、以下図面を参照して説明する。図18は第5の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5−5の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−5は、図18(a)に示すように、内カバー62には、内部上端の側面において、内部上端から下方に向かうにつれて徐々に内方に向かって狭まり、後述するキャップ4−5の張出部47の外周の幅付近まできたら下方に向かって垂直に延びるベント部67が形成されている。また内カバー62には、内周面から内方に向かって環状に延びる環状凸部69が形成されている。ベント部67の垂直に延びる端部68は、その下端68aが環状凸部69の上面まで伸びており、端部68の内面には後述する突起47cが嵌合する嵌合溝68bが形成されている。なおベント部67は、内カバー62と一体的に形成されてもよいし、別体成型されてもよい。
キャップ4−5は、キャップ本体41の外周面から側方に放射状に延びる2つの張出部47を備えており、張出部47は、キャップ本体41の外周面から側方に水平に延びる基部47aと、基部47aの先端から下方に向かって延びる弾性変形可能な爪片47bと、爪片47bの外周面に突出する円弧状の突起47cとを備えている。
キャップ4−5が、内カバー62の内部空間S内で下方に移動するときに、張出部47の爪片47bの外周面がベント部67の内面に案内されて移動し、張出部47の爪片47bの下端が環状凸部69の上面に当接することでキャップ4−5が内カバー62に係止する。爪片47bの外周面の外径が、ベント部67の内面の幅と略同じになるように形成されているので、下端68aが環状凸部69の上面に当接した状態では水平方向のガタツキを抑制することができる。また、突起47cと嵌合溝68bとが係合することにより、上記ガタツキをさらに抑制することができる。
本実施形態においては、図18(b)に示すように、例えば容器2−2を、容器2−2の軸が内カバー62の軸から2°傾いて内カバー62に挿入した場合に、容器2−2の首部23はスカート部41eに案内されて下端内周面41b内へ円滑に挿入され、さらに容器2−2の首部23の上記傾きに合わせてキャップ4−5が内カバー62の内部空間S内で傾くことにより、容器2−2の首部23をキャップ4−5の下端内周面41bに対して垂直に挿入することができるので、キャップ4−5に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−5の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−5を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
なお、本実施形態のベント部67は、本実施形態に限られるものではなく、上述したカバー付容器1や、第4の実施形態のオーバーキャップ付容器5−4にも採用することができる。
次に第6の実施形態のオーバーキャップ付容器5−6について、以下図面を参照して説明する。図19は第6の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-6の上部拡大断面図、図20,図21はオーバーキャップ付容器5−6のオーバーキャップ6−6の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−6は、上述した第5の実施形態のオーバーキャップ付容器5−5に、カバー突出部70および受凹部41hを設けたものであり、本実施形態においては、異なる箇所についてのみ詳細に説明し、同様の箇所については同じ符号で示して説明は省略する。
カバー突出部70は、内カバー62の内側上面に、下方に向かって先細に突出する。またキャップ4−6のキャップ本体41は、上壁41gを有しており、上壁41gには中央上面にカバー突出部70の先端を受ける受凹部41hが形成されている。
以下、容器2−2に対するオーバーキャップ6−6の着脱動作について説明する。まず、図20(a)に示す収納時の状態から、オーバーキャップ6−6を容器2−2から取り外す動作を説明する。図20(a)に示す状態においては、カバー突出部70の先端は受凹部41hに当接している。図20(b)に示すように、使用者がオーバーキャップ6−6を持ち上げる。するとカバー突出部70の先端は受凹部41hから離れる。さらにオーバーキャップ6−6を持ち上げると、図20(c)に示すように、環状凸部69の上面に張出部47の爪片47bの下端が上方から当接して係止する。
次に使用者が、オーバーキャップ6−6から突出した容器2−2の下端部を把持して容器2−2をオーバーキャップ6−6から引っ張ると、図21(d)に示すように、首部23の係合溝23aとキャップ4−6の突起41cとの係合が解除されて、キャップ4−6が首部23から離脱し、オーバーキャップ6−6から容器2−2を取り出すことができる。
ここで、首部23の係合溝23aとキャップ4−6の突起41cとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつ環状凸部69の上面と張出部47の爪片47bの下端との係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2−2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、張出部47の爪片47bの下端が環状凸部69の上面に係止した状態で、キャップ4−6の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図21(d)に示すように、オーバーキャップ6−2から容器2を取り外すことができる。
一方、オーバーキャップ6−6を容器2−2に取り付ける場合には、図21(e)に示すように、オーバーキャップ6−6を容器2−2の上から被せると、容器2−2の首部23がスカート部41eによって下端内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内されて、スプレーヘッド24が上端内周面41aに挿入される。そして使用者が、オーバーキャップ6−6をさらに容器2−2に向かって押圧することにより、図21(f)に示すように、カバー突出部70の先端が受凹部41hに当接して、キャップ4−6が容器2−2の首部23に向かって押し込められる。
そして、図20(a)に示すように、首部23の係合溝23aにキャップ4−6の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4−6が首部23に係合されて、オーバーキャップ6−6が容器2−2に取り付けられる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−6においても、キャップ4−6がオーバーキャップ6−6の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4−6がオーバーキャップ6−6の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4−6の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6−6を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−6に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6−6の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−6を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5−6においても、オーバーキャップ6−6に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23の挿入角度に応じてキャップ4−6がオーバーキャップ6−6の内部で傾くことにより、キャップ4−6に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−6の着脱を容易にすることができる。
なお、本実施形態のカバー突出部70および受凹部41hは、1組だけではなく、複数組設けるようにしてもよい。また受凹部41hは必ずしも必要ではなく、カバー突出部70のみを少なくとも1つ設けたものであってもよい。カバー突出部70の形状は先細に限定されるものではなく、円柱状であっても、円筒状であっても、角柱状であってもよいし、適宜変更することができる。
また、本実施形態のカバー突出部70および受凹部41hは、本実施形態に限られるものではなく、上述したカバー付容器1や、第1〜5の実施形態のオーバーキャップ付容器5,5−2,5−3,5−4,5−5にも採用することができる。
また、本実施形態のキャップ4−6のように、上壁41gを有しているキャップの場合には、上壁41gから上方に向かって突出し、内カバー62の内側上面に当接するキャップ突出部(図示せず)を形成してもよい。
次に第7の実施形態のオーバーキャップ付容器5−7について、以下図面を参照して説明する。図22は第7の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-7の上部拡大断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−7の張出部48は、上述した実施形態の張出部42,47とは異なり、図22に示すように、キャップ本体41の外周面から斜め下方に延びたものであり、斜め下方に延びる傾斜部48aと、傾斜部48aの下端から下方へ垂直に延びる下端部48bと、下端部48bの外周面に突出する突起48cとを備えている。このように、張出部48を斜めに延ばすことにより、下端部48bの下端が環状凸部69の上面に当接したときに、張出部48が折れたりすることを防止することができる。
上述した実施形態においては、係合溝23aと突起41cとが嵌合することにより首部23とキャップ4とを係合する構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばおねじとめねじによる螺合により首部23とキャップ4とを係合させてもよい。この場合、首部23をキャップ4から着脱させる際には、首部23をキャップ4に対して相対的に回転させながらキャップ4へ挿入したり、離脱することになる。その他、首部23とキャップ4との係合には、一般的なキャップ付容器で使用される機構を使用することができる。
ここで、図1〜図6に示して説明した第1の実施形態のカバー付容器1において、首部23とキャップ4とを螺合により係合させる実施形態について以下図面を参照して説明する。図23は本発明の第8の実施形態に係るカバー付容器1−2の上部拡大断面図、図24は図23のカバー付容器1−2のカバー3−2の断面図、図25は図23のカバー付容器1−2のカバー3−2の着脱動作を説明するための図、図26は首曲がりが生じている図23のカバー付容器1−2のカバー3−2の着脱動作を説明するための図である。なお本実施形態のカバー付容器1−2においては、図1〜図6のカバー付容器1と同様の構成については同じ符号で示すことによりここでの詳細な説明は省略し、異なる構造についてのみ詳細に説明する。
本実施形態のカバー付容器1−2は、図23〜図26に示すように、容器2−3と、容器2−3に着脱可能なカバー3−2とを備えている。容器2−3は、容器本体21と、ネック22とスプレーヘッド24−2とで構成される首部23−2とを備えている。本実施形態のスプレーヘッド24−2は、上述した実施形態のスプレーヘッド24の外周面に設けられた係合溝23aが形成されておらず、ねじ切り加工された首部側ネジ部23bが設けられている。すなわち首部23−2の外周面には首部側ネジ部23bが設けられている。
また、本実施形態のカバー3−2は、容器本体21の形状に対応する形状で形成されており、図23に示すように、外カバー31と、内カバー32−2と、内カバー32−2の内部で遊動可能なキャップ4−2とを備えている。
内カバー32−2は、図23、図24に示すように、外カバー31と2重構造をなすように形成されており、円筒状である外カバー31に対して、断面が楕円形である筒状に形成されている。また楕円形の短径側の外周面から外カバー31の内周面に向って強度を保つために橋架された橋架部34が形成されている。本実施形態の内カバー32−2は、上述した実施形態の、環状に突出した突部33が設けられた内カバー32(図3参照)とは異なり、図24に示すように、上下方向の中央よりも下方の内周面の対向する位置に、内周面から内方に向かって延びる一対の突部33−2を備えている。突部33−2は、上述した実施形態の内カバー32(図3参照)と同様に、突部33の内周面からさらに内方に向かって環状に延びるカバー側凸部33aと、カバー側凸部33aの上方の突部33の内周面に沿って形成された底面が円弧状の係止溝33bとを備えている。なお内カバー32は、外カバー31と一体的に形成されてもよいし、外カバー31とは同じ樹脂または異なる樹脂により別体で形成され、外カバー31に接着、溶着、圧着等により固着されていてもよい。
キャップ4−2は、上述した実施形態の、キャップ本体41の外周面から側方に放射状に延びる8つの張出部42を備えたキャップ4(図4参照)とは異なり、図24に示すように、キャップ本体41の両側に外方に向って延びる2つの張出部42−2を備えている。またキャップ本体41の下端内周面41bには上述した容器2−3の首部23−2の首部側ネジ部23bに係合するようにねじ切り加工されたキャップ側ネジ部41jが形成されている。キャップ4−2に対して首部23−2を時計回りに回転させることにより、キャップ4−2と首部23−2が螺合し、キャップ4−2に対して首部23−2を反時計回りに回転させることによりキャップ4−2と首部23−2との螺合が解消されてキャップ4−2から首部23−2が離脱する。なおキャップ本体41の内側が容器2−3の首部23−2に係合する係合部として機能する。
本実施形態においては、キャップ4−2が内カバー32−2の内部で遊動可能であるが、上述した実施形態とは異なり、内カバー32−2の内部空間Sにおいて、キャップ4−2が軸を中心にして回転する方向の動きが規制されている。すなわち、図24に示すように内カバー32−2の水平断面の内周を楕円形とすることにより、図24(a)に示す、キャップ4−2の張出部42−2を内カバー32−2の長径に沿って位置させた状態から、図24において時計方向(容器2−3を下から持って反時計方向)に回転させたとき、キャップ4−2は容器2−3の首部23−2に螺合して首部23−2の回転に伴って図24(b)に示すように、キャップ4−2の張出部42−2の端部の角が内カバー32−2の内周面に当接してキャップ4−2の回転が内カバー32−2に阻止され、首部23−2の首部側ネジ部23bがキャップ4−2のネジ部41jに螺入してねじこまれるように構成されている。
このように、キャップ4−2の回転方向の動きを内カバー32−2に対して規制することにより、首部23−2をキャップ4−2に対して相対的に回転させながらキャップ4−2に装着するときに、キャップ4−2が内カバー32−2の内部空間において回転を規制されるので、キャップ4−2が首部23−2と一緒に回転して空回りするのを防止することができ、キャップ4−2と首部23−2とを螺合することができる。
次に容器2−3に対するカバー3−2の着脱動作について、以下、図面を参照して説明する。まず、容器2−3からカバー3−2を取り外す場合について説明する。図25(a)に示すカバー3−2が容器2−3に取り付けられた状態から、使用者がカバー3−2を把持して容器2−3をから離脱する方向へ持ち上げると、キャップ4−2は容器2−3と共にカバー3−2から離脱する方向(下方向)へ移動し、図25(b)に示すように、キャップ4−2は張出部42−2の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接してカバー側凸部33aに係止された状態になる。なお、図25(a)(b)に示す状態では、キャップ4−2と首部23−2とは螺合されている。また、キャップ4−2が下方向に移動する際には、キャップ4−2は、爪片42bの外周面が突部33−2の内周面に押されながら移動するので、爪片42bはキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態で移動することになる。そしてカバー側凸部33aと爪片42bが協働して、キャップ4−2をカバー側凸部33aに係止した状態において、内カバー32−2の係止溝33bにキャップの突起42cが係合して、キャップ4により強固に係止されるように構成されている。
次に使用者が、片手でカバー3−2を把持した状態で、容器2−3をキャップ4−2に対して反時計回りに回転させることにより、首部23−2がキャップ4−2と一緒に回転し、その後、キャップ4−2の張出部42−2の端部が内カバー32−2の内周面に当接してキャップ4−2の回転が止まる。キャップ4−2の回転が止まると、首部23−2がキャップ4−2に対して回転、すなわち首部23−2の首部側ネジ部23bがキャップ側ネジ部41jに沿って回転するので、首部23−2が下方すなわちカバー3−2から離脱する方向に移動し、爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、キャップ4−2のキャップ側ネジ部41jと首部23−2の首部側ネジ部23bとの螺合のみが解除されることになり、図25(c)に示すように、カバー3−2を容器2から取り外すことができる。
一方、容器2−3にカバー3−2を取り付ける場合には、使用者が、片手でカバー3−2を把持した状態で、容器2−3の首部23−2をカバー3−2の下端側からキャップ4−2の下端内周面41bに向けて挿入する。首部23−2のキャップ4−1への挿入時には、キャップ4−2の爪片42bはカバー側凸部33aに係止されており(図25の(c)参照)、首部23−2すなわち容器2−3をカバー3−2に向けて押し上げると、キャップ4−2は首部23−2と共に内カバー32−2の内部空間S内に押し上げられて、爪片42bの外周面が突部33−2の内周面に押され、爪片42bがキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態でキャップ4−2が上方に移動するので、キャップ4−2の突起42cが係止溝33bから外れ、さらにカバー側凸部33aと爪片42bとの係止が外れる。
カバー側凸部33aと爪片42bすなわち張出部42−2との係止が外れた後に、さらに容器2−3をカバー3−2に向けて押し上げると、キャップ4−2の上端41fが内カバー32−2の天面に当接する。キャップ4−2の上端41fが内カバー32−2の天面に当接した状態で、使用者が容器2−3を時計回りに回転させることにより、まず首部23−2がキャップ4−2と一緒に回転し、その後、キャップ4−2の張出部42−2の外面が内カバー32−2の内周面に当接してキャップ4−2の回転が止まった後で、首部23−2がキャップ4−2に対して回転することにより、首部側ネジ部23bがキャップ側ネジ部41jに沿って回転するので、首部23−2が上方に移動してキャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとが螺合されて、カバー3−2が容器2−3に取り付けられる。
なお、キャップ4−2が首部23−2に螺合されてカバー3−2が容器2−3に取り付けられた状態においては、内容物で満たされた容器2−3の自重Wよりもキャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとの螺合による係合力f1の方が大きく構成されており、使用者がカバー3−2のみを把持してカバー付容器1−2を持ち運んだ場合であっても、キャップ4−2は容器2−3と共にカバー3−2から離脱する方向へ移動するが、図25(b)に示すように、キャップ4−2はキャップ4−2の張出部42−2の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接して係止され、カバー3−2から離脱しないようになっている。
一般に、本実施形態のように首部23−2を有するガラス製の容器2−3においては、製造上、やむを得ず容器2−3に、いわゆる首曲がり等の歪みが生じてしまう場合がある。ここで図26に首曲がりが生じているカバー付容器1−2のカバー3−2の着脱動作を説明するための図を示す。
図26に示す容器2−3は、首部23−2が容器本体21に対して3°傾いて形成されており、その他の構成については上述した実施形態のカバー付容器1−2と同様である。まず、容器2−3からカバー3−2を取り外す場合には、図26(a)に示すカバー3−2が容器2−3に取り付けられた状態から、使用者がカバー3−2を把持して容器2−3から離脱する方向へ持ち上げると、キャップ4−2は容器2−3と共にカバー3−2から離脱する方向へ移動し、図26(b)に示すように、キャップ4−2は張出部42−2の爪片42bの下端がカバー側凸部33aの上面に当接してカバー側凸部33aに係止された状態になる。すなわちキャップ4−2は首部23−2と同じ3°に傾いた状態のまま、外カバー31と内カバー32−2も3°傾いた状態になる。
そして使用者が、片手でカバー3−2を把持した状態で、容器2−3をキャップ4−2に対して反時計回りに回転させることにより、首部23−2がキャップ4−2と一緒に回転し、その後、キャップ4−2の張出部42−2の外面が内カバー32−2の内周面に当接してキャップ4−2の回転が止まる。キャップ4−2の回転が止まると、首部23−2がキャップ4−2に対して回転、すなわち首部23−2の首部側ネジ部23bがキャップ側ネジ部41jに沿って回転するので、首部23−2が下方すなわちカバー3−2から離脱する方向に移動し、爪片42bがカバー側凸部33aに係止した状態で、キャップ4−2のキャップ側ネジ部41jと首部23−2の首部側ネジ部23bとの螺合のみが解除されることになり、図25(c)に示すように、カバー3−2を容器2から取り外すことができる。
一方、容器2−3にカバー3−2を取り付ける場合には、図26(c)に示す状態から、使用者が、片手でカバー3−2を把持した状態で、容器2−3の首部23−2をカバー3−2の下端側からキャップ4−2の下端内周面41bに向けて挿入する。このとき首部23−2は図26(b)に示すようにキャップ4−2の下端内周面41bに対して垂直に挿入される。なお、図26(b)はキャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとが螺合された状態を示しているが、容器2−3にカバー3−2を取り付ける場合には、まだキャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとは螺合されていない。
首部23−2のキャップ4−1への挿入時には、キャップ4−2の爪片42bはカバー側凸部33aに係止されており(図26の(b)参照)、首部23−2すなわち容器2−3をカバー3−2に向けて押し上げると、キャップ4−2は首部23−2と共に内カバー32−2の内部空間S内に押し上げられて、爪片42bの外周面が突部33−2の内周面に押され、爪片42bがキャップ本体41の外周面側に弾性的に撓んだ状態でキャップ4−2が上方に移動するので、キャップ4−2の突起42cが係止溝33bから外れ、さらにカバー側凸部33aと爪片42bとの係止が外れて、キャップ4−2が内カバー32−2の内部空間S内で遊動可能な状態となる。
キャップ4−2が遊動可能な状態において、容器本体21が外カバー31および内カバー32−2に対して垂直になるように、容器2−3をカバー3−2に向けて押し上げると、キャップ4−2は内部空間S内に押し上げられる。使用者が容器2−3を時計回りに回転させ、キャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとが螺合された瞬間に、キャップ4−2が首部23−2の傾きに合わせて3°傾いた状態でキャップ4−2の上端41fが内カバー32の天面に当接する。キャップ4−2の上端41fが内カバー32−2の天面に当接した状態で、使用者が容器2−3を時計回りに回転させることにより、首部23−2とキャップ4−2とが同じ傾きを保持した状態で一緒に回転し、その後、キャップ4−2の張出部42−2の外面が内カバー32−2の内周面に当接してキャップ4−2の回転が止まった後で、首部23−2がキャップ4−2に対して回転することにより、首部側ネジ部23bがキャップ側ネジ部41jに沿って回転するので、首部23−2が上方に移動してキャップ側ネジ部41jと首部側ネジ部23bとが螺合されて、カバー3−2が容器2−3に取り付けられる。
このように、本実施形態のキャップ4−2は、内カバー32−2の内部空間S内で遊動可能に構成されているので、容器2−3に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23−2に着脱されるキャップ4−2が内カバー32−2の内部で遊動することにより、首部23−2の角度に応じてキャップ4−2の傾きのみが変更するので、カバー3−2を容器2−3に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−2に対して首部23−2が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−3に対するカバー3−2の着脱を容易にすることができる。また、カバー3−2を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
なお、図26においては、首曲がりが生じているカバー付容器1−2のカバー3−2の着脱動作について説明したが、首曲がりが生じていない図25のカバー付容器1−2において、カバー3−2に対して容器2−3が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部23−2の挿入角度に応じてキャップ4−2が内カバー32−2の内部空間S内で傾くことにより、キャップ4−2に対して首部23−2が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−3に対するカバー3−2の着脱を容易にすることができる。
次に第8の実施形態のオーバーキャップ付容器5−8について、以下図面を参照して説明する。図27は第8の実施形態に係るオーバーキャップ付容器5-8の上部拡大断面図、図28,図29はオーバーキャップ付容器5−8のオーバーキャップ6−8の着脱動作を説明するための断面図である。なお容器2−2およびオーバーキャップ本体61の形状は、上述した実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態のオーバーキャップ6−8は、オーバーキャップ本体61とオーバーキャップ本体61の内面に形成された内カバー62との2重構造を有している。内カバー62は、内カバー62の上端部周面から内方に向かって延びる底面81を備えている。底面81はその中央にキャップ本体41が挿通する孔81aが形成されており、孔81aの周囲には下方に向かって延びる円筒壁82が設けられている。なお孔81aの内径は、後述するキャップ4−8の張出部49の外径よりも小さい径で構成されている。
底面81の上側には、内カバー62の周面から内方に向かって延びる天面83が形成されており、天面83は、中央部が中心に向かうにつれて天上が高くなるドーム型に形成されていて、ドームの中央には天面孔83aが形成されている。天面孔83aは、後述するキャップ4−8の張出部49の外径よりも小さい径で構成されている。また、キャップ4−8の最も大きな径よりも若干幅広な位置に底面81と天面83とを繋ぐ柱部84が設けられている。柱部84は、キャップ4−8の左右方向の動きを規制すると共に、底面81と天面83の強度を増幅させている。なお、本実施形態では図示はしないが、内カバー62は前側及び後側の2つ部品からなる合わせ貝状や前側及び後側においてそれぞれ複数分割された複数の部品からなる合わせ貝状等、複数の部品から構成することができる。
キャップ4−8は、弾性を有する樹脂により形成されており、図27に示すように、円筒状のキャップ本体41と、キャップ本体41の上端から側方に向かって環状に延びる張出部49を備えている。張出部49は天面83の形状に対応するように、ドーム型となっている。キャップ本体41の外周面には、突出する突起50が形成されている。突起50は、キャップ本体41をスリットで切り欠いて形成される片持ちのベント状に、外側に向かって設けられている。突起50を図27に示すようにスリットによる片持ちの形状とすることにより、可撓性を付与することができる。キャップ本体41の内周面41aには容器2の首部23の係合溝23aに係合する環状の突起で構成された突起41cが形成されている。またキャップ本体41の下端には下方に向かうにつれて内径が大きくなるスカート部41eが設けられている。スカート部41eはキャップ本体41よりも薄肉に形成されており、好ましくは周状に断続的に設けられる。なお、スカート部41eを周状に断続的に設けることにより、可撓性が付与される。
本実施形態においては、キャップ4−8が上方に移動すると、張出部49の上面が天面83の下面に当接し、キャップ4−8が下方に移動すると張出部49の下面が底面81の上面に当接して、キャップ4−8の上下方向の移動の範囲を制御する。底面81、天面83および柱部84で構成される空間が、キャップ4−8の上下方向の移動の範囲を制御する制御空間S8となる。
以下、容器2−2に対するオーバーキャップ6−8の着脱動作について説明する。まず、図28(a)に示す収納時の状態から、オーバーキャップ6−8を容器2−2から取り外す動作を説明する。図28(a)に示す状態においては、張出部49の上面が天面83の下面に当接している。図28(b)に示すように、使用者がオーバーキャップ6−8を持ち上げる。すると張出部49の上面が天面83の下面から離れる。さらにオーバーキャップ6−8を持ち上げると、図28(c)に示すように、張出部49の下面が底面81の上面に当接してキャップ4−8が内カバー62に係止する。このとき、図27に示すように、突起50は円筒壁82の内周面に係止するので、キャップ4−8が遊動しない。これによりキャップ4−8のガタツキによる異音の発生を防止することができる。また、突起50が可撓性を有して円筒壁82の内周面に係止されていることにより、キャップ4−8の上下方向の移動に自由度を付与することができる。これにより容器2−2をオーバーキャップ6−8から引き抜くときに、例えば容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、一方の突起50のみを上下方向に移動させることができるため、図28(b)の状態から図28(c)の状態に変化する過程において、すなわち、張出部49の下面が底面81の上面に当接する前の状態において、首部23の角度に応じてキャップ4−8の傾きを変更させることができるので、首部23の許容性を保つことができる。
次に使用者が、オーバーキャップ6−8から突出した容器2−2の下端部を把持して容器2−2をオーバーキャップ6−8から引っ張ると、図29(d)に示すように、首部23の係合溝23aとキャップ4−8の突起41cとの係合が解除されて、キャップ4−8が首部23から離脱し、オーバーキャップ6−8から容器2−2を取り出すことができる。
ここで、首部23の係合溝23aとキャップ4−8の突起41cとの係合力f1が使用者の手による引っ張り力Fよりも小さく構成され、かつ張出部49の下面と底面81の上面との係止力f2が内容物で満たされた容器2−2の自重Wに使用者の手による引っ張り力Fを加えた力よりも大きく構成されているので、使用者が容器2−2を下方すなわちカバー3から離脱させる方向に引っ張ると、張出部49の下面が底面81の上面に係止した状態で、キャップ4−8の突起41cと首部23の係合溝23aとの係合のみが解除されることになり、図29(d)に示すように、オーバーキャップ6−8から容器2を取り外すことができる。
一方、オーバーキャップ6−8を容器2−2に取り付ける場合には、図29(e)に示すように、オーバーキャップ6−8を容器2−2の上から被せると、容器2−2の首部23がスカート部41eによって内周面41b内へ円滑に挿入されるように案内されて、スプレーヘッド24が内周面41aに挿入される。そして使用者が、オーバーキャップ6−8をさらに容器2−2に向かって押圧することにより、図29(f)に示すように、張出部49の下面が天面83の下面に当接して、キャップ4−8が容器2−2の首部23に向かって押し込められる。
そして、図24(a)に示すように、首部23の係合溝23aにキャップ4−8の突起41cが確実に押し込まれることにより、キャップ4−8が首部23に係合されて、オーバーキャップ6−8が容器2−2に取り付けられる。
本実施形態のオーバーキャップ付容器5−8においても、キャップ4−8がオーバーキャップ6−8の内部で遊動可能に構成されているので、上述した実施形態と同様に、容器2−2に首曲がり等の歪みが生じている場合であっても、首部23に着脱されるキャップ4−8がオーバーキャップ6−8の内部で遊動することにより、首部23の角度に応じてキャップ4−8の傾きのみが変更するので、オーバーキャップ6−8を容器2−2に対して垂直に取り付けることができる。これにより、キャップ4−8に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができるので、容器2−2に対するオーバーキャップ6−8の着脱を容易にすることができる。また、オーバーキャップ6−8を容器本体21の底面に対して垂直に取り付けることができるので、見栄えがよい。
また、首曲がりが生じていないオーバーキャップ付容器5−8においても、オーバーキャップ6−8に対して容器2−2が斜めに挿入された場合であっても、挿入された首部2の挿入角度に応じてキャップ4−8がオーバーキャップ6−8の内部で傾くことにより、キャップ4−8に対して首部23が斜めに係合してしまうのを防止することができ、容器2−2に対するオーバーキャップ6−8の着脱を容易にすることができる。
なお、上述した実施形態においては、容器本体21はガラス製としたが、本発明はこれに限られるものではなく、樹脂製であってもよいし、ステンレス製であってもよいし、適宜材質を変更することができる。
また、上述した実施形態においては、容器本体21に化粧料を収容するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、整髪料や薬品、食品、接着剤、塗料等、様々な内容物を収容することができる。
また、上述した実施形態においては、容器2はスプレーヘッド24を備えたスプレー容器としたが、本発明はこれに限られるものではなく、単に排出孔を備えた容器であってもよいし、エアゾール式の容器であってもよいし、様々な容器を使用することができる。
また、本発明のカバー付容器は、上述した実施形態の容器2−3のスプレーヘッド24を外したカバー付容器1−2であってもよい。この場合、ネック22の外周面に設けられたねじ切り部分が(図1参照)、キャップ側ネジ部41jと螺合する。容器2−3を収納棚や台等に載置して保管する場合等には、ネック22の上端の開口は開いたままでもよいが、持ち運びする場合には、この開口を塞ぐ着脱式の蓋体を取り付けるものとする。
本発明のカバー付容器は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。