JPH07300131A - 液体用詰め替え容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価な内容器が選択でき、詰め替え作業が容
易な液体用詰め替え容器を提供する。 【構成】 瓶体からなる内容器１と；内容器１を収納し
た有底楕円筒状の胴部４の開口部５の長径外側に一対の
突起６，６が突設されているとともに、肩部７の下部の
短径外側に一対の突起８，８が突設され、前記短径外側
の突起８，８と係合する小突起９，９を内側に設けて脱
抜不能に遊嵌したリング１０が嵌挿された下部外装体２
と；内容器１の口部１２に嵌入した挿通管１３と連通し
た頚部１４が立設された肩板１１には周壁１６が垂設さ
れているとともに、周壁１６の長径側には長径外側の突
起６，６と係合するフック１７，１７を内側下端に有す
る弾性片１８，１８が形成された上部外装体３と；から
なり、リング１０を上下に摺動することにより上下外装
体３，２が着脱される構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧水、液体シヤンプ
ーなどの液体用詰め替え容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】容器の高級感を維持しながら、省資源
化、低公害化を図り、しかも安価に供給するために容器
の詰め替え容器化が行われている。このような容器の一
例として図７に示す特公平４−２４０４５号の発明があ
る。この容器は、図７の縦断面図に示す如く、化粧品自
体をリフイール容器と称する内容器５２に充填し、これ
を使用するに当っては、意匠的並びに実用的に優れた外
容器５１に装着した状態で使用するとともに、内容器５
２の化粧品切れに際しては、空となった内容器５２に代
えて新たな化粧品の充満する内容器５２を前記外容器５
１に装着して使用し、外容器５１は反復して使用しうる
ようになっている。

【０００３】即ち、この液体用詰め替え容器の構成は、
装飾カバー５１ａを施した外容器５１に着脱可能に位置
決め装着するとともに前記内容器５２を収納した外容器
５１の開口を覆って肩カバー５３を外容器５１に螺着
し、前記肩カバー５３の中央挿通口から内容器５２の口
部５２ｂを突出させ、キャップ５４を口部５２ｂに螺着
あるいは凹凸嵌合するようになっている。そして外容器
５１、内容器５２には相互の回転止めや周方向のがたつ
き防止の為に互いに位置決め嵌合用の複数の凹凸条や幅
広の凹溝や凸条を設けるとともに（図示せず）、肩カバ
ー５３と外容器５１には互いに嵌合するねじ部を設けて
前記内、外容器５２、５１、肩カバー５３を一体的に結
合装着することで上下のがたつきをも防止する構成にな
っている。

【０００４】上記の液体用詰め替え容器の構造は、外容
器の美観と内容器を取り替え得るようにすることだけを
意図していて、交換作業の容易性や容器の作りやすさ、
内容器の封印手段の多様化はあまり配慮されていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、前記従来技術の液体用詰め替え容器では
あまり配慮されてなかった下記に列挙した不具合を解決
することにある。 ａ．肩カバーを外容器から着脱するには、キヤップを内
容器から外してからでないと行なえないという交換作業
上の操作性の悪さがある。 ｂ．外容器と肩カバーは螺合により着脱して内容器を交
換する構造なので、肩カバーの着脱に手間がかかるうえ
に、交換作業中に肩カバーを落として損傷したり汚損し
たりする。 ｃ．外容器と、リフィールとなる内容器との蓋の封印手
段は同一構造でなければならず、内容器の蓋の構造を自
由に選択できないので、内容器は所望に応じた安価な封
印手段を自由に選択できない。 ｄ．肩カバーと外容器の底部とで内容器の上下を挟持す
る構造であるので、利用者の締め付け具合で肩カバーの
下に隙間が生じて美観を損ねたり、逆に締め付け負荷を
かけすぎて内容器を破損するおそれがあり、製作上高度
の寸法精度が要求される。 ｅ．外容器と内容器の相互で直接嵌合状態を保持する構
造になっているので、内容器の嵌脱には肩カバーの着脱
に加えて外容器と内容器間の嵌合脱抜という個々の操作
上の注意が必要であり、したがって操作性が悪い。 本願発明は、以上のような不具合な点を鑑みてこれを解
決する為になされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願発明は、瓶体からな
る内容器と；前記内容器を収納した有底楕円筒状の胴部
の開口部の長径外側に中心を挟んで一対の突起が突設さ
れているとともに、肩部の下部の短径外側に中心を挟ん
で一対の突起が突設され、前記短径外側の突起と係合す
る小突起を内側に設けて脱抜不能に遊嵌したリングが嵌
挿された下部外装体と；前記内容器の口部に嵌入した挿
通管と連通し蓋が嵌装された頚部が立設された楕円フラ
ンジ状の肩板に周壁が垂設されているとともに、前記周
壁の長径側に前記長径側の突起と係合するフックを内側
下端に有する弾性片が形成された上部外装体と；からな
り、前記リングを上下に摺動することにより上部外装体
と下外装体が着脱されることを特徴とする。

【０００７】

【作用】化粧水、液体シャンプーなどの流体物を充填し
た瓶体の口部を適宜手段で密封した内容器を、下部外装
体に装填して瓶体の口部を開封し開口する。そして、上
部外装体を下部外装体の口部に合置して上から下方に押
圧すると、上部外装体の挿通管が瓶体口部に液密に嵌入
するとともに、上部外装体の周壁に形成された一対の弾
性片の内側に突設されたフックと下部外装体の口部外側
に突設された一対の突起とが緩やかに弾性的に係合す
る。

【０００８】次に下部外装体の肩部に遊嵌しているリン
グを上部外装体の周壁面を摺動させて上部外装体の肩板
面まで引き上げる。するとリングの内側に突設された一
対の小突起と下部外装体の肩部の下部に突設された一対
の突起が係合してリングは上部外装体の周壁外面に固定
され、上部外装体と内装された内容器と下部外装体は脱
抜不能に定着する。そして、蓋を外して容器を傾けれ
ば、内容器内の液体は上部外装体の挿通管より排出口に
達して吐出される。

【０００９】内容液を使用し切って新しい内容器に交換
するときは、下部外装体を押さえてリングを下部外装体
の肩部の下迄引き下げてリングの固定を上部外装体から
外す。すると、上部外装体と下部外装体の係合を保つ弾
性片はフリーとなってフックの係合が緩むので、上部外
装体を持って引き上げれば上部外装体と下部外装体とは
分離するとともに、挿通管が液密に嵌入している内容器
も同時に下部外装体の外に引き出される。そして内容器
を挿通管から抜き取り、新しい内容器を下部外装体に装
着する。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の好適な実施例について添付図
面を参照して説明する。図１は本発明の液体用詰め替え
容器の分解斜視図、図２は平面図であり、図３、図４
は、図２のＡ−Ａ方向、Ｂ−Ｂ方向のそれぞれから見た
従断面図であり、図５は要部の一部を破断した説明用の
正面図である。

【００１１】符号１は、ポリエチレンやポリプロピレン
などの汎用合成樹脂を用いてブロー成形方法やインジェ
クションブロー成形方法で成形された瓶体からなる内容
器であり、口部１２外側周面には雄螺子１２ａが螺設さ
れていて、内容液が充填されていいる。

【００１２】符号２は前記内容器１を収納した有底楕円
筒状の胴部４からなる下部外装体２であり、やや厚肉の
合成樹脂で成形されており、その外側表面には適宜凹凸
模様を形成したり様々な印刷方法やホットスタンプなど
による加飾が施されている。

【００１３】前記胴部４の開口部５の長径外側には、後
述する上部外装体３のフック１７，１７と係合する一対
の突起６，６が中心を挟んで突設されているとともに、
前記開口部５より一段下がって段部をなす肩部７の下部
にあって、短径外側には中心を挟んで一対の突起８，８
が突設されている。この突起８，８は後述するリング１
０の内側に設けた凹部１０ａに対応した所定の寸法を有
し、リング１０の内側に凹設した凹部１０ａに遊嵌して
リング１０を脱抜不能にして抜け止めになるとともに、
上下左右の動きを規制する。また、この突起８，８は、
リング１０を引き上げたときにリング１０の凹部１０ａ
内に突設された小突起９，９に係合して、図４に示すよ
うにリング１０を胴部４の上端に固定する。

【００１４】リング１０は、指掛りができる程度の所定
の厚肉に合成樹脂で環状に成形されており、胴部４と相
似楕円の内径を有していて胴部４の上部に上下摺動可能
に遊嵌されている。胴部４とリング１０との係合の構成
は前述の通りである。

【００１５】符号３は、下部外装体４に装着し一体化し
て本発明の詰め替え容器を構成する上部外装体である。
そして前記胴部４とほぼ同形の楕円フランジ状の肩板１
１に周壁１６が垂設されており、この周壁１６の長径側
には左右に切られた２本のスリット１６ａ，１６ａに挟
まれて周壁１６の肉厚よりも薄肉の弾性片１８，１８が
垂設されているとともに、この弾性片１８，１８の内側
下端には、前記胴部４の開口部５の長径外側に突設した
突起６，６と係合するフック１７，１７が突設形成され
ている。

【００１６】また、前記肩板１１の中央には外側に雄螺
子１４ａが螺設された頚部１４が立設されているととも
に、前記頚部１４には蓋１５が螺合している。そして、
頚部１４に連通して前記内容器１の口部１２に液密に嵌
入した挿通管１３が垂設されていて、内容器１内の液体
を排出口に向けて流通するようになっている。

【００１７】本実施例の詰め替え容器を組み立てるに
は、上部外装体３を下部外装体２の口部５に合置して上
から下方に押圧すると、上部外装体３の挿通管１３が瓶
体口部１２に液密に嵌入するとともに、上部外装体３の
周壁１６に形成された一対の弾性片１８，１８の内側に
突設されたフック１７，１７と下部外装体２の開口部５
の長径外側に突設された一対の突起６，６とが緩やかに
弾性的に係合する。

【００１８】次に、下部外装体２の肩部７に遊嵌してい
るリング１０を上部外装体３の周壁面１６を摺動させて
上部外装体３の肩板１１面まで引き上げる。すると、リ
ング１０の内側に突設された一対の小突起９，９と下部
外装体２の肩部７の下部に突設された一対の短径外側の
突起８，８が係合してリング１０は上部外装体３の周壁
１６外面に位置して固定され、上部外装体３と内容器１
と下部外装体２は互いに脱抜不能に定着する。そして、
蓋１５を外して容器を傾ければ、内容器１内の液体は上
部外装体３の挿通管１３より排出口に達して吐出され
る。

【００１９】内容液を使用し切って新しい内容器１に交
換するときは、下部外装体２を手指で押さえて図５に示
すようにリング１０を下部外装体２の肩部７の下方まで
引き下げてリング１０を上部外装体３との係合から外
す。すると上部外装体３と下部外装体２との係合を保つ
弾性片１８，１８はフリーとなり、フック１７，１７の
係合が緩む。そこで上部外装体３を手指で持って上に引
き上げれば、上部外装体３と下部外装体２とは分離する
とともに、挿通管１３が液密に嵌入している内容器１も
同時に下部外装体２の外に引き出される。そして内容器
１を挿通管１３から抜き取り、新しく液体が充填された
内容器１を下部外装体２に装着する。

【００２０】図６は、リフィールとなる内容器１の別の
実施例を示すもので、図６−Ａはプルトップ式の栓体１
ａを嵌着した内容器１の要部半断面図である。栓体１ａ
は軟質のポリエチレンなどで成形されていて金型が高価
になるスクリューキャップよりも安価に製造できる。ま
た、図６−Ｂは内容器１の別の実施例を示す正面図であ
り、開口部をアルミシートや樹脂シートなど、蓋類に比
較してより安価なシート材１ｂを使用して超音波溶着や
熱溶着など、適宜手段により口部を密封した例を示した
ものである。本詰め替え容器では上記実施例のように、
より安価な内容器１を自由に選択して使用することがで
きるという大きな利点がある。

【００２１】尚、本発明に係る詰め替え容器は楕円筒状
であるが、例えば下部外装体２の開口部５に突設した突
起６，６の両側に細い縦リブを設け、上部外装体３のス
リット１６ａ，１６ａにはめ込ませるような構成（図示
せず）にして、上下各外装体３，２の相互回動を防止す
る手段を設ければ、本発明の主要な構成を利用して真円
筒状の容器形状とすることも可能なことは言うまでもな
い。

【００２２】

【発明の効果】上記の構成、作用を有する本発明の液体
用詰め替え容器による効果は下記に列挙する通りであ
る。 ａ．上下各外装体の互いの定着は、脱抜不能に遊嵌して
いるリングを単に上下に摺動させるだでけで行なえるの
で、交換作業中にリングを誤って落として損傷したりす
ることがなく、操作がきわめて簡単容易である。 ｂ．内容器と外装体との係着は、上部外装体の挿通管を
内容器の口部に液密に嵌入するだけの構成であるので、
内容器の口部の密封手段や構造を自由に設計できて、安
価なリフィール容器を使用することができる。 ｃ．外装体に内容器を装着するときに、挿通管で内容器
の高さ寸法のばらつきを吸収できる機構であるので、内
容器の高度な寸法精度は不要であり、内容器はダイレク
トブロー成形方法による一般的な樹脂瓶で十分に機能す
るので安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の液体用詰め替え容器の実施例の分解斜
視図

【図２】実施例の平面図

【図３】図２のＡ−Ａ線縦断面図

【図４】図２のＢ−Ｂ線縦断面図

【図５】リングを引き下げた状態を示す要部を破断した
正面図

【図６】内容器の他の実施例を示すもので、 図６−Ａは栓体を使用した要部の正面半縦断面図 図６−Ｂはシールを使用した要部の正面図

【図７】従来の詰め替え容器の半従断面図

【符号の説明】

１ 内容器．２ 下部外装体．３ 上部外装体．４ 胴
部．５ 開口部．６，６ 突起．７ 肩部．８，８ 突
起．９，９ 小突起．１０ リング．１１ 肩板．１２
口部．１３ 挿通管．１４ 頚部．１５ 蓋．１６
周壁．１７，１７ フック．１８，１８ 弾性片．

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 瓶体からなる内容器（１）と；前記内
   容器（１）を収納した有底楕円筒状の胴部（４）の開口
   部（５）の長径外側に中心を挟んで一対の突起（６，
   ６）が突設されているとともに、肩部（７）の下部の短
   径外側に中心を挟んで一対の突起（８，８）が突設さ
   れ、前記短径側の突起（８，８）と係合する小突起
   （９，９）を内側に設けて脱抜不能に遊嵌したリング
   （１０）が嵌挿された下部外装体（２）と；前記内容器
   （１）の口部（１２）に嵌入した挿通管（１３）と連通
   し蓋（１５）が嵌装された頚部（１４）が立設された楕
   円フランジ状の肩板（１１）に周壁（１６）が垂設され
   ているとともに、前記周壁（１６）の長径側に前記長径
   外側の突起（６，６）と係合するフック（１７，１７）
   を内側下端に有する弾性片（１８，１８）が形成された
   上部外装体（３）と；からなり、前記リング（１０）を
   上下に摺動することにより上部外装体（３）と下外装体
   （２）が着脱されることを特徴とする液体用詰め替え容
   器。