JP6863518B2 - 磁性体検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性体検査装置に関し、特に、複数の磁性体の状態を検査する磁性体検査装置に関する。
従来、複数の磁性体の状態を検査する磁性体検査装置が知られている。このような磁性体検査装置は、たとえば、特開2005−89172号公報に開示されている。
特開2005−89172号公報には、複数本のワイヤロープのそれぞれを導く複数本のガイド路を有し、各ガイド路の下側に永久磁石を含む励磁部と検知コイルとを有する磁化検出部を備えた磁性体検査装置が開示されている。特開2005−89172号公報に開示されている磁性体検査装置は、永久磁石によってワイヤロープを磁化し、ワイヤロープの表面から漏れた磁界を検知コイルによって検出する漏えい磁束法によってワイヤロープの状態を検査する構成となっている。なお、特開2005−89172号公報に開示されている検知コイルは、ガイド路の形状に沿うような凹曲面形状に形成されている。
特開2005−89172号公報
しかしながら、特開2005−89172号公報に開示されている磁性体検査装置が行う漏えい磁束法は、磁化されたワイヤロープの表面から漏れ出した磁界を検知コイルによって検出するため、ワイヤロープの内部の傷や、ワイヤロープのうち、検知コイルに面していない部分にある傷は、正確に検知することが難しい。したがって、複数のワイヤロープを精度よく検査することが難しいという問題点がある。また、特開2005−89172号公報に開示されている磁性体検査装置は、ガイド路毎に永久磁石を設ける構成となっているため、部品点数が増加するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数が増加することを抑制しながら、複数の磁性体の状態(傷等の有無)を精度よく検査することが可能な磁性体検査装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における磁性体検査装置は、磁性体内部の磁束を測定する全磁束法により複数の磁性体の状態を検査する磁性体検査装置であって、磁性体の各々の磁界を検知する複数の検知コイルと、複数の磁性体に対して1つ設けられた励磁部と、磁性体の各々の磁界に基づく検知信号をそれぞれ出力する検知信号出力部と、磁性体に対して磁界を印加し磁性体に対して所定方向の磁界を印加する磁界印加部とを備え、複数の検知コイルは、磁界印加部により予め磁界が印加された磁性体の磁界の変化を検知するように構成されている。
なお、本発明において、磁性体の「傷等」とは、磁性体のスレ、局所的磨耗、素線断線、凹み、腐食、亀裂、折れ等により生じる検知方向に対する(磁性体内部で傷等が生じた場合の空隙に起因するものを含む)断面積の変化、磁性体の錆、溶接焼け、不純物の混入、組成変化等により生じる透磁率の変化、その他磁性体が不均一となる部分を含む広い概念である。また、磁界の変化とは、磁性体と検知部とを相対移動させることによる検知部で検知される磁界の強さの時間的な変化、および、磁性体に印加する磁界を時間変化させることによる検知部で検知される磁界の強さの時間的な変化を含む広い概念である。
この発明の一の局面における磁性体検査装置は、上記のように、磁性体の各々の磁界を検知する複数の検知コイルと、複数の磁性体に対して1つ設けられた励磁部とを備える。ここで、全磁束法による磁性体の検査では、磁性体内部の磁束(全磁束)を測定することにより検査を行う。したがって、傷などが磁性体のどの位置にあったとしても、磁性体内部の磁束の変化に基づいて傷を検知することが可能となる。上記のように構成することにより、磁性体の各々の磁界を検知する複数の検知コイルによって各々の磁性体から生じる磁界をそれぞれ検知することができる。その結果、全磁束法によって複数の磁性体の状態(傷等の有無)を検査することが可能となるので、磁性体の表面から漏えいした磁束を測定する漏えい磁束法を用いて複数の磁性体の状態(傷等の有無)を検査する場合と比較して、複数の磁性体の状態(傷等の有無)を精度よく検査することができる。また、1つの励磁部によって複数の磁性体に対して一度に磁界を印加することが可能となるので、1つの検知コイル(磁性体)に対して、1つの励磁部を設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。したがって、部品点数が増加することを抑制しながら、複数の磁性体の状態(傷等の有無)を精度よく検査することができる。また、磁性体に対して磁界を印加し磁性体に対して所定方向の磁界を印加する磁界印加部を備え、複数の検知コイルは、磁界印加部により予め磁界が印加された磁性体の磁界の変化を検知するように構成されている。これにより、磁性体に対して予め磁界が印加されるので、磁性体の磁化の向きを略一定にすることができる。その結果、検知信号出力部から出力される検知信号のノイズを低減することが可能となり、検知信号のS/N比を向上させることができる。したがって、検知信号のS/N比を向上させることによって、複数の磁性体の状態(傷等の有無)をより精度よく検査することができる。
上記一の局面における磁性体検査装置において、好ましくは、複数の検知コイルは、それぞれ、磁性体の各々の周囲を囲むように設けられており、励磁部は、複数の磁性体に対して1つ設けられている。このように構成すれば、それぞれ検知コイルによって周囲を囲まれた複数の磁性体に対して1つの励磁部によって磁界を印加することができる。その結果、磁性体検査装置において、磁性体を通過させる領域の各々に各検知コイルを配置することが可能となるので、各検知コイルが磁性体の周囲を囲まない構成と比較して、装置が大型化することを抑制することができる。
上記一の局面における磁性体検査装置において、好ましくは、励磁部は、複数の検知コイルを取り囲むように構成されている。このように構成すれば、容易に、複数の検知コイルを励磁部の内部に配置することができる。その結果、励磁部内部に生じる磁界によって容易に、かつ、確実に複数の検知コイルが取り囲んでいる磁性体に磁界を印加することができる。
この場合、好ましくは、検知コイルは、1対の差動コイルを含み、励磁部は、複数組の差動コイルを取り囲むように構成されている。このように構成すれば、複数組の差動コイルを用いた場合でも、1つの励磁部によって磁界を印加することができる。その結果、外部からの磁界の影響を抑制することが可能な差動コイルに対して、1つの励磁部により一度に磁界を印加することが可能となるので、磁性体の状態(傷等の有無)の検査の精度を向上させることが可能であるとともに、装置構成を簡素化することができる。
上記一の局面における磁性体検査装置において、好ましくは、磁性体は、長尺材からなり、複数の検知コイルは、複数の長尺材が延びる方向において、少なくとも隣り合う検知コイル同士の位置が互いにずれるように配置されており、励磁部は、位置をずらして配置された複数の検知コイルを取り囲むように構成されている。このように構成すれば、複数の長尺材の間隔が狭い場合でも、長尺材が延びる方向において複数の検知コイルをずらして配置することにより、検知コイル同士を長尺材が延びる方向においてオーバーラップさせて配置することができる。その結果、複数の検知コイルを長尺材が延びる方向においてずらして配置しない場合と比較して、複数の長尺材の間隔が狭い場合でも磁性体検査装置を用いて検査することが可能となるので、磁性体検査装置を適用可能な範囲を広げることができる。
上記一の局面における磁性体検査装置において、好ましくは、検知信号出力部により出力された複数の検知信号に基づいて磁性体の各々の状態の判定を行う判定部をさらに備え、判定部は、検知信号出力部により出力された検知信号の各々が所定の閾値を超えた場合に、検知信号の各々が所定の閾値を超えたことを示す閾値信号を、磁性体ごとに外部に出力するように構成されている。このように構成すれば、出力された閾値信号を確認することにより、磁性体において傷等が生じている部位(位置)を容易に判定することができる。
上記一の局面における磁性体検査装置において、好ましくは、励磁部は、複数の検知コイルを取り囲むように巻回されるように設けられた励磁コイルを含み、励磁コイルは、磁性体が延びる方向に磁界を印加するように構成されており、複数の検知コイルは、それぞれ、励磁コイルにより磁界が印加されることにより生じる磁性体の各々の磁界の変化を検知するように構成されている。このように構成すれば、励磁コイルにより磁性体の傷等の部分の磁化の状態が励振されるので、磁性体の傷等の部分から磁界の変化を容易に検知することができる。特に、交流電流等を励磁コイルに流す場合には、磁性体の磁界も時間変化する。そのため、磁性体と検知コイルとを相対移動させることなく、検知コイルにより検知される磁界を変化させ、検知することができる。
本発明によれば、上記のように、部品点数が増加することを抑制しながら、複数の磁性体の状態(傷等の有無)を精度よく検査することが可能な磁性体検査装置を提供することができる。
第1実施形態による磁性体検査装置を用いたスチールワイヤロープの検査の一例を示す模式図である。 第1実施形態による磁性体検査装置の全体構成を示したブロック図である。 第1実施形態による磁性体検査装置をY方向から見た模式図である。 第1実施形態による磁性体検査装置の図3の500−500線に沿った平面の模式図である。 第1実施形態による磁性体検査装置の図3の600−600線に沿った平面の模式図である。 第1実施形態による励磁コイルの磁化の励振を説明するための模式図(A)および模式図(B)である。 スチールワイヤロープに傷等がある場合を示す模式図(A)〜(C)である。 第2実施形態による磁性体検査装置をY方向から見た模式図である。 第1実施形態の第1変形例による磁性体検査装置をY方向から見た模式図である。 第1実施形態の第2変形例による検知コイルの模式図である。 第1実施形態の第2変形例による励磁コイルの模式図である。 第1実施形態の第3変形例による検知コイルおよび励磁コイルの模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図7を参照して、第1実施形態による磁性体検査装置100の構成について説明する。磁性体検査装置100が、エレベータ400のかご401の移動に用いられるスチールワイヤロープWを検査する例について説明する。
第1実施形態では、図1に示すように、巻き上げ機402がスチールワイヤロープWを巻き上げることにより、かご401を上下方向(Z方向)に移動可能なエレベータ400において、磁性体検査装置100が、スチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査するように構成されている場合の例である。図1に示すように、磁性体検査装置100は、検査対象となるスチールワイヤロープWが設置されている場所において、スチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査するように構成されている。具体的には、磁性体検査装置100は、スチールワイヤロープW内部の磁束を測定する全磁束法により複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査するように構成されている。なお、図1に示す例では、便宜上、スチールワイヤロープWを1本しか図示していないが、エレベータ400は、複数本のスチールワイヤロープWを備えている。なお、X方向およびY方向はスチールワイヤロープWの延びる方向に垂直な面内で直交する2つの方向である。また、スチールワイヤロープWは、請求の範囲の「磁性体」および「長尺材」の一例である。また、Z方向は、請求の範囲の「長尺材が延びる方向」の一例である。
スチールワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成され、Z方向に延びる長尺材からなる磁性体である。また、スチールワイヤロープWは、かご401を移動させる際に巻き上げ機402を通過し、滑車403等による応力が加えられる。スチールワイヤロープWは、応力によって素線の断線などの劣化が生じる。磁性体検査装置100は、スチールワイヤロープWを定期的に検査することにより、スチールワイヤロープWの劣化の進行を早期に検知することができる。したがって、スチールワイヤロープWの劣化が進行し交換が必要になった場合には、スチールワイヤロープWを早い段階で交換することができる。
(磁性体検査装置の構成)
次に、図2〜図5を参照して、第1実施形態における磁性体検査装置100の構成について説明する。
図2に示すように、磁性体検査装置100は、検知部1と、判定部2とを備えている。検知部1は、複数の検知コイル10と、励磁部11とを備えている。
検知コイル10は、それぞれ、スチールワイヤロープWの各々の磁界を検知するように構成されている。励磁部11は、複数のスチールワイヤロープWの各々に対して磁界を印加するように構成されている。励磁部11は、励磁コイル13(図3参照)を含む。
判定部2は、検知信号出力部12と、CPU(Central Processing Unit)20と、励磁インターフェース21と、デジタル出力インターフェース22と、電源回路23とを含む。判定部2は、検知信号出力部12により出力された複数の検知信号に基づいて、スチールワイヤロープWの各々の状態の判定を行うように構成されている。
検知信号出力部12は、検知コイル10が検知したスチールワイヤロープWの各々磁界に基づく検知信号をそれぞれ出力するように構成されている。具体的には、検知信号出力部12は、増幅器24と、AD変換器25とを含んでいる。増幅器24は、検知コイル10が検知したスチールワイヤロープWの磁界の強さに基づく電流をそれぞれ増幅し、AD変換器25に出力する。AD変換器25は、増幅器24により増幅されたアナログの検知信号を、デジタルの検知信号に変換し、CPU20に出力する。
CPU20は、検知信号出力部12から出力される検知信号から交流成分を取り除く処理を行う。また、CPU20は、検知信号の絶対値の変化に対応した信号(DCレベル信号)に変換する同期検波整流処理を行う。また、CPU20は、検知信号が後述する所定の閾値Thを超えた場合に、警報信号を出力する。励磁インターフェース21は、励磁部11(励磁コイル13)に交流電流を流す(出力する)。また、CPU20は、励磁インターフェース21により出力される電流の強さを制御する。また、CPU20は、スチールワイヤロープWの傷等の大きさを判定する。
デジタル出力インターフェース22は、外部の図示しないPCなどに接続されており、処理がされた検知信号や警報信号のデジタルデータを出力する。また、外部のPCは、入力された信号の大きさをメモリに保存や、信号の大きさの時間経過に伴うグラフの表示を行う。また、電源回路23は、外部電源に接続されており、磁性体検査装置100の各部に電力を供給する電源として構成されている。
また、CPU20は、検知信号出力部12により出力された検知信号が第1閾値Th1を超えた場合に、検知信号が第1閾値Th1を超えたことを示す第1閾値信号を外部に出力するとともに、検知部1により出力された検知信号が第2閾値Th2を超えた場合に、検知信号が第2閾値Th2を超えたことを示す第2閾値信号を外部に出力するように構成されている。なお、第1閾値Th1および第2閾値Th2は、それぞれ、請求の範囲の「所定の閾値」の一例である。
図3に示すように、エレベータ400(図1参照)は、複数本のスチールワイヤロープWを有している。具体的には、エレベータ400は、X方向に並ぶ4本のスチールワイヤロープWを有している。また、スチールワイヤロープWは、それぞれ、間隔PでX方向に並んでいる。検知コイル10は、複数のスチールワイヤロープWの各々に設けられており、スチールワイヤロープWの各々の磁界を検知するように構成されている。第1実施形態では、検知部1は、4個の検知コイル10を備えている。また、励磁部11(励磁コイル13)は、複数のスチールワイヤロープWに対して1つ設けられている。検知信号出力部12は、スチールワイヤロープWの各々の磁界に基づく検知信号をそれぞれ出力するように構成されている。
図4に示すように、複数の検知コイル10は、それぞれ、スチールワイヤロープWの周囲を囲むように設けられており、励磁部11(励磁コイル13)は、複数のスチールワイヤロープWに対して1つ設けられている。具体的には、検知コイル10は、それぞれ、スチールワイヤロープWを中心に、スチールワイヤロープWの延びる方向(Z方向)周りに導線が複数回巻回されたコイルである。また、励磁部11(励磁コイル13)は、複数の検知コイル10を取り囲むように構成されている。具体的には、励磁部11(励磁コイル13)は、複数の検知コイル10を取り囲むように巻回されるように設けられている。また、励磁コイル13は、スチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に磁界を印加するように構成されている。第1実施形態では、励磁部11(励磁コイル13)は、4個の検知コイル10を取り囲んでいる。なお、検知コイル10および励磁コイル13は、それぞれ、コイル保持部(図示せず)によって保持されている。また、励磁コイル13のZ方向の長さr1は、検知コイル10aのZ方向の長さr2と、検知コイル10bのZ方向の長さr2と、検知コイル10aと検知コイル10bとの間の距離r3を足した距離(2×r2+r3)よりも大きい。また、検知コイル10aと検知コイル10bとの間の距離r3は、隣接するスチールワイヤロープWの磁界を検出してしまうことを防ぐために、スチールワイヤロープWの間隔P(図3参照)よりも小さい方が好ましい。
図5に示すように、検知コイル10は、1対の差動コイル14を含み、励磁部11(励磁コイル13)は、複数組の差動コイル14(差動コイル14aおよび差動コイル14b)を取り囲むように構成されている。図5に示す例では、差動コイル14aは、2個の検知コイル10(検知コイル10aおよび検知コイル10b)によって構成されている。また、差動コイル14bは、2個の検知コイル10(検知コイル10cおよび検知コイル10d)によって構成されている。なお、図5に示す例では、便宜上、4本のうちの両端の2本のスチールワイヤロープWおよび2個の差動コイル14を図示している。図示していない残りの2本のスチールワイヤロープWも、それぞれの周囲を差動コイル14が取り囲んでいる。
(磁性体の状態を検査する構成)
次に、図6および図7を参照して、第1実施形態における検知部1および判定部2がスチールワイヤロープWの状態を検査する構成について説明する。
図6(A)は、検知部1の内部を通過するスチールワイヤロープWの模式図である。図6(B)は、検知部1に設けられた励磁部11(励磁コイル13)によってZ方向に磁界を印加することにより、スチールワイヤロープWの磁化の状態を励振させる際の模式図である。
磁性体検査装置100は、全磁束法によってスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査する。具体的には、複数の検知コイル10は、それぞれ、励磁コイル13により磁界が印加されることにより生じるスチールワイヤロープWの各々の磁界の変化を検知するように構成されている。図6(A)に示すように、励磁部11(励磁コイル13)は、スチールワイヤロープW内の磁界を飽和させる。なお、図6(A)に示す例は、スチールワイヤロープWの内部の磁界をZ方向に向けて飽和させた場合の例である。
第1実施形態では、励磁部11(励磁コイル13)は、励磁インターフェース21からの交流電流(励振電流)によって内部に磁界を発生させることにより、スチールワイヤロープWの磁界を飽和させるように構成されている。励磁インターフェース21からの励振電流は交流電流であるため、励磁部11(励磁コイル13)によって発生された磁界の向きは変化する。具体的には、図6(B)に示すように、励磁部11(励磁コイル13)に一定の大きさかつ一定の周波数を有する交流電流(励振電流)が励磁インターフェース21から流されることにより、スチールワイヤロープWの延びる方向(Z方向)に振動する(Z1方向への磁界とZ2方向への磁界が周期的にあらわれる)ように磁界が印加される。また、励磁部11(励磁コイル13)に流れる時間変化する励振電流の向き(実線または破線)に伴って、励磁部11(励磁コイル13)により印加される磁界(実線15または破線16)の方向も変化する。
したがって、時間変化する磁界によりスチールワイヤロープWの磁化の大きさ(強さ)が変化し、スチールワイヤロープWから発せられる磁界も時間変化する。その結果、スチールワイヤロープWと検知コイル10との相対位置を変化させることなく、スチールワイヤロープWの同じ部分による磁界が時間変化するため、磁界の変化を検知する検知コイル10により、スチールワイヤロープWの状態を判定することができる。
図7は、傷等のあるスチールワイヤロープWの例である。図7において、素線の編まれ方は、簡略化して示されている。図7(A)のスチールワイヤロープWは、表面部分の素線が断線している。そのため、素線断線の生じた部分から磁界が漏れ出ている。また、図7(B)のスチールワイヤロープWは、スレまたは打痕により表面部に凹みが生じている。また、図7(C)のスチールワイヤロープWは、内部に素線断線が生じている。これら傷等のある位置の断面積SA1、SA2、SA3は、傷等のない部分の断面積SA0と比較して、それぞれ小さくなっているため、スチールワイヤロープWの全磁束(磁界に透磁率と面積とを掛けた値)は傷等のある部分で小さくなる。以上のように、傷等のある部分では、全磁束の減少が生じるため、検知される磁界に変化が生じる。
その結果、たとえば、傷等のある場所に位置する検知コイル10aの検知電圧の値が検知コイル10bと比較して減少するため、差動コイル14(検知コイル10aおよび検知コイル10b)による検知電圧の差の値(検知信号)が大きくなる。すなわち、傷等のない部分での検知信号は略ゼロとなり、傷等のある部分では検知信号がゼロより大きい値を持つので、差動コイル14において、傷等の存在をあらわす明確な信号(S/N比のよい信号)が検知される。これにより、判定部2は、検知信号の差の値に基づいてスチールワイヤロープWの傷等の存在を検出することができる。また、傷等の大きさ(断面積の減少量の大きさ)が大きいほど、検知信号の値が大きくなるため、傷等の大きさを判定(評価)する際に、ある程度以上に大きな傷等があれば、検知信号が所定の第1閾値Th1または第2閾値Th2を超えたことを自動で判定することが可能となる。なお、傷等には錆等による透磁率の変化も含まれ、同様に検知信号としてあらわれる。
第1実施形態では、励磁インターフェース21から励磁部11(励磁コイル13)に対して交流電流が印加されるため、スチールワイヤロープWと検知部1とを相対移動させなくても、励磁部11(励磁コイル13)内に配置されているスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を判定することができる。したがって、第1実施形態では、励磁部11(励磁コイル13)のZ方向の長さr1分の検知部1の移動と、スチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を判定とを繰り返すことにより、スチールワイヤロープW全体の状態(傷等の有無)を判定する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、磁性体検査装置100は、スチールワイヤロープW内部の磁束を測定する全磁束法により複数のスチールワイヤロープWの状態を検査する磁性体検査装置であって、スチールワイヤロープWの各々の磁界を検知する複数の検知コイル10と、複数のスチールワイヤロープWに対して1つ設けられた励磁部11と、スチールワイヤロープWの各々の磁界に基づく検知信号をそれぞれ出力する検知信号出力部12とを備える。これにより、スチールワイヤロープWの各々の磁界を検知する複数の検知コイル10によってスチールワイヤロープWから生じる磁界を検知することができる。その結果、全磁束法によって複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査することが可能となるので、スチールワイヤロープWの表面から漏えいした磁束を測定する漏えい磁束法を用いて複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査する場合と比較して、複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を精度よく検査することができる。また、1つの励磁部11によって複数のスチールワイヤロープWに対して一度に磁界を印加することが可能となるので、1つの検知コイル10(1本のスチールワイヤロープW)に対して、1つの励磁部11を設ける場合と比較して、部品点数が増加することを抑制することができる。したがって、部品点数が増加することを抑制しながら、複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を精度よく検査することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の検知コイル10は、それぞれ、スチールワイヤロープWの各々の周囲を囲むように設けられており、励磁部11は、複数のスチールワイヤロープWに対して1つ設けられている。これにより、それぞれ検知コイル10によって周囲を囲まれた複数のスチールワイヤロープWに対して1つの励磁部11によって磁界を印加することができる。その結果、磁性体検査装置100において、スチールワイヤロープWを通過させる領域の各々に各検知コイル10を配置することが可能となるので、各検知コイル10がスチールワイヤロープWの周囲を囲まない構成と比較して、装置が大型化することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、励磁部11は、複数の検知コイル10を取り囲むように構成されている。これにより、容易に、複数の検知コイル10を励磁部11の内部に配置することができる。その結果、励磁部11内部に生じる磁界によって容易に、かつ、確実に複数の検知コイル10が取り囲んでいるスチールワイヤロープWに磁界を印加することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、検知コイル10は、1対の差動コイル14を含み、励磁部11は、複数組の差動コイル14を取り囲むように構成されている。これにより、複数組の差動コイル14を用いた場合でも、1つの励磁部11によって磁界を印加することにより、複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査することができる。その結果、外部からの磁界の影響を抑制することが可能な差動コイル14に対して、1つの励磁部11により一度に磁界を印加することが可能となるので、スチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)の検査の精度を向上させることが可能であるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、検知信号出力部12により出力された複数の検知信号に基づいてスチールワイヤロープWの各々の状態の判定を行う判定部2をさらに備え、判定部2は、検知信号出力部12により出力された検知信号が所定の閾値Th(第1閾値Th1および第2閾値Th2)を超えた場合に、検知信号の各々が所定の閾値Th(第1閾値Th1および第2閾値Th2)を超えたことを示す閾値信号(第1閾値信号および第2閾値信号)を、スチールワイヤロープWごとに外部に出力するように構成されている。これにより、スチールワイヤロープWにおいて傷等が生じている部位(位置)を容易に判定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、励磁部11は、複数の検知コイル10を取り囲むように巻回されるように設けられた励磁コイル13を含み、励磁コイル13は、スチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に磁界を印加するように構成されており、複数の検知コイル10は、それぞれ、励磁コイル13により磁界が印加されることにより生じるスチールワイヤロープWの各々の磁界の変化を検知するように構成されている。これにより、励磁コイル13によりスチールワイヤロープWの傷等の部分の磁化の状態が励振されるので、スチールワイヤロープWの傷等の部分から磁界の変化を容易に検知することができる。特に、交流電流等を励磁コイル13に流す場合には、スチールワイヤロープWの磁界も時間変化する。そのため、スチールワイヤロープWと検知コイル10とを相対移動させることなく、検知コイル10により検知される磁界を変化させ、検知することができる。
[第2実施形態]
次に、図2および図8を参照して、第2実施形態による磁性体検査装置200(図2参照)の構成について説明する。第2実施形態による磁性体検査装置200は、第1実施形態とは異なり、検知コイル10はZ方向において少なくとも隣り合う検知コイル10同士の位置が互いにずれるように配置されている。
具体的には、図8に示すように、複数の検知コイル10は、複数のスチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)において、少なくとも隣り合う検知コイル10同士の位置が互いにずれるように配置されており、励磁部11(励磁コイル13)は、位置をずらして配置された複数の検知コイル10を取り囲むように構成されている。また、複数の検知コイル10は、少なくとも隣り合う検知コイル10同士が、Z方向においてオーバーラップするように配置されている。複数の検知コイル10がZ方向においてオーバーラップするように配置されているので、励磁部11(励磁コイル13)のX方向の大きさを小さくすることが可能となり、検知部1のX方向の大きさを小さくすることができる。
第2実施形態のその他の構成については、第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、複数の検知コイル10は、複数のスチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)において、少なくとも隣り合う検知コイル10同士の位置が互いにずれるように配置されており、励磁部11は、位置をずらして配置された複数の検知コイル10を取り囲むように構成されている。これにより、複数のスチールワイヤロープWの間隔Pが狭い場合でも、スチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)において複数の検知コイル10をずらして配置することにより、検知コイル10同士をスチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)においてオーバーラップさせて配置することができる。その結果、複数の検知コイル10をスチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)においてずらして配置しない場合と比較して、複数のスチールワイヤロープWの間隔Pが狭い場合でも磁性体検査装置200を用いて検査することが可能となるので、磁性体検査装置200を適用可能な範囲を広げることができる。
第2実施形態のその他の効果については、第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、磁性体を長尺材とする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁性体は、長尺材以外の薄板、鉄球(ベアリング)等でもよい。その他、均一な構造をもつ磁性体全般の検査に本発明を用いることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、長尺材からなる磁性体がスチールワイヤロープWである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、長尺材からなる磁性体は、薄板、角材、円筒状のパイプ、針金、チェーン等でもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、励磁インターフェース21が励磁部11(励磁コイル13)に交流電流を流す構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、判定部2は、励磁インターフェース21によって、励磁部11(励磁コイル13)に時間変化しない(一定値となる)直流電流を流すように構成されていてもよい。これにより、励磁部11(励磁コイル13)内には、Z方向に一定の大きさとなる静磁界が生じる。このように構成しても、スチールワイヤロープWを検知部1に対してZ方向に略一定となる定速度で相対移動させることにより検知部1の検知位置におけるスチールワイヤロープWのZ方向の磁界の変化を検知することができる。
その結果、検査時において、検知部1の検知コイル10により検知されるスチールワイヤロープWの位置が時間変化するのに伴って、検知コイル10により検知される磁界も時間変化する。検知コイル10がスチールワイヤロープWの傷等のない部分を通過している場合には、検知コイル10内の磁界のZ方向の大きさは略一定となるので、検知信号も一定値となる。一方、検知コイル10がスチールワイヤロープWの傷等のある部分に位置する場合、検知位置における磁界の大きさが時間変化するので、検知信号が変化する。これにより、スチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を判定することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、スチールワイヤロープWを励磁部11(励磁コイル13)で励磁して検知部1でスチールワイヤロープWの磁界を検知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図9に示すように、検知部1からスチールワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に離間した位置に、スチールワイヤロープWに対して磁界を印加しスチールワイヤロープWに対して所定方向の磁界を印加する磁界印加部30をさらに備え、複数の検知コイル10は、磁界印加部30により予め磁界が印加されたスチールワイヤロープWの磁界の変化を検知するように構成されていてもよい。具体的には、磁界印加部30は、励磁部11(励磁コイル13)がスチールワイヤロープWに磁界を印加するよりも前に、スチールワイヤロープWに磁界を印加することが可能なように、励磁部11(励磁コイル13)からZ方向に離間した位置に設けられている。なお、磁界印加部30は、X方向に並ぶ複数の磁石を有しており、複数のスチールワイヤロープWに対してX方向の磁界を印加するように構成されている。
このように構成すれば、スチールワイヤロープWに対して予め磁界が印加されるので、スチールワイヤロープWの磁化の向きを略一定にすることができる。その結果、検知信号出力部12から出力される検知信号のノイズを低減することが可能となり、検知信号のS/N比を向上させることができる。したがって、検知信号のS/N比を向上させることによって、複数のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)をより精度よく検査することができる。なお、磁界印加部としては、図9の磁界印加部31のように、複数のスチールワイヤロープWに対して1つの磁石を有する構成でもよい。磁界印加部31は、N極およびS極のX方向の長さr4が、複数のスチールワイヤロープWを並べたX方向の距離r5よりも大きい磁石を含む。磁界印加部31は、複数のスチールワイヤロープWを間に挟んだ状態で、N極およびS極がY方向において対向するように配置されている。したがって、磁界印加部31は、複数のスチールワイヤロープWに対してY方向から磁界を印加することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、円筒形のコイル(検知コイル10および励磁部11(励磁コイル13))がスチールワイヤロープWを取り囲むように設けられている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、検知コイル10は、図10に示すように、半円筒形(馬蹄形)のコイル部分40aおよびコイル部分40bを2つ組み合わせた円筒型コイル40を用いてもよい。また、励磁部11(励磁コイル13)は、図11に示すように、半楕円筒形(馬蹄形)のコイル部分50aおよびコイル部分50bを2つ組み合わせた楕円筒型コイル50を用いてもよい。なお、半円筒型(馬蹄形)および半楕円筒型(馬蹄形)のコイルは、それぞれ、スチールワイヤロープWが設置された(端部が塞がれた)状態でも、容易に着脱可能である。また、図12に示すように、検知コイル10および励磁コイル13は、角筒形の検知コイル60および励磁コイル70としてもよい。また、差動コイル14は、角筒形の検知コイル60aおよび検知コイル60bを有する差動コイル80としてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、判定部2が、検知コイル10(検知部1)により出力された検知信号が所定の閾値Th(第1閾値Th1および第2閾値Th2)を超えた場合、外部に信号を出力するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、判定部2を、検知信号が閾値Thを超えた回数Nを各々カウントするとともに、カウントされた回数Nが所定の回数Mを超えた場合に、カウントされた回数Nが所定の回数Mを超えたことを示す信号を外部に出力するように構成してもよい。これにより、判定部2は、閾値Thを超えた回数Nをカウントし、傷等の多さに基づいてスチールワイヤロープWの劣化の状態を判定することができる。また、判定部2を、前回測定時において閾値Thを超えた回数Nと今回測定時に閾値Thを超えた回数Nとを比較することにより、スチールワイヤロープWの傷等の有無の状態の継時的な変化(たとえば、劣化の進行速度)を判定するように構成してもよい。また、所定の閾値Thの数は、1つや、2つ以外の複数(たとえば、3つ)としてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、磁性体検査装置100(200)が、4本のスチールワイヤロープWの状態(傷等の有無)を検査する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。磁性体検査装置100(200)が検査する磁性体の数は任意の数でよい。
また、上記第1および第2実施形態では1つの励磁部11(励磁コイル13)が4つの検知コイル10(4本のスチールワイヤロープW)を取り囲む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。励磁部11(励磁コイル13)は、2つ以上の検知コイル10(磁性体)を取り囲むように構成されていればよい。しかし、励磁部11の数が多くなれば、部品点数が増加するとともに、装置が大型化するため、磁性体検査装置100(200)に設けられている全ての検知コイル10を1つの励磁部11(励磁コイル13)で取り囲む構成の方が好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、磁性体検査装置100(200)をエレベータ400に設けられた複数のスチールワイヤロープWの検査に用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。磁性体検査装置100(200)は、ワイヤを利用した装置やインフラ、たとえば、ロープウエイなどの移動用装置や、つり橋・橋脚等の複数本のワイヤ部分についても適用可能である。さらに、ワイヤのみならず、上下水道配管、ガス管、パイプライン等、複数の磁性体の損傷を測定するあらゆる用途に適用可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、判定部2がデジタル出力インターフェース22を介して、外部のパソコンなどへ検知信号などを出力する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、判定部2は、検知信号などの判定結果を報知する報知部をさらに備えていてもよい。このように構成すれば、磁性体検査装置100(200)を操作する操作者に判定結果を報知することができる。その結果、磁性体検査装置100(200)以外の装置を用いることなく、操作者に判定結果を認識させることができる。また、判定部2は、検知信号または検知信号に基づく信号を外部機器に送信する通信部をさらに備えていてもよい。このように構成すれば、検知部1により取得した検知信号または検知信号に基づく信号(たとえば、判定結果信号)を外部機器に送信することができる。その結果、操作者は、外部機器により検知信号または検知信号に基づく信号に基づいて、信号の解析等を行うことができる。
また、上記第1および第2実施形態では、磁性体の「傷等」として主に磁性体表面の傷を検出対象として説明したが、断線(完全ではなくワイヤロープであれば素線の断線)、太さの変化、腐食(錆)、亀裂、透磁率の不均一も検出対象に含まれる。また、検出対象は、磁性体の表面に限らず、内部でもよい。その他、磁性体の磁界または磁界の不均一性を生じさせる状態であれば、「磁性体の状態」として検出可能である。
また、「磁性体の磁界の変化」には、外部から磁界を印加した場合の、磁界が印加された磁性体の近傍で観測される磁界の変化の他、外部から磁界を印加しない場合の、磁性体そのものから生ずる磁界の変化をも含む。
10、60 検知コイル
11、70 励磁部
12 検知信号出力部
13 励磁コイル
14、80 差動コイル
30 磁界印加部
40 円筒型コイル(検知コイル)
50 楕円筒型コイル(励磁部、励磁コイル)
100、200 磁性体検査装置
Th 所定の閾値
Th1 所定の第1閾値
Th2 所定の第2閾値
Z方向 長尺材が延びる方向
W スチールワイヤロープ(磁性体、長尺材)

Claims (7)

  1. 磁性体内部の磁束を測定する全磁束法により複数の磁性体の状態を検査する磁性体検査装置であって、
    前記磁性体の各々の磁界を検知する複数の検知コイルと、
    複数の前記磁性体に対して1つ設けられた励磁部と、
    前記磁性体の各々の磁界に基づく検知信号をそれぞれ出力する検知信号出力部と
    前記磁性体に対して磁界を印加し前記磁性体に対して所定方向の磁界を印加する磁界印加部とを備え
    複数の前記検知コイルは、前記磁界印加部により予め磁界が印加された前記磁性体の磁界の変化を検知するように構成されている、磁性体検査装置。
  2. 複数の前記検知コイルは、それぞれ、前記磁性体の各々の周囲を囲むように設けられており、
    前記励磁部は、複数の前記磁性体に対して1つ設けられている、請求項1に記載の磁性体検査装置。
  3. 前記励磁部は、複数の前記検知コイルを取り囲むように構成されている、請求項1に記載の磁性体検査装置。
  4. 前記検知コイルは、1対の差動コイルを含み、
    前記励磁部は、複数組の前記差動コイルを取り囲むように構成されている、請求項3に記載の磁性体検査装置。
  5. 前記磁性体は、長尺材からなり、
    複数の前記検知コイルは、複数の前記長尺材が延びる方向において、少なくとも隣り合う前記検知コイル同士の位置が互いにずれるように配置されており、
    前記励磁部は、位置をずらして配置された複数の前記検知コイルを取り囲むように構成されている、請求項1に記載の磁性体検査装置。
  6. 前記検知信号出力部により出力された複数の前記検知信号に基づいて前記磁性体の各々の状態の判定を行う判定部をさらに備え、
    前記判定部は、前記検知信号出力部により出力された前記検知信号の各々が所定の閾値を超えた場合に、前記検知信号の各々が前記所定の閾値を超えたことを示す閾値信号を、前記磁性体ごとに外部に出力するように構成されている、請求項1に記載の磁性体検査装置。
  7. 前記励磁部は、複数の前記検知コイルを取り囲むように巻回されるように設けられた励磁コイルを含み、
    前記励磁コイルは、前記磁性体が延びる方向に磁界を印加するように構成されており、
    複数の前記検知コイルは、それぞれ、前記励磁コイルにより磁界が印加されることにより生じる前記磁性体の各々の磁界の変化を検知するように構成されている、請求項1に記載の磁性体検査装置。
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