JP2023030460A - ワイヤロープ検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤロープの磁束を検知する検知部を遠隔操作により移動させる場合に、検知部を可能な限りワイヤロープに近づけるように容易に配置することが可能なワイヤロープ検査装置を提供する。【解決手段】このワイヤロープ検査装置101は、検査対象であるワイヤロープWに対して磁束を印加する励磁部20と、励磁部20により磁束が印加されるワイヤロープWの磁束を検知する検知部30と、ワイヤロープWの検査を行う検査運転時に検知部30が配置される検査位置まで、ワイヤロープWに近接する方向に検知部30を弾性力により付勢する付勢部54と、通常運転時に検知部30が配置される通常運転位置まで、ワイヤロープWから離間する方向に検知部30を移動させる駆動部51と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ワイヤロープ検査装置に関する。
従来、検知コイルによりワイヤロープの磁束の変化を検知するワイヤロープ検査装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ワイヤロープ(磁性体)に対して設けられた励磁部と、ワイヤロープの磁束(磁界)を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置(磁性体検査装置)が開示されている。上記特許文献1に記載のワイヤロープ検査装置では、励磁部により磁束が印加されることにより生じるワイヤロープの磁束の変化を検知コイルにより検知するように構成されている。
国際公開第2019/171667号
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、ワイヤロープ検査装置では、検査を行わない通常運転時には、ワイヤロープが振動して検知コイルに接触することを抑制するために検知コイルをワイヤロープから遠ざけるように移動させるとともに、検査を行う検査運転時には、精度よく検査を行うために検知コイルをワイヤロープに近づけるように移動させることが考えられる。その場合に、検査対象となるワイヤロープが用いられる装置の筐体の内部などの場所に検知コイルが設置される場合には、検知コイルをワイヤロープに近づける際に、モータなどによる駆動力を用いた遠隔操作によって検知コイルを移動させることが考えられる。
しかしながら、ワイヤロープの検査を行う検査位置に検知コイルを配置するためにモータなどの駆動力を用いる場合には、検知コイルの移動を制御するために、モータなどの駆動を制御する必要がある。この場合に、検知コイルによって精度よく検知結果を取得するためには、可能な限り検知コイルをワイヤロープに近づける必要があるため、検知コイルの移動を細かく制御する必要がある。このため、検知コイルの移動を細かく制御するために、制御処理の処理負担が増大することが考えられる。そのため、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイル(検知部)を遠隔操作により移動させる場合に、検知部を可能な限りワイヤロープに近づけるように容易に配置することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ワイヤロープの磁束を検知する検知部を遠隔操作により移動させる場合に、検知部を可能な限りワイヤロープに近づけるように容易に配置することが可能なワイヤロープ検査装置を提供することである。
この発明の一の局面におけるワイヤロープ検査装置は、検査対象であるワイヤロープに対して磁束を印加する励磁部と、励磁部により磁束が印加されるワイヤロープの磁束を検知する検知部と、ワイヤロープの検査を行う検査運転時に検知部が配置される検査位置まで、ワイヤロープに近接する方向に検知部を弾性力により付勢する付勢部と、通常運転時に検知部が配置される通常運転位置まで、ワイヤロープから離間する方向に検知部を移動させる駆動部と、を備える。
本発明の一の局面におけるワイヤロープ検査装置では、上記のように、ワイヤロープの検査を行う検査運転時に検知部が配置される検査位置まで、ワイヤロープに近接する方向に検知部を弾性力により付勢する付勢部を備える。これにより、付勢部により付勢されることによって検査が行われる検査位置まで検知部を移動させることができるので、検知部の移動を制御することなく、付勢部の弾性力により付勢することによって検知部を可能な限りワイヤロープに近づけて配置することができる。そのため、検知部の移動を細かく制御せずに検知部をワイヤロープに可能な限り近づけて配置することができる。その結果、制御処理の処理負担が増大することを抑制することができるので、ワイヤロープの磁束を検知する検知部を遠隔操作により移動させる場合に、検知部を可能な限りワイヤロープに近づけるように容易に配置することができる。また、通常運転時には、検知部の配置を細かく制御する必要がない。そのため、駆動部によって通常運転時に検知部が配置される通常運転位置まで、ワイヤロープから離間する方向に付勢部の弾性力(付勢力)に抗して検知部を移動させることによって、検知部を容易に通常運転位置に配置することができる。
第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示した模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した模式図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による磁界印加部、励磁部、および、検知部の配置を示した図である。 検知部の検知コイルの構成を説明するための模式図である。 第1実施形態の駆動機構の構成を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による通常運転時における検知部および駆動機構の配置を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による検査運転時における検知部および駆動機構の配置を示した図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した図である。 第2実施形態のワイヤロープ検査装置による通常運転時における検知部および駆動機構の配置を示した図である。 第2実施形態のワイヤロープ検査装置による検査運転時における検知部および駆動機構の配置を示した図である。 第2実施形態におけるワンウェイクラッチを説明するための図であって、(A)は、X1方向側から視た図であって、(B)は、(A)の400-400線に沿った断面図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査装置による検査運転時における検知部および駆動機構の配置を模式的に示した図である。 検知部の異物との接触による移動を示した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1~図8を参照して、本発明の第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置101の構成について説明する。なお、以下の説明において、「直交」とは、90度および90度近傍の角度をなして交差することを意味する。また、「平行」とは、平行および略平行を含む。
(ワイヤロープ検査システムの構成)
図1に示すように、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープ検査装置101と、処理装置102とを備える。ワイヤロープ検査システム100は、エレベータ103に設けられたワイヤロープWの検査を行う。具体的には、ワイヤロープ検査システム100は、検査対象であるエレベータ103のワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するためのシステムである。
また、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの内部の磁束を測定する全磁束法により、目視により確認しにくいワイヤロープWの異常を確認可能なシステムである。ワイヤロープWに異常部分(素線断裂、減肉、さびなど)が含まれる場合には、異常部分における磁束が正常部分とは異なる。全磁束法は、ワイヤロープWの表面の異常部分からの漏洩磁束を測定する方法と異なり、ワイヤロープWの内部の異常部分をも測定可能な方法である。また、ワイヤロープ検査システム100は、処理装置102に対する検査作業者による入力操作に基づいて、ワイヤロープWの検査が行われる(開始される)ように構成されている。
(エレベータの構成)
図1および図2に示すように、エレベータ103は、かご室103a、シーブ103b、シーブ103c、筐体103d、制御装置103e、および、ワイヤロープWを備える。エレベータ103は、巻上機に設けられたシーブ103b(滑車)が回転してワイヤロープWを巻き上げることによって、人および積み荷などを積載するかご室103aを鉛直方向に移動させるように構成されている。また、エレベータ103は、たとえば、2つのシーブ103bおよびシーブ103cを備えるダブルラップ方式(フルラップ方式)のロープ式エレベータである。ダブルラップ方式とは、巻上機のシーブ103bから、そらせ車であるシーブ103cへと導かれたワイヤロープWを再度巻き上げ機のシーブ103bに戻すことによって、シーブ103bに2回ワイヤロープWを掛ける構造である。また、シーブ103bおよびシーブ103cは、筐体103dの内部に配置されている。
制御装置103eは、エレベータ103の各部の動作を制御する制御盤を含む。また、制御装置103eは、無線通信モジュールなどを含み、ワイヤロープ検査装置101および処理装置102と通信可能に構成されている。そして、制御装置103eは、処理装置102に対する入力操作に基づいて、人および積み荷を載置した状態で動作する通常運転時(通常運転モード)と、ワイヤロープWの検査を行う検査運転時(検査運転モード)とにおいて、エレベータ103のかご室103aの移動速度(運転速度)を変更させるように構成されている。たとえば、通常運転時には、運転速度(ワイヤロープWの移動速度)が500m/分程度であり、検査運転時には、運転速度は10m/分以上40m/分以下程度である。また、ワイヤロープWの振動は、エレベータ103の運転速度に応じて大きくなる。
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されており、長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、ワイヤロープ検査装置101により状態(傷等の有無)を検査される。ワイヤロープWの磁束の計測の結果、劣化の程度が決められた基準を超えたと判断されるワイヤロープWは、検査作業者により交換される。なお、図1に示す例では、便宜上、ワイヤロープWを1本しか図示していないが、エレベータ103は、複数本のワイヤロープWを備えている。たとえば、エレベータ103は、4本のワイヤロープW(図7および図8参照)を備える。
ワイヤロープWは、ワイヤロープ検査装置101の位置において、X方向(図3参照)に延びるように配置されている。ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの表面に沿って、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って移動している状態のワイヤロープWの磁束を計測する。具体的には、エレベータ103に使用されるワイヤロープWのように、巻上機によってワイヤロープWをX方向に移動させながら、ワイヤロープ検査装置101によってワイヤロープWの磁束の計測が行われる。これにより、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWのX方向の各位置における磁束を計測することによって、ワイヤロープWのX方向の各位置における傷みを検査する。
(処理装置の構成)
図2に示すように、処理装置102は、通信部102a、制御部102b、記憶部102c、および、表示部102dを備える。処理装置102は、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析などを行う。具体的には、処理装置102は、後述する検知部30の検知コイル31aおよび31bからの検知信号を取得するとともに、取得された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの異常の有無を判定するように構成されている。処理装置102は、たとえば、ワイヤロープWの検査を行う検査作業者が用いるパーソナルコンピュータである。
通信部102aは、ワイヤロープ検査装置101、および、エレベータ103の制御装置103eと通信可能に構成されている。通信部102aは、通信用のインターフェースである。具体的には、通信部102aは、無線LAN、および、Bluetooth(登録商標)などによる無線通信が可能な無線通信モジュールを含む。処理装置102は、通信部102aを介して、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの計測結果(磁束信号)を受信する。また、処理装置102は、エレベータ103(エレベータ103の制御装置103e)側からエレベータ103の運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得可能に構成されている。
制御部102bは、処理装置102の各部を制御する。制御部102bは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。制御部102bは、通信部102aを介して受信したワイヤロープWの計測結果(検知信号)に基づいて、素線断線(素線切れ)などのワイヤロープWの傷み(異常)を解析する。
記憶部102cは、たとえば、フラッシュメモリを含む記憶媒体であり、検知コイル31aおよび31bからのワイヤロープWの計測結果、制御部102bによるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を記憶(保存)する。
表示部102dは、たとえば、液晶モニタであり、ワイヤロープWの計測結果、制御部102bによるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を表示する。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
次に、第1実施形態におけるワイヤロープ検査装置101の構成について説明する。
図2および図3に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの磁束(磁界)を測定するための構成として、磁界印加部10、励磁部20、検知部30、および、制御基板40を備える。
第1実施形態では、磁界印加部10は、ワイヤロープWに対して、予め磁界を印加することによって、ワイヤロープWの磁化の方向を整える。磁界印加部10は、たとえば、永久磁石である。また、励磁部20は、ワイヤロープWに対して磁界(磁束)を印加するように構成されている。具体的には、励磁部20は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振する(振動させる)励振コイル21を含む。磁界印加部10および励磁部20の詳細は後述する。
第1実施形態では、検知部30は、エレベータ103に設けられているワイヤロープWがエレベータ103の駆動によってワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って移動している状態において、移動しているワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。そして、検知部30は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に直交する方向(Z方向)の一方側(Z1方向側)に配置される第1部分30aと、他方側(Z2方向側)に配置される第2部分30bとを含む。また、検知部30は、第1部分30aおよび第2部分30bのそれぞれに配置される検知コイル31aおよび検知コイル31bを含む。第1実施形態では、検知コイル31aおよび31bは、励磁部20により磁界が印加されるワイヤロープWの磁束を検知する。また、検知コイル31aおよび31bは、全磁束法によってワイヤロープWの内部の磁束を検知することによって、磁束信号を検知信号として出力する。検知部30の詳細は後述する。
制御基板40は、処理部41、磁束信号取得部42、および、通信部43を含む。制御基板40は、処理部41からの制御信号に基づいて、励磁部20(励振コイル21)の動作を制御する。また、制御基板40は、処理部41による制御処理によって、ワイヤロープ検査装置101の各部の制御を行なう。処理部41は、CPUなどのプロセッサ、メモリ、および、AD変換器などを含む。また、磁束信号取得部42は、検知部30(検知コイル31aおよび31b)からの磁束信号を取得(受信)する。磁束信号取得部42は、増幅器を含む。そして、磁束信号取得部42は、取得した磁束信号を増幅して処理部41に出力(送信)する。そして、通信部43は、処理装置102およびエレベータ103の制御装置103eと通信可能に構成されている。通信部43は、無線LAN、および、Bluetooth(登録商標)などによる無線通信が可能な無線通信モジュールを含む。通信部43は、取得された磁束信号を処理装置102に出力(送信)する。なお、通信部43を介した、ワイヤロープ検査装置101と、処理装置102およびエレベータ103の制御装置103eとの接続は、有線接続であってもよい。
〈全磁束法による異常検知〉
図4および図5に示すように、検査運転時(検査運転モード)において、第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100では、ワイヤロープ検査装置101に対して、シーブ103bの回転によってワイヤロープWがX2方向に向かって導かれる。ワイヤロープ検査装置101に導かれたワイヤロープWは、まず磁界印加部10によって、予め磁界が整えられる。そして、励磁部20の励振コイル21が、予め磁界の整えられた(整磁された)ワイヤロープWの磁化の状態を励振する。そして、検知部30の検知コイル31aおよび31bが、整磁された後に磁化の状態が励振されたワイヤロープWの磁束を全磁束法により検知する。すなわち、第1実施形態では、検知コイル31aおよび31bは、磁界印加部10により予め磁界が印加された後(整磁された後)に、ワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。
磁界印加部10は、ワイヤロープWの延びる方向と直交する方向(Z方向)に配置される1対の磁界印加部10aおよび磁界印加部10bを含む。1対の磁界印加部10aおよび10bは、ワイヤロープWを挟み込むようにワイヤロープWの短手方向(ワイヤロープWの延びる方向と直交する方向、Z方向)の両側に配置される。具体的には、磁界印加部10aは、ワイヤロープWのZ1方向側に配置される。そして、磁界印加部10bは、ワイヤロープWのZ2方向側に配置される。そして、磁界印加部10は、磁界印加部10aのZ2方向に向けられたN極(斜線あり)と磁界印加部10bのZ1方向に向けられたN極(斜線あり)とがワイヤロープWを挟んで対向するように設けられている。磁界印加部10aおよび10bは、ワイヤロープWの磁化の方向を略均一に整えるために、比較的強い磁界を印加することが可能に構成されている。
また、励振コイル21は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って、複数(4本)のワイヤロープWの全てをまとめて巻回するように設けられる。そして、励振コイル21は、ワイヤロープWに対して検知コイル31aおよび31bの外側を巻回するように設けられている。励振コイル21は、励振交流電流が流れることにより、ワイヤロープWが延びる方向(X方向)に沿った磁束(磁界)をコイル内部(コイルの輪の内側)に発生させる。そして、励振コイル21は、発生させた磁束(磁界)をワイヤロープWに印加する。具体的には、処理部41による制御によって励磁部20(励振コイル21)に一定の大きさかつ一定の周波数を有する交流電流(励振電流)が流されることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に振動するように磁界が印加される。すなわち、ワイヤロープWにおいて、磁界印加部10によって予め整えられた磁界(磁束)が、励磁部20によってX1方向への磁界とX2方向への磁界が周期的に現れるように振動される。
〈検知コイルによる磁束の検知〉
第1実施形態では、検知コイル31aおよび31bは、2つのコイルによって1つのワイヤロープWを挟み込むように配置される。なお、検知コイル31aおよび31bは、複数(4本)のワイヤロープWの各々に設けられる。すなわち、複数(4本)のワイヤロープWの各々に、検知コイル31aおよび検知コイル31bの2つのコイルが設けられる。したがって、第1部分30aおよび第2部分30bの各々には、それぞれ、4つの検知コイル31aおよび検知コイル31bが配置されている。
図5に示すように、検知コイル31aと検知コイル31bとは、それぞれ独立した鞍型コイル(サドル型コイル)である。検知コイル31aと検知コイル31bとの各々は、検査運転時において、ワイヤロープWの半周ずつを覆うように配置されている。したがって、検知コイル31aと検知コイル31bとを併せることによって、ワイヤロープWの周囲が全周に亘って取り囲まれる。また、検知コイル31aおよび31bは、それぞれ、フレキシブル基板に設けられた導体パターンによって構成されている。また、検知コイル31aおよび31bは、ワイヤロープWの延びる方向に沿って、ワイヤロープWの周りに巻回されるように設けられている。すなわち、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って、2つの鞍型コイルによってワイヤロープWの全周を巻回するように検知コイル31aおよび31bが設けられている。また、第1部分30aおよび第2部分30bは、検査運転時において、互いに当接するように配置される。第1部分30aおよび第2部分30bは、互いに当接した状態で、検知コイル31aおよび検知コイル31bによってワイヤロープWが取り囲まれるように溝部が設けられている。なお、本明細書では、「巻回する」とは、1周以上に亘って巻き回す(巻き付ける)ことのみならず、1周分以下(たとえば、半周)の回数(角度)分だけ巻き回すことも含む概念として記載している。
また、検知コイル31aおよび検知コイル31bの各々は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って巻回するように設けられていることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿ってコイルの内側を貫く向きの磁束を検知(測定)する。そして、検知コイル31aおよび31bは、励磁部20(励振コイル21)によって周期的に時間変化させられる磁束(磁界)の変化を検知するように構成されている。また、検知コイル31aおよび検知コイル31bの各々は、検知した磁束を示す磁束信号(検知信号)を制御基板40の磁束信号取得部42に対して出力する。たとえば、4本のワイヤロープWに対して磁束の検知を行った場合には、合計で8個の磁束信号が磁束信号取得部42によって取得される。
(通常運転時と検査運転時とにおける検知部の配置)
次に、図3、および、図6~8を参照して、ワイヤロープ検査装置101における検知部30の移動について説明する。上記したように、第1実施形態におけるワイヤロープ検査装置101では、通常運転時には、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的大きくワイヤロープWの進行方向(ワイヤロープWの延びる方向、X方向)に対して垂直な方向(YZ平面内の方向)への振動による振れ幅も大きい。そして、検査運転時には、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的小さくワイヤロープWの進行方向に対して垂直な方向への振れ幅も小さい。第1実施形態におけるワイヤロープ検査装置101は、制御基板40の処理部41による制御によって、通常運転時(通常運転モード)と検査運転時(検査運転モード)において、検知部30のワイヤロープWに対する離間距離を変更させるように構成されている。
具体的には、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ103の運転モードが通常運転モードに設定されている場合(通常運転時)には、検知部30のワイヤロープWに対する離間距離を相対的に大きくするように、通常運転位置に検知部30を配置するように構成されている。そして、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ103の運転モードが通常運転モードよりもワイヤロープWの移動速度が小さい検査運転モードに切り替えられた場合(検査運転時)には、検知部30のワイヤロープWに対する離間距離を相対的に小さくするように、ワイヤロープWの検査を行う検査位置に検知部30を配置するように構成されている。詳細には、検査運転時において、検知コイル31aおよび31bに発生する信号感度を上げるために、検知部30(検知コイル31aおよび31b)は、ワイヤロープWに対する離間距離を相対的に小さくするように、ワイヤロープWを取り囲むように配置される。また、通常運転時において、ワイヤロープWの振れ幅が大きくなる場合にもワイヤロープWが検知部30(検知コイル31aおよび31b)に接触しないために、検知部30(検知コイル31aおよび31b)は、ワイヤロープWに対する離間距離を相対的に大きくするように配置される。
なお、図3に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、筐体101aおよび基台部101bを備える。磁界印加部10および励磁部20(励振コイル21)は、筐体101aに固定されている。すなわち、磁界印加部10および励磁部20(励振コイル21)は、通常運転時と検査運転時とにおいて位置が変更されない。一方で、検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)は、後述する駆動機構50(図2参照)に固定されており、位置変更可能に構成されている。また、基台部101bは、エレベータ103の筐体103dの内部に固定されている。そして、筐体101aおよび後述する駆動部ベース部50aは、基台部101bに固定される。
〈検知部を移動させるための構成〉
図6に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、駆動機構50を備える。駆動機構50は、駆動部ベース部50a、駆動部51、保持板52aおよび52b、リニアガイド53aおよび53b、および、リニアガイドレール53cを含む。なお、駆動部51は、特許請求の範囲における「ソレノイド式駆動部」の一例である。
駆動部ベース部50aは、ワイヤロープ検査装置101の筐体101aが固定される基台部101bに取り付けられる。保持板52aおよび52bは、検知部30を保持する。具体的には、保持板52aは、検知コイル31aが配置される第1部分30aを保持する。そして、保持板52bは、検知コイル31bが配置される第2部分30bを保持する。また、保持板52aおよび52bには、それぞれ、リニアガイド53aおよび53bが固定されている。リニアガイド53aおよび53bは、駆動部ベース部50aに固定されているリニアガイドレール53cと係合する。リニアガイド53aおよび53bと、リニアガイドレール53cとによって、保持板52aおよび52bは、駆動部ベース部50aに対して、Z方向に沿って直線移動可能に構成されている。したがって、保持板52aに保持される第1部分30aと、保持板52bに保持される第2部分30bとは、Z方向に沿って移動可能に構成されている。
そして、第1実施形態では、駆動部51は、ワイヤロープWから離間する方向(Z1方向およびZ2方向)に通常運転位置まで検知部30(検知コイル31aおよび31b)を移動させる。具体的には、駆動部51は、電流により磁場を発生させることによって検知部30をワイヤロープWから離間する方向に移動させるソレノイド式駆動部(ソレノイドアクチュエータ)を含む。たとえば、駆動部51は、ソレノイドコイルと可動鉄芯とを有する。駆動部51は、ソレノイドコイルに電流が流されることによって、検知部30をワイヤロープWから離間させる方向(Z2方向)に可動鉄芯を移動させる。また、駆動部51は、ソレノイドコイルの部分が駆動部ベース部50aに固定されている。そして、駆動部51の可動鉄芯は、金具51aに固定されている。そして、金具51aは、保持板52bに固定されている。したがって、駆動部51が可動鉄芯をZ2方向に沿って移動させることによって、第2部分30bを保持している保持板52bがZ2方向に沿って移動する。
また、駆動機構50は、付勢部54を含む。第1実施形態では、付勢部54は、ワイヤロープWに近接する方向に検査位置まで検知部30(検知コイル31aおよび31b)を弾性力により付勢する。具体的には、付勢部54は、弾性力により第1部分30aおよび第2部分30bを互いに近づけるように検査位置に向かって付勢するように構成されている。
詳細には、付勢部54は、バネ54aと、バネ固定部54bおよび54cを有する。バネ54aは、Z方向に沿って伸縮するように配置される。そして、バネ54aのZ1方向側の端部は、バネ固定部54bに固定されている。また、バネ54aのZ2方向側の端部は、バネ固定部54cに固定されている。そして、Z1方向側のバネ固定部54bは、駆動部ベース部50aに固定されている。また、Z2方向側のバネ固定部54cは、保持板52bに固定されている。付勢部54は、Z方向に沿って伸びた状態のバネ54aが、縮む方向に弾性力を発生させることによって、保持板52bをZ1方向に向かって付勢するように構成されている。
また、駆動機構50は、減衰機構として、ダンパ部55、ラック部56a、および、ラック部56bを有する。なお、ダンパ部55は、特許請求の範囲における「減衰部」の一例である。
第1実施形態では、ダンパ部55は、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、検知部30の移動速度を減衰させる。具体的には、ダンパ部55は、内部に充填された流体の粘性抵抗によって検知部30の移動速度を減衰させる。また、ダンパ部55は、歯車部55aを有する。歯車部55aは、後述するラック部56aおよびラック部56bの歯部と噛み合いながら回転する。また、ダンパ部55は、歯車部55aがX方向に沿った軸を回転軸線として図6のs方向およびt方向に回転可能なように駆動部ベース部50aに固定されている。そして、ダンパ部55は、流体の粘性抵抗によって歯車部55aの回転速度を少なくとも1方向(検知部30をワイヤロープWに近接させる方向)において減衰させるように構成されているロータリダンパである。ダンパ部55は、Z方向において、検知部30の第1部分30aと第2部分30bとの中心の位置に配置されている。
そして、第1実施形態では、ラック部56aおよびラック部56bは、Z方向に沿って直線状に延びる棒状の部材である。また、ラック部56aおよび56bは、それぞれ、ダンパ部55の歯車部55aと噛み合う歯部を有する。すなわち、回転する歯車部55aと直線状のラック部56aおよび56bによって、ラックアンドピニオン構造が形成されている。具体的には、ラック部56aおよび56bの歯部は、Z方向に沿って直線状に並ぶように配置されている。そして、第1実施形態では、ラック部56aは、Z1方向側の一端が保持板52aに固定されることによって、検知部30の第1部分30aと連動して移動する。そして、ラック部56aは、Z2方向側の他端がダンパ部55の歯車部55aと噛み合うように構成されている。また、ラック部56bは、Z2方向側の一端が保持板52bに固定されることによって、検知部30の第2部分30bと連動して移動する。そして、ラック部56bは、Z1方向側の他端がダンパ部55の歯車部55aと噛み合うように構成されている。
ラック部56aの歯部は、X方向に沿った軸を回転軸線として回転する歯車部55aのY1方向側において、歯車部55aと噛み合うように配置されている。そして、ラック部56bの歯部は、X方向に沿った軸を回転軸線として回転する歯車部55aのY2方向側において、歯車部55aと噛み合うように配置されている。したがって、歯車部55aが図6のs方向に回転した場合には、ラック部56aおよびラック部56bは、連動してZ方向において互いに離間する方向に移動する。また、歯車部55aが図6のt方向に回転した場合には、ラック部56aおよびラック部56bは、連動してZ方向において互いに近接する方向に移動する。したがって、第1実施形態の駆動機構50では、1つの歯車部55aの回転運動によって、2つのラック部56aおよび56bが連動して移動するため、第1部分30aおよび第2部分30bは、連動して等しい距離移動するように構成されている。また、ダンパ部55において、少なくともt方向(ラック部56aおよびラック部56bが互いに近接する方向)の歯車部55aの回転速度が減衰される。したがって、第1部分30aおよび第2部分30bは、連動して移動速度が減衰されるように構成されている。
また、ワイヤロープ検査装置101の駆動機構50は、位置検知部57および固定部58を含む。第1実施形態では、検知部30は、通常運転時において通常運転位置に固定される。
第1実施形態では、位置検知部57は、検知部30が通常運転位置に配置されていることを検知する。具体的には、位置検知部57は、駆動部ベース部50aに固定されている。そして、位置検知部57は、第1部分30aがZ1方向に移動して通常運転位置に配置された場合に、保持板52aに当接することによってスイッチがオンにされる機械式スイッチを含む。また、位置検知部57は、スイッチがオンの状態にされたことに基づいて、制御基板40に対して、第1部分30aを検知したことを示す位置検知信号を出力する。
固定部58は、通常運転位置に配置された状態の検知部30の第1部分30aを固定する。具体的には、固定部58は、固定ピン58a、バネ58b、および、アクチュエータ58cを有する。固定部58は、駆動部ベース部50aに固定されている。そして、固定部58は、ラック部56aに設けられた孔部56c(図8参照)に固定ピン58aを係合させる(挿入する)ことによって、ラック部56aが保持する第1部分30aを固定する。また、固定ピン58aは、バネ58bによって、孔部56cに挿入する方向(X1方向)に付勢される。また、アクチュエータ58cは、固定ピン58aに対して、孔部56cから引き抜く方向(X2方向)に移動させるように力を加える。具体的には、アクチュエータ58cは、ソレノイドコイルと可動鉄芯とを有するソレノイドアクチュエータである。アクチュエータ58cは、制御基板40からの制御信号に基づいて、固定ピン58aを孔部56cから引き抜くことにより、固定部58による検知部30の固定を解除する。したがって、固定部58は、アクチュエータ58cによる駆動力が発生していない場合に、バネ58bによる付勢力によって、固定ピン58aを検知部30の第1部分30a側に移動させるように構成されている。すなわち、制御基板40からの駆動信号(駆動電力)が発生していない場合にも、固定部58は、固定ピン58aを孔部56cに挿入した状態で通常運転位置に検知部30(第1部分30a)を固定し続ける。
なお、検知部30(第1部分30a)が検査位置に配置されている状態において、ラック部56aは、Z方向において固定ピン58aよりも上方(Z1方向側)の位置まで延びるように構成されている。したがって、ワイヤロープ検査装置101の駆動機構50は、検知部30が検査位置に配置されている状態で、固定部58のアクチュエータ58cの駆動力を停止させた場合にも、固定ピン58aがラック部56aよりもX1方向側まで飛び出さないように構成されている。これにより、ワイヤロープ検査装置101の駆動機構50は、検知部30を検査位置から通常運転位置まで移動させる場合に、X1方向に飛び出した固定ピン58aによってラック部56a(第1部分30a)のZ1方向への移動が妨げられることを抑制可能に構成されている。
〈検知部の通常運転位置への移動〉
図7および図8に示すように、処理装置102に対する入力操作に基づいて、エレベータ103の動作が検査運転モードから通常運転モードへと切り替えられた場合には、制御基板40の処理部41によって、検知部30が検査位置から通常運転位置へと移動するように、駆動機構50の各部が制御される。なお、図7および図8において、アースに接続されているように図示されている部分は、駆動部ベース部50aに固定されていることを示している。
具体的には、駆動部51に対して制御基板40から駆動電力が供給されることによって、駆動部51によって、検知部30の第2部分30bがZ2方向側へ移動するように、保持板52bがZ2方向へ移動される。この時に、第1部分30aは、ダンパ部55(歯車部55a)、ラック部56a、および、ラック部56bにより保持板52aと保持板52bとが連動して移動するため、駆動部51の駆動力によって、Z1方向側へ移動される。すなわち、駆動部51は、付勢部54による弾性力に抗しながら、第1部分30aと第2部分30bとをワイヤロープWから等しい距離離間するように移動させる。
そして、Z1方向に移動した第1部分30aが通常運転位置に到達した場合には、第1部分30aが通常運転位置に配置されていることが位置検知部57により検知される。そして、固定部58により第1部分30aが固定される。たとえば、制御基板40(処理部41)は、検知部30が検査位置に配置されている場合において、固定部58のアクチュエータ58cに対する駆動力の供給を停止している。その場合に、固定部58の固定ピン58aは、バネ58bによってX1方向に付勢されながらラック部56aのX2方向側の面に当接した状態で停止している。そして、駆動部51によりラック部56aが移動することによって第1部分30aが通常運転位置まで移動した場合に、固定部58のバネ58bにより固定ピン58aが孔部56cに挿入されることによって、第1部分30aが固定される。また、ラック部56aおよびラック部56bと、歯車部55aとによって、第1部分30aと第2部分30bが連動して動作するように構成されているため、第1部分30aの位置が固定された場合には、第2部分30bの位置も固定される。
上記のように、エレベータ103の動作が検査運転モードから通常運転モードへと切り替えられた場合には、駆動部51の駆動力によって、付勢部54の弾性力に抗しながら検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)が通常運転位置まで移動する。そして、通常運転位置に配置された検知部30は、固定部58により固定される。なお、検査位置から通常運転位置まで検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)を移動させる際に、固定部58のアクチュエータ58cに対して駆動力を供給することによって固定ピン58aをX2方向側に移動させておいてもよい。その場合には、駆動機構50を、位置検知部57による位置検知信号に基づいて、アクチュエータ58cに対する駆動力の供給を停止させることによって、固定ピン58aをラック部56aの孔部56cに挿入させるように構成してもよい。
〈検知部の検査位置への移動〉
また、処理装置102に対する入力操作に基づいて、エレベータ103の動作が通常運転モードから検査運転モードへと切り替えられた場合には、制御基板40の処理部41によって、検知部30が通常運転位置から検査位置へと移動するように、駆動機構50の各部が制御される。
具体的には、まず、固定部58により通常運転位置に固定されている検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)の固定が解除される。すなわち、固定部58のアクチュエータ58cに対して駆動電力が供給されることによって、固定ピン58aがラック部56aの孔部56cから引き抜かれる。これにより、第1部分30aの固定が解除されるため、付勢部54のバネ54aの弾性力によって、第1部分30aと第2部分30bとが互いに近づくように付勢される。この時に、第1部分30aおよび第2部分30bは、ダンパ部55により移動速度が減衰される。また、第1部分30aおよび第2部分30bは、ダンパ部55の歯車部55aにラック部56aおよびラック部56bが噛み合っているため、互いに等しい移動速度で移動する。また、第1部分30aおよび第2部分30bは、ワイヤロープWから等しい距離離間しているため、付勢部54の弾性力に付勢されることによって、ワイヤロープWに近接する方向に等しい速度で移動した結果、ワイヤロープWの位置において、互いに当接した状態で移動を停止する。
上記のように、エレベータ103の動作が通常運転モードから検査運転モードへと切り替えられた場合には、ダンパ部55により移動速度が減衰されながら、付勢部54の弾性力によって検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)が検査位置まで移動する。そして、第1実施形態では、第1部分30aおよび第2部分30bは、付勢部54に付勢されることにより互いに当接することによって位置決めされた状態で、検査位置に配置されるように構成されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態のワイヤロープ検査装置101では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態のワイヤロープ検査装置101では、上記のように、ワイヤロープWの検査を行う検査運転時に検知部30が配置される検査位置まで、ワイヤロープWに近接する方向に検知部30を弾性力により付勢する付勢部54を備える。これにより、付勢部54により付勢されることによって検査が行われる検査位置まで検知部30を移動させることができるので、検知部30の移動を制御することなく、付勢部54の弾性力により付勢することによって検知部30を可能な限りワイヤロープWに近づけて配置することができる。そのため、検知部30の移動を細かく制御せずに検知部30をワイヤロープWに可能な限り近づけて配置することができる。その結果、制御処理の処理負担が増大することを抑制することができるので、ワイヤロープWの磁束を検知する検知部30を遠隔操作により移動させる場合に、検知部30を可能な限りワイヤロープWに近づけるように容易に配置することができる。また、通常運転時には、検知部30の配置を細かく制御する必要がない。そのため、駆動部51によって通常運転時に検知部30が配置される通常運転位置まで、ワイヤロープWから離間する方向に付勢部54の弾性力(付勢力)に抗して検知部30を移動させることによって、検知部30を容易に通常運転位置に配置することができる。
また、第1実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、第1実施形態では、検知部30は、ワイヤロープWの延びる方向に直交する方向の一方側(Z1方向側)に配置される第1部分30aと、他方側(Z2方向側)に配置される第2部分30bとを含み、付勢部54は、弾性力により第1部分30aおよび第2部分30bを互いに近づけるように検査位置まで付勢するように構成されている。このように構成すれば、検知部30の第1部分30aと第2部分30bとが、付勢部54によって互いに近づけられるように付勢されるため、第1部分30aと第2部分30bとをワイヤロープWの両側から、ワイヤロープWに対して容易に近づけることができる。そのため、第1部分30aと第2部分30bとに分割されている検知部30を、ワイヤロープWに可能な限り近づけて取り囲むように容易に配置することができる。
また、第1実施形態では、駆動部51は、第1部分30aと第2部分30bとを、ワイヤロープWから等しい距離離間するように移動させるように構成されている。このように構成すれば、第1部分30aおよび第2部分30bを駆動部51によって移動させることによって、ワイヤロープWから等しい距離離間させた位置に配置することができる。そのため、第1部分30aおよび第2部分30bを付勢部54の弾性力によって付勢してワイヤロープWに近接する方向に移動させる場合に、第1部分30aと第2部分30bとの中間の位置にワイヤロープWを配置することができる。そのため、第1部分30aおよび第2部分30bのそれぞれとワイヤロープWとの距離を等しくすることができるので、第1部分30aおよび第2部分30bによってワイヤロープWを取り囲むように配置する場合に、第1部分30aおよび第2部分30bによる検知結果を精度よく取得することができる。
また、第1実施形態では、第1部分30aおよび第2部分30bは、付勢部54に付勢されることにより互いに当接することによって位置決めされた状態で、検査位置に配置されるように構成されている。このように構成すれば、第1部分30aと第2部分30bとが付勢部54によって付勢されることにより互いに当接した状態で位置決めされるので、付勢部54の弾性力によって、第1部分30aおよび第2部分30bが互いに密着する方向に付勢された状態でワイヤロープWの周りに配置することができる。その結果、第1部分30aと第2部分30bとを互いに密着させながら、第1部分30aおよび第2部分30bの位置がずれることを抑制することができるので、検知部30による検知結果を精度よく取得することができる。
また、第1実施形態では、通常運転位置に配置された状態の検知部30を固定する固定部58を備える。このように構成すれば、通常運転位置において検知部30が固定部58によって固定されるので、付勢部54の弾性力に抗するように駆動部51に駆動力を発生させることなく、検知部30を通常運転位置に固定することができる。そのため、通常運転時において常時駆動部51に電力を供給することなく固定部58によって検知部30を通常運転位置に固定することができるため、通常運転時における電力の消費量が増大することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、検知部30の移動速度を減衰させるダンパ部55(減衰部)を備える。このように構成すれば、付勢部54の弾性力により付勢されることによって移動する検知部30の移動速度を減衰させることができるので、検知部30が検査位置に向かって移動する際の移動速度が必要以上に大きくなることを抑制することができる。そのため、検知部30が検査位置に配置される際に大きな力が加えられることを抑制することができるので、検知部30に異常が生じることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、駆動部51は、電流により磁場を発生させることによって検知部30をワイヤロープWから離間する方向に移動させるソレノイド式駆動部を含み、ダンパ部55(減衰部)は、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、内部に充填された流体の粘性抵抗によって検知部30の移動速度を減衰させる。このように構成すれば、ワイヤロープWに近接する方向に移動する際の検知部30の移動速度をダンパ部55によって減衰させることができるので、検知部30を検査位置に向かってワイヤロープWに近接させる方向に移動させる際に駆動部51による駆動力を用いることなく、移動速度が大きくなりすぎることを抑制しながら検知部30を移動させることができる。そのため、駆動部51の駆動力の大きさを制御することなく、ワイヤロープWに近接させる方向に移動させる際の検知部30の移動速度が大きくなりすぎることを容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、歯部を有するとともに直線状に延びるラック部56aおよび56bを備え、ダンパ部55は、ラック部56aおよび56bの歯部と噛み合いながら回転する歯車部55aを有するとともに、歯車部55aの回転速度を減衰させるように構成されており、ラック部56aおよび56bは、一端が検知部30に固定されているとともに、他端がダンパ部55の歯車部55aと噛み合うように構成されている。このように構成すれば、ダンパ部55の歯車部55aの回転速度を減衰させることによって、歯車部55aと噛み合うラック部56aおよび56bの移動速度を減衰させることができる。そのため、ラック部56aおよび56bの一端に固定されている検知部30の移動速度を、ダンパ部55によって容易に減衰することができる。また、第1実施形態のように、ダンパ部55の1つの歯車部55aに対して、互いに対向するように2つのラック部56aおよび56bを配置するように構成することによって、ダンパ部55の1つの歯車部55aの回転によって、2つのラック部56aおよび56bを同じ速度によって移動速度を減衰しながら同じ距離移動させることができる。そのため、ダンパ部55を中心として両側に異なる2つの検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)が配置されている場合に、異なる2つの検知部30の移動距離を等しくするとともに、異なる2つの検知部30の移動速度を共通して減衰させることができる。そのため、異なる2つの検知部30が設けられている場合に、別個の減衰部によって、異なる2つの検知部30の移動速度をそれぞれ減衰させる場合に比べて、共通の1つの減衰部(ダンパ部55)によって異なる2つの検知部30の移動速度を減衰させることができるので、装置構成の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、検知部30が通常運転位置に配置されていることを検知する位置検知部57を備える。このように構成すれば、位置検知部57によって、検知部30が通常運転位置に配置されていることを容易に検知することができるので、位置検知部57による位置検知信号に基づいて、たとえば、通常運転位置に検知部30を固定するための制御、または、検査が完了したとして通常運転を開始させる制御を容易に実行することができる。
また、第1実施形態では、検知部30は、エレベータ103に設けられているワイヤロープWがエレベータ103の駆動によってワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って移動している状態において、移動しているワイヤロープWの磁束を検知するように構成されており、付勢部54は、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的小さいエレベータ103の検査運転時に検知部30が配置される検査位置まで、検知部30を付勢するように構成されており、駆動部51は、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的大きいエレベータ103の通常運転時に検知部30が配置される通常運転位置まで、検知部30を移動させるように構成されている。ここで、エレベータ103に設けられているワイヤロープWを検査する場合には、ワイヤロープWの移動速度が比較的小さい検査運転時において、ワイヤロープWの延びる方向(進行方向)に対して垂直な方向へのワイヤロープWの振れ幅は小さくなる。一方で、ワイヤロープWの移動速度が比較的大きい通常運転時においては、ワイヤロープWの延びる方向に垂直な方向へのワイヤロープWの振れ幅は大きくなる。これに対して、第1実施形態では、付勢部54は、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的小さいエレベータ103の検査運転時に検知部30が配置される検査位置まで、検知部30を付勢するように構成されている。そして、駆動部51は、検知部30に対するワイヤロープWの移動速度が比較的大きいエレベータ103の通常運転時に検知部30が配置される通常運転位置まで、検知部30を移動させるように構成されている。このように構成すれば、エレベータ103のワイヤロープWを検査する場合に、ワイヤロープWの振れ幅が比較的小さい検査運転時において検知部30をワイヤロープWに可能な限り近づけて配置するように付勢部54によって付勢することができる。また、ワイヤロープWの振れ幅が比較的大きい通常運転時において検知部30をワイヤロープWから離間した位置に配置するように駆動部51によって移動させることができる。そのため、付勢部54と駆動部51とを用いることによって、検査運転時にはより検出感度を向上させるように検知部30を配置するとともに、通常運転時にはワイヤロープWと検知部30との接触を回避するように検知部30を配置するように、遠隔操作によって検知部30を移動させることができる。その結果、エレベータ103のワイヤロープWに対して検知部30を遠隔操作により移動させる場合にも、付勢部54と駆動部51とを用いることによって、検査運転時には検知部30を可能な限りワイヤロープWに近づけるように容易に配置することができるとともに、通常運転時には、検知部30をワイヤロープWから離間した位置に容易に配置することができる。
また、第1実施形態では、ワイヤロープWに対して予め磁界を印加しワイヤロープWの磁化の方向を整える磁界印加部10を備え、励磁部20は、磁界印加部10によって予め磁界が印加された後に、ワイヤロープWの磁化の状態を励振する励振コイル21を含み、検知部30は、ワイヤロープWの延びる方向に沿ってワイヤロープWの周りに巻回され、励振コイル21によって磁化の状態が励振されるワイヤロープWの磁束を全磁束法によって検知する検知コイル31aおよび31bを含み、付勢部54は、検査位置まで検知コイル31aおよび31bを弾性力により付勢するように構成されており、駆動部51は、通常運転位置まで検知コイル31aおよび31bを移動させるように構成されている。このように構成すれば、全磁束法によってワイヤロープWを検査する場合にも、ワイヤロープWの内部の磁束を検知する検知コイル31aおよび31bを、付勢部54と駆動部51とを用いることによって、遠隔操作によってワイヤロープWの周りに巻回するように移動させることができる。その結果、全磁束法によってワイヤロープWを検査する場合にも、検知部30を可能な限りワイヤロープWに近づけるように容易に配置することができる。
[第2実施形態]
図9~図13を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査装置201の構成について説明する。この第2実施形態は、ソレノイド式駆動部によってワイヤロープWから離間するように検知部30を移動させるように構成した第1実施形態と異なり、モータ251によってワイヤロープWから離間するように検知部30を移動させるように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(第2実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成)
図9および図10に示すように、第2実施形態によるワイヤロープ検査システム200は、ワイヤロープ検査装置201を備える。そして、ワイヤロープ検査装置201は、制御基板240、および、駆動機構250を備える。なお、第2実施形態によるワイヤロープWの磁束(磁界)を測定するための構成(磁界印加部10、励磁部20、および、検知部30)は、第1実施形態と同様である。
制御基板240は、処理部241、磁束信号取得部42、および、通信部43を含む。制御基板240は、第1実施形態の制御基板40と同様に、処理部241からの制御信号に基づいて、励磁部20(励振コイル21)の動作を制御する。また、制御基板240は、第1実施形態と同様に、処理部241による制御処理によって、ワイヤロープ検査装置201の各部の制御を行なう。そして、第2実施形態による制御基板240の処理部241は、後述するモータ251の速度制御を実行するように構成されている。制御基板240のその他の構成は、第1実施形態の制御基板40と同様である。また、モータ251の速度制御の詳細は後述する。
(第2実施形態による検知部の移動)
図11および図12に示すように、駆動機構250は、駆動部ベース部250aを含む。駆動部ベース部250aは、第1実施形態の駆動部ベース部50aと同様に、ワイヤロープ検査装置201の筐体101aが固定される基台部101b(図10参照)に取り付けられる。なお、駆動機構250は、付勢部54を含む。付勢部54は、第1実施形態と同様に、弾性力により第1部分30aおよび第2部分30bを互いに近づけるように検査位置まで付勢するように構成されている。
また、駆動機構250は、モータ251を含む。そして、モータ251は、駆動部ベース部250aに固定されている。また、モータ251は、回転軸251a(図13参照)を有する。モータ251は、制御基板240の処理部241による制御によって、回転軸251aをu方向およびv方向に回転させる。また、モータ251は、速度制御可能に構成されている。具体的には、制御基板240は、図示しないモータドライバを含む。そして、モータ251は、たとえば、モータドライバからの駆動電力によって回転軸251aを回転させるステッピングモータである。モータドライバは、処理部241による制御に基づいて、モータ251を駆動するための駆動電力を出力する。また、処理部241は、モータドライバの動作を制御することによって、モータ251の回転速度(回転数)を変更させる制御を実行するように構成されている。なお、モータ251は、特許請求の範囲における「駆動部」および「減衰部」の一例である。
また、駆動機構250は、歯付きプーリ261aおよび261bと、ベルト262とを含む。歯付きプーリ261aは、モータ251の回転軸251aに後述するワンウェイクラッチ263(図13参照)を介して接続されている。ベルト262は、歯付きプーリ261aの回転を歯付きプーリ261bに伝達する。歯付きプーリ261bは、駆動部ベース部250aに回転可能に取り付けられている。そして、ベルト262は、固定点262aおよび262bを有する。固定点262aは、保持板52aに固定されている。また、固定点262bは、保持板52bに固定されている。第2実施形態の駆動機構250では、歯付きプーリ261aがu方向に回転した場合には、ベルト262の固定点262aがZ2方向に移動するとともに、固定点262bがZ1方向に移動することによって、第1部分30aおよび第2部分30bは、互いに近接する方向に連動して移動する。そして、歯付きプーリ261aがv方向に回転した場合には、ベルト262の固定点262aがZ1方向に移動するとともに、固定点262bがZ2方向に移動することによって、第1部分30aおよび第2部分30bは、互いに離間する方向に連動して移動する。
ここで、図13に示すように、駆動機構250は、ワンウェイクラッチ263を含む。第2実施形態では、ワンウェイクラッチ263は、モータ251の回転軸251aに接続されている。また、ワンウェイクラッチ263は、一方の回転方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構を有する。具体的には、ワンウェイクラッチ263は、モータ251の回転軸251aがv方向に回転力を加える場合には、回転軸251aと同期して回転する。そして、ワンウェイクラッチ263は、モータ251の回転軸251aがu方向に回転力を加える場合には、回転軸251aに対して空転する。
また、駆動機構250は、ブレーキ258を含む。ブレーキ258は、制御基板240の処理部241からの制御信号に基づいて、モータ251の回転軸251aの回転を抑制する(回転軸251aを固定する)ように構成されている。制御基板240の処理部241は、位置検知部57からの位置検知信号に基づいて、ブレーキ258によってモータ251の回転軸251aを固定させる。そして、ブレーキ258がモータ251の回転軸251aを固定することによって、検知部30の第1部分30aおよび第2部分30bが通常運転位置に配置された状態で固定される。なお、ブレーキ258は、特許請求の範囲における「固定部」の一例である。また、この時、ブレーキ258は、制御基板240から電力が供給されている通電時において回転軸251aのブレーキ(固定)が解除され、通電(電力の供給)が切られた場合にブレーキが働く方式が望ましい。
〈検知部の通常運転位置への移動〉
図11および図12に示すように、第1実施形態と同様に、処理装置102に対する入力操作に基づいて、エレベータ103の動作が検査運転モードから通常運転モードへと切り替えられた場合には、検知部30が検査位置から通常運転位置へと移動するように、制御基板240の処理部241によって駆動機構250の各部が制御される。
第2実施形態では、モータ251は、ワイヤロープWから離間する方向(Z1方向およびZ2方向)に検知部30(検知コイル31aおよび31b)を移動させる。具体的には、モータ251は、制御基板240の処理部241による制御によって、付勢部54による弾性力に逆らって(抗して)、一の回転方向(図11のv方向)に回転する。ここで、モータ251が付勢部54による弾性力に逆らって回転軸251aをv方向に回転させるように回転力を加えるため、ワンウェイクラッチ263は、回転軸251aと同期して回転する。これにより、モータ251が、第1部分30aおよび第2部分30bを互いに離間する方向に移動させるようにv方向に回転する場合には、歯付きプーリ261aは、モータ251の回転軸251aと同期して回転する。
そして、モータ251がv方向に回転する場合に歯付きプーリ261aがモータ251の回転軸251aと同期して回転することによって、第1部分30aおよび第2部分30bが、それぞれ、Z1方向およびZ2方向に移動する。したがって、モータ251は、v方向に回転することによって、検知コイル31aおよび31b(第1部分30aおよび第2部分30b)を、互いに離間する方向に移動させることによって、ワイヤロープWから離間する方向に移動させる。第2実施形態では、ワンウェイクラッチ263は、モータ251が検知部30に対してワイヤロープWから離間する方向に駆動力を加えている場合には、モータ251の回転軸251aと共に回転するように構成されている。
そして、Z1方向に移動した第1部分30aが通常運転位置に到達した場合には、第1部分30aが通常運転位置に配置されていることが位置検知部57により検知される。この場合に、ブレーキ258により、モータ251の回転軸251aの回転が抑制される(回転軸251aが固定される)ことにより、第1部分30aおよび第2部分30bの移動が抑制される。そして、検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)は、通常運転位置に固定される。
〈検知部の検査位置への移動〉
また、第1実施形態と同様に、処理装置102に対する入力操作に基づいて、エレベータ103の動作が通常運転モードから検査運転モードへと切り替えられた場合には、検知部30が通常運転位置から検査位置へと移動するように、制御基板240の処理部241によって駆動機構250の各部が制御される。
具体的には、まず、ブレーキ258によるモータ251の回転軸251aの固定が解除される。そして、回転軸251aの固定が解除されるため、付勢部54の弾性力によって、第1部分30aと第2部分30bとが互いに近づくように付勢される。ここで、第2実施形態では、モータ251は、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、一の回転方向(v方向)と反対の他の回転方向(u方向)に速度を制限しながら回転することによって、検知部30の移動速度を減衰させるように構成されている。具体的には、モータ251は、第1部分30aと第2部分30bとが互いに近づくように移動する際の移動速度を減衰するように、付勢部54の弾性力に抗しながらu方向に一定の速度で回転する。この場合に、付勢部54による弾性力によって、ベルト262は、歯付きプーリ261aに対してu方向に回転しようとする力を加える。モータ251は、この付勢部54による弾性力に逆らうようにv方向に向かって支えるように力を加えながら、一定の速度でu方向に回転軸251aを回転させる。この時、ワンウェイクラッチ263は、モータ251の回転軸251aがv方向に力を加えているため、回転軸251aと同期して回転する。
そして、第1部分30aおよび第2部分30bは、検査位置に配置されることによって、互いに当接する。このタイミングにおいて、第1部分30aおよび第2部分30bが互いに当接して移動を停止するため、モータ251の駆動力(回転力)は、u方向に向かって力を加えようとする。そのため、ワンウェイクラッチ263が、回転軸251aに対して空転するため、モータ251の駆動力は、歯付きプーリ261aには伝達されない。すなわち、第2実施形態では、ワンウェイクラッチ263は、モータ251が検知部30に対してワイヤロープWに近接する方向に駆動力を加えている場合には、モータ251の回転軸251aに対して空転するように構成されている。したがって、互いに当接するようにして検査位置に配置された第1部分30aおよび第2部分30bは、モータ251が回転を続ける場合にも、モータ251による駆動力が加えられずに、付勢部54の弾性力のみによって、検査位置に保持(固定)される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、モータ251(駆動部、減衰部)は、一の回転方向(v方向)に回転することによって、検知部30をワイヤロープWから離間する方向に移動させる。また、モータ251は、速度制御可能に構成されており、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、一の回転方向(v方向)と反対の他の回転方向(u方向)に速度を制限しながら回転することによって、検知部30の移動速度を減衰させる。このように構成すれば、速度制御可能なモータ251によって、検知部30を通常運転位置に移動させることと、検知部30を検査位置に移動させる際の移動速度を減衰させることとを共通して行うことができる。そのため、移動速度を減衰させるための構成をモータ251と別個に設ける場合と異なり、装置構成を簡略化することができる。
また、上記第2実施形態によるワイヤロープ検査装置201では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、第2実施形態では、モータ251の回転軸251aに接続されているワンウェイクラッチ263を備え、ワンウェイクラッチ263は、モータ251が検知部30に対してワイヤロープWから離間する方向に駆動力を加えている場合には、モータ251の回転軸251aと共に回転し、モータ251が検知部30に対してワイヤロープWに近接する方向に駆動力を加えている場合には、モータ251の回転軸251aに対して空転するように構成されている。このように構成すれば、モータ251が、検知部30に対してワイヤロープWに近接する方向に駆動力を加えようとする場合に、ワンウェイクラッチ263が空転するため、モータ251が、検知部30に対してワイヤロープWに近接する方向に力を加えることを抑制することができる。そのため、付勢部54の弾性力のみによって検知部30に対してワイヤロープWに近接する方向に力が加えられるため、検査位置に配置された検知部30に対して、付勢部54の弾性力以外の力が働くことを抑制することができる。その結果、検査位置に配置された検知部30に必要以上に大きい力が働くことを抑制することができるので、検知部30に必要以上に大きい負荷が掛かることを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図14~図16を参照して、第3実施形態によるワイヤロープ検査装置301の構成について説明する。この第3実施形態では、第1部分330aおよび第2部分330bが、それぞれ、ワイヤロープWと対向する面に傾斜面332aおよび332bを有する。なお、図中において、上記第1および第2実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(第3実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成)
図14に示すように、第3実施形態によるワイヤロープ検査システム300は、ワイヤロープ検査装置301を備える。そして、ワイヤロープ検査装置301は、検知部330を含む。そして、検知部330は、第1部分330aおよび第2部分330bを含む。また、第1部分330aおよび330bは、それぞれ、検知コイル31aおよび31bを有する。検知コイル31aおよび31bの構成は、第1実施形態と同様である。そして、第3実施形態によるワイヤロープWの磁束(磁界)を測定するための構成は、第1実施形態と同様である。
また、図15に示すように、ワイヤロープ検査装置301は、第1実施形態と同様の駆動機構50を備える。検知部330の第1部分330aおよび第2部分330bは、それぞれ、第1実施形態の第1部分30aおよび第2部分30bと同様に、駆動機構50の保持板52aおよび52bに保持される。すなわち、検知部330(第1部分330aおよび第2部分330b)は、第1実施形態の検知部30(第1部分30aおよび第2部分30b)と同様に、駆動機構50の駆動部51によって通常運転位置に移動するとともに、付勢部54によって検査位置まで付勢され、検査位置において互いに当接することによって位置決めされた状態でワイヤロープWを取り囲むように配置される。また、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、検知部330は、ワイヤロープWがワイヤロープWの延びる方向(X2方向)に沿って移動している状態において、移動しているワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。
そして、第3実施形態では、第1部分330aおよび第2部分330bは、それぞれ、ワイヤロープWと対向する面において、傾斜面332aおよび傾斜面332bを有する。具体的には、傾斜面332aは、ワイヤロープWに対してZ1方向側に設けられる第1部分330aのZ2方向側の面に設けられる。そして、傾斜面332bは、ワイヤロープWに対してZ2方向側に設けられる第2部分330bのZ1方向側の面に設けられる。
また、第1部分330aおよび第2部分330bは、互いに当接した状態で検知コイル31aおよび検知コイル31bによってワイヤロープWが取り囲まれるように溝部が設けられている。この溝部は、ワイヤロープWの外表面に沿うように半円形の断面を有する。そして、第1部分330aと第2部分330bとが互いに当接した状態で検査位置に配置されることによって、第1部分330aおよび第2部分330bの溝部によってワイヤロープWが配置される筒状(円柱状)の空間が形成される。第3実施形態では、この第1部分330aおよび第2部分330bにおける溝部(ワイヤロープWと対向する面)において、ワイヤロープWが移動してくる上流側(X1方向側)に、傾斜面332aおよび332bが設けられている。
また、傾斜面332aおよび傾斜面332bは、第1部分330aと第2部分330bとが互いに当接するように検査位置に配置された状態で、ワイヤロープWの上流側(X1方向側)がワイヤロープWから離間する方向に広がるように設けられている。具体的には、傾斜面332aおよび傾斜面332bは、第1部分330aおよび第2部分330bの溝部によって形成される筒状の空間の断面積がX1方向側に向かって徐々に大きくなるように設けられている。したがって、第1部分330aおよび第2部分330bの溝部によって形成される筒状の空間がラッパ状に広がるように、傾斜面332aおよび傾斜面332bが設けられている。
図16に示すように、第3実施形態の第1部分330aおよび第2部分330bは、検査位置に配置されている状態でワイヤロープWの外表面に付着した異物Waと接触することによって、互いに離間する方向に(ワイヤロープWから離間する方向に)移動するように構成されている。なお、異物Waは、たとえば、ワイヤロープWの外表面に付着している油(グリス)などである。
ここで、第1部分330aおよび第2部分330bは、付勢部54の弾性力によって互いに近接する方向に付勢されながら当接した状態で、検査位置に配置される。そして、X1方向側からX2方向側に向かって移動するワイヤロープWの外表面に異物Waが付着している場合には、検査位置に配置されている第1部分330aの傾斜面332aおよび第2部分330bの傾斜面332bに異物Waが接触する。異物Waが傾斜面332aおよび332bに接触することによって、第1部分330aおよび第2部分330bは、付勢部54の弾性力に抗しながら互いに離間させる方向に押し広げられるように力を加えられる。この場合に、第1部分330aおよび第2部分330bは、駆動機構50のリニアガイド53aおよび53b、および、リニアガイドレール53cによって、Z方向沿って直線状に移動する。なお、異物Waが通り過ぎた後には、第1部分330aおよび第2部分330bは、再度付勢部54による弾性力によって付勢されるとともに、ダンパ部55によって移動速度を減衰されながら、検査位置に配置される。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、検知部330は、ワイヤロープWがワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って移動している状態において、移動しているワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。そして、第1部分330aおよび第2部分330bは、検査位置においてワイヤロープWを取り囲むように配置され、ワイヤロープWと対向する面において、ワイヤロープWの上流側(X1方向側)にワイヤロープWから離間する方向に広がるように設けられている傾斜面332aおよび332bを有する。このように構成すれば、検知部330に対して上流側から移動してくるワイヤロープWの外表面に異物Waが付着している場合に、上流側にワイヤロープWから離間する方向に広がるように設けられている傾斜面332aおよび傾斜面332bに対して異物Waを接触させることができる。そのため、ワイヤロープWの上流側から移動してくる異物Waが傾斜面332aおよび傾斜面332bに接触することによって、第1部分330aおよび第2部分330bが押し広げられるように力を加えられるため、異物Waが検知部30に接触した場合に、検知部30の第1部分330aおよび第2部分330bをワイヤロープWから離間する方向に移動(回避)させることができる。その結果、検査対象であるワイヤロープWの外表面に異物Waが付着している場合に、異物Waとの接触に起因して検知部330(検知コイル31aおよび検知コイル31b)に大きな力が加えられることを抑制することができるので、検知部330に異常が生じることを抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第3実施形態では、第1部分30a(330a)および第2部分30b(330b)を、ワイヤロープWの延びる方向に直交する方向の一方側(X1方向側)と、他方側(X2方向側)とに配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルとして、フレキシブル基板などの可撓性を有する基板に形成された1つのコイルを適用し、1つのコイルを変形させることにより、検知部のワイヤロープに対する位置を変更させるように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、第1部分30a(330a)と第2部分30b(330b)とを、ワイヤロープWから等しい距離離間するように移動させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分30a(330a)と第2部分30b(330b)とのワイヤロープWからの離間距離を、互いに異ならせるように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、第1部分30a(330a)および第2部分30b(330b)は、互いに当接することによって位置決めされた状態で、検査位置に配置されるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ストッパー部材を第1部分30a(330a)および第2部分30b(330b)とは別個に設けるとともに、第1部分30a(330a)および第2部分30b(330b)が、ストッパー部材と当接することによって位置決めされた状態で、検査位置に配置されるように構成してもよい。
また、上記第1および第3実施形態では、通常運転位置に配置された状態の検知部30(330)を固定する固定部58を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定部58を備えず、駆動部51による駆動力を加え続けることによって、検知部30を通常運転位置に固定するようにしてもよい。
また、上記第1および第3実施形態では、ダンパ部55(減衰部)内部に充填された流体の粘性抵抗によって検知部30(330)の移動速度を減衰させるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、減衰部を摩擦力によって移動速度を減衰するように構成してもよい。
また、上記第1および第3実施形態では、検知部30(330)をワイヤロープWから離間する方向に移動させる駆動部としてソレノイド式駆動部である駆動部51を備え、第2実施形態では、モータ251を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ソレノイド式駆動部およびモータ以外のアクチュエータを備えるようにしてもよい。たとえば、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、水圧シリンダなどのアクチュエータを備えるようにしてもよい。
また、上記第1および第3実施形態では、ダンパ部55は、ラック部56aおよび56bの歯部と噛み合いながら回転する歯車部55aを有するとともに、歯車部55aの回転速度を減衰させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、直線状に移動する筒状のオイルダンパを第1部分30a(330a)と第2部分30b(330b)のそれぞれに接続するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、モータ251が、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際に、一の回転方向(v方向)と反対の他の回転方向(u方向)に速度を制限しながら回転することによって、検知部30の移動速度を減衰させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動速度を減衰させるダンパ部を設けることによって、検知部30が付勢部54に付勢されることによってワイヤロープWに近接する方向に移動する際には、モータ251を空転させるように構成してもよい。その場合には、ワンウェイクラッチを設けないようにしてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、検知部30(330)が通常運転位置に配置されていることを検知する機械式スイッチの位置検知部57を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、位置検知部57を機械式スイッチではなく、非接触の光センサによって構成してもよい。また、駆動部をモータとする場合には、位置検知部57を設けずに回転数を制御することによって、所定の回転数動作させた場合に通常運転位置に配置されていると判断するように制御してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、エレベータ103のワイヤロープWを検査する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、クレーンおよびロープウェイなどのエレベータ以外のワイヤロープを検査するように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、全磁束法によるワイヤロープWの磁束の検知を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部30(330)を、ワイヤロープWの外表面からの漏洩磁束を検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、検知部30(330)の2つの検知コイル31aおよび31bが、それぞれ独立した鞍型コイル(サドル型コイル)である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部30(330)を、第1部分30a(330a)と第2部分30b(330b)とを組み合わせることによって、ワイヤロープWの周りに巻回されるように1つのソレノイドコイルを形成するようにしてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、励振コイル21がワイヤロープWに対して検知コイル31aおよび31bの外側を巻回するように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、励磁部20と検知部30(330)とを、ワイヤロープWの延びる方向に沿って並べて配置してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、磁界印加部10および励磁部20が筐体101aに固定されており、検知部30(330)が移動可能に駆動機構50に固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部30(330)のみならず、磁界印加部10または励磁部20を、検査運転時と通常運転時とにおいてワイヤロープWからの距離を変更させるように、移動可能に構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、ワイヤロープ検査装置101(201、301)の検知部30(330)によって取得された検知信号を、通信部43を介して装置外部(処理装置102)に出力する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープ検査装置に報知部または表示部を設けることによって、ワイヤロープ検査装置において、検知部からの信号に基づく検知結果(検査結果)を検査作業者に報知するように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、ワイヤロープWを挟んで互いに対向するように設けられた磁界印加部10aおよび磁界印加部10bが、それぞれN極をワイヤロープW側に向けるように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2つの磁界印加部が、N極とS極とをそれぞれワイヤロープWに向けるように配置されていてもよい。また、2つの磁界印加部は、互いに対向する方向ではなく、ワイヤロープWの延びる方向に沿ってN極とS極とを配置するようにしてもよい。その場合、2つの磁界印加部は同じ向きでもよいし異なる向きでもよい。また、磁界印加部は、ワイヤロープWの延びる方向に沿って平行な向きから、斜めにずれた向きに磁界を印加するように配置されていてもよい。また、1つの磁界印加部を、ワイヤロープWの延びる方向と交わる方向の片側に配置してよい。また、磁界印加部を設けずに、磁界を整えないで磁束を検知するようにしてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、磁界印加部10を永久磁石によって構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部を、電磁石によって構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、検知コイル31aおよび31bを4本のワイヤロープWの各々に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルを、1以上3以下のワイヤロープWの磁束を検知するように構成してもよいし、5以上のワイヤロープの磁束を検知するように構成してもよい。また、複数のワイヤロープWの磁束を1つの検知コイルによって検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、処理装置102に対する入力操作に基づいて、エレベータ103の運転モードが切り替えられることによって、検知部30(330)のワイヤロープWからの距離が変更される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、作業者によってワイヤロープ検査装置に設けられたボタンなどに対する入力操作に基づいて、検知部30(330)のワイヤロープWからの距離が変更されるように構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、検知部330の第1部分330aおよび第2部分330bの各々に、異物Waと当接する傾斜面332aおよび332bが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部330の第1部分330aおよび330bのいずれか一方に傾斜面を設けるように構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、第1実施形態と同様にソレノイド式駆動部の駆動部51により検知部330を移動させるように構成するとともに、検知部330に異物と接触する傾斜面332aおよび332bを設けるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2実施形態のようにモータによって検知部を移動させるように構成するとともに、検知部に傾斜面を設けるように構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、検知部330の第1部分330aおよび第2部分330bは、傾斜面332aおよび332bがワイヤロープWの外表面に付着した異物Waと接触することによってワイヤロープWから離間する方向に移動する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープWの外表面に付着した異物Waのみならず、ワイヤロープWの外表面からの素線の飛び出し、または、キンクなどの異常部分との接触により、第1部分および第2部分をワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成してもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
検査対象であるワイヤロープに対して磁束を印加する励磁部と、
前記励磁部により磁束が印加される前記ワイヤロープの磁束を検知する検知部と、
前記ワイヤロープの検査を行う検査運転時に前記検知部が配置される検査位置まで、前記ワイヤロープに近接する方向に前記検知部を弾性力により付勢する付勢部と、
通常運転時に前記検知部が配置される通常運転位置まで、前記ワイヤロープから離間する方向に前記検知部を移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
(項目2)
前記検知部は、前記ワイヤロープの延びる方向に直交する方向の一方側に配置される第1部分と、他方側に配置される第2部分とを含み、
前記付勢部は、弾性力により前記第1部分および前記第2部分を互いに近づけるように前記検査位置まで付勢するように構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目3)
前記駆動部は、前記第1部分と前記第2部分とを、前記ワイヤロープから等しい距離離間するように移動させるように構成されている、項目2に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目4)
前記第1部分および前記第2部分は、前記付勢部に付勢されることにより互いに当接することによって位置決めされた状態で、前記検査位置に配置されるように構成されている、項目2または3に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目5)
前記検知部は、前記ワイヤロープが前記ワイヤロープの延びる方向に沿って移動している状態において、移動している前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
前記第1部分および前記第2部分は、前記検査位置において前記ワイヤロープを取り囲むように配置され、前記ワイヤロープと対向する面において、前記ワイヤロープの上流側が前記ワイヤロープから離間する方向に広がるように設けられている傾斜面を有する、項目2~4のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目6)
前記通常運転位置に配置された状態の前記検知部を固定する固定部をさらに備える、項目1~5のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目7)
前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、前記検知部の移動速度を減衰させる減衰部をさらに備える、項目1~6のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目8)
前記駆動部は、電流により磁場を発生させることによって前記検知部を前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるソレノイド式駆動部を含み、
前記減衰部は、前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、内部に充填された流体の粘性抵抗によって前記検知部の移動速度を減衰させるダンパ部を含む、項目7に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目9)
歯部を有するとともに直線状に延びるラック部をさらに備え、
前記ダンパ部は、前記ラック部の前記歯部と噛み合いながら回転する歯車部を有するとともに、前記歯車部の回転速度を減衰させるように構成されており、
前記ラック部は、一端が前記検知部に固定されているとともに、他端が前記ダンパ部の前記歯車部と噛み合うように構成されている、項目8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目10)
前記駆動部は、一の回転方向に回転することによって、前記検知部を前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるモータを含み、
前記モータは、速度制御可能に構成されており、前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、前記一の回転方向と反対の他の回転方向に速度を制限しながら回転することによって、前記検知部の移動速度を減衰させる前記減衰部を兼ねる、項目7に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目11)
前記モータの回転軸に接続されているワンウェイクラッチをさらに備え、
前記ワンウェイクラッチは、前記モータが前記検知部に対して前記ワイヤロープから離間する方向に駆動力を加えている場合には、前記モータの回転軸と共に回転し、前記モータが前記検知部に対して前記ワイヤロープに近接する方向に駆動力を加えている場合には、前記モータの回転軸に対して空転するように構成されている、項目10に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目12)
前記検知部が前記通常運転位置に配置されていることを検知する位置検知部をさらに備える、項目1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目13)
前記検知部は、エレベータに設けられている前記ワイヤロープが前記エレベータの駆動によって前記ワイヤロープの延びる方向に沿って移動している状態において、移動している前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
前記付勢部は、前記検知部に対する前記ワイヤロープの移動速度が比較的小さい前記エレベータの検査運転時に前記検知部が配置される前記検査位置まで、前記検知部を付勢するように構成されており、
前記駆動部は、前記検知部に対する前記ワイヤロープの移動速度が比較的大きい前記エレベータの通常運転時に前記検知部が配置される前記通常運転位置まで、前記検知部を移動させるように構成されている、項目1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目14)
前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
前記励磁部は、前記磁界印加部によって予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振する励振コイルを含み、
前記検知部は、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って前記ワイヤロープの周りに巻回され、前記励振コイルによって磁化の状態が励振される前記ワイヤロープの磁束を全磁束法によって検知する検知コイルを含み、
前記付勢部は、前記検査位置まで前記検知コイルを弾性力により付勢するように構成されており、
前記駆動部は、前記通常運転位置まで前記検知コイルを移動させるように構成されている、項目1~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
10、10a、10b 磁界印加部
20 励磁部
21 励振コイル
30、330 検知部
30a、330a 第1部分
30b、330b 第2部分
31a、31b 検知コイル
51 駆動部(ソレノイド式駆動部)
54 付勢部
55 ダンパ部(減衰部)
55a 歯車部
56a、56b ラック部
57 位置検知部
58 固定部
101、201、301 ワイヤロープ検査装置
103 エレベータ
251 モータ(駆動部、減衰部)
251a 回転軸
258 ブレーキ(固定部)
263 ワンウェイクラッチ
332a、332b 傾斜面

Claims (14)

  1. 検査対象であるワイヤロープに対して磁束を印加する励磁部と、
    前記励磁部により磁束が印加される前記ワイヤロープの磁束を検知する検知部と、
    前記ワイヤロープの検査を行う検査運転時に前記検知部が配置される検査位置まで、前記ワイヤロープに近接する方向に前記検知部を弾性力により付勢する付勢部と、
    通常運転時に前記検知部が配置される通常運転位置まで、前記ワイヤロープから離間する方向に前記検知部を移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
  2. 前記検知部は、前記ワイヤロープの延びる方向に直交する方向の一方側に配置される第1部分と、他方側に配置される第2部分とを含み、
    前記付勢部は、弾性力により前記第1部分および前記第2部分を互いに近づけるように前記検査位置まで付勢するように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  3. 前記駆動部は、前記第1部分と前記第2部分とを、前記ワイヤロープから等しい距離離間するように移動させるように構成されている、請求項2に記載のワイヤロープ検査装置。
  4. 前記第1部分および前記第2部分は、前記付勢部に付勢されることにより互いに当接することによって位置決めされた状態で、前記検査位置に配置されるように構成されている、請求項2または3に記載のワイヤロープ検査装置。
  5. 前記検知部は、前記ワイヤロープが前記ワイヤロープの延びる方向に沿って移動している状態において、移動している前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
    前記第1部分および前記第2部分は、前記検査位置において前記ワイヤロープを取り囲むように配置され、前記ワイヤロープと対向する面において、前記ワイヤロープの上流側が前記ワイヤロープから離間する方向に広がるように設けられている傾斜面を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  6. 前記通常運転位置に配置された状態の前記検知部を固定する固定部をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  7. 前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、前記検知部の移動速度を減衰させる減衰部をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  8. 前記駆動部は、電流により磁場を発生させることによって前記検知部を前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるソレノイド式駆動部を含み、
    前記減衰部は、前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、内部に充填された流体の粘性抵抗によって前記検知部の移動速度を減衰させるダンパ部を含む、請求項7に記載のワイヤロープ検査装置。
  9. 歯部を有するとともに直線状に延びるラック部をさらに備え、
    前記ダンパ部は、前記ラック部の前記歯部と噛み合いながら回転する歯車部を有するとともに、前記歯車部の回転速度を減衰させるように構成されており、
    前記ラック部は、一端が前記検知部に固定されているとともに、他端が前記ダンパ部の前記歯車部と噛み合うように構成されている、請求項8に記載のワイヤロープ検査装置。
  10. 前記駆動部は、一の回転方向に回転することによって、前記検知部を前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるモータを含み、
    前記モータは、速度制御可能に構成されており、前記検知部が前記付勢部に付勢されることによって前記ワイヤロープに近接する方向に移動する際に、前記一の回転方向と反対の他の回転方向に速度を制限しながら回転することによって、前記検知部の移動速度を減衰させる前記減衰部を兼ねる、請求項7に記載のワイヤロープ検査装置。
  11. 前記モータの回転軸に接続されているワンウェイクラッチをさらに備え、
    前記ワンウェイクラッチは、前記モータが前記検知部に対して前記ワイヤロープから離間する方向に駆動力を加えている場合には、前記モータの回転軸と共に回転し、前記モータが前記検知部に対して前記ワイヤロープに近接する方向に駆動力を加えている場合には、前記モータの回転軸に対して空転するように構成されている、請求項10に記載のワイヤロープ検査装置。
  12. 前記検知部が前記通常運転位置に配置されていることを検知する位置検知部をさらに備える、請求項1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  13. 前記検知部は、エレベータに設けられている前記ワイヤロープが前記エレベータの駆動によって前記ワイヤロープの延びる方向に沿って移動している状態において、移動している前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
    前記付勢部は、前記検知部に対する前記ワイヤロープの移動速度が比較的小さい前記エレベータの検査運転時に前記検知部が配置される前記検査位置まで、前記検知部を付勢するように構成されており、
    前記駆動部は、前記検知部に対する前記ワイヤロープの移動速度が比較的大きい前記エレベータの通常運転時に前記検知部が配置される前記通常運転位置まで、前記検知部を移動させるように構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  14. 前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
    前記励磁部は、前記磁界印加部によって予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振する励振コイルを含み、
    前記検知部は、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って前記ワイヤロープの周りに巻回され、前記励振コイルによって磁化の状態が励振される前記ワイヤロープの磁束を全磁束法によって検知する検知コイルを含み、
    前記付勢部は、前記検査位置まで前記検知コイルを弾性力により付勢するように構成されており、
    前記駆動部は、前記通常運転位置まで前記検知コイルを移動させるように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
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