JP2013174279A - ブレーキ装置及びブレーキライニング厚み監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が単純で施工が容易な手法によって、迅速且つ正確にライニングの厚みを把握することができるブレーキ装置及びブレーキライニング厚み監視システムを提供する。
【解決手段】ブレーキ装置10は、ブレーキディスク11と、アーマチュア12と、サイドプレート13と、フィールド14とを備える。ブレーキディスク11は、ディスク状の基材15と、その両面に取り付けられたライニング16とで構成されている。また、ブレーキ装置10は、投光部及び受光部を含む投受光器20を備えている。そして、ブレーキ装置10には、投受光器20を制御して自動的にライニング16の厚みを計測すると共に、当該計測情報の表示や発報を行う監視システム50が搭載されている。
【選択図】図4
【解決手段】ブレーキ装置10は、ブレーキディスク11と、アーマチュア12と、サイドプレート13と、フィールド14とを備える。ブレーキディスク11は、ディスク状の基材15と、その両面に取り付けられたライニング16とで構成されている。また、ブレーキ装置10は、投光部及び受光部を含む投受光器20を備えている。そして、ブレーキ装置10には、投受光器20を制御して自動的にライニング16の厚みを計測すると共に、当該計測情報の表示や発報を行う監視システム50が搭載されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、ブレーキ装置及びブレーキライニング厚み監視システムに関し、特にエレベータ、乗客コンベアに好適な装置及びシステムに関する。
エレベータや乗客コンベアには、ブレーキディスク等に取り付けられたライニングと、ディスク型等の非摩耗部材とを接触させて制動力を発現する摩擦式のブレーキ装置が搭載されている。かかるブレーキ装置のライニングは、使用により摩耗して厚みが薄くなるため定期的な交換が必要である。なお、ライニングの摩耗レベルは、保守点検時に確認されるが、ライニングの交換時期を正確に判断するためには、例えば、点検頻度を高める、或いはブレーキ装置を分解して確認するといった負荷の大きな作業が必要であった。
このような状況に鑑みて、簡便且つ正確にライニングの摩耗レベルを確認することを目的とした装置が幾つか提案されている。例えば、特許文献1では、ライニングの押圧面から所定の深さに埋め込まれた光ケーブルを有する装置が開示されている。この装置では、投光器から当該光ケーブルを通して受光器に伝送されていた光が、ライニングの摩耗が進行して光ケーブルが摩滅することで受光器に到達しなくなる。これにより、ライニングの摩耗レベルが判定される仕組みである。
特許文献1に開示された装置によれば、ライニング厚みの点検作業の負荷を改善することが可能である。しかし、この装置は、施工が難しく適用形態が制限される。また、光ケーブルが摩滅するまでライニングの摩耗レベルが分からないため、点検精度の面でも改良の余地がある。
本発明に係るブレーキ装置は、基材に取り付けられたライニングと、前記ライニングと接触可能に配置された非摩耗部材とを備え、前記ライニングと前記非摩耗部材の摩擦面とを接触させることで制動力を発現するブレーキ装置において、前記摩擦面又はその同一平面に対してレーザー光を照射する投光部と、前記摩擦面又はその同一平面で反射した前記レーザー光を受光する受光部と、前記ライニングと前記摩擦面とが接触した状態で前記投光部から出力された前記レーザー光が前記受光部に到達するまでの時間を計測する手段とを備え、前記投光部及び前記受光部は、前記非摩耗部材に対して、前記ライニングが摩耗して厚みが薄くなるほど前記時間が短くなるように配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、ライニングと非摩耗部材の摩擦面とが接触した状態で、投光部から出力されたレーザー光が受光部に到達するまでの時間を計測することにより、ライニングの厚みを簡単に把握することができる。つまり、投光部及び受光部は、非摩耗部材に対して、ライニングの厚みが薄くなるほど当該時間が短くなるように配置されているため、当該時間を計測することによりライニングの摩耗レベルが低い場合であっても厚みを把握することができる。
また、本発明に係るブレーキ装置は、ディスク状の前記基材の両面に前記ライニングが取り付けられたブレーキディスクと、前記ブレーキディスクを両側から挟むように配置された前記非摩耗部材であるアーマチュア及びサイドプレートとを備え、前記サイドプレートには、厚み方向に貫通した貫通孔が形成され、前記投光部は、前記サイドプレートの外側に配置されると共に、前記貫通孔を通して前記アーマチュアの前記摩擦面と同一平面に対して略垂直に前記レーザー光を照射する構成とすることができる。
或いは、本発明に係るブレーキ装置は、前記基材に前記ライニングが取り付けられたブレーキシューと、前記ライニングと接触可能に配置されたドラム型の前記非摩耗部材とを備え、前記ブレーキシュー及び前記ライニングには、厚み方向に貫通した貫通孔が形成され、前記投光部は、前記ブレーキシューに取り付けられると共に、前記貫通孔を通して前記前記非摩耗部材の前記摩擦面に対して略垂直に前記レーザー光を照射する構成とすることができる。
本発明に係るブレーキライニング厚み監視システムは、前記ブレーキ装置に搭載され、表示装置と、計測された前記時間から前記ライニングの厚みを演算して、当該厚みを前記表示装置に表示させる制御装置とを備える。当該構成によれば、表示装置によりライニングの厚みを確認することができる。これにより、点検作業の負荷が大幅に軽減される。
或いは、本発明に係るブレーキライニング厚み監視システムは、前記ブレーキ装置に搭載され、遠隔監視装置と、計測された前記時間が予め定めた所定時間以下となったとき、又は計測された前記時間から前記ライニングの厚みを演算して当該厚みが予め定めた所定厚み以下となったときに、前記遠隔監視装置に当該情報を発報する制御装置とを備える。当該構成によれば、例えば、ライニングの摩耗が進行して交換が必要なレベルに達した場合に、かかる情報を遠隔監視装置に発報することができる。これにより、ライニングの交換を直ちに行う等、迅速な対応が可能となる。
本発明によれば、構造が単純で施工が容易な手法によって、迅速且つ正確にライニングの厚みを把握することができる。したがって、ライニング厚みの点検作業の負荷を大幅に軽減することが可能となる。また、本発明の構成は、例えば、既存のブレーキ装置にも簡単に組み込むことが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態の一例であるブレーキ装置10,30、及びブレーキライニング厚み監視システム50(以下、「監視システム50」とする)について詳細に説明する。
なお、実施形態では、エレベータの巻上げ機に適用されるブレーキ装置を例示するが、本発明に係るブレーキ装置は、例えば、エスカレータや所謂動く歩道等の乗客コンベア用のブレーキ装置としても好適である。
まず、図1〜図3を参照しながら、ブレーキ装置10及び監視システム50の構成について詳説する。図1は、ブレーキ装置10及びそれが搭載された巻上げ機100を示し、図2及び図3は、ブレーキ装置10の詳細を示す。また、図3では、監視システム50の概略構成を示す。
図1に示すように、ブレーキ装置10は、エレベータの巻上げ機100に搭載されたディスク式ブレーキ装置である。巻上げ機100は、ブレーキ装置10の他に、主ロープが巻き掛けられるシーブ101、シーブ101を回転させるモータ102、及び図示しない減速機等を備える。図1に例示する形態では、モータ102の回転軸103にブレーキ装置10のブレーキディスク11等が設置されている。
図1〜図3に示すように、ブレーキ装置10は、ブレーキディスク11と、アーマチュア12と、サイドプレート13と、フィールド14とを備える。ブレーキディスク11は、ディスク状の基材15と、その両面に取り付けられたライニング16とで構成されている。ライニング16は、使用により摩耗して厚みが薄くなるため定期的な交換が必要である。アーマチュア12及びサイドプレート13は、ライニング16と接触可能に配置された非摩耗部材であって、ブレーキディスク11を両側から挟むように配置されている。
ブレーキ装置10では、アーマチュア12及びサイドプレート13が、それぞれ別のライニング16に接触する。即ち、各ライニング16は、別の非摩耗部材に押し付けられるが、通常、摩耗は同様に進行する。なお、アーマチュア12及びサイドプレート13において、ブレーキディスク11側に向いた面を「内面12x,13x」とし、内面12x,13xと反対側の面を「外面12y,13y」とする。そして、内面12x,13xには、ライニング16と接触する部分である摩擦面12z,13zが存在する。
ここで、ブレーキ装置10の動作を説明しながら各構成要素について詳説する。
ブレーキディスク11は、ディスク状の基材15の中心部に形成された貫通孔を有し、当該貫通孔に回転軸103が挿入されている。そして、基材15の貫通孔の内周、及び回転軸103の外周には、それぞれが嵌合するスプラインが設けられている。これにより、ブレーキディスク11は、回転軸103と同期して回転し、且つ回転軸103の軸方向には可動となっている。ライニング16は、上記のように、基材15の両面に取り付けられており、ブレーキ作動時に内面12x,13xに接触する。
アーマチュア12は、ブレーキディスク11のモータ102側に配置されている。アーマチュア12は、ブレーキディスク11と同様に中心部に回転軸103を通す貫通孔を有するが、回転軸103とは接触しておらず軸方向に可動である。なお、アーマチュア12は磁性体からなる。
サイドプレート13は、ブレーキディスク11に対してアーマチュア12と反対側に配置された固定プレートである。サイドプレート13は、例えば、巻上げ機本体に固定されており、回転軸103の回転方向及び軸方向のいずれにも動かない。なお、サイドプレート13は、アーマチュア12と同様に中心部に回転軸103を通す貫通孔を有する。
フィールド14は、アーマチュア12の外面13y側に配置された電磁マグネットであり、アーマチュア12と同様に中心部を回転軸103が非接触で貫通している。フィールド14は、電磁コイル17及びバネ18を有しており、電磁コイル17が励磁されたときにアーマチュア12を吸着する。このとき、ブレーキディスク11の各ライニング16は、アーマチュア12及びサイドプレート13の摩擦面12z,13zと接触しておらず、ブレーキディスク11及び回転軸103は回転可能な状態である。即ち、ブレーキ開放状態である。一方、電磁コイル17が電力を断たれて磁力を持たないときは、バネ18がアーマチュア12をフィールド14から押し離し、アーマチュア12及びブレーキディスク11をサイドプレート13側に移動させる。これにより、ブレーキディスク11の各ライニング16は、摩擦面12z,13zに接触して、ブレーキディスク11及び回転軸103の回転が止められたブレーキ作動状態となる。
ブレーキディスク11は、ディスク状の基材15の中心部に形成された貫通孔を有し、当該貫通孔に回転軸103が挿入されている。そして、基材15の貫通孔の内周、及び回転軸103の外周には、それぞれが嵌合するスプラインが設けられている。これにより、ブレーキディスク11は、回転軸103と同期して回転し、且つ回転軸103の軸方向には可動となっている。ライニング16は、上記のように、基材15の両面に取り付けられており、ブレーキ作動時に内面12x,13xに接触する。
アーマチュア12は、ブレーキディスク11のモータ102側に配置されている。アーマチュア12は、ブレーキディスク11と同様に中心部に回転軸103を通す貫通孔を有するが、回転軸103とは接触しておらず軸方向に可動である。なお、アーマチュア12は磁性体からなる。
サイドプレート13は、ブレーキディスク11に対してアーマチュア12と反対側に配置された固定プレートである。サイドプレート13は、例えば、巻上げ機本体に固定されており、回転軸103の回転方向及び軸方向のいずれにも動かない。なお、サイドプレート13は、アーマチュア12と同様に中心部に回転軸103を通す貫通孔を有する。
フィールド14は、アーマチュア12の外面13y側に配置された電磁マグネットであり、アーマチュア12と同様に中心部を回転軸103が非接触で貫通している。フィールド14は、電磁コイル17及びバネ18を有しており、電磁コイル17が励磁されたときにアーマチュア12を吸着する。このとき、ブレーキディスク11の各ライニング16は、アーマチュア12及びサイドプレート13の摩擦面12z,13zと接触しておらず、ブレーキディスク11及び回転軸103は回転可能な状態である。即ち、ブレーキ開放状態である。一方、電磁コイル17が電力を断たれて磁力を持たないときは、バネ18がアーマチュア12をフィールド14から押し離し、アーマチュア12及びブレーキディスク11をサイドプレート13側に移動させる。これにより、ブレーキディスク11の各ライニング16は、摩擦面12z,13zに接触して、ブレーキディスク11及び回転軸103の回転が止められたブレーキ作動状態となる。
ブレーキ装置10は、ライニング16の厚みを計測する機能を有している。かかる機能を実現するために、ブレーキ装置10は、投光部及び受光部を含む投受光器20を備えている。そして、ブレーキ装置10には、投受光器20を制御して自動的にライニング16の厚みを計測すると共に、当該計測情報の表示や発報を行う監視システム50が搭載されている。
投受光器20は、アーマチュア12の内面12xに対してレーザー光αを照射する投光部と、内面12xで反射したレーザー光αを受光する受光部とを有する装置である。投光部及び受光部は、別々の装置としてもよいが、施工性等の観点から一体化された装置が好適である。また、投受光器20は、投光部から出力されたレーザー光αが受光部に到達するまでの時間(以下、「到達時間」という)を計測する機能を有する。なお、到達時間の計測は、ブレーキ作動状態、即ちブレーキディスク11の各ライニング16と各摩擦面12z,13zとが接触した状態で行う必要がある。投受光器20は、ブレーキ作動時にレーザー光αを出力して自動的に到達時間を計測する機能を有するものとしてもよいが、本実施形態では、監視システム50の制御装置53により投受光器20の動作を制御する。
投受光器20としては、従来公知の装置を使用することができる。投受光器20は、例えば、投光部に設けられるレーザー素子や受光部に設けられるフォトダイオード等を有する、所謂レーザー距離計を使用することができる。レーザー光αには、通常、赤外線レーザー光が用いられる。なお、投受光器20に後述の表示装置51が設けられていてもよいが、本実施形態では、制御装置53に設けられている。
投受光器20は、内面13xに対してレーザー光αを照射可能な位置に設けられる。そして、投受光器20は、ライニング16が摩耗して厚みが薄くなるほど到達時間が短くなるように配置されている。本実施形態では、サイドプレート13の外側において、投光部、受光部がアーマチュア12側を向くように配置されている。投受光器20は、例えば、巻上げ機本体やサイドプレート13の外面13yに設置することができる。
投受光器20は、貫通孔19を通してレーザー光αを照射する。貫通孔19は、サイドプレート13をディスクの厚み方向に貫通して形成されている。投受光器20は、貫通孔19にレーザー光αを案内するための光ファイバー21を有し、内面12xに対して略垂直にレーザー光αを照射する。光ファイバー21としては、例えば、投光用及び受光用の2つが設けられる。なお、貫通孔19の近傍に投受光器20を設置した場合など、光ファイバー21がなくてもレーザー光αを貫通孔19に通すことができる場合には光ファイバー21を使用しなくてもよい。
監視システム50は、表示装置51と、遠隔監視装置52と、投受光器20等を制御する制御装置53とを備える。制御装置53は、例えば、本エレベータの動作を統合的に制御する制御装置(制御盤)の一部に組み込むことができる。制御装置53は、有線又は無線で投受光器20に接続されており、ブレーキ作動時に投受光器20を動作させて到達時間を計測させる。計測の間隔は、1日、1週間、又は1カ月など、使用頻度等に応じて任意に設定することができる。なお、表示装置51は、例えば、制御装置53に設置されるモニターである。遠隔監視装置52としては、本エレベータが設置されているビルの管理室やエレベータ等のビル設備を集中して管理する情報センター等に設置されるコンピュータが例示できる。
制御装置53は、例えば、投受光器20から到達時間を取得してライニング16の厚みを演算する。かかる厚みの演算は、詳しくは後述するように、到達時間に基づいて容易に実行することができる。そして、制御装置53は、演算した厚みを表示装置51に表示させる。これにより、点検者は、表示装置51を見るだけでライニング16の厚みを確認することができる。
また、制御装置53は、例えば、計測された到達時間が予め定めた所定時間以下となったとき、又は到達時間から演算したライニング16の厚みが予め定めた所定厚み以下となったときに、遠隔監視装置52に当該情報を発報する。具体的には、当該所定厚みをライニング16の交換が必要な厚みに設定しておき、演算した厚みがこれ以下になった場合に、ライニング16の交換を促す警告情報を遠隔監視装置52に発報することができる。また、制御装置53は、当該所定厚みを複数設定しておき、摩耗レベルに応じた処理を実行してもよい。例えば、摩耗レベルが低い場合には、表示装置51の表示や図示しない記憶装置へのデータ保存のみを実行し、摩耗レベルが高い場合には、表示装置51の表示と共に遠隔監視装置52への発報を実行する。
次に、図4を参照しながら、上記構成を備えたブレーキ装置10におけるライニング16の厚みの計測方法について説明する。図4では、ライニング16の厚みが十分にある初期状態(a)と、ライニング16が摩耗して厚みが薄くなった状態(b)とを示す。なお、説明の便宜上、アーマチュア12に接触するライニング16を「ライニング16a」とし、サイドプレート13に接触するライニング16を「ライニング16b」とする。
図4に示すように、ブレーキ装置10では、ブレーキ作動時において、ブレーキディスク11がアーマチュア12とサイドプレート13とに挟まれ、ライニング16aとアーマチュア12の摩擦面12zとが接触し、ライニング16bとサイドプレート13の摩擦面13zとが接触する。このとき、摩擦面12z(内面12x)と摩擦面13z(内面13x)との間隔Laは、ブレーキディスク11の厚みと等しくなる。ブレーキディスク11の厚みは、基材15の厚みとライニング16a,16bの厚みを足したものである。なお、基材15の厚みは変化しないが、ライニング16a,16bは摩擦面12z,13zとの摩擦により摩耗して厚みが減少する。つまり、図4に示す間隔LaからLbへの変化は、ライニング16a,16bの摩耗による厚みの減少を表している。
上記のように、投受光器20は、サイドプレート13の外側に配置され、アーマチュア12の内面13xに対して略垂直にレーザー光αを照射して到達時間を計測している。ライニング16a,16bの厚みが減少して内面12xと内面13xとの間隔がLbになった場合、間隔Laの場合よりもアーマチュア12が投受光器20に近づき、内面12xと投受光器20との距離が短くなる。そして、距離が短くなったことにより計測される到達時間も短くなる。したがって、間隔Laの場合の到達時間Taと、間隔Lbの場合の到達時間Tbとを比較することで、図4(b)に示す状態のライニング16a,16bの厚みを演算することができる。
以上のように、ブレーキ装置10及び監視システム50によれば、構造が単純で施工が容易な手法によって、迅速且つ正確にライニング16の厚みを把握することができる。したがって、ライニング16の厚みの点検作業の負荷を大幅に軽減することが可能となる。
次に、図5〜図7を参照しながら、ブレーキ装置30について詳説する。図5は、ブレーキ装置30の要部を示し、図6は、ブレーキシュー32のみを抜き出して示す。図7は、図6のAA線断面の一部を示す図であって、ブレーキ装置30におけるライニング34の厚みの計測方法を説明するための図である。なお、以下では、ブレーキ装置10と同様の構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、ブレーキ装置30は、回転軸103に固定されて共に回転するドラム31と、2つのブレーキシュー32とを備える。ドラム31は、ドラム型の非摩耗部材である。ブレーキシュー32は、基材33に取り付けられたライニング34を有し、ブレーキ作動時にドラム31に押し付けられる制輪子である。ブレーキ装置30では、ライニング34と、ドラム31の表面のライニング34と接触する摩擦面31zとの間に働く摩擦力によって制動力を発現する。
ブレーキ装置30では、ドラム31を径方向両側から挟むように、径方向に移動可能に支持された一対のブレーキアーム35が設けられている。そして、各ブレーキアーム35にブレーキシュー32が取り付けられている。各ブレーキアーム35は、ブレーキ作動時において、図示しない電磁コイルやプランジャ等の動作によりブレーキシュー32をドラム31に押し付けるように動く。
図6に示すように、ブレーキシュー32の基材33は、ドラム31の曲面形状に適合する湾曲した形状を有する。本実施形態では、湾曲した板状部と、板状部の背面の両縁に三日月形状の補強部とを有している。また、ライニング34は、複数(例えば、8つ)のビス孔36に挿入されるビス37によって基材33に取り付けられている。さらに、基材33及びライニング34には、厚み方向に貫通した貫通孔38が形成されている。
図7に示すように、投受光器20は、ブレーキシュー32に取り付けられている。投受光器20は、例えば、基材33の背面に接着剤39を用いて固定することができる。より詳しくは、貫通孔38を通してドラム31の摩擦面31xにレーザー光αを照射可能とすべく、投受光器20の投光部、受光部を貫通孔38に向けて取り付けられる。
なお、ブレーキ装置30では、非摩耗部材であるドラム31の摩擦面31xで反射されるレーザー光αの到達時間を計測することにより、ライニング34の厚みを求めることができる。つまり、ブレーキ装置30の場合もブレーキ装置10と同様に、ライニング34の厚みが摩耗して薄くなると摩擦面31xと投受光器20との距離が短くなって計測される到達時間も短くなる。
上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更することができる。
例えば、ブレーキ装置10では、基材15にライニング16が取り付けられるものとして説明したが、アーマチュア12及びサイドプレート13にライニング16が取り付けられていてもよい。この場合も、投受光器20等の配置は、ブレーキ装置10と同様の物を適用できる。また、遠隔監視装置52を用いて投受光器20を作動させ、ライニング16の厚みを計測できる構成としてもよい。
例えば、ブレーキ装置10では、基材15にライニング16が取り付けられるものとして説明したが、アーマチュア12及びサイドプレート13にライニング16が取り付けられていてもよい。この場合も、投受光器20等の配置は、ブレーキ装置10と同様の物を適用できる。また、遠隔監視装置52を用いて投受光器20を作動させ、ライニング16の厚みを計測できる構成としてもよい。
10,30 ブレーキ装置、11 ブレーキディスク、12 アーマチュア、13 サイドプレート、14 フィールド、15,33 基材、16,34 ライニング、17 電磁コイル、18 バネ、19,38 貫通孔、20 投受光器、21 光ファイバー、31 ドラム、32 ブレーキシュー、35 ブレーキアーム、36 ビス孔、37 ビス、39 接着剤、50 ブレーキライニング厚み監視システム、51 表示装置、52 遠隔監視装置、53 制御装置、100 巻上げ機、101 シーブ、102 モータ、103 回転軸。
Claims (5)
- 基材に取り付けられたライニングと、
前記ライニングと接触可能に配置された非摩耗部材と、
を備え、前記ライニングと前記非摩耗部材の摩擦面とを接触させることで制動力を発現するブレーキ装置において、
前記摩擦面又はその同一平面に対してレーザー光を照射する投光部と、
前記摩擦面又はその同一平面で反射した前記レーザー光を受光する受光部と、
前記ライニングと前記摩擦面とが接触した状態で前記投光部から出力された前記レーザー光が前記受光部に到達するまでの時間を計測する手段と、
を備え、前記投光部及び前記受光部は、前記非摩耗部材に対して、前記ライニングが摩耗して厚みが薄くなるほど前記時間が短くなるように配置されていることを特徴とするブレーキ装置。 - ディスク状の前記基材の両面に前記ライニングが取り付けられたブレーキディスクと、前記ブレーキディスクを両側から挟むように配置された前記非摩耗部材であるアーマチュア及びサイドプレートとを備え、
前記サイドプレートには、厚み方向に貫通した貫通孔が形成され、
前記投光部は、前記サイドプレートの外側に配置されると共に、前記貫通孔を通して前記アーマチュアの前記摩擦面と同一平面に対して略垂直に前記レーザー光を照射する請求項1に記載のブレーキ装置。 - 前記基材に前記ライニングが取り付けられたブレーキシューと、前記ライニングと接触可能に配置されたドラム型の前記非摩耗部材とを備え、
前記基材及び前記ライニングには、厚み方向に貫通した貫通孔が形成され、
前記投光部は、前記ブレーキシューに取り付けられると共に、前記貫通孔を通して前記前記非摩耗部材の前記摩擦面に対して略垂直に前記レーザー光を照射する請求項1に記載のブレーキ装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ装置に搭載されたブレーキライニング厚み監視システムであって、
表示装置と、
計測された前記時間から前記ライニングの厚みを演算して、当該厚みを前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えることを特徴とするブレーキライニング厚み監視システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ装置に搭載されたブレーキライニング厚み監視システムであって、
遠隔監視装置と、
計測された前記時間が予め定めた所定時間以下となったとき、又は計測された前記時間から前記ライニングの厚みを演算して当該厚みが予め定めた所定厚み以下となったときに、前記遠隔監視装置に当該情報を発報する制御装置と、
を備えることを特徴とするブレーキライニング厚み監視システム。
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