JP2018518933A - ブラシホルダおよび振動の監視 - Google Patents

Abstract

移動導電表面を有する発電機で使用する為のブラシホルダ組立体は、ブラシボックスなどのブラシホルダを備え、発電機上の取り付け要素に取り外し可能に取り付けられる。カーボンブラシは、ブラシホルダと共に摺動可能に配置され、且つ、移動導電表面に接触して摺動するように付勢されている。ブラシホルダ組立体は、ブラシホルダが取り付け要素から取り外すことができる非ロック姿勢と、ブラシホルダが取り付け要素に対して固定されたロック姿勢との間で移動することができる。回路基板は、ハンドル内に配置され、カーボンブラシの異常状態と閾値条件の少なくとも一方の発生を表示する検出器を含む。

Description

本発明は、発電機などの電子機器における１つ以上の構成要素を監視する為の監視システムに関する。より詳細には、監視装置、組立体、システム、および発動電動機械におけるブラシホルダ組立体のブラシの状態を監視する電子機器の１個以上の構成要素を監視する方法に関する。

電子機器におけるブラシの目的は、静止接触表面及び移動接触表面のいずれか一方から他方まで電流を伝送することである。ブラシおよびブラシホルダは、発電機、電動機、およびスリップリング（ｓｌｉｐ ｒｉｎｇ）組立体のうちの少なくとも１つ、または回転するクレーンやモノレール上の線形性滑り接触（ｌｉｎｅａｒ ｓｌｉｄｉｎｇ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）などの回転する機械のスリップリング組立体といった摺動接触用途等の電子機器で使用される。多くの電子機器において、ブラシは、導電材料、例えば、グラファイト、カーボングラファイト、電気グラファイト、金属グラファイトなどで形成されたブロックまたはその他の構造体であり、導電表面と接触して電流を伝送するのに適する。

いくつかの設計では、動作中に電子機器の移動接触表面にブラシを接触した状態に支持する目的で、ブラシボックス型のブラシホルダ、またはその他の種類のブラシホルダが使用される。ブラシ及びブラシボックスは、ブラシがブラシボックス内で摺動して、ブラシとブラシが接触する移動接触表面との間で接触し続けることができるように設計される。動作中に異常状態および閾値条件のいずれか一方が生じた場合には、電子機器の１個以上の構成要素に交換が必要であること、電子機器の１個以上の構成要素に検査または確認が必要であること、およびメンテナンスの実施が必要とされていることのうちのいずれか１つであることを示す。例えば、異常状態および閾値条件のうちの少なくとも一方は、ブラシ、ブラシホルダ、バネ、シャント、整流子、集電リング（ｃｏｌｌｅｃｔｏｒ ｒｉｎｇ）およびその他の構成要素に交換が必要とされていること、ブラシの１個以上、ブラシホルダ、バネ、シャント、整流子、集電リングおよび他の構成要素のうちの少なくともいずれか１つに検査が必要とされていること、およびメンテナンスを実施することが必要とされていることの少なくともいずれか１つを示す。異常状態および閾値条件の発生を監視する為に、電子機器の１個以上の構成要素を監視することが好ましい。加えて、異常状態および閾値条件の発生について装置使用者や技術者に知らせたり、技術者の介入を予定したりすることが好ましい。

いくつかの実施形態は、装置、組立体、システム及び電子機器の１つ以上の構成要素の監視やブラシホルダ組立体の異常状態や閾値条件の検出の為の方法のうちの少なくともいずれか１つに関する。

１の例示の実施形態は、移動導電性表面を備える発電機で使用する為のブラシホルダ組立体に関する。ブラシホルダ組立体は、発電機の取り付け要素に取り外し可能に取り付けられるように構成されたブラシホルダを備える。カーボンブラシは、ブラシホルダ内に摺動可能に配置され、且つ、移動導電表面と滑り接触する状態で配置される。ブラシホルダ組立体は、ブラシホルダが取り付け要素に対して移動可能な非ロック姿勢と、ブラシホルダが取り付け要素に対して固定されたロック姿勢との間で移動させることができるハンドルを備える。検出器は、ブラシホルダ組立体の異常状態、または閾値条件を検出するように構成されたハンドル内に配置される。いくつかの例では、検出器は、ハンドル内に配置された回路基板に含められる場合もある。

別の例示の実施形態は、複数個のブラシホルダ組立体の各々の異常状態または閾値条件を検出する為のシステムである。当該システムは、複数個のブラシホルダ組立体と複数個のブラシホルダ組立体の各々に無線にて接続される中央監視基地とを備える。各ブラシホルダ組立体は、発電機上の取り付け要素に対して取り外し可能に取り付けられたブラシホルダと当該ブラシホルダと共に摺動可能に配置されたカーボンブラシとを備える。ハンドルは、ブラシホルダに連結され、ハンドル内には回路基板が配置され、回路基板は、ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件を検出するように構成された検出器を備える。各ブラシホルダ組立体は、検出器に対して操作可能に接続された無線通信モジュールを備える。システムは、複数個のブラシホルダ組立体の各々の内部にある各無線通信モジュールに対して無線接続される中央監視システムを備える。

複数個のブラシホルダ組立体の各々の異常状態または閾値条件を検出する為の例示の方法は、ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件の発生を検出するように構成された検出器を含む回路基板を備える複数個のブラシホルダ組立体の各々を提供することを含む。当該方法は、複数個の各ブラシホルダ組立体から、未来時における複数個のブラシホルダ組立体の特定の１つに係るブラシまたはその他の構成要素の異常状態または閾値条件を予測を示す信号を受信することを含む。ブラシの１つがブラシの交換を示す表示を有する場合には、警告が送られる。

いくつかの例示の実施形態に関する上記の概要は、開示された実施形態の各々または本願発明の全ての実施態様を示すことを意図したものではない。本発明は、以下の添付の図面と共に様々な実施形態に関する下記の詳細な説明を考慮することによってより完全に理解し得る、

ブラシ監視システムの例を示す略体図。 ブラシホルダ組立体の例を示す略体図。 移動導電性表面に対してロック姿勢にあるブラシホルダ組立体の例を示す側面図。 非ロック姿勢にある図３のブラシホルダ組立体の例を示す側面図。 図４のブラシホルダにおいてハンドルの内部構成要素を示すために一部を透視して示した斜視図。 図４のブラシホルダにおいてハンドルの内部構成要素を示すために一部を透視して示した斜視図。 図３のブラシホルダ組立体において検出器の可能な配置の例を示す斜視図。 図３のブラシホルダ組立体において検出器の可能な配置の例を示す斜視図。 図３のブラシホルダ組立体においてカーボンブラシの上表面の例を示す斜視図。

本願発明は、様々な変更形態および変化形態が可能であるが、それらのもののうちの特別なものが例示することを目的として、図面に示され、且つ、以下に詳細に説明されている。しかしながら、この意図は、本願発明の態様を記載した特定の実施形態に限定することではない。むしろ、その目的は、本願発明が、発明の主旨および範囲に入る全ての変更形態、均等形態、および変化形態を包含させることにある。

以下に定義される用語に関して、これらの定義は、請求項および本明細書のいずれかにおいて別段に異なる定義が与えられない限り適用されるものとする。
全ての数値は、ここでは、明示の記載の有無に関わらず、「約」という用語によって修飾されると想定されている。「約」という用語は、一般的には、当業者が、記載された数値に均等であると考える範囲、つまり同じ機能や結果が得られる、数値範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数字を示す。

終点で数値範囲を記載する場合は、その範囲の全ての数値が含まれる（例えば、１から５には、１，１．５，２，２．７５，３，３．８０，４、および５が含まれる）。
単数形の「ａ」、「ａｎ」、「ｔｈｅ」には、別段に明示の記載がない限り、複数の指示対象も含まれる。本明細書及び添付の請求項で使用されているように、「または」は、別段に明示の記載がない限り、一般的に「および／または」を含む意味で使用される。

以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれたい。異なる図面内の類似の要素には、同じ番号が付されている。詳細な説明と必ずしも縮尺通りでない図面とは、実施形態を例示するものであって、本願発明の範囲を限定することを意図していない。例示の実施形態は、単なる例である。例示の実施形態の選択された特徴は、逆のことが明示的に記載されていない限り、追加の実施形態にも組み込むことができる。

図１は、電子機器の構成要素を監視することおよびブラシホルダ組立体のブラシの状態を監視することのうちの少なくとも一方の為の例示のシステムを示す。図１で概略的に示すように、監視システム１０は、ローカル監視要素１２と遠隔監視サイト１４とを備える。１個のローカル要素１２が示されているが、いくつかの例では、複数個のローカル要素１２が通信して、ブラシの状態やブラシホルダ組立体の１個以上のその他の構成要素の状態を遠隔監視サイト１４に送信する場合もある。ローカル要素１２は、１個の発電機を表す場合、または異なる複数台の発電機を有する１台の装置を表す場合があるが、サイトモニタ（ｓｉｔｅ ｍｏｎｉｔｏｒ）１６と複数個のブラシホルダ組立体１８とを含む。図には、合計３個のブラシホルダ組立体１８が概略的に示されているが、これは単に簡略化して表示するためであると理解されたい。いくつかの例では、１個の発電機が、整流子などの移動導電表面の周囲に配置された１２個，２４個，３６個，４８個またはそれ以上の個数のブラシホルダ組立体１８を備える場合もある。

確認できるように、各ブラシホルダ組立体１８は、サイトモニタ１６と無線通信するように構成される。ＷｉＦｉ（登録商標）、ＲＦＩＤ，Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）など、好適な無線通信プロトコルも使用可能であるが、これらに限定されない。または、各ブラシホルダ組立体１８とサイトモニタ１６との間の通信は、有線通信であってもよい。各ブラシホルダ組立体１８は、ブラシホルダ組立体１８の態様又は特徴を監視するように構成される。例えば、いくつかの場合には、各ブラシホルダ組立体１８、または少なくとも複数個のブラシホルダ組立体１８の一部は、ブラシホルダ組立体に連結されている（内部に配置されているなど）ブラシの異常状態または閾値条件を監視するように構成される。各ブラシホルダ組立体１８は、異常な状態または閾値条件が検出されたか否かについてサイトモニタ１６に対して情報を定期的に伝送する。各ブラシホルダ組立体１８は、予め設定された時間フレームまたは装置使用者によって選択可能な時間フレームにしたがって伝送する場合もある。例えば、定期的な伝送は、１時間に１回、または１日に１回などの間隔で定期にされる。各ブラシホルダ組立体１８は、最後に情報が伝送されてから、情報が変化した場合にのみ情報を伝送する場合もある。これにより、ブラシホルダ組立体１８の電力消費を低減することが可能である。

上述したように、ローカル要素１２は、１台の発電機または数台の発電機からなるグループである場合がある。各発電機は、検出されたどのような異常状態または閾値条件をも含むブラシの状態に関する情報をサイトモニタ１６に報告する。その後、サイトモニタ１６は、ブラシの状態等のブラシホルダ組立体１８の１つ以上の構成要素の状態に関する情報や、所望される場合にはその他の情報も併せて、遠隔監視サイト１４に送る。いくつかの場合には、複数台の各発電機がローカル要素１２を表し、建物内に配置されている場合もある。各ローカル要素１２は、それぞれ独自のサイトモニタ１６を備え、情報を、建物用の監視システムである遠隔監視サイト１４に伝送する。ローカル要素１２は、建物内の複数台の発電機を表し、遠隔監視サイト１４は、複数の異なる建物から情報を受信する場合もある。遠隔監視サイト１４は、特定の地理的地域内にある多数のローカル要素１２から監視情報を受信する場合もある。

本願で開示されるように、監視システム１０は、ブラシホルダ組立体内の１個または複数個のブラシの状態および発電機施設の１つ以上の構成要素の状態のうちの少なくとも一方を監視することができる。いくつかの実施形態では、監視システム１０は、遠隔的および無線の少なくとも一方で、１個のブラシ、複数個のブラシおよびその他の構成要素の少なくともいずれかの１つの状態を一定期間に亘って監視して、問題や状態の発生を検出して未来時における１個のブラシ、複数個のブラシおよびその他の構成要素のうちの少なくともいずれか１つの異常状態または閾値条件を予測することができる。中央制御センタなどの処理または制御センタは、複数の施設の各々において、ブラシの性能（ブラシウェアなど）などを監視する為に、複数の施設からデータを受信する場合もある。制御センタは、１つ以上の電気施設から離間して（例えば、異なる建物、施設、市、郡、州、国などに）設置される場合もある。

中央センタに配置される処理ユニットは、ソフトウェアプログラムおよびモニタの少なくとも一方を用いて、複数の施設において動作中のブラシやその他の構成要素の性能、例えば、動作中の各ブラシの現在の状態やブラシの異常状態または閾値条件などを分析して監視する。ソフトウェアプログラムまたはモニタは、遠隔の電気設備の１つにおいて、ブラシが十分に使い古され、交換の必要があること、遠隔の電気設備の１つにおいてブラシが損傷していること、故障が生じたことまたは故障が今にも起こりそうであること、もしくは、メンテナンスの実施が必要とされていることなどを装置運転者や技術者などの人員に知らせる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアプログラムまたは制御センタの技術者は、遠隔の電気設備の１つにおいてメンテナンスを予定すること、遠隔の電気設備にメンテナンスを実施するために人員を送ること、遠隔の電気設備の１つで交換ブラシまたはその他の部品の配送または搬送を手配しおよびその予定を立てること、遠隔の電気設備の１つなどの特定の場所にメンテナンスのための人員や製品を搬送する予定を立てること、遠隔の電気設備の１つ又は別の場所において実施されるその他の通知やスケジューリング業務を調整することなどをする。このように、監視システム１０は、特定された問題または事項について人的介入が必要であると判断されるまで、各遠隔地において、監視する人員の必要を低減させる為に、人的な直接観察がある複数の遠隔地または人的な直接観察のない複数の遠隔地においてブラシの状態やその他の構成要素の状態を連続的に監視することが可能である。

図２には、ブラシホルダ組立体１８の特徴が概略的に示されている。ブラシホルダ組立体１８は、図２には示されていない多数の機械的な部品および要素が含まれている。ブラシホルダ組立体１８は、以降の図面で説明されるブラシホルダ組立体１８のハンドル内に、または所望される場合には別の場所または別の構成要素内に、物理的に配置される回路基板２０を有する。回路基板２０は、ブラシホルダ組立体１８内のブラシの異常状態または閾値条件を検出する検出器２２を含む。

以下に述べるように、様々な検出器２２が使用可能である。無線通信モジュール２４は、無線通信モジュール２４がブラシホルダ組立体１８のブラシやその他の構成要素の状態を示す検出器２２から受信した信号を出力するように検出器２２に対して動作可能に接続される。回路基板２０は、検出器２２および無線通信モジュール２４に対して動作可能に接続されて検出器２２および無線通信モジュール２４に電力を供給する電源２６を備える。電源２６は、バッテリであってもよい。また、電源２６は、ホールセンサなどの環境発電要素であってもよく、環境発電要素を介して連続的に充電されるバッテリを含んでもよい。例えば、例示の環境発電技術は動的（例えば、振動など）環境発電器（例えば、圧電振動起電装置、マグネト誘導振動起電装置など）、室内および室外のいずれか一方で起電可能な光起電装置、圧電起電装置、熱起電装置、風力起電装置（例えば、マイクロタービンなど）、および環境放射線起電装置（ａｍｂｉｅｎｔ ｒａｄｉａｔｉｏｎ ｅｎｅｒｇｙ ｈａｒｖｅｓｔｅｒ）（ラジオ周波数など）が含まれる。

電源２６に加えて、または電源２６の代わりに、ブラシホルダ組立体１８は、別体の電源から電力を受けることができる１つ以上のコネクタおよび端子を含んでもよい。このような場合には、ブラシホルダ組立体１８は、ブラシホルダ組立体１８が導入された場合に、外部電源から電力を受け取るように構成される。例えば、電気回路は、電気が電源から取り付けブロック３４を通過するように、ブラシホルダ組立体１８が取り付けブロック３４に接続されることによって完成する。

回路基板２０は、プロセッサまたは制御部２１をさらに含む。制御部２１は、電源２６によって電力供給され、検出器２２と無線通信モジュール２４に動作可能に接続される。制御部２１は、検出器２２の動作を制御し、検出器２２によって提供された情報を解釈して、ブラシホルダ組立体１８のブラシの状態を判断するように構成される。検出器２２がアーク放電を検出するように構成されたフォトセルである場合には、制御部２１は、アーク放電の発生の有無を判断する為に、フォトセルから得られた信号を分析する。検出器２２がマイクロフォンである場合には、制御部２１は、マイクロフォンからの電気信号を解析してアーク放電や異常な振動を示す音の有無を判断する。検出器２２が光源の場合には、制御部２１は、光が光源から出て光感受性の受信器に戻ってくるまでの飛行時間を解析して、ブラシまでの距離を決定することにより、ブラシの摩耗の兆候を判断する。光が移動すべき距離は、ブラシが摩耗している場合に変化し、ブラシが摩耗している場合には、ブラシの上面は、光源からさらに遠ざかる為、光の移動距離及び伝達にかかる時間は長くなるであろう。これと同様に、検出器２２が、超音波振動子である場合には、制御部２１は、ブラシまでの距離を決定しブラシの摩耗の兆候を判断する為に、音が超音波振動子から出て超音波検出器に戻ってくるまでの間の飛行時間を解析するように構成される。音が移動すべき距離は、ブラシが摩耗している場合に変化し、ブラシが摩耗している場合には、ブラシの上面は、超音波振動子からさらに遠くに移動する為、音の移動距離及び伝達にかかる時間は長くなるであろう。検出器２２が磁場検出器であって、ブラシに対して永久磁石が配置されている場合には、制御部２１は、磁場が磁場検出器から遠く移動した場合に、ブラシまでの距離を決定してブラシの摩耗の兆候を判断する為に、検出した磁場強度を解析するように構成される。

ブラシホルダ組立体１８の別の特徴を図３と図４に示す。図３は、ロック位置にあるブラシホルダ組立体１８を示し、図４は、非ロック位置にあるブラシホルダ組立体１８を示す。ブラシホルダ組立体１８は、複数の側面でブラシ３２を取り囲み、かつ、ブラシ３２を線形または長軸方向移動をガイドするための複数のガイド表面を備えるブラシボックスのようなブラシホルダ３０を備えうる。いくつかの実施形態では、ブラシホルダ３０は、箱の形式を取らない場合や、チャンネル、ポストまたはカラムなどの１つまたは複数のガイド表面を備える場合や、ブラシ３２の１つ以上の側面を境界することおよび取り囲むこと、および、ブラシ３２の線形または長軸方向移動をガイドする為に、ブラシ３２またはブラシ３２の一部の中に、若しくはブラシ３２またはブラシ３２の一部を通って延びる場合がある。

ブラシホルダ３０は、取り付けブロック４２等の別の構造体に、取り付け可能に構成、且つ、適合された取り付けビーム３４に固定される。ブラシホルダ組立体１８は、ブラシ３２を整流子または集電リングの導電表面等の移動接触表面４０に接触させて配置し、それらから電流を伝えるように構成される。ブラシ３２は、ブラシ３２の摩耗表面が、移動接触表面４０に係合するようにブラシホルダ３０の下端から延びている。取り付けビーム３４は、オーバーセンタ（ｏｖｅｒ ｃｅｎｔｅｒ）係合機構と、摺動可能な係合の為の溝付き（ｓｌｏｔｔｅｄ）係合機構またはチャンネル（ｃｈａｎｎｅｌｅｄ）係合機構、若しくは、発電機を停止させることなく、整流子の導電表面または集電リングなどの移動接触表面４０からブラシ３２を簡単に係合離脱させるためのその他の機構を備えることが可能である。別の実施形態では、ブラシホルダ組立体は、ブラシホルダを静止状態に保持する別の構造体に堅固に取り付けられたブラシホルダ、または所望の配置で別の構造体に取り付けられたブラシホルダを備える。例えば、いくつかの実施形態では、ブラシホルダは、静止構造体にボルトによってまたは溶接して取り付けられる。このようなブラシホルダのうちのいくつかは、米国特許第６，７３１，０４２号明細書、米国特許第５，７５３，９９２号明細書、米国特許第５，６２１，２６２号明細書、米国特許第５，４６３，２６４号明細書、米国特許第５，３９７，９５２号明細書、米国特許第５，２５６，９２５号明細書に開示されており、引用によりここに援用する。

図３に示したように、取り付けビーム３４は、互いに蝶番式または旋回式に連結された上側ビーム部材３６と下側ビーム部材３８とを備えうる。上側ビーム部材３６と下側ビーム部材３８とは、互いに直線上にあり（例えば、上側ビーム部材３６の長軸は、下側ビーム部材３８の長軸と平行をなす場合）、ブラシホルダ１８は、ブラシ３２が移動接触表面４０と隣接、または接触するように、係合姿勢またはロック姿勢にあると考えられる。上側ビーム部材３６が下側ビーム部材３８から傾斜された場合には（例えば、上側ビーム部材３６の長軸が、下側ビーム３８の長軸に対して斜めをなす場合）、ブラシホルダ１８は、ブラシ３２が移動接触表面４０と接触しないようにまたは離間されるように、若しくは移動接触表面４０と直接的な電気的接触状態をなさないように、離脱姿勢、または非ロック姿勢にあると考えられる。取り付けビーム３４は、動作中に取り付けブロック４２に取り外し可能に連結される。いくつかの実施形態では、取り付けビーム３４は、取り付けブロック４２に摺動可能に係合または咬合され、若しくは取り付けブロック４２に取り外し可能に連結される。取り付けブロック４２は、取り付けブロック４２を移動接触表面４０に対して静止状態に維持する別の構造体に連結または固定される場合や、または当該別の構造体から延びる場合もある。

いくつかの実施形態では、ハンドル４４は、発電機を停止させることなく移動接触表面４０からブラシ３２の係合離脱を容易にするために、ブラシホルダ３０に取り付けられる。ハンドル４４は、ハンドル４４を移動させることによって（旋回式、スライド式、解放式など）、下側ビーム部材３８に対して上側ビーム部材３６を駆動するように上側ビーム部材３６に取り付けられうる。例示のように、ハンドル４４は、下方部分４６と、下方部分４６に対して少なくとも実質的に斜めに置かれる上方部分４８と、ハンドル４４の移動を促進するように構成された介在性指リング５０とを備えると考えられる。しかしながら別のハンドル設計も考えられる。

図３には、ブラシ３２に張力を与えてブラシを移動接触表面４０の方に向かって、且つ、当該移動接触表面４０に接触するように付勢する接触力バネなどのブラシバネ５２も示されている。バネ５２は、ブラシホルダ３０またはブラシホルダ組立体１８の取り付けビーム３４の一部に取り付けられうる。いくつかの実施形態では、バネ５２は、ブラシ３２とブラシボックスおよびブラシホルダ組立体１８の取り付けビーム３４のうちの少なくともいずれか一方の間にブラシ３２の片側表面に沿って延びうる。リード線５４（この図では１本が視認可能）は、ブラシ３２から延び、ブラシ３２上に配置されたリードガイド５６によって少なくとも部分的にガイドされ、ブラシ３２が摩耗に伴い移動した場合には、ブラシ３２と共に鉛直方向に移動する。ブラシ３２は、バネ５２によって移動接触表面４０に向かって移動するように付勢されている。

いくつかの実施形態では、ブラシホルダ組立体１８の少なくともいくつかの特徴は、引用によりここにその全てを援用する米国特許出願第１０／３２２，９５７号明細書の名称「ブラシホルダ装置とブラシ組立体と方法」に記載されたブラシホルダ組立体とほぼ同じものである。しかしながら、例示の監視システム１０は、産業用の発電機など、どのような電子機器および電子機器のブラシホルダ組立体の構成にも適する。開示した監視システム１０は、例えば、引用によりここに援用する米国特許第６，７３１，０４２号明細書、米国特許第５，７５３，９９２号明細書、米国特許第５，６２１，２６２号明細書、米国特許第５，４６３，２６４号明細書、米国特許第５，３９７，９５２号明細書、米国特許第５，２５６，９２５号明細書で開示されているブラシホルダ組立体、ブラシホルダおよびブラシのうちの少なくともいずれか１つと共に使用される。

図２に概略的に示すように、ブラシホルダ組立体１８は、１つ以上の制御部２１と、検出器２２と、無線通信モジュール２４と、電源２６とを含む回路基板２０を備える。回路基板２０は、ブラシホルダ組立体１８上または内の所望の位置または実用的な位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、回路基板２０は、ハンドル４４内に配置される。図５及び図６は、第１回路基板６０がハンドル４４の下方部分４６内に配置されていること、および第２回路基板６２がハンドル４４の上方部分４８内に配置されていることを確認できるように、ハンドル４４の外側部分が取り外され、または見えないようにされた状態のブラシホルダ組立体１８を示している。いくつかの場合には、第１回路基板６０と第２回路基板６２とは、互いに電気的に接続される。また、いくつかの場合には、ブラシホルダ組立体１８は、第１回路基板６０と第２回路基板６２のうちの一方のみを含む。いくつかの場合には、検出器２２は、第１回路基板６０に配置されると解される。

図７に示すように、いくつかの実施形態では、ブラシホルダ組立体１８は、フォトセルまたはデジタルカメラなどの、光学機器６４を含むと考えられる。光学機器６４は、第１回路基板６０および第２回路基板６２のいずれか一方に動作可能に連結され、ブラシボックス３０及びブラシ３２の少なくとも一方から５インチ（１インチ＝２．５４ｃｍ）内、４インチ内、３インチ内、２インチ内、１インチ内などの、ブラシボックス３０の少し前方の位置に配置されるため、光学機器６４は、移動接触表面４０を確認することができる（図３）。制御部２１（図２）は、光学機器６４によって提供された信号を分析して、アーク放電やその他の損傷の可能性のある工程を調べることが可能である。

いくつかの場合には、光学機器６４は、電子機器の１つ以上の構成要素のアナログ画像およびデジタル画像の少なくとも一方を取得するように構成された画像形成装置でありうる。例えば、画像形成装置は、電子機器およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２のいずれか一方、または電子機器の別の構成要素の移動接触表面４０（整流子または集電リングなど）の画像を取得する。いくつかの実施形態では、画像形成装置は、経時的に、移動接触表面４０の円周に沿って約２分の１インチ毎、約１インチ毎、約２インチ毎、約３インチ毎、約４インチ毎に、移動接触表面４０の画像を撮影する。画像は、例えば、白黒画像、グレイスケール画像、カラー画像、またはサーモグラフィー（放出される放射線のレベルを表示する画像など）などである。

１実施形態では、画像形成装置は、可視光スペクトル内のエネルギーを検出して、処理され画像に変換されるデータ信号を生成する。このような画像形成装置では、ブラシホルダ組立体１８のブラシ３２、集電リング、または整流子、または電子機器のその他の構成要素の状態を判断する為に、移動接触表面４０、または電子機器のその他の構成要素の着色（例えば、変色）の評価が行われる。画像形成装置は、移動接触表面４０の異常な着色を同定する為に使用される。

正常動作時には、移動接触表面４０は、正常な着色を示す。多くの用途において、移動接触表面４０の正常な着色は、例えば、灰色の色調である。動作中には、移動接触表面４０の着色が変化し、この変化は、ブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の閾値条件および異常状態の少なくとも一方の兆候となる。ブラシ３２の閾値条件および異常状態の少なくとも一方には、異常な摩耗、拘束、アーク放電、焼き付き、エッチングなど発生が含まれる。従って、画像形成装置で生成された信号の処理や評価は、ブラシ３２またはその他の構成要素の閾値条件や異常状態の発生の有無を判断する際に、使用することができる。

まず始めに、移動接触表面４０が、第１色、または第１色調、または第１色強度を有するとして特定される。次に、移動接触表面は、第１色、または第１色調、または第１色強度とは異なる第２色、または第２色調、または第２色強度を有するとして特定される。いくつかの場合には、第２色、または第２色調、または第２色強度は、第１色、または第１色調、または第１色強度よりも小さい。しかしながら、別の状況では、第２色、または第２色調、または第２色強度は、第１色、または第１色調、または第１色強度よりも大きい。例えば、移動接触表面４０の色、または色調、または色強度が明るくなることは、アーク放電、移動接触表面４０の焼き付きやエッチングの兆候である場合がある。移動接触表面４０の正常な色が灰色の色調である場合には、閾値条件または異常状態は、移動接触表面の色がより明るい灰色、またはより暗い灰色などの、灰色の別の色調に変化した際に同定される。

別の実施形態では、画像形成装置は、赤外線スペクトルのエネルギーを検出して、処理されて熱画像に変換されるデータシグナルを形成する。全ての対象物が放射線を放出し対象物によって放出される放射線のレベルは、温度とともに上昇する。したがって、赤外線カメラまたはその他の熱画像形成装置は、電子機器の移動接触表面４０やブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の少なくともいずれか一方などの電子機器の構成要素の温度変動や変化を検出する為に、使用される。

通常の動作状態では、移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の少なくとも一方は、正常レベルであると記載される一定レベルの放射線を放出する。放出される放射線のレベルは、サーモグラフ（例えば、熱画像）を用いて、例示の構成要素の色、色調、または色強度によって表示する。動作中は、移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の少なくとも一方によって放出される放射線レベルが増加して、移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の少なくとも一方の温度が上昇したことを示す。移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の温度の上昇は、ブラシホルダ組立体１８のブラシ３２または別の構成要素が閾値条件および異常状態の少なくともいずれか一方にあることを示す。このようなブラシ３２の閾値条件および異常状態の少なくとも一方には、異常な摩耗、拘束、アーク放電、振動、焼き付き、エッチングなどの発生が含まれる。したがって、画像形成装置６４によって生成された信号を処理すること、および評価することの少なくとも一方を使用して、ブラシ３２またはその他の構成要素の閾値条件および異常状態の少なくとも一方の発生の有無を判断することができる。

例えば、通常動作状況において、移動接触表面４０およびブラシホルダアッセンブリ１８のブラシ３２は、一般的に、約１５０°Ｆ〜２５０°Ｆ（約６６〜１２１℃）の範囲、または約１８０°Ｆ〜２００°Ｆ（約８２〜９３℃）の範囲の表面温度を有する。したがって、移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の熱画像の少なくとも一方は、電子機器の構成要素の温度（つまり、放出された放射線レベル）を、色、または色調、または強度を用いて視覚的に示す。移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２の温度が上昇すると、温度を示す色、または色調、または強度は変化する。したがって、電子機器の構成要素の温度上昇または温度低下に対応する放出された放射線レベルの変化は、移動接触表面４０およびブラシホルダ組立体１８のブラシ３２などの電子機器の構成要素の色、または色調、または強度のレベルの変化を示す一連の熱画像を評価することによって同定することができる。例えば、熱画像の色、または色調、または強度の諧調の１のレベルが、監視中の構成要素について約１°Ｆ（約−１７℃）、または約２°Ｆ（約−１７℃）、または約５°Ｆ（約−１５℃）、または約１０°Ｆ（約−１２℃）、または約２０°Ｆ（約−７℃）の温度変化に対応する場合がある。このように、所与のレベルの色、または色調、または強度に対応する温度が既知または概算される場合には、熱画像の評価を行うことによって、監視中の構成要素の温度を決定することができる。

制御部２１によって信号を処理することおよび評価をすることの少なくとも一方には、ピクセル対ピクセルの対比または視覚観察などの画像解析技術が含まれる。しかしながら、取得したデータを処理や評価をする際に、別の技術も使用することが可能である。ピクセル対ピクセル比は、第１デジタル画像と第２デジタル画像との対比、またはそれ以降のデジタル画像との対比を含む。「第１」、「第２」の用語を使用する際において、これらの用語は、複数の画像の一時的な関係を示すことを意図することに留意されたい。１のデジタル画像のピクセルを表示するデータと、第２のデジタル画像のピクセルを表示するデータとを組織的に比較する為に、アルゴリズムが使用される。ピクセルは、デジタル画像の最小の独立した部分であり、かつ、色、色調、および強度のうちの少なくともいずれか１つの性質を備える。デジタル画像の解像度は、デジタル画像を形成するピクセルの数によって決まる（例えば、ピクセル数が多ければ多いほど、デジタル画像の解像度は大きくなる）。デジタル画像は、ピクセルの配列として特徴づけられる。デジタル画像は、如何なるサイズの配列に分割されてもよく、画像形成装置や記憶の容量によって支配される。例えば、デジタル画像は、８００×６００、１０２４×７６８、または１６００×１２００のピクセル配列である。各ピクセルは、個々のピクセルの値（例えば、色、色調および強度のうちの少なくともいずれか１つなど）を表示する整数によって特定される。例えば、各ピクセルが、それぞれ黒または白を表示する「０」または「１」によって特定される場合や、灰色の２５６諧調を表示する０と２５５の間の１個の整数によって特定される場合や、赤、青、緑要素についてそれぞれ０と２５５の間の３個の整数で特定される場合や、１０２４段階の赤外線レベルを表示する０と１０２３の間の整数で表される場合や、またはその他の同定可能な値で特定される場合もある。このように、各ピクセルの色、色調および強度のうちの少なくともいずれか１つは、代表的な整数によって表示される。デジタル的な各ピクセルの特定は、各ピクセルについてのデータに必要とされるビット数によって決定されると解される。

制御部２１は、異常状態および閾値条件の少なくとも一方が存在するか否かを判断する為に、取得したデジタル画像のピクセルを評価することができる。いくつかの実施形態では、制御部２１は、電子機器の構成要素が発する放射線の正常な色、または正常なレベルを示す既知のピクセル値を認識している。したがって、デジタル画像の評価には、電子機器の構成要素が発した放射線の正常な色、またはレベルに対応する既知の値で、ある時間におけるデジタル画像のピクセル値を評価することが含まれる。放射された放射線の脱色、または異常な着色、またはレベルの上昇などが判断された場合には、適切な通知が行われる。

いくつかの実施形態では、光学機器６４は、アーク放電を示す光の波長を検出して、且つ、その他の波長の光を検出しないように構成される。光学機器６４がアーク放電ではない光の波長を感知しない場合は、光学機器６４によって記録される光は、好ましくはアーク放電を示すものと推定されるため、光学機器６４は、単に光学機器６４上の入射光が光学機器６４を作動させたか否かに基づいて、アーク放電である場合には単純な２値応答であるｙｅｓを、またはアーク放電でない場合にはｎｏを提供する。

いくつかの実施形態では、光学機器６４は、ブラシ３２の上側表面上の点、または、リードガイド５６またはブラシ３２と共に移動する別の構成要素上の点に照準を合わせる。上述したように、リードガイド５６は、ブラシ３２に動作可能に連結される為、ブラシ３２がブラシの摩耗の増加とともにバネ５２によって付与された付勢力によって下方に移動される際に、ブラシと共に鉛直方向に下方に向かって移動（つまり移動導電性表面４０に向かって）する。光学機器６４は、小さな点で厳密に焦点合わせをして限定された数のピクセルを含む画像を提供する。光学機器６４と焦点の距離が増加した場合には、厳密にフォーカスを合わせた領域内のピクセル数は減少する。したがって、ピクセル数の視認可能な変化が、距離の増加を示す場合がある。ブラシ３２は、ブラシの摩耗に応じて下方に（図示の方向に）移動する為、ピクセル数の減少によって表される距離の増加は、ブラシの摩耗の兆候を提供することができる。

図８に示すように、検出器２２は、発信要素６６と受信要素６８とを含む場合がある。発信要素６６は、レーザービームまたはその他の光源であり、受信要素６８は、光感受性を有する。レーザービームなどの光ビームは、発信要素６６によって提供され、光が接触して、かつ、ブラシ３２の上面またはリードガイド５６またはブラシ３２と共に移動するその他の構成要素によって反射された後、受信要素６８によって検出されるように配置される。単純な距離の計算は、速度と時間の乗算に等しいことと、光の伝達速度が既知であり且つ一定であることを考慮して、制御部２１は、光ビームの飛行時間に基づいてブラシ３２までの距離を決定することができる。

発信要素６６が、超音波振動子である場合には、受信要素６８は、超音波受信装置である。超音波のような音の波は、発信要素６６によって提供され、発信要素は、音波が接触して、且つ、ブラシ３２の上面またはリードガイド５６またはブラシ３２と共に移動するその他の構成要素のいずれかによって反射された後受信要素６８によって検出されるように配置される。距離の計算が速度と時間の乗算に等しいこと、および音の伝達速度が既知であり、かつ、所与の大きさと温度においてほぼ一定であると仮定することによって、制御部２１は、音波の飛行時間に基づいてブラシ３２までの距離を決定することができる。

いくつかの実施形態では、検出器２２は、磁気検出器であり、ブラシ３２とリードガイド５６に対して固定された永久磁石を備える場合がある。図９は、ブラシ３２の上面に固定された永久磁石７０を示す。永久磁石７０は、ブラシ３２、またはリードガイド５６、またはブラシ３２と共に移動するその他の構成要素に接着性に固定される。磁気検出器２２と永久磁石７０の間の距離の変化は、検出された磁場の相対的な強度に反映されると考えられる。従って、検出された磁場の強度が減少した場合には、制御部２１は、ブラシが摩耗した結果、ブラシ３２までの距離が増加したと判断することができる。

ブラシホルダ組立体１８は、図９に概略的に示したユーザーインターフェイス７２を備える。ユーザーインターフェイス７２は、制御部２１によって問題が検出されなかったこと（例えば、ブラシホルダ組立体１８が正常な状態で機能している場合など）を示す第１表示と、第１表示とは異なる表示であって、問題が検出されたことを示す（例えば、ブラシホルダ組立体１８が異常な状態で機能していることおよび閾値条件または異常状態が検出されたことの少なくとも一方など）第２表示とを有するＬＥＤなどの光である。いくつかの実施形態では、緑色は問題が無いことを示し、黄色は問題が起こりうることを示し、赤色は深刻または火急の問題があることを示す。電力消費が関心事である場合には、光が消灯または暗いことは問題が無いことを示し、いずれかの色の点灯は問題が検出されたことを示す。ユーザーインターフェイス７２は、特に、制御部２１によって深刻または火急の問題が検出された場合には、聴覚信号を提供する場合もある。

ブラシホルダ組立体１８は、熱検出器７４を備える場合がある。熱検出器７４は、ブラシホルダ組立体１８上の便利な如何なる位置に配置されてもよいが、概略的に示したような場合には、熱検出器７４は、取り付けビーム３４上に配置される。熱検出器７４は、これらに限定されないが、サーミスタまたはバイメタル熱検出器などを含む好適な如何なる熱検出器であってもよい。熱検出器７４は、動作可能に制御部２１（図２）に連結されてブラシホルダ組立体１８の構成要素の温度を表す電子的信号を提供し得る。ブラシホルダ組立体１８の構成要素の温度は、ブラシ３２によって捕捉された電力レベルに少なくとも幾分か比例すると考えられる。特定のブラシホルダ組立体１８の構成要素が、１つ以上の隣接するブラシホルダ組立体１８の類似の構成要素の温度とかなり異なる温度を有する場合には、制御部２１は、問題が存在する可能性があることを認識する。

複数個のブラシホルダ組立体１８の各ブラシホルダ組立体は、複数個のブラシホルダ組立体１８の各々の構成要素の温度表示が同時に得られるように、各々が熱検出器７４を備えてもよい。発電機またはその他の発動電動機の上に取り付けられた複数個のブラシホルダ組立体１８の各ブラシホルダ組立体１８は、ブラシと、ブラシから延びるリード線と、端子と、ブラシホルダ組立体１８のその他の構成要素の温度を測定するための温度検出器とを備える。したがって、ブラシホルダ組立体１８の各々の熱検出器は、互いに比較可能な、対応ブラシホルダ組立体１８の構成要素（例えば、ブラシ、ブラシから延びるリード線、端子など）の温度を同時に計測する。時間のある特定の時点において、複数個の各ブラシ３２を通過する電力レベルは、一般的にほぼ同じである。仮にブラシ３２の１つが、ブラシ３２を通過する電力レベルに大きな差を示す場合には、監視中の別のブラシホルダ組立体１８の類似の要素間の温度差によって表示されるように、問題が存在することを表す。

隣接するブラシ３２間の相対的な電力レベルをより直接的表示を得る為に、複数のブラシホルダ組立体１８の各々の構成要素にアンペア数メータを動作可能に取り付けることもできる。発電機または発動電動機上に取り付けられた複数のブラシホルダ組立体１８の各ブラシホルダ組立体１８は、ブラシ、ブラシから延びるリード線、端子、またはブラシホルダ組立体１８のその他の構成要素を通過する電流を測定するためのアンペア数メータを備えることができる。したがって、各ブラシホルダ組立体１８のアンペア数メータは、互いに比較可能な、対応ブラシホルダ組立体１８の構成要素（例えば、ブラシ、ブラシから延びるリード線、端子など）を通過する電流を同時に計測する。時間のある時点において、各ブラシ３２を通過する電力レベルは、一般的にほぼ同じである。仮にブラシ３２の１つが、ブラシ３２を通過する電力レベルにおいて大きな差を示した場合には、監視中の別のブラシホルダ組立体１８の類似の構成要素間のアンペア数の差によって示されるように、問題が存在することを表す。

ブラシ３２が比較的低い温度を有する場合、または、ブラシ３２を通過して流れるアンペア数が減少している場合は、ブラシ３２が、移動接触表面４０と接触が悪いことを表していることがある。ブラシ３２が比較的高い温度を有する場合は、ブラシホルダ組立体１８のブラシ３２、またはその他の構成要素において、異常な摩耗、拘束、アーク放電、振動、焼き付き、エッチングなどの閾値条件および異常状態の少なくとも一方があることを表していることがある。対応ブラシホルダ組立体１８の移動導電性表面４０に摩擦接触するブラシの接触面などのブラシ３２の一部分間の温度は、移動する導電性表面４０に機能的に接触しているブラシ接触面などの１つ以上の追加的なブラシホルダ組立体１８のブラシの一部分間の温度と比較することができ、温度の違いは、問題の有無を判断する為に使用することができる。同様に、複数個のブラシホルダ組立体１８の複数個の端子間の温度の違いも、問題の有無を判断する為に使用することができる。温度の違いの程度は、ブラシホルダ組立体１８のブラシ３２またはその他の構成要素の閾値条件および異常状態の少なくとも一方を示す場合がある。

当業者であれば、本願発明は、ここに記載し、想定した特別な実施形態以外にも様々な形式で実施し得ることを理解するであろう。したがって、添付の請求項に記載された本願発明の主旨および範囲から逸脱することなく、形式及び詳細において発展させることが可能である。

Claims (32)

1. 移動導電表面を含む発電機で使用されるブラシホルダ組立体であって、ブラシホルダ組立体は、
   前記発電機の取り付け要素に取り外し可能に取り付けられるブラシホルダと、
   前記ブラシホルダと共に摺動可能に配置され、前記移動導電表面に接触した状態で配置されるカーボンブラシと、
   前記ブラシホルダが前記取り付け要素から取り外し可能な非ロック姿勢と、前記ブラシホルダが前記取り付け要素に対して固定されているロック姿勢との間で移動可能なハンドルと、
   前記ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件を検出する前記ハンドル内に配置された検出器と、を備えるブラシホルダ組立体。
2. 前記ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件を検出する前記検出器は、前記ハンドルの下方表面に配置されたフォトセルから成り、前記フォトセルは、前記カーボンブラシと前記移動導電表面との間でアーク放電を検出する為に、前記カーボンブラシに隣接する移動導電表面上の位置に照準を合わせる、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
3. 前記フォトセルは、アーク放電を示す光のスペクトルに対して調整されている、請求項２に記載のブラシホルダ組立体。
4. 前記検出器は、マイクロフォンから成り、前記ハンドルは、前記マイクロフォンから電気信号を受信し、且つ、前記カーボンブラシと前記移動導電表面との間のアーク放電を示す音を受信するように構成された制御部を含む回路基板を備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
5. 前記検出器は、レーザービーム源と、前記ブラシホルダに対して移動可能な前記ブラシホルダ組立体の構成要素から跳ね返された前記レーザービーム源に由来する光を受信するために配置された光感受性受信器とを備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
6. 前記ハンドルは、前記レーザービーム源が光を提供してから前記光感受性受信器が前記光を受信するまでの経過時間を計算して、前記カーボンブラシの摩耗の測定結果を提供する為に、前記光が移動した距離を決定するように構成された制御部を含む回路基板を備える、請求項５に記載のブラシホルダ組立体。
7. 前記検出器は、超音波振動子と、前記ブラシホルダに対して移動可能な前記ブラシホルダ組立体の構成要素から跳ね返された前記超音波振動子が発した音を受信するために配置された超音波受信器とを備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
8. 前記ハンドルは、前記超音波振動子が音を発してから前記超音波受信器が前記音を受信するまでの経過時間を計算して、前記カーボンブラシの摩耗の測定結果を提供する為に、前記音が移動した距離を決定するように構成された制御部を含む回路基板を備える、請求項７に記載のブラシホルダ組立体。
9. 前記検出器は、磁気検出器からなり、且つ、永久磁石が、前記カーボンブラシの動きを追う為に前記カーボンブラシに対して固定され、前記磁気検出器は、検出された磁場強度を示す信号を出力する、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
10. 前記ハンドルは、検出された磁場強度を示す前記出力信号から、前記永久磁石の前記磁気検出器に対する相対的な位置によって表されるように、前記カーボンブラシまでの距離を決定する制御部を含む回路基板を備える、請求項９に記載のブラシホルダ組立体。
11. 前記ブラシホルダ組立体は、前記カーボンブラシから延びる１本以上のリード線を通って通過する電流を示す信号を出力する電流メータをさらに備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
12. 前記ブラシホルダ組立体は、前記カーボンブラシから延びる１本以上のリード線の温度を示す信号を出力する温度検出器をさらに備え、出力される前記信号は、前記カーボンブラシによって収集されて前記カーボンブラシから延びる１本以上のリード線を通って出力される電流のレベルを示す、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
13. 前記ブラシホルダ組立体は、前記ブラシホルダ組立体上に配置され且つ前記検出器に動作可能に連結される視覚的表示器および聴覚的表示器の少なくともいずれか一方をさらに備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
14. 前記視覚的表示器および聴覚的表示器の少なくともいずれか一方は、問題が検出されなかったことを示す第１状態と、問題が検出されたことを示す第２状態とを有する、請求項１３に記載のブラシホルダ組立体。
15. 前記ブラシホルダ組立体は、回路基板と、同回路基板に動作可能に連結された検出器をさらに備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
16. 前記ブラシホルダ組立体は、前記回路基板に電力供給するために前記回路基板に動作可能に接続されたバッテリをさらに備える、請求項１５に記載のブラシホルダ組立体。
17. 前記ブラシホルダ組立体は、前記回路基板に電力供給する為に、前記カーボンブラシによって収集された電気から十分なエネルギーを引き出す環境発電機構をさらに備える、請求項１５に記載のブラシホルダ組立体。
18. 前記環境発電機構は、ホール効果センサからなる、請求項１７に記載のブラシホルダ組立体。
19. 前記ブラシホルダ組立体は、前記回路基板上に配置されて前記検出器に動作可能に接続された無線通信モジュールをさらに備える、請求項１５に記載のブラシホルダ組立体。
20. 前記ハンドルは、下方部分と前記下方部分の平面に対して斜めに置かれる上方部分と、前記ハンドルの移動を容易にする介在性指リングとを備える、請求項１に記載のブラシホルダ組立体。
21. 電子機器の複数個のブラシホルダ組立体の各々のブラシホルダ組立体の異常状態、または閾値条件を検出するためのシステムであって、前記システムは、
    複数個のブラシホルダ組立体と、各ブラシホルダ組立体が、発電機の動作中に、前記発電機の取り付け要素に取り外し可能に取り付けられるブラシホルダを備えることと、
    前記ブラシホルダに対して摺動可能に配置されたカーボンブラシと、
    前記ブラシホルダに連結されたハンドルと、
    前記ハンドル内に配置された回路基板と、前記回路基板が、前記ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件を検出する検出器を含むことと、
    前記検出器に動作可能に接続された無線通信モジュールと、
    複数個のブラシホルダ組立体の各々のハンドル内にある前記無線通信モジュールの其々に対して無線接続される中央監視基地と、からなるシステム。
22. 前記検出器は、前記カーボンブラシと移動導電表面との間でアーク放電を検出する為に前記カーボンブラシに隣接する前記移動導電表面上の位置に照準を合わせたフォトセルを備える、請求項２１に記載のシステム。
23. 前記検出器は、前記カーボンブラシと移動導電表面との間のアーク放電を示す音を受信するマイクロフォンを備える、請求項２１に記載のシステム。
24. 前記検出器は、光源と、
    前記カーボンブラシの上面および前記カーボンブラシ上に配置されて前記カーボンブラシから延びるリード線を方向付けるリードガイドのうちの少なくとも一方によって跳ね返された光を受信するように配置された光感受性受信機と、を備え、
    前記光源が前記光を発してから前記光感性受信器が跳ね返された前記光を受信するまでの経過時間が前記カーボンブラシの移動距離を決定して、前記カーボンブラシの摩耗についての測定結果を提供する、請求項２１に記載のシステム。
25. 前記検出器は、超音波振動子と、前記カーボンブラシの上面によって跳ね返された前記超音波振動子が発した音を受信するように配置された超音波受信器とからなり、前記超音波振動子が音を発してから、前記超音波受信器が跳ね返された音を受信するまでの経過時間が前記カーボンブラシの移動距離を決定して前記カーボンブラシの摩耗についての測定結果を提供する、請求項２１に記載のシステム。
26. 前記検出器は、前記カーボンブラシに対して固定された永久磁石から磁場強度を検出するように構成された磁場検出器からなり、検出された前記磁場強度は、前記カーボンブラシまでの距離を決定する、請求項２１に記載のシステム。
27. 前記検出器は、前記ブラシホルダ組立体の温度を示す信号を出力する温度検出器からなり、出力された温度を示す前記信号は、前記カーボンブラシ、および、前記カーボンブラシから延びるリード線を通って伝達される電力のレベルに比例する、請求項２１に記載のシステム。
28. 前記複数個のブラシホルダ組立体の少なくともいくつかは、前記カーボンブラシの少なくともいくつかから延びる１本以上のリード線を通って通過する電流を示す信号を出力する電流メータをさらに備える、請求項２１に記載のシステム。
29. ブラシを備える複数個のブラシホルダ組立体の各々の異常状態または閾値条件を検出するための方法であって、前記方法は、
    前記ブラシホルダ組立体の異常状態または閾値条件の発生を検出する検出器を含む回路基板を備える複数個のブラシホルダ組立体の各々を提供することと、
    前記複数個のブラシホルダ組立体の各々から信号を受信することと、前記信号が、未来時において、前記複数個のブラシホルダ組立体のうちの特定の１個に対応するブラシの異常状態または閾値条件を予測する表示を提供することと、
    前記ブラシのうちの１個がブラシの交換を求める表示を有する場合には、警告を送信すること、とからなる方法。
30. 前記複数個のブラシホルダ組立体の各々から信号を受信することは、監視基地において、前記複数個のブラシホルダ組立体の各々から信号を無線受信することからなる、請求項２９に記載の方法。
31. 警告の送信は、視覚性信号を含む、請求項２９に記載の方法。
32. 警告の送信は、聴覚性信号を含む、請求項２９に記載の方法。