JP7491386B2 - ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、および、ワイヤロープ検査方法 - Google Patents

ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、および、ワイヤロープ検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、および、ワイヤロープ検査方法に関する。
従来、検知コイルによりワイヤロープの磁束の変化を検知するワイヤロープ検査装置が知られている。このようなワイヤロープ検査装置は、たとえば、国際公開第2019/171667号に開示されている。
上記国際公開第2019/171667号には、ワイヤロープ(磁性体)に対して設けられた励磁部と、ワイヤロープの磁束(磁界)を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置(磁性体検査装置)が開示されている。上記国際公開第2019/171667号に記載のワイヤロープ検査装置では、励磁部により磁束が印加されることにより生じるワイヤロープの磁束の変化を検知コイルにより検知するように構成されている。また、上記国際公開第2019/171667号に記載されたような従来のワイヤロープ検査装置では、ワイヤロープの振動により検知コイルに対してワイヤロープが接触するのを防止するために、検知コイルとワイヤロープとの間の距離は、ワイヤロープの最大振動揺れ幅よりも大きくなるように構成されている。
国際公開第2019/171667号
ここで、従来のワイヤロープ検査装置では、検知コイルとワイヤロープとの間の距離が比較的大きい場合には、ワイヤロープに対する検知コイルの検出感度(検出精度)が低下し、ワイヤロープの異常を精度よく検査できない場合がある。そのため、ワイヤロープが検知コイルに接触するのを防止しながら、ワイヤロープの異常を精度よく検査するワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、および、ワイヤロープ検査方法が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ワイヤロープが検知コイルに接触するのを防止しながら、ワイヤロープの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、および、ワイヤロープ検査方法を提供することである。
この発明の第1の局面におけるワイヤロープ検査装置は、エレベータに設けられたワイヤロープに対して磁束を印加することにより、ワイヤロープの磁化の状態を励振する励磁部と、励磁部により磁束が印加されるワイヤロープに対して相対的に移動しながらワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、を備え、検知コイルは、ワイヤロープが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープに対する検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されており、検知コイルは、第1部分と、第1部分とともにワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、エレベータに設けられたワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、ワイヤロープに対する第1部分と第2部分との各々のセンサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整する距離調整機構をさらに備える。
この発明の第2の局面におけるワイヤロープ検査システムは、エレベータに設けられたワイヤロープに対して磁束を印加することにより、ワイヤロープの磁化の状態を励振する励磁部と、ワイヤロープに対して相対的に移動しながらワイヤロープの磁束を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置と、検知コイルの検知信号を取得する処理装置と、を備え、検知コイルは、ワイヤロープが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープに対する検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されており、処理装置は、検知信号に基づいて、ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されており、検知コイルは、第1部分と、第1部分とともにワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、エレベータに設けられたワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、ワイヤロープに対する第1部分と第2部分との各々のセンサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整する距離調整機構をさらに備える。
この発明の第3の局面におけるワイヤロープ検査方法は、第1部分と、第1部分とともにエレベータに設けられたワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルに対するワイヤロープの相対速度を取得するステップと、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合のワイヤロープが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープに対する検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を、第1部分と第2部分との各々を連動させて相対的に大きくし、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、センサ離間距離を第1部分と第2部分との各々を連動させて相対的に小さくしてセンサ離間距離を変更するステップと、ワイヤロープに対して磁束を印加することにより、ワイヤロープの磁化の状態を励振するステップと、ワイヤロープに対して相対的に移動しながらワイヤロープの磁束を検知コイルにより検知するステップとを含み、検知コイルにより検知されたワイヤロープの磁束の変化に基づいて、ワイヤロープの異常の有無を判定するステップとを含み、センサ離間距離を変更するステップは、エレベータに設けられたワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、ワイヤロープに対する第1部分と第2部分との各々のセンサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整するステップを含む
本発明の第1の局面におけるワイヤロープ検査装置および本発明の第2の局面におけるワイヤロープ検査装置では、上記のように、検知コイルは、ワイヤロープが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープに対する検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている。これにより、通常運転時のように、ワイヤロープの振動幅が比較的大きい場合には、ワイヤロープが振動する方向におけるセンサ離間距離を大きくする(検知コイルをワイヤロープから遠ざける)ことができる。その結果、ワイヤロープが検知コイルに接触することを防止することができる。また、検査運転時のように、ワイヤロープの振動幅が比較的小さい場合には、ワイヤロープが振動する方向におけるセンサ離間距離を小さくする(検知コイルをワイヤロープに近づける)ことができる。その結果、ワイヤロープに対する検知コイルの検出感度(検出精度)を向上させることができる。これらの結果、ワイヤロープが検知コイルに接触するのを防止しながら、ワイヤロープの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査システムを提供することができる。
本発明の第3の局面におけるワイヤロープ検査方法では、上記のように、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合のセンサ離間距離を相対的に大きくする。そして、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、センサ離間距離を相対的に小さくする。これにより、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が大きく、ワイヤロープの振動幅が比較的大きい場合において、センサ離間距離を相対的に大きくする(検知コイルをワイヤロープから遠ざける)ことができる。その結果、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が大きく、ワイヤロープの振動幅が比較的大きい場合において、ワイヤロープの検知コイルへの接触を防止することができる。また、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が小さく、ワイヤロープの振動幅が比較的小さい場合において、センサ離間距離を相対的に小さくする(検知コイルをワイヤロープに近づける)ことができる。その結果、検知コイルに対するワイヤロープの相対速度が小さく、ワイヤロープの振動幅が小さい場合において、検知コイルの検出感度(検出精度)を向上させることができる。これの結果、ワイヤロープが検知コイルに接触するのを防止しながら、ワイヤロープの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示した模式図である。 本発明の第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による磁界印加部の配置を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第1図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による励振部の構成を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による検知コイルの構成を説明するための図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による通常運転モード時におけるセンサ離間距離の一例を示した図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による検査運転モード時におけるセンサ離間距離の一例を示した図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査システムのワイヤロープ検査処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した図である。 第2実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第1図である。 第2実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 第3実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第1図である。 第3実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 本発明の第4実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 本発明の第4実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した第1図である。 第4実施形態のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 第4実施形態のワイヤロープ検査装置による通常運転モード時におけるセンサ離間距離の一例を示した図である。 第4実施形態のワイヤロープ検査装置による検査運転モード時におけるセンサ離間距離の一例を示した図である。 第1変形例のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第1図である。 第1変形例のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 第2変形例のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第1図である。 第2変形例のワイヤロープ検査装置による距離調整機構を示した第2図である。 第3変形例のワイヤロープ検査装置による磁界印加部の配置を示した図である。 第4変形例のワイヤロープ検査装置による磁界印加部の配置を示した図である。 Z方向に対して傾斜する方向に延びる複数のワイヤロープに取り付けられたワイヤロープ検査装置を示した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1~図11を参照して、第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200の構成について説明する。なお、以下の説明において、「直交」とは、90°および90°近傍の角度をなして交差することを意味する。また、「平行」とは、平行および略平行を含む。
(ワイヤロープ検査システムの構成)
図1に示すように、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープ検査装置200と、処理装置300と、を備える。
ワイヤロープ検査システム100は、検査対象物であり磁性体であるワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するためのシステムである。ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの磁束を計測するワイヤロープ検査装置200と、ワイヤロープ検査装置200によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、および、ワイヤロープ検査装置200によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析などを行う処理装置300とを備えている。ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの異常の有無を判定することにより、目視により確認しにくいワイヤロープWの異常を確認可能なシステムである。
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されており、Z方向に延びる長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、ワイヤロープ検査装置200により状態(傷等の有無)を検査されている。ワイヤロープWの磁束の計測の結果、劣化の程度が決められた基準を超えたと判断されるワイヤロープWは、作業者により交換される。
図1では、ワイヤロープ検査装置200が、エレベータEのかごE1の移動に用いられるワイヤロープWを検査する例を示している。エレベータEは、かごE1と、ワイヤロープWを駆動するための巻き上げ機E2とを備えている。エレベータEは、巻き上げ機E2によりワイヤロープWを移動させることにより、かごE1を上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。ワイヤロープ検査装置200は、ワイヤロープWに対して移動しないように固定された状態で、巻き上げ機E2により移動されるワイヤロープWの傷みを検査する。
ワイヤロープWは、ワイヤロープ検査装置200の位置において、Z方向に延びるように配置されている。ワイヤロープ検査装置200は、ワイヤロープWの表面に沿って、ワイヤロープWに対して相対的にワイヤロープWの延びる方向(Z方向)に移動しながら、ワイヤロープWの磁束を計測する。エレベータEに使用されるワイヤロープWのように、ワイヤロープW自体が移動する場合には、ワイヤロープWをZ方向に移動させながら、ワイヤロープ検査装置200によるワイヤロープWの磁束の計測が行われる。これにより、ワイヤロープWのZ方向の各位置における磁束を計測することができるので、ワイヤロープWのZ方向の各位置における傷みを検査可能である。
(処理装置の構成)
処理装置300は、検知コイル20(図2参照)の検知信号を取得して、検知信号に基づいて、ワイヤロープWの異常の有無を判定するように構成されている。処理装置300は、たとえばパーソナルコンピュータである。処理装置300は、ワイヤロープ検査装置200が配置される空間とは異なる空間に配置されている。
図1に示すように、処理装置300は、通信部301と、処理部302と、記憶部303と、表示部304とを備えている。通信部301は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置200と処理装置300とを通信可能に接続する。処理装置300は、通信部301を介して、ワイヤロープ検査装置200によるワイヤロープWの計測結果(計測データ)を受信する。また、処理装置300は、エレベータE(エレベータEの制御システム)側からエレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得可能に構成されている。
処理部302は、処理装置300の各部を制御する。処理部302は、CPUなどのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。処理部302は、通信部301を介して受信したワイヤロープWの計測結果に基づいて、素線断線などのワイヤロープWの傷みを解析する。
記憶部303は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果、処理部302によるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を記憶(保存)する。表示部304は、たとえば液晶モニタであり、ワイヤロープWの計測結果、処理部302によるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を表示する。
また、処理装置300は、通信部301を介して取得したエレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)に基づいて、後述するモータ30aの駆動の制御を行うように構成されている。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
図2に示すように、ワイヤロープ検査装置200は、励磁部10と、検知コイル20と、を備える。また、ワイヤロープ検査装置200は、距離調整機構30と制御基板40とを備える。
励磁部10は、ワイヤロープWに対して磁束(磁界)を印加するように構成されている。また、励磁部10は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振する。励磁部10は、励振交流電流が流れることにより、ワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に沿った磁束(磁界)を内部(輪の内側)に発生させる。そして、励磁部10は、発生させた磁束(磁界)をワイヤロープWに印加する。また、励磁部10は、第1導線部11、第2導線部12、および、接続導線部13を含む。なお、励磁部10の詳細な説明は、後述する。
検知コイル20は、励磁部10により磁束が印加されたワイヤロープWに対して相対的に移動しながらワイヤロープWの磁束を検知(計測)する。検知コイル20は、検知したワイヤロープWの磁束に応じた検知信号(差動信号)を送信する。また、検知コイル20は、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bを含む。なお、検知コイル20の詳細な説明は、後述する。
検知コイル20は、距離調整機構30によって、後述するセンサ離間距離(ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープWに対する検知コイル20からの距離)を変更可能に構成されている。
距離調整機構30は、後述するセンサ離間距離を調整するための機構である。距離調整機構30は、センサ離間距離を変更するために検知コイル20を検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに駆動させるための電動モータであるモータ30aを含む。なお、モータ30aは、請求の範囲の「駆動部」の一例である。モータ30aは、処理装置300によって制御されている。
制御基板40は、処理部41と、励振I/F42と、受信I/F43と、電源回路44と、記憶部45と、通信部46とを含む電子回路が形成されている。処理部41は、ワイヤロープ検査装置200の各部を制御するように構成されている。処理部41は、CPU(中央処理装置)などのプロセッサ、メモリ、AD変換器などを含んでいる。励振I/F42は、処理部41からの制御信号を受信する。励振I/F42は、受信した制御信号に基づいて、励磁部10に対する電力の供給を制御する。受信I/F43は、検知コイル20の検知信号(差動信号)を受信(取得)して、処理部41に送信する。受信I/F43は、増幅器を含んでいる。受信I/F43は、増幅器により検知コイル20の検知信号を増幅して、処理部41に送信する。電源回路44は、外部から電力を受け取って、励磁部10などのワイヤロープ検査装置200の各部に電力を供給する。記憶部45は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果(計測データ)などの情報を記憶(保存)する。通信部46は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置200と処理装置300とを通信可能に接続する。ワイヤロープ検査装置200と処理装置300との接続は、有線接続でもよいし、無線接続でもよい。
また、図3および図4に示すように、ワイヤロープ検査装置200には、磁界印加部51および磁界印加部52が設けられている。
磁界印加部51および52は、検査対象であるワイヤロープWに対して予めY方向に磁界を印加し磁性体の磁化の方向を整えるように構成されている。磁界印加部51は、図4に示すように、長尺材からなるワイヤロープWに対してY1方向に沿って磁界を印加する磁界印加部51aと、磁界印加部51bとを含む。また、磁界印加部52は、図4に示すように、Z方向において、検知コイル20の磁界印加部51aおよび51bが設けられる側とは反対側に設けられ、ワイヤロープWに対してY2方向に沿って磁界を印加する磁界印加部52aおよび52bとを含む。すなわち、磁界印加部51および磁界印加部52は、Z方向において、検知コイル20を挟むように配置されている。
また、磁界印加部51および52は、たとえば、永久磁石により構成されている。磁界印加部51および52により印加される磁界の大きさは、傷等のない部分においてワイヤロープWの磁化の方向を略均一に整えるために、比較的強い磁界を印加することが可能に構成されている。
また、磁界印加部51は、図4に示すように、磁界印加部51aのY2方向に向けられたS極(斜線なし)と磁界印加部51bのY1方向に向けられたN極(斜線あり)とがワイヤロープWを挟んで対向するように設けられている。これにより、磁界印加部51aおよび51bの間を通過したワイヤロープWは、磁界印加部51aおよび51bにより磁界が印加され、ワイヤロープWの延びる方向と直交するY1方向に沿って磁化の方向が整えられる。
また、磁界印加部52は、図4に示すように、磁界印加部52aのY2方向に向けられたN極(斜線あり)と磁界印加部52bのY1方向に向けられたS極(斜線なし)とがワイヤロープWを挟んで対向するように設けられている。これにより、磁界印加部52aおよび52bの間を通過したワイヤロープWは、磁界印加部52aおよび52bにより磁界が印加され、ワイヤロープWの延びる方向と直交するY2方向に沿って磁化の方向が整えられる。
ここで、ワイヤロープ検査装置200をワイヤロープWに対してZ1方向に相対移動させる(ワイヤロープWをZ2方向に移動させる)場合、磁界印加部52aおよび52bによって検知コイル20により検査される部分に予め磁界が印加され、磁化の方向が整えられる。ワイヤロープ検査装置200をワイヤロープWに対してZ2方向に相対移動させる(ワイヤロープWをZ1方向に移動させる)場合、磁界印加部51aおよび51bによって検知コイル20により検査される部分に予め磁界が印加され、磁化の方向が整えられる。したがっていずれの方向にワイヤロープ検査装置200を相対移動させる場合にも、ワイヤロープWに対して、予め磁界を印加して磁化の方向を整えることができる。
また、磁界印加部51と、磁界印加部52とは、磁界を印加する方向がY2方向とY1方向となり反対方向である。したがって、磁界印加部51と、磁界印加部52とによりワイヤロープWが磁化される方向が、逆になるので、検査後のワイヤロープWに磁化が残存しにくい。また、磁界印加部51および52は、出力される磁界が検知コイル20での検知に影響しないように、検知コイル20からワイヤロープWが延びるZ方向に離間した位置に設けられている。
図5に示すように、ワイヤロープ検査装置200は、第1ユニット31および第2ユニット32を備える。図5に示すように、第1ユニット31は、複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に平行な面(XZ平面)に沿うように配置されている。また、図5に示すように、第2ユニット32は、ワイヤロープWに対して第1ユニット31が配置される側(Y1方向側)とは反対側(Y2方向側)に配置されている。第1ユニット31および第2ユニット32は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して交差する方向(Y方向)において、ワイヤロープWを挟むように配置される。なお、第1ユニット31および第2ユニット32は、非磁性体の部材を含む。具体的には、第1ユニット31および第2ユニット32は、塩化ビニル樹脂、テフロン(登録商標)、ベークライトなどである。
図5に示すように、第1ユニット31には、第1導線部11が設けられており、第2ユニット32には、第2導線部12が設けられている。そして、第1ユニット31と第2ユニット32との間には、接続導線部13が設けられている。接続導線部13は、コネクタ14を介して第1導線部11に電気的に接続されている。また、接続導線部13は、コネクタ15を介して第2導線部12に電気的に接続されている。接続導線部13は、たわみ変形可能に構成されている。接続導線部13は、フレキシブル基板および複数本のケーブルを平面状に束ねたケーブルなどを含む。励磁部10は、第1ユニット31に配置された第1導線部11と、第2ユニット32に配置された第2導線部12と、接続導線部13とによって構成された励振コイルである。
図5に示すように、検知コイル20は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向に配置された第1平面コイル20aを含む。また、検知コイル20は、ワイヤロープWに対して第1平面コイル20aが配置される側とは反対側(Y2方向側)において、第1平面コイル20aとともにワイヤロープWを挟むように配置されている第2平面コイル20bを含む。なお、第1平面コイル20aは、請求の範囲の「第1部分」の一例であり、第2平面コイル20bは、請求の範囲の「第2部分」の一例である。
図5に示すように、第1平面コイル20aは、第1ユニット31において、第1導線部11のワイヤロープWに対向する側(Y2方向側)に設けられている。また、第2平面コイル20bは、第2ユニット32において、第2導線部12のワイヤロープWに対向する側(Y1方向側)に設けられている。
また、第2ユニット32のワイヤロープWが配置される側とは反対側(Y2方向側)には、制御基板40が設けられている。
(4節リンク機構)
距離調整機構30は、リンク部材33と、リンク部材34と、第1ユニット31と、第2ユニット32とを連結して構成した4節リンク機構を含む。リンク部材33およびリンク部材34は、複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う第1方向としてのX方向において複数のワイヤロープWを挟むように配置されている。また、第1ユニット31および第2ユニット32は、X方向と直交する方向としてのY方向において複数のワイヤロープWを挟むように配置されている。なお、リンク部材33および34は、請求の範囲の「一対の第1リンク部材」の一例であり、第1ユニット31および第2ユニット32は、請求の範囲の「一対の第2リンク部材」の一例である。
また、リンク部材33および34は、非磁性体の部材を含む。具体的には、リンク部材33および34は、アルミニウム合金、ステンレス鋼材、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂などである。
リンク部材33は、第1ユニット31および第2ユニット32のX1方向側において、第1ユニット31および第2ユニット32と、ジョイント35により接続されている。また、リンク部材34は、第1ユニット31および第2ユニット32のX2方向側において、第1ユニット31および第2ユニット32と、ジョイント35により接続されている。
リンク部材33、リンク部材34、第1ユニット31および第2ユニット32の各々は、ジョイント35を回動中心として、回動可能に構成されている。なお、第1実施形態において、距離調整機構30(4節リンク機構)のリンク部材34および35は、縦(Y方向)リンク部材を構成しており、第1ユニット31および第2ユニット32は、横(X方向)リンク部材を構成している。
そして、リンク部材33および34は、X方向およびY方向に直交する第3方向としてのZ方向に沿った回動軸線回りに回動するように構成されている。なお、第1実施形態では、Z2方向側から見て、右回り(時計回り)の回転方向をr1方向とし、Z2方向側から見て、左回り(反時計回り)の回転方向をr2方向とする。
リンク部材33およびリンク部材34は、各々に設けられた2つのジョイント35の中点に設けられた中点部材36により、リンク保持部材37に回動可能に接続されている。中点部材36は、Z方向から見て、Y方向における位置がワイヤロープWの中心位置近傍になるように設けられている。
そして、リンク部材33およびリンク部材34は、リンク保持部材37により保持されている。リンク保持部材37は、ねじ61により、ベース部材60に締結固定されている。ベース部材60は、金属製の部材を含む。なお、ベース部材60は、非磁性体の部材を含んでもよい。
リンク部材33およびリンク部材34は、Z方向において、第1ユニット31および第2ユニット32を挟むように、第1ユニット31および第2ユニット32のZ1方向およびZ2方向において、1つずつ設けられている。
第1実施形態では、Z2方向側に設けられたリンク部材33(リンク部材33a)は、図5および図6に示すように、リンク部材33b、リンク部材34に比べて、Y1方向側に延びるように(延長して)形成されており、延長された部分に長孔A1(図5参照)が設けられている。また、モータ30aには、レバー38が接続されている。長孔A1には、レバー38の端部近傍に設置されたベアリング38aがはまり込むように構成されている。また、モータ30aは、支持部材62により支持されており、支持部材62は、ベース部材60に接続されている。なお、図6は、図5の距離調整機構30の4節リンク機構をX1方向から見た図である。
第1実施形態では、距離調整機構30の4節リンク機構は、レバー38が、モータ30aにより回動させられることによって、ベアリング38aが長孔A1に沿って移動する。これにより、リンク部材33aは、レバー38の回動に連動して、中点部材36を回動中心として(Z方向を回動軸線方向として)、回転方向r1またはr2回りに回動する。そして、距離調整機構30の4節リンク機構は、リンク部材33aの回動に連動して、リンク部材33b、リンク部材34、第1ユニット31および第2ユニット32が回動するように構成されている。
(励振部および検知コイルの構成)
図7に示すように、第1ユニット31には、プリント基板31aが設けられている。また、第2ユニット32には、プリント基板32aが設けられている。プリント基板31aおよびプリント基板32aは、複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に平行な面(XZ平面)に沿って形成されている。そして、第1導線部11は、プリント基板31aに導体パターンとして形成されている。また、第2導線部12は、プリント基板32aに導体パターンとして形成されている。なお、プリント基板31aおよびプリント基板32aは、片面、両面、または、多層基板のいずれにより構成されていてもよい。
第1導線部11と第2導線部12とがコネクタ14、接続導線部13、および、コネクタ15を介して電気的に接続されることにより、ワイヤロープWを囲うようにコイルループ(励磁部10)が形成されている。励磁部10は、発生させた磁束(磁界)を形成したコイルループ内部に配置されたワイヤロープWに印加するように構成されている。
また、検知コイル20は、図8に示すように、第1平面コイル20aと第2平面コイル20bとが差動接続された差動コイルとなるように構成されている。また、第1平面コイル20aは、第1導線部11と電気的に絶縁して設けられる。第1平面コイル20aは、第1導線部11が形成されたプリント基板31aに導体パターンとして形成してもよいし、プリント基板31aとは異なるプリント基板、または、多層構造のフレキシブル基板に導体パターンとして形成してもよい。第2平面コイル20bは、第2導線部12と電気的に絶縁して設けられる。第2平面コイル20bは、第2導線部12が形成されたプリント基板32aに導体パターンとして形成してもよいし、プリント基板32aとは異なるプリント基板、または、多層構造のフレキシブル基板に導体パターンとして形成してもよい。また、第1実施形態では、複数本のワイヤロープWに対して、検知コイル20(第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20b)が共通して用いられるが、ワイヤロープ1本ごとに対して独立した検知コイルを用いてもよい。
図7および図8に示した各コイル(励磁部10および検知コイル20)の巻回数は第1実施形態の説明のために示した一例であり、各コイルの巻回数は、図示した巻回数よりも多くても少なくてもよい。また、各コイルは、巻線(基板に平行な方向)と垂直な方向に複数層積層してもよい。
(センサ離間距離調整のための構成)
第1実施形態では、ワイヤロープ検査装置200は、距離調整機構30によって、ワイヤロープWの延びる方向(Z方向)および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向(X方向)に対して直交する方向であるY方向において、第1ユニット31とワイヤロープWとの間の距離および第2ユニット32とワイヤロープWとの間の距離を変更することにより、Y方向における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離を変更することが可能である。すなわち、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bをワイヤロープWから遠ざけること、および、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bをワイヤロープWに近づけることが可能である。
第1実施形態では、距離調整機構30の4節リンク機構は、図9および図10に示すように、リンク部材33および34の回動に基づいて、Y方向における第1ユニット31と複数のワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2ユニット32と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。なお、図9は、検知コイル20をワイヤロープWから遠ざけて、センサ離間距離を大きくした場合の一例であり、図10は、検知コイル20をワイヤロープWに近づけて、センサ離間距離を小さくした場合の一例である。
具体的には、図9に示した状態から、リンク部材34および35がr1方向に回動することにより、第1ユニット31および第2ユニット32は、複数のワイヤロープWに近づく方向に移動(図10参照)する。これにより、第1ユニット31とともに、第1平面コイル20aがワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)へ移動するので、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離D1(図9参照)が距離D1よりも小さい距離d1(図10参照)に変更される。また、第2ユニット32とともに、第2平面コイル20bが複数のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)へ移動するので、Y方向における第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離D2(図9参照)が距離D2よりも小さい距離d2(図10参照)に変更される。
また、図10に示した状態から、リンク部材34および35がr2方向に回動することにより、第1ユニット31および第2ユニット32は、複数のワイヤロープWから遠ざかる方向に移動(図9参照)する。これにより、第1ユニット31とともに、第1平面コイル20aがワイヤロープWから遠ざかる方向(Y1方向)へ移動するので、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離d1(図10参照)が距離d1よりも大きい距離D1(図9参照)に変更される。また、第2ユニット32とともに、第2平面コイル20bが複数のワイヤロープWから遠ざかる方向(Y2方向)へ移動するので、Y方向における第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離d2(図10参照)が距離d2よりも大きい距離D2(図9参照)に変更される。なお、距離D1、d1、D2、および、d2は、請求の範囲の「センサ離間距離」の一例である。
距離調整機構30の4節リンク機構は、第1ユニット31および第2ユニット32を複数のワイヤロープWに近接させた際に、X方向に沿うように検知コイル20が配置されるように構成されている。第1実施形態では、図10に示すように、第1ユニット31および第2ユニット32を複数のワイヤロープWに近接させた際に、Y方向から見て、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bが、複数のワイヤロープWの全てに重なるように配置されている。
また、第1実施形態では、距離調整機構30の4節リンク機構は、平行リンク機構であって、リンク部材33およびリンク部材34が互いに平行な状態、かつ、第1ユニット31および第2ユニット32が互いに平行な状態のまま、Y方向における第1ユニット31と複数のワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2ユニット32と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。
また、接続導線部13は、第1ユニット31および第2ユニット32をワイヤロープWに近づけた際に、ワイヤロープWに接触しないように構成されている。接続導線部13は、図10においては、外側(ワイヤロープWが配置する側とは反対側)に凸になるようにたわみ変形しているが、内側(ワイヤロープW側)に凸になるようにたわみ変形した場合でも、ワイヤロープWに接触しないように構成されている。
(センサ離間距離の調整)
ワイヤロープ検査装置200は、エレベータEの運転モードが通常運転モードに設定されている場合(通常運転時)には、図9に示すように、センサ離間距離を相対的に大きくする(距離D1および距離D2にする)ように構成されている。また、ワイヤロープ検査装置200は、エレベータEの運転モードが通常運転モードよりも運転速度が小さい検査運転モードに切り替えられた際(検査運転時)には、図10に示すように、センサ離間距離を相対的に小さくする(距離d1および距離d2にする)ように構成されている。なお、一般的に通常運転モードにおける運転速度(検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度)は500m/分程度であり、検査運転モードにおける運転速度(検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度)は10m/分以上40m/分以下程度である。
一例として、ワイヤロープWの直径が10mmの場合において、通常運転モードにおけるワイヤロープWの片側振動幅は13mm程度、検査運転モードにおけるワイヤロープWの片側振動幅は3mm程度である。
このような場合には、ワイヤロープ検査装置200は、通常運転モードにおける第1ユニット31のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離D3(図9参照)、および、第2ユニット32のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離D4(図9参照)が、13mmよりも大きい距離になる(長くなる)ように、第1ユニット31および第2ユニット32の位置を距離調整機構30(4節リンク機構)によって、それぞれ調整することにより、距離D3および距離D4とともに、センサ離間距離(距離D1および距離D2)を調整する。
たとえば、距離調整機構30は、通常運転モードにおける距離D3および距離D4が、ワイヤロープWの振動幅13mmに5mmの隙間を加えた18mmになるように、第1ユニット31および第2ユニット32の位置を距離調整機構30によって、それぞれ調整することにより、距離D3および距離D4とともに、センサ離間距離(距離D1および距離D2)を調整する。
また、このような場合には、ワイヤロープ検査装置200は、検査運転モードにおける第1ユニット31のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離d3(図10参照)、および、第2ユニット32のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離d4(図10参照)が、13mm以下、かつ、3mmよりも大きい距離になる(長くなる)ように、第1ユニット31および第2ユニット32の位置を距離調整機構30(4節リンク機構)によって、それぞれ調整することにより、距離d3および距離d4とともに、センサ離間距離(距離d1および距離d2)を調整する。
たとえば、距離調整機構30は、検査運転モードにおける距離d3および距離d4が、がワイヤロープWの振動幅3mmに2mmの隙間を加えた5mmになるように、第1ユニット31および第2ユニット32の位置を距離調整機構30によって、それぞれ調整することにより、距離d3および距離d4とともに、センサ離間距離(距離d1および距離d2)を調整する。
すなわち、検査運転モードにおける第1ユニット31のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離d3、および、第2ユニット32のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離d4は、通常運転モードにおける第1ユニット31のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離D3、および、第2ユニット32のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)における端部と複数のワイヤロープWとの間の距離D4のそれぞれ1/3程度の距離である。なお、距離D3およびd3は、請求の範囲の「複数のワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第1ユニットと複数のワイヤロープとの間の距離」の一例である。また、距離D4およびd4は、請求の範囲の「複数のワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第2ユニットと複数のワイヤロープとの間の距離」の一例である。
このように、ワイヤロープ検査装置200は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が通常運転モードにおける運転速度の場合には、センサ離間距離を相対的に大きくする(距離D1および距離D2にする)ように構成されている。また、ワイヤロープ検査装置200は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が通常運転モードにおける運転速度よりも小さい速度である検査運転モードにおける運転速度の場合には、センサ離間距離を相対的に小さくする(距離d1および距離d2にする)ように構成されている。なお、通常運転モードにおける運転速度は、請求の範囲の「第1の速度」の一例であり、検査運転モードにおける運転速度は、請求の範囲の「第2の速度」の一例である。
(ワイヤロープ検査処理)
次に、図11を参照して、第1実施形態のワイヤロープ検査処理をフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1において、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの磁束を検知する検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度を取得する。具体的には、ワイヤロープ検査システム100は、処理装置300を介して、エレベータEと通信して、エレベータEの運転モードに関する情報を取得する。ワイヤロープ検査システム100は、取得した運転モードに関する情報に基づいて、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度を取得する。検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度の取得後、処理ステップは、ステップS2へ移行する。
ステップS2において、ワイヤロープ検査システム100は、センサ離間距離を調整する。ワイヤロープ検査システム100(ワイヤロープ検査装置200)は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度がエレベータEの通常運転モードにおける運転速度の場合には、距離調整機構30によってワイヤロープWが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープWに対する検知コイル20からの距離であるセンサ離間距離を相対的に大きく(距離D1および距離D2に)する。また、ワイヤロープ検査システム100(ワイヤロープ検査装置200)は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度がエレベータEの検査運転モードにおける運転速度の場合には、距離調整機構30によってセンサ離間距離を相対的に小さく(距離d1および距離d2に)する。距離調整機構30によるセンサ離間距離の調整完了後、処理ステップは、ステップS3へ移行する。
ステップS3において、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの磁束の検知を開始する。ワイヤロープ検査システム100(ワイヤロープ検査装置200)は、検知コイル20をワイヤロープWに対して相対的に移動させながら、検知コイル20によってワイヤロープWの磁束を検知する。検知コイル20によるワイヤロープWの磁束の検知の開始後、処理ステップは、ステップS4へ移行する。
ステップS4において、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの異常を判定する。ワイヤロープ検査システム100は、検知コイル20により検知されたワイヤロープWの磁束の変化に基づいて、処理装置300によりワイヤロープWの異常の有無を判定する。ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの異常の有無を判定の終了後、ワイヤロープ検査処理を終了する。
(第1実施形態のワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200の効果)
第1実施形態のワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態のワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200では、検知コイル20は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)におけるワイヤロープWに対する検知コイル20からの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている。これにより、エレベータEの通常運転モードのように、ワイヤロープWの振動幅が比較的大きい場合には、センサ離間距離を大きくする(検知コイル20をワイヤロープWから遠ざける)ことができる。その結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触することを防止することができる。また、エレベータEの検査運転モードのように、ワイヤロープWの振動幅が比較的小さい場合には、センサ離間距離を小さくする(検知コイル20をワイヤロープWに近づける)ことができる。その結果、ワイヤロープWに対する検知コイル20の検出感度(検出精度)を向上させることができる。これらの結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触するのを防止しながら、ワイヤロープWの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200を提供することができる。
また、上記実施形態によるワイヤロープ検査装置200では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度がエレベータEの通常運転モードにおける運転速度(第1の速度)の場合のセンサ離間距離を相対的に大きくする。そして、ワイヤロープ検査装置200は、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が通常運転モードにおける運転速度よりも小さい速度であるエレベータEの検査運転モードにおける運転速度(第2の速度)の場合には、センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている。これにより、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が大きく、ワイヤロープWの振動幅が比較的大きい場合において、センサ離間距離を相対的に大きくする(検知コイル20をワイヤロープWから遠ざける)ことができる。その結果、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が大きく、ワイヤロープWの振動幅が比較的大きい場合において、ワイヤロープWの検知コイル20への接触を防止することができる。また、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が小さく、ワイヤロープWの振動幅が比較的小さい場合において、センサ離間距離を相対的に小さくする(検知コイル20をワイヤロープWに近づける)ことができる。その結果、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が小さく、ワイヤロープWの振動幅が比較的小さい場合において、検知コイル20の検出感度(検出精度)を向上させることができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、エレベータEの通常運転時にはセンサ離間距離を相対的に大きくし、エレベータEの検査運転時にはセンサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている。これにより、エレベータEの通常運転時においては、センサ離間距離を相対的に大きくすることにより、ワイヤロープWの検知コイル20への接触を防止することができる。また、エレベータEの検査運転時においては、センサ離間距離を相対的に小さくすることにより、検知コイル20の検出感度(検出精度)を向上させることができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、エレベータEの運転モードが通常運転モードに設定されている場合は、センサ離間距離を相対的に大きくし、エレベータEの運転モードが通常運転モードよりも運転速度が小さい検査運転モードに切り替えられた際にはセンサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている。これにより、エレベータEの運転モードが通常運転モードに設定されていた場合において、センサ離間距離を相対的に大きくする(検知コイル20をワイヤロープWから遠ざける)ことにより、エレベータEの通常運転時におけるワイヤロープWの検知コイル20への接触を防止することができる。また、エレベータEの運転モードが検査運転モードに切り替えられた(検査運転モードに設定された)ことに基づいて、センサ離間距離を相対的に小さくする(検知コイル20をワイヤロープに近づける)ことができるので、エレベータEの検査運転を行う際には、エレベータEの検査運転時における検知コイル20の検出感度(検出精度)を容易に向上させることができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、センサ離間距離を調整するための距離調整機構30を備える。これにより、距離調整機構30によって、センサ離間距離をより容易に調整することができる。
第1実施形態のワイヤロープ検査装置200では、距離調整機構30は、センサ離間距離を変更するために検知コイル20を検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに駆動させるためのモータ30aを含む。これにより、モータ30aによって、検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに検知コイル20をより容易に移動(駆動)させることができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)における第1平面コイル20a(第1部分)とワイヤロープWとの間の距離(距離D1および距離d1)およびワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2平面コイル20b(第2部分)とワイヤロープWとの間の距離(距離D2および距離d2)をそれぞれ変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。このように構成すれば、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離(距離D1および距離d1)と、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)における第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離(距離D2および距離d2)とを等しくすることができる。その結果、ワイヤロープWを検知コイル20の中央に配置させることができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200は、第1平面コイル20a(第1部分)が設けられた第1ユニット31と、第2平面コイル20b(第2部分)が設けられた第2ユニット32とを備える。そして、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第1ユニット31と複数のワイヤロープWとの間の距離D3および複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2ユニット32と複数のワイヤロープWとの間の距離D4のそれぞれを変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。これにより、第1平面コイル20aが設けられた第1ユニット31および第2平面コイル20bが設けられた第2ユニット32を移動させることによって、検知コイル20を単一のコイルにより構成する場合に比べて、第1平面コイル20aと複数のワイヤロープWとの間の距離および第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離を容易に大きくする(検知コイル20をワイヤロープWから容易に遠ざける)ことができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200では、距離調整機構30(4節リンク機構)は、リンク部材33およびリンク部材34の回動に基づいて、Y方向における第1ユニット31と複数のワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2ユニット32と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。これにより、リンク部材33およびリンク部材34を回動させることによって、センサ離間距離を変更することができるので、センサ離間距離を容易に変更することができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200では、距離調整機構30の4節リンク機構は、平行リンク機構である。これにより、センサ離間距離を調整する際に、複数のワイヤロープWが隣り合う方向(X方向)に沿うように検知コイル20(第1平面コイル20aおよび20b)が配置された状態のまま、センサ離間距離が変更される。その結果、複数のワイヤロープWの各々に対するセンサ離間距離を容易に調整することができる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200では、励磁部10は、第1ユニット31に設けられた第1導線部11、第2ユニット32に設けられた第2導線部12、および、第1導線部11と第2導線部12とを電気的に接続するとともに、たわみ変形可能な接続導線部13とを含む。これにより、接続導線部13が第1導線部11と第2導線部12とを電気的に接続することによって、第1導線部11、第2導線部12、および、接続導線部13が励振コイルとして機能する。また、第1ユニット31および第2ユニット32をワイヤロープWに近づける際に、接続導線部13をたわみ変形させることができるので、第1導線部11と第2導線部12とを電気的に接続した状態で第1ユニット31および第2ユニット32を容易に移動させることができる。また、第1導線部11を第1ユニット31に設けることにより、検知コイル20の第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離D1(距離d1)を変更する際に、励磁部10の第1導線部11とワイヤロープWとの間の距離を同時に変更することができる。また、第2導線部12を第2ユニット32に設けることにより、検知コイル20の第2平面コイル20bとワイヤロープWとの間の距離D2(d2)を変更する際に、励磁部10の第2導線部12とワイヤロープWとの間の距離を同時に変更することができる。
(第1実施形態のワイヤロープ検査方法の効果)
第1実施形態のワイヤロープ検査方法では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態のワイヤロープ検査方法では、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度がエレベータEの通常運転モードにおける運転速度(第1の速度)の場合のセンサ離間距離を相対的に大きくする。そして、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が通常運転モードにおける運転速度よりも小さい速度である検査運転モードにおける運転速度(第2の速度)の場合には、センサ離間距離を相対的に小さくする。これにより、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が大きく、ワイヤロープWの振動幅が比較的大きい場合において、センサ離間距離を相対的に大きくする(検知コイル20をワイヤロープWから遠ざける)ことができる。その結果、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が大きく、ワイヤロープWの振動幅が比較的大きい場合において、ワイヤロープWの検知コイル20への接触を防止することができる。また、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が小さく、ワイヤロープWの振動幅が比較的小さい場合において、センサ離間距離を相対的に小さくする(検知コイル20をワイヤロープWに近づける)ことができる。その結果、検知コイル20に対するワイヤロープWの相対速度が小さく、ワイヤロープWの振動幅が比較的小さい場合において、検知コイル20の検出感度(検出精度)を向上させることができる。この結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触するのを防止しながら、ワイヤロープWの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査方法を提供することができる。
また、上記実施形態による第1実施形態のワイヤロープ検査方法では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
また、第1実施形態のワイヤロープ検査方法では、通常運転時にはセンサ離間距離を相対的に大きくし、検査運転時にはセンサ離間距離を相対的に小さくする。これにより、通常運転時においては、センサ離間距離を相対的に大きくすることにより、ワイヤロープWの検知コイル20への接触を防止することができる。また、検査運転時においては、センサ離間距離を相対的に小さくすることにより、検知コイル20の検出感度(検出精度)を向上させることができる。
[第2実施形態]
図12~図14を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査装置400の構成について説明する。第2実施形態のワイヤロープ検査装置400による距離調整機構430では、作業者がハンドル436(図12参照)を回し、ねじ部材433(図13参照)を回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432を、互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動させるように構成されている。すなわち、第2実施形態によるワイヤロープ検査装置400には、第1ユニット431および第2ユニット432とともに、検知コイル20(第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20b)をY方向に平行に動かせるという特徴がある。
図12および図13に示すように、距離調整機構430には、ハンドル436と、歯付きプーリ434と、歯付きベルト435と、ベース部材437とが設けられている。
また、第2実施形態では、図13および図14に示すように、距離調整機構430は、第1ユニット431および第2ユニット432に螺合するねじ部材433を含む。また、図13および図14に示すように、X2方向側のねじ部材433には、歯付きプーリ434を介してハンドル436が設けられている。
ワイヤロープ検査装置400の距離調整機構430は、ねじ部材433を動かす(回転させる)ことにより、Y方向における第1ユニット431と複数のワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2ユニット432と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。なお、図13は、検知コイル20をワイヤロープWから遠ざけて、センサ離間距離を大きくした(距離D1および距離D2にした)場合の一例であり、図14は、検知コイル20をワイヤロープWに近づけて、センサ離間距離を小さくした(距離d1および距離d2にした)場合の一例である。
距離調整機構430は、ねじ部材433を回転方向r3(図12参照)に回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに近接する方向に移動(図14参照)するように構成されている。また、距離調整機構430は、ねじ部材433を回転方向r4(図12参照)に回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに離間する方向に移動(図13参照)するように構成されている。なお、回転方向r3は、請求の範囲の「第1回転方向」の一例であり、回転方向r4は、請求の範囲の「第2回転方向」の一例である。
また、ねじ部材433のY1側には右ネジが切ってあり、ねじ部材433のY2側には左ネジが切ってある。第2実施形態における距離調整機構430では、作業者がハンドル436を回すことによって、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動するように構成されている。第1ユニット431および第2ユニット432は、ハンドル436が作業者によって、回されることにより、図13および図14に示すように、ベース部材437に設けられたガイド部437aに沿って、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動するように構成されている。また、ガイド部437aは、図12に示すように、第1ユニット431(第2ユニット432)の複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に平行な面(XZ平面)における四隅近傍に設けられる。なお、ハンドル436は、請求の範囲の「駆動部」の一例である。
具体的には、距離調整機構430では、ハンドル436を動かす(回転させる)ことにより、X2方向側のねじ部材433が回転するように構成されている。そして、ハンドル436の回転は、X2方向側のねじ部材433に設けられた歯付きプーリ434と、歯付きベルト435と、X1方向側のねじ部材433に設けられた歯付きプーリ434とを介して、X1方向側のねじ部材433に伝わり、X1方向側のねじ部材433を動かす(回転させる)。これにより、X2方向側のねじ部材433と、X1方向側のねじ部材433とを同期させて動かすことが可能である。したがって、ハンドル436を動かすことによって、検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに検知コイル20をより容易に移動(駆動)させることができる。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態のワイヤロープ検査装置400では、検知コイル20は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)におけるワイヤロープWに対する検知コイル20からの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている。その結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触するのを防止しながら、ワイヤロープWの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査装置400を提供することができる。
また、上記第2実施形態によるワイヤロープ検査装置400では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
第2実施形態のワイヤロープ検査装置400では、距離調整機構430は、ねじ部材433を回転方向r3に回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに近接する方向に移動するとともに、ねじ部材433を回転方向r4に回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432が互いに離間する方向に移動するように構成されている。これにより、ねじ部材433を回転させることによって、第1ユニット431および第2ユニット432を互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動させることができるので、センサ離間距離を容易に変更することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図15および図16を参照して、第3実施形態によるワイヤロープ検査装置500の構成について説明する。
第3実施形態では、図15および図16に示すように、検知コイル520は、複数のワイヤロープWの各々に設けられている。すなわち、複数の独立した検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)が、複数のワイヤロープWの各々に設けられている。なお、第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520bは、それぞれ請求の範囲の「第1部分」および「第2部分」の一例である。また、複数のワイヤロープWの各々に設けられた複数の検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)の各々は、Z方向から見て、複数のワイヤロープWから離間する方向に突出する湾曲形状を有する。具体的には、複数の第1検知コイル520aの各々は、Z方向から見て、複数のワイヤロープWから離間するY1方向に突出する湾曲形状を有する。また、複数の第2検知コイル520bの各々は、Z方向から見て、複数のワイヤロープWから離間するY2方向に突出する湾曲形状を有する。
また、検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)を複数のワイヤロープWに近接させた状態において、第1検知コイル520aと第2検知コイル520bとがZ方向から見て、環状に配置される。なお、環状とは、Z方向から見て輪状であることであり、第1検知コイル520aと第2検知コイル520bの間は、接していてもよいし、隙間が設けられていてもよい。また、第3実施形態では、複数の検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)は、フレキシブルプリント基板に導体パターンとして形成されている。
また、第3実施形態では、第1ユニット531および第2ユニット532の各々を、複数のワイヤロープWに近接する方向と、複数の検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)が複数のワイヤロープWから離間する方向とに移動させることにより、センサ離間距離を変更可能に構成されている。
ワイヤロープ検査装置500の距離調整機構530は、ねじ部材533を動かす(回転させる)ことにより、Y方向における第1ユニット531と複数のワイヤロープWとの間の距離およびY方向における第2ユニット532と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、複数のワイヤロープWの各々に設けられた検知コイル520からの複数のワイヤロープWに対するセンサ離間距離を変更可能に構成されている。すなわち、第1ユニット531および第2ユニット532の移動により、複数の検知コイル520のセンサ離間距離を変更可能に構成されている。なお、図15は、検知コイル520をワイヤロープWから遠ざけて、センサ離間距離を大きくした(距離D1および距離D2にした)場合の一例であり、図16は、検知コイル520をワイヤロープWに近づけて、センサ離間距離を小さくした(距離d1および距離d2にした)場合の一例である。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態のワイヤロープ検査装置500では、複数の検知コイル520は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)におけるワイヤロープWに対する複数の検知コイル520からの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている。その結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触するのを防止しながら、ワイヤロープWの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査装置500を提供することができる。
また、上記第3実施形態によるワイヤロープ検査装置500では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
第3実施形態のワイヤロープ検査装置500では、検知コイル20は、複数のワイヤロープWの各々に設けられており、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第1ユニット531と複数のワイヤロープWとの間の距離および複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2ユニット532と複数のワイヤロープWとの間の距離をそれぞれ変更することにより、複数のワイヤロープWの各々に設けられた検知コイル520からの複数のワイヤロープWに対するセンサ離間距離を変更可能に構成されている。これにより、複数のワイヤロープWに対して共通に検知コイル20を設ける場合に比べて、複数のワイヤロープWの各々の異常を精度よく検査することができる。
また、第3実施形態のワイヤロープ検査装置500では、検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)は、複数のワイヤロープWと離間する方向に突出する湾曲形状を有する。これにより、複数のワイヤロープWの外形に沿うように、ワイヤロープWから離間する方向に突出する湾曲形状を有する検知コイル520(第1検知コイル520aおよび第2検知コイル520b)を形成することができる。その結果、複数のワイヤロープWに対する検知コイル520の距離をより近づけることができるので、複数のワイヤロープWに対する検知コイル520の検出感度(検出精度)をより向上させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図17~図21を参照して、第4実施形態によるワイヤロープ検査装置600の構成について説明する。第5実施形態のワイヤロープ検査装置600による距離調整機構630では、空気圧シリンダ(空気圧シリンダ630aおよび630b)の伸縮により、第1ユニット631および第2ユニット632を、互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動させるように構成されている。
第4実施形態では、図17に示すように、ワイヤロープ検査システム104は、ボンベ601と、電磁弁602とを備える。ボンベ601は、センサ離間距離を調整するためにワイヤロープ検査装置600に供給される空気が充填されている。電磁弁602は、ボンベ601による空気の供給と供給の停止とを切り替えるように構成されている。ボンベ601および電磁弁602は、ワイヤロープ検査装置600が配置される空間とは異なる空間に配置されている。また、空気圧シリンダ(空気圧シリンダ630aおよび630b)は、ボンベ601から供給された空気を排出可能に構成されている。
また、処理装置300は、通信部301を介して取得したエレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)に基づいて、電磁弁602の開閉の制御を行うように構成されている。
距離調整機構630は、図18に示すように、センサ離間距離を変更するために検知コイル20を検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに駆動させるための空気圧シリンダ630aおよび630bを含む。なお、空気圧シリンダ630aおよび630bは、請求の範囲の「駆動部」の一例である。空気圧シリンダ630aおよび630bには、ボンベ601に充填された空気が電磁弁602を介して供給される。
また、距離調整機構630は、図18に示すように、空気圧シリンダ630aおよび30bを保持する保持部633と、ねじ部材634と、支持部635と、サポート棒636とを含む。支持部635は、検知コイル20が複数のワイヤロープWに近接する方向および検知コイル20が複数のワイヤロープWから離間する方向への第1ユニット631および第2ユニット632の移動をガイドするガイド部635aを含む。
また、保持部633は、図18に示すように、保持部633aと、保持部633bを含む。保持部633aは、第1ユニット31のワイヤロープWが配置される側とは反対側(Y1方向側)において、第1ユニット31に沿うように形成されている。保持部633aは、複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に平行な面に垂直な方向(Y方向)から見て、第1ユニット31と重なるように構成(図18および図19参照)されている。
図18に示すように、第1ユニット631と保持部633aとの間には、空気圧シリンダ630aが配置されている。保持部633aは、空気圧シリンダ630aが伸縮する際に空気圧シリンダ630aを保持する板状の部材である。保持部633aには、ねじ部材634により、支持部635に接続されたサポート棒636が固定されている。
また、保持部633bは、第2ユニット632のワイヤロープWが配置される側とは反対側(Y2方向側)において、第2ユニット632に沿うように形成されている。保持部633bは、Y方向から見て第2ユニット632と重なるように構成(図18参照)されている。
図18に示すように、第2ユニット632と保持部633bとの間には、空気圧シリンダ630bが配置されている。保持部633bは、空気圧シリンダ630bが伸縮する際に空気圧シリンダ630bを保持する板状の部材である。保持部633bには、ねじ部材634により、支持部635に接続されたサポート棒636が固定(図18参照)されている。また、支持部635は、X方向において、第1ユニット631および第2ユニット632を挟むように2つ設けられており、2つの支持部635の各々には、ガイド部635aが設けられている。
ガイド部635aは、図19に示すように、第1ユニット631(第2ユニット632)の複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に平行な面(XZ平面)における四隅近傍に設けられる。
(センサ離間距離調整のための構成)
第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置600は、距離調整機構630によって、ワイヤロープWの延びる方向(Z方向)および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向(X方向)に対して直交する方向(Y方向)において、第1ユニット631とワイヤロープWとの間の距離を変更することにより、Y方向における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離を変更する(第1平面コイル20aをワイヤロープWから遠ざける、または、第1平面コイル20aをワイヤロープWに近づける)ことが可能である。
具体的には、第1ユニット631は、空気圧シリンダ630aが収縮した状態(図20参照)から空気圧シリンダ630aが伸張する(図21参照)ことにより、ガイド部635aに沿って、複数のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)に移動する。これにより、第1ユニット631とともに、第1平面コイル20aが複数のワイヤロープWに近づく方向(Y2方向)へ移動するので、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離D1(図20参照)が距離D1よりも小さい距離d1(図21参照)に変更される。
また、第1ユニット631は、空気圧シリンダ630aが伸張した状態(図21参照)から空気圧シリンダ630aが収縮する(図20参照)ことにより、ガイド部635aに沿って、複数のワイヤロープWから遠ざかる方向(Y1方向)に移動する。これにより、第1ユニット631とともに、第1平面コイル20aが複数のワイヤロープWから遠ざかる方向(Y1方向)へ移動するので、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第1平面コイル20aとワイヤロープWとの間の距離d1(図21参照)が距離d1よりも大きい距離D1(図20参照)に変更される。
また、第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置600は、距離調整機構630によって、Y方向において、第2ユニット632と複数のワイヤロープWとの間の距離を変更することにより、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2平面コイル20bと複数のワイヤロープWとの間の距離を変更する(第2平面コイル20bをワイヤロープWから遠ざける、または、第2平面コイル20bをワイヤロープWに近づける)ことができる。
具体的には、第2ユニット632は、空気圧シリンダ630bが収縮した状態(図20参照)から空気圧シリンダ630bが伸張する(図21参照)ことにより、ガイド部635aに沿って、複数のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)に移動する。これにより、第2ユニット632とともに、第2平面コイル20bが複数のワイヤロープWに近づく方向(Y1方向)へ移動するので、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2平面コイル20bと複数のワイヤロープWとの間の距離D2(図20参照)が距離D2よりも小さい距離d2(図21参照)に変更される。
また、第2ユニット632は、空気圧シリンダ630bが伸張した状態(図21参照)から空気圧シリンダ630bが収縮する(図20参照)ことにより、ガイド部635aに沿って、複数のワイヤロープWから遠ざかる方向(Y2方向)に移動する。これにより、第2ユニット632とともに、第2平面コイル20bが複数のワイヤロープWから遠ざかる方向(Y2方向)へ移動するので、複数のワイヤロープWが延びる方向と直交する方向における第2平面コイル20bと複数のワイヤロープWとの間の距離d2(図21参照)が距離d2よりも大きい距離D2(図20参照)に変更される。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1~第3実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態のワイヤロープ検査装置600では、検知コイル20は、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)におけるワイヤロープWに対する検知コイル20からの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている。その結果、ワイヤロープWが検知コイル20に接触するのを防止しながら、ワイヤロープWの異常を精度よく検査することが可能なワイヤロープ検査装置600を提供することができる。
また、上記第4実施形態によるワイヤロープ検査装置600では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
第4実施形態のワイヤロープ検査装置600では、距離調整機構630は、センサ離間距離を変更するために検知コイル20を検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに駆動させるための空気圧シリンダ630aおよび630bを含む。このように構成すれば、空気圧シリンダ630aおよび630bによって、検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、検知コイル20がワイヤロープWから離間する方向とに検知コイル20をより容易に移動(駆動)させることができる。また、両側の終端位置が正確な、すなわち、ワイヤロープWに近接する方向の終端位置およびワイヤロープWから離間する方向の終端位置が正確な空気圧シリンダ(空気圧シリンダ630aおよび630b)によって、検知コイル20をワイヤロープWに近接する方向と、ワイヤロープWから離間する方向とに移動させることができる。その結果、再現性良く検知コイル20をワイヤロープWに近接する方向と、ワイヤロープWから離間する方向とに移動させることができる。
また、空気圧シリンダ630aおよび630bは、空気圧によって、検知コイル20をワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)に駆動させることができる。その結果、モータなど磁界を用いる駆動部により検知コイル20を駆動させる場合と異なり、検知コイル20におけるノイズの発生を抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
また、前述した第1~第4実施形態の構成を組み合わせてもよい。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置200は、複数のワイヤロープWの磁束を計測する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、1本のワイヤロープの磁束を計測するワイヤロープ検査装置に適用してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置200は、距離調整機構30によって、ワイヤロープWの延びる方向および複数のワイヤロープW同士が互いに隣り合う方向に対して直交する方向(Y方向)において、センサ離間距離を変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置は、ワイヤロープが延びる方向と直交する方向におけるワイヤロープに対する検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能であればよい。そのため、本発明では、ワイヤロープ検査装置は、複数のワイヤロープ同士が互いに隣り合う方向において、センサ離間距離を変更するように距離調整機構を構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、第1ユニット31には、第1導線部11および第1平面コイル20aが設けられ、第2ユニット32には、第2導線部12および第2平面コイル20bが設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置は、第1導線部と第1平面コイルとを別々のユニットに設けて、第1導線部および第1平面コイルのそれぞれのワイヤロープに対する距離を調整可能に構成してもよい。また、本発明では、第2導線部と第2平面コイルとを別々のユニットに設けて、第2導線部および第2平面コイルのそれぞれのワイヤロープに対する距離を調整可能に構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、検知コイル20は、第1平面コイル20aと第2平面コイル20bとが差動接続された差動コイルとなるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置は、検知コイルとして、フレキシブル基板などの可撓性を有する基板に形成された1つのコイルを適用し、1つのコイルを変形させることにより、センサ離間距離を変更するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、検知コイル20を第1平面コイル20aと第2平面コイル20bとにより、ワイヤロープWを挟むように構成して、ワイヤロープWの磁束を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルは、ワイヤロープを挟まずに1つの平面コイルによりワイヤロープの延びる方向と交差する方向の一方向からワイヤロープの磁束を検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、センサ離間距離を変更する際に、第1ユニット31および第2ユニット32の両方を移動させて、距離D1(距離d1)および距離D2(距離d2)の両方を変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ユニットのみを移動させることにより、センサ離間距離を変更するようにしてもよいし、第2ユニット32のみを移動させることにより、センサ離間距離を変更するようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、処理装置300による電磁弁602の制御により空気圧シリンダ630aおよび630bに対するボンベ601からの空気の供給を制御する例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、電磁弁を設けずに作業者の手作業によってボンベ601からの空気の供給が行われるように構成されてもよい。
また、第1実施形態では、第1ユニット31と第2ユニット32とを一対の横リンク部材(第2リンク部材)として用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ユニットおよび第2ユニットとは、別個に横リンク部材(第2リンク部材)を設け、それらに第1ユニットおよび第2ユニットを固定してもよい。この場合、横リンク部材(第2リンク部材)の移動にともなって、第1ユニットおよび第2ユニットが移動することにより、第1ユニットおよび第2ユニットを検知コイル20がワイヤロープWに近接する方向と、ワイヤロープWから離間する方向とに移動させることができる。
また、第1実施形態では、モータ30aにより、距離調整機構30の4節リンク機構を動かす例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、図22および図23に示す第1変形例によるワイヤロープ検査装置700のように、距離調整機構730の4節リンク機構を、駆動部を用いずに手動により動かす構成にしてもよい。なお、第1変形例によるワイヤロープ検査装置700では、リンク部材734の両端部近傍に固定用ねじ761が設けられており、ベース部材760に固定用ねじ穴762が設けられている。そして、ワイヤロープ検査装置700の距離調整機構730は、検知コイル20をワイヤロープWから遠ざけた際に、ベース部材760のY2方向側の固定用ねじ穴762と、Y2方向側の固定用ねじ761とを用いて、リンク部材734をベース部材760に締結可能に構成(図22参照)されている。また、距離調整機構730は、検知コイル20をワイヤロープWに近づけた際に、ベース部材760のY1方向側の固定用ねじ穴762と、Y1方向側の固定用ねじ761とを用いて、リンク部材734をベース部材760に締結可能に構成(図23参照)されている。
また、第1実施形態では、第1ユニット31および第2ユニット32を複数のワイヤロープWから遠ざけた際にも、Y方向から見て、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bが、複数のワイヤロープWの全てに重なるように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図22および図23に示す第1変形例によるワイヤロープ検査装置700のように、第1ユニット731および第2ユニット732を複数のワイヤロープWから遠ざけた際(図22参照)に、Y方向から見て、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bが、複数のワイヤロープWの全てに重ならずに、複数のワイヤロープWの一部に重なるように配置されるように構成されてもよい。なお、第2変形例によるワイヤロープ検査装置700においても、第1ユニット731および第2ユニット732を複数のワイヤロープWから近づけた際(図23参照)には、第1実施形態のワイヤロープ検査装置200と同様に、Y方向から見て、第1平面コイル20aおよび第2平面コイル20bが、複数のワイヤロープWの全てに重なるように配置される。
また、第1実施形態では、距離調整機構30の4節リンク機構は、平行リンクである例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、4節リンク機構は、平行リンク機構でなくてもよい。たとえば、図24および図25に示す第2変形例によるワイヤロープ検査装置800の距離調整機構830(4節リンク機構)のように、ワイヤロープWに検知コイル20が遠ざかった場合(図24参照)には、リンク部材831に設けられた検知コイル20(第1平面コイル20a)と、リンク部材832に設けられた検知コイル20(第2平面コイル20b)とが平行ではなくてもよい。本発明では、図24および図25に示す距離調整機構830のように、ワイヤロープWに検知コイル20が近づいた場合(図25参照)にのみ、リンク部材831に設けられた検知コイル20(第1平面コイル20a)と、リンク部材832に設けられた検知コイル20(第2平面コイル20b)とが平行になるように構成してもよい。
また、第2実施形態では、距離調整機構30(第1ユニット431および第2ユニット432)には、ねじ部材433が、2つ設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ねじ部材は1つのみ設けられるように構成してもよい。この場合、第1ユニットおよび第2ユニットの移動は、ガイド部437a(図12および図13参照)によってガイドされる。また、本発明では、距離調整機構(第1ユニットおよび第2ユニット)に3つ以上のねじ部材が設けられ、それらを同期して回転させるように構成してもよい。
また、第1実施形態では、磁界印加部51および磁界印加部52の2つの磁界印加部が、Z方向において、検知コイル20を挟むように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置は、Z方向(ワイヤロープの延びる方向に沿った方向)において、検知コイルの一方側にのみ(1つのみ)磁界印加部を配置する構成でもよい。
また、第1実施形態では、磁界印加部51および磁界印加部52は、異なる磁極が対向するように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図26に示す第3変形例のように、同じ磁極が対向するように、磁界印加部51および磁界印加部52(磁石)を配置してもよいし、図27に示す第4変形例のように、ワイヤロープWに対して磁界印加部51および磁界印加部52(磁石)を横向きに配置してもよい。
また、第1実施形態では、複数のワイヤロープWは、Z方向に沿って(略平行に)延びる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図28に示すように、ワイヤロープ検査装置200は、Z方向に対して傾斜する方向に延びる複数のワイヤロープに取り付けられてもよい。この場合、距離調整機構30(4節リンク機構)のリンク部材33および34は、Z方向に沿った回動軸線回りに回動してもよいし、Z方向に対して傾斜する方向に延びる複数のワイヤロープの延びる方向に沿った回動軸線回りに回動してもよい。
また、第2実施形態では、作業者がハンドル436を回し、距離調整機構430のねじ部材433を回転させることにより、第1ユニット431および第2ユニット432を、互いに近接する方向または互いに離間する方向に移動させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。ねじ部材433は、電動モータなどのアクチュエータによって、回転させてもよい。この場合、電動モータなどのアクチュエータは、処理装置300の処理部302(図1参照)または、制御基板40の処理部41(図2参照)などが、エレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)や作業者の操作に基づいて、アクチュエータの駆動のための制御を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、距離調整機構30は、モータ30aを駆動部として含む例を示し、第2実施形態では、距離調整機構430は、ハンドル436を駆動部として含む例を示し、第4実施形態では、距離調整機構630は、空気圧シリンダ630aおよび630bを駆動部として含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部は、モータおよび空気圧シリンダ以外のアクチュエータ(油圧シリンダ、水圧シリンダ、回転型空圧機器、および、電動シリンダなどのアクチュエータ)を含んでもよい。また、互いに反対方向へ同距離動く機構としては2本のラックに挟まれたピニオンによるもの、2つのプーリの間に張られたベルトの別の側を固定して使うもの、カムによるものなど多くの事例が考えられるのでいずれの方法が使われてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、エレベータEのワイヤロープWを検査するワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置200の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、クレーンおよびロープウェイなどのエレベータ以外のワイヤロープを検査するワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置に適用してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、通常運転モード時にはセンサ離間距離を相対的に大きくし、検査運転モード時にはセンサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通常運転モードおよび検査運転モード以外に運転速度の異なる運転モードを有する場合に、それぞれの運転モードの運転速度に応じてセンサ離間距離を変更するようにワイヤロープ検査システムを構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、処理装置300からの制御により距離調整機構30によるセンサ離間距離の調整を開始する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、作業者による処理装置への操作、または、作業者によるワイヤロープ検査装置に設けられたボタンの操作など作業者の操作に基づいて、センサ離間距離の調整を開始するようにワイヤロープ検査装置を構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープ検査システム100は、処理装置300を介してエレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得可能に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エレベータの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得せずに、レーザ速度計のような非接触の速度計によって検知コイル20に対するワイヤロープの相対速度を取得するように構成してもよい。この場合、ワイヤロープ検査システムの処理装置は、速度計によって取得した検知コイルに対するワイヤロープの相対速度に基づいて、駆動部を制御して、センサ離間距離を変更する。
また、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープ検査システム100は、処理装置300を介してエレベータEの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得可能に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置がエレベータの制御システムと通信して、エレベータの運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、説明の便宜上、本発明のワイヤロープ検査処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
ワイヤロープに対して磁束を印加する励磁部と、
前記励磁部により磁束が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、を備え、
記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されている、ワイヤロープ検査装置。
(項目2)
前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合の前記センサ離間距離を相対的に大きくし、前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が前記第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、前記センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目3)
通常運転時には前記センサ離間距離を相対的に大きくし、検査運転時には前記センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている、項目1または2に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目4)
前記ワイヤロープは、エレベータに設けられており、
前記エレベータの運転モードが通常運転モードに設定されている場合は、前記センサ離間距離を相対的に大きくし、前記エレベータの運転モードが前記通常運転モードよりも運転速度が小さい検査運転モードに切り替えられた際には前記センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている、項目3に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目5)
前記センサ離間距離を調整するための距離調整機構をさらに備える、項目1~4のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目6)
前記距離調整機構は、前記センサ離間距離を変更するために前記検知コイルを前記検知コイルが前記ワイヤロープに近接する方向と、前記検知コイルが前記ワイヤロープから離間する方向とに駆動させるための駆動部を含む、項目5に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目7)
前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている第1部分と、前記ワイヤロープに対して前記第1部分が配置される側とは反対側において前記第1部分とともに前記ワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、
前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1部分と前記ワイヤロープとの間の距離および前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2部分と前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、項目6に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目8)
前記ワイヤロープは、複数設けられており、
前記検知コイルの前記第1部分を構成する第1平面コイルが設けられた第1ユニットと、
前記検知コイルの前記第2部分を構成する第2平面コイルが設けられた第2ユニットと、をさらに備え、
複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、項目7に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目9)
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットは、複数の前記ワイヤロープを挟むように配置されており、
前記距離調整機構は、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットに螺合するねじ部材を含み、
前記距離調整機構は、前記ねじ部材を第1回転方向に回転させることにより、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットが互いに近接する方向に移動するとともに、前記ねじ部材を第2回転方向に回転させることにより、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットが互いに離間する方向に移動するように構成されている、項目8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目10)
前記距離調整機構は、複数の前記ワイヤロープ同士が互いに隣り合う第1方向としてのX方向において複数の前記ワイヤロープを挟むように配置される一対の第1リンク部材と、前記X方向と直交する方向としてのY方向において複数の前記ワイヤロープを挟むように配置される一対の第2リンク部材とを連結した4節リンク機構を含み、
前記一対の第1リンク部材は、前記X方向および前記Y方向に直交する第3方向としてのZ方向に沿った回動軸線回りに回動するように構成されており、
前記4節リンク機構は、前記一対の第1リンク部材の回動に基づいて、前記Y方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および前記Y方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、項目8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目11)
前記4節リンク機構は、前記一対の第1リンク部材が互いに平行な状態、かつ、前記一対の第2リンク部材が互いに平行な状態のまま、前記Y方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および前記Y方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている平行リンク機構を含む、項目10に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目12)
前記駆動部は、前記センサ離間距離を変更するために前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープに近接する方向と、前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープから離間する方向とに前記検知コイルを駆動させるための空気圧シリンダを含み、
前記距離調整機構は、前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープに近接する方向および前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープから離間する方向への前記第1ユニットおよび前記第2ユニットの移動をガイドするガイド部と、前記空気圧シリンダを保持する保持部とを含む、項目8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目13)
前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープの各々に設けられており、
複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、複数の前記ワイヤロープの各々に設けられた前記検知コイルからの複数の前記ワイヤロープに対する前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、項目8~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目14)
前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープと離間する方向に突出する湾曲形状を有する、項目13に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目15)
前記励磁部は、前記第1ユニットに設けられた第1導線部、前記第2ユニットに設けられた第2導線部、および、前記第1導線部と前記第2導線部とを電気的に接続するとともに、たわみ変形可能な接続導線部とを含む、項目8~14のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目16)
ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを備えるワイヤロープ検査装置と、
前記検知コイルの検知信号を取得する処理装置と、を備え、
前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離を変更可能に構成されており、
前記処理装置は、前記検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
(項目17)
ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度を取得するステップと、
前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を相対的に大きくし、前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が前記第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、前記センサ離間距離を相対的に小さくして前記センサ離間距離を変更するステップと、
前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を前記検知コイルにより検知するステップとを含み、
前記検知コイルにより検知された前記ワイヤロープの磁束の変化に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するステップとを含む、ワイヤロープ検査方法。
(項目18)
前記センサ離間距離を変更するステップは、通常運転時には前記センサ離間距離を相対的に大きくし、検査運転時には前記センサ離間距離を相対的に小さくするステップである、項目17に記載のワイヤロープ検査方法。
10 励磁部
11 第1導線部
12 第2導線部
13 接続導線部
20、520 検知コイル
20a 第1平面コイル(第1部分)
20b 第2平面コイル(第2部分)
30、430、530、630、730、830 距離調整機構
30a モータ(駆動部)
31、731、831 第1ユニット(第2リンク部材)
32、732、832 第2ユニット(第2リンク部材)
33、34、734 リンク部材(第1リンク部材)
100、104 ワイヤロープ検査システム
200、400、500、600、700、800 ワイヤロープ検査装置
300 処理装置
431、531、631 第1ユニット
432、532、632 第2ユニット
433、533 ねじ部材
436 ハンドル(駆動部)
520a 第1検知コイル(第1部分)
520b 第2検知コイル(第2部分)
630a、630b 空気圧シリンダ(駆動部)
633(633a、633b) 保持部
635a ガイド部
E エレベータ
D1 (通常運転モードにおける)センサ離間距離
D2 (通常運転モードにおける)センサ離間距離
D3 距離(ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第1ユニットとワイヤロープとの間の距離)
D4 距離(ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第2ユニットとワイヤロープとの間の距離)
d1 (検査運転モードにおける)センサ離間距離
d2 (検査運転モードにおける)センサ離間距離
d3 距離(ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第1ユニットとワイヤロープとの間の距離)
d4 距離(ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における第2ユニットとワイヤロープとの間の距離)
r3 回転方向(第1回転方向)
r4 回転方向(第2回転方向)

Claims (16)

  1. エレベータに設けられたワイヤロープに対して磁束を印加することにより、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振する励磁部と、
    前記励磁部により磁束が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、を備え、
    前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されており、
    前記検知コイルは、第1部分と、前記第1部分とともに前記ワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、
    前記エレベータに設けられた前記ワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、前記ワイヤロープに対する前記第1部分と前記第2部分との各々の前記センサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整する距離調整機構をさらに備える、ワイヤロープ検査装置。
  2. 前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合の前記センサ離間距離を相対的に大きくし、前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が前記第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、前記センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  3. 記エレベータの運転モードが通常運転モードに設定されている場合は、前記センサ離間距離を相対的に大きくし、前記エレベータの運転モードが前記通常運転モードよりも運転速度が小さい検査運転モードに切り替えられた際には前記センサ離間距離を相対的に小さくするように構成されている、請求項1または2に記載のワイヤロープ検査装置。
  4. 前記距離調整機構は、前記センサ離間距離を変更するために前記検知コイルを前記検知コイルが前記ワイヤロープに近接する方向と、前記検知コイルが前記ワイヤロープから離間する方向とに駆動させるための駆動部を含む、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  5. 前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている前記第1部分と、前記ワイヤロープに対して前記第1部分が配置される側とは反対側において前記第1部分とともに前記ワイヤロープを挟むように配置されている前記第2部分とを含み、
    前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1部分と前記ワイヤロープとの間の距離および前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2部分と前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  6. 前記ワイヤロープは、複数設けられており、
    前記検知コイルの前記第1部分を構成する第1平面コイルが設けられた第1ユニットと、
    前記検知コイルの前記第2部分を構成する第2平面コイルが設けられた第2ユニットと、をさらに備え、
    複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  7. 前記第1ユニットおよび前記第2ユニットは、複数の前記ワイヤロープを挟むように配置されており、
    前記距離調整機構は、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットに螺合するねじ部材を含み、
    前記距離調整機構は、前記ねじ部材を第1回転方向に回転させることにより、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットが互いに近接する方向に移動するとともに、前記ねじ部材を第2回転方向に回転させることにより、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットが互いに離間する方向に移動するように構成されている、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  8. 前記距離調整機構は、複数の前記ワイヤロープ同士が互いに隣り合うX方向において複数の前記ワイヤロープを挟むように配置される一対の第1リンク部材と、前記X方向と直交する方向としてのY方向において複数の前記ワイヤロープを挟むように配置される一対の第2リンク部材とを連結した4節リンク機構を含み、
    前記一対の第1リンク部材は、前記X方向および前記Y方向に直交するZ方向に沿った回動軸線回りに回動するように構成されており、
    前記4節リンク機構は、前記一対の第1リンク部材の回動に基づいて、前記Y方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および前記Y方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  9. 前記4節リンク機構は、前記一対の第1リンク部材が互いに平行な状態、かつ、前記一対の第2リンク部材が互いに平行な状態のまま、前記Y方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および前記Y方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、前記センサ離間距離を変更可能に構成されている平行リンク機構を含む、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  10. 前記駆動部は、前記センサ離間距離を変更するために前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープに近接する方向と、前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープから離間する方向とに前記検知コイルを駆動させるための空気圧シリンダを含み、
    前記距離調整機構は、前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープに近接する方向および前記検知コイルが複数の前記ワイヤロープから離間する方向への前記第1ユニットおよび前記第2ユニットの移動をガイドするガイド部と、前記空気圧シリンダを保持する保持部とを含む、請求項に記載のワイヤロープ検査装置。
  11. 前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープの各々に設けられており、
    複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第1ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離および複数の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記第2ユニットと複数の前記ワイヤロープとの間の距離をそれぞれ変更することにより、複数の前記ワイヤロープの各々に設けられた前記検知コイルからの複数の前記ワイヤロープに対する前記センサ離間距離を変更可能に構成されている、請求項6~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  12. 前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープと離間する方向に突出する湾曲形状を有する、請求項11に記載のワイヤロープ検査装置。
  13. 前記励磁部は、前記第1ユニットに設けられた第1導線部、前記第2ユニットに設けられた第2導線部、および、前記第1導線部と前記第2導線部とを電気的に接続するとともに、たわみ変形可能な接続導線部とを含む、請求項6~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  14. エレベータに設けられたワイヤロープに対して磁束を印加することにより、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振する励磁部と、前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置と、
    前記検知コイルの検知信号を取得する処理装置と、を備え、
    前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を変更可能に構成されており、
    前記処理装置は、前記検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されており、
    前記検知コイルは、第1部分と、前記第1部分とともに前記ワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、
    前記エレベータに設けられた前記ワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、前記ワイヤロープに対する前記第1部分と前記第2部分との各々の前記センサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整する距離調整機構をさらに備える、ワイヤロープ検査システム。
  15. 第1部分と、前記第1部分とともにエレベータに設けられたワイヤロープを挟むように配置されている第2部分とを含み、前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度を取得するステップと、
    前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が第1の速度の場合の前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向における前記ワイヤロープに対する前記検知コイルからの距離であるセンサ離間距離を、前記第1部分と前記第2部分との各々を連動させて相対的に大きくし、前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が前記第1の速度よりも小さい速度である第2の速度の場合には、前記センサ離間距離を前記第1部分と前記第2部分との各々を連動させて相対的に小さくして前記センサ離間距離を変更するステップと、
    前記ワイヤロープに対して磁束を印加することにより、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振するステップと、
    前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を前記検知コイルにより検知するステップとを含み、
    前記検知コイルにより検知された前記ワイヤロープの磁束の変化に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するステップとを含み、
    前記センサ離間距離を変更するステップは、前記エレベータに設けられた前記ワイヤロープに対して移動しないように固定されたベ―ス部材において、前記ワイヤロープに対する前記第1部分と前記第2部分との各々の前記センサ離間距離を、互いに等しくなるように連動させて調整するステップを含む、ワイヤロープ検査方法。
  16. 前記センサ離間距離を変更するステップは、通常運転時には前記センサ離間距離を相対的に大きくし、前記通常運転時よりも前記検知コイルに対する前記ワイヤロープの相対速度が小さい検査運転時には前記センサ離間距離を相対的に小さくするステップである、請求項15に記載のワイヤロープ検査方法。
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