JP2011047716A - 渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法 - Google Patents

渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外径が変化する検査対象物であっても測定部位に関わらず高い検査精度で検査することができるため、外径が大きく変化するような高周波焼入れ部品を検査する場合であっても焼入れ深さ/硬度測定試験に適用することが可能な、渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法を提供する。
【解決手段】励磁コイル41・42・43と検出コイルブロック31・32・33が内部に配設された3個のリング状渦流センサ21・22・23と、リング状渦流センサ21・22・23に電気的に接続されるセンサ本体11とを備える渦流式検査装置10であって、リング状渦流センサ21・22・23のうち測定部Rを形成する部分の検出コイルブロック31・32・33が前記誘導磁場を検出する構成とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法に関し、より詳細には、渦流式検査における検査精度を向上させる技術に関する。
例えば自動車やオートバイのエンジン部品や足回り部品等の機械部品には、金属(導電体)を高周波誘導加熱して焼入れを行う、高周波焼入れを施した鋼材(以下、鋼材とする)が使用されている。前記鋼材の高周波焼入れにおいては、表面焼入れの硬化層深さ(以下、焼入れ深さとする)及びその硬度について、有効硬化層深さ及び全硬化層深さが規格されている。このため、鋼材の品質を保証するために、焼入れ深さ及び硬度を測定して評価する必要がある。
従来、前記鋼材の焼入れ深さ及び硬度は、サンプルとして抜き取られた鋼材を部分的に切断し、その断面強度をビッカーズ硬度計等の各種硬度計にて測定し、その結果から焼入れ深さ及び硬度を評価していた。
しかし、この破壊検査による手法ではサンプルとして使用した鋼材が廃棄されるため、材料コストの上昇に繋がっていた。また、検査に要する時間が長くなる上に、インラインでの全数検査が不可能であるため、単発的に発生する不良を発見できずに次工程に搬出してしまう可能性があった。
そこで、非破壊検査である渦流式検査を用いて、鋼材の焼入れ深さ及び硬度を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び、特許文献3参照)。
渦流式検査は、前記鋼材の近くに交流電流を流した励磁コイルを接近させて交流磁場を発生させ、該交流磁場によって鋼材に渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を検出コイルにより検出するものである。つまり、該渦流式検査により、鋼材を廃棄することなく、短時間で、かつ全数検査によって鋼材の焼入れ深さ及び硬度を定量的に測定することが可能となるのである。
前記渦流式検査は、上記の鋼材の焼入れ深さ及び硬度を測定するための焼入れ深さ/硬度測定試験のほか、検査対象物の表面に生じた割れ等の傷を検出するための探傷試験や、検査対象物に含まれる異物を検出するための異材判別試験等にも用いられている。
前記焼入れ深さ/硬度測定試験においては、鋼材の導電率は、母材と硬化層に生じるマルテンサイトとの間で差が生じる。従って、渦電流センサを用いて鋼材を測定すれば、焼入れ深さの変化に伴って検出コイルが検出する電圧(振幅)が変化し、また、検出コイルが検出する電圧は硬化層深さの増加とともに単調に減少するので、これらの現象を利用して鋼材の焼入れ深さを算定することができるのである。
例えば、前記特許文献1に記載の技術によれば、プローブ型コイルを用いて鋼材の焼入れ深さを測定する構成としている。
前記焼入れ深さ/硬度測定試験については、他の探傷試験や異材判別試験と比較して、ノイズ成分に対する検出する信号成分の比率が小さいため、より高い検出精度が求められる。しかし、プローブ型コイルは磁界が弱く、また鋼材との距離を精密に制御する必要があるため、探傷試験や異材判別試験には適用することができるものの、焼入れ深さ/硬度測定試験に採用することは困難であった。
また、前記特許文献2に記載の技術によれば、貫通コイルを用いて軸物部品の軸部の焼入れ深さを検査する構成としている。貫通コイルはプローブ型コイルに比較して磁界が強く、鋼材との距離を精密に制御する必要もないため、焼入れ深さ/硬度測定試験に適しているのである。
しかし、貫通コイルの測定部分である内周の径は一定であるため、測定部位の貫通コイルに対する充填率(貫通コイルの内周横断面積に対する鋼材の測定部位における横断面積の割合)は、鋼材の測定部位における外径によって変化する。充填率が低くなると渦流式検査の検査精度は指数関数的に低下するため、前記従来技術によれば、測定部位ごとに外径が変化することにより、検査精度に差が発生するという問題があった。
さらに、検査対象物である鋼材は貫通コイルに挿通する必要があるため、外径がほぼ一定である軸物部品に限られていた。つまり、例えばクランクシャフトのように外径が大きく変化するような部品を検査対象物とすることは難しかったのである。
また、前記特許文献3に記載の技術によれば、複数のリング状コイルを組み合わせて検査対象物である鋼材を挿通する測定部を形成し、該リング状コイルの相互の位置関係を変更することによって、鋼材の外径に応じて前記測定部の大きさを変更して、探傷試験である渦流式検査を行う構成としている。
しかし、前記リング状コイルを組み合わせる構成では、リング状コイルにおける測定部近傍以外の部分が発生させる交流磁場によって鋼材に生じる渦電流に影響が出て、検査精度が低下するという問題があった。また、前記特許文献3に記載の技術は探傷試験を目的とするものであるため、焼入れ深さ/硬度測定試験に適用することには検査精度が不充分となる可能性があったのである。
特開2009−47664号公報 特開2009−31224号公報 特開2000−162190号公報
そこで本発明は上記現状に鑑み、外径が変化する検査対象物であっても測定部位に関わらず高い検査精度で検査することができるため、外径が大きく変化するような高周波焼入れ部品を検査する場合であっても焼入れ深さ/硬度測定試験に適用することが可能となる、渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、励磁コイルと検出コイルとが内部に配設された棒状の検査手段を複数個備え、該複数個の検査手段を組み合わせて区画する部分のうち全ての前記検査手段に対して内側となる測定部に検査対象物を挿通した状態で、前記励磁コイルに交流電流を流すことにより前記測定部に交流磁場を発生させ、該交流磁場によって前記検査対象物に渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルにより検出する、渦流式検査装置であって、前記検査対象物の径に応じて、前記複数個の検査手段における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部の大きさが変更可能に構成されるとともに、前記検出コイルは、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の検出コイルブロックを配設して構成され、前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の検出コイルブロックが前記誘導磁場を検出するように構成されるものである。
請求項2においては、前記複数個の検査手段として、3個のリング状渦流センサを備えるものである。
請求項3においては、前記励磁コイルは、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロックを配設して構成され、前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の励磁コイルブロックが前記交流電流を流すように構成されるものである。
請求項4においては、前記検査対象物に同一方向の渦電流が生じるように、前記励磁コイルに交流電流を流すものである。
請求項5においては、前記検査対象物の、高精度に検査する部分について検出する検査手段においては、他の部分について検出する検査手段よりも、前記励磁コイルに流す交流電流の周波数を相対的に低く設定するものである。
請求項6においては、前記検査対象物は高周波焼入れをした鋼材であり、前記検査対象物における焼入れ深さ及び硬度を測定するものである。
請求項7においては、励磁コイルと検出コイルとを内部に配設した複数個の検査手段を組み合わせて区画する部分のうち全ての前記検査手段に対して内側となる測定部に検査対象物を挿通した状態で、前記励磁コイルに交流電流を流すことにより前記測定部に交流磁場を発生させ、該交流磁場によって前記検査対象物に渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルにより検出する、渦流式検査方法であって、前記検査対象物の径に応じて、前記複数個の検査手段における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部の大きさを変更するとともに、前記検出コイルを、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の検出コイルブロックを配設して構成し、前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の検出コイルブロックが前記誘導磁場を検出するものである。
請求項8においては、前記励磁コイルを、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロックを配設して構成し、前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の励磁コイルブロックが前記交流電流を流すものである。
請求項9においては、前記検査対象物に同一方向の渦電流が生じるように、前記励磁コイルに交流電流を流すものである。
請求項10においては、前記検査対象物の、高精度に検査する部分について検出する検査手段においては、他の部分について検出する検査手段よりも、前記励磁コイルに流す交流電流の周波数を相対的に低く設定するものである。
請求項11においては、前記検査対象物は高周波焼入れをした鋼材であり、前記検査対象物における焼入れ深さ及び硬度を測定するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、外径が変化する検査対象物であっても測定部位に関わらず高い検査精度で検査することができるため、外径が大きく変化するような高周波焼入れ部品を検査する場合であっても焼入れ深さ/硬度測定試験に適用することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る渦流式検査装置の構成を示す概略図。 (a)は本発明の第一実施形態に係るリング状渦流センサの正面図、(b)は同じくリング状渦流センサをスライドさせた状態の正面図。 (a)は検査対象物が大径の場合におけるリング状渦流センサの正面図、(b)は検査対象物が通常の径の場合におけるリング状渦流センサの正面図、(c)は検査対象物が小径の場合におけるリング状渦流センサの正面図。 本発明の第一実施形態に係るリング状渦流センサにおける、検出コイルの作動状態を示した正面図。 (a)は検査対象物が大径の場合におけるリング状渦流センサの作動状態を示した正面図、(b)は検査対象物が通常の径の場合におけるリング状渦流センサの作動状態を示した正面図、(c)は検査対象物が小径の場合におけるリング状渦流センサの作動状態を示した正面図。 (a)は通常部の焼入れ深さを測定する場合の磁束の浸透深さと渦電流の広がりとの関係を示した図、(b)は両端の焼入れ深さを高精度で測定する場合の磁束の浸透深さと渦電流の広がりとの関係を示した図、(c)は中央部の焼入れ深さを高精度で測定する場合の磁束の浸透深さと渦電流の広がりとの関係を示した図。 クランクシャフトについて渦流式検査を行う場合の概略図。 本発明の第二実施形態に係る渦流センサにおける、励磁コイル及び検出コイルの作動状態を示した正面図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る渦流式検査装置の概要について、図1を用いて説明する。本実施形態においては、渦流式検査装置10の検査対象物は高周波焼入れをした鋼材Wであり、渦流式検査装置10は該鋼材Wにおける焼入れ深さ及び硬度を測定する、焼入れ深さ/硬度測定試験を行うものとする。ただし、本発明に係る渦流式検査装置は焼入れ深さ/硬度測定試験のみに適用されるものではなく、例えば検査対象物の表面に生じた割れ等の傷を検出するための探傷試験や、検査対象物に含まれる異物を検出するための異材判別試験等にも用いることが可能である。
本明細書においては便宜上、図1における左側を前方、右側を後方とし、同じく図1における紙面奥行方向を右側方、紙面手前方向を左側方として説明する。
また、図1においては検査対象物である鋼材Wとしてヨークシャフトを用いて説明するが、鋼材Wは短軸・長軸インボード等の軸物部材や、後述するようにクランクシャフトやカムシャフト等についても検査対象物とすることができる。
前記渦流式検査装置10は、鋼材Wに渦電流を発生させるとともに該渦電流を検出して前記鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度を評価するための値を出力するように構成される。また、前記渦流式検査装置10からの出力値に基づいて、鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度を評価する評価装置13が渦流式検査装置10と電気的に接続されている。
図1に示す如く、前記渦流式検査装置10は、検査手段である3個のリング状渦流センサ21・22・23と、該リング状渦流センサ21・22・23のそれぞれと電気的に接続されるセンサ本体11と、前記リング状渦流センサ21・22・23を上下・左右・前後方向に移動可能に保持する治具15と、を備える。前記リング状渦流センサ21・22・23の個数は3個に限定されるものではなく、複数個であれば差し支えないが、設備コストと検査精度とを考慮すると3個とすることが望ましい。
図2(a)及び図2(b)に示す如く、リング状渦流センサ21・22・23にはそれぞれ、内部にリング状の励磁コイル41・42・43が配設される。また、図4に示す如く、リング状渦流センサ21・22・23にはそれぞれ、その内部に円周方向に沿って複数個の検出コイルブロック31・31・31・・・、32・32・32・・・、33・33・33・・・(以下、検出コイルブロック31・32・33とする)が配設される。
つまり、リング状渦流センサ21・22・23は棒状部材の両端を接続してリング状に形成したものであるといえ、該リング状渦流センサ21・22・23の内部には、長さ方向(円周方向)に沿ってリング状の励磁コイル41・42・43が配設されるとともに、長さ方向(円周方向)に沿って複数個の検出コイルブロック31・32・33が配設されている。
本実施形態においては、リング状渦流センサ21・22・23には、それぞれについて16個ずつの検出コイルブロック31・32・33が配設されている。検出コイルブロック31・32・33には、ソレノイドコイルやパンケーキコイル、プレーナコイル等のコイルが用いられる。
センサ本体11は、前記励磁コイル41・42・43に交流電流を流して交流磁場を発生させるとともに、検出コイルブロック31・32・33が検出した誘導磁場の検出信号を受信し、これらの検出信号の差に基づく値を出力する。該センサ本体11は、検出コイルブロック31・32・33からの検出信号について、個々の検出コイルブロック31・32・33ごとに受信し、又は遮断することが可能に構成されている。
前記評価装置13は、図示しない記憶手段、演算手段、入力手段、出力手段等を備えたいわゆる電子計算機であり、前記センサ本体11と電気的に接続されている。そして、評価装置13がセンサ本体11に指令することによって渦流式検査装置10の動作を制御するとともに、センサ本体11からの出力値を受けて、予め設定された閾値と比較することにより、鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度の良否を評価するのである。
前記リング状渦流センサ21・22・23は、前記の如く励磁コイル41・42・43に交流電流が流れることにより、交流磁場を発生させる。例えば、図2(a)の矢印αに示す如く時計周りと反対方向に電流が流れた瞬間には、リング状渦流センサ21の内側において紙面手前方向に磁場を発生させ、リング状渦流センサ21の外側において紙面奥行方向に磁場を発生させるのである。
前記リング状渦流センサ21・22・23はそれぞれ、治具15が備えるスライド機構により、相互の位置関係を変更可能に構成されている。具体的には図2(b)に示す如く、それぞれのリング状渦流センサ21・22・23を、120度ずつ位相をずらして上下左右方向にスライドさせるのである。これにより、リング状渦流センサ21・22・23の重なり部分(全てのリング状渦流センサ21・22・23に対して内側となる部分)に測定部Rが形成されるのである。なお、それぞれのリング状渦流センサ21・22・23をスライドさせる方向は一方向に限定されるものではなく、治具15が備えるスライド機構により上下左右方向の任意の箇所にスライドさせることができるものとする。
そして、本実施形態に係る渦流式検査装置10は、上記の如くリング状渦流センサ21・22・23を組み合わせて区画する部分のうち全てのリング状渦流センサ21・22・23に対して内側となる測定部Rに、高周波焼入れ部品である鋼材Wを図1及び図2(b)に示す如く挿通した状態で、前記励磁コイル41・42・43に交流電流を流すことにより交流磁場を発生させ、該交流磁場によって鋼材Wに渦電流を生じさせるのである。そして、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルブロック31・32・33により検出し、前記鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度を測定するように構成されているのである。そして、ぞれぞれのリング状渦流センサ21・22・23が、図1に示す如く鋼材Wを測定部Rに挿通した状態で、治具15が備えるスライド機構により前後方向に移動しながら鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度を測定するのである。
なお、前記治具15には、測定部Rに挿通された鋼材Wを、リング状渦流センサ21・22・23と鋼材Wとが略同軸状を保持するように支持する機能も併せて備えられている。
なお、本実施形態においては、検査手段である前記リング状渦流センサ21・22・23を用いる構成としたが、該検査手段はリング状に限定されるものではなく、曲線状や直線状の形状により前記測定部Rを形成することができる、U字状やV字状等の他の形状としても差し支えない。
また、本実施形態におけるリング状渦流センサ21・22・23には、前記鋼材Wに、同一方向の渦電流が生じるように、励磁コイル41・42・43に交流電流を流すように構成されている。具体的には図2(b)の矢印α・β・γに示す如く、それぞれのリング状渦流センサ21・22・23に、同一方向(図2(b)においては反時計回り方向)に電流が流れるようにすることで、前記測定部Rには同一方向に交流磁場が発生し、各瞬間における鋼材Wには同一方向に渦電流が流れるのである。即ち、リング状渦流センサ21・22・23に流れる電流の方向を揃えることで、測定部Rに強い磁界を形成する構成としているのである。
さらに、本実施形態におけるリング状渦流センサ21・22・23は、前記鋼材Wの径に応じて、治具15が備えるスライド機構を用いてリング状渦流センサ21・22・23の相互の位置関係を変更することにより、前記測定部Rの大きさを変更可能に構成されている。具体的には図3(a)に示す如く、大径の鋼材W1を検査する場合は、リング状渦流センサ21・22・23の相互の重なりを大きくすることで、測定部Rを大きく形成するのである。一方、通常の径の鋼材W2、及び、小径の鋼材W2の場合は、図3(b)及び(c)に示す如く、リング状渦流センサ21・22・23の相互の重なりを徐々に小さくしていくことで、測定部Rを小さくしていくのである。
即ち、鋼材Wの外径に応じて前記測定部Rの大きさを変更することにより、鋼材Wの外径に合わせて測定部Rにおける測定部位の充填率(測定部Rの内周横断面積に対する測定部位の横断面積の割合)を変更可能としているのである。即ち、鋼材Wの外径が小さくなっても、それに応じて測定部Rを小さく形成することにより、充填率が下がって測定精度が悪化することがないのである。換言すれば、鋼材Wの外径に関わらず、高い検査精度で焼入れ深さ及び硬度を精度良く測定することができるのである。
また、本実施形態におけるリング状渦流センサ21・22・23の内部に沿って、図4に示す如く、複数個の前記検出コイルブロック31・32・33が配設されている。そして、リング状渦流センサ21・22・23のうち測定部Rを形成する部分(図4において網掛けをした部分)の検出コイルブロック31・32・33が前記誘導磁場を検出するように構成されている。
具体的には、リング状渦流センサ21・22・23のうち測定部Rと隣接しない部分の検出コイルブロック31a・32a・33a(以下、無効コイルブロック31a・32a・33aとする)からの検出信号は前記センサ本体11で受信せずに、測定部Rと隣接する部分の検出コイルブロック31b・32b・33b(以下、有効コイルブロック31b・32b・33bとする)からの検出信号のみを前記センサ本体11で受信するのである。即ち、無効コイルブロック31a・32a・33aでは誘導磁場を検出せず、有効コイルブロック31b・32b・33bで誘導磁場を検出するようにセンサ本体11が制御されるのである。
そして、前記の如く鋼材Wの外径に応じて前記測定部Rの大きさを変更した場合、無効コイルブロック31a・32a・33aと有効コイルブロック31b・32b・33bとを、測定部Rの大きさに応じて切替えるのである。具体的には、図5(a)に示す如く大径の鋼材W1を検査するために測定部Rが大きく形成されている場合は、検出信号を前記センサ本体11で受信しない無効コイルブロック31a・32a・33aに対して、検出信号を前記センサ本体11で受信する有効コイルブロック31b・32b・33bの比率を多くするようにセンサ本体11を制御して、測定部Rの周囲を有効コイルブロック31b・32b・33bで取り囲むようにするのである。図5(a)では、無効コイルブロック31a・32a・33aをそれぞれ10個とするのに対して、有効コイルブロック31b・32b・33bをそれぞれ6個としている。
一方、通常の径の鋼材W2、及び、小径の鋼材W3を検査するために測定部Rを小さく形成した場合は、図5(b)及び図5(c)に示す如く、測定部Rの大きさに応じて、有効コイルブロック31b・32b・33bを無効コイルブロック31a・32a・33aに切替えるのである。図5(b)では、無効コイルブロック31a・32a・33aをそれぞれ12個とするのに対して、有効コイルブロック31b・32b・33bをそれぞれ4個としている。また、図5(c)では、無効コイルブロック31a・32a・33aをそれぞれ14個とするのに対して、有効コイルブロック31b・32b・33bをそれぞれ2個としているのである。
上記の如く構成することにより、リング状渦流センサ21・22・23における測定部R近傍以外の部分に誘導磁場を検出しなくすることができる。即ち、渦流式検査に必要な測定部Rのみの誘導磁場を検出することによって、検出する誘導磁場における外乱等の影響を低減させることができ、検査精度を向上させることが可能となるのである。
また、上記の如くリング状渦流センサ21・22・23は、内部に沿って複数個の前記検出コイルブロック31・32・33を配設する構成としていることにより、鋼材Wの形状等に応じて検出コイルブロック31・32・33の誘導磁場の検出を制御することが可能となる。
具体的には、例えば鋼材Wの一部に孔が開口されているために検出する誘導磁場に影響が出るような場合は、前記孔に該当する箇所における部分は無効コイルブロック31a・32a・33aとして、検出信号を前記センサ本体11で受信しない構成とすることができるのである。これにより、前記孔のような鋼材Wの形状によって検出結果にノイズ成分が出ることを防ぐことができるため、検査精度を向上させることが可能となるのである。
同様に、鋼材Wの焼入れ深さに対応して、無効コイルブロック31a・32a・33aと有効コイルブロック31b・32b・33bとを切替える構成にすることもできるのである。
さらに、渦流式検査においては、励磁コイルに流す交流電流の周波数(以下、励磁周波数とする)を高く設定すると、渦電流の広がりは広くなるが磁束の浸透深さは浅くなり、反対に励磁周波数を低く設定すると、渦電流の広がりは狭くなるが磁束の浸透深さは深くなるという性質がある。このため、リング状渦流センサ21・22・23では、前記鋼材Wにおいて高精度に検査する部分は、前記励磁コイル41・42・43の励磁周波数を相対的に低く設定するように構成されている。
具体的には、平均的にできるだけ広い範囲の焼入れ深さを測定する場合は、リング状渦流センサ21・22・23において励磁周波数を低く設定し、図6(a)に示す如く全体的に磁束の浸透深さを深くして測定するのである。図6(a)〜図6(c)は、それぞれ左から順に、リング状渦流センサ21・22・23で焼入れ深さを測定した場合の磁束の浸透深さと渦電流の広がりとの関係を示した図である。
一方、両端の焼入れ深さを高精度で測定する場合は、リング状渦流センサ21・22・23のうち、両端部であるリング状渦流センサ21・23の励磁周波数を、リング状渦流センサ22の励磁周波数よりも低く設定し、図6(b)に示す如く両端部の磁束の浸透深さを深くして測定するのである。また、一方、中央部の焼入れ深さを高精度で測定する場合は、リング状渦流センサ21・22・23のうち、中央部であるリング状渦流センサ22の励磁周波数を、リング状渦流センサ21・23の励磁周波数よりも低く設定し、図6(c)に示す如く中央部の磁束の浸透深さを深くして測定するのである。
上記ように構成することにより、鋼材Wにおいて必要な検査精度に応じて焼入れ深さを測定することが可能となるのである。
なお、それぞれのリング状渦流センサ21・22・23は上下左右方向の任意の箇所にスライドさせることができるため、測定箇所の形状や測定条件に応じて測定部Rにおけるリング状渦流センサ21・22・23の位置関係を変更することができる構成としている。即ち、鋼材Wのうち最も高精度で測定したい部分に、リング状渦流センサ21・22・23の何れかを近づけて、励磁周波数を相対的に低く設定して測定することができるのである。
また、本発明に係る渦流式検査装置10を探傷試験や異材判別試験に適用する場合でも、リング状渦流センサ21・22・23において励磁コイル41・42・43の励磁周波数を相対的に低く設定することにより、検査対象物のより深い部分を検査することが可能となるのである。
次に、本実施形態に係る渦流式検査装置10を用いて、検査対象物である鋼材Wとして、クランクシャフトについて渦流式検査を行う方法を、図7を用いて説明する。
本実施形態に係る渦流式検査装置10においては、鋼材Wの径に応じてリング状渦流センサ21・22・23の相互の位置関係を変更することにより、測定部Rの大きさを変更可能に構成されている。このため、図7に示すような、複数のジャーナル部と、ジャーナル部よりも小径の複数のピン部と、をそれぞれアーム部で連結して構成されるクランクシャフトにおいても、測定部Rの大きさをジャーナル部又はピン部の径に応じて変更することにより、クランクシャフトの焼入れ深さ及び硬度を測定することが可能となるのである。
即ち、図7に示す如く、ジャーナル部及びピン部について渦流式検査を行う時は、リング状渦流センサ21・22・23の位置をずらして測定部Rの大きさを小さく形成し、アーム部を通過する時は、リング状渦流センサ21・22・23を揃えるのである。このように、図7中の矢印に示す測定方向の順に渦流式検査を行うことにより、クランクシャフトのように外径が大きく変化するような部品を検査対象とすることができるのである。
そして、この場合でも、無効コイルブロック31a・32a・33aと有効コイルブロック31b・32b・33bとを、測定部Rの大きさに応じて切替えることにより、リング状渦流センサ21・22・23における測定部R近傍以外の部分に誘導磁場を検出しなくすることができる。これによって、クランクシャフトのジャーナル部又はピン部で検出する誘導磁場における外乱等の影響を低減させることができるため、検査精度を向上させることが可能となるのである。
なお、検査対象物としてカムシャフト等他の部品についても本実施形態を適用する場合についても、同様である。
上記の如く、本実施形態に係る渦流式検査方法は、励磁コイル41・42・43と複数個の検出コイルブロック31・32・33とを内部に配設した、3個のリング状渦流センサ21・22・23を組み合わせて区画する部分のうち全てのリング状渦流センサ21・22・23に対して内側となる測定部Rに鋼材Wを挿通した状態で、前記励磁コイル41・42・43に交流電流を流すことにより前記測定部Rの内側に交流磁場を発生させる。そして、該交流磁場によって前記鋼材Wに渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルブロック31・32・33により検出するのである。さらに、前記鋼材Wの径に応じて、前記3個のリング状渦流センサ21・22・23における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部Rの大きさを変更するとともに、リング状渦流センサ21・22・23のうち前記測定部Rを形成する部分の検出コイルブロック31・32・33が前記誘導磁場を検出するのである。
上記の如く構成することにより、リング状渦流センサ21・22・23における測定部R近傍以外の部分に誘導磁場を検出しなくすることができる。即ち、渦流式検査に必要な測定部Rのみの誘導磁場を検出することによって、検出する誘導磁場における外乱等の影響を低減させることができ、検査精度を向上させることが可能となる。
また、鋼材Wに同一方向の渦電流が生じるように、前記励磁コイル41・42・43に交流電流を流すことにより、リング状渦流センサ21・22・23に流れる電流の方向を揃えて、測定部Rに強い磁界を形成することができる。
また、鋼材Wの高精度に検査する部分について検出するリング状渦流センサ21・22・23においては、他の部分について検出するリング状渦流センサ21・22・23よりも、前記励磁コイル41・42・43に流す交流電流の周波数を相対的に低く設定している。これにより、鋼材Wにおいて必要な検査精度に応じて焼入れ深さを測定することができる。
上記の如く、本実施形態に係る渦流式検査方法は、外径が変化する検査対象物であっても測定部位に関わらず高い検査精度で検査することができるため、例えばクランクシャフトのように外径が大きく変化するような高周波焼入れ部品である鋼材Wを検査する場合であっても焼入れ深さ/硬度測定試験に適用することが可能となるのである。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る渦流式検査装置について、図8を用いて説明する。なお本実施形態において説明する渦流式検査装置において、前記実施形態と共通する部分についてはその説明を省略する。
本実施形態においても前記実施形態と同様に、渦流式検査装置の検査対象物は高周波焼入れをした鋼材Wであり、渦流式検査装置は該鋼材Wにおける焼入れ深さ及び硬度を測定する、焼入れ深さ/硬度測定試験を行うものとする。
図8に示す如く、本実施形態に係る渦流式検査装置は、検査手段である3個のU字状渦流センサ121・122・123を備える。そして、U字状渦流センサ121・122・123にはそれぞれ、その内部に長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロック141・141・141・・・、142・142・142・・・、143・143・143・・・(以下、励磁コイルブロック141・142・143とする)、及び、複数個の検出コイルブロック131・131・131・・・、132・132・132・・・、133・133・133・・・(以下、検出コイルブロック131・132・133とする)が配設される。
つまり、U字状渦流センサ121・122・123は、長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロック141・142・143が配設されるとともに、長さ方向に沿って複数個の検出コイルブロック131・132・133が配設された棒状部材をU字状に形成したものであるといえる。
本実施形態においては、U字状渦流センサ121・122・123には、内周側に9個の励磁コイルブロック141・142・143が、外周側に同じく9個の検出コイルブロック131・132・133が配設されている。励磁コイルブロック141・142・143及び検出コイルブロック131・132・133には、ソレノイドコイルやパンケーキコイル、プレーナコイル等のコイルが用いられる。
また、図示しないセンサ本体は、前記励磁コイルブロック141・142・143に交流電流を流して交流磁場を発生させるとともに、検出コイルブロック131・132・133が検出した誘導磁場の検出信号を受信し、これらの検出信号の差に基づく値を出力する。該センサ本体は、個々の励磁コイルブロック141・142・143ごとに交流電流を流し、又は遮断することが可能に構成されている。また、該センサ本体は、検出コイルブロック131・132・133からの検出信号について、個々の検出コイルブロック131・132・133ごとに受信し、又は遮断することが可能に構成されている。
そして、本実施形態に係る渦流式検査装置は、上記の如くU字状渦流センサ121・122・123の曲線部分を組み合わせて区画する部分のうち全てのU字状渦流センサ121・122・123に対して内側となる測定部Rに、高周波焼入れ部品である鋼材Wを図8に示す如く挿通した状態で、前記励磁コイルブロック141・142・143に交流電流を流すことにより交流磁場を発生させ、該交流磁場によって鋼材Wに渦電流を生じさせるのである。そして、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルブロック131・132・133により検出し、前記鋼材Wの焼入れ深さ及び硬度を測定するように構成されているのである。
また、本実施形態におけるU字状渦流センサ121・122・123の内部に沿って、図8に示す如く、複数個の前記励磁コイルブロック141・142・143及び検出コイルブロック131・132・133が配設されている。そして、U字状渦流センサ121・122・123のうち測定部Rを形成する部分(図8において網掛けをした部分)の励磁コイルブロック141・142・143が交流電流を流し、また、U字状渦流センサ121・122・123のうち測定部Rを形成する部分(図8において網掛けをした部分)の検出コイルブロック131・132・133が前記誘導磁場を検出するように構成されている。
具体的には、U字状渦流センサ121・122・123のうち測定部Rと隣接しない部分の励磁コイルブロック141a・142a・143a(以下、無効励磁コイルブロック141a・142a・143aとする)にはセンサ本体からの交流電流を遮断し、測定部Rと隣接する部分の励磁コイルブロック141b・142b・143b(以下、有効励磁コイルブロック141b・142b・143bとする)にはセンサ本体からの交流電流を流すのである。
また、U字状渦流センサ121・122・123のうち測定部Rと隣接しない部分の検出コイルブロック131a・132a・133a(以下、無効検出コイルブロック131a・132a・133aとする)からの検出信号は前記センサ本体で受信せずに、測定部Rと隣接する部分の検出コイルブロック131b・132b・133b(以下、有効検出コイルブロック131b・132b・133bとする)からの検出信号のみをセンサ本体で受信するのである。即ち、有効励磁コイルブロック141b・142b・143bのみが交流電流を流し、また、有効検出コイルブロック131b・132b・133bのみが前記誘導磁場を検出するように構成されているのである。
また、前記実施形態と同様に鋼材の外径に応じて測定部Rの大きさを変更した場合、無効励磁コイルブロック141a・142a・143aと有効励磁コイルブロック141b・142b・143bとを、測定部Rの大きさに応じて切替えると同時に、無効検出コイルブロック131a・132a・133aと有効検出コイルブロック131b・132b・133bとを、測定部Rの大きさに応じて切替えるのである。
上記の如く構成することにより、渦流式検査に必要な測定部Rのみに交流電流を流し、誘導磁場を検出することによって、検出する誘導磁場における外乱等の影響を低減させることができ、検査精度を向上させることが可能となるのである。
また、上記の如くU字状渦流センサ121・122・123は、内部に沿って複数個の前記励磁コイルブロック141・142・143及び検出コイルブロック131・132・133が配設する構成としていることにより、鋼材Wの形状等に応じて励磁コイルブロック141・142・143に対する交流電流の導通、及び、検出コイルブロック131・132・133の誘導磁場の検出を制御することが可能となる。
具体的には、例えば焼入れ深さを高精度で測定する部分は、励磁コイルブロック141・142・143の励磁周波数を、他の部分よりも低く設定して測定するのである。このように構成することにより、鋼材Wにおいて必要な検査精度に応じて焼入れ深さを測定することが可能となるのである。
上記の如く、本実施形態に係る渦流式検査方法は、複数個の励磁コイルブロック141・142・143と複数個の検出コイルブロック31・32・33とを内部に配設した、3個のU字状渦流センサ121・122・123を組み合わせて区画する部分のうち全てのU字状渦流センサ121・122・123に対して内側となる測定部Rに鋼材Wを挿通した状態で、前記励磁コイルブロック141・142・143に交流電流を流すことにより前記測定部Rの内側に交流磁場を発生させる。そして、該交流磁場によって前記鋼材Wに渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルブロック131・132・133により検出するのである。さらに、前記鋼材Wの径に応じて、前記3個のU字状渦流センサ121・122・123における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部Rの大きさを変更するとともに、U字状渦流センサ121・122・123のうち前記測定部Rを形成する部分の励磁コイルブロック141・142・143が交流電流を流し、また、U字状渦流センサ121・122・123のうち測定部Rを形成する部分の検出コイルブロック131・132・133が前記誘導磁場を検出するのである。
上記の如く構成することにより、渦流式検査に必要な測定部Rのみに交流電流を流し、誘導磁場を検出することによって、検出する誘導磁場における外乱等の影響を低減させることができ、検査精度を向上させることが可能となるのである。
11 センサ本体
21 リング状渦流センサ
22 リング状渦流センサ
23 リング状渦流センサ
31 検出コイルブロック
32 検出コイルブロック
33 検出コイルブロック
41 励磁コイル
42 励磁コイル
43 励磁コイル

Claims (11)

  1. 励磁コイルと検出コイルとが内部に配設された棒状の検査手段を複数個備え、
    該複数個の検査手段を組み合わせて区画する部分のうち全ての前記検査手段に対して内側となる測定部に検査対象物を挿通した状態で、前記励磁コイルに交流電流を流すことにより前記測定部に交流磁場を発生させ、該交流磁場によって前記検査対象物に渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルにより検出する、渦流式検査装置であって、
    前記検査対象物の径に応じて、前記複数個の検査手段における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部の大きさが変更可能に構成されるとともに、
    前記検出コイルは、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の検出コイルブロックを配設して構成され、
    前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の検出コイルブロックが前記誘導磁場を検出するように構成される、
    ことを特徴とする、渦流式検査装置。
  2. 前記複数個の検査手段として、3個のリング状渦流センサを備える、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の渦流式検査装置。
  3. 前記励磁コイルは、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロックを配設して構成され、
    前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の励磁コイルブロックが前記交流電流を流すように構成される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の渦流式検査装置。
  4. 前記検査対象物に同一方向の渦電流が生じるように、前記励磁コイルに交流電流を流す、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の渦流式検査装置。
  5. 前記検査対象物の、高精度に検査する部分について検出する検査手段においては、他の部分について検出する検査手段よりも、前記励磁コイルに流す交流電流の周波数を相対的に低く設定する、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の渦流式検査装置。
  6. 前記検査対象物は高周波焼入れをした鋼材であり、
    前記検査対象物における焼入れ深さ及び硬度を測定する、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の渦流式検査装置。
  7. 励磁コイルと検出コイルとを内部に配設した複数個の検査手段を組み合わせて区画する部分のうち全ての前記検査手段に対して内側となる測定部に検査対象物を挿通した状態で、前記励磁コイルに交流電流を流すことにより前記測定部に交流磁場を発生させ、該交流磁場によって前記検査対象物に渦電流を生じさせ、該渦電流により誘起された誘導磁場を前記検出コイルにより検出する、渦流式検査方法であって、
    前記検査対象物の径に応じて、前記複数個の検査手段における相互の位置関係を変更することにより、前記測定部の大きさを変更するとともに、
    前記検出コイルを、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の検出コイルブロックを配設して構成し、
    前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の検出コイルブロックが前記誘導磁場を検出する、
    ことを特徴とする、渦流式検査方法。
  8. 前記励磁コイルを、前記検査手段の長さ方向に沿って複数個の励磁コイルブロックを配設して構成し、
    前記検査手段のうち前記測定部を形成する部分の励磁コイルブロックが前記交流電流を流す、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の渦流式検査方法。
  9. 前記検査対象物に同一方向の渦電流が生じるように、前記励磁コイルに交流電流を流す、
    ことを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載の渦流式検査方法。
  10. 前記検査対象物の、高精度に検査する部分について検出する検査手段においては、他の部分について検出する検査手段よりも、前記励磁コイルに流す交流電流の周波数を相対的に低く設定する、
    ことを特徴とする、請求項7から請求項9の何れか1項に記載の渦流式検査方法。
  11. 前記検査対象物は高周波焼入れをした鋼材であり、
    前記検査対象物における焼入れ深さ及び硬度を測定する、
    ことを特徴とする、請求項7から請求項10の何れか1項に記載の渦流式検査方法。
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