JPH09171003A - 管の渦電流探傷子及び探傷方法 - Google Patents

管の渦電流探傷子及び探傷方法

Info

Publication number
JPH09171003A
JPH09171003A JP7332004A JP33200495A JPH09171003A JP H09171003 A JPH09171003 A JP H09171003A JP 7332004 A JP7332004 A JP 7332004A JP 33200495 A JP33200495 A JP 33200495A JP H09171003 A JPH09171003 A JP H09171003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eddy current
detection
coil group
coil
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7332004A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kamimura
武男 神村
Ikuji Hanao
育治 花尾
Masaaki Kurokawa
政秋 黒川
Yasuo Araki
保夫 荒木
Koji Enami
宏治 榎並
Shuji Tanioka
修二 谷岡
Ryoichi Takatori
亮一 高取
Koji Kidera
弘次 木寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP7332004A priority Critical patent/JPH09171003A/ja
Publication of JPH09171003A publication Critical patent/JPH09171003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気発生器管等の管の渦電流探傷において、
クラックの長さ及び向に左右されずにクラックを効率的
に且つ漏れ無く検出する。 【解決手段】 円筒形渦電流発生コイル群22を12
(=2N、N=6)個の鞍形コイル21から形成し、検
出コイルアレイ24を24(=6×4)個の検出コイル
23から形成し、その検出コイルアレイ24を渦電流発
生コイル群22の軸方向中央部の外周に配設して渦電流
探傷子20が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、渦電流を用いた材
料の探傷技術に関し、特に蒸気発生器管などの管の探傷
を渦電流を利用して行う装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械材料の傷を非破壊的に検査するため
に渦電流を利用する所謂渦流探傷法が従来より使用され
ている。例えば、蒸気発生器に使用される伝熱管(以下
単に管という。)の使用中の検査として、管の内部から
渦流探傷法によりクラック等の傷の検出を行う場合があ
る。そのような渦電流探傷検査に使用される渦流探傷プ
ローブに渦電流発生用として組み込まれるコイルには、
円形コイル、矩形コイル、ボビンコイル等がある。使用
するコイルの型式乃至形状・構造により管に生ずる渦電
流の形状や検出されるクラックの特性も異なるが、従来
行われている要領を図16を参照して概念的に説明する
と(a)図は、円形コイルを使用した場合の発生渦電流
の状態を示している。円形コイル(図示しない)を管1
の内面に接触乃至近接して電流を流すと、円形に分布す
る渦電流2が管1に発生し、この渦電流の流れ経路を横
切る方向のクラックがあると管内壁表面の漏洩磁界が変
化し、この漏洩磁界の変化を渦流探傷プローブの検出コ
イルで検出することにより、クラックを検出できる。こ
こで発生する渦電流2は円形に分布するので、円周方向
及び軸方向のクラックの双方の検出に適している。発生
するクラックの位置は通常不明であるので、管1の任意
位置のクラックを検出するには渦電流2を管1の全領域
に発生させる必要があり、実際の探傷操作では、円形コ
イルをスパイラル状に動かして(例えば軸方向に送りな
がら軸回りに回転する)機械的回転走査を行うか、管1
の内周に沿って配設された多数の円形コイルを円周方向
に電子的にスイッチング操作しつつそのコイルの集合体
を軸方向に送って走査することにより被検査面全域に渦
電流を順次発生させることとしている。
【0003】又、矩形コイル(図示しない)の一辺を管
1の長さ方向に沿うようにして管壁に接触乃至近接させ
ると、図16b)に示すように管1の長さ方向に流れる
電流成分を大きく持つ渦電流3が発生する。管の長さ方
向に直線的に流れる電流部分が円周方向クラックに遭遇
すると、漏洩磁界が大きく変化し、その漏洩磁界の変化
が検出コイルによって検出される。この矩形コイルを用
いる方法では、円周方向クラックには漏洩磁界の変化が
鋭敏に発生するが、軸方向クラックには鈍く、よって円
周方向クラックの検出により適している。そして、管1
の任意の位置のクラックを検出するには、前述の円形コ
イルの場合と同様な走査を行う。更に又、管1の内径に
近い外径のボビンコイル乃至リング状コイル4を管1の
内部に入れて通電すると、図16(c)に示すように円
周方向に流れる渦電流5が生ずる。この渦電流5に交差
する軸方向クラックがあると、前述のように漏洩磁界が
変化し、これを検出コイルで検出してクラックを検出す
る。このリング状コイル4では、管軸方向に送って走査
して管1の対象部分の全面の検査を行う。このリング状
コイル4を用いる方式では、渦電流5が円周方向を向い
ているので、円周方向のクラックでは漏洩磁界が変化せ
ず、円周方向クラックの検出には適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
では次のような問題がある。即ち、一般的に検出すべき
クラックが大きければ検出しやすいのであるが、小さい
クラックを検出するためには、小さい励磁コイルを使用
して適切な渦電流を発生する必要がある。円形コイルを
使用する場合、検出すべきクラックの長さが発生渦電流
の分布領域に対して小さいと、図17に示すように渦電
流が乱されず、よって漏洩磁界の変化も生じないからク
ラックの検出ができない。なお、図において符号7,8
は、それぞれ例示的に示した短い円周方向クラック、長
い円周方向クラックであるが、単純に言えば、円周方向
クラック8は検出できるが円周方向クラック7は検出が
困難乃至不可能である。渦電流の大きさを決定する円形
コイルの大きさにも物理的に限界があり、単純には発生
渦電流を小さくはできない。又、複数の円形コイル又は
矩形コイルを円周方向に配置する場合、コイルの大きさ
等の制限からコイル数が少ないと、発生渦電流の分布が
円周方向に不揃いになり、均一なクラック検出性が得ら
れず、クラックの存在を見逃すことになる。なお、これ
を防止するためには、円周方向の位置をずらして軸方向
に多層にコイルを配置すればよいが、使用する検出コイ
ルの数及び配置を含め渦電流探傷プローブの構造が複
雑、大形化する問題がある。又、多数のコイルをスイッ
チング走査する場合、探傷信号のS/N比が低下すると
いう問題もある。
【0005】更に又、コイルの回転による機械的回転走
査により、管の内面に回転渦電流を発生する場合には、
渦電流の移動軌跡はスパイラルになるので軸方向移動速
度が回転速度に規制され、一般に検査速度が低下し、被
検査管が長く且つ数が多い場合(蒸気発生器管はこのよ
うな場合に相当する場合が多い)、検査時間が長大化す
る。又、一般にクラックの延びる方向は様々であるが、
その方向により検出性が変化し、その検出されたクラッ
クの方向を探傷信号から識別することは困難である。従
って、本発明の課題は、前述の問題の無い渦電流探傷装
置及び方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】如上の課題を解決するた
め、本発明によれば、管の渦電流探傷子は、複数の鞍形
コイルを円周状に配設して円筒形渦電流発生コイル群を
形成し、同円筒形渦電流発生コイル群の外周に前記鞍形
コイルに対応した複数の検出コイルを配設して検出コイ
ル群を形成して構成される。好ましくは、前記渦電流発
生コイル群は2N(Nは、整数)個乃至3N個の鞍形コ
イルから形成し、前記検出コイル群をP(Pは、Nの整
数倍の整数)個の検出コイルから形成し、同検出コイル
群が渦電流発生コイル群の軸方向中央部の外周に配設さ
れて探傷子が構成される。更に、前記渦電流発生コイル
群を3N(Nは、整数1,2,3,4である。)個の鞍
形コイルから形成し、前記検出コイル群をP(Pは、N
の整数倍の整数)個の検出コイルから形成し、同検出コ
イル群を前記渦電流発生コイル群の軸方向中央部の外周
に配設し、更にリング状励磁コイルを前記渦電流探傷コ
イル群の外周に同軸的に配置してもよい。
【0007】渦電流発生コイル群を2N個の鞍形コイル
で形成した場合は、その探傷子を管内に挿入し、前記渦
電流発生コイル群の(N−1)個の隣接した鞍形コイル
に高周波電流を通電し、スイッチにより発生渦電流を管
の円周方向に移動するように通電状態を切り換え、前記
発生渦電流の移動に同期して前記検出コイル群の各検出
コイルの出力信号を取り出して、管の全円周域の探傷を
行う。管の全域の探傷を行うには、前述の全円周域の探
傷を行ったら、探傷子を軸方向に所定ピッチで送ってそ
の探傷操作を繰り返す。渦電流発生コイル群を3N個の
鞍形コイルで形成した場合は、その探傷子を管内に挿入
し、前記渦電流発生コイル群の各鞍形コイルに各々2π
/nずつ位相の遅れた周波数f1の正弦波で変調された
渦電流探傷周波数f2の電流を流してその管の内部に円
周方向に移動する渦電流を発生し、前記渦電流の移動に
同期して前記検出コイル群の各検出コイルの出力信号を
取り出して、管の全円周域の探傷を行う。前述の渦電流
発生コイル群にリング状励磁コイルを付設した場合に
は、管内に挿入された前記渦電流発生コイル群の前記鞍
形コイルの通電操作と前記リング状励磁コイルの通電と
を平行して或いは時期をずらして行う。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施形態を説明する。図1は本発明による探傷子を
含む探傷装置10の概略系統図を示し、図2は探傷子2
0の端面図である。図2で明らかなように、12(=2
N、N=6)個の渦電流発生用鞍形コイル21が円周状
に配設されて円筒形の渦電流発生コイル群22を形成
し、更にその軸方向中央部の外周には24(=6×4)
個の検出コイル23がリング状に配設されて検出コイル
群即ち検出コイルアレイ24を形成している。鞍形コイ
ル21及び検出コイル23のそれぞれの巻線からは、リ
ード線13,14が出て高速切換スイッチ15に連絡
し、リード線13側は更に高周波電源装置17に連絡し
ている。他方リード線14側は増幅器18を介して表示
・記録器19に連絡している。そして、渦電流発生コイ
ル群22及び検出コイルアレイ24の外側は、一点鎖線
で示す保護膜26により囲まれている。この保護膜26
は、非磁性且つ非電導性のプラスチックやセラミック等
で形成される。そして、この保護膜26は専ら検出コイ
ルアレイ24等を管との擦り等から保護するもので、探
傷作用には直接の関係はないから前述のように一点鎖線
で示し、以後の説明では割愛している。
【0009】図3の(a),(b)に、探傷子20を検
査すべき管1内に挿入したときの渦電流発生コイル群2
2及び鞍形コイル21単体の配置状態を示している。
【0010】以上のように構成され、管1の中に挿入さ
れた探傷子20を使用して探傷を行うには、12個の鞍
形コイル21の内、隣接した5(=N−1)個の鞍形コ
イル21に同時に渦電流試験周波数f2の高周波電流を通
電する。こうすると、図4及び図5(a)に示すように
管1の長さ方向に流れる渦電流31を有する渦電流場が
発生する。この渦電流場は、5個の隣接した鞍形コイル
21と高周波電源装置17との接続状態を高速切換スイ
ッチ15により順次切り換えることにより、図5(a)
に矢印33で示すように管1の円周方向に移動する。こ
のように鞍形コイル21への通電が切り換えられると
き、図5(b)に示すように管1の円周方向クラック7
に遭遇すると渦電流場が乱され、管1の内表面での磁界
の強さが変化する。この磁界の変化が、図4に示すよう
に通電鞍形コイル21群の中央部に対応する検出コイル
23によって検出されるが、1/Pの時間毎に高速切換
スイッチ15によりスイッチングされて検出信号が増幅
器18へ送られる。そして検出信号は増幅され、表示・
記録器19に記録され、或いは表示される。なお、図4
中の記号の丸で囲まれた×は、図面の紙面に直角に突入
する方向を示し、丸で囲まれた点は紙面から直角に手前
に飛び出す方向を示している。ここで、例えば、鞍形コ
イル21の通電切換速度を5msec(2kHz)程度とする
と、円周方向クラック7を検出するに適当な渦電流場
は、1/2000秒で管1を一周する。これは、回転数
120,000rpmに相当する。
【0011】前述の12個の鞍形コイル21を持つ探傷
子20の場合、隣接した5個の鞍形コイル21群を図6
に示すごとく2つ作ることができる。図6において、通
電している鞍形コイル21には、2点鎖線のハッチング
を付加した。この場合は、管1には、2個の円周方向位
置で同一の渦電流が発生し、円周方向に移動されるか
ら、これに同期して切り換えられる2個の検出コイル2
3によって、磁界の変化が検出される。この場合、周波
数f1を200Hz とすると回転数24,000rpmに
相当する速度となり、高速で探傷できる。
【0012】次に別の実施形態を説明する。図7に3
(=3N,N=1)個の鞍形コイル121からなる渦電
流発生コイル群122と24(=1×24)個の検出コ
イル123からなる検出コイルアレイ124とを有する
探傷子120が示されている。両者の軸方向の関係は、
図8に示すように第1の実施形態と同様であり、又、各
鞍形コイル121は、リード線113を介して高周波電
源装置117に電気的に連絡し、更に各検出コイル12
3はリード線114を介して高速切換スイッチ115に
連絡している。高速切換スイッチ115は、又高周波電
源装置117に連絡してその信号を受けて切り換えられ
るようになっている一方、増幅器118を介して表示・
記録器119に連絡し、検出コイル123の出力信号を
切り換えて表示し、又は記録できるようになっている。
尚、本実施形態においては、N=1であるが、実用的に
は、整数1,2,3,4の中から適宜選択されるもので
ある。
【0013】以上の構成の探傷子120を用いて管の探
傷を行う場合は、先ずこれを管の中に挿入する。そうす
ると、鞍形コイル121の数及び形状は異なるが、管と
渦電流発生コイル群122とは、前述の図3に示される
ような相対的位置関係を取る。そして、3個の鞍形コイ
ル121に2π/3ずつ遅れた位相を持つ周波数f1
正弦波で変調された渦電流探傷試験用周波数f2の電流
を通電する。尚この場合、2π/nにおいてn=3であ
るが、実用的にはn=3,4程度であり、前述のNとの
組み合わせとしては、(N=1,n=3),(N=2,
n=3),(N=3,n=3),(N=3,n=3,
4)が実用的に選択可能である。又、f2/f1は、5以上
が実用的である。
【0014】以上のような渦電流発生コイル群122の
各鞍形コイル121に対し、高周波電源装置117によ
り渦電流試験周波数f2 の高周波電流A,B,Cを通電
する。この高周波電流A,B,Cは、周波数f1 で変調
されたもので、例えば A=a sinω1t・b sinω1t, B=a sin(ω1t−2π/3)・b sinω
2t, C=a sin(ω1t−4π/3)・b sinω2t と表わされる。ここにおいてb/a=1,f2/f1は1
0以上程度であるが、これらの高周波電流A,B,C
は、図9のように図示される。このように鞍形コイル1
21が通電されると、管内には、円周方向の一部に管の
長さ方向に流れる渦電流を有する渦電流場が発生し、こ
の渦電流場は連続的に定速度で高速に管の円周方向に移
動し、1/f1の時間で一周する。この状態を図10及
び図11(a),(b)に示すが、当業者にとって容易
に理解できるように、これらの図は全く前述の図4及び
図5(a),(b)と同性質のものである。よって本実
施形態の探傷作用が容易に類推理解できると考えられる
ので、その探傷作用の説明は割愛する。尚、図におい
て、符号131は渦電流、同133は渦電流場の移動方
向を示す矢印である。
【0015】更に、前述の第2の実施形態において、鞍
形コイルの数を増やし(N=2,3、4,)、管に同時
に発生させる渦電流場を2個、3個等としてもよいこと
は前述の第1の実施形態から容易に理解できよう。この
場合は、探傷装置110を構成する高周波電源装置11
7や高速切換スイッチ118を相応のものに変更する
か、系統を増やす必要がある。発生する渦電流場の数が
増え、検出コイルアレイ124によって同時的に得られ
る出力信号の数が増えれば、前述の場合と同様、全円周
を渦電流場で走査する時間が短くなる。尚、鞍形コイル
の数を12としたとき、4種の高周波電流を隣接する4
個の鞍形コイルに流してもよいが、この場合は、同時に
発生する渦電流場の数は3個となる。しかし基本的な探
傷作用には変わりが無い。
【0016】更に、前述の第2の実施形態を発展させた
別の実施形態を説明する。図12及び図13において、
3個の鞍形コイル221が形成する渦電流発生コイル群
222の周囲に、リング乃至円筒状の励磁コイル226
が巻装され、これの軸方向中央部の外周に36個の検出
コイル223からなる検出コイルアレイ224が設けら
れている。鞍形コイル221及び検出コイル223は、
前述の鞍形コイル121及び検出コイル123と同等の
ものであり、それらの使用方法も同様である。そして鞍
形コイル121及び励磁コイル226は、それぞれリー
ド線213,212を介して高速切換スイッチ215に
接続し、そしてこの高速切換スイッチ215は高周波電
源装置217、別の高速切換スイッチ211及び表示・
記録器219とに個別に連絡している。一方、検出コイ
ル223は、それぞれリード線214を介して高速切換
スイッチ211に連絡し、更に増幅器218、表示・記
録器219に電気的に連絡するようになっている。尚、
検出コイルアレイ224を形成する検出コイル223の
個数Pは、この例では36であるが、実用的には8乃至
128程度の範囲の整数が選択される。
【0017】以上の構成において、鞍形コイル221及
び励磁コイル226に、高周波電源装置217から通電
し、高速切換スイッチ215に連動する高速切換スイッ
チ211が、検出コイル223の出力信号をを取り出す
のは前述の場合と同様である。そして、高速切換スイッ
チ215を作動させ、3個の鞍形コイル221の各々に
対し周波数f1 で変調された渦電流探傷試験周波数f2
の高周波電流A,B,Cを通電する。高周波電流A,
B,Cは、前述のものと同じ(図9に図示)と同じであ
る。そうすると、前述(図11参照)と同様に図14
(a)に示すように渦電流場が発生し、円周方向に移動
して、円周方向クラックがあったときの漏洩磁界の変化
が検出コイル223によって検出される。次に、高速切
換スイッチ215を作動させ、励磁コイル226に高周
波電流Dを通電する。ここで、D=b sinω2 tと
する。この通電により、管1には、図14(b)に示す
ような円周方向に流れる渦電流235が生じ、軸方向ク
ラックがあれば、検出コイル223で検出され、検出信
号は増幅器218で増幅され、そして表示・記録器21
9で表示され、或いは記録される。この場合、検出コイ
ルアレイ224の検出コイル223の切り換えは、1/
Pf2 毎に行われる。
【0018】尚、鞍形コイル221と励磁コイル226
への通電を同時に行う(電流は前述と同じ)と図14
(c)に示すように管軸に対し45度傾いた方向に流れ
る渦電流237を有する渦電流場が発生し、円周方向に
連続的に移動する。この渦電流場は、1/f1 の時間で
管1の円周を1回転し、この渦電流場の移動に伴って1
/Pf2 毎に高速切換スイッチ211を作動させ、検出
コイル223の出力を取り出す。この出力信号を増幅器
218で増幅し、表示・記録器219で表示し、或いは
記録する。このようにすると、円周方向クラック及び軸
方向クラックがあれば、共に検出される。以上の探傷操
作を繰り返し、探傷子220を管1の全長にわたって移
動させれば、管1の探傷が完了する。前述の探傷操作に
よる検出コイル223の出力例を図15(a)、
(b)、(c)に示す。図15において(a)、
(b)、(c)は、それぞれ渦電流発生コイル群222
のみに通電した場合の検出信号例、励磁コイル226の
みに通電した場合の検出信号例、及び渦電流発生コイル
群222と励磁コイル226とに同時に通電した場合の
検出信号例を示している。
【0019】以上のようにすると、1回の探傷により、
クラックの有無、クラックの方向を評価するために必要
な情報が同時に得られると共に、図15(a)の出力信
号と図15(b)の出力信号の差を求めることにより、
両信号に共通に検出される要素、例えば付着物、探傷子
の揺動等によるノイズの影響が低減できる。又、図12
及び図13に示すこの実施形態において、例えばf
1(ω1)を200Hzとし、f2(ω2)を300kHz
とすると、渦電流場は、1/f1=1/200(秒)で
管の全周を一周する。これは、機械的回転走査の120
00rpmに相当する。又、前述した3種類の渦電流の
発生方法を適用するものとして、4000(=1200
0/3)rpmに相当する回転速度が得られる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検査管に渦電流を発生する渦電流発生コイル群を2N
個乃至3N個の鞍形コイルから円筒形に形成し、複数の
鞍形コイルに同時に励磁電流を流すことにより、被検査
管に発生した渦電流を連続的に円周方向に移動するの
で、均一な検出性をもってクラックを検出することがで
きる。そして、渦電流の移動は、電子的スイッチングに
より、或いは、位相のずれた励磁用高周波電流を流した
りする電子的操作により行うので、機械回転式走査に比
し極めて短時間に渦電流場による走査即ち探傷を行うこ
とができる。又、円筒形渦電流発生コイル群に加え、リ
ング状励磁コイルを有する探傷子では、前述の効果に加
え、発生渦電流の向きを円周方向或いは軸方向に対し傾
斜させることにより、円周方向クラック及び軸方向クラ
ックを同時に検出でき、クラックの有無及び向を迅速に
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す探傷装置の概略系統
図である。
【図2】前記実施形態の要部を示す端面図である。
【図3】前記実施形態の作用説明図である。
【図4】前記実施形態の作用説明図である。
【図5】前記実施形態の作用説明図である。
【図6】前記実施形態において、励磁電流の通電方法を
変えた場合の作用説明図である。
【図7】本発明の別の実施形態の要部を示す端面図であ
る。
【図8】前記別の実施形態を示す探傷装置の概略系統図
である。
【図9】前記別の実施形態の作用説明図である。
【図10】前記別の実施形態の作用説明図である。
【図11】前記別の実施形態の作用説明図である。
【図12】本発明の更に別の実施形態の要部を示す端面
図である。
【図13】前記した更に別の実施形態の探傷子を用いた
探傷装置の系統図である。
【図14】図13の実施形態の作用説明図である。
【図15】図13の実施形態による例示的探傷試験結果
を示す出力図である。
【図16】従来の技術の説明図である。
【図17】従来技術の問題点の一を示す作用説明図であ
る。
【符号の説明】
1 管 10 探傷装置 15 高速切換スイッチ 17 高周波電源装置 20 探傷子 21 鞍形コイル 22 渦電流発生コイル群 23 検出コイル 24 検出コイルアレイ 31 渦電流 110 探傷装置 115 高速切換スイッチ 117 高周波電源装置 120 探傷子 121 鞍形コイル、 122 渦電流発生コイル群 123 検出コイル 124 検出コイルアレイ 211 高速切換スイッチ 215 高速切換スイッチ 217 高周波電源装置 220 探傷子 221 鞍形コイル 222 渦電流発生コイル群 223 検出コイル 224 検出コイルアレイ 226 励磁コイル
フロントページの続き (72)発明者 荒木 保夫 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 榎並 宏治 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 谷岡 修二 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 高取 亮一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 木寺 弘次 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鞍形コイルを円周状に配設して円
    筒形渦電流発生コイル群を形成し、同円筒形渦電流発生
    コイル群の外周に前記鞍形コイルに対応した複数の検出
    コイルを配設して検出コイル群を形成してなることを特
    徴とする管の渦電流探傷子。
  2. 【請求項2】 前記渦電流発生コイル群を2N(Nは、
    整数)個の鞍形コイルから形成し、前記検出コイル群を
    P(Pは、Nの整数倍)個の検出コイルから形成し、同
    検出コイル群を前記渦電流発生コイル群の軸方向中央部
    の外周に配設してなることを特徴とする請求項1記載の
    管の渦電流探傷子。
  3. 【請求項3】 前記渦電流探傷子を被検査管の内部に挿
    入し、前記管内に挿入された前記渦電流発生コイル群の
    (N−1)個の隣接した鞍形コイルに高周波電流を流し
    て管の内部に渦電流を発生し、スイッチにより発生渦電
    流を前記管の円周方向に移動するように通電状態を切り
    換え、前記発生渦電流の移動に同期して前記検出コイル
    群の各検出コイルの出力信号を取り出すことを特徴とす
    る請求項2記載の管の渦電流探傷子による探傷方法。
  4. 【請求項4】 前記渦電流発生コイル群を3N(Nは、
    整数)個の鞍形コイルから形成し、前記検出コイル群を
    P(Pは、Nの整数倍)個の検出コイルから形成し、同
    検出コイル群を前記渦電流発生コイル群の軸方向中央部
    の外周に配設してなることを特徴とする請求項1記載の
    管の渦電流探傷子。
  5. 【請求項5】 前記渦電流探傷子を被検査管の内部に挿
    入し、前記管内に挿入された前記渦電流発生コイル群の
    各鞍形コイルに各々2π/nずつ位相の遅れた周波数f
    1の正弦波で変調された渦電流探傷周波数f2の電流を流
    し、これにより前記管の内部に円周方向に移動する渦電
    流を発生し、前記渦電流の移動に同期して前記検出コイ
    ル群の各検出コイルの出力信号を取り出すことを特徴と
    する請求項4記載の管の渦電流探傷子による探傷方法。
  6. 【請求項6】 前記渦電流発生コイル群を3N(Nは、
    整数1,2,3,4である。)個の鞍形コイルから形成
    し、前記検出コイル群をP(Pは、Nの整数倍)個の検
    出コイルから形成し、同検出コイル群を前記渦電流発生
    コイル群の軸方向中央部の外周に配設し、更にリング状
    励磁コイルを前記渦電流探傷コイル群の外周に同軸的に
    配置してなることを特徴とする請求項1記載の管の渦電
    流探傷子。
  7. 【請求項7】 前記渦電流探傷子を被検査管の内部に挿
    入し、前記管内に挿入された前記渦電流発生コイル群の
    前記鞍形コイルの通電操作と前記リング状励磁コイルの
    通電とを平行して行うことを特徴とする請求項6記載の
    管の渦電流探傷子による探傷方法。
  8. 【請求項8】 前記渦電流探傷子を被検査管の内部に挿
    入し、前記管内に挿入された前記渦電流発生コイル群の
    前記鞍形コイルの通電操作と前記リング状励磁コイルの
    通電とを時期をずらして行うことを特徴とする請求項6
    記載の管の渦電流探傷子による探傷方法。
JP7332004A 1995-12-20 1995-12-20 管の渦電流探傷子及び探傷方法 Pending JPH09171003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7332004A JPH09171003A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 管の渦電流探傷子及び探傷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7332004A JPH09171003A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 管の渦電流探傷子及び探傷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09171003A true JPH09171003A (ja) 1997-06-30

Family

ID=18250068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7332004A Pending JPH09171003A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 管の渦電流探傷子及び探傷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09171003A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011047716A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Toyota Motor Corp 渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS626163A (ja) * 1985-07-03 1987-01-13 Nippon Steel Corp 回転磁界型渦流探傷方法
JPS62145162A (ja) * 1985-12-19 1987-06-29 Nippon Steel Corp 分割型回転磁界渦流探傷装置
JPS62146958U (ja) * 1986-03-12 1987-09-17
JPS63274859A (ja) * 1987-05-06 1988-11-11 Hitachi Ltd 渦流探傷コイル
JPH02176553A (ja) * 1988-12-28 1990-07-09 Nippon Mining Co Ltd 渦流探傷試験装置
JPH0344552A (ja) * 1989-07-12 1991-02-26 Kubota Corp マルチチャンネル渦流探傷装置
JPH06186205A (ja) * 1992-12-16 1994-07-08 Hitachi Ltd 渦電流探傷装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS626163A (ja) * 1985-07-03 1987-01-13 Nippon Steel Corp 回転磁界型渦流探傷方法
JPS62145162A (ja) * 1985-12-19 1987-06-29 Nippon Steel Corp 分割型回転磁界渦流探傷装置
JPS62146958U (ja) * 1986-03-12 1987-09-17
JPS63274859A (ja) * 1987-05-06 1988-11-11 Hitachi Ltd 渦流探傷コイル
JPH02176553A (ja) * 1988-12-28 1990-07-09 Nippon Mining Co Ltd 渦流探傷試験装置
JPH0344552A (ja) * 1989-07-12 1991-02-26 Kubota Corp マルチチャンネル渦流探傷装置
JPH06186205A (ja) * 1992-12-16 1994-07-08 Hitachi Ltd 渦電流探傷装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011047716A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Toyota Motor Corp 渦流式検査装置、及び、渦流式検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4471658A (en) Electromagnetic acoustic transducer
JP4917899B2 (ja) 渦電流探傷センサ及び渦電流探傷方法
CN108693244B (zh) 针对管状结构缺陷检测的内置s型阵列涡流检测探头及方法
JP5153274B2 (ja) 検査対象物の探傷装置
JP6795582B2 (ja) 渦電流探傷プローブ用の駆動コイル
JPH11502938A (ja) 渦電流式センサおよび該センサを少なくとも一つ有する管体検査装置
KR101941354B1 (ko) 송수신부가 절연된 배열 와전류 탐촉자 및 이를 이용한 와전류 탐상 검사 방법
US6377040B1 (en) Eddy current probe and process for checking the edges of metal articles
JPH09171003A (ja) 管の渦電流探傷子及び探傷方法
JP2013242223A (ja) 渦電流探傷装置及び方法
JP2004028897A (ja) 渦流探傷装置
US11169116B2 (en) Probe for nondestructive testing device using crossed gradient induced current and method for manufacturing induction coil for nondestructive testing device
JPH08201347A (ja) 管探傷装置
JP6751645B2 (ja) 渦電流探傷システム及び渦電流探傷方法
JP2000258397A (ja) 管の非破壊検査装置
JPS62145162A (ja) 分割型回転磁界渦流探傷装置
JP2548141Y2 (ja) 渦電流探傷装置
JPS6122250A (ja) 電磁超音波探傷方法及び装置
JPH06186205A (ja) 渦電流探傷装置
US10352909B2 (en) Paired magnetostrictive transducers for non destructive testing of tubular structures with selective torsional or flexural wave modes
JP2002055083A (ja) 渦電流探傷プローブ
WO2018168480A1 (ja) 渦流探傷プローブ
WO2005114165A1 (ja) 渦電流探傷プローブ及び渦電流探傷装置
CN115469008A (zh) 一种针对小径管周向裂纹涡流检测的差分探头及其使用方法
JPH0635961B2 (ja) 漏洩磁束探傷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010508