JP7302530B2 - ワイヤロープ検査装置 - Google Patents

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本発明は、ワイヤロープ検査装置に関し、特に、ワイヤロープの磁束を検知するコイルを備えるワイヤロープ検査装置に関する。
従来、ワイヤロープの磁束を検知するコイルを備えるロープテスタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1のロープテスタは、ワイヤロープに対して設けられた磁化検出体を備えている。磁化検出体は、ワイヤロープの磁束を検出するためのパンケーキコイルを含み、たとえばエレベータのワイヤロープの磁束を検出するように構成されている。パンケーキコイルは、ホルダーに固定されている。これにより、パンケーキコイルの位置が固定されている。
特開2005-89172号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているロープテスタでは、パンケーキコイルの位置が固定されているため、エレベータの運転に起因してワイヤロープが振動した場合、振動に起因してパンケーキコイルとワイヤロープとの間の距離が変化する。この場合、パンケーキコイルとワイヤロープとの間の距離の変化に起因してパンケーキコイルにより検知されるワイヤロープの磁束の強度が変化するため、検知信号が安定せずに、検知精度が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ワイヤロープが振動した場合にも、検知信号を安定させることにより検知精度を向上させることが可能なワイヤロープ検査装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるワイヤロープ検査装置は、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、ワイヤロープの位置を検知する位置センサと、検知コイルを移動させる駆動部と、検知コイルがワイヤロープの磁束を検知する状態において、位置センサから取得したワイヤロープの位置情報に基づいて、ワイヤロープの位置の変化に応じて検知コイルの位置が変化するように、駆動部により検知コイルの位置を制御する制御部と、を備える。
上記一の局面におけるワイヤロープ検査装置では、上記のように、位置センサから取得したワイヤロープの位置情報に基づいて、駆動部により検知コイルの位置を制御する制御部を設ける。これにより、ワイヤロープの位置の変化に応じて、検知コイルの位置を変化させることができるので、ワイヤロープが振動した場合にも、検知コイルとワイヤロープとの間の距離(位置)が変化することを抑制することができる。その結果、検知コイルとワイヤロープとの間の距離(位置)の変化に起因して検知コイルにより検知されるワイヤロープの磁束の強度が変化することを抑制することができるので、ワイヤロープが振動した場合にも、検知信号を安定させることができる。これにより、検知精度を向上させることができる。また、ワイヤロープの位置の変化に応じて、検知コイルの位置を変化させることができるので、検知コイルの位置が固定されている場合と異なり、検知コイルとワイヤロープとの間の距離を予め大きく設定する必要がない。その結果、検知コイルの位置が固定されている場合に比べて、検知コイルをワイヤロープの近くに配置することができるので、検知コイルにより検知されるワイヤロープの磁束の強度を大きくすることができる。これにより、検知感度を向上させることができるので、これによっても、検知精度を向上させることができる。
第1実施形態によるワイヤロープ検査装置が設けられている昇降路およびエレベータを示した模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示したブロック図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を説明するための模式図である。 第1実施形態による励振コイルを説明するための模式的な平面図である。 第1実施形態による検知コイルを説明するための模式的な平面図である。 第1実施形態による位置センサを説明するための模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を説明するための模式的な側面図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の検知コイルの位置の制御を説明するための模式図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を説明するための模式的な側面図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の検知コイルの構成を説明するための模式的な斜視図である。 第1実施形態の変形例によるワイヤロープ検査装置の構成を説明するための模式的な側面図である。 第1実施形態の変形例によるワイヤロープ検査装置の検知コイルの位置の制御を説明するための模式図である。 第1実施形態の変形例による位置センサを説明するための模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図8を参照して、第1実施形態によるワイヤロープ検査システム300の構成について説明する。なお、以下の説明において、「直交」とは、90度および90度近傍の角度をなして交差することを意味する。
(ワイヤロープ検査システムの構成)
図1に示すように、ワイヤロープ検査システム300は、検査対象物であり磁性体であるワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するためのシステムである。ワイヤロープ検査システム300は、ワイヤロープWの磁束を計測するワイヤロープ検査装置100と、ワイヤロープ検査装置100によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、および、ワイヤロープ検査装置100によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析などを行う処理装置200とを備えている。ワイヤロープ検査システム300によりワイヤロープWの異常を検査することにより、目視により確認しにくいワイヤロープWの異常を確認可能である。
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されており、Z方向に延びる長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、ワイヤロープ検査装置100により状態(傷等の有無)を検査されている。ワイヤロープWの磁束の計測の結果、劣化の程度が決められた基準を超えたと判断されるワイヤロープWは、作業者により交換される。
図1では、ワイヤロープ検査装置100が、エレベータ110のかご110aの移動に用いられるワイヤロープWを検査する例を示している。エレベータ110は、かご110aと、ワイヤロープWを駆動するための巻き上げ機110bとを備えている。エレベータ110は、巻き上げ機110bによりワイヤロープWを移動させることにより、かご110aを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。ワイヤロープ検査装置100は、ワイヤロープWに対して移動しないように固定された状態で、巻き上げ機110bにより移動されるワイヤロープWの傷みを検査する。なお、エレベータ110には、複数のワイヤロープWが設けられている。複数のワイヤロープWは、互いに平行に設けられている。
ワイヤロープWは、ワイヤロープ検査装置100の位置において、Z方向に延びるように配置されている。ワイヤロープ検査装置100は、ワイヤロープWの表面に沿って、ワイヤロープWに対して相対的にZ方向(ワイヤロープWの長手方向)に移動しながら、ワイヤロープWの磁束を計測する。エレベータ110に使用される動索であるワイヤロープWのように、ワイヤロープW自体が移動する場合には、ワイヤロープWをZ方向に移動させながら、ワイヤロープ検査装置100によるワイヤロープWの磁束の計測が行われる。これにより、ワイヤロープWのZ方向の各位置における磁束を計測することができるので、ワイヤロープWのZ方向の各位置における傷みを検査可能である。
(処理装置の構成)
図1に示すように、処理装置200は、たとえばパーソナルコンピュータである。処理装置200は、ワイヤロープ検査装置100が配置される空間とは違う空間に配置されている。処理装置200は、通信部201と、処理部202と、記憶部203と、表示部204とを備えている。通信部201は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置100と処理装置200とを通信可能に接続する。処理装置200は、通信部201を介して、ワイヤロープ検査装置100によるワイヤロープWの計測結果(計測データ)を受信する。処理部202は、処理装置200の各部を制御する。処理部202は、CPUなどのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。処理部202は、通信部201を介して受信したワイヤロープWの計測結果に基づいて、素線断線などのワイヤロープWの傷みを解析する。記憶部203は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果、処理部202によるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を記憶(保存)する。表示部204は、たとえば液晶モニタであり、ワイヤロープWの計測結果、処理部202によるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を表示する。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
図2に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、検知部1と、電子回路部2とを備えている。検知部1は、ワイヤロープWの磁束を検知(計測)する。具体的には、検知部1は、励振コイル11と、検知コイル12とを含んでいる。励振コイル11は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振することにより、ワイヤロープWに磁束を印加する。励振コイル11は、励振交流電流が流れることにより、Z方向(ワイヤロープWの長手方向、軸方向)に沿った磁界を内部(コイルの輪の内側)に発生させるとともに、発生させた磁界を内部に配置されたワイヤロープWに印加する。検知コイル12は、励振コイル11により磁界が印加されたワイヤロープWの磁束を検知(計測)する。検知コイル12は、検知したワイヤロープWの磁束に応じた検知信号(差動信号)を送信する。
電子回路部2は、制御部21と、受信I/F(インターフェース)22と、励振I/F23と、電源回路24と、記憶部25と、通信部26とを含んでいる。制御部21は、ワイヤロープ検査装置100の各部を制御するように構成されている。制御部21は、CPU(中央処理装置)などのプロセッサ、メモリ、AD変換器などを含んでいる。受信I/F22は、検知コイル12の検知信号(差動信号)を受信(取得)して、制御部21に送信する。受信I/F22は、増幅器を含んでいる。受信I/F22は、増幅器により検知コイル12の検知信号を増幅して、制御部21に送信する。励振I/F23は、制御部21からの制御信号を受信する。励振I/F23は、受信した制御信号に基づいて、励振コイル11に対する電力の供給を制御する。電源回路24は、外部から電力を受け取って、励振コイル11などのワイヤロープ検査装置100の各部に電力を供給する。記憶部25は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果(計測データ)などの情報を記憶(保存)する。通信部26は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置100と処理装置200とを通信可能に接続する。
また、図3に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、磁界印加部(整磁部)3を備えている。磁界印加部3は、ワイヤロープWに対して予めワイヤロープWが延びる方向に直交する方向(Y方向)に磁界を印加し、ワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向を整えるように構成されている。磁界印加部3は、磁石31および32を含んでいる。磁界印加部3(磁石31および32)は、検知コイル12に対してワイヤロープWが延びる方向の一方側(Z1方向側)に、検知コイル12から離間して配置されている。
(励振コイルに関する構成)
図3に示すように、励振コイル11は、第1励振コイル部11aと、第2励振コイル部11bとを有している。第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bは、ワイヤロープWを挟んで、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように設けられている。また、第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bは、コネクタ部(図示せず)を介して、電気的に互いに接続されるように構成されている。励振コイル11は、第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bに電流が流れることにより、ワイヤロープW周りを周回するように(渦を巻くように)電流が流れるように構成されている。
図4に示すように、第1励振コイル部11aは、コイル本体111と、コイル本体111が設けられた平板状の基板(プリント基板)112とを含んでいる。コイル本体111は、複数の端子部111aと、互いに対応する2つの端子部111a間を電気的に接続する複数の導線部111bとを有している。複数の端子部111aは、コネクタ部を介して、第2励振コイル部11bの後述する複数の端子部113aと電気的に接続されるように構成されている。
第2励振コイル部11bは、コイル本体113と、コイル本体113が設けられた平板状の基板(プリント基板)114とを含んでいる。コイル本体113は、複数の端子部113aと、互いに対応する2つの端子部113a間を電気的に接続する複数の導線部113bとを有している。複数の端子部113aは、コネクタ部を介して、第1励振コイル部11aの複数の端子部111aと電気的に接続されるように構成されている。励振コイル11は、第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bの各端子部111aおよび113aと、各導線部111bおよび113bとに接続順に電流が流れることにより、複数のワイヤロープW周りを複数回周回する電流が流れるように構成されている。
また、第1実施形態では、励振コイル11は、X方向に沿って並んで配列された複数のワイヤロープW(図7参照)に磁束を共通に印加するように構成されている。すなわち、励振コイル11は、複数のワイヤロープWの磁化の状態を共通に励振するように構成されている。励振コイル11は、複数のワイヤロープWに対して共通に設けられている。すなわち、励振コイル11は、複数のワイヤロープWに対して1つ設けられている。そして、1つの励振コイル11によって、複数のワイヤロープWにまとめて磁束が印加される。これにより、複数のワイヤロープWに対して励振コイル11を共通化することができるので、ワイヤロープ検査装置100の構造を簡素化可能である。
また、励振コイル11の第1励振コイル部11aは、検知コイル12の後述する第1受信コイル12aに対して外側(Y1方向側)に設けられている。また、励振コイル11の第2励振コイル部11bは、検知コイル12の後述する第2受信コイル12bに対して外側(Y2方向側)に設けられている。すなわち、検知コイル12は、励振コイル11の内側(コイルの輪の内側)に配置されている。なお、検知コイル12は、励振コイル11の外側(コイルの輪の外側)に配置されていてもよい。
(検知コイルに関する構成)
図3に示すように、検知コイル12は、第1受信コイル12aと、第2受信コイル12bとを有している。第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bは、ワイヤロープWを挟んで、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように設けられている。第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bは、互いに差動接続されている。これにより、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bは、互いに逆方向に電流が流れるように構成されている。
ワイヤロープWの磁束を検知する際には、ワイヤロープWは、第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとの間に非接触の状態で配置される。検知コイル12は、第1受信コイル12aにより得られた信号と第2受信コイル12bにより得られた信号との差動信号を検知信号として出力するように構成されている。検知コイル12は、差動コイルである。
図5に示すように、第1受信コイル12aは、平面コイルであるコイル本体121と、コイル本体121が設けられた平板状の基板(プリント基板)122とを有している。コイル本体121は、基板122の基板面内において巻き回された渦巻き状の導線からなる。コイル本体121は、ワイヤロープWが延びる方向(Z方向)と直交する方向(Y方向)から見て、矩形状に形成されている。また、コイル本体121は、Z方向およびY方向に直交するX方向に長手方向を有し、Z方向に短手方向を有する矩形状に形成されている。
第2受信コイル12bは、平面コイルであるコイル本体123と、コイル本体123が設けられた平板状の基板(プリント基板)124とを有している。コイル本体123は、基板124の基板面内において巻き回された渦巻き状の導線からなる。コイル本体123は、ワイヤロープWが延びる方向(Z方向)と直交する方向(Y方向)から見て、矩形状に形成されている。また、コイル本体123は、Z方向およびY方向に直交するX方向に長手方向を有し、Z方向に短手方向を有する矩形状に形成されている。なお、第1受信コイル12aのコイル本体121および第2受信コイル12bのコイル本体123は、同様の構成(形状)を有している。
また、第1実施形態では、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bは、X方向に沿って並んで配列された複数のワイヤロープW(図7参照)の磁束を共通に検知するように構成されている。すなわち、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12b(検知コイル12)は、複数のワイヤロープWに対して共通に設けられている。検知コイル12は、複数のワイヤロープWに対して1つ設けられている。そして、1つの検知コイル12によって、複数のワイヤロープWの磁束がまとめて検知される。
(位置センサに関する構成)
また、図3に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、位置センサ4を備えている。位置センサ4は、ワイヤロープWの位置を検知するように構成されている。具体的には、位置センサ4は、ワイヤロープWの位置を非接触で検知するように構成されている。また、位置センサ4は、検知したワイヤロープWの位置情報を制御部21(図2参照)に出力するように構成されている。位置センサ4は、検知コイル12に対してワイヤロープWが延びる方向の一方側(Z1方向側)に、検知コイル12から離間して配置されている。
また、位置センサ4は、X方向に並んで配列された複数のワイヤロープW(図7参照)に対して1つ設けられている。具体的には、位置センサ4は、複数のワイヤロープWの一方端、または、他方端のワイヤロープWに対して設けられている。すなわち、位置センサ4は、複数のワイヤロープWのうち最もX1方向側に配置されたワイヤロープW、または、最もX2方向側に配置されたワイヤロープWのいずれかに対して設けられている。なお、振動による複数のワイヤロープWの挙動(位置の変化)はほとんど同じであるため、複数のワイヤロープWに対して1つの位置センサ4を設けるだけでも、実質的に複数のワイヤロープWの位置を検知可能である。
また、図6に示すように、位置センサ4は、磁気によりワイヤロープWの位置を検知する磁気センサを含んでいる。具体的には、位置センサ4は、ヨーク41と、複数(2つ)の巻線コイル42とを有している。ヨーク41は、けい素鋼板などの磁性体により構成されている。複数の巻線コイル42は、ヨーク41に互いに独立して巻き回されている。また、複数の巻線コイル42は、ワイヤロープWを挟むように、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)に互いに対向するように設けられている。
位置センサ4では、複数の巻線コイル42に交流電流(たとえば1kHzの交流電流)が流れている。複数の巻線コイル42に交流電流が流れた状態で、複数の巻線コイル42とワイヤロープWとの間の距離が変化すると、複数の巻線コイル42のL成分(インダクタンス)が変化し、複数の巻線コイル42の両端の電圧の位相差として現れる。これにより、位置センサ4は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)のワイヤロープWの位置を検知するように構成されている。
(駆動部および支持部に関する構成)
また、図7に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、駆動部5を備えている。駆動部5は、モータを含み、検知コイル12を移動させるように構成されている。具体的には、駆動部5は、検知コイル12をワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)に移動させるように構成されている。駆動部5は、駆動伝達機構であるボールねじ51を介して、後述する支持部6に接続されている。
また、ワイヤロープ検査装置100は、支持部6を備えている。支持部6は、検知コイル12の第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に支持するように構成されている。また、支持部6は、検知コイル12の第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に支持した状態で、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bと駆動部5とを接続するように構成されている。
具体的には、支持部6は、複数の第1接続部61と、複数の第2接続部62と、駆動プレート63とを含んでいる。複数の第1接続部61は、第1受信コイル12aと、第2受信コイル12bとを接続するように構成されている。複数の第1接続部61は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)に延びるように設けられている。また、複数の第2接続部62は、複数の第1接続部61により接続された第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bと、駆動プレート63とを接続するように構成されている。複数の第2接続部62は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向に延びるように設けられている。駆動プレート63は、駆動部5に接続されたボールねじ51に接続されている。駆動プレート63は、ワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に平行に設けられている。
第1実施形態では、駆動部5は、支持部6を移動させることにより、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に移動させるように構成されている。具体的には、駆動部5は、ボールねじ51を回転させることにより、支持部6の駆動プレート63、複数の第2接続部62および複数の第1接続部61を介して接続された第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に移動させるように構成されている。また、駆動部5は、ボールねじ51の回転方向に応じて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向の一方方向(Y1方向)または他方方向(Y2方向)のいずれかに、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に移動させるように構成されている。
また、ワイヤロープ検査装置100は、筐体7を備えている。筐体7は、励振コイル11の第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bと、検知コイル12の第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bと、支持部6の一部(複数の第1接続部61および複数の第2接続部62の一部)とを収容するように構成されている。駆動部5と、支持部6の一部(複数の第2接続部62の一部および駆動プレート63)とは、筐体7外に設けられている。また、筐体7は、磁界印加部3(図3参照)と、位置センサ4(図3参照)とも収容するように構成されている。
(検知コイルの位置制御に関する構成)
ここで、第1実施形態では、図8に示すように、制御部21は、位置センサ4(図3参照)から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、駆動部5により検知コイル12の位置を制御するように構成されている。具体的には、制御部21は、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)の検知コイル12の位置を制御するように構成されている。この際、制御部21は、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向のワイヤロープWと検知コイル12との相対位置が維持されるように、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向の検知コイル12の位置を制御するように構成されている。
また、第1実施形態では、制御部21は、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとの間の中央部の位置に、ワイヤロープWが位置するように、検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとの位置を制御するように構成されている。具体的には、制御部21は、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)のワイヤロープWと第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bとの相対位置が維持されるように、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向の検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとの位置を制御するように構成されている。
たとえば、ワイヤロープWがY1方向に移動した場合、制御部21は、Y1方向に移動したワイヤロープWに対応するように、駆動部5により検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとをY1方向に移動させる制御を行う。この際、制御部21は、検知コイル12の位置におけるワイヤロープWのY1方向の移動距離に対応する移動距離分だけ、駆動部5により検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとをY1方向に移動させる制御を行う。同様に、ワイヤロープWがY2方向に移動した場合、制御部21は、Y2方向に移動したワイヤロープWに対応するように、駆動部5により検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとをY2方向に移動させる制御を行う。この際、制御部21は、検知コイル12の位置におけるワイヤロープWのY2方向の移動距離に対応する移動距離分だけ、駆動部5により検知コイル12の第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとをY2方向に移動させる制御を行う。
また、制御部21は、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、検知コイル12の位置におけるワイヤロープWの位置情報を取得するとともに、検知コイル12の位置におけるワイヤロープWの位置情報に基づいて、駆動部5により検知コイル12の位置を制御するように構成されている。
なお、励振コイル11の第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bは、筐体7内において、ワイヤロープWに対して移動しないように固定されている。このため、検知コイル12の位置制御時にも、励振コイル11の第1励振コイル部11aおよび第2励振コイル部11bは、移動しないように構成されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、駆動部5により検知コイル12の位置を制御する制御部21を設ける。これにより、ワイヤロープWの位置の変化に応じて、検知コイル12の位置を変化させることができるので、ワイヤロープWが振動した場合にも、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)が変化することを抑制することができる。その結果、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)の変化に起因して検知コイル12により検知されるワイヤロープWの磁束の強度が変化することを抑制することができるので、ワイヤロープWが振動した場合にも、検知信号を安定させることができる。これにより、検知精度を向上させることができる。また、ワイヤロープWの位置の変化に応じて、検知コイル12の位置を変化させることができるので、検知コイル12の位置が固定されている場合と異なり、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離を予め大きく設定する必要がない。その結果、検知コイル12の位置が固定されている場合に比べて、検知コイル12をワイヤロープWの近くに配置することができるので、検知コイル12により検知されるワイヤロープWの磁束の強度を大きくすることができる。これにより、検知感度を向上させることができるので、これによっても、検知精度を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向の検知コイル12の位置を制御するように構成する。これにより、ワイヤロープWの振動が発生しやすいワイヤロープWが延びる方向と直交する方向にワイヤロープWが振動した場合に、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)が変化することを抑制することができるので、検知信号を効果的に安定させることができる。これにより、検知精度を効果的に向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向のワイヤロープWと検知コイル12との相対位置が維持されるように、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向の検知コイル12の位置を制御するように構成する。これにより、ワイヤロープWが振動した場合にも、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)が変化することを確実かつ効果的に抑制することができる。その結果、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)の変化に起因して検知コイル12により検知されるワイヤロープWの磁束の強度が変化することを確実かつ効果的に抑制することができるので、検知信号を確実かつ効果的に安定させることができる。これにより、検知精度を確実かつ効果的に向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、検知コイル12を、平面コイルを含む第1受信コイル12aと、平面コイルを含む第2受信コイル12bとを含むように構成する。また、制御部21を、位置センサ4から取得したワイヤロープWの位置情報に基づいて、第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとの間の中央部の位置に、ワイヤロープWが位置するように、検知コイル12の第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの位置を制御するように構成する。これにより、ワイヤロープWが振動した場合にも、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bとワイヤロープWとの間の距離(位置)が変化することを確実に抑制することができる。その結果、検知コイル12が第1受信コイル12aと第2受信コイル12bとを含む場合にも、検知信号を確実に安定させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワイヤロープWを、複数のワイヤロープWを含むように構成する。また、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを、複数のワイヤロープWに対して共通に設ける。これにより、複数のワイヤロープWに対して第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12b(検知コイル12)を共通化することができるので、複数のワイヤロープWの各々に対して検知コイルを設ける場合に比べて、ワイヤロープ検査装置100の構造を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、駆動部5を、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bに対して共通に設ける。これにより、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bに対して駆動部5を共通化することができるので、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの各々に対して駆動部5を設ける場合に比べて、ワイヤロープ検査装置100の構造を簡素化することができる。また、共通の駆動部5により第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの位置(検知コイル12の位置)を制御することができるので、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの各々に対して駆動部を設ける場合に比べて、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの位置の制御を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワイヤロープ検査装置100を、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に支持する支持部6を備えるように構成する。また、駆動部5を、支持部6を移動させることにより、第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に移動させるように構成する。これにより、単に支持部6を移動させるだけで第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bを一体的に移動させることができるので、共通の駆動部5による第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bの位置の制御を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワイヤロープ検査装置100を、複数のワイヤロープWに磁束を共通に印加する励振コイル11を備えるように構成する。これにより、複数のワイヤロープWに対して励振コイル11を共通化することができるので、複数のワイヤロープWの各々に対して励振コイルを設ける場合に比べて、ワイヤロープ検査装置100の構造を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、位置センサ4を、磁気によりワイヤロープWの位置を検知する磁気センサを含むように構成する。これにより、ワイヤロープWの表面の汚れに弱いレーザ反射式のセンサなどの光センサによりワイヤロープWの位置を検知する場合と異なり、ワイヤロープWの表面に汚れがある場合にも、位置センサ4によるワイヤロープWの位置の検知精度が低下することを抑制することができる。その結果、ワイヤロープWの表面が汚れている場合にも、ワイヤロープWの位置を正確に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワイヤロープWを、エレベータ110に用いられるワイヤロープWを含むように構成する。これにより、振動が発生しやすいエレベータ110に用いられるワイヤロープWにおいて、ワイヤロープWが振動した場合に、検知コイル12とワイヤロープWとの間の距離(位置)が変化することを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、検知コイルが複数のワイヤロープに対して共通に設けられている上記第1実施形態とは異なり、検知コイルが複数のワイヤロープの各々に対して個別に設けられている例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
ワイヤロープ検査装置400は、図9に示すように、検知コイル412を備える点で、上記第1実施形態のワイヤロープ検査装置100と相違する。
第2実施形態では、検知コイル412は、複数のワイヤロープWの各々に対して個別に設けられている。検知コイル412は、複数(5つ)のワイヤロープWに対応するように複数(5つ)設けられている。複数の検知コイル412は、実質的に同様の構成を有している。なお、第2実施形態においても、励振コイル11は、上記第1実施形態と同様に、複数のワイヤロープWに対して共通で1つだけ設けられている。
図10に示すように、検知コイル412は、第1部分412aと、第2部分412bとを含んでいる。また、検知コイル412は、半円周状(半円筒状)の第1部分412aと、半円周状(半円筒状)の第2部分412bとに分割可能な分割型のコイルである。検知コイル412は、第1部分412aと第2部分412bとにより、円周状(円筒状)にワイヤロープWを取り囲むように構成されている。なお、検知コイル412の位置制御は、第1部分412aおよび第2部分412bを、それぞれ、上記第1実施形態の第1受信コイル12aおよび第2受信コイル12bに読み替えれば、上記第1実施形態と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、検知コイル412を、複数のワイヤロープWの各々に対して個別に設ける。これにより、複数のワイヤロープWの各々を個別の検知コイル412により検知することができるので、複数のワイヤロープWの各々の状態をより精度よく取得することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、検知コイル412を、半円周状の第1部分412aと、半円周状の第2部分412bとに分割可能であるように構成する。また、検知コイル412を、第1部分412aと第2部分412bとにより、円周状にワイヤロープWを取り囲むように構成する。これにより、検知コイル412をワイヤロープWに近い位置に設けることができるので、ワイヤロープWの磁束を検知コイル412により、より精度よく検知することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ワイヤロープ検査システムがエレベータに用いられるワイヤロープを検査するシステムである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査システムがクレーンや、吊り橋、ロボットなどに用いられるワイヤロープを検査するシステムであってもよい。なお、本発明は、振動が発生しやすいエレベータやクレーンなどに用いられる動索であるワイヤロープに対して好適である。
また、上記第1および第2実施形態では、ワイヤロープ検査装置が、複数のワイヤロープを検査するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置が、1つのワイヤロープを検査するように構成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部が、ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の検知コイルの位置を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示す変形例のように、制御部21(図2参照)が、ワイヤロープWが延びる方向と直交する第1方向(Y方向)の検知コイル12の位置に加えて、ワイヤロープWが延びる方向および第1方向と直交する第2方向(X方向)の検知コイル12の位置を制御するように構成されていてもよい。この場合、ワイヤロープ検査装置100は、検知コイル12を第1方向(Y方向)に移動させる駆動部5に加えて、検知コイル12を第2方向(X方向)に移動させる駆動部5aをさらに備えている。駆動部5aは、たとえば、駆動部5および支持部6を一体的に第2方向に移動させるように構成されている。
また、図12に示す変形例のように、制御部21(図2参照)が、通常時にワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に対してワイヤロープWが検知コイル12側(Y1方向側またはY2方向側)に傾斜した場合、傾斜したワイヤロープWに沿って傾斜するように、検知コイル12の位置を制御するように構成されていてもよい。この場合、ワイヤロープ検査装置100は、駆動部5に加えて、検知コイル12を通常時にワイヤロープWが延びる方向(Z方向)に対して検知コイル12側に傾斜させる駆動部5bをさらに備えている。駆動部5bは、たとえば、駆動部5および支持部6を一体的に傾斜させるように構成されている。なお、図12では、便宜上、ワイヤロープWがY1方向側に傾斜した例を図示しているが、ワイヤロープWがY2方向側に傾斜した場合にも、傾斜したワイヤロープWに沿って傾斜するように、検知コイル12の位置が制御される。また、本発明では、ワイヤロープ検査装置が、上記実施形態の駆動部5と、図11に示す変形例の駆動部5aと、図12に示す変形例の駆動部5bとを備えていてもよい。
また、上記第1実施形態では、検知コイルが、平面コイルを含む第1受信コイルと、平面コイルを含む第2受信コイルとを含む差動コイルである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルが、巻線コイルを含む第1受信コイルと、巻線コイルを含む第2受信コイルとを含む差動コイルであってもよい。また、検知コイルが、必ずしも差動コイルでなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1受信コイルおよび第2受信コイルが、矩形状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1受信コイルおよび第2受信コイルが、楕円状に形成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ワイヤロープ検査装置が、ワイヤロープに磁束を印加する励振コイルを備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査装置が、励振コイルに代えて、ワイヤロープに磁束を印加する永久磁石を備えていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、検知コイルの位置制御時に、励振コイルが、移動しないように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルの位置制御時に、励振コイルが、検知コイルと共に移動するように構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、駆動部が、第1受信コイルおよび第2受信コイルに対して共通に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部が、第1受信コイルおよび第2受信コイルの各々に対して個別に設けられていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、位置センサとしての磁気センサが、複数の巻線コイルを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置センサとしての磁気センサが、1つの巻線コイルのみを有していてもよい。たとえば、図13に示す変形例では、位置センサ4aが、磁性体により構成されたコア43と、1つの巻線コイル44とを有している。巻線コイル44は、コア43に巻き回されている。また、巻線コイル44は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Y方向)にワイヤロープWと対向するように設けられている。位置センサ4aも、上記実施形態の位置センサ4と同様に、巻線コイル44のインダクタンスの変化に基づいて、ワイヤロープWの位置を検知可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、位置センサが、磁気センサを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置センサが、磁気センサ以外の光センサなどを含んでいてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、位置センサが、複数のワイヤロープに対して1つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置センサが、複数のワイヤロープの各々に対して1つずつ設けられていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、位置センサが、検知コイルに対してワイヤロープが延びる方向の一方側(Z1方向側)に、検知コイルから離間して配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、位置センサが、検知コイルに対してワイヤロープが延びる方向の一方側(Z1方向側)および他方側(Z2方向側)の両方に、検知コイルから離間して配置されていてもよい。これにより、ワイヤロープの位置をより精度よく検知することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、磁界印加部が、検知コイルに対してワイヤロープが延びる方向の一方側(Z1方向側)に、検知コイルから離間して配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁界印加部が、検知コイルに対してワイヤロープが延びる方向の一方側(Z1方向側)および他方側(Z2方向側)の両方に、検知コイルから離間して配置されていてもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、
前記ワイヤロープの位置を検知する位置センサと、
前記検知コイルを移動させる駆動部と、
前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記駆動部により前記検知コイルの位置を制御する制御部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
(項目2)
前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記検知コイルの位置を制御するように構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目3)
前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記ワイヤロープと前記検知コイルとの相対位置が維持されるように、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記検知コイルの位置を制御するように構成されている、項目2に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目4)
前記検知コイルは、平面コイルを含む第1受信コイルと、平面コイルを含む第2受信コイルとを含み、
前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記第1受信コイルと前記第2受信コイルとの間の中央部の位置に、前記ワイヤロープが位置するように、前記検知コイルの前記第1受信コイルと前記第2受信コイルとの位置を制御するように構成されている、項目1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目5)
前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記複数のワイヤロープに対して共通に設けられている、項目4に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目6)
前記駆動部は、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに対して共通に設けられている、項目4または5に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目7)
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを一体的に支持する支持部をさらに備え、
前記駆動部は、前記支持部を移動させることにより、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを一体的に移動させるように構成されている、項目6に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目8)
前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
前記検知コイルは、前記複数のワイヤロープの各々に対して個別に設けられている、項目1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目9)
複数の前記検知コイルの各々は、半円周状の第1部分と、半円周状の第2部分とに分割可能であり、前記第1部分と前記第2部分とにより、円周状に前記ワイヤロープを取り囲むように構成されている、項目8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目10)
前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
前記複数のワイヤロープに磁束を共通に印加する励振コイルをさらに備える、項目1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目11)
前記位置センサは、磁気により前記ワイヤロープの位置を検知する磁気センサを含む、項目1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目12)
前記ワイヤロープは、エレベータに用いられるワイヤロープを含む、項目1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
4、4a 位置センサ(磁気センサ)
5、5a、5b 駆動部
6 支持部
12、412 検知コイル
12a 第1受信コイル
12b 第2受信コイル
21 制御部
100、400 ワイヤロープ検査装置
412a 第1部分
412b 第2部分

Claims (12)

  1. ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、
    前記ワイヤロープの位置を検知する位置センサと、
    前記検知コイルを移動させる駆動部と、
    前記検知コイルが前記ワイヤロープの磁束を検知する状態において、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記ワイヤロープの位置の変化に応じて前記検知コイルの位置が変化するように、前記駆動部により前記検知コイルの位置を制御する制御部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
  2. 前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記検知コイルの位置を制御するように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  3. 前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記ワイヤロープと前記検知コイルとの相対位置が維持されるように、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向の前記検知コイルの位置を制御するように構成されている、請求項2に記載のワイヤロープ検査装置。
  4. 前記検知コイルは、平面コイルを含む第1受信コイルと、平面コイルを含む第2受信コイルとを含み、
    前記制御部は、前記位置センサから取得した前記ワイヤロープの位置情報に基づいて、前記第1受信コイルと前記第2受信コイルとの間の中央部の位置に、前記ワイヤロープが位置するように、前記検知コイルの前記第1受信コイルと前記第2受信コイルとの位置を制御するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  5. 前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
    前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記複数のワイヤロープに対して共通に設けられている、請求項4に記載のワイヤロープ検査装置。
  6. 前記駆動部は、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに対して共通に設けられている、請求項4または5に記載のワイヤロープ検査装置。
  7. 前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを一体的に支持する支持部をさらに備え、
    前記駆動部は、前記支持部を移動させることにより、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを一体的に移動させるように構成されている、請求項6に記載のワイヤロープ検査装置。
  8. 前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
    前記検知コイルは、前記複数のワイヤロープの各々に対して個別に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  9. 複数の前記検知コイルの各々は、半円周状の第1部分と、半円周状の第2部分とに分割可能であり、前記第1部分と前記第2部分とにより、円周状に前記ワイヤロープを取り囲むように構成されている、請求項8に記載のワイヤロープ検査装置。
  10. 前記ワイヤロープは、複数のワイヤロープを含み、
    前記複数のワイヤロープに磁束を共通に印加する励振コイルをさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  11. 前記位置センサは、磁気により前記ワイヤロープの位置を検知する磁気センサを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  12. 前記ワイヤロープは、エレベータに用いられるワイヤロープを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
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