JP7448037B2 - ワイヤロープ検査装置、および、ワイヤロープ検査システム - Google Patents

ワイヤロープ検査装置、および、ワイヤロープ検査システム Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤロープ検査装置、および、ワイヤロープ検査システムに関する。
従来、検知コイルによりワイヤロープの磁束の変化を検知するワイヤロープ検査装置が知られている。このようなワイヤロープ検査装置は、たとえば、国際公開第2019/171667号に開示されている。
上記国際公開第2019/171667号には、ワイヤロープ(磁性体)に対して設けられた励磁部と、ワイヤロープの磁束(磁界)を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置(磁性体検査装置)が開示されている。上記国際公開第2019/171667号に記載のワイヤロープ検査装置では、励磁部により磁束が印加されることにより生じるワイヤロープの磁束の変化を検知コイルにより検知するように構成されている。
国際公開第2019/171667号
ここで、上記国際公開第2019/171667号には記載されていないが、ワイヤロープ検査装置では、ワイヤロープが振動して検知コイルに接触することを抑制するために、検知コイルとワイヤロープとの間の距離は、ワイヤロープの最大振動揺れ幅よりも大きくなるように構成されている。一方、検知コイルによって精度よくワイヤロープの検査を行うためには、検知コイルとワイヤロープとの間の距離は、可能な限り小さくする方が望ましい。すなわち、上記国際公開第2019/171667号に記載されているようなワイヤロープ検査装置では、検知コイルとワイヤロープとの間の距離は、ワイヤロープの最大振動揺れ幅よりも大きく、かつ、可能な限り小さくなるように構成されることが望ましい。
しかしながら、検査対象であるワイヤロープの外表面から飛び出した部分(素線切れに起因する素線の飛び出しなど)がある場合には、検知コイルに飛び出した部分が接触する可能性がある。そのため、検知コイルを近づけてワイヤロープの検査を精度よく行いながら、検査対象であるワイヤロープから飛び出した部分と検知コイルとの接触を抑制することが可能なワイヤロープ検査装置、および、ワイヤロープ検査システムが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、検知コイルを近づけてワイヤロープの検査を精度よく行いながら、検査対象であるワイヤロープから飛び出した部分と検知コイルとの接触を抑制することが可能なワイヤロープ検査装置、および、ワイヤロープ検査システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるワイヤロープ検査装置は、検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、励磁部により磁界が印加されるワイヤロープに対して相対的に移動しながらワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、飛び出し部分が検知コイルに接触する前に、検知コイルをワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える。なお、本明細書では、「飛び出し部分」とは、ワイヤロープの素線切れによって切れた素線がワイヤロープの外表面から飛び出した部分に加えて、ワイヤロープのねじれ、折れ、キンク、または、かご状の型崩れなどの不良(異常)によって、ワイヤロープの断面積が通常状態よりも大きくなっている外表面の部分を含む概念である。また、本明細書では、「飛び出し部分」は、上記のような素線の不良のみならず、ワイヤロープの外表面に付着した異物またはグリスなどに起因するワイヤロープの断面積の増加をも含む広い概念として記載している。また、「検知コイルに接触する」とは、検知コイル自体への接触に加えて、検知コイルが配置される検知コイルの筐体(検知コイル本体部分)に接触することを含む概念である。
この発明の第2の局面におけるワイヤロープ検査システムは、検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、励磁部により磁界が印加されるワイヤロープに対して相対的に移動しながらワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、飛び出し部分が検知コイルに接触する前に、検知コイルをワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置と、検知コイルからの信号に基づいて、ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されている処理装置と、を備え、ワイヤロープ検査装置は、飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、飛び出し部分が検知されたことを示す情報を処理装置に出力するように構成されている。
上記第1の局面におけるワイヤロープ検査装置と、上記第2の局面におけるワイヤロープ検査システムとでは、飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、飛び出し部分が検知コイルに接触する前に、検知コイルをワイヤロープから離間する方向に移動させる。これにより、ワイヤロープの飛び出し部分が検知された場合に、飛び出し部分が検知コイルに接触する前に、検知コイルをワイヤロープから離間させることができる。そのため、ワイヤロープの磁束を精度よく検知するために検知コイルをワイヤロープに近づけて検査を行う場合にも、検知コイルが飛び出し部分に接触する前に、検知コイルをワイヤロープから離間させることができる。その結果、検知コイルを近づけてワイヤロープの検査を精度よく行いながら、検査対象であるワイヤロープから飛び出した部分(飛び出し部分)と検知コイルとの接触を抑制することができる。
第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示した模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した正面図(X2方向側から視た図)である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した上面図(Z1方向側から視た図)である。 図4のa-a線に沿った断面図である。 第1実施形態による磁界印加部による磁界の印加を説明するための図である。 第1実施形態による検知コイルの構成を示した模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の通常運転時の検知コイルの移動を示した図であって、(A)は、通常運転時における図4のa-a線に沿った断面図であり、(B)は、通常運転時のワイヤロープ検査装置のX2方向側から視た図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の検査運転時の検知コイルの移動を示した図であって、(A)は、検査運転時における図4のa-a線に沿った断面図であり、(B)は、検査運転時のワイヤロープ検査装置のX2方向側から視た図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による検知部の構成を示した斜視図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による飛び出し検知部の導通を説明するための図であって、(A)は、第1部分と第2部分とが離間した状態を示す図であり、(B)は、第1部分と第2部分とが接触した状態を示す図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置における飛び出し検知部による飛び出し部分の検知を説明するための図である。 第1実施形態のワイヤロープ検査装置による信号の送受信を説明するための図である。 第1実施形態による飛び出し部分が検知された場合の処理装置の表示部の表示を説明するための図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した図であって、(A)は、ワイヤロープ検査装置のX1方向側から視た図であり、(B)は、(A)のb-b線に沿った断面図である。 第2実施形態による飛び出し検知部の構成を示した斜視図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第3実施形態による検知コイルの構成を示した斜視図である。 第3実施形態による検知コイルの移動を説明するための図である。 第4実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第4実施形態による表示部の表示を説明するための図である。 本発明の変形例によるワイヤロープ検査システムの構成を説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図14を参照して、本発明の第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置101の構成について説明する。なお、以下の説明において、「直交」とは、90度および90度近傍の角度をなして交差することを意味する。また、「平行」とは、平行および略平行を含む。
(ワイヤロープ検査システムの構成)
図1に示すように、ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープ検査装置101と、処理装置102とを備える。ワイヤロープ検査システム100は、エレベータ103に設けられたワイヤロープWの検査を行う。具体的には、ワイヤロープ検査システム100は、検査対象であるエレベータ103のワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するためのシステムである。
ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの内部の磁束を測定する全磁束法により、ワイヤロープWの状態を検査する。また、ワイヤロープ検査装置101は、全磁束法による検査とは別個に、ワイヤロープWの外表面から少なくとも一部の飛び出し部分Wa(図10参照)を検知するように構成されている。処理装置102は、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析、そして、飛び出し部分Waの検知の表示および報知などを行う。
(エレベータの構成)
図1および図2に示すように、エレベータ103は、かご103a、シーブ103b、シーブ103c、制御装置103d、および、ワイヤロープWを備える。エレベータ103は、巻き上げ機に設けられたシーブ103b(滑車)が回動してワイヤロープWを巻き上げることによって、人および積み荷などを積載するかご103aを上下方向(鉛直方向)に移動させるように構成されている。また、エレベータ103は、たとえば、2つのシーブ103bおよびシーブ103cを備えるダブルラップ方式(フルラップ方式)のロープ式エレベータである。ダブルラップ方式とは、巻き上げ機のシーブ103bから、そらせ車であるシーブ103cへと導かれたワイヤロープWを再度巻き上げ機のシーブ103bに戻すことによって、シーブ103bに2回ワイヤロープWを掛ける構造である。
制御装置103dは、エレベータ103の各部の動作を制御する制御盤を含む。また、制御装置103dは、無線通信モジュールなどを含み、ワイヤロープ検査装置101および処理装置102と通信可能に構成されている。具体的には、制御装置103dは、エレベータ103のかご103aの移動速度(動作速度)を、通常運転時と検査運転時とにおいて変更させるように構成されている。ワイヤロープ検査装置101を用いた検査を行う場合の検査運転におけるエレベータ103の動作についての詳細は後述する。
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されており、長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、ワイヤロープ検査装置101により状態(傷等の有無)を検査される。ワイヤロープWの磁束の計測の結果、または、飛び出し部分Waの検知の結果、劣化の程度が決められた基準を超えたと判断されるワイヤロープWは、検査作業者により交換される。なお、図1に示す例では、便宜上、ワイヤロープWを1本しか図示していないが、エレベータ103は、複数本のワイヤロープWを備えている。たとえば、エレベータ103は、4本のワイヤロープW(図3および図4参照)を備える。
(処理装置の構成)
図2に示すように、処理装置102は、通信部102a、制御部102b、記憶部102c、表示部102d、および、報知部102eを備える。処理装置102は、検知コイル31からの検知信号に基づいて、ワイヤロープWの異常の有無を判定するように構成されている。処理装置102は、たとえば、ワイヤロープWの検査を行う検査作業者が用いるパーソナルコンピュータである。
通信部102aは、ワイヤロープ検査装置101、および、エレベータ103の制御装置103dと通信可能に構成されている。通信部102aは、通信用のインターフェースである。具体的には、通信部102aは、無線LAN、および、Bluetooth(登録商標)などによる無線通信が可能な無線通信モジュールを含む。処理装置102は、通信部102aを介して、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの計測結果(磁束信号)を受信する。また、処理装置102は、エレベータ103(エレベータ103の制御装置103d)側からエレベータ103の運転モードの情報(運転モードの切り替えの情報)を取得可能に構成されている。また、処理装置102は、後述する飛び出し検知部32による検知信号を、通信部102aを介して受信する。
制御部102bは、処理装置102の各部を制御する。制御部102bは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。制御部102bは、通信部102aを介して受信したワイヤロープWの計測結果(磁束信号)に基づいて、素線断線(素線切れ)などのワイヤロープWの傷み(異常)を解析する。また、制御部102bは、通信部102aを介して、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を取得する。
記憶部102cは、たとえば、フラッシュメモリを含む記憶媒体であり、検知コイル31からのワイヤロープWの計測結果、制御部102bによるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を記憶(保存)する。
表示部102dは、たとえば液晶モニタであり、ワイヤロープWの計測結果、制御部102bによるワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報を表示する。また、後述する飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を表示する。報知部102eは、ラウドスピーカを含む。報知部102eは、制御部102bによる制御によって、音声を出力する。報知部102eは、たとえば、飛び出し部分Waが検知された場合に、ブザー音を出力することによって、検査作業者に対して飛び出し部分Waが検知されたことを報知する。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
次に、図1~図14を参照して、第1実施形態におけるワイヤロープ検査装置101の構成について説明する。
図1に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ103のシーブ103bとシーブ103cとの間の部分に設置される。また、図2に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、励磁部10、磁界印加部20、検知部30、駆動部40、および、制御基板50を備える。励磁部10および磁界印加部20は、本体フレーム101a(図3~図5参照)に配置されている。
第1実施形態では、励磁部10は、ワイヤロープWに対して磁界(磁束)を印加するように構成されている。具体的には、励磁部10は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振する。磁界印加部20は、ワイヤロープWに対して、予め磁界を印加して、ワイヤロープWの磁化の方向を整える。なお、励磁部10および磁界印加部20の詳細は後述する。
検知部30は、検知コイル31と、飛び出し検知部32とを含む。また、検知部30は、検知本体部33を含む。検知コイル31、および、飛び出し検知部32は、検知本体部33に配置される。なお、検知本体部33は、請求の範囲における「検知コイル本体部」の一例である。
第1実施形態では、検知コイル31は、励磁部10により磁界が印加されるワイヤロープWに対して相対的に移動しながらワイヤロープWの磁束を検知する。また、検知コイル31は、全磁束法によってワイヤロープWの内部の磁束を検知することによって、磁束信号を出力する。飛び出し検知部32は、ワイヤロープWの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分Wa(図10参照)を検知する。また、飛び出し検知部32は、飛び出し部分Waを検知した場合に検知信号を出力するように構成されている。なお、検知コイル31および飛び出し検知部32の詳細は後述する。
図3~図5に示すように、検知本体部33は、検知コイル31および飛び出し検知部32が配置される筐体である。また、検知本体部33は、接続部33aを含む。第1実施形態では、接続部33aは、検知コイル31と飛び出し検知部32とを一体的に接続する。接続部33aは、検知コイル31と、検知コイル31からワイヤロープWの上流側(X1方向側)に離間した位置に配置されている飛び出し検知部32とを、一体的に移動可能なように接続する。
図3および図5に示すように、駆動部40は、検知部30(検知本体部33)を移動させる。具体的には、駆動部40は、後述する制御基板50からの信号に基づいて、検知コイル31と飛び出し検知部32とを、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)と直交する方向(Z方向)に沿って移動させる。第1実施形態では、駆動部40は、検知本体部33を移動させることによって、接続部33aによって接続された検知コイル31および飛び出し検知部32を一体的に移動させる。
また、駆動部40は、モータ41、プーリ42、プーリ43、ベルト44、および、リニアガイド45、を含む。駆動部40は、モータ41の動力を、プーリ42を介してベルト44に伝える。ベルト44は、プーリ42およびプーリ43の間に張られている。また、ベルト44は、検知本体部33に固定されている。すなわち、モータ41が動作することによって、ベルト44に固定された検知本体部33がZ方向に移動する。また、検知本体部33には、リニアガイド45が接続されている。すなわち、リニアガイド45がガイドの役割を果たすことによって、検知本体部33は、駆動部40によって直線的にZ方向に移動させられる。
制御基板50は、図2に示すように、処理部51、磁束信号取得部52、検知回路53、駆動回路54、および、通信部55を含む。制御基板50は、処理部51からの制御信号に基づいて、励磁部10(励振コイル11)の動作と、駆動部40の動作とを制御する。制御基板50は、処理部51による制御処理によって、ワイヤロープ検査装置101の各部の制御を行なう。処理部51は、CPUなどのプロセッサ、メモリ、および、AD変換器などを含む。
磁束信号取得部52は、検知部30(検知コイル31)からの磁束信号を取得(受信)する。磁束信号取得部52は、増幅器を含む。そして、磁束信号取得部52は、取得した磁束信号を増幅して処理部51に出力(送信)する。検知回路53は、飛び出し検知部32からの検知信号を取得する。そして、検知回路53は、取得した検知信号を処理部51に出力する。また、検知回路53は、取得された検知信号に基づいて、駆動部40を動作させるためのトリガとなるトリガ信号を駆動回路54に出力する。トリガ信号は、飛び出し検知部32によって飛び出し部分Waが検知されたことを示す信号である。駆動回路54は、処理部51からの制御信号に基づいて駆動部40のモータ41を動作させるための信号を出力する。また、駆動回路54は、検知回路53からのトリガ信号によって、駆動部40を動作させるための信号を出力する。
通信部55は、処理装置102およびエレベータ103の制御装置103dと通信可能に構成されている。通信部55は、無線LAN、および、Bluetooth(登録商標)などによる無線通信が可能な無線通信モジュールを含む。通信部55は、取得された磁束信号を処理装置102に出力(送信)する。また、通信部55は、飛び出し検知部32によってワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を処理装置102およびエレベータ103の制御装置103dに出力(送信)する。なお、通信部55を介した、ワイヤロープ検査装置101と、処理装置102およびエレベータ103の制御装置103dとの接続は、有線接続であってもよい。
(全磁束法による異常検知)
ワイヤロープ検査システム100は、全磁束法によってワイヤロープWの異常の有無を判定することにより、目視により確認しにくいワイヤロープWの異常を確認可能なシステムである。ワイヤロープWに異常部分(素線断裂、減肉、さびなど)が含まれる場合には、異常部分における磁束が正常部分とは異なる。全磁束法では、ワイヤロープWの表面の異常部分(素線断線)などからの漏洩磁束を測定する方法と異なり、ワイヤロープWの内部の異常部分(素線断裂、減肉、さびなど計頭部)をも測定可能な方法である。第1実施形態では、ワイヤロープ検査システム100は、処理装置102に対する検査作業者による入力操作に基づいて、ワイヤロープWの検査が行われる(開始される)ように構成されている。
具体的には、シーブ103bとシーブ103cとの間に配置されたワイヤロープ検査装置101に対して、シーブ103bの回転によってワイヤロープWが図3~図5のX2方向に向かって導かれる。ワイヤロープ検査装置101に導かれたワイヤロープWは、まず磁界印加部20によって、予め磁界が整えられる。そして、励磁部10の励振コイル11が、予め磁界の整えられた(整磁された)ワイヤロープWの磁界(磁束)を励振する。そして、検知部30の検知コイル31が、整磁された後に励振された状態のワイヤロープWの磁束を検知する。すなわち、第1実施形態では、検知コイル31は、磁界印加部20により予め磁界が印加された後(整磁された後)に、ワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。
図5および図6に示すように、磁界印加部20は、ワイヤロープWの延びる方向と直交する方向(Z方向)に配置される1対の磁界印加部20aおよび磁界印加部20bを含む。1対の磁界印加部20aおよび20bは、ワイヤロープWを挟み込むようにワイヤロープWの短手方向(ワイヤロープWの延びる方向と直交する方向、Z方向)の両側に配置される。具体的には、磁界印加部20aは、ワイヤロープWのZ1方向側に配置される。そして、磁界印加部20bは、ワイヤロープWのZ2方向側に配置される。磁界印加部20は、たとえば、永久磁石である。磁界印加部20aおよび20bは、ワイヤロープWの磁化の方向を略均一に整えるために、比較的強い磁界を印加することが可能に構成されている。
また、磁界印加部20は、磁界印加部20aのZ2方向に向けられたN極(斜線あり)と磁界印加部20bのZ1方向に向けられたN極(斜線あり)とがワイヤロープWを挟んで対向するように設けられている。これにより、磁界印加部20aおよび20bの間を通過したワイヤロープWは、磁界印加部20aおよび20bにより磁界が印加され、磁化の方向が整えられる。
励磁部10は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って巻回された励振コイル11を含む。励振コイル11は、図3に示すように、複数(4本)のワイヤロープWの全てをまとめて巻回するように設けられる。励振コイル11は、励振交流電流が流れることにより、ワイヤロープWが延びる方向(X方向)に沿った磁束(磁界)をコイル内部(コイルの輪の内側)に発生させる。そして、励振コイル11は、発生させた磁束(磁界)をワイヤロープWに印加する。具体的には、処理部51による制御によって励磁部10(励振コイル11)に一定の大きさかつ一定の周波数を有する交流電流(励振電流)が流されることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に振動する(X1方向への磁界とX2方向への磁界が周期的に現れる)ように磁界が印加される。すなわち、ワイヤロープWにおいて、磁界印加部20によって予め整えられた磁界(磁束)が、励磁部10によって振動させられる。
〈検知コイルによる磁束の検知〉
第1実施形態では、検知コイル31は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Z1方向側)に配置されている第1検知コイル31aと、ワイヤロープWに対して第1検知コイル31aが配置される側とは反対側(Z2方向側)において第1検知コイル31aとともにワイヤロープWを取り囲むように配置されている第2検知コイル31bとを含む。すなわち、検知コイル31は、第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとの2つのコイルによって1つのワイヤロープWを挟み込むように配置される。なお、検知コイル31は、複数(4本)のワイヤロープWの各々に設けられる。すなわち、複数(4本)のワイヤロープWの各々に、第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとの2つのコイルが設けられる。
図7に示すように、第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとは、それぞれ独立した鞍型コイル(サドル型コイル)である。第1検知コイル31aと第2検知コイル31bの各々は、ワイヤロープWの半周ずつを覆うように設けられている。したがって、第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとを併せることによって、ワイヤロープWの周囲を全周に亘って取り囲む検知コイル31が構成される。また、検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)は、それぞれ、フレキシブル基板に設けられた導体パターンによって構成されている。また、第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bは、ワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられている。すなわち、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って、2つの鞍型コイルによって全周を巻回するように検知コイル31が設けられている。なお、本明細書では、「巻回する」とは、1周以上に亘って巻き回す(巻き付ける)ことのみならず、1周分以下(たとえば、半周)の回数(角度)分だけ巻き回すことも含む概念として記載している。
また、第1検知コイル31aと第2検知コイル31bの各々は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って巻回するように設けられていることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿ってコイルの内側を貫く向きの磁束を検知(測定)する。すなわち、検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)は、励磁部10(励振コイル11)によって周期的に時間変化させられる磁束(磁界)の変化を検知するように構成されている。また、検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)は、検知した磁束を示す磁束信号を制御基板50の磁束信号取得部52に対して出力する。すなわち、4本のワイヤロープWに対して磁束の検知を行った場合には、合計で8個の磁束信号が磁束信号取得部52によって取得される。
ここで、ワイヤロープ検査システム100では、エレベータ103は、人および積み荷を載置した状態で動作する通常運転時と、検知コイル31によって磁束を測定することによってワイヤロープWの検査を行う検査運転時とにおいて、エレベータ103の動作速度(運転速度)を異ならせる(運転モードを変更する)ように構成されている。たとえば、通常運転時には、運転速度(検知コイル31に対するワイヤロープWの相対速度)が500m/分程度であり、検査運転時には、運転速度(検知コイル31に対するワイヤロープWの相対速度)は10m/分以上40m/分以下程度である。また、ワイヤロープWの振動(片側振動幅)は、エレベータ103の運転速度に応じて大きくなる。たとえば、ワイヤロープWの直径が10mmの場合において、通常運転時におけるワイヤロープWの片側振動幅は13mm程度、検査運転時におけるワイヤロープWの振動幅は3mm程度である。
図8および図9に示すように、検知コイル31は、ワイヤロープWとの距離(コイル離間距離D1)を変更可能に構成されている。具体的には、第1実施形態では、図8に示すように、駆動部40は、エレベータ103の通常運転時には、検知コイル31とワイヤロープWとの距離であるコイル離間距離D1を大きくするように構成されている。そして、図9に示すように、駆動部40は、通常運転時よりも運転速度の小さい検査運転時には、コイル離間距離D1を通常運転時よりも小さくするように検知コイル31を移動させるように構成されている。すなわち、検査運転時には、検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)は、検査対象であるワイヤロープWに可能な限り近づけた配置となる。そして、コイル離間距離D1を小さくした状態で、検知コイル31によるワイヤロープWの磁束の検知が行われる。
検査運転時において、処理部51によって取得された磁束信号が処理装置102に通信部55を介して送信される。処理装置102の制御部102bは、送信された磁束信号に基づいて、ワイヤロープWの磁束を解析する。また、処理装置102の制御部102bは、表示部102dに解析結果画面を表示させる。また、処理装置102の制御部102bは、記憶部102cに送信された磁束信号と解析の結果とを記憶させる。
(飛び出し部分の検知)
ここで、ワイヤロープWでは、外表面の少なくとも一部から飛び出し部分Wa(図10参照)が発生する場合がある。たとえば、ワイヤロープWを構成する複数の素線のうちの1つが断線する(切れる)ことによって、ワイヤロープWの外表面から飛び出した状態となる場合がある。第1実施形態による飛び出し検知部32は、上記のようなワイヤロープWの飛び出し部分Waを、飛び出し部分Waが検知コイル31(検知本体部33)と接触する前に検知するように構成されている。
〈飛び出し検知部の構成〉
図10に示すように、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWを取り囲むように配置される。具体的には、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向(Z1方向側)に配置されている第1部分32aと、ワイヤロープWに対して第1部分32aが配置される側とは反対側(Z2方向側)において第1部分32aとともにワイヤロープWを取り囲むように配置されている第2部分32bとを含む。
図11に示すように、飛び出し検知部32(第1部分32aおよび第2部分32b)は、折り曲げ部分32Mにおいて折り曲げられている板状の導体である。そして、第1部分32aおよび第2部分32bは、板状の導体の端部がさらに折り曲げられて互いに面接触する平面の接触面32Nを有する。飛び出し検知部32は、たとえば、ステンレスまたは銅板などの金属の板である。また、図11(B)に示すように、第1部分32aと第2部分32bとの各々は、弾性変形しながら接触している。すなわち、第1部分32aと第2部分32bの各々は、板バネ構造となっており、弾性変形された板バネ構造による復元力によって互いに向かい合う方向に付勢された状態で接触面32Nが面接触している。
また、第1部分32aおよび第2部分32bは、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)から、ワイヤロープWの延びる方向と交差する面(YZ平面)に沿ってワイヤロープW側(Z2方向側またはZ1方向側)に折り曲げられている。そして、第1部分32aおよび第2部分32bは、第1部分32aと第2部分32bとが互いに接触する端部に設けられた半円形の切り欠きによってワイヤロープWを取り囲むよう構成されている。すなわち、飛び出し検知部32は、それぞれ半円形の切り欠きを有する第1部分32aと第2部分32bとがワイヤロープWを取り囲むことによって、ワイヤロープWの全周に亘って飛び出し部分Waを検知するように構成されている。
また、第1実施形態では、板状の部材である飛び出し検知部32は、複数(4本)のワイヤロープWの各々の飛び出し部分Waを共通して検知するように構成されている。すなわち、飛び出し検知部32は、共通の第1部分32aおよび第2部分32bによって、4本のワイヤロープWのうちのいずれかの外表面から飛び出し部分Waが発生している場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成されている。
そして、図12に示すように、第1実施形態では、飛び出し検知部32(第1部分32aおよび第2部分32b)は、ワイヤロープWの飛び出し部分Waに接触することによって、飛び出し部分Waを検知するように構成されている。具体的には、第1部分32aおよび第2部分32bは、ワイヤロープWを取り囲みながら互いに接触して電気的に導通した状態で配置されている。飛び出し検知部32は、第1部分32aと第2部分32bとのそれぞれの接触面32N同士が面接触することによって、第1部分32aと第2部分32bとが導通するように構成されている。そして、飛び出し検知部32は、飛び出し部分Waとの接触により第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方の位置がずれることに起因して、第1部分32aと第2部分32bとの導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成されている。第1部分32aおよび第2部分32bは、飛び出し部分Waとの接触により弾性変形して位置がずれる。
具体的には、第1部分32aと第2部分32bとの各々には、図示しないリード線が電気的に接続されている。そして、第1部分32aおよび第2部分32bは、制御基板50の検知回路53にリード線を介して接続されている。これにより、検知回路53によって第1部分32aと第2部分32bとの導通が判定される。
また、図8および図9に示すように、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2を変更可能に構成されている。すなわち、第1部分32aと第2部分32bとの各々は、検知部離間距離D2を変更可能に構成されている。具体的には、飛び出し検知部32(第1部分32aおよび第2部分32b)は、検知コイル31と一体的に構成されているため、駆動部40の動作によって検知コイル31のコイル離間距離D1が変更された場合に、同様に検知部離間距離D2が変更される。すなわち、コイル離間距離D1と同様に、飛び出し検知部32は、検知コイル31による検知を行わないエレベータ103の通常運転時には、検知部離間距離D2が検査運転時よりも大きくなるように配置される。そして、飛び出し検知部32は、検査運転時には、検知部離間距離D2を小さくするように構成されている。
また、図10に示すように、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、検知コイル31によってワイヤロープWの磁束の検知を行う検査運転時の場合に、ワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2が検知コイル31とワイヤロープWとの離間距離であるコイル離間距離D1以下の大きさとなるように配置される。
すなわち、検査運転時において、検知コイル31の第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとがワイヤロープWを取り囲むことによって円形状(円柱形状)の孔部が形成される。また、飛び出し検知部32においても同様に、第1部分32aと第2部分32bとがワイヤロープWを取り囲むように配置されることによって、円形状の孔部が形成される。ワイヤロープ検査装置101では、この飛び出し検知部32による孔部の大きさ(直径)が、検知コイル31による孔部の大きさ(直径)以下の大きさになるように構成されている。したがって、検査運転時において、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWからの距離が検知コイル31と同じ位置、または、検知コイル31よりもワイヤロープWに近い位置に配置される。
〈飛び出し部分を検知した場合の動作〉
検査運転時において、検知コイル31は、ワイヤロープWに可能な限り近づくように配置されている。そこで、ワイヤロープ検査装置101は、上記のように、飛び出し部分Waが発生している場合に、飛び出し部分Waと接触しないように検知コイル31を回避(退避)させるように構成されている。
具体的には、第1実施形態では、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、飛び出し検知部32(第1部分32aおよび第2部分32b)をワイヤロープWから離間する方向に移動させる。また、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、飛び出し部分Waが検知コイル31に接触する前に、検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)をワイヤロープWから離間する方向に移動させる。
すなわち、第1実施形態では、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、接続部33aによって接続された検知コイル31および飛び出し検知部32を、ワイヤロープWから離間する方向に一体的に移動させる。詳細には、駆動部40は、複数(4本)のワイヤロープWのうちの少なくとも1つのワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waが検知されたことによる飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、複数のワイヤロープWの各々に設けられた検知コイル31の全てを一体的にワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。たとえば、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、コイル離間距離D1および検知部離間距離D2を、検査運転時の大きさから通常運転時の大きさまで大きくすることによって、検知コイル31および飛び出し検知部32が飛び出し部分Waと接触することを回避する。
また、第1実施形態では、飛び出し検知部32(第1部分32aおよび第2部分32b)は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)において、検知コイル31よりもワイヤロープWの上流側(X1方向側)に設けられている。具体的には、飛び出し部分Waが検知された場合に、検知された飛び出し部分Waが検知コイル31に接触する前に退避可能な距離分だけ、検知コイル31から上流側に離間した位置に飛び出し検知部32が配置される。たとえば、検査運転時のコイル離間距離D1から通常運転時のコイル離間距離D1まで検知コイル31が移動(退避)するために、飛び出し検知部32から検知コイル31の位置まで、検査運転時のワイヤロープWの移動速度において0.5秒でワイヤロープWが移動する距離分以上離間させて飛び出し検知部32を配置する。たとえば、検査運転時において、ワイヤロープWが、30m/分の移動速度で移動している場合には、飛び出し検知部32は、検知コイル31からワイヤロープWの上流側に25cm以上離間した位置に配置される。また、ワイヤロープWが、15m/分の移動速度で移動している場合には、飛び出し検知部32は、検知コイル31からワイヤロープWの上流側に12.5cm以上離間した位置に配置される。
図13に示すように、検知回路53は、第1部分32aと第2部分32bとの導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waが検知されたことを示す信号を駆動回路54と、処理部51とに出力する。すなわち、飛び出し検知部32自体が、スイッチとして機能することによって、駆動部40が動作するように構成されている。駆動回路54は、検知回路53からの入力に基づいて、駆動部40を動作させる。また、処理部51は、検知回路53および駆動回路54からの信号を取得可能に構成されている。そして、ワイヤロープ検査装置101は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を処理装置102に出力するように構成されている。具体的には、処理部51は、取得した飛び出し部分Waの検知に関する情報をエレベータ103の制御装置103dと、処理装置102の制御部102bに対して、通信部55を介して出力する。
また、ワイヤロープ検査システム100は、飛び出し検知部32によって飛び出し部分Waが検知された場合に、検知コイル31をワイヤロープWから離間する方向に移動させるとともに、エレベータ103の動作を停止させるように構成されている。具体的には、飛び出し検知部32によって飛び出し部分Waが検知された場合に、処理部51からの飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報としてのエレベータ停止指令信号が、信号増幅回路によって増幅されてエレベータ103の制御装置103dに出力される。そして、制御装置103dは、取得されたエレベータ停止指令信号に基づいて、エレベータ103の動作を停止させる。
また、図14に示すように、処理部51は、通信部55を介して、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を処理装置102に送信する。そして、処理装置102の制御部102bは、取得された情報に基づいて、飛び出し部分Waの検知を示す情報を表示部102dに表示させるとともに、報知部102eに報知させる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態のワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置101では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態のワイヤロープ検査システム100およびワイヤロープ検査装置101では、上記のように、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、飛び出し部分Waが検知コイル31に接触する前に、検知コイル31をワイヤロープWから離間する方向に移動させる。これにより、ワイヤロープWの飛び出し部分Waが検知された場合に、飛び出し部分Waが検知コイル31に接触する前に、検知コイル31をワイヤロープWから離間させることができる。そのため、ワイヤロープWの磁束を精度よく検知するために検知コイル31をワイヤロープWに近づけて検査を行う場合にも、検知コイル31が飛び出し部分Waに接触する前に、検知コイル31をワイヤロープWから離間させることができる。その結果、検知コイル31を近づけてワイヤロープWの検査を精度よく行いながら、検査対象であるワイヤロープWから飛び出した部分(飛び出し部分Wa)と検知コイル31との接触を抑制することができる。
また、第1実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
すなわち、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWを取り囲むように配置される。このように構成すれば、ワイヤロープWを取り囲むように飛び出し検知部32が配置されているため、ワイヤロープWの全周に亘って飛び出し部分Waを検知することができる。そのため、ワイヤロープWの全周のうちの一部の方向に飛び出し検知部32が配置されている場合と異なり、ワイヤロープWの飛び出し部分Waの見落としを抑制することができる。その結果、検知コイル31と飛び出し部分Waとの接触を効果的に抑制することができる。また、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2を変更可能に構成されている。ここで、検知コイル31によってワイヤロープWの磁束を測定せずにワイヤロープWを移動させる場合には、ワイヤロープWの移動速度を大きくする場合がある。その場合には、移動速度が大きくなるためワイヤロープWの振動の幅が大きくなる。これに対して、第1実施形態では、飛び出し検知部32を、ワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2を変更可能に構成するため、ワイヤロープWの移動速度を大きくして振動の幅が大きくなる場合に、飛び出し検知部32をワイヤロープWから離間した位置に配置させることができる。そのため、ワイヤロープWの移動速度を大きくする場合に、検知部離間距離D2を大きくすることによって、飛び出し検知部32がワイヤロープWと接触することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向に配置されている第1部分32aと、ワイヤロープWに対して第1部分32aが配置される側とは反対側において第1部分32aとともにワイヤロープWを取り囲むように配置されている第2部分32bとを含み、第1部分32aと第2部分32bとの各々は、検知部離間距離D2を変更可能に構成されている。このように構成すれば、飛び出し検知部32が第1部分32aと第2部分32bとの2つに分割されて構成されているので、第1部分32aおよび第2部分32bをワイヤロープWの両側から挟み込むように配置することによって、飛び出し検知部32によってワイヤロープWを容易に取り囲むことができる。そのため、飛び出し検知部32が、1つの部材によってワイヤロープWを取り囲む場合に比べて、第1部分32aおよび第2部分32bによってワイヤロープWを容易に取り囲むことができる。
また、第1実施形態では、第1部分32aおよび第2部分32bは、ワイヤロープWの延びる方向において、検知コイル31よりもワイヤロープWの上流側に設けられており、ワイヤロープWの飛び出し部分Waに接触することによって、飛び出し部分Waを検知するように構成されており、駆動部40は、第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方が飛び出し部分Waに接触したことによる検知信号に基づいて、飛び出し部分Waが検知コイル31に接触する前に、検知コイル31をワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、検知コイル31に接触する可能性のある飛び出し部分Waを、検知コイル31よりも上流側の第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方が先に接触することによって検知することができる。そのため、飛び出し部分Waと検知コイル31とが接触する前に、検知コイル31をワイヤロープWから離間する方向に容易に移動させることができる。その結果、検知コイル31と飛び出し部分Waとの接触を容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、第1部分32aおよび第2部分32bは、折り曲げられている板状の導体であって、ワイヤロープWを取り囲みながら互いに接触して電気的に導通した状態で配置されており、飛び出し検知部32は、飛び出し部分Waとの接触によって第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方の位置がずれることに起因して、第1部分32aと第2部分32bとの導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成されている。このように構成すれば、第1部分32aと第2部分32bとの導通が遮断されたことに基づいて、第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方の位置がずれたことを容易に検知することができる。そのため、第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方と飛び出し部分Waとの接触があったことを容易に検知することができる。その結果、ワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waを容易に検知することができるので、飛び出し部分Waと検知コイル31との接触をより容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、飛び出し部分Waとの接触によって第1部分32aおよび第2部分32bの少なくとも一方が弾性変形することによって位置がずれることに起因して、第1部分32aと第2部分32bとの導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成されている。このように構成すれば、第1部分32aおよび第2部分32bが弾性変形することによって位置がずれるように構成されているため、ヒンジなどの位置を変更させるための構成を設ける場合と異なり、装置構成の複雑化を抑制することができる。また、弾性変形によって第1部分32aおよび第2部分32bの位置がずれるので、飛び出し部分Waとの接触後に第1部分32aおよび第2部分32bが元の位置に容易に戻ることができる。そのため、一度飛び出し部分Waを検知した後に再び検査を行う場合に、第1部分32aおよび第2部分32bを元の位置に戻すための構成を設けることなく、第1部分32aと第2部分32bとを再び導通させることができる。その結果、第1部分32aと第2部分32bとを再度導通させるための構成を設けることに起因する装置構成の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、第1部分32aおよび第2部分32bは、板状の導体の端部がさらに折り曲げられて互いに面接触する平面の接触面32Nを有し、飛び出し検知部32は、第1部分32aと第2部分32bとのそれぞれの接触面32N同士が面接触することによって、第1部分32aと第2部分32bとが導通するように構成されている。このように構成すれば、面接触によって導通させることによって、より確実に第1部分32aと第2部分32bとを電気的に導通させることができる。そのため、第1部分32aと第2部分32bとの導通が不安定になることを抑制することができるので、飛び出し検知部32による飛び出し部分Waの検知の精度が低下することを抑制することができる。また、一度飛び出し部分Waを検知した後に再び検査を行うために、第1部分32aと第2部分32bとを再度接触させる場合にも、第1部分32aと第2部分32bとのそれぞれの接触面32N同士を、平面によって面接触させることができる。そのため、第1部分32aと第2部分32bとの位置がワイヤロープWの移動方向へずれている場合にも、第1部分32aと第2部分32bとを確実に接触させることができる。
また、第1実施形態では、飛び出し検知部32は、検知コイル31によってワイヤロープWの磁束の検知を行う場合に、ワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2が検知コイル31とワイヤロープWとの離間距離であるコイル離間距離D1以下の大きさとなるように配置され、検知コイル31による検知を行わない場合に、検知部離間距離D2が検査運転時よりも大きくなるように配置される。このように構成すれば、ワイヤロープWの磁束の検知を精度よく行うために検知コイル31をワイヤロープWに近づけて配置する場合にも、検知コイル31よりもさらにワイヤロープWの近くに配置されている飛び出し検知部32によって、検知コイル31と接触する可能性のある飛び出し部分Waを精度よく検知することができる。その結果、検知コイル31をワイヤロープWに近づけて磁束を検知する場合にも、検知コイル31と飛び出し部分Waとの接触を精度よく抑制することができる。また、第1実施形態では、検知コイル31による検知を行わない場合には、飛び出し検知部32をワイヤロープWから離間した位置に配置するため、検知を行わない場合にワイヤロープWの移動速度を大きくすることによってワイヤロープWの振動幅が増加した場合にも、飛び出し検知部32とワイヤロープWとの接触を抑制することができる。そのため、検知コイル31による検知を行わない場合に、ワイヤロープWの動作速度を大きくすることによって、飛び出し検知部32との接触を回避しながら効率よくワイヤロープWを移動(駆動)させることができる。
また、第1実施形態では、検知コイル31は、ワイヤロープWが延びる方向と直交する方向に配置されている第1検知コイル31aと、ワイヤロープWに対して第1検知コイル31aが配置される側とは反対側において第1検知コイル31aとともにワイヤロープWを取り囲むように配置されている第2検知コイル31bとを含み、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bの各々を、ワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、検知コイル31が第1検知コイル31aと第2検知コイル31bとの2つに分割されて構成されているので、飛び出し部分Waが検知された場合に、ワイヤロープWの2つの方向のそれぞれに検知コイル31を容易に移動(退避)させることができる。そのため、検知コイル31を、1つの部材によってワイヤロープWを取り囲むように構成する場合に比べて、検知コイル31と飛び出し部分Waとの接触をより容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、ワイヤロープWに対して予め磁界を印加しワイヤロープWの磁化の方向を整える磁界印加部20をさらに備え、第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bは、磁界印加部20により予め磁界が印加された後に、ワイヤロープWの磁束を検知するように構成されているとともに、ワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられており、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、ワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられた第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bの各々を、ワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、ワイヤロープWを取り囲むように第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bを配置することによって、ワイヤロープWの内部も含めた全体の磁束の測定を行う全磁束法によってワイヤロープWの検査を行う場合にも、飛び出し部分Waが検知された場合に第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bを移動させることができる。そのため、全磁束法によって、ワイヤロープWの内部の異常などを検知する場合にも、第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31bと飛び出し部分Waとの接触を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、飛び出し検知部32によってワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を装置外部に出力する通信部55を、さらに備える。このように構成すれば、飛び出し検知部32によって飛び出し部分Waが検知された場合に、ワイヤロープ検査装置101と接続されている、処理装置102(PC)およびエレベータ103の制御装置103dなどに、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を出力することができる。そのため、飛び出し部分Waが検知された場合に、飛び出し部分Waの検知を検査作業者に報知すること、および、エレベータ103の動作を停止させることなどの処理を、ワイヤロープ検査装置101の外部の装置によって行わせることができる。その結果、飛び出し検知部32によってワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waが検知された場合に、ワイヤロープ検査装置101の外部の装置と連携することによって、検査作業者によるワイヤロープWの交換作業を効率よく行うことができる。
また、第1実施形態では、検知コイル31は、エレベータ103に設けられたワイヤロープWの磁束を検知するように構成されており、駆動部40は、エレベータ103の通常運転時には、検知コイル31とワイヤロープWとの距離であるコイル離間距離D1を大きくするように構成されており、通常運転時よりも運転速度の小さい検査運転時には、コイル離間距離D1を通常運転時よりも小さくするように検知コイル31を移動させるとともに、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、飛び出し部分Waが検知された場合にはコイル離間距離D1を大きくするように構成されている。このように構成すれば、エレベータ103の通常運転時では、運転速度が大きいためにワイヤロープWの振動の幅が大きくなるので、コイル離間距離D1を大きくすることによって検知コイル31がワイヤロープWと接触することを抑制することができる。そして、エレベータ103の検査運転時では、通常運転時に比べて運転速度が小さいためにワイヤロープWの振動の幅が小さくなるので、コイル離間距離D1を小さくすることによって検知コイル31の検知精度を向上させることができる。また、コイル離間距離D1を小さくして検査運転を行っている場合にも、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいてコイル離間距離D1を大きくすることによって、検知コイル31と飛び出し部分Waとの接触を回避することができる。その結果、エレベータ103の運転動作に対応するようにコイル離間距離D1を変更させることによって、通常運転時と検査運転時との両方において、ワイヤロープWおよび飛び出し部分Waと検知コイル31との接触を回避しながら、検査運転時において、精度よくワイヤロープWの磁束を検知することができる。
また、第1実施形態では、検知コイル31と飛び出し検知部32とを一体的に接続する接続部33aを含む検知本体部33(検知コイル本体部)をさらに備え、駆動部40は、飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、検知本体部33を移動させることによって、接続部33aによって接続された検知コイル31と飛び出し検知部32とを一体的に移動させるように構成されている。このように構成すれば、共通の駆動部40によって、一体的に検知コイル31と飛び出し検知部32とを移動させることができるので、検知コイル31と飛び出し検知部32との各々に駆動部40を設ける場合と異なり、装置構成の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、ワイヤロープWは、複数のワイヤロープWを含み、検知コイル31は、複数のワイヤロープWの各々に設けられており、飛び出し検知部32は、複数のワイヤロープWの各々の飛び出し部分Waを共通して検知するように構成されており、駆動部40は、複数のワイヤロープWのうちの少なくとも1つのワイヤロープWの外表面からの飛び出し部分Waが検知されたことによる飛び出し検知部32からの検知信号に基づいて、複数のワイヤロープWの各々に設けられた検知コイル31の全てを一体的にワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、複数のワイヤロープWの磁束の検知を行う場合にも、複数のワイヤロープWの飛び出し部分Waを共通の飛び出し検知部32によって検知することができる。そのため、複数のワイヤロープWの飛び出し部分Waを、それぞれ別個の飛び出し検知部32によって検知する場合に比べて、装置構成の複雑化を抑制することができる。
[第2実施形態]
図15~図17を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査システム200の構成について説明する。この第2実施形態は、接続部33aによって接続された検知コイル31および飛び出し検知部32を一体的に移動するように構成した第1実施形態とは異なり、検知コイル231と飛び出し検知部232とが別体に構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(第2実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成)
図15に示すように、第2実施形態によるワイヤロープ検査システム200は、ワイヤロープ検査装置201を備える。ワイヤロープ検査装置201は、第1実施形態と同様に、エレベータ103に設けられたワイヤロープWの磁束の測定を行い、測定された磁束信号を処理装置102に出力する。また、ワイヤロープ検査装置201は、検知部230と、駆動部240とを備える。
検知部230は、検知コイル231、飛び出し検知部232、検知コイル本体部233a、および、飛び出し検知本体部233bを含む。検知コイル231は、第1実施形態と同様にワイヤロープWの磁束を測定する。すなわち、複数(4本)のワイヤロープWの各々に対して、Z1方向側とZ2方向側とに2つずつの検知コイル231(第1検知コイル231aおよび第2検知コイル231b、図16参照)が設けられており、ワイヤロープWの各々を2つの検知コイル231(第1検知コイル231aおよび第2検知コイル231b)によって取り囲むように構成されている。また、飛び出し検知部232は、第1実施形態と同様にワイヤロープWの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分Waを検知する。
図16に示すように、第2実施形態では、検知コイル231は、検知コイル本体部233aに配置される。そして、飛び出し検知部232は、飛び出し検知本体部233bに配置される。すなわち、第2実施形態では、飛び出し検知部232は、検知コイル231とは別体に構成されている。
第2実施形態では、駆動部240は、飛び出し検知部232からの検知信号に基づいて、検知コイル231と飛び出し検知部232との各々を移動させるように構成されている。具体的には、駆動部240は、検知信号に基づいて、検知コイル231と飛び出し検知部232との各々を、ワイヤロープWから離間する方向(Z1方向およびZ2方向)に分割するように移動させる。また、駆動部240は、第1実施形態と同様に、エレベータ103の通常運転時と、検査運転時との各々において、検知コイル231と飛び出し検知部232との位置を変更させる。
図16および図17に示すように、駆動部240は、モータ241、プーリ242a、プーリ242b、プーリ243a、プーリ243b、ベルト244a、ベルト244b、軸246を含む。駆動部240は、共通のモータ241の動力を、軸246を介してプーリ242aおよび242bに伝達することによって、別体として構成されている検知コイル231および飛び出し検知部232を移動させる。
具体的には、図16に示すように、駆動部240は、モータ241の回転駆動によって、軸246を介して検知コイル231側(検知コイル本体部233a側)のプーリ242aを回転させる。そして、プーリ242aが回転することによって、プーリ242aとプーリ243aとの間に張られているベルト244aが移動する。ベルト244aは、検知コイル本体部233aに固定されている。したがって、検知コイル本体部233aが駆動部240によって移動させられることによって、検知コイル231が、Z1方向およびZ2方向に移動する。
また、図17に示すように、検知コイル231を移動させるためのモータ241からの動力によって、飛び出し検知部232も同様に移動させられる。具体的には、モータ241から延びる軸246が、飛び出し検知部232側(飛び出し検知本体部233b側)のプーリ242bを回転させる。そして、検知コイル231側と同様に、プーリ242bの回転によって、プーリ242bと243bとの間に張られているベルト244bが移動する。ベルト244bは、飛び出し検知本体部233bに固定されている。したがって、飛び出し検知本体部233bが駆動部240によって移動させられることによって、飛び出し検知部232が、Z1方向およびZ2方向に移動する。
このように、第2実施形態では、駆動部240は、軸246を介してモータ241の動力を伝達することによって、検知コイル231側の検知コイル本体部233aと、飛び出し検知部232側の飛び出し検知本体部233bとを、移動させる。なお、第2実施形態のその他の構成については、第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、飛び出し検知部232は、検知コイル231とは別体に構成されており、駆動部240は、飛び出し検知部232からの検知信号に基づいて、検知コイル231と飛び出し検知部232との各々を移動させるように構成されている。ここで、飛び出し検知部232を、検知コイル231と一体的に構成する場合には、検知部230(検知コイル231および飛び出し検知部232)が配置される筐体(本体部)の剛性に起因して、検知コイル231から飛び出し検知部232までの距離が比較的大きい場合に飛び出し検知部232のワイヤロープWからの離間距離である検知部離間距離D2が不安定となる。そのため、飛び出し検知部232を、検知コイル231と一体的に構成する場合には、検知部230が配置される筐体の剛性を考慮して、飛び出し検知部232の検知コイル231からの距離が制限される。これに対して、第2実施形態では、飛び出し検知部232を、検知コイル231とは別体に構成する。このように構成すれば、検知コイル231と飛び出し検知部232とを一体的に構成する場合と異なり、検知コイル231と飛び出し検知部232とを、ワイヤロープWに対して別個に配置することができる。そのため、検知コイル231と飛び出し検知部232との各々において、取り付け剛性を上げることができるので、検知コイル231から飛び出し検知部232までの距離が比較的大きい場合にも、ワイヤロープWの振動による接触をより効果的に抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図18~図20を参照して、第3実施形態によるワイヤロープ検査システム300の構成について説明する。この第3実施形態は、駆動部40によって、通常運転時における検知コイル31の位置と検査運転時における検知コイル31の位置とを自動で変更するように構成した第1実施形態とは異なり、検査作業者による位置変更レバー360に対する操作によって、通常運転時における検知コイル331の位置と検査運転時における検知コイル331の位置とを手動で変更するように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(第3実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成)
図18に示すように、第3実施形態によるワイヤロープ検査システム300は、ワイヤロープ検査装置301を備える。ワイヤロープ検査装置301は、第1実施形態と同様に、エレベータ103に設けられたワイヤロープWの磁束の測定を行い、測定された磁束信号を処理装置102に出力する。また、ワイヤロープ検査装置301は、検知部330と、駆動部340と、位置変更レバー360とを備える。
検知部330は、検知コイル331、飛び出し検知部332、および、検知本体部333を含む。第1実施形態と同様に、検知コイル331は、ワイヤロープWの磁束を測定する。そして、検知コイル331は、検知本体部333に配置されている。また、検知コイル331は、ワイヤロープWからの離間距離(コイル離間距離D1)を変更可能に構成されている。飛び出し検知部332は、第1実施形態と同様にワイヤロープWの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分Waを検知する。
図19に示すように、検知コイル331は、第1実施形態と同様に、Z1方向側に配置されている第1検知コイル331aと、Z2方向側に配置されている第2検知コイル331bとを含む。そして、検知コイル331(第1検知コイル331aおよび第2検知コイル331b)は、それぞれZ1方向およびZ2方向に移動可能に構成されている。
図19および図20に示すように、位置変更レバー360は、検知コイル331の位置を変更させる操作を受け付ける。ここで、第3実施形態におけるワイヤロープ検査装置301は、第1実施形態と同様に、エレベータ103の通常運転時と検査運転時とにおいて、検知コイル331の位置を異ならせた状態で運転を行うように構成されている。第3実施形態では、位置変更レバー360は、検知コイル331とワイヤロープWとの距離であるコイル離間距離D1が大きい通常運転位置と、通常運転位置よりもコイル離間距離D1が小さい検査運転位置とのいずれかに、検知コイル331の位置を変更するために操作される。言い換えると、第3実施形態におけるワイヤロープ検査装置301は、検査作業者による位置変更レバー360に対する操作によって、検知コイル331の位置を、通常運転位置と検査運転位置とのいずれかに変更可能に構成されている。
たとえば、検知コイル331が通常運転位置に配置されている状態から、位置変更レバー360が操作されることによって、検知コイル331が、検査運転位置へと配置される。そして、検知コイル331が検査運転位置に配置された状態で、検知コイル331によってワイヤロープWの磁束が検知(測定)される。
位置変更レバー360は、把持部361と、付勢部材362と、支点363と、ピン364とを含む。把持部361は、位置変更レバー360による検知コイル331の位置変更を行うために検査作業者に把持される部分である。支点363は、位置変更レバー360の回動移動の支点(中心点)となる。付勢部材362は、たとえば、ステンレスのバネである。付勢部材362は、一端が支点363よりも片方側(Y1方向側)の位置変更レバー360に固定され、他端が支点363よりも他方側(Y2方向側)の第2検知コイル331b側(Z2方向側)の検知本体部333に固定されている。付勢部材362は、位置変更レバー360側と検知本体部333側とを互いに引き合う方向に付勢することによって、通常運転位置と検査運転位置との各々の状態(検知コイル331の位置)を保持する。すなわち、付勢部材362は、位置変更レバー360の把持部361がZ1方向側に傾いた状態と、Z2方向側に傾いた状態との各々の状態を保持する。また、ピン364は、第2検知コイル331b側(Z2方向側)の検知本体部333に設けられたY方向に延びる長孔に挿入される。位置変更レバー360は、第2検知コイル331b側(Z2方向側)の検知本体部333に設けられた長孔にピン364がY方向に移動可能に挿入されることによって、第2検知コイル331b側の検知本体部333に接続されている。
なお、第1検知コイル331a側(Z1方向側)の検知本体部333と、第2検知コイル331b側(Z2方向側)の検知本体部333は、後述する駆動部340のベルト344によって連動して移動するように構成されている。したがって、位置変更レバー360は、第2検知コイル331b側(Z2方向側)の検知本体部333を移動させることによって、第1検知コイル331aおよび第2検知コイル331bの両方の位置を連動させて変更可能に構成されている。
駆動部340は、第1実施形態と同様に、飛び出し検知部332からの検知信号に基づいて、検知コイル331をワイヤロープWから離間する方向(Z1方向およびZ2方向)に移動(退避)させる。すなわち、第3実施形態では、駆動部340は、位置変更レバー360に対する操作によって、検知コイル331の位置が通常運転位置から検査運転位置に移動させられた状態で、飛び出し検知部332からの検知信号に基づいて、検知コイル331の位置を検査運転位置から通常運転位置に変更させることによって、検知コイル331をワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。
駆動部340は、ソレノイドコイル341、プーリ342、プーリ343、および、ベルト344を含む。ベルト344は、プーリ342およびプーリ343の間に張られている。また、ベルト344は、検知本体部333に固定されている。すなわち、第1検知コイル331aが配置されている検知本体部333と、第2検知コイル331bが配置されている検知本体部333とが、ベルト344によって連動してZ方向に移動する。すなわち、ベルト344に固定された検知本体部333が連動して移動することによって、第1検知コイル331aおよび第2検知コイル331bが、互いに離間する方向に移動する。
図20に示すように、ソレノイドコイル341は、接続棒341aを介して位置変更レバー360に接続されている。また、ソレノイドコイル341は、図示しない電源回路からの電流によって磁界を発生させて、接続棒341aをZ1方向に移動させて位置変更レバー360を回動させる。すなわち、ソレノイドコイル341は、飛び出し検知部332からの検知信号に基づいて、位置変更レバー360の位置(角度)を変更(回動)させることによって、検知コイル331(第1検知コイル331aおよび第2検知コイル331b)をワイヤロープWから離間する方向(Z1方向およびZ2方向)に移動させるように構成されている。
なお、飛び出し検知部332は、検知コイル331と同様に、位置変更レバーによって、位置を変更するように構成されていてもよい。また、飛び出し検知部332は、第1実施形態のように接続部に接続され検知コイル331と一体的に移動するように構成されていてもよい。また、第3実施形態のその他の構成については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、検知コイル331とワイヤロープWとの距離であるコイル離間距離D1が大きい通常運転位置と、通常運転位置よりもコイル離間距離D1が小さい検査運転位置とのいずれかに、検知コイル331の位置を変更するために操作される位置変更レバー360をさらに備え、駆動部340は、位置変更レバー360に対する操作によって、検知コイル331の位置が通常運転位置から検査運転位置に移動させられた状態で、飛び出し検知部332からの検知信号に基づいて、検知コイル331の位置を検査運転位置から通常運転位置に変更させることによって、検知コイル331をワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、通常運転位置から検査運転位置に検知コイル331の位置を変更させてワイヤロープWの検査を行う場合に、位置変更レバー360に対す操作によって、検知コイル331の位置を容易に変更させることができる。そのため、駆動部340による検知コイル331の移動を制御することによって検知コイル331の位置を変更させる場合と比べて、通常運転から検査運転への切り替えをより容易に行うことができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
図21および図22を参照して、第4実施形態によるワイヤロープ検査システム400の構成について説明する。この第4実施形態では、処理装置402は、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報に加えて、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報をも取得するように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(第4実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成)
図21に示すように、第4実施形態によるワイヤロープ検査システム400は、ワイヤロープ検査装置101、および、処理装置402を備える。そして、ワイヤロープ検査システム400は、第1実施形態のワイヤロープ検査システム100と同様に、検査対象であるエレベータ403のワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するためのシステムである。
ワイヤロープ検査装置101は、第1実施形態と同様に、エレベータ403に設けられたワイヤロープWの磁束を検知するように差動接続されている2つの検知コイル31(第1検知コイル31aおよび第2検知コイル31b)を備える。そして、ワイヤロープ検査装置101は、飛び出し検知部32により飛び出し部分Waが検知された場合に、2つの検知コイル31をワイヤロープWから離間する方向に移動させるように構成されている。そして、ワイヤロープ検査装置101は、飛び出し部分Waを検知した場合に、制御基板50の通信部55を介して、飛び出し部分Waが検知されたことを示す信号を処理装置402に対して出力するように構成されている。
エレベータ403は、制御装置403dおよび位置検出部403eを備えている。位置検出部403eは、エレベータ403のワイヤロープWの位置情報を検出するように構成されている。位置検出部403eは、たとえば、巻き上げ機に設けられたポテンショメータまたはエンコーダなどである。そして、エレベータ403の制御装置403dは、位置検出部403eによる検出結果に基づいて、ワイヤロープWの位置情報を取得するように構成されている。また、制御装置403dは、処理装置402に対して、取得されたワイヤロープWの位置情報を出力するように構成されている。制御装置403dのその他の構成は、第1実施形態の制御装置103dと同様である。
処理装置402は、第1実施形態による処理装置102と同様に、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析(異常の有無の判定)、そして、飛び出し部分Waの検知の表示および報知などを行う。具体的には、処理装置402は、制御部402bを備える。制御部402bは、第1実施形態と同様に、通信部102aを介して受信したワイヤロープWの計測結果(磁束信号)に基づいて、素線断線(素線切れ)などのワイヤロープWの傷み(異常)を解析する。また、制御部402bは、通信部102aを介して、ワイヤロープ検査装置101から飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を取得する。
第4実施形態では、処理装置402は、検知コイル31に対して相対的に移動するワイヤロープWの位置情報を取得するように構成されている。具体的には、処理装置402の制御部402bは、エレベータ403の制御装置403dからワイヤロープWの位置情報を取得する。すなわち、制御部402bは、エレベータ403の制御装置403dから取得されたワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープ検査装置101の検知コイル31に対するワイヤロープWの相対的な位置情報を取得するように構成されている。たとえば、処理装置402は、エレベータ403の制御装置403dから、ワイヤロープWの位置情報を随時取得する。そして、処理装置402は、取得されたワイヤロープWの位置情報とワイヤロープWの異常の解析結果とを関連付けて記憶部102cに記憶するとともに、ワイヤロープWの位置情報と解析結果とを表示部102dに表示させる。
また、第4実施形態では、処理装置402は、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報が取得された場合に、エレベータ403のワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を取得するように構成されている。具体的には、処理装置402の制御部402bは、ワイヤロープ検査装置101から飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を取得した場合に、ワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を取得する。そして、第4実施形態では、制御部402bは、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報とを関連付けて記憶部102cに記憶する。
そして、図22に示すように、第4実施形態では、表示部102dは、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報(図22の領域Ia)と、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報(図22の領域Ib)とを表示するように構成されている。すなわち、制御部402bは、ワイヤロープWの計測結果の解析結果などの情報と、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報とに加えて、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を、表示部102dに表示させるように構成されている。飛び出し部分Waの位置を示す位置情報は、たとえば、予め設定されているワイヤロープWの基準点からの距離として表示される。
なお、第4実施形態によるその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、処理装置402は、検知コイル31に対して相対的に移動するワイヤロープWの位置情報を取得するように構成されており、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報が取得された場合に、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、ワイヤロープWの検査を行う検査作業者は、ワイヤロープWにおいて飛び出し部分Waが検知された場合に、処理装置402によって、飛び出し部分Waが検知されたことと、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置とを容易に取得することができる。その結果、検査作業者は、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの確認作業を容易に行うことができる。
また、第4実施形態では、処理装置402は、取得された飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報とを関連付けて記憶する記憶部102cを備える。このように構成すれば、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報とを関連付けて記憶部102cに記憶させることができるので、検査作業者は、記憶部102cに記憶されたワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を容易に参照することができる。その結果、検査作業者が、記憶部102cに記憶されている飛び出し部分Waの位置情報を参照することによって、ワイヤロープWの飛び出し部分Waの確認作業をより容易に行うことができる。
また、第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置101の検知コイル31は、エレベータ403に設けられたワイヤロープWの磁束を検知するように構成されており、処理装置402は、エレベータ403の制御装置403dからワイヤロープWの位置情報を取得するように構成されており、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報が取得された場合に、エレベータ403のワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、処理装置402が、エレベータ403の制御装置403dからワイヤロープWの位置情報を取得するように構成されているため、ワイヤロープ検査装置101にワイヤロープWの位置情報を検出する構成を設けることなく、ワイヤロープWの位置情報を取得することができる。そのため、エレベータ403の制御装置403dから取得されたワイヤロープWの位置情報に基づいて、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置情報を容易に取得することができる。その結果、ワイヤロープ検査装置101の装置構成が複雑化することを抑制しながら、ワイヤロープWの飛び出し部分Waの確認作業を容易に行うことができる。
また、第4実施形態では、処理装置402は、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を表示する表示部102dを備える。このように構成すれば、検査作業者は、表示部102dに表示された情報を視覚的に認識することによって、ワイヤロープWにおいて飛び出し部分Waが検知されたことと、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置情報とを容易に認識することができる。そのため、検査作業者は、飛び出し部分Waが検知された場合に、飛び出し部分Waの確認作業をより容易に行うことができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、ワイヤロープWを取り囲むように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、平面型の検知コイルを用いる場合には、飛び出し検知部を、平面型の検知コイルの形状に対応するように飛び出し部分Waを検知するように構成してもよい。すなわち、円形の孔部を形成するように切り欠きを設けるのではなく、上下方向の各々より直線状の端部を有する板状の部材によって挟み込むように、飛び出し検知部を構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、第1部分32aと第2部分32bとの2つの部分によって、ワイヤロープWを取り囲むように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの部分(部材)を巻き付けるように配置することによって飛び出し検知部を構成するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、飛び出し部分Waと接触することによって飛び出し部分Waを検知するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し検知部を、飛び出し部分Waと接触せずに飛び出し部分Waを検知するように構成してもよい。たとえば、飛び出し検知部を、光学センサを用いて、想定されている通常時のワイヤロープWの断面積(幅)よりも大きい部分を飛び出し部分Waとして検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、検知コイル31(231、331)よりもワイヤロープWの上流側に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し検知部を検知コイル31(231、331)の上流側と下流側との両方に設けるようにしてもよい。すなわち、片方向のみならず両方向からのワイヤロープWの移動に対応可能に飛び出し検知部を構成してもよい。その場合には、磁界印加部も同様に、検知コイル31(231、331)の上流側と下流側との両方に配置するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、導通した状態で配置するとともに、導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waを検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し部分Waとの接触に起因して飛び出し検知部が変形(変位)することによって、飛び出し検知部とは別個に配置されている端子と飛び出し検知部が接触して導通した場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成してもよい。すなわち、導通が遮断された(OFFになった)場合ではなく、導通が発生した(ONになった)ことに基づいて、飛び出し部分Waを検知するようにしてもよい。また、飛び出し検知部の第1部分と第2部分との各々を、第1部分と第2部分とは別個に配置されている端子などと接触して導通している状態で配置するとともに、飛び出し部分Waとの接触によって導通が遮断された場合に、飛び出し部分Waを検知するように構成してもよい。また、エンコーダ、または、ポテンショメータなどのセンサによって飛び出し検知部の変位が検知されたことに基づいて、飛び出し検知部と飛び出し部分Waとの接触を検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)は、折り曲げられた板状の導体である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し検知部を、棒状(ワイヤー状)の導体によって構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)は、飛び出し部分Waとの接触によって弾性変形する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し検知部を、ヒンジなどの可動部分を設けるとともに、飛び出し部分Waとの接触によって可動部分が動作するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)の第1部分32a(232a、332a)および第2部分32b(232b、332b)の各々において、板状の導体の端部がさらに折り曲げられた接触面32Nを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分と第2部分とを、接触面を有さない端部で接触して導通させるように構成してもよい。また、折り曲げられるのではなく溶接されることによって、接続面が設けられるようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)を、検知部離間距離D2がコイル離間距離D1以下の大きさとなるように配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部離間距離D2がコイル離間距離D1よりも大きい距離となるように飛び出し検知部を配置してもよい。具体的には、飛び出し検知部を、接触せずに飛び出し部分Waを検知するように構成する場合には、検知部離間距離D2をコイル離間距離D1よりも大きくして飛び出し部分Waを検知するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、第1検知コイル31a(231a、331a)と第2検知コイル31b(231b、331b)とによってワイヤロープWを取り囲むように検知コイル31(231、331)を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの検知コイルによってワイヤロープWを取り囲むように構成してもよい。すなわち、フレキシブル基板の導体によって検知コイルを構成するとともに、フレキシブル基板をワイヤロープWに巻き付けるように配置するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、第1検知コイル31a(231a、331a)および第2検知コイル31b(231b、331b)を、それぞれ独立した鞍型コイルとして構成するとともに、第1検知コイル31a(231a、331a)と第2検知コイル31b(231b、331b)との各々から別個の磁束信号を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1検知コイルと第2検知コイルとの2つの鞍型コイルを接続することによって、1つの磁束信号を取得するようにしてもよい。また、第1検知コイルと第2検知コイルとを接続することによって、鞍型コイルではなく1つのソレノイドコイルとしてワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回されるように構成してもよい。すなわち、第1検知コイルと第2検知コイルとの各々に端子部を設けるとともに、第1検知コイルの端子部と第2検知コイルの端子部を接続することによって、1つのソレノイドコイルを構成するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、磁界印加部20によって予め磁界が整えられた状態のワイヤロープWの磁束を励振して検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部20を設けずに、磁界を整えないで磁束を検知するようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、検知コイル31によって全磁束法によるワイヤロープWの磁束の検知を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルを、ワイヤロープWの外表面からの漏洩磁束を検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を、通信部55を介して装置外部(エレベータ103(403)および処理装置102(402))に出力する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープ検査装置101に報知部または表示部を設けることによって、ワイヤロープ検査装置101において、飛び出し部分Waの検知を検査作業者に報知するように構成してもよい。また、記憶部を設けることによって、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報を記憶するように構成してもよい。また、図23に示す変形例によるワイヤロープ検査システム500のように、ワイヤロープ検査装置501にワイヤロープWの位置情報を取得(検出)する位置情報取得センサ570をさらに設けることによって、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、検知された飛び出し部分Waの位置を示す位置情報とを併せて装置外部(エレベータ103および処理装置102(502))に出力するように構成してもよい。なお、位置情報取得センサ570は、請求の範囲における「位置検出部」の一例である。
たとえば、図23に示すように、ワイヤロープWの位置情報を検出する位置情報取得センサ570をワイヤロープ検査装置501に設けることによって、位置情報取得センサ570により検出されたワイヤロープWの位置情報が、ワイヤロープ検査装置501から処理装置502に対して出力される。位置情報取得センサ570は、たとえば、光学センサなどである。そして、処理装置502は、飛び出し部分Waが検知された場合に、取得されたワイヤロープWの位置情報に基づいて、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置情報とを関連付けて記憶部102cに記憶させる。また、処理装置502は、ワイヤロープWにおける飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を表示部102dに表示させる。このように構成すれば、エレベータ103の制御装置103dなどのワイヤロープ検査システム500以外の部分において、検査対象であるワイヤロープWの位置情報を検出する構成が設けられていない場合にも、飛び出し部分Waの検知を行うワイヤロープ検査装置501に設けられた位置情報取得センサ570(位置検出部)によって、ワイヤロープWの位置情報を容易に取得することができる。そのため、ワイヤロープ検査システム500以外の部分にワイヤロープWの位置情報を検出する構成が設けられていない場合にも、飛び出し部分Waの位置情報を容易に取得することができる。
また、上記第1~第4実施形態では、検知コイル31(231、331)をエレベータ103(403)に設けられたワイヤロープWの磁束を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルを、クレーン装置などのエレベータ以外の装置に設けられたワイヤロープの磁束を検知するように構成してもよい。また、ワイヤロープ単体に対して磁束を検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープ検査装置101(201、301)を、エレベータ103(403)のワイヤロープWに設置(配置)する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープ検査装置に把持部を設けることによって、検査作業者に把持された状態でワイヤロープWの検査(磁束の検知)を行うように構成してもよい。
また、上記第1および第4実施形態では、飛び出し部分Waが検知された場合に、接続部33aによって接続された検知コイル31と飛び出し検知部32とが一体的に移動する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し部分Waが検知された場合に、飛び出し検知部を移動させないように構成してもよい。すなわち、飛び出し部分Waが検知された場合には、飛び出し検知部を移動させず、検知部のみを移動(退避)させるように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、検知コイル31(231、331)を複数(4本)のワイヤロープWの各々に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルを、ワイヤロープWの数が1以上3以下のワイヤロープWの磁束を検知するように構成してもよいし、5以上のワイヤロープWの磁束を検知するように構成してもよい。また、複数のワイヤロープWの磁束を1つの検知コイルによって検知するように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)は、複数(4本)のワイヤロープWからの飛び出し部分Waを共通して検知するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のワイヤロープWの各々に飛び出し検知部を別個に設けることによって、複数のワイヤロープWの各々における飛び出し部分Waをそれぞれ別個に検知するように構成してもよい。その場合には、たとえば、複数のワイヤロープWの各々ごとに導体で構成された飛び出し検知部を設けるとともに、複数の飛び出し検知部の各々をリード線で接続することによって、複数のワイヤロープWの各々ごとに、導通の遮断を検知することによって飛び出し部分Waの検知を行うようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)からの検知信号に基づいて、検知コイル31(231、331)を移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルに加えて励磁部(励振コイル)をもワイヤロープWから離間する方向に駆動させるように構成してもよい。また、検知コイルに加えて磁界印加部をワイヤロープWから離間する方向に駆動させるようにしてもよい。また、検知コイル、励磁部(励振コイル)、および、磁界印加部を含む本体部分をワイヤロープWから離間する方向に駆動させてもよい。すなわち、本体部分をワイヤロープWから離間させることによって、検知コイル、励磁部(励振コイル)、および、磁界印加部を一体的に駆動させるようにしてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、ワイヤロープWを挟んで互いに対向するように設けられた磁界印加部20aおよび磁界印加部20bが、それぞれN極をワイヤロープW側に向けるように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2つの磁界印加部が、N極とS極とをそれぞれワイヤロープWに向けるように配置されていてもよい。また、2つの磁界印加部は、互いに対向する方向ではなく、ワイヤロープWの延びる方向に沿ってN極とS極とを配置するように配置されていてもよい。その場合、2つの磁界印加部は同じ向きでもよいし異なる向きでもよい。また、磁界印加部は、ワイヤロープWの延びる方向に沿って平行な向きから、斜めにずれた向きに磁界を印加するように配置されていてもよい。また、1つの磁界印加部を、ワイヤロープWの延びる方向と交わる方向の片側に配置してよい。
また、上記第1~第4実施形態では、磁界印加部20を永久磁石によって構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部を、電磁石によって構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、飛び出し検知部32(232、332)によって飛び出し部分Waが検知された場合に、処理部51からの飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報としてのエレベータ停止指令信号が出力され、エレベータ103(403)の動作を停止させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し部分Waが検知された場合にもエレベータ103(403)の動作を停止させないようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、処理装置402の記憶部102cに、ワイヤロープWの飛び出し部分Waの位置情報を記憶させるとともに、処理装置402の表示部102dに飛び出し部分Waの位置情報を表示させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープ検査装置101において、ワイヤロープWの位置情報を取得するとともに、取得されたワイヤロープWの位置情報に基づいて飛び出し部分Waの位置情報を記憶させるように構成してもよい。その場合に、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を表示する表示部を、ワイヤロープ検査装置101に設けるようにしてもよい。また、ワイヤロープWの異常を判定する処理装置402とは別個に、飛び出し部分Waの位置情報を表示させる表示装置を設けるようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、表示部102dを、飛び出し部分Waが検知されたことを示す情報と、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報とを表示するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飛び出し部分Waの位置を示す情報のみを表示部102dに表示させるようにしてもよい。また、飛び出し部分Waの位置を示す位置情報を、文字情報ではなく図形によって表してもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、
前記励磁部により磁界が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、
前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、
前記飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
(項目2)
前記飛び出し検知部は、前記ワイヤロープを取り囲むように配置されるとともに、前記ワイヤロープからの離間距離である検知部離間距離を変更可能に構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目3)
前記飛び出し検知部は、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている第1部分と、前記ワイヤロープに対して前記第1部分が配置される側とは反対側において前記第1部分とともに前記ワイヤロープを取り囲むように配置されている第2部分とを含み、
前記第1部分と前記第2部分との各々は、前記検知部離間距離を変更可能に構成されている、項目2に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目4)
前記第1部分および前記第2部分は、前記ワイヤロープの延びる方向において、前記検知コイルよりも前記ワイヤロープの上流側に設けられており、前記ワイヤロープの前記飛び出し部分に接触することによって、前記飛び出し部分を検知するように構成されており、
前記駆動部は、前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方が前記飛び出し部分に接触したことによる前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、項目3に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目5)
前記第1部分および前記第2部分は、折り曲げられている板状の導体であって、前記ワイヤロープを取り囲みながら互いに接触して電気的に導通した状態で配置されており、
前記飛び出し検知部は、前記飛び出し部分との接触によって前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方の位置がずれることに起因して、前記第1部分と前記第2部分との導通が遮断された場合に、前記飛び出し部分を検知するように構成されている、項目3または4に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目6)
前記飛び出し検知部は、前記飛び出し部分との接触によって前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方が弾性変形することによって位置がずれることに起因して、前記第1部分と前記第2部分との導通が遮断された場合に、前記飛び出し部分を検知するように構成されている、項目5に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目7)
前記第1部分および前記第2部分は、板状の前記導体の端部がさらに折り曲げられて互いに面接触する平面の接触面を有し、
前記飛び出し検知部は、前記第1部分と前記第2部分とのそれぞれの前記接触面同士が面接触することによって、前記第1部分と前記第2部分とが導通するように構成されている、項目5または6に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目8)
前記飛び出し検知部は、前記検知コイルによって前記ワイヤロープの磁束の検知を行う場合に、前記ワイヤロープからの離間距離である検知部離間距離が前記検知コイルと前記ワイヤロープとの離間距離であるコイル離間距離以下の大きさとなるように配置され、前記検知コイルによる検知を行わない場合に、前記検知部離間距離が前記検査運転時よりも大きくなるように配置される、項目1~7のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目9)
前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている第1検知コイルと、前記ワイヤロープに対して前記第1検知コイルが配置される側とは反対側において前記第1検知コイルとともに前記ワイヤロープを取り囲むように配置されている第2検知コイルとを含み、
前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々を、前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目10)
前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルは、前記磁界印加部により予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されているとともに、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられており、
前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられた前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々を、前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、項目9に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目11)
前記飛び出し検知部によって前記ワイヤロープの外表面からの前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報を装置外部に出力する通信部を、さらに備える、項目1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目12)
前記検知コイルは、エレベータに設けられた前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
前記駆動部は、前記エレベータの通常運転時には、前記検知コイルと前記ワイヤロープとの距離であるコイル離間距離を大きくするように構成されており、前記通常運転時よりも運転速度の小さい検査運転時には、前記コイル離間距離を前記通常運転時よりも小さくするように前記検知コイルを移動させるとともに、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が検知された場合には前記コイル離間距離を大きくするように構成されている、項目1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目13)
前記検知コイルと前記飛び出し検知部とを一体的に接続する接続部を含む検知コイル本体部をさらに備え、
前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイル本体部を移動させることによって、前記接続部によって接続された前記検知コイルと前記飛び出し検知部とを一体的に移動させるように構成されている、項目1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目14)
前記飛び出し検知部は、前記検知コイルとは別体に構成されており、
前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイルと前記飛び出し検知部との各々を移動させるように構成されている、項目1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目15)
前記検知コイルと前記ワイヤロープとの距離であるコイル離間距離が大きい通常運転位置と、前記通常運転位置よりも前記コイル離間距離が小さい検査運転位置とのいずれかに、前記検知コイルの位置を変更するために操作される位置変更レバーをさらに備え、
前記駆動部は、前記位置変更レバーに対する操作によって、前記検知コイルの位置が前記通常運転位置から前記検査運転位置に移動させられた状態で、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイルの位置を前記検査運転位置から前記通常運転位置に変更させることによって、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、項目1~14のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目16)
前記ワイヤロープは、複数の前記ワイヤロープを含み、
前記検知コイルは、前記複数のワイヤロープの各々に設けられており、
前記飛び出し検知部は、前記複数のワイヤロープの各々の前記飛び出し部分を共通して検知するように構成されており、
前記駆動部は、前記複数のワイヤロープのうちの少なくとも1つの前記ワイヤロープの外表面からの前記飛び出し部分が検知されたことによる前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記複数のワイヤロープの各々に設けられた前記検知コイルの全てを一体的に前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、項目1~15のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目17)
検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、前記励磁部により磁界が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、前記飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置と、
前記検知コイルからの信号に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されている処理装置と、を備え、
前記ワイヤロープ検査装置は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報を前記処理装置に出力するように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
(項目18)
前記処理装置は、前記検知コイルに対して相対的に移動する前記ワイヤロープの位置情報を取得するように構成されており、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報が取得された場合に、前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を取得するように構成されている、項目17に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目19)
前記処理装置は、取得された前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報と、前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える、項目18に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目20)
前記ワイヤロープ検査装置の前記検知コイルは、エレベータに設けられた前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
前記処理装置は、前記エレベータの制御装置から前記ワイヤロープの前記位置情報を取得するように構成されており、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報が取得された場合に、前記エレベータの前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を取得するように構成されている、項目18または19に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目21)
前記ワイヤロープ検査装置は、
前記検知コイルに対して相対的に移動する前記ワイヤロープの前記位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報と、前記ワイヤロープの前記位置情報とを前記処理装置に出力するように構成されている、項目18または19に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目22)
前記処理装置は、前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を表示する表示部を備える、項目18~21のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
10 励磁部
20 磁界印加部
31、231、331 検知コイル
31a、231a、331a 第1検知コイル
31b、231b、331b 第2検知コイル
32、232、332 飛び出し検知部
32a 第1部分
32b 第2部分
32N 接続面
33 検知本体部(検知コイル本体部)
33a 接続部
40、240、340 駆動部
55 通信部
100、200、300、400、500 ワイヤロープ検査システム
101、201、301、501 ワイヤロープ検査装置
102、402、502 処理装置
102c 記憶部
102d 表示部
103、403 エレベータ
403d 制御装置
360 位置変更レバー
570 位置情報取得センサ(位置検出部)

Claims (22)

  1. 検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、
    前記励磁部により磁界が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、
    前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、
    前記飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置。
  2. 前記飛び出し検知部は、前記ワイヤロープを取り囲むように配置されるとともに、前記ワイヤロープからの離間距離である検知部離間距離を変更可能に構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  3. 前記飛び出し検知部は、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている第1部分と、前記ワイヤロープに対して前記第1部分が配置される側とは反対側において前記第1部分とともに前記ワイヤロープを取り囲むように配置されている第2部分とを含み、
    前記第1部分と前記第2部分との各々は、前記検知部離間距離を変更可能に構成されている、請求項2に記載のワイヤロープ検査装置。
  4. 前記第1部分および前記第2部分は、前記ワイヤロープの延びる方向において、前記検知コイルよりも前記ワイヤロープの上流側に設けられており、前記ワイヤロープの前記飛び出し部分に接触することによって、前記飛び出し部分を検知するように構成されており、
    前記駆動部は、前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方が前記飛び出し部分に接触したことによる前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、請求項3に記載のワイヤロープ検査装置。
  5. 前記第1部分および前記第2部分は、折り曲げられている板状の導体であって、前記ワイヤロープを取り囲みながら互いに接触して電気的に導通した状態で配置されており、
    前記飛び出し検知部は、前記飛び出し部分との接触によって前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方の位置がずれることに起因して、前記第1部分と前記第2部分との導通が遮断された場合に、前記飛び出し部分を検知するように構成されている、請求項3または4に記載のワイヤロープ検査装置。
  6. 前記飛び出し検知部は、前記飛び出し部分との接触によって前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方が弾性変形することによって位置がずれることに起因して、前記第1部分と前記第2部分との導通が遮断された場合に、前記飛び出し部分を検知するように構成されている、請求項5に記載のワイヤロープ検査装置。
  7. 前記第1部分および前記第2部分は、板状の前記導体の端部がさらに折り曲げられて互いに面接触する平面の接触面を有し、
    前記飛び出し検知部は、前記第1部分と前記第2部分とのそれぞれの前記接触面同士が面接触することによって、前記第1部分と前記第2部分とが導通するように構成されている、請求項5または6に記載のワイヤロープ検査装置。
  8. 前記飛び出し検知部は、前記検知コイルによって前記ワイヤロープの磁束の検知を行う場合に、前記ワイヤロープからの離間距離である検知部離間距離が前記検知コイルと前記ワイヤロープとの離間距離であるコイル離間距離以下の大きさとなるように配置され、前記検知コイルによる検知を行わない場合に、前記検知部離間距離が前記検知コイルによる前記ワイヤロープの磁束の検知を行う場合よりも大きくなるように配置される、請求項1~7のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  9. 前記検知コイルは、前記ワイヤロープが延びる方向と直交する方向に配置されている第1検知コイルと、前記ワイヤロープに対して前記第1検知コイルが配置される側とは反対側において前記第1検知コイルとともに前記ワイヤロープを取り囲むように配置されている第2検知コイルとを含み、
    前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々を、前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  10. 前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
    前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルは、前記磁界印加部により予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されているとともに、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられており、
    前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられた前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々を、前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、請求項9に記載のワイヤロープ検査装置。
  11. 前記飛び出し検知部によって前記ワイヤロープの外表面からの前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報を装置外部に出力する通信部を、さらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  12. 前記検知コイルは、エレベータに設けられた前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
    前記駆動部は、前記エレベータの通常運転時には、前記検知コイルと前記ワイヤロープとの距離であるコイル離間距離を大きくするように構成されており、前記通常運転時よりも運転速度の小さい検査運転時には、前記コイル離間距離を前記通常運転時よりも小さくするように前記検知コイルを移動させるとともに、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が検知された場合には前記コイル離間距離を大きくするように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  13. 前記検知コイルと前記飛び出し検知部とを一体的に接続する接続部を含む検知コイル本体部をさらに備え、
    前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイル本体部を移動させることによって、前記接続部によって接続された前記検知コイルと前記飛び出し検知部とを一体的に移動させるように構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  14. 前記飛び出し検知部は、前記検知コイルとは別体に構成されており、
    前記駆動部は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイルと前記飛び出し検知部との各々を移動させるように構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  15. 前記検知コイルと前記ワイヤロープとの距離であるコイル離間距離が大きい通常運転位置と、前記通常運転位置よりも前記コイル離間距離が小さい検査運転位置とのいずれかに、前記検知コイルの位置を変更するために操作される位置変更レバーをさらに備え、
    前記駆動部は、前記位置変更レバーに対する操作によって、前記検知コイルの位置が前記通常運転位置から前記検査運転位置に移動させられた状態で、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記検知コイルの位置を前記検査運転位置から前記通常運転位置に変更させることによって、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  16. 前記ワイヤロープは、複数の前記ワイヤロープを含み、
    前記検知コイルは、前記複数のワイヤロープの各々に設けられており、
    前記飛び出し検知部は、前記複数のワイヤロープの各々の前記飛び出し部分を共通して検知するように構成されており、
    前記駆動部は、前記複数のワイヤロープのうちの少なくとも1つの前記ワイヤロープの外表面からの前記飛び出し部分が検知されたことによる前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記複数のワイヤロープの各々に設けられた前記検知コイルの全てを一体的に前記ワイヤロープから離間する方向に移動させるように構成されている、請求項1~15のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  17. 検査対象であるワイヤロープに対して磁界を印加する励磁部と、前記励磁部により磁界が印加される前記ワイヤロープに対して相対的に移動しながら前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部からの飛び出し部分を検知する飛び出し検知部と、前記飛び出し検知部からの検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が前記検知コイルに接触する前に、前記検知コイルを前記ワイヤロープから離間する方向に移動させる駆動部と、を備える、ワイヤロープ検査装置と、
    前記検知コイルからの信号に基づいて、前記ワイヤロープの異常の有無を判定するように構成されている処理装置と、を備え、
    前記ワイヤロープ検査装置は、前記飛び出し検知部からの前記検知信号に基づいて、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報を前記処理装置に出力するように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
  18. 前記処理装置は、前記検知コイルに対して相対的に移動する前記ワイヤロープの位置情報を取得するように構成されており、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報が取得された場合に、前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を取得するように構成されている、請求項17に記載のワイヤロープ検査システム。
  19. 前記処理装置は、取得された前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報と、前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える、請求項18に記載のワイヤロープ検査システム。
  20. 前記ワイヤロープ検査装置の前記検知コイルは、エレベータに設けられた前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されており、
    前記処理装置は、前記エレベータの制御装置から前記ワイヤロープの前記位置情報を取得するように構成されており、前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報が取得された場合に、前記エレベータの前記ワイヤロープにおける前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を取得するように構成されている、請求項18または19に記載のワイヤロープ検査システム。
  21. 前記ワイヤロープ検査装置は、
    前記検知コイルに対して相対的に移動する前記ワイヤロープの前記位置情報を検出する位置検出部をさらに備え、
    前記飛び出し部分が検知されたことを示す情報と、前記ワイヤロープの前記位置情報とを前記処理装置に出力するように構成されている、請求項18または19に記載のワイヤロープ検査システム。
  22. 前記処理装置は、前記飛び出し部分の位置を示す前記位置情報を表示する表示部を備える、請求項18~21のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
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