JP7491236B2 - ワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置 - Google Patents

ワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置に関する。
従来、ワイヤロープの磁束(磁界)を検知する検知コイルを備えるワイヤロープ検査装置(磁性体検査装置)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ワイヤロープ(磁性体)に対して設けられた励磁部と、ワイヤロープの磁束(磁界)を検知する検知コイルとを備えるワイヤロープ検査装置(磁性体検査装置)が開示されている。上記特許文献1に記載のワイヤロープ検査装置では、励磁部により磁束が印加されることにより生じるワイヤロープの磁束の変化を検知コイルにより検知するように構成されている。
国際公開第2019/171667号
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、ワイヤロープ検査装置では、ワイヤロープが振動して検知コイルに接触することを抑制するために、検知コイルとワイヤロープとの間の距離(間隔)は、ワイヤロープの最大振動揺れ幅よりも大きくなるように構成されている。一方、検知コイルによって精度よくワイヤロープの検査を行うためには、検知コイルとワイヤロープとの間の距離(間隔)は、可能な限り小さくする方が望ましい。すなわち、上記特許文献1に記載されているようなワイヤロープ検査装置では、検知コイルとワイヤロープとの間の距離(間隔)は、ワイヤロープの最大振動揺れ幅よりも大きく、かつ、可能な限り小さくなるように構成されることが望ましい。
しかしながら、検査対象であるワイヤロープの外表面から飛び出した異常飛び出し部(素線切れに起因する素線の飛び出しなど)がある場合には、異常飛び出し部が検知コイルを含む検知部に接触する可能性がある。そのため、検査対象であるワイヤロープから飛び出した異常飛び出し部と検知コイルを含む検知部との接触を抑制しつつ、検知部を近づけてワイヤロープの検査を精度よく行うことが可能なワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、検査対象であるワイヤロープから飛び出した異常飛び出し部と検知コイルを含む検知部との接触を抑制しつつ、検知部を近づけてワイヤロープの検査を精度よく行うことが可能なワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査装置を提供することである。
この発明の第1の局面におけるワイヤロープ検査方法は、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部とワイヤロープとの間隔である検知間隔を第1の間隔にした状態で、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する本検査を行う前に、検知間隔を第1の間隔よりも大きい第2の間隔にした状態で、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査を行う事前検査ステップと、事前検査ステップにおいて検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定ステップと、を備える。なお、本明細書では、「異常飛び出し部」とは、ワイヤロープの素線切れによって切れた素線がワイヤロープの外表面から飛び出した部分に加えて、ワイヤロープのねじれ、折れ、キンク、または、かご状の型崩れなどの不良(異常)によって、ワイヤロープの断面積が通常状態よりも大きくなっている外表面の部分を含む概念である。また、本明細書では、「異常飛び出し部」は、上記のような素線の不良のみならず、ワイヤロープの外表面に付着した異物またはワイヤロープの内部から染み出したグリスなどに起因するワイヤロープの断面積の増加をも含む広い概念として記載している。
この発明の第2の局面におけるワイヤロープ検査システムは、ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、ワイヤロープの検査時における検知部とワイヤロープとの間隔である検知間隔を、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、本検査を行う前に検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、を備えるワイヤロープ検査装置と、検知間隔を第2の間隔にした状態で、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査において検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える。
この発明の第3の局面におけるワイヤロープ検査装置は、ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、ワイヤロープの検査時における検知部とワイヤロープとの間隔である検知間隔を、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、本検査を行う前に検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、検知間隔を第2の間隔にした状態で、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査において検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える。
本発明によれば、上記第1の局面におけるワイヤロープ検査方法、第2の局面におけるワイヤロープ検査システムおよび第3の局面におけるワイヤロープ検査装置では、上記のように、検知間隔を本検査の際に用いる第1の間隔よりも大きい第2の間隔にした状態で、検知部をワイヤロープに対して相対的に移動させながらワイヤロープの磁束を検知する事前検査を行う。これにより、本検査の際に用いる第1の間隔以上にワイヤロープの外表面から飛び出した異常飛び出し部がワイヤロープの外表面上に存在する場合でも、検知間隔を本検査の際に用いる第1の間隔よりも大きい第2の間隔にした状態で事前検査を行うので、事前検査の際にワイヤロープの異常飛び出し部が検知部に接触することを抑制することができる。また、上記のように、事前検査において検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うので、検知間隔を事前検査の際に用いる第2の間隔よりも小さい第1の間隔にした状態で行う本検査の前に、異常飛び出し部の有無を確認することができる。これにより、異常飛び出し部が無いこと(異常飛び出し部が検知部に接触しないこと)を確認した後に、検知間隔を第2の間隔よりも小さい第1の間隔にした状態(検知部を近づけた状態)で本検査を行うことができるので、ワイヤロープの検査(本検査)を精度よく行うことができる。これらの結果、検査対象であるワイヤロープから飛び出した異常飛び出し部と検知コイルを含む検知部との接触を抑制しつつ、検知部を近づけてワイヤロープの検査を精度よく行うことができる。
第1実施形態によるワイヤロープ検査装置のエレベータへの取り付け位置の一例を示した模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第1実施形態のエレベータ通常運転時における検知部の配置を示した図である。 図3における400-400線に沿った断面図である。 第1実施形態による励振コイルの構成を示した図である。 第1実施形態による磁界印加部の構成を示した図である。 第1実施形態の事前検査時における検知部の配置を示した図である。 図7における500-500線に沿った断面図である。 第1実施形態のディスプレイ部による表示の一例を示した図である。 第1実施形態のディスプレイ部による表示の他の一例を示した図である。 第1実施形態の本検査時における検知部の配置を示した図である。 図11における600-600線に沿った断面図である。 取り付け位置がずれた状態のワイヤロープ検査装置の断面図である。 第1実施形態の飛出部有無判定モードにおける処理フローを示した図である。 第1実施形態の劣化状態判定モードにおける処理フローを示した図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成を示した図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査装置の構成を示した図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査システムの全体構成を示したブロック図である。 第1変形例による磁界印加部を示した図である。 第2変形例による磁界印加部を示した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図12を参照して、第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100(ワイヤロープ検査装置101)の構成について説明する。なお、以下の説明において、「直交」とは、90度および90度近傍の角度をなして交差することを意味する。
(ワイヤロープ検査システムの構成)
ワイヤロープ検査システム100は、検査対象物であり磁性体であるワイヤロープWの素線断線および錆などの劣化(異常)を検査するためのシステムである。ワイヤロープ検査システム100は、全磁束法によってワイヤロープWの異常の有無を判定することにより、目視により確認しにくいワイヤロープWの劣化(異常)を確認可能なシステムである。ワイヤロープWに素線断線および錆などの劣化(異常)が含まれる場合には、劣化(異常)部分における磁束が正常部分とは異なる。全磁束法は、ワイヤロープWの表面の劣化(異常)部分などからの漏洩磁束を測定する方法と異なり、ワイヤロープWの内部の素線断線および錆などの劣化(異常)をも測定可能な方法である。
ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープWの磁束を計測するワイヤロープ検査装置101(図1参照)と、処理装置102(図1参照)とを備えている。処理装置102は、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析、および、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示などを行うように構成されている。処理装置102は、たとえばタブレットPC(Personal Computer)などのタブレット端末である。なお、処理装置102は、ノートPCでもよいし、ネットワークを介して接続されたサーバなどでもよい。
ユーザ(作業者)は、ワイヤロープ検査システム100を用いてワイヤロープWの異常を検査することにより、目視により確認しにくいワイヤロープWの劣化(異常)を確認可能である。図1では、ワイヤロープ検査装置101が、エレベータ900のかご901の移動に用いられるワイヤロープWを検査する例を示している。なお、エレベータ900は、機械室を有するエレベータである。
図1に示すように、エレベータ900は、かご901、シーブ902、シーブ903、および、ワイヤロープWを備える。エレベータ900は、巻き上げ機に設けられたシーブ(滑車)902が回動してワイヤロープWを巻き上げることによって、人および積み荷などを積載するかご901を上下方向(鉛直方向)に移動させるように構成されている。たとえば、エレベータ900は、ダブルラップ方式(フルラップ方式)のロープ式エレベータである。ダブルラップ方式とは、巻き上げ機のシーブ902から、そらせ車であるシーブ903へと導かれたワイヤロープWを再度巻き上げ機のシーブ902に戻すことによって、シーブ902に2回ワイヤロープWを掛ける構造である。第1実施形態では、ワイヤロープ検査装置101は、シーブ902とシーブ903との間に配置されている。
ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWに対して移動しないように固定された状態で、巻き上げ機のシーブ902により移動させられるワイヤロープWの異常を検査する。
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料である複数のストランドをより合わせることにより形成されており、Z方向に沿って延びる長尺材からなる磁性体である。なお、ストランドは、複数本の素線がより合わさって構成されている。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、ワイヤロープ検査装置101により検査されている。ワイヤロープWの磁束の計測の結果、劣化(異常)の程度が決められた基準を超えたと判断されるワイヤロープWは、ユーザ(作業者)により交換される。
ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの表面に沿って、ワイヤロープWに対して相対的に移動しながら、ワイヤロープWの磁束を計測する。エレベータ900に使用されるワイヤロープWのように、ワイヤロープW自体が移動する場合には、ワイヤロープ検査装置101に対してワイヤロープWを移動させながら、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの磁束の計測が行われる。これにより、ワイヤロープWの長尺方向の各位置における磁束を計測することができるので、ワイヤロープWの長尺方向の各位置における劣化(異常)を検査可能である。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
図2に示すように、ワイヤロープ検査装置101は、検知部10と、検知間隔変更機構20とを備える。また、ワイヤロープ検査システム100は、励振コイル30と、磁界印加部40とを備える。
検知部10は、検知コイル11と、検知コイル11を保持するためのコイル保持部12とを含む。検知コイル11は、ワイヤロープWに対して相対的に移動しながら、ワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。また、検知コイル11は、第1検知コイル11aと第2検知コイル11bとを含む。
また、検知コイル11(第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11b)は、励振コイル30により磁界が印加されたワイヤロープWの磁束を検知(計測)するように構成されている。検知コイル11は、検知したワイヤロープWの磁束に応じた検知信号(差動信号)を送信する。また、第1実施形態では、検知コイル11は、全磁束法によってワイヤロープWの内部の磁束を検知するように構成されている。なお、検知コイル11の詳細な説明は、後述する。
検知間隔変更機構20は、ワイヤロープWの検査時における検知部10とワイヤロープWとの間隔である検知間隔を、第1の間隔D1(図11参照)と、第2の間隔D2(図7参照)とに変更可能に構成されている。なお、第1の間隔D1は、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する本検査の際に用いる検知間隔である。また、第2の間隔D2は、第1の間隔D1よりも大きい検知間隔であり、本検査を行う前に検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する事前検査の際に用いる検知間隔である。
また、検知間隔変更機構20は、エレベータ通常運転時(ワイヤロープWの通常運転時)におけるワイヤロープWと検知部10との間隔であり、第2の間隔D2よりも大きい間隔である通常運転間隔D0(図3参照)から、第2の間隔D2に検知間隔を変更可能に構成されている。
すなわち、検知間隔変更機構20は、検知間隔を通常運転間隔D0と、第1の間隔D1と、第2の間隔D2とに変更可能に構成されている。なお、前述したように、通常運転間隔D0、第1の間隔D1および第2の間隔D2の大小関係は、D1<D2<D0である。検知間隔変更機構20の詳細な説明は、後述する。
励振コイル30は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振させるように構成されている。励振コイル30は、ワイヤロープWに対して相対的に移動するとともに、ワイヤロープWに磁束を印加するように構成されている。励振コイル30は、励振交流電流が流れることにより、Z方向に沿った磁界を内部(コイルの内側)に発生させるとともに、発生させた磁界を内部に配置されたワイヤロープWに印加する。なお、励振コイル30の詳細な説明は、後述する。
磁界印加部40は、ワイヤロープWが検知コイル11を通過する前に予めワイヤロープWに磁界を印加し、磁性体であるワイヤロープWの磁化の方向を整える(整磁する)ように構成されている。なお、磁界印加部40の詳細な説明は、後述する。
また、ワイヤロープ検査装置101は、電子回路部50を備えている。電子回路部50は、処理部51と、受信I/F(インターフェース)52と、励振I/F53と、電源回路54と、記憶部55と、通信部56とを含んでいる。
処理部51は、ワイヤロープ検査装置101の各部を制御するように構成されている。処理部51は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリ、AD変換器などを含んでいる。受信I/F52は、検知コイル11の検知信号(差動信号)を受信(取得)して、処理部51に送信する。受信I/F52は、増幅器を含んでいる。受信I/F52は、増幅器により検知コイル11の検知信号を増幅して、処理部51に送信する。
励振I/F53は、処理部51からの制御信号を受信する。励振I/F53は、受信した制御信号に基づいて、励振コイル30に対する電力の供給を制御する。電源回路54は、外部から電力を受け取って、励振コイル30などのワイヤロープ検査装置101の各部に電力を供給する。
記憶部55は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果(計測データ)などの情報を記憶(保存)する。通信部56は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置101と処理装置102とを通信可能に接続する。
(処理装置の構成)
処理装置102(タブレット端末)は、ワイヤロープ検査装置101とは別個に設けられている。処理装置102は、図2に示すように、通信部121と、処理部122と、記憶部123と、ディスプレイ部124とを備えている。処理装置102(図2参照)は、検知コイル11の検知信号に基づいて、複数のワイヤロープWの劣化の状態(異常の有無)を判定するように構成されている。
通信部121は、通信用のインターフェースであり、ワイヤロープ検査装置101と処理装置102とを通信可能に接続する。処理装置102は、通信部121を介して、ワイヤロープ検査装置101によるワイヤロープWの計測結果(検知コイル11により検知された検知信号のデータ)を受信する。
処理部122は、処理装置102の各部を制御する。処理部122は、CPUなどのプロセッサ、メモリなどを含んでいる。処理部122は、通信部121を介して受信したワイヤロープWの計測結果に基づいて、素線断線などのワイヤロープWの劣化(異常)を解析する。なお、処理部122は、特許請求の範囲の「判定部」の一例である。
処理部122は、検知間隔を第2の間隔D2にした状態で、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部P(図7参照)の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている。
なお、異常飛び出し部Pは、ワイヤロープWの素線切れによって切れた素線がワイヤロープWの外表面から飛び出した部分に加えて、ワイヤロープWのねじれ、折れ、キンク、または、かご状の型崩れなどの不良(異常)によって、ワイヤロープWの断面積が通常状態よりも大きくなっている外表面の部分を含む。また、異常飛び出し部Pは、ワイヤロープWの素線の不良のみならず、ワイヤロープWの外表面に付着した異物またはワイヤロープWの内部から染み出したグリスなどに起因するワイヤロープWの断面積が通常状態よりも大きくなっている外表面の部分を含む。
処理部122は、本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うように構成されている。
また、処理部122は、予め取得した検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号に基づいて取得され、記憶部123が記憶した閾値(飛出部閾値)と、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号の値とに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている。
そして、処理部122は、飛出部有無判定モード(事前検査用のモード)と、劣化状態判定モード(本検査用のモード)とに切り替え可能に構成されている。飛出部有無判定モードは、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、飛出部有無判定を行うためのモードである。また、劣化状態判定モードは、本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うためのモードである。飛出部有無判定および劣化状態判定の詳細については、後述する。
記憶部123は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、ワイヤロープWの計測結果(検知コイル11により検知された検知信号のデータ)、処理部122による解析結果(ワイヤロープWの計測結果の解析結果)などの情報を記憶(保存)する。
また、記憶部123は、検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号に基づくデータを記憶するように構成されている。なお、記憶部123に記憶されるデータは、後述するデータ取得ステップにおいて、予め取得された検知信号に基づくデータである。記憶部123は、前述したように、飛出部有無判定を行うための閾値(飛出部閾値)を記憶(保存)している。
ディスプレイ部124は、たとえば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含むタッチパネルディスプレイであり、ワイヤロープWの計測結果、処理部122による解析結果(ワイヤロープWの計測結果の解析結果)などの情報を表示する表示部であるとともに、ユーザ(作業者)の操作を受け付ける操作部である。なお、ディスプレイ部124は、特許請求の範囲の「通知部」の一例である。
また、ディスプレイ部124は、処理部122が、飛出部有無判定において異常飛び出し部Pが有ると判定した場合に、異常飛び出し部Pが有ることを通知するように構成されている。なお、ディスプレイ部124による通知の方法などについては、後述する。
ワイヤロープ検査システム100(処理装置102の処理部122)は、過去の検査時における検知信号(生信号)と現在(最新)の検査時における検知信号(生信号)との比較、または、過去の検査時における検知信号(生信号)に微分処理など信号処理を行ったデータと現在(最新)の検査時における検知信号(生信号)に微分処理など信号処理を行ったデータとの比較に基づいて、飛出部有無判定、および、劣化状態判定を行うように構成されている。
すなわち、ワイヤロープ検査システム100(処理装置102の処理部122)は、現在と過去との差分データに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定、および、素線断線および錆などのワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うように構成されている。なお、検知信号(生信号)への信号処理および差分データの取得(算出)は、処理装置102に設けられた処理部122にて行われてもよいし、ワイヤロープ検査装置101に設けられた処理部51で行われてもよい。また、過去の検査時における検知信号(生信号)、または、過去の検査時における検知信号(生信号)に微分処理など信号処理を行ったデータは、ワイヤロープ検査装置101(電子回路部50)の記憶部55に記憶(保存)されていてもよいし、処理装置102の記憶部123に記憶(保存)されていてもよい。
また、ワイヤロープ検査システム100(処理装置102の処理部122)は、検知コイル11により取得(検知)された検知信号(生信号)、または、検知信号(生信号)に微分処理などの信号処理を行ったデータに基づいて、飛出部有無判定、および、劣化状態判定を行うように構成されてもよい。すなわち、ワイヤロープ検査システム100(処理装置102の処理部122)は、過去のデータを用いずに現在のデータに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定、および、素線断線および錆などのワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うように構成してもよい。
また、エレベータ900には、図3に示すように、ワイヤロープWが複数設けられている。複数のワイヤロープWは、各々の長手方向(Z方向)に直交する方向(X方向)に並ぶように(互いに平行に)設けられている。そして、検知コイル11は、複数のワイヤロープWが延びるZ方向(図3および図4参照)に沿って相対的に移動するとともに、ワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。
(励振コイルおよび検知コイルに関する構成)
ワイヤロープWは、図3および図4に示すように、検知コイル11および励振コイル30の内部(内側)を通過する。また、ワイヤロープ検査装置101は、枠形状の本体部60を備える。励振コイル30は、本体部60に設けられている。そして、検知コイル11は、図3および図4に示すように、励振コイル30の内側に配置されるように、本体部60に内側において、コイル保持部12に保持されている。また、本体部60の内側には、Y方向に沿って設けられたガイド部61(図3および図4参照)が設けられている。
なお、コイル保持部12および本体部60は、非磁性体の部材を含む。具体的には、コイル保持部12および本体部60が含む非磁性体の部材は、塩化ビニル樹脂、テフロン(登録商標)、または、ベークライトなどである。
また、励振コイル30は、図3に示すように、複数のワイヤロープWを取り囲むように設けられている。また、励振コイル30は、複数のワイヤロープWの磁化の状態を同時に励振するように構成されている。具体的には、励振コイル30に励振交流電流が流されることにより、励振コイル30の内部において、励振交流電流に基づいて発生する磁界が複数のワイヤロープWに印加されるように構成されている。また、図3に示すように、励振コイル30は、複数の検知コイル11に対して共通に設けられている。
第1実施形態では、図3に示すように、検知コイル11は、複数のワイヤロープWに対応して複数設けられている。すなわち、検知コイル11は、複数のワイヤロープWの本数と同数設けられている。たとえば、図3に示すように、ワイヤロープWが6本の場合には、検知コイル11は、6つ設けられる。
また、図3に示すように、検知コイル11は、複数のワイヤロープWと検知部10とが対向する方向(Y方向)において、複数のワイヤロープWの一方側(Y1方向側)に配置される第1検知コイル11aと、複数のワイヤロープWの他方側(Y2方向側)に配置される第2検知コイル11bとに分割可能に構成されている。
第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bは、図3に示すように、Z方向(Z1方向側またはZ2方向側)から見て、ワイヤロープWから離間する方向に凸の半円状(鞍型形状)になるように配置(形成)されている。なお、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bは、Z方向(Z1方向側またはZ2方向側)から見て、U字状に配置(形成)されていてもよい。また、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bは、Z方向(Z1方向側またはZ2方向側)から見て、矩形状に配置(形成)されていてもよい。
第1検知コイル11aと第2検知コイル11bとは、直列接続されており、磁束の変化に対し、互いに逆方向に電流が流れるように構成されている。検知コイル11は、第1検知コイル11aにより得られた信号と第2検知コイル11bにより得られた信号との差動信号を検知信号として出力するように設けられている。
また、コイル保持部12は、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bのそれぞれに対応して設けられる第1保持部12aおよび第2保持部12bを含む。
検知間隔変更機構20は、ローラ21、ローラ22、ベルト23およびハンドル24を含む。そして、ベルト23は、Y方向においてコイル保持部12(第1保持部12aおよび第2保持部12b)を挟むように配置されたローラ21および22に巻き付けられている。また、ベルト23には、コイル保持部12(第1保持部12aおよび第2保持部12b)が固定されている。
検知間隔変更機構20は、ハンドル24を回すことによって、ローラ21が回転し、ベルト23(ローラ22)が連動して回るように構成されている。これにより、ユーザ(作業者)が、検知間隔変更機構20のハンドル24を回すことによって、ベルト23に固定されたコイル保持部12(第1保持部12aおよび第2保持部12b)が、ガイド部61に沿ってY方向(Y1方向およびY2方向)に移動する。
そして、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bの各々は、励振コイル30(本体部60)の内側において、Y方向(Y1方向およびY2方向)に移動可能に構成されている。
具体的には、第1保持部12aは、検知間隔変更機構20によって、第1検知コイル11aを保持した状態で、励振コイル30(本体部60)の内側をガイド部61に沿って、Y方向(Y1方向およびY2方向)に移動するように構成されている。また、第2保持部12bは、検知間隔変更機構20によって、第2検知コイル11bを保持した状態で、励振コイル30(本体部60)の内側をガイド部61に沿って、Y方向(Y1方向およびY2方向)に移動するように構成されている。これにより、第1検知コイル11aはY1方向に移動可能であり、第2検知コイル11bはY2方向に移動可能である。すなわち、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bは、互いに離間する方向に移動可能である。また、第1検知コイル11aはY2方向に移動可能であり、第2検知コイル11bはY1方向に移動可能である。すなわち、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bは、互いに近接する方向に移動可能である。
励振コイル30は、図5に示すように、第1導線部30aが形成されたプリント基板30bを含む。励振コイル30は、第2導線部30cが形成されたプリント基板30dを含む。また、第1導線部30aと第2導線部30cとは、電気的に接続されている。なお、検知コイル11および励振コイル30の配置はこれに限られない。なお、図3および図4に示した検知コイル11および図3~5に示した励振コイル30は、概略的に図示したものであり、実際の配置(構成)とは異なる場合がある。
(磁界印加部の構成)
図6に示すように、磁界印加部40は、磁界印加部41および42を含む。磁界印加部41および42は、ワイヤロープWに対して予め磁界を印加し、磁性体であるワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向を整える。磁界印加部41および42は、Z方向において、励振コイル30および複数の検知コイル11を挟むように配置されている。
図6に示すように、磁界印加部41および42は、検査対象物であるワイヤロープWに対して予めY方向から磁界を印加し磁性体であるワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向を整える(整磁する)ように構成されている。また、磁界印加部41は、磁石41aおよび41bを含み、磁界印加部42は、磁石42aおよび42bを含んでいる。
磁界印加部41(磁石41aおよび41b)は、図6に示すように、検知コイル11および励振コイル30に対して、ワイヤロープWの延びる方向の一方側(Z1方向側)に配置されている。そして、ワイヤロープWがZ2方向に移動する際には、検知コイル11の内部(内側)へ入る前に、ワイヤロープWが磁界印加部41の内側(磁石41aおよび41bの間)を通過する。これにより、ワイヤロープWがZ2方向に移動する際には、検知コイル11の内部(内側)へ入る前に磁界印加部41(磁石41aおよび41b)によって、ワイヤロープWに対して予め磁界が印加され、ワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向が整えられる(整磁される)。
また、磁界印加部42(磁石42aおよび42b)は、図6に示すように、検知コイル11および励振コイル30に対して、ワイヤロープWの延びる方向の他方側(Z2方向側)に配置されている。そして、ワイヤロープWがZ1方向に移動する際には、検知コイル11の内部(内側)へ入る前に、ワイヤロープWが磁界印加部42の内側(磁石42aおよび42bの間)を通過する。これにより、ワイヤロープWがZ1方向に移動する際には、検知コイル11の内部(内側)へ入る前に磁界印加部42(磁石42aおよび42b)によって、ワイヤロープWに対して予め磁界が印加され、ワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向が整えられる(整磁される)。
すなわち、磁界印加部41および42は、ワイヤロープWが検知コイル11の内部(内側)へ入る前に、ワイヤロープWが延びるZ方向(長尺材の長手方向)と複数のワイヤロープWが隣り合うX方向とに直交するY方向から磁界を予め印加するように構成されている。また、磁界印加部40を構成する磁石41a、41b、42aおよび42bは、図4に示すように、励振コイル30と同一のユニット(本体部60)に設けられてもよいし、励振コイル30のユニット(本体部60)とは独立して設けられてもよい。また、図6では、磁石41aおよび41bの各々のN極同士が対向するように配置されるとともに、磁石42aおよび42bの各々のS極同士が対向するように配置される磁界印加部40の例を示したが、磁界印加部40では、磁石41aおよび41bの各々のS極同士が対向するように配置されるとともに、磁石42aおよび42bの各々のN極同士が対向するように配置されてもよい。
(事前検査に関する構成)
検知コイル11は、図7に示すように、事前検査の際に、検知間隔を第2の間隔D2にした状態で、磁界印加部40によって、検知コイル11を通過する前に予め磁界を印加されたワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。そして、処理装置102(タブレット端末)の処理部122は、少なくとも、第1の間隔D1よりも大きく、ワイヤロープWの外表面から飛び出した(検知部10に接触する程度飛び出した)異常飛び出し部Pの有無を判定する。処理部122は、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの素線切れによって飛び出した素線P1(図7参照)やワイヤロープWの内部から染み出したグリスP2(図7参照)などのような異常飛び出し部Pの有無を判定(飛出部有無判定を行う)する。なお、グリスP2は、ワイヤロープWのストランド同士が擦れる部分を介して染み出すため、グリスP2には、鉄粉が含まれる。
また、処理部122は、複数のワイヤロープWの各々に対応して設けられた検知コイル11の各々が検知した信号を加算した結果に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する(飛出部有無判定を行う)ように構成されている。
検知間隔変更機構20は、図7および図8に示すように、複数の検知コイル11の各々の検知間隔を第2の間隔D2に変更可能に構成されている。また、検知間隔変更機構20は、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bの各々のワイヤロープWに対する検知間隔を第2の間隔D2に変更可能に構成されている。
第1実施形態では、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ通常運転時からワイヤロープWの事前検査時(飛出部有無判定モード)への切り替えの際に、検知間隔変更機構20によって、検知間隔を通常運転間隔D0(図3参照)から第2の間隔D2に変更(小さく)することにより、図7および図8に示すように、検知コイル11(検知部10)を複数のワイヤロープWに近接させる。すなわち、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの事前検査時において、検知コイル11をエレベータ通常運転時よりもワイヤロープWに対して近接させるように構成されている。たとえば、ワイヤロープの直径が12mmの場合、通常運転間隔D0は、14mm程度である。
また、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの事前検査時(飛出部有無判定モード)からエレベータ通常運転時への切り替えの際に、検知間隔変更機構20によって、検知間隔を第2の間隔D2から通常運転間隔D0に変更(大きく)することにより、検知コイル11を複数のワイヤロープWからより離間させる。すなわち、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ通常運転時において、検知コイル11をワイヤロープWの事前検査時(飛出部有無判定モード)よりもワイヤロープWに対して離間させるように構成されている。
(ディスプレイ部による通知)
ワイヤロープ検査システム100において、処理装置102(タブレット端末)のディスプレイ部124は、図9および図10に示すように、処理部122による飛出部有無判定の結果を表示するように構成されている。
たとえば、処理部122による飛出部有無判定により、異常飛び出し部Pがあると判定された場合には、図9に示すように、処理装置102(タブレット端末)のディスプレイ部124に、『異常飛び出し部が検知されました。ワイヤロープを確認してください。』などの通知N1を表示する。また、処理部122による飛出部有無判定により、異常飛び出し部Pが無いと判定された場合には、図10に示すように、処理装置102のディスプレイ部124に、『異常飛び出し部は検知されませんでした。本検査を実施してください。』などの通知N2を表示する。
(本検査時に関する構成)
ワイヤロープ検査装置101は、本検査時において、図11に示すように、ワイヤロープWの磁束を検知する検知コイル11を含む検知部10とワイヤロープWとの間隔である検知間隔を第1の間隔D1にした状態で、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。また、検知コイル11は、本検査の際に、検知間隔を第1の間隔D1にした状態で、磁界印加部40によって、検知コイル11を通過する前に予め磁界を印加されたワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。そして、処理部122は、本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、素線断線および錆などのワイヤロープWの劣化の状態(異常の有無)を判定する。処理部122は、ワイヤロープWの内部または外部において発生した素線断線、ワイヤロープWの内部または外部において発生した錆、および、事前検査時において検出されなかったワイヤロープWの外表面からの微小な(第1の間隔D1よりも小さい)飛び出し部分などの異常の有無(劣化状態)を判定する。
検知間隔変更機構20は、図11および図12に示すように、複数の検知コイル11の各々の検知間隔を第1の間隔D1に変更可能に構成されている。また、検知間隔変更機構20は、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bの各々のワイヤロープWに対する検知間隔を第1の間隔D1に変更可能に構成されている。
第1実施形態では、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの事前検査時(飛出部有無判定モード)からワイヤロープWの本検査時(劣化状態判定モード)への切り替えの際には、検知コイル11を複数のワイヤロープWにより近接させる。すなわち、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの本検査時において、検知間隔変更機構20によって、検知間隔を第2の間隔D2から第1の間隔D1に変更(小さく)することにより、図11および図12に示すように、検知コイル11をワイヤロープWの事前検査時よりもワイヤロープWに対して近接させるように構成されている。たとえば、ワイヤロープの直径が12mmの場合、第1の間隔D1は、0.3mm~3mm程度である。
また、ワイヤロープ検査装置101は、ワイヤロープWの本検査時(劣化状態判定モード)からエレベータ通常運転時への切り替え、または、ワイヤロープWの本検査時(劣化状態判定モード)からワイヤロープWの事前検査時(飛出部有無判定モード)への切り替えの際には、検知コイル11(検知部10)を複数のワイヤロープWから離間させる。すなわち、ワイヤロープ検査装置101は、エレベータ通常運転時において、ワイヤロープWの本検査時およびワイヤロープWの事前検査時よりもワイヤロープWに対して検知コイル11を離間させるように構成されている。
また、検知コイル11は、図11および図12に示すように、対応するワイヤロープWを取り囲むように配置されている。検知コイル11(第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11b)は、ワイヤロープWの検査時(事前検査時および本検査時)において、ワイヤロープWに接触しない非接触型の検知コイルとして構成されている。
検知コイル11(第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11b)は、ワイヤロープWの本検査時において、図11に示すように、Z方向から見て、環状形状(円形形状)を有する。なお、検知コイル11は、Z方向から見て、長円形状を有してもよいし、トラック形状を有してもよい。また、検知コイル11は、Z方向から見て、矩形形状を有してもよい。なお、ワイヤロープWの本検査時において、第1検知コイル11aと第2検知コイル11bとは、Y方向に互いに離間して配置されていてもよい。すなわち、検知コイル11は、ワイヤロープWの本検査時において、ワイヤロープWの全周を覆わなくてもよい。
また、地震などの災害の際には、図13に示すように、ワイヤロープWに対するワイヤロープ検査装置101の取り付け位置がずれる場合が考えられる。このような場合には、通常とは異なる検知信号(異常信号)が検知コイル11によって得られる。そのため、第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100は、上記のように、本検査の前に事前検査を行えるように構成されているので、本検査を実施する前の事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープ検査装置101に異常が発生していることを検知することが可能である。その結果、本検査のために検知間隔を近づける際に、ワイヤロープWに対するワイヤロープ検査装置101(検知部10)の取り付け位置がずれたことに起因して、検知部10がワイヤロープWに接触することを抑制することができる。
(ワイヤロープ検査方法)
次に、第1実施形態のワイヤロープ検査システム100におけるワイヤロープ検査方法の処理フローについて、図14および図15を参照して説明する。第1実施形態によるワイヤロープ検査方法では、ワイヤロープWの本検査および劣化状態判定の前に、事前検査および飛出部有無判定を行う。
第1実施形態によるワイヤロープ検査方法では、データ取得ステップとして、後述する事前検査ステップ(ステップS12)に先立って、検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号のデータを予め取得する。なお、データ取得ステップは、ワイヤロープ検査装置101の検査(事前検査および本検査)前に行われるステップである。
データ取得ステップにおいて取得されるデータは、検査対象となるワイヤロープWと同規格のワイヤロープに疑似的に作成した異常飛び出し部Pに対して、検知間隔を第2の間隔D2にした状態において、異常飛び出し部Pが検知コイル11を通過した際に検知コイル11により検知される検知信号のデータである。
データ取得ステップでは、様々な種類の異常飛び出し部Pに対応する検知信号のデータを取得する。特に、検知間隔を第1の間隔D1にした状態において、検知コイル11を通過する際に検知部10に接触する程度(第1の間隔D1よりも大きく)ワイヤロープWの外表面から飛び出した異常飛び出し部Pの検知信号のデータを取得しておく。このようにしてデータ取得ステップにおいて取得および蓄積された検知信号のデータ(蓄積データ)に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定するための閾値(飛出部閾値)を取得(設定)し、取得された閾値(飛出部閾値)を記憶部123に記憶させておく。すなわち、データ取得ステップにおいて取得した異常飛び出し部Pの検知信号に基づくデータとして、取得された閾値(飛出部閾値)のデータが記憶部123に記憶される。データ取得ステップにおいては、ワイヤロープWの直径、検知コイル11(検知部10)の形状、ワイヤロープWと検知コイル11(検知部10)との位置関係、および、磁界印加部40の配置など、ワイヤロープ検査装置101の構成やワイヤロープWへのワイヤロープ検査装置101の取り付け状態に応じたデータを取得する。
そして、データ取得ステップの後に、図14に示すような飛出部有無判定モードにおける処理が実施される。
ステップS11(事前検査間隔変更ステップ)では、検知間隔が、通常運転間隔D0から第2の間隔D2に変更される。また、前述したように、第2の間隔D2は、ワイヤロープWの通常運転時におけるワイヤロープWと検知部10との間隔である通常運転間隔D0よりも小さい。ステップS11(事前検査間隔変更ステップ)における検知間隔の変更は、前述したように、ユーザ(作業者)が、検知間隔変更機構20のハンドル24を回すことによって行われる。
ステップS12(事前検査ステップ)では、本検査を行う前に、検知間隔を第1の間隔D1よりも大きい第2の間隔D2にした状態で、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する事前検査を行う。なお、事前検査時におけるエレベータ900の運転速度は、エレベータ通常運転時における運転速度よりも遅くする。また、事前検査時におけるエレベータ900の運転速度は、検知コイル11による検出の精度を上げるために、本検査時におけるエレベータ900の運転速度よりも遅くしてもよいし、検査時間の増加を抑制するために、本検査時におけるエレベータ900の運転速度よりも速くしてもよい。また、事前検査時におけるエレベータ900の運転速度は、本検査時におけるエレベータ900の運転速度と同程度でもよい。
ステップS12(事前検査ステップ)では、複数のワイヤロープWの各々に対応して設けられた複数の検知コイル11の各々が対応するワイヤロープWの磁束を検知する。
また、ステップS12(事前検査ステップ)では、検知部10の検知間隔を第2の間隔D2にした状態において、ワイヤロープWの磁化の状態を励振させ、検知コイル11を通過する前に予め磁界を印加され、磁化の方向が整えられたワイヤロープWの磁束を検知する。すなわち、ステップS12(事前検査ステップ)では、検知部10の検知間隔を第2の間隔D2にした状態で、前述した磁界印加部40(図6参照)によって、ワイヤロープWが検知コイル11を通過する前に予めワイヤロープWに磁界を印加されており、ワイヤロープWの磁化の方向が整えられている。
ステップS13(飛出部有無判定ステップ)では、ステップS12(事前検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部Pの有無を判定する(飛出部有無判定を行う)。
ステップS13(飛出部有無判定ステップ)では、データ取得ステップにおいて取得した異常飛び出し部Pの検知信号の値と、ステップS12(事前検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の値とに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。
具体的には、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)は、ステップS12(事前検査ステップ)において複数の検知コイル11の各々により検知された検知信号の値を加算した結果に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。より具体的には、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)では、データ取得ステップにおいて取得した異常飛び出し部Pの検知信号の値に基づいて取得された閾値(飛出部閾値)と、ステップS12(事前検査ステップ)において複数の検知コイル11の各々により検知された検知信号の値を加算した結果の現在と過去との差分データの値との比較に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。
そして、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)の完了後、ステップS14(判定結果通知ステップ)に移行する。ステップS14(判定結果通知ステップ)では、異常飛び出し部Pが有ると判定された場合には、異常飛び出し部Pが有ることを通知される。
ユーザ(作業者)は、異常飛び出し部Pが有ると判定され、ディスプレイ部124によって、異常飛び出し部Pが有ることを通知された場合には、ワイヤロープW上の異常飛び出し部Pを処理(除去)する。そして、ワイヤロープW上の異常飛び出し部Pの処理後、飛出部有無判定モードにおいて事前検査および飛出部有無判定を再度実施する。
また、異常飛び出し部Pが無いことを通知された場合(異常飛び出し部Pが無いと判定された場合)には、処理部122のモードを飛出部有無判定モードから劣化状態判定モードに切り替え、劣化状態判定モードにおける本検査および劣化状態判定を実施する。飛出部有無判定モードから劣化状態判定モードへの切り替えは、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)の結果に基づいて、処理部122によって、自動的に切り替わるように構成してもよいし、ユーザ(作業者)のディスプレイ部124へのタッチ操作に基づいて、切り替えられてもよい。そして、図15に示すような劣化状態判定モードにおける処理が実施される。
(本検査モード)
ステップS21(本検査間隔変更ステップ)は、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)において異常飛び出し部Pがないと判定された後に、検知間隔を第2の間隔D2から第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1に変更するステップである。なお、ステップS21(本検査間隔変更ステップ)は、特許請求の範囲の「間隔変更ステップ」の一例である。
ステップS21(本検査間隔変更ステップ)では、検知間隔が第2の間隔D2から第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1に変更される。ステップS21(本検査間隔変更ステップ)における検知間隔の変更は、前述したように、ユーザ(作業者)が、検知間隔変更機構20のハンドル24を回すことによって行われる。
ステップS22(本検査ステップ)では、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する本検査を行う。なお、本検査時におけるエレベータ900の運転速度は、エレベータ通常運転時における運転速度よりも遅くする。たとえば、本検査時におけるエレベータ900の運転速度は、16m/分~30m/分程度である。
ステップS22(本検査ステップ)では、検知部10の検知間隔を第1の間隔D1にした状態で、前述した磁界印加部40(図6参照)によって、ワイヤロープWが検知コイル11を通過する前に予めワイヤロープWに磁界を印加されており、ワイヤロープWの磁化の方向が整えられている。ステップS22(本検査ステップ)の完了後、ステップS23(劣化状態判定ステップ)に移行する。
ステップS23(劣化状態判定ステップ)では、ステップS22(本検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定する(劣化状態判定を行う)。具体的には、ステップS23(劣化状態判定ステップ)では、予め設定された閾値(劣化状態閾値)と、ステップS22(本検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の値、または、ステップS22(本検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の現在と過去との差分データの値と比較に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。なお、予め設定された閾値(劣化状態閾値)のデータは、記憶部123に記憶されている。そして、ステップS23(劣化状態判定ステップ)の完了後、ワイヤロープWの劣化状態の判定結果を通知するステップS24(劣化通知ステップ)に移行する。また、ステップS23(劣化状態判定ステップ)では、ワイヤロープWの劣化状態の判定を、複数のワイヤロープWに対して一括して行ってもよいし、個別に行ってもよい。
ステップS24(劣化通知ステップ)では、ステップS14(判定結果通知ステップ)のように、ワイヤロープWの劣化状態の判定結果を文字により通知(表示)してもよいし、ワイヤロープWの各々における劣化部分(異常部分)の位置を画像により表示してもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によるワイヤロープ検査方法およびワイヤロープ検査システム100では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、検知間隔を本検査の際に用いる第1の間隔D1よりも大きい第2の間隔D2にした状態で、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する事前検査を行う。これにより、本検査の際に用いる第1の間隔D1以上にワイヤロープWの外表面から飛び出した異常飛び出し部PがワイヤロープWの外表面上に存在する場合でも、検知間隔を本検査の際に用いる第1の間隔D1よりも大きい第2の間隔D2にした状態で事前検査を行うので、事前検査の際にワイヤロープWの異常飛び出し部Pが検知部10に接触することを抑制することができる。また、上記のように、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行うので、検知間隔を事前検査の際に用いる第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1にした状態で行う本検査の前に、異常飛び出し部Pの有無を確認することができる。これにより、異常飛び出し部Pが無いこと(異常飛び出し部Pが検知部10に接触しないこと)を確認した後に、検知間隔を第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1にした状態(検知部10を近づけた状態)で本検査を行うことができるので、ワイヤロープの検査(本検査)を精度よく行うことができる。これらの結果、検査対象であるワイヤロープWから飛び出した異常飛び出し部Pと検知コイル11を含む検知部10との接触を抑制しつつ、検知部10を近づけてワイヤロープWの検査を精度よく行うことができる。
また、上記第1実施形態によるワイヤロープ検査方法およびワイヤロープ検査システム100では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
また、第1実施形態では、上記のように、ステップS21(本検査間隔変更ステップ)において、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)において異常飛び出し部Pがないと判定された後に、検知間隔を第2の間隔D2から第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1に変更する。これにより、検知間隔を第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1に変更する際に、検査対象であるワイヤロープWから飛び出した異常飛び出し部Pが検知コイル11を含む検知部10に接触することを抑制することができる。また、上記のように、ステップS21(本検査間隔変更ステップ)の後、ステップS22(本検査ステップ)において、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する本検査を行う。そして、上記のように、ステップS23(劣化状態判定ステップ)では、ステップS22(本検査ステップ)の本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定する。これにより、検知間隔を第2の間隔D2よりも小さい第1の間隔D1に変更した後に(検知部10を近づけた状態で)、ワイヤロープWの磁束を検知する本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定することができるので、ワイヤロープWの劣化状態の判定を精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ステップS14(判定結果通知ステップ)では、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)において異常飛び出し部Pが有ると判定された場合には、ディスプレイ部124(通知部)によって、異常飛び出し部Pが有ることを通知(通知N1を表示)する。これにより、ディスプレイ部124の通知(通知N1の表示)によって、ワイヤロープWに異常飛び出し部Pが有ることをユーザ(作業者)が容易に確認することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2の間隔D2は、ワイヤロープWの通常運転時におけるワイヤロープWと検知部10との間隔である通常運転間隔D0よりも小さい。これにより、事前検査の際の検知間隔(第2の間隔D2)が通常運転間隔D0よりも小さいので、事前検査の際に、検知コイル11を含む検知部10をワイヤロープWにより近づけることができる。その結果、ワイヤロープWの事前検査および飛出部有無判定を精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、データ取得ステップによって、ステップS12(事前検査ステップ)に先立って、検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号のデータを予め取得する。そして、予め取得した検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号に基づくデータが、記憶部123に記憶されている。これにより、ステップS12(事前検査ステップ)に先立って、予め取得した異常飛び出し部Pの検知信号のデータを飛出部有無判定の際に用いることができるので、飛出部有無判定を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)において、データ取得ステップにおいて取得した異常飛び出し部Pの検知信号の値と、ステップS12(事前検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の値とに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。これにより、ステップS12(事前検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の値との比較に、データ取得ステップにおいて取得した異常飛び出し部Pの検知信号の値を用いることによって、ステップS12(事前検査ステップ)において検知コイル11により検知された検知信号の値から異常飛び出し部Pの有無を容易に判定することができる。その結果、飛出部有無判定をより容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ステップS12(事前検査ステップ)において、複数のワイヤロープWの各々に対応して設けられた複数の検知コイル11の各々が対応するワイヤロープWの磁束を検知する。これにより、複数のワイヤロープWの検査を同時に行うことができるので、検査時間の増加を抑制することができる。また、上記のように、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)では、ステップS12(事前検査ステップ)において複数の検知コイル11の各々により検知された検知信号の値を加算した結果に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する。ここで、異常飛び出し部Pが、複数のワイヤロープWが互いに隣り合う方向(X方向)に飛び出す場合には、異常飛び出し部Pが存在するワイヤロープWに対応する検知コイル11に加えて、X方向において隣接する検知コイル11においても異常飛び出し部Pに起因する検知信号を取得することができる。したがって、上記のように、複数の検知コイル11の各々により検知された検知信号の値を加算した結果に基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定することによって、1つの検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pに起因する検知信号が小さい場合でも、異常飛び出し部Pに起因する検知信号を容易に取得することができる。その結果、検知コイル11によって、検知される異常飛び出し部Pに起因する検知信号が小さい場合でも、飛出部有無判定を精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ステップS12(事前検査ステップ)において、検知部10の検知間隔を第2の間隔D2にした状態において、励振コイル30によって、ワイヤロープWの磁化の状態を励振させる。また、ステップS12(事前検査ステップ)では、検知コイル11を通過する前に、磁界印加部40によって、予め磁界を印加され、磁化の方向が整えられたワイヤロープWの磁束を検知コイル11に検知させる。これにより、検知コイル11は、事前検査において、予め磁化の方向が整えられたワイヤロープWの磁束を検知するので、ワイヤロープWの事前検査および飛出部有無判定をより精度よく行うことができる。
また、上記第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
また、第1実施形態では、上記のように、処理部122(判定部)は、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、飛出部有無判定を行うための飛出部有無判定モードと、本検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うための劣化状態判定モードとに切り替え可能に構成されている。これにより、検知コイル11によって検知された検知信号に対する信号処理の方法を飛出部有無判定モードおよび劣化状態判定モードの各々のモードにおいて変更することができる。その結果、劣化状態判定および飛出部有無判定の各々の判定に適した信号処理を各々の判定の前に行うことができるので、異常飛び出し部Pの有無の判定およびワイヤロープWの劣化状態の判定をより容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、検知間隔変更機構20は、ワイヤロープWの通常運転時におけるワイヤロープWと検知部10との間隔であり、第2の間隔D2よりも大きい間隔である通常運転間隔D0から、第2の間隔D2に検知間隔を変更可能に構成されている。これにより、検知間隔変更機構20が、ワイヤロープWの通常運転時(エレベータ通常運転時)の検知間隔である通常運転間隔D0から、第2の間隔D2に検知間隔を変更することによって、事前検査の際の検知間隔を通常運転間隔D0よりも小さくすることができる。その結果、事前検査の際に、検知コイル11を含む検知部10をワイヤロープWにより近づけることができるので、ワイヤロープWの事前検査および飛出部有無判定を精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、処理部122は、予め取得した検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号に基づいて取得され、記憶部123が記憶した閾値(飛出部閾値)と、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号の値とに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行う。これにより、記憶部123が記憶した閾値(飛出部閾値)と、事前検査において検知コイル11により検知された検知信号の値との比較によって、異常飛び出し部Pの有無を判定することができる。その結果、飛出部有無判定を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、検知コイル11は、対応するワイヤロープWを取り囲むように配置されている。これにより、ワイヤロープWを取り囲むように磁束を検知することができるので、ワイヤロープWの断面方向(XY方向)における劣化(異常)の位置を容易に取得することができる。また、検知コイル11は、複数のワイヤロープWと検知部10とが対向する方向(Y方向)において、複数のワイヤロープWの一方側(Y1方向側)に配置される第1検知コイル11aと、複数のワイヤロープWの他方側(Y2方向側)に配置される第2検知コイル11bとに分割可能に構成されている。そして、検知間隔変更機構20は、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bの各々のワイヤロープWに対する検知間隔を第1の間隔D1および第2の間隔D2に変更可能に構成されている。これにより、検知間隔変更機構20によって、第1検知コイル11aおよび第2検知コイル11bの各々を複数のワイヤロープWと検知部10とが対向する方向(Y方向)に移動させることができるので、検知間隔を容易に変更することができる。
[第2実施形態]
図16を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査装置201の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
第2実施形態において、ワイヤロープ検査装置201は、検知コイル11を含む検知部10と、検知間隔変更機構20と、処理部251とを備える。
検知部10は、第1実施形態と同様に構成されており、ワイヤロープWに対して相対的に移動しながら、ワイヤロープWの磁束を検知する検知コイル11を含む。また、検知間隔変更機構20は、第1実施形態と同様に構成されており、本検査の際に用いる第1の間隔D1と、事前検査の際に用いる第1の間隔D1よりも大きい第2の間隔D2とに検知間隔を変更可能に構成されている。
第2実施形態のワイヤロープ検査システム200(ワイヤロープ検査装置201)では、ワイヤロープ検査装置101とは別個に設けられた処理装置102の処理部122が異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行う第1実施形態によるワイヤロープ検査装置101とは異なり、ワイヤロープ検査装置201に設けられた処理部251が、異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている。
処理部251は、検知間隔を第2の間隔D2にした状態で、検知部10をワイヤロープWに対して相対的に移動させながらワイヤロープWの磁束を検知する事前検査において検知コイル11により検知された検知信号に基づいて、ワイヤロープWの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部Pの有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている。
なお、ワイヤロープ検査装置201では、処理部251による飛出部有無判定を行うためのデータ(データ取得ステップにおいて取得されるデータ)は、電子回路部50の記憶部55に記憶(保存)される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態のワイヤロープ検査装置201では、上記第1実施形態と同様に、検査対象であるワイヤロープWから飛び出した異常飛び出し部Pと検知コイル11を含む検知部10との接触を抑制しつつ、検知部10を近づけてワイヤロープWの検査を精度よく行うことができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図17および図18を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査システム300の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
第3実施形態のワイヤロープ検査システム300(ワイヤロープ検査装置301)では、ユーザ(作業者)が、検知間隔変更機構20に設けられたハンドル24を回すことにより、検知間隔を変更するように構成されている第1実施形態によるワイヤロープ検査システム100(ワイヤロープ検査装置101)とは異なり、検知間隔変更機構320に設けられたアクチュエータ320a(図17および図18参照)が、ローラ21を回転させることにより、検知間隔を変更するように構成されている。すなわち、ワイヤロープ検査システム300(ワイヤロープ検査装置301)では、アクチュエータ320aの駆動によって、検知間隔を変更する。アクチュエータ320aは、たとえば、電動モータまたは空気圧シリンダなどである。
ワイヤロープ検査システム300(ワイヤロープ検査装置301)では、ユーザ(作業者)によるディスプレイ部124へのタッチ操作、または、飛出部有無判定の結果に基づいて、ワイヤロープ検査装置301の処理部51がアクチュエータ320aの駆動を制御するように構成されている。
なお、第3実施形態のその他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。また、上記第1~第3実施形態を互いに組み合わせてもよい。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、ステップS13(飛出部有無判定ステップ)において異常飛び出し部Pが有ると判定された場合には、ディスプレイ部124(通知部)の表示により異常飛び出し部Pが有ることを通知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、音声や警告音などによって、ワイヤロープ上に異常飛び出し部が有ることを通知してもよい。
また、上記第1実施形態では、通常運転間隔D0よりも小さい第2の間隔D2において、事前検査を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2の間隔は、通常運転間隔(エレベータ通常運転時におけるワイヤロープと検知部との間隔)と同じでもよい。すなわち、通常運転間隔で事前検査を行ってもよい。また、本発明では、エレベータ通常運転時において、事前検査を行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、検知間隔変更機構20は、検知間隔を通常運転間隔D0、第1の間隔D1および第2の間隔D2の3つに変更可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。検知間隔変更機構は、検知間隔を4つ以上に変更可能に構成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、データ取得ステップにおいて、検知間隔を第2の間隔D2にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号のデータに基づいて、異常飛び出し部Pの有無を判定するための閾値(飛出部閾値)を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、異常飛び出し部Pの有無を判定するための閾値(飛出部閾値)は、検知間隔を第1の間隔にした状態において検知コイル11により検知される異常飛び出し部Pの検知信号のデータに基づいて、取得されてもよい。
また、上記第1実施形態では、複数のワイヤロープWの各々に対応して設けられた検知コイル11が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルは、複数のワイヤロープに対して共通に設けられてもよい。
また、上記第1実施形態では、検知コイル11を通過する前に、磁界印加部40によって、予め磁界を印加され、磁化の方向が整えられた(整磁された)ワイヤロープWの磁束を検知コイル11が検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁界印加部を設けずに、整磁されていない状態のワイヤロープの磁束を検知コイルが検知してもよい。
また、上記第1実施形態では、処理部122(判定部)は、飛出部有無判定を行うための飛出部有無判定モードと、ワイヤロープWの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うための劣化状態判定モードとに切り替え可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、判定部は、飛出部有無判定モードと、劣化状態判定モードとに加えて、ワイヤロープの通常運転時(エレベータ通常運転時)における検知間隔である通常運転間隔において検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、異常飛び出し部の有無を判定するためのモードに切り替え可能に構成されてもよい。すなわち、判定部は、3つ以上のモードに切り替え可能に構成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、検知コイル11は、対応するワイヤロープWを取り囲むように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルは、ワイヤロープの一方側のみを覆うように配置されてもよい。
また、上記第1実施形態では、検知コイル11を用いて全磁束法によるワイヤロープWの磁束の検知を行い、ワイヤロープWの外表面(外部)および内部の劣化(異常)を検査するワイヤロープ検査方法の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルを用いてワイヤロープの外表面からの漏洩磁束を検知し、外表面のみの劣化(異常)を検査してもよい。
また、上記第1実施形態では、励振コイル30の内側において、検知コイル11のみが複数のワイヤロープWと検知部10とが対向する方向(Y方向)に移動可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知コイルと励振コイルとがともに移動するように構成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、図6に示すように、磁界印加部40として、検知コイル11(励振コイル30)に対してZ1方向側に配置される磁界印加部41(磁石41aおよび41b)と、検知コイル11(励振コイル30)に対してZ2方向側に配置される磁界印加部42(磁石42aおよび42b)とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図19に示す第1変形例のように、磁界印加部40は、検知コイル11(励振コイル30)に対して、Z1方向側に配置される磁界印加部41(磁石41aおよび41b)のみを含む構成でもよい。この場合、磁石41aおよび41bは、図19に示す第1変形例のように、N極同士が対向するように配置してもよいし、S極同士が対向するように配置してもよい。また、図20に示す第2変形例のように、磁界印加部40は、検知コイル11(励振コイル30)に対して、Z2方向側に配置される磁界印加部42(磁石42aおよび42b)のみを含む構成でもよい。この場合、磁石42aおよび42bは、図20に示すように、S極同士が対向するように配置してもよいし、N極同士が対向するように配置してもよい。また、磁界印加部40は、磁石41a、41b、42aおよび42bのうち、いずれか1つのみが設けられる構成でもよい。
また、上記第1実施形態では、説明の便宜上、本発明のワイヤロープ検査方法における処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワイヤロープ検査方法における処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を第1の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査を行う前に、前記検知間隔を前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査を行う事前検査ステップと、
前記事前検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定ステップと、を備える、ワイヤロープ検査方法。
(項目2)
前記飛出部有無判定ステップにおいて前記異常飛び出し部がないと判定された後に、前記検知間隔を前記第2の間隔から前記第2の間隔よりも小さい前記第1の間隔に変更する間隔変更ステップと、
前記間隔変更ステップの後、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記本検査を行う本検査ステップと、
前記本検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する劣化状態判定ステップと、を備える、項目1に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目3)
前記飛出部有無判定ステップにおいて前記異常飛び出し部が有ると判定された場合には、前記異常飛び出し部が有ることを通知する判定結果通知ステップをさらに備える、項目1または2に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目4)
前記第2の間隔は、前記ワイヤロープの通常運転時における前記ワイヤロープと前記検知部との間隔である通常運転間隔よりも小さい、項目1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目5)
前記事前検査ステップに先立って、前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号のデータを予め取得するデータ取得ステップをさらに備える、項目1~4のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目6)
前記飛出部有無判定ステップは、前記データ取得ステップにおいて取得した前記異常飛び出し部の検知信号の値と、前記事前検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号の値とに基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するステップを含む、項目5に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目7)
前記事前検査ステップは、複数の前記ワイヤロープの各々に対応して設けられた複数の前記検知コイルの各々が対応する前記ワイヤロープの磁束を検知するステップを含み、
前記飛出部有無判定ステップは、前記事前検査ステップにおいて複数の前記検知コイルの各々により検知された検知信号の値を加算した結果に基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するステップを含む、項目5または6に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目8)
前記事前検査ステップは、前記検知部の前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振させるステップと、前記検知コイルを通過する前に予め磁界を印加され、磁化の方向が整えられた前記ワイヤロープの磁束を検知するステップとを含む、項目1~7のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
(項目9)
ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、
前記ワイヤロープの検査時における前記検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、前記本検査を行う前に前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、を備えるワイヤロープ検査装置と、
前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える、ワイヤロープ検査システム。
(項目10)
前記判定部は、前記本検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うように構成されている、項目9に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目11)
前記判定部は、前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記飛出部有無判定を行うための飛出部有無判定モードと、前記本検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する前記劣化状態判定を行うための劣化状態判定モードとに切り替え可能に構成されている、項目10に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目12)
前記判定部が、前記飛出部有無判定において前記異常飛び出し部が有ると判定した場合に、前記異常飛び出し部が有ることを通知する通知部をさらに備える、項目9~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目13)
前記検知間隔変更機構は、前記ワイヤロープの通常運転時における前記ワイヤロープと前記検知部との間隔であり、前記第2の間隔よりも大きい間隔である通常運転間隔から、前記第2の間隔に前記検知間隔を変更可能に構成されている、項目9~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目14)
予め取得した前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号に基づくデータを記憶する記憶部をさらに備える、項目9~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目15)
前記判定部は、予め取得した前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号に基づいて取得され、前記記憶部が記憶した閾値と、前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号の値とに基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定する前記飛出部有無判定を行うように構成されている、項目14に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目16)
前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープに対応して複数設けられており、
前記検知間隔変更機構は、複数の前記検知コイルの各々の前記検知間隔を前記第1の間隔と、前記第2の間隔とに変更可能に構成されており、
前記判定部は、複数の前記ワイヤロープの各々に対応して設けられた前記検知コイルの各々が検知した信号を加算した結果に基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するように構成されている、項目14または15に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目17)
前記検知コイルは、対応する前記ワイヤロープを取り囲むように配置されており、
前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープと前記検知部とが対向する方向において、複数の前記ワイヤロープの一方側に配置される第1検知コイルと、複数の前記ワイヤロープの他方側に配置される第2検知コイルとに分割可能に構成されており、
前記検知間隔変更機構は、前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々の前記ワイヤロープに対する前記検知間隔を前記第1の間隔および前記第2の間隔に変更可能に構成されている、項目9~16のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目18)
前記ワイヤロープの磁化の状態を励振させる励振コイルと、
前記ワイヤロープが前記検知コイルを通過する前に予め前記ワイヤロープに磁界を印加し、前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部と、をさらに備え、
前記検知コイルは、前記事前検査の際に、前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記磁界印加部によって、前記検知コイルを通過する前に予め磁界を印加された前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されている、項目9~17のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
(項目19)
ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、
前記ワイヤロープの検査時における前記検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、前記本検査を行う前に前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、
前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える、ワイヤロープ検査装置。
10 検知部
11 検知コイル
11a 第1検知コイル
11b 第2検知コイル
20、320 検知間隔変更機構
30 励振コイル
40 磁界印加部
100、200、300 ワイヤロープ検査システム
101、201、301 ワイヤロープ検査装置
122、251 処理部(判定部)
123 記憶部
124 ディスプレイ部(通知部)
D0 通常運転間隔
D1 第1の間隔
D2 第2の間隔
P 異常飛び出し部
W ワイヤロープ

Claims (19)

  1. ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を第1の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査を行う前に、前記検知間隔を前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査を行う事前検査ステップと、
    前記事前検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定ステップと、を備える、ワイヤロープ検査方法。
  2. 前記飛出部有無判定ステップにおいて前記異常飛び出し部がないと判定された後に、前記検知間隔を前記第2の間隔から前記第2の間隔よりも小さい前記第1の間隔に変更する間隔変更ステップと、
    前記間隔変更ステップの後、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記本検査を行う本検査ステップと、
    前記本検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する劣化状態判定ステップと、を備える、請求項1に記載のワイヤロープ検査方法。
  3. 前記飛出部有無判定ステップにおいて前記異常飛び出し部が有ると判定された場合には、前記異常飛び出し部が有ることを通知する判定結果通知ステップをさらに備える、請求項1または2に記載のワイヤロープ検査方法。
  4. 前記第2の間隔は、前記ワイヤロープの通常運転時における前記ワイヤロープと前記検知部との間隔である通常運転間隔よりも小さい、請求項1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
  5. 前記事前検査ステップに先立って、前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号のデータを予め取得するデータ取得ステップをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
  6. 前記飛出部有無判定ステップは、前記データ取得ステップにおいて取得した前記異常飛び出し部の検知信号の値と、前記事前検査ステップにおいて前記検知コイルにより検知された検知信号の値とに基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するステップを含む、請求項5に記載のワイヤロープ検査方法。
  7. 前記事前検査ステップは、複数の前記ワイヤロープの各々に対応して設けられた複数の前記検知コイルの各々が対応する前記ワイヤロープの磁束を検知するステップを含み、
    前記飛出部有無判定ステップは、前記事前検査ステップにおいて複数の前記検知コイルの各々により検知された検知信号の値を加算した結果に基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するステップを含む、請求項5または6に記載のワイヤロープ検査方法。
  8. 前記事前検査ステップは、前記検知部の前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において、前記ワイヤロープの磁化の状態を励振させるステップと、前記検知コイルを通過する前に予め磁界を印加され、磁化の方向が整えられた前記ワイヤロープの磁束を検知するステップとを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査方法。
  9. ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、
    前記ワイヤロープの検査時における前記検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、前記本検査を行う前に前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、を備えるワイヤロープ検査装置と、
    前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える、ワイヤロープ検査システム。
  10. 前記判定部は、前記本検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する劣化状態判定を行うように構成されている、請求項9に記載のワイヤロープ検査システム。
  11. 前記判定部は、前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記飛出部有無判定を行うための飛出部有無判定モードと、前記本検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの劣化状態を判定する前記劣化状態判定を行うための劣化状態判定モードとに切り替え可能に構成されている、請求項10に記載のワイヤロープ検査システム。
  12. 前記判定部が、前記飛出部有無判定において前記異常飛び出し部が有ると判定した場合に、前記異常飛び出し部が有ることを通知する通知部をさらに備える、請求項9~11のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
  13. 前記検知間隔変更機構は、前記ワイヤロープの通常運転時における前記ワイヤロープと前記検知部との間隔であり、前記第2の間隔よりも大きい間隔である通常運転間隔から、前記第2の間隔に前記検知間隔を変更可能に構成されている、請求項9~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
  14. 予め取得した前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号に基づくデータを記憶する記憶部をさらに備える、請求項9~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
  15. 前記判定部は、予め取得した前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態において前記検知コイルにより検知される前記異常飛び出し部の検知信号に基づいて取得され、前記記憶部が記憶した閾値と、前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号の値とに基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定する前記飛出部有無判定を行うように構成されている、請求項14に記載のワイヤロープ検査システム。
  16. 前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープに対応して複数設けられており、
    前記検知間隔変更機構は、複数の前記検知コイルの各々の前記検知間隔を前記第1の間隔と、前記第2の間隔とに変更可能に構成されており、
    前記判定部は、複数の前記ワイヤロープの各々に対応して設けられた前記検知コイルの各々が検知した信号を加算した結果に基づいて、前記異常飛び出し部の有無を判定するように構成されている、請求項14または15に記載のワイヤロープ検査システム。
  17. 前記検知コイルは、対応する前記ワイヤロープを取り囲むように配置されており、
    前記検知コイルは、複数の前記ワイヤロープと前記検知部とが対向する方向において、複数の前記ワイヤロープの一方側に配置される第1検知コイルと、複数の前記ワイヤロープの他方側に配置される第2検知コイルとに分割可能に構成されており、
    前記検知間隔変更機構は、前記第1検知コイルおよび前記第2検知コイルの各々の前記ワイヤロープに対する前記検知間隔を前記第1の間隔および前記第2の間隔に変更可能に構成されている、請求項9~16のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
  18. 前記ワイヤロープの磁化の状態を励振させる励振コイルと、
    前記ワイヤロープが前記検知コイルを通過する前に予め前記ワイヤロープに磁界を印加し、前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部と、をさらに備え、
    前記検知コイルは、前記事前検査の際に、前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記磁界印加部によって、前記検知コイルを通過する前に予め磁界を印加された前記ワイヤロープの磁束を検知するように構成されている、請求項9~17のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
  19. ワイヤロープに対して相対的に移動しながら、前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルを含む検知部と、
    前記ワイヤロープの検査時における前記検知部と前記ワイヤロープとの間隔である検知間隔を、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する本検査の際に用いる第1の間隔と、前記本検査を行う前に前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する事前検査の際に用いる前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔とに変更可能な検知間隔変更機構と、
    前記検知間隔を前記第2の間隔にした状態で、前記検知部を前記ワイヤロープに対して相対的に移動させながら前記ワイヤロープの磁束を検知する前記事前検査において前記検知コイルにより検知された検知信号に基づいて、前記ワイヤロープの外表面の少なくとも一部から飛び出した異常飛び出し部の有無を判定する飛出部有無判定を行うように構成されている判定部とを備える、ワイヤロープ検査装置。
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