以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な第1実施形態を通して説明する。
撮像装置において、残像が発生すると画質が劣化する。残像の原因としてシリコン中の酸素の存在が挙げられる。特開2007−251074号公報は、撮像素子に関するものである。特開2007−251074号公報には、半導体基板中の酸素濃度が低いほど残像が少ないことが記載されている。具体的な例として、特開2007−251074号公報には、酸素濃度が13.3×1017〜13.7×1017/cm3の範囲のシリコン基板にフォトダイオードを形成することが記載されている。特開2010−34195号公報は、エピタキシャルウェーハ等のシリコンウェーハに関するものである。特開2010−34195号公報には、ウェーハに対して酸素ガス雰囲気における急速昇降温熱処理を施すことによって固定深さで固溶酸素の最大値および最小値を有する濃度分布を備えたシリコンウェーハを得ることが記載されている。
撮像装置を形成するための半導体基板の深さ方向における酸素濃度の勾配が大きいと、製造段階のプロセス誤差によって酸素の拡散の程度にばらつきが生じうる。これにより、製造された複数の撮像装置間において酸素濃度にばらつきが生じうる。そして、酸素濃度が十分に小さくならない個体において残像が発生しうる。あるいは、撮像装置内の画素間において酸素濃度に分布が生じうる。そして、酸素濃度が十分に小さくならない画素において残像が発生しうる。
本実施形態は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、残像の発生を抑えるために有利な技術を提供することを目的とする。
本実施形態の1つの側面は、(a)酸素濃度が2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内である単結晶シリコンからなる第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に配置され、酸素濃度が前記第1半導体領域よりも低い単結晶シリコンからなる第2半導体領域と、
を含む半導体基板を準備する工程と、
(b)酸素を含有する雰囲気中で前記半導体基板を熱処理し、前記第2半導体領域の酸素濃度を2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内にする工程と、
(c)前記第2半導体領域の中に、光電変換素子を形成する工程と、を含む。
本実施形態によれば、残像の発生を抑えるために有利な技術が提供される。
以下の説明において、第1導電型および第2導電型は、導電型を区別するために用いられる用語であり、第1導電型がn型である場合には、第2導電型はp型であり、逆に、第1導電型がp型である場合には、第2導電型はn型である。
図1には、本発明の1つの実施形態の撮像装置100の断面構造が模式的に示されている。撮像装置100は、第1半導体領域101と、第1半導体領域101の上に配置された第2半導体領域102と、を含む半導体基板SSを有する固体撮像装置である。第2半導体領域102の2つの面のうち第1半導体領域101とは反対側の面が半導体基板SSの表面を構成する。半導体基板SSの裏面は第1半導体領域101が構成しうる。第2半導体領域102は第1半導体領域101に連続している。つまり、第1半導体領域101と第2半導体領域102との間には絶縁体領域が存在しない。この例では、第1半導体領域101と第2半導体領域102とは、ともに第1導電型を有する。つまり、この例では、第1半導体領域101と第2半導体領域102は、互いに同じ導電型を有する。第1半導体領域101と第2半導体領域102とは、互いに異なる導電型を有していてもよい。後述するように、第2半導体領域102の中には、互いに導電型や不純物濃度が異なる複数の不純物領域が設けられている。
第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度は、第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度と異なる。一例において、第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度は、第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度より大きい。他の例において、第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度は、第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度より小さい。
第1半導体領域101は、単結晶シリコンからなり、単結晶シリコンのインゴッドをスライスし研磨することによって形成されうる。第2半導体領域102は、単結晶シリコンからなり、第1半導体領域101の上に単結晶シリコン層をエピタキシャル成長法で形成することによって形成されうる。エピタキシャル成長法で形成された層をエピタキシャル層と呼ぶ。第1半導体領域101と第2半導体領域102との間は、結晶格子が連続しうるため明確な界面を観察できない場合もある。
撮像装置100の半導体基板SSには光電変換素子PDが配されている。光電変換素子PDは、少なくとも第1半導体領域101に配されている。この例では、光電変換素子PDは、第1半導体領域101内に配されているが、光電変換素子を第2半導体領域102まで延在させることもできる。光電変換素子PDは、電荷蓄積領域として機能しうる第1導電型の不純物領域104を有する。第1導電型の不純物領域104において、信号電荷が多数キャリアを成す。また、光電変換素子PDは、不純物領域104と第1半導体領域101との間に、第1導電型とは異なる第2導電型を有する不純物領域103を含みうる。さらに、光電変換素子PDは、不純物領域104の下に、不純物領域104に連続して配された第1導電型の不純物領域102bを含みうる。第2半導体領域102のうち不純物領域103よりも下に配置された部分は、不純物領域102aであり、第2半導体領域102のうち不純物領域103よりも上に配置された部分は、不純物領域102bである。
不純物領域104の第1導電型の不純物濃度は、第2半導体領域102(不純物領域102a、不純物領域102b)の不純物濃度よりも高い。不純物領域104、不純物領域102bおよび不純物領域103は、光電変換素子PDを構成する。光電変換素子PDで光電変換によって発生する負電荷(電子)および正電荷(正孔)のうち第1導電型における多数キャリアと同型の電荷は、不純物領域104に蓄積される。光電変換素子PDは、不純物領域104の上側、つまり不純物領域104と半導体基板SSの表面との間に配置され第2導電型を有する不純物領域105を含みうる。不純物領域105は、不純物領域104を半導体基板SSの表面から離隔するように機能し、これによって埋め込み型のフォトダイオード構造を有する光電変換素子PDが構成される。
図示されていないが、撮像装置100は、複数の不純物領域104を有する。複数の不純物領域104は、ポテンシャル障壁による分離領域として機能する第2導電型の不純物領域106、107によって相互に分離されうる。不純物領域103は、複数の不純物領域104の配列の下方に、該配列の領域の全体にわたって広がるように配置されうる。
撮像装置100は、MOSイメージセンサとして構成されてもよいし、CCDイメージセンサとして構成されてもよいし、他の形式のイメージセンサとして構成されてもよい。以下では、撮像装置100がMOSイメージセンサとして構成される例を説明する。
不純物領域104に蓄積された電荷は、ゲート電極114(転送ゲート)にアクティブレベルの電位が印加されることによって不純物領域102bに形成されるチャネルを介して、浮遊拡散領域として機能する第1導電型の不純物領域112に転送される。不純物領域112は、第2半導体領域102のうち、不純物領域102bと半導体基板SSの表面との間に形成されている。ゲート電極114は、半導体基板SSの上にゲート絶縁膜116を介して配置されている。不純物領域104、不純物領域112、ゲート電極114およびゲート絶縁膜116は、MOSトランジスタ構造を有する。不純物領域112の不純物領域104の側には、不純物領域112に隣接するように電界緩和領域として機能する不純物領域111が配置されうる。不純物領域111は、第1導電型を有しうる。
撮像装置100は、不純物領域112に転送された電荷に応じた信号を列信号線に出力するために、複数のトランジスタTrを含みうる。複数のトランジスタTrは半導体基板SSの表面の側に配されている。トランジスタTrは、ソースおよびドレインを構成する不純物領域113、ゲート電極115、ゲート絶縁膜117を含みうる。複数のトランジスタTrおよび不純物領域104(光電変換素子)を含む素子のうち相互に分離されるべき素子は、素子分離部110によって分離されうる。素子分離部110は、半導体基板SSの表面の側に形成されたSTI構造またはLOCOS構造を有する絶縁体で構成されうるが、PN接合分離によって構成することもできる。第2導電型の不純物領域109は、素子分離部110の周囲に形成される。不純物領域109は、チャネルストップや、素子分離部110と第1半導体領域102との界面で発生する暗電流に対するシールドとして機能しうる。不純物領域109と不純物領域103との間には、第2導電型を有する不純物領域108が配置されうる。
半導体基板SSの上には、絶縁層118、複数の絶縁層123、配線層120、122、コンタクトプラグ119およびビアプラグ121などが配置されうる。絶縁層118は、例えば、反射防止膜および/またはエッチングストッパとして機能しうる。複数の絶縁層123は層間絶縁膜として機能しうる。複数の絶縁層123の上には、カラーフィルタ層124およびマイクロレンズ125などが配置されうる。
以下、図2〜図5を参照しながら撮像装置100の製造方法を例示的に説明する。まず、図2に示したステップS200において、半導体基板SSを準備する準備工程が実施される。半導体基板SSは、第1導電型を有する第1半導体領域101と、第1半導体領域101の上に配置され第1導電型を有する第2半導体領域102とを含む。第1半導体領域101は、例えば、単結晶シリコン基板でありうる。より具体的な例において、第1半導体領域101は、磁場印加CZ法(MCZ法)で引き上げを行った直径が300mmの単結晶シリコンインゴットから切り出された円盤部材の主表面を鏡面研磨して得られた単結晶シリコンウエハでありうる。
ステップS200で実施される準備工程は、第1半導体領域101を準備する工程と、第1半導体領域101の上に第2半導体領域102を形成する工程とを含みうる。第2半導体領域102は、典型的には、エピタキシャル成長法によって第1半導体領域101の上に形成されうる。例えば、第1半導体領域101と第2半導体領域102の各々は1×1014〜5×1014atoms/cm3程度のリンを不純物として含有することでn型を示す。
第1半導体領域101の酸素濃度は、2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内、例えば、1×1017atoms/cm3でありうる。酸素濃度がこの範囲内に収まることは、第1半導体領域101の酸素濃度の最小値C10minが2×1016atoms/cm3以上であり、第1半導体領域101の酸素濃度の最大値C10maxが4×1017atoms/cm3以下であることを意味する。この酸素濃度は、例えば、Old ASTMによる換算係数から求められうる。第1半導体領域101の寸法、抵抗率、導電型に関する制約はない。第2半導体領域102の酸素濃度は第1半導体領域101の酸素濃度よりも低い。例えば第2半導体領域102の酸素濃度の最小値C20minは第1半導体領域101の酸素濃度の最大値C10maxよりも小さい(C20min<C10max)。さらに、第2半導体領域102の酸素濃度の最小値C20minは第1半導体領域101の酸素濃度の最小値C10minよりも小さい(C20min<C10min)。また、例えば第2半導体領域102の酸素濃度の最大値C20maxは第1半導体領域101の酸素濃度の最大値C10maxよりも小さい。さらに、第2半導体領域102の酸素濃度の最大値C20maxは第1半導体領域101の酸素濃度の最小値C10minよりも小さい。第2半導体領域102は、第1半導体領域101と同じ導電型を有し、例えば、5μm以上50μm以下の範囲内、より好適には5μm以上25μm以下の範囲内の厚さを有しうる。
第2半導体領域102は、第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度が第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度と異なるように形成されうる。一例において、第2半導体領域102は、第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度が第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度より大きくなるように形成されうる。他の例において、第2半導体領域102は、第1半導体領域101における第1導電型の不純物の濃度が第2半導体領域102における第1導電型の不純物の濃度より小さくなるように形成されうる。
図6には、半導体基板SSの深さ方向における酸素濃度の分布が実線で例示されている。横軸は、半導体基板SSの表面からの深さを示し、縦軸は、酸素濃度(atmos/cm3)を示している。ここで、図6中の実線(実施形態)は、酸素濃度が1×1017atoms/cm3の第1半導体領域101の上に第2半導体領域102を形成して得られた半導体基板SSにおける酸素濃度の分布を示している。図6中に点線で示された比較例は、酸素濃度が1.3×1018atoms/cm3の第1半導体領域101の上に第2半導体領域102を形成して得られた半導体基板における酸素濃度の分布を示している。なお、図6の実施形態、比較例ともに、エピタキシャル成長によって形成された単結晶シリコン層である第2半導体領域102の厚さは9μmである。したがって、半導体基板の表面からの深さが9μmの位置が、第1半導体領域101と第2半導体領域102との境界に相当する。実線で示された実施形態および点線で示された比較例では、いずれも、第2半導体領域102のうち、半導体基板の表面側から半分の深さまでの部分(深さ0〜4.5μm)における酸素濃度が1×1016atoms/cm3以下である。実施形態では、第2半導体領域102のうち、残りの部分(深さ4.5〜9μm)においても、酸素濃度が1×1016atoms/cm3以下である。比較例では、第2半導体領域102のうち、残りの部分(深さ4.5〜9μm)においては、第1半導体領域101からの酸素の拡散により酸素濃度が1×1016atoms/cm3を超えている。
次いで、図2に示したステップS210、S220、図3に示したS230において、半導体基板SSにトレンチTRを形成するトレンチ形成工程が実施される。まず、ステップS210において、半導体基板SSの上に膜150を形成する工程が実施される。膜150は、例えば、酸化シリコン層151と、酸化シリコン層151の上に配置されたポリシリコン層152と、ポリシリコン層152の上に配置された窒化シリコン層153とを含みうる。ステップS210に次いで、ステップS220において、膜150をフォトリソグラフィー工程によってパターニングして開口OP1を形成する工程が実施される。ステップS220に次いで、ステップS230において、パターニングされた膜150をエッチングマスクとして開口OP1を通して半導体基板SS(第2半導体領域102)をエッチングする工程が実施される。この工程により、半導体基板SS(第2半導体領域102)にトレンチTRが形成される。
次いで、図3に示したステップS240において、酸素を含有する雰囲気中で半導体基板SSを熱処理。トレンチTRを形成することにより、トレンチTRの内面から第2半導体領域102の深部まで酸素を供給することができる。この熱処理は、トレンチTRの内面の酸化を伴い、その結果、トレンチTRの内面に酸化シリコン膜170が形成されうる。ステップS240における熱処理は、例えば、800℃以上1150℃以下の温度で実施されうる。また、ステップS240における熱処理は、例えば、第2半導体領域102の酸素濃度が2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内になるように実施されうる。また、ステップS240における熱処理は、例えば、第2半導体領域102の酸素濃度が1×1016atoms/cm3以上1×1017atoms/cm3以下の範囲内になるように実施されうる。
ここで、800℃以上1150℃以下の温度におけるシリコンへの酸素の固溶限界濃度は、2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲である。そこで、半導体基板SSを得るための第1半導体領域101の酸素濃度を当該固溶限界濃度の範囲内の濃度とし、かつ、酸素を含有する雰囲気中でステップS240における熱処理を実施することが好ましい。このような方法によれば、深さ方向においてほぼ一定の酸素濃度分布を有する半導体基板SSを得ることが容易である。
第2半導体領域102の深さ方向の全体において、ステップS240の熱処理の実施により、第2半導体領域102の酸素濃度を2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内にすることができる。また、第2半導体領域102の深さ方向の全体において、第2半導体領域102の酸素濃度が1×1016atoms/cm3以上1×1017atoms/cm3以下の範囲内にすることができる。また、例えば、ステップS240の後の、第2半導体領域102における酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれC21max、C21minとしたときに、C21max/C21minが10以下であることが好ましい。C21max/C21minは5以下であることがより好ましい。
図7には、ステップS240において酸素を含有する雰囲気中で熱処理が実施された後における半導体基板SSの深さ方向における酸素濃度の分布が実線で例示されている。ここで、図7に示された結果は、ステップS240の熱処理工程の温度を1050℃とした結果である。
ステップS240における熱処理では、半導体基板SSを加熱した後に半導体基板SSを強制的に冷却することにより、急速に冷却することができる。この冷却において、半導体基板SSの温度は、例えば、0.1℃/秒以上の温度降下率、好ましくは1℃/秒以上の温度降下率、更に好ましくは10℃/秒以上の温度降下率で降下されうる。温度降下率は100℃/秒以下でありうる。このように急速に冷却することにより、不要な酸素の拡散を抑制できる。
次いで、図3に示したステップS250において、第2導電型の不純物領域109を形成するための注入工程が実施される。トレンチTRの内面に沿って不純物領域109が形成されることで、トレンチTRの内面近傍で発生する暗電流を低減できる。ステップS240の熱処理を不純物領域109の形成の後に行うこともできるが、不純物領域109の形成をステップS240の熱処理熱の後に行うことにより、不純物領域109の不要な拡散を抑制できる。次いで、図4に示したステップS260において、トレンチTRに絶縁体160(酸化シリコン)を充填する充填工程が実施される。この際に、膜150の上にも絶縁体160が堆積しうる。図4では、酸化シリコン膜170を絶縁体160と一体的に記載している。次いで、図4に示したステップS270において、膜150の上の絶縁体160をCMP等によって除去する除去工程が実施される。これによりトレンチTR内に素子分離部110が形成される。その後、膜150が除去される。ステップS240の酸素雰囲気中での熱処理をステップS260の絶縁体160の埋め込みの後に行うこともできる。しかし、酸素雰囲気中での熱処理を絶縁体160の埋め込みの前に行うことで、トレンチTRの内面から第2半導体領域102の深部まで酸素を供給できる。
次いで、図4に示したステップS280においては、第2導電型の不純物領域103、第2導電型の不純物領域106、107が形成される。なお、第2導電型の不純物領域103、第2導電型の不純物領域106、107を形成するためのレジストパターンは、省略されている。そして、形成された第2導電型の不純物領域103、106、107を拡散あるいは活性化させるために、酸素を含有しない雰囲気中で熱処理工程を行う。その後、ステップ280において、半導体基板SSの上にゲート絶縁膜116、117およびゲート電極114、115が形成される。
図8には、ステップS280の後における半導体基板SSの深さ方向における酸素濃度の分布が実線で例示されている。図8の状態では、上述した酸素を含有しない雰囲気中での熱処理工程や、さらにゲート絶縁膜116、117の形成のために酸素を含有する雰囲気中での熱処理工程などを経ている。酸素を含有しない雰囲気中で熱処理工程を実施した場合、半導体基板SSの表面に近い領域の酸素は、外方拡散によって脱離する。そのため、ステップS240の熱処理工程の直後(図7)と比べて、半導体基板SSの表面に近い領域における酸素の濃度が低くなる。図8に示された結果より、ステップS240の後に実施されうる熱処理(注入した不純物を活性化させるための熱処理、成膜処理)によっても酸素濃度の勾配が許容値内に抑えられることを理解することができる。第2半導体領域102の深さ方向の全体において、ステップS280の後でも、第2半導体領域102の酸素濃度を2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内に維持することができる。また、第2半導体領域102の深さ方向の全体において、第2半導体領域102の酸素濃度が1×1016atoms/cm3以上1×1017atoms/cm3以下の範囲内に維持することができる。また、例えば、ステップS280の後でも、第2半導体領域102における酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれC22max、C22minとしたときに、C22max/C22minが10以下であることが好ましい。C22max/C22minは5以下であることがより好ましい。
次いで、ステップS290において、半導体基板SSの上にレジストパターンRP2が形成されレジストパターンRP2の開口OP2を通して半導体基板SS(第2半導体領域102)に第1導電型の不純物が注入され、これにより不純物領域104が形成される。その後、レジストパターンRP2が除去される。
次いで、ステップS300において、半導体基板SSの上にレジストパターンRP3が形成され、レジストパターンRP3の開口OP3を通して半導体基板SSに第2導電型の不純物が注入される。これにより第2導電型の不純物領域105が不純物領域104の上に形成される。このようにステップS200〜S300に渡って光電変換素子PDが形成される。
次いで、ステップS310において、半導体基板SSの表面およびゲート電極114、115を覆うように絶縁層118が形成される。その後、複数の絶縁層123、配線層120、122、コンタクトプラグ119およびビアプラグ121などが形成され、更に、カラーフィルタ層124およびマイクロレンズ125などが形成される。これにより、図1に例示されるよう撮像装置100が完成する。
図9には、この実施形態に従って製造された撮像装置100の半導体基板SSにおける酸素濃度の分布が実線で例示されている。図9には、比較例も示されている。比較例では、半導体基板SSの表面から10μm程度の深さにおける酸素濃度が7×1017atoms/cm3であり、表面近傍の酸素濃度である7×1016atoms/cm3の約10倍であり、濃度勾配が極めて大きい。これに対して、この実施形態では、半導体基板SSの表面から10μm程度の深さでも酸素濃度が8×1016atoms/cm3であり、表面近傍の酸素濃度である5×1016atoms/cm3の1.6倍程度の濃度である。つまり、この実施形態では、酸素濃度の勾配が低い状態が達成されている。濃酸素度の勾配が低い状態であれば、製造プロセスのばらつきが発生しても、それに起因する残像の発生を抑えることができる。製造プロセスのばらつきとしては、例えば、第1半導体領域101を切り出すためのインゴットまたは第1半導体領域101における酸素濃度のばらつきを挙げることができる。その他の製造プロセスのばらつきとして、例えば、不純物を半導体基板SSに注入した後に該不純物を活性化させるための熱処理、あるいは、成膜処理における温度ばらつきを挙げることができる。
撮像装置100において、半導体基板SSにおける残像に対する影響が大きい深さ部分における酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であることが好ましい。例えば、撮像装置100において、半導体基板SSの表面からの距離が20μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であることが好ましい。あるいは、撮像装置100において、半導体基板SSの表面からの距離が30μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であることが好ましい。あるいは、撮像装置100において、半導体基板SSの表面からの距離が40μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であることが好ましい。あるいは、撮像装置100において、半導体基板SSの表面からの距離が50μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であることが好ましい。それぞれの深さの部分において、Cmax/Cminは5以下であることが好ましい。
なお、半導体基板SSの表面からの深さが10μm以内の部分における酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminの値は、図9に示された実施形態では1.6、図9に示された比較例では約10である。つまり、図9に示された比較例のCmax/Cminの値は、図9に示された実施形態のCmax/Cminの値よりも、かなり大きく、残像の発生が大きいことが推定される。
以下、上記の各実施形態に係る撮像装置の応用例として、該撮像装置が組み込まれたカメラについて例示的に説明する。カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る撮像装置と、該撮像装置から出力される信号を処理する処理部とを含む。該処理部は、例えば、A/D変換器、および、該A/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。
以上説明した実施形態は撮像装置として表面照射型のCMOSイメージセンサを例示したが、裏面照射型にも適用可能であるし、CCDイメージセンサにも適用可能である。裏面照射型の撮像装置においては、光電変換部を有する単結晶シリコンからなる半導体領域の厚さは1〜10μm程度である。半導体領域の表面から裏面まで、深さ方向の全域で半導体領域の酸素濃度の最大値が最小値の10倍以下であればよい。半導体領域の表面から裏面まで、深さ方向の全域で半導体領域の酸素濃度2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下範囲内であればよい。半導体領域の表面から20μmまでの範囲のうち、半導体領域の裏面よりも表面から遠い部分には、酸素起因の残像を生じせしめるような半導体領域は存在せずに、マイクロレンズやカラーフィルタが存在しうる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の他の側面をその例示的な実施形態である第2実施形態を通して説明する。
撮像装置は、例えば、シリコン等の半導体で構成された基板に配列され且つ各々が光電変換部を含む複数の画素を有しており、各画素で光電変換により発生した電荷に基づいて画像が形成される。
撮像装置には、画像に生じうる残像および白キズを抑制ないし低減することが求められる。残像は、例えば、ある画像を読み出す際に、光電変換により発生した電荷が基板中の欠陥等にトラップされ、その後の他の画像を読み出す際に、該電荷がリリースされることに起因して生じうる。白キズは、撮像装置の製造の間、例えば、トランジスタの電極をニッケルやコバルトによりシリサイド化する工程において基板中に混入した金属不純物に起因して生じうる。
特開2007−251074号公報には、基板中の酸素濃度を低くすることによって画像中の残像を抑制することが開示されている。一方で、特開2003−92301号公報には、基板中の酸素濃度を高くすることによって画像中の白キズを抑制することが開示されている。即ち、特開2007−251074号公報及び特開2003−92301号公報によると、残像の抑制および白キズの抑制の双方を達成するには、互いに相反する構成が基板に要求される。したがって、これら双方を、単に基板中の酸素濃度を調整することによって達成することは難しいと言える。
本実施形態は、画像中の残像および白キズの双方を抑制する新規な技術を提供することを目的とする。
本実施形態の一つの側面は撮像装置にかかり、前記撮像装置は、シリコンで構成された基板上に複数の画素が配列された画素部と、前記基板上の前記画素部の周辺に配された周辺回路部であって各画素からの信号を処理する回路を含む周辺回路部と、を有する。
ここで、前記周辺回路部は、ニッケル及びコバルトの少なくとも一方を含むシリサイド領域を有するトランジスタを有する。
また、各画素は、前記基板に形成され、
光電変換により発生した電荷を蓄積する部分を含む第1導電型の第1領域と、
前記基板の前記第1領域より深い位置であって前記第1領域から離れた位置に配された前記第1導電型の第2領域と、
前記基板の表面からの深さ方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に配された第2導電型の第3領域と、を有する。
また、前記第3領域は、
前記深さ方向において前記第2領域から離れた位置に配され、前記第2導電型の正味の不純物濃度が第1極大値を示す位置を含む第1部分と、
前記深さ方向において前記第1部分と前記第2領域との間に配され、前記第2導電型の正味の不純物濃度が前記第1極大値よりも低い第2極大値を示す位置を含む第2部分と、を含む。
前記第2部分の酸素濃度は1×1017[atoms/cm3]以下である。
本実施形態によれば、画像中の残像および白キズの双方を抑制することができる。
(1−1.撮像装置の構造について)
図10は、第2実施形態に係る撮像装置100の構造の例を説明するための模式図である。撮像装置100は、シリコンで構成された基板SUBにそれぞれ形成された領域R1〜R4等を備える。領域R1(第1領域)は、例えばN型(第1導電型)であり、本明細書において、以下「N型領域R1」と示す。領域R2(第2領域)は、例えばN型であり、以下「N型領域R2」と示す。領域R3(第3領域)は、例えばP型(第2導電型)であり、以下「P型領域R3」と示す。また、領域R4は、例えばN型であり、以下「N型領域R4」と示す。
上記領域R1〜R4のそれぞれは、例えば、エピタキシャル成長、不純物注入等の公知の半導体製造技術を用いて形成されればよい。具体的には、まず、N型領域R4に対応するシリコン基板を準備し、その上にN型の半導体部材を例えばエピタキシャル成長によって形成する。次に、該形成された半導体部材に不純物注入によって、N型領域R1を形成し、N型領域R1の形成前または後にN型領域R1より深い位置にP型領域R3を形成する。N型領域R2は、P型領域R3とN型領域R4との間の領域であり、したがって、N型領域R1より深い位置であってN型領域R1から離れた位置に配されている。
N型領域R1は、光電変換によって発生した電荷(この例では電子)が蓄積される部分である電荷蓄積部(不図示)であって、他の部分よりも高い不純物濃度(例えば1×1017[cm−3]以上)を有する電荷蓄積部を含む。N型領域R1は、基板SUBの表面近傍にP型の領域R0が形成されることによって、基板SUBの表面から離れた位置に(埋め込まれるように)形成されてもよい。
P型領域R3は、N型領域R1とN型領域R2との間に、N型領域R1の底面および側面と接触するように形成された領域である。即ち、N型領域R1とP型領域R3との間にはPN接合が形成されており、フォトダイオードが形成されている。換言すると、P型領域R3は、N型領域R1と隣接するように、N型領域R1またはそれより浅い位置から、N型領域R1より深く且つN型領域R2より浅い位置までにわたって形成されている。
なお、上述の各領域において、P型を形成するための不純物(P型不純物)には、例えばボロン(B)等が用いられ、N型を形成するための不純物(N型不純物)には、例えばリン(P)、ヒ素(As)等が用いられればよい。また、図中には、N型領域R1におけるN型不純物濃度の極大値Q_R1、および、P型領域R3におけるP型不純物濃度の極大値Q1〜Q5が示されているが、これらについての詳細は後述とする。
撮像装置100は、フローティングディフュージョンFDと、ゲート電極GTXとをさらに備える。フローティングディフュージョンFDは、基板SUB表面およびその近傍かつN型領域R1から離れた位置に形成されたN型領域である。ゲート電極GTXは、N型領域R1とフローティングディフュージョンFDとを接続するMOSトランジスタ(転送トランジスタ)のゲート電極であり、基板SUB上に絶縁膜Fを介して形成される。光電変換により発生しN型領域R1に蓄積された電荷は、ゲート電極GTXに活性化電圧を供給することで形成されるチャネルを介して、フローティングディフュージョンFDに転送される。該転送された電荷またはそれに応じた信号は、不図示の読出回路によって画素信号として読み出される。
また、撮像装置100は、基板SUBの表面近傍に形成されたSTI(ShallowTrench Isolation)構造を有する素子分離部STIと、その周囲に形成されたチャネルストップ用のP型の不純物領域CSとをさらに備える。素子分離部STIは、基板SUBに形成された素子ないしユニットを互いに電気的に分離する。
ここでは説明を省略するが、基板SUBの上には、1以上の配線層に配された導電部材(配線パターン)及びそれらを接続するプラグ、光学素子(例えば、カラーフィルタ、マイクロレンズ等)を含む構造が配されうる。
図11は、図10におけるカットラインA1−A2(基板SUBの表面からの深さ方向)での不純物(ボロンおよびヒ素)の実際の濃度分布を示している。なお、ここでは、本例の説明に必要な部分の不純物濃度のみを図示し、それ以外の部分(例えば領域R0等)の不純物濃度分布については不図示とする。
ここで、ある領域における“実際”の不純物濃度とは、その領域の導電型に関わらず、その領域に実際に存在する不純物濃度であり、グロス(gross)不純物濃度とも呼ばれる。一方、ある領域における“正味”の不純物濃度とは、その領域の導電型を決定する実効的な不純物濃度であり、ネット(net)不純物濃度とも呼ばれる。即ち、正味の不純物度濃度は、一方の導電型の実際の不純物濃度から、該導電型とは異なる他方の導電型の実際の不純物濃度を減算したものに対応する。例えば、ある領域における実際のボロン(P型不純物)濃度が4×1016[cm−3]且つ実際のヒ素(N型不純物)濃度が1×1016[cm−3]のとき、その領域の導電型はP型であり、その領域の正味のP型不純物濃度は3×1016[cm−3]である。
図11には実際の不純物濃度を記載しているが、N型領域R1におけるP型の不純物濃度は、N型領域R1におけるN型の不純物濃度よりも十分に低く、また、P型領域R2におけるN型の不純物濃度は、P型領域R2におけるP型の不純物濃度よりも十分に低い。そのため、図11に対応する正味の不純物濃度分布は、実質的に、図11の不純物分布と同様の分布となる。
図11において、N型領域R1のN型不純物(ヒ素)濃度を一点鎖線で図示し、また、P型領域R3のP型不純物(ボロン)濃度を実線で図示している(なお、基板SUB中の酸素濃度を破線で図示しているが、これについての詳細は後述とする。)。N型領域R1においてN型不純物濃度が極大値C_R1を示す位置をピーク位置Q_R1とする。前述の光電変換によって発生した電荷は、主に、N型領域R1におけるピーク位置Q_R1及びその近傍(例えば1×1016[cm−3]以上の部分、特に、1×1017[cm−3]以上の部分)に蓄積されうる。ピーク位置Q_R1は、深さ(基板SUBの表面からの深さ)0.3[μm]程度で、その正味のN型不純物濃度は1.23×1017[cm−3]程度である。N型領域R1における電荷蓄積部以外の部分については、正味のN型不純物濃度は、1×1017[cm−3]未満でもよく、例えば1×1014〜1×1016[cm−3]程度でもよい。
P型領域R3は、例えば、基板SUBの表面からの深さ方向において、複数の部分P0〜P5を有する。本例において、部分P0は、領域R1を取り囲む部分である。部分P1〜P5は、P型不純物濃度が極大値C1〜C5をそれぞれ示す位置Q1〜Q5をそれぞれ含む。図中に、部分P1、P2、P3、P4、P5について、P型不純物濃度が極大値C1、C2、C3、C4、C5を示すピーク位置Q1、Q2、Q3、Q4、Q5をそれぞれ示す(P1〜P5及びQ1〜Q5は、図10にも図示されている。)。部分P0〜P5の境界は、正味のP型不純物濃度の分布における不純物濃度が極小値を示す位置とする。本構造は、例えば、複数回の不純物注入をそれぞれ互いに異なる注入エネルギーで行うことによって得られ、この方法によると、P型領域R3を、その不純物濃度分布が所望の濃度になるように調節しながら所望の深さまで形成することができる。
P型領域R3において、部分P1〜P5のうち最も深い部分P5についての正味のP型不純物濃度を、部分P5以外の部分P1〜P4についての正味のP型不純物濃度より高くするとよい。例えば、部分P5についての正味のP型不純物濃度の極大値C5は、部分P1〜P4についての正味のP型不純物濃度の極大値C1〜C4の3倍以上高いとよく、5倍以上高いと更に良い。本構造によると、光電変換によってP型領域R3で発生した電荷の漏れ(具体的には、該電荷がP型領域R3よりも深い方向に漏れること)を防ぐことができ、該電荷を効率的にN型領域R1に導くことができる。
例えば、部分P1におけるピーク位置Q1は、深さ0.7[μm]程度で、その正味のP型不純物濃度の極大値C1は、2.0×1017[cm−3]程度である。部分P2におけるピーク位置Q2は深さ1.2[μm]程度で、その正味のP型不純物濃度の極大値C2は1.7×1017[cm−3]程度である。部分P3におけるピーク位置Q3は深さ1.6[μm]程度で、その正味のP型不純物濃度の極大値C3は1.0×1017[cm−3]程度である。部分P4におけるピーク位置Q4は深さ2.0[μm]程度で、その正味のP型不純物濃度の極大値C4は0.9×1017[cm−3]程度である。また、部分P5におけるピーク位置Q5は深さ3.2[μm]程度で、その正味のP型不純物濃度の極大値C5は4.0×1017[cm−3]程度である。部分P1〜P4における正味のP型不純物濃度の極大値C1〜C4は深い位置に配されるほど、小さくなっている(C1>C2>C3>C4)。なお、これらの深さは、入射光(例えば赤色光)の基板SUB表面からの侵入深さに基づいて定められればよい。
(1−2.画像に生じうる白キズについて)
撮像装置100の製造過程において、基板SUB中には、例えばシリサイド処理によって、金属不純物(ニッケル、コバルト等)が混入する可能性があり、この金属不純物は、画像中に白キズをもたらす原因となりうる。このことに着目した本発明の発明者は、構成が互いに異なる複数の基板SUBを用いて実験し、鋭意検討した。そのなかで、発明者は、P型領域R3のP型不純物濃度分布が互いに異なる複数の基板SUBを用いた実験により、上記白キズの程度が、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層の幅(体積)に依存することを見出した。具体的には、発明者は、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層内の金属不純物の数が多くなると画像中の白キズが増える傾向にあることを見出した。このことは、上記空乏層内の金属不純物が、その空乏層電界によって又は該電界を介してN型領域R1の蓄積電荷に何らかの影響を与えていることに起因すると考えられる。
そこで、本構造では、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層幅を小さくすることにより、白キズを抑制した。具体的には、P型領域R3のN型領域R1側の部分P1及びP2の正味のP型不純物濃度の極大値C1及びC2を、P型領域R3のN型領域R2側の部分P3及びP4の正味のP型不純物濃度の極大値C3及びC4よりも高くした。これにより、上記空乏層がP型領域R3の深い位置まで到達しないようにすることができる。また、P型領域R3のN型領域R1側の部分における正味のP型不純物濃度を、N型領域R1の電荷蓄積部における正味のN型不純物濃度よりも高くするとよい。具体的には、図11に例示されるように、P型領域R3の部分P1におけるピーク位置Q1の正味のP型不純物濃度を、N型領域R1におけるピーク位置Q_R1の正味のN型不純物濃度よりも高くするとよい。本構造によると、例えば、撮像装置100が電荷蓄積モード(N型領域R1に電荷を蓄積するための動作モード)の間、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層は、部分P1よりも深い部分P2〜P5に到達しないようにすることができる。
まとめると、P型領域R3は、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層幅が小さくなるように構成されればよい。本例では、P型領域R3を、その一部の正味のP型不純物濃度が、該一部より深い位置の他の一部の正味のP型不純物濃度よりも高くなるように構成することにより、該他の一部に空乏層が到達しないようにしている。また、P型領域R3の該一部の正味のP型不純物濃度を、N型領域R1のピーク位置Q_R1の正味のN型不純物濃度よりも高くするとよい。好適には、P型領域R3の部分P1〜P5のうちN型領域R1に最も近い部分P1の正味のP型不純物濃度を、N型領域R1のピーク位置Q_R1の正味のN型不純物濃度よりも高くすればよい。
また、本例において、部分P1と部分P5との間の部分P2〜P4の正味のP型不純物濃度の極大値C2〜C4は、部分P1の正味のP型不純物濃度の極大値C1よりも低くすることが好ましい。更に、部分P2〜P4の正味のP型不純物濃度の極大値C2〜C4を、部分P5の正味のP型不純物濃度の極大値C5よりも低くすることが好ましい。また更に、部分P2〜P4のいずれかの正味のP型不純物濃度を、N型領域R1の正味のN型不純物濃度よりも低くすることが好ましい。本例では、部分P3及びP4の正味のP型不純物濃度の極大値C3及びC4は、N型領域R1のピーク位置Q_R1の正味のN型不純物濃度の極大値C_R1よりも小さい。
(1−3.画像に生じうる残像について)
基板SUB中の酸素濃度が高くなると、基板SUB中で酸素の複合体(サーマルドナー)が形成されやすくなる。サーマルドナーは、そのエネルギー準位により、光電変換によって生じた電荷をトラップする場合があり、このことは画像中に残像をもたらす原因となりうる。例えば、第1の画像を読み出す際に光電変換によって生じた電荷は、サーマルドナーのエネルギー準位によってトラップされうる。その後、第1の画像とは異なる第2の画像を読み出す際に、該トラップされた電荷がリリースされた場合、第2の画像には、この電荷に起因する残像が生じうる。
特開2007−251074号公報によると、基板中の酸素濃度を低くすることによって画像中の残像が抑制される。その一方で、特開2003−92301号公報によると、基板中の酸素濃度を高くすることによって画像中の白キズが抑制される。
ここで、図11を参照しながら述べたとおり、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層幅が小さくなるようにP型領域R3を構成することにより、白キズを抑制することができる。本構造において、残像を十分に抑制するために基板SUB中の酸素濃度をどのような範囲にすればよいか、発明者は、酸素濃度が互いに異なる複数の基板SUB(0.7×1017〜14×1017[atoms/cm3]程度)を用いて実験し、鋭意検討した。
再び図11を参照すると、図11は、図10におけるカットラインA1−A2での基板SUB中の酸素濃度分布を更に示している。図11に示されるように、本構造では、基板SUB中の酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にし、上記残像を抑制した。
ここで、光電変換により発生した電荷は、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層に到達すると、電界の大きい空乏層電界によってN型領域R1に向かってドリフトする。P型領域R3のうち、特に空乏化していない部分では、その電界が空乏層電界より小さいため、電荷がサーマルドナーのエネルギー準位にトラップされやすい(前述のとおり、このことは、画像中に残像が生じる原因となる。)。よって、この空乏化していない部分においてサーマルドナーが形成されないようにするとよく、少なくとも該空乏化していない部分における酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にするとよい。即ち、P型領域R3のうち正味のP型不純物濃度がN型領域R1のピーク位置Q_R1の正味のN型不純物濃度より高い位置又はそれを含む部分(本例では部分P1)から、それより深い部分までの酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にするとよい。好適には、P型領域R3全体を含む領域(N型領域R1又はそれより浅い位置からP型領域R3又はそれより深い位置までの領域)で、基板SUB中の酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にするとよい。P型領域R3より深い位置のN型領域R2では、酸素濃度は、P型領域R3での酸素濃度よりも高くてもよく、例えば1×1017[atoms/cm3]以上になってもよい。
例えば、基板SUBの表面から、該表面から15[μm]の深さまでの領域(この領域は、P型領域R3を含むのに十分な深さを有する。)で、基板SUB中の酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にするとよい。他の例では、基板SUBの表面から、該表面から10[μm]の深さまでの領域で、基板SUB中の酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にしてもよい。そして、該表面から10[μm]の深さから、該表面から20[μm]の深さまでの領域で、基板SUB中の酸素濃度を2×1017[atoms/cm3]以下にしてもよい。さらに他の例では、前記基板の表面から10[μm]の深さから、該表面から20[μm]の深さまでの領域の一部では、基板SUB中の酸素濃度は1×1017[atoms/cm3]より大きくてもよい。
また、第3領域R3の部分P1〜P5における酸素濃度は、図11に示されるように、1×1016[atoms/cm3]以上であってもよいことに留意されたい。1×1016[atoms/cm3]以上の酸素が存在することは、基板強度の向上、不純物金属のゲッタリングなどに有効である。本例では、ピーク位置C4とC5との間の領域における酸素濃度を、該領域における正味のP型不純物濃度よりも高くした。
図12(a)は、画像中の残像についての基板SUB中の酸素濃度依存性の実測結果を示すプロット図である。図中の横軸は、基板SUB中の酸素濃度[atoms/cm3]を示し、縦軸は、画像中の残像の程度(残像量)[LSB]を示す。図12(a)によると、基板SUB中の酸素濃度を低くすると残像量が小さくなる。また、基板SUB中の酸素濃度が1×1017[atoms/cm3]以下の範囲では残像量が8[LSB]以下となり、画像中の残像を十分かつ効果的に低減することができる。
図12(b)は、基板SUB中の酸素濃度が高い場合および低い場合、並びに、P型領域R3の正味のP型不純物濃度が高いおよび低い場合の個々について、残像量および白キズのそれぞれが許容範囲内か否かの判定結果をまとめたものである。図12(b)中の基板SUB中の酸素濃度の「高」は、該酸素濃度が1×1017[atoms/cm3]より高いことを示し、「低」は、該酸素濃度が1×1017[atoms/cm3]以下であることを示す。P型領域R3の正味のP型不純物濃度の「低」は、P型領域R3の少なくとも一部のP型不純物濃度がN型領域R1の正味のN型不純物濃度より低いことを示し、それ以外のケースを「高」と示す。
上述のそれぞれの場合について、残像/白キズについて、許容範囲内の結果には「○」で示し、そうでないものについては「×」で示す。例えば、図中において、残像が許容範囲内であり且つ白キズが許容範囲内でないものについては「○/×」と示す。図12(b)によると、基板SUB中の酸素濃度が「低」かつN型領域R2の正味のP型不純物濃度が「高」の場合に、残像および白キズの双方が許容範囲内になることが分かる。
(1−4.まとめ)
本構造によると、P型領域R3を、その一部の正味のP型不純物濃度が、該一部より深い位置の他の一部の正味のP型不純物濃度よりも高くなるように構成することにより、該他の一部に空乏層が到達しないようにしている。これにより、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層幅を小さくし、画像中の白キズを抑制することができる。そして、基板SUB中の酸素濃度を1×1017[atoms/cm3]以下にすることにより、P型領域R3の深い部分でサーマルドナーが形成されないようにした。これにより、画像中の残像を抑制することができる。
以上、本実施形態によると、画像中の残像および白キズの双方を抑制するのに有利である。
特に、撮像装置100がデジタル回路を含む場合、撮像装置100の製造方法は、例えば、該デジタル回路内のトランジスタの各電極等をシリサイド化する工程を含みうるため、基板SUB中に金属不純物が混入してしまう可能性がある。例えば、撮像装置100は、複数の画素が配列された画素部と、その周辺に配された周辺回路部であって各画素からの信号を処理する周辺回路部とを備え、該周辺回路部のトランジスタには、ソース及びドレインにシリサイド領域を有するものが用いられうる。周辺回路部は、例えばアナログデジタル変換回路を含み、該シリサイド領域を有するトランジスタは、このアナログデジタル変換回路の一部にも用いられうる。シリサイド領域の金属には、典型的には、ニッケル、コバルト等が用いられ、その一部は、トランジスタをシリサイド化する工程(シリサイド領域を形成する工程)およびその後の熱処理工程により、不純物として画素部まで拡散しうる。前述のとおり、このことは画像における白キズの原因となりうる。よって、本実施形態によると、特にシリサイド化された領域を含む撮像装置100において、画像中の残像および白キズの双方を抑制するのに有利である。
図13(a)〜(e)は、撮像装置100の製造方法における各工程の様子を説明するための模式図である。
図13(a)の工程では、酸素濃度が2×1017[atoms/cm3]以下の基板SUBであって、画素部が形成されるべき領域RA(画素領域)と、周辺回路部が形成されるべき領域RB(周辺領域)とを有する基板SUBを準備する。周辺領域RBは、例えば、NMOSトランジスタが形成されるべき領域RB1と、PMOSトランジスタが形成されるべき領域RB2とを含む。
例えば、酸素濃度が1×1016[atoms/cm3]以上かつ3×1017[atoms/cm3]以下であるシリコンウエハの上に、エピタキシャル成長によって酸素濃度が1×1016[atoms/cm3]以下である単結晶シリコン層を形成する。シリコンウエハは、酸素濃度が3×1017[atoms/cm3]を超えないものが用いられることが望ましい。高酸素濃度(例えば1×1018[atoms/cm3]以上)のシリコンウエハを用いると、その上に低酸素濃度の単結晶シリコン層を形成したとしても、その後の他の工程(熱処理工程等)で、ウエハから単結晶シリコン層に酸素が移動(拡散)するからである。よって、シリコンウエハは、酸素濃度が少なくとも5×1017[atoms/cm3]以下のものが用いられるとよい。
なお、エピタキシャル成長によって形成される単結晶シリコン層は、その厚さが5〜25[μm]の範囲内になるように形成されるとよい。これにより、酸素濃度が比較的高いシリコンウエハを用いた場合でも、シリコンウエハ中の酸素が単結晶シリコン層の表面近傍まで拡散し得、単結晶シリコン層の酸素濃度が高くなることを防ぐことができる。
準備した基板SUBにおいて、領域RA、RB1及びRB2の間には、例えばSTI構造の素子分離部STIを形成することができる。素子分離部STIは、例えば、酸化シリコン等の絶縁部材で構成されうる。素子分離部STIの深さは0.1〜0.5[μm]程度である。
その後、画素領域RAにP型不純物を注入することによりP型領域R3を形成する。P型領域R3は、前述の部分P0〜P5を含む(ここでは部分P0〜P5を不図示とする。)。部分P0〜P5は、例えば、複数回の不純物注入を互いに異なる注入エネルギーで行うことにより形成されうる。
基板SUB表面の近傍には、後に形成されるトランジスタの閾値電圧を調節するため、例えば、P型あるいはN型の部分PA、PB及びPCが形成されてもよい。また、基板SUBのうち素子分離部STIと接触する部分には、素子分離部STIと基板SUBとの境界の結晶欠陥に起因して画素信号に混入しうる暗電流成分を低減するため、素子分離部STIを取り囲むようにP型の領域CSが形成されていてもよい。
図13(b)の工程では、例えば、基板SUB上に形成された所定のレジストパターン(不図示)を用いて、不純物注入により領域RB1にP型ウエルPWLを形成する。その後、同様の手順で、領域RB2にN型ウエルNWLを形成する。これらのウエルは、いずれが先に形成されてもよい。
図13(c)の工程では、基板SUB表面に絶縁膜F(トランジスタのゲート絶縁膜)を形成する。絶縁膜Fは、例えば酸化シリコンで構成され、その膜厚は3〜20[nm]程度とすればよい。その後、絶縁膜Fの上に、転送トランジスタのゲート電極GTX、他のMOSトランジスタのゲート電極Gが形成される。また、基板SUBの表面およびその近傍には、N型不純物を注入することにより、N型領域R1が形成される。N型領域R1は、前述のピーク位置Q_R1が、素子分離部STIの深さの半分より深くなるように形成されるとよく、好適には、素子分離部STIの底面よりも深くなるように形成されてもよい。
さらにその後、ゲート電極GTXをマスクとして用いてフローティングディフュージョンFDが形成されうる。また、領域RB1及びRB2のそれぞれには、対応するMOSトランジスタのソース/ドレイン領域RDSが形成されうる。
なお、上記画素を構成する各要素の形成順序は必要に応じて変更されてもよい。例えば、ゲート電極GTX及びN型領域R1について、それらのいずれが先に形成されてもよい。
図13(d)の工程では、N型領域R1を埋め込み型にするための領域R0を形成する。領域R0は、転送トランジスタの電荷転送効率が維持されるように、ゲート電極GTXの端から離れた位置に形成されうる。領域R0は、例えば、ゲート電極GTXおよびレジストパターンPRをマスクとして用いて、基板SUB(具体的にはN型領域R1の一部)にP型不純物を注入することによって為されればよい。該不純物の注入角度(基板SUB上面の法線と不純物の注入方向とが成す角)は、例えば7〜45度の範囲内で設定されるとよい。これにより、領域R0は、ゲート電極GTXの端から離れた位置に形成される。例えば、ゲート電極GTXの高さを250[nm]としたとき、上記注入は、12[keV]の注入エネルギーかつ10〜20度の範囲内の注入角度で為されればよい。
図13(e)の工程では、領域RA、RB1及びRB2を覆う絶縁膜を形成し、該絶縁膜の一部をエッチングして、ゲート電極Gの側面にサイドウォールスペーサSWSを形成する。このとき、該絶縁膜の他の一部は、保護膜PDPとして領域RAに残されうる。そして、N型不純物を注入することによって領域RB1のNMOSトランジスタをLDD構造にし、同様に、P型不純物を注入することによって領域RB2のPMOSトランジスタをLDD構造にする。その後、これらのMOSトランジスタに対してサリサイドプロセスを用いてシリサイド処理を行う。このとき、領域RAの保護膜PDPをシリサイドプロテクションとして用いることもできる。図中の部分Psiliは、各MOSトランジスタの電極のうちシリサイド化されたシリサイド領域を示している。
その後、図13(e)の工程で得られた構造の上に、公知の半導体製造技術を用いて、配線パターン、光学素子等を含む構造が形成されればよく、このようにして撮像装置100を製造することができる。
撮像装置100は、図13(a)を参照しながら述べたように、STI構造の素子分離部P1及びP2を備えうる。素子分離部P1及びP2は、例えばエッチング等によって基板SUBの表面から所定の深さまでにわたってトレンチを形成し、該トレンチを絶縁部材で埋めることによって形成されうる。この工程によると、基板SUB中に金属不純物が混入する可能性がある他、その間の熱処理に伴って基板SUBに加わる応力、形成された素子分離部P1及びP2によって基板SUBに加わる応力等により、画像中に白キズが生じる可能性がある。そのため、STI構造の素子分離部を含む撮像装置100に本発明を適用することによっても、画像中の残像および白キズの双方を抑制するのに有利である。
図14(a)〜(d)は、撮像装置100の製造方法におけるSTI構造の素子分離部(素子分離部Pとする。)の形成工程を説明するための図である。図14(a)の工程では、例えばシリコンで構成された基板SUB上にシリコン酸化膜F1、ポリシリコン膜F2、シリコン窒化膜F3がこの順に形成された構造を準備する。
図14(b)の工程では、例えば所定のレジストパターン(不図示)用いたエッチング等により、トレンチTを形成する。トレンチTは、シリコン窒化膜F3の上面から、基板SUBの表面から所定の深さまでにわたって形成されればよい。
図14(c)の工程では、例えば酸化処理を行い、トレンチTにより露出した基板SUBの露出面に酸化膜F4(酸化シリコン膜)を形成する。該酸化処理は、例えば、温度1100℃程度のドライ酸化で為されればよい。酸化膜F4の膜厚は20〜50[nm]程度とすればよい。
なお、この工程において、基板SUBの上記露出面が酸化されると共に、トレンチTにより露出したポリシリコン膜F2の露出面(側面)も酸化される。これにより、ポリシリコン膜F2の露出面にも酸化シリコン膜が形成され、該酸化シリコン膜はトレンチTの形状を維持する作用を有する。
図14(d)の工程では、トレンチTを、例えば酸化シリコン等の絶縁部材IMで埋める。この工程は、例えばCVD(化学気相成長)等の堆積法によって為されればよい。その後、絶縁部材IMの上面を例えばCMP処理によって平坦化すればよく、このようにして素子分離部Pが形成される。
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。例えば、各半導体領域の導電型を逆にしてもよいし、それを形成する不純物には、同じ導電型で且つ異なる元素のものが用いられてもよい。
また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。例えば、「撮像装置」は、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置を含み得、また、「画素」はセンサと称されてもよいし、これに伴って「画素信号」はセンサ信号と称されてもよい。
図15は、以上の例で示された撮像装置100が適用されたカメラの構成例を説明するための図である。カメラは、撮像装置100の他、例えば、処理部200、CPU300(又はプロセッサ)、操作部400、光学系500を具備する。また、カメラは、静止画や動画をユーザに表示するための表示部600、それらのデータを記憶するためのメモリ700をさらに具備しうる。撮像装置100は、光学系500を通過した光に基づいてデジタル信号からなる画像データを生成する。該画像データは、処理部200により所定の画像処理が為され、表示部600やメモリ700に出力される。また、ユーザにより操作部400を介して入力された撮影条件に応じて、CPU300により、各ユニットの設定情報が変更され、又は、各ユニットの制御方法が変更されうる。なお、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。
以下、本発明の更に他の側面をその例示的な実施形態である第3実施形態を通して説明する。
本実施形態は、第1実施形態の特徴と第2実施形態の特徴を兼ね備えた実施形態である。すなわち、本実施形態は、第1実施形態における光電変換素子PDが、第2実施形態におけるN型領域R1とP型領域R3との間にPN接合が形成されたフォトダイオードと同様の構造を有する形態である。また、本実施形態では、第1実施形態における第1半導体領域101が、第2実施形態におけるN型領域R4に対応する。第1実施形態における不純物領域102aは、第2実施形態におけるN型領域R2に対応する。第1実施形態における第2導電型を有する不純物領域103は、第2実施形態におけるP型領域R3に対応する。第2実施形態で説明したように、P型領域R3は複数の部分P0〜P5を有するため、不純物領域103は複数の部分P0〜P5に対応した複数の部分を有することになる。第1実施形態における第1導電型の不純物領域104は第2実施形態におけるN型領域R1に対応する。第1実施形態における第1導電型の不純物領域102bは第2実施形態における部分PAあるいは部分PBに対応する。本実施形態においては、第1実施形態における半導体基板SSと第2実施形態における基板SUBとをまとめて、「基板S」として説明する。
図11では、基板SUBの深さ6μmまでの酸素濃度を示しているにとどまっているが、本実施形態ではN型領域R4が存在するような、基板Sの表面から6μmよりも深く、20μmよりも浅い部分においても、図9と同様の酸素濃度分布を有することになる。つまり、基板Sの表面からの距離が20μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度の最大値、最小値をそれぞれCmax、Cminとしたときに、Cmax/Cminが10以下であり、好ましくは5以下である。また、表面からの距離が20μm以内の部分における半導体領域の酸素濃度が2×1016atoms/cm3以上4×1017atoms/cm3以下の範囲内である。その他の点に関しても、第1実施形態と第2実施形態と同様である。
本実施形態では、上述したように基板S(半導体基板SSあるいは基板SUB)の浅部において、1×1016[atoms/cm3]以上の酸素の存在は不純物金属のゲッタリングなどに有効である。しかし、本実施形態では、半導体基板SSあるいは基板SUBの深部(半導体領域101、領域R4)における酸素濃度が5×1015[atoms/cm3]以下と低くなっている。従って、基板Sの深部での不純物金属のゲッタリング作用を大きくは望めない。周辺回路部のトランジスタに設けられたシリサイド領域の金属は、基板Sの深部を経由して、画素部にまで拡散することが分かっている。そこで、本実施形態のように、フォトダイオードのP型の領域を、その一部の正味のP型不純物濃度が、該一部より深い位置の他の一部の正味のP型不純物濃度よりも高くなるように構成することにより、深部に存在する不純物金属の影響を低減している。よって、残像と白キズの双方を適切なレベルまで抑えることができる。
以下、本発明の更に別の側面をその例示的な実施形態である第4実施形態を通して説明する。
本実施形態は、第1〜3実施形態で説明した素子分離部に特徴を有するものである。第1実施形態の素子分離部110は、第2実施形態の画素領域RAの素子分離部STIに対応する。第1実施形態における素子分離部110の絶縁体160、酸化シリコン膜170は、第2実施形態における素子分離部STIの絶縁部材IM、酸化膜F4にそれぞれ対応する。第1実施形態における不純物領域109は、第2実施形態における不純物領域CSに対応する。以下、第1実施形態の素子分離部110と第2実施形態の画素領域RAの素子分離部STIとをまとめて、「素子分離部ISO」として説明する。また、素子分離部110の絶縁体160および酸化シリコン膜170と、素子分離部STIの絶縁部材IMおよび酸化膜F4と、まとめて「絶縁体INS」として説明する。素子分離部ISOはSTI構造を有し、典型的な絶縁体INSは酸化シリコンからなる。なお、第2実施形態の周辺領域RBについては、第2実施形態に従って、素子分離部STI、絶縁部材IMとして説明する。本実施形態でも、第1実施形態における半導体基板SSと第2実施形態における基板SUBとをまとめて、「基板S」として説明する。
本実施形態では、素子分離部ISOの絶縁体INSの水素濃度CA[atoms/cm3]を5×1018[atoms/cm3]以上としたものである。絶縁体INSの水素濃度CAは1×1019[atoms/cm3]以上とすることが好ましく、3×1019[atoms/cm3]以上とすることがより好ましい。上述したように、基板Sに1×1016[atoms/cm3]以上の酸素が存在することは、不純物金属のゲッタリングなどに有効である。しかし、その場合、基板Sに例えば1×1018[atoms/cm3]以上の酸素が存在するような場合に比べれば、不純物金属のゲッタリング作用は低下する。水素濃度CAを5×1018[atoms/cm3]以上、さらには1×1019[atoms/cm3]以上とすることで不純物金属に起因する白キズ等のノイズを緩和することができる。これは、水素によって不純物金属が不活性化されるためと推測される。また、STI構造を有する素子分離部ISOの形成には基板Sのトレンチエッチングが必要である。このトレンチエッチングによって基板Sに生じたダメージによる画質の低下を、水素が基板Sの表面のダングリングボンドを終端化することにより低減することができる。なお、この検討に当たって比較した撮像装置のSTI構造を有する素子分離部における水素濃度は素子分離部の絶縁体の全体において2×1018[atoms/cm3]である。なお、絶縁体INSの水素濃度CAは3×1021[atoms/cm3]以下であってもよく1×1021[atoms/cm3]以下であってもよい。絶縁体INS中に水素濃度CAが上述した条件を満たす部分が存在すればよく、絶縁体INS中に上述した条件を満たさない部分が存在していてもよい。絶縁体INSの全部の水素濃度CAが上述した条件を満たすことが好ましい。なお、水素濃度CAは、絶縁体IM中の水素含有量を増加できる成膜方法(例えばHDP−CVD法)や成膜用の原料ガス(例えばシラン系ガス)を採用することで調整できる。また、基板S上の水素を含有した絶縁膜など外部からの水素導入によっても調整できる。
図16(a)、(b)には本実施形態における、水素濃度CAの分布の第1例、第2例を示している。図16(a)、(b)において、位置TLは基板Sの表面の位置を示しており、位置BLは素子分離部ISOの底面の位置を示している。位置TLと位置BLの差は素子分離部ISOの深さに相当する。素子分離部ISOの深さは例えば0.1〜0.5μm、典型的には0.2〜0.4μmである。図16(a)、(b)の例では素子分離部ISOの深さは0.26μmである。図16(a)に示した第1例では、水素濃度CAは1×1019〜2×1020[atoms/cm3]の範囲で分布している。図16(b)に示した第2例では、水素濃度CAは2×1019〜1×1021[atoms/cm3]の範囲で分布している。第1例、第2例とも、素子分離部ISOの底面近傍(位置BL近傍)で水素濃度が顕著に増大している。このように、素子分離部ISOの深さの半分の位置を基準として、位置TL側の上半分よりも位置BL側の下半分の水素濃度が高くなっていることが好ましい。このようにすることで、基板S内に効果的に水素を供給することができる。
上述したように、素子分離部ISOの絶縁体INSの水素濃度CA[atoms/cm3]は分布を示す。絶縁体INSの水素量を定量的に示す指標が絶縁体INSの水素密度DA[atoms/cm2]である。水素密度DAは水素濃度CAの深さ方向における積分値である。仮に水素濃度CAが深さ方向に一定であり、素子分離部ISOの深さがDP[cm]であれば、水素密度DAは水素濃度CAと深さDPの積(DA=CA×DP)である。水素濃度CAが分布を示す場合には深さ方向の分解能DR[cm](DR=DP/n)と各深さにおける水素濃度CAnとの積の総和(DA=Σ(DR×CAn))である。
水素密度DAを1×1014[atoms/cm2]以上とすることで、実用的な白キズの低減効果を得ることができる。水素密度DAが1×1014[atoms/cm2]とは、深さが0.2μmである素子分離部ISOにおいて、水素濃度CAが一様に5×1018[atoms/cm2]である場合に相当する。水素密度DAは3×1015[atoms/cm2]以下であってもよい。なお、水素密度DAが1×1014[atoms/cm2]とは、深さが0.3μmである素子分離部ISOにおいて、水素濃度CAが一様に1×1020[atoms/cm2]である場合に相当する。上述したように素子分離部ISOの上半分よりも下半分において水素濃度CAが高くなりうるため、水素密度DAは素子分離部ISOの下半分の水素濃度CAが支配的となる。よって、素子分離部ISOの下半分に位置する部分が、上述した水素濃度CAの条件を満たすことが好ましい。
図17には水素密度と白キズの数との関係を示している。図17のグラフの2点の内の一方は、図16(a)に対応し、水素濃度CAの分布から算出した水素密度DAが5.5×1014[atoms/cm2]である。図17のグラフの2点の内の他方は、図16(b)に対応し、水素密度CAの分布から算出した水素密度DAが2.5×1015[atoms/cm2]である。水素密度DAが増加するほど、白キズを低減できることが読み取れる。水素密度DAが2×1014[atoms/cm2]であれば、白キズは5000個程度と予想され、白キズをこの5000個の水準からさらに半減するには1.4×1015[atoms/cm2]とすればよいと分かる。水素密度DAを1.4×1015[atoms/cm2]以上とすることで、白キズを十分に低減することができる。
次に、第2実施形態で説明した画素領域RAにおける素子分離部ISOと周辺領域RBにおける素子分離部STIとの関係について説明する。ここで、図13で示した周辺領域RBにおける素子分離部STIの絶縁部材の水素濃度をCB[atoms/cm3]とする。周辺領域RBにおける素子分離部STIの絶縁部材の水素濃度CBは、画素領域RAにおける素子分離部ISOの絶縁体INS(絶縁部材IM)の水素濃度CAよりも低いことが好ましい。撮像装置100の製造過程では基板Sに様々な欠陥が発生する。この欠陥としては半導体基板S中の点欠陥、基板Sと素子分離部ISOとの界面に存在する界面準位が挙げられる。また、例えば、基板Sとゲート絶縁膜との界面に存在する界面準位、ゲート絶縁膜中の欠陥もが挙げられる。これらの欠陥はトランジスタの性能低下や画素回路領域で発生するノイズの増加を招く。画素領域RAで発生するノイズは画質に直結する。よって、画素領域RAでは、水素供給量を増やすことで欠陥の水素終端を促進させる事が望ましい。一方、周辺領域RBでは、MISトランジスタの信頼性確保に主点を置いた場合、水素供給量を制限することが望ましい。これは以下の理由による。撮像装置100では、信号処理速度の高速化や低消費電力化への要求から、周辺領域RBを構成するMISトランジスタの微細化が進展している。微細化の進展とともに、ホットキャリア耐性の低下やNBTI(Negative Bias Temperature Instability)といった、MISトランジスタの信頼性低下が顕在化する。これらは水素が過剰に存在すると特性の劣化が促進される。そこで、CB<CAを満足することで、画素領域RAおよび周辺領域RBのそれぞれの特性の向上を両立することができる。
画素領域RAと周辺領域RBとの水素濃度差は、例えば、画素領域RAにおける保護膜PDPが素子分離部STIの絶縁部材の水素の外方拡散を抑制し、周辺領域RBにおいては保護膜PDPを除去することで実現できる。また、画素領域RAと周辺領域RBとで水素阻害部材としての配線構造を異ならせることにより、配線構造の上方に設けたパッシベーション膜等の水素供給源からの水素供給量を異ならせることでも実現できる。
素子分離部ISOの絶縁体INS中の水素濃度は、SIMS分析により算出した値を採用できる。素子分離部ISOのSIM分析は、基板Sにおいて素子分離部ISOやトランジスタが設けられた面(表面)とは反対側の面(裏面)から行うことができる。SIMS分析を基板Sと素子分離部ISO以外の層を全て除去した状態で基板Sの表面側から行うこともできる。以下、水素濃度CAの算出の方法を説明する。
図18に画素領域RAの素子部ACTと素子分離部ISOの配置パターンとSIMSによる分析領域AAの概略を示す。分析領域AAは1辺が数10μm程度の矩形、または直径が数10μm程度の円形の領域でありその面積をSC(cm2)とする。画素領域RAは数μm程度の画素回路のパターンが繰り返して配列されている。そのため、分析領域AAには画素回路のパターンが数個から数10個含まれる。この分析領域AAについてSIMS分析を実施して、分析領域AAにおける水素濃度MA(atoms/cm3)を算出する。なお、画素領域RAでは画素回路の繰り返しパターンなので、画素領域RA内のどの領域でSIMS分析を行っても分析領域AA内の水素濃度MAはほぼ同じになる。なお、素子部ACTは水素の固溶限が低いシリコンからなり、一方で素子分離部ISOは水素の固溶限が高い、酸化シリコン等の絶縁体からなる。そのため、素子部ACTの水素濃度は素子分離部ISOの水素濃度と比較して無視できるほど低くなる。ここで水素濃度MAの分析領域AAに素子部ACTと素子分離部ISOが含まれている点に着目すると、SIMS分析で得られた水素濃度MAは素子部ACTと素子分離部ISOとを含むSIMSの分析領域における平均的な水素濃度であるといえる。そして、素子部ACTの水素濃度が素子分離部ISOの水素濃度と比較して無視できるほど低くなる。そのため、SIMS分析で得られた水素濃度MAは素子分離部ISOの水素濃度CAと同等とはならない。それは、分析領域の全体に素子分離部ISOが存在するのではなく、分析領域には素子部ACTと素子分離部ISOとが混在しているからである。そこで、実際の素子分離部ISOの水素濃度CAは以下のとおり算出する。まず、分析領域AAにおける素子分離部ISOの面積占有率OAを算出する。面積占有率の算出は、素子分離部ISOのレイアウト設計に用いたCADデータ等から算出できる。素子分離部ISOの面積占有率OAは、分析領域AAを平面視した際の素子分離部ISOの面積の総和SA(cm2)を分析領域AAの面積SCで割った値である(OA=SA/SC)。素子分離部ISOの絶縁体中の水素濃度CAは、分析領域AAにおける水素濃度MAを素子分離部ISOの面積占有率OAで割った値である(CA=MA/OA)。面積占有率OAは0より大きく1より小さい値であり、0.2〜0.6程度である。撮像装置100では、光電変換部PDの受光面積をより大きくするために、画素領域RAの素子部ACTは素子分離部ISOよりも大きく設定され、OAは0.5以下でありうる。
周辺領域RBにおける水素濃度CBも同様に算出できる。すなわち、周辺領域RBにおける素子分離部STIの絶縁体IM中の水素濃度CBは、周辺領域RBに対する分析領域における水素濃度MBを素子分離部STIの面積占有率OBで割った値である(CB=MB/OB)。素子分離部STIの面積占有率OAは、周辺領域RBに対する分析領域を平面視した際の素子分離部STIの面積の総和SB(cm2)を分析領域の面積SCで割った値である(OB=SB/SC)。
撮像装置100では、光電変換部PDの受光面積をより大きくするために、画素領域RAの素子部は素子分離部ISOよりも大きく設定される。そのため、画素領域RAでの素子分離部ISOの面積占有率OAは周辺領域RBでの素子分離部STIの面積占有率OBよりも低い(OA<OB)。一方、単位体積当たりで素子分離部ISO,STIから供給される水素量は周辺領域RBよりも画素領域RAで多いことが好ましい。画素領域RAにおいて単位体積当たりで素子分離部ISOから供給可能な水素量QAは水素濃度CAに面積占有率OAを乗じた値に比例する(QA∝CA×OA)。同様に、周辺領域RBにおいて単位体積当たりで素子分離部STIから供給可能な水素量QBは水素濃度CBに面積占有率OBを乗じた値に比例する(QB∝CB×OB)。従って、QB<QAを満足することはCB×OB<CA×OAを満足することを意味する。OA<OBとCB×OB<CA×OAの両方を満足する上では、10×CB≦CAを満足することがより好ましい。なお、CA×OA=MA、CB×OB=MBであることから、QB<QAを満足しているかどうかは、SIMS分析において、画素領域RAと周辺領域RBに対して同じ形状の分析領域で検出された水素量を比較することで判断できる。
上述した第1〜4実施形態における酸素濃度もまたSIMSによって分析できる。その場合、SIMSの分析領域には、半導体領域だけでなく、素子分離部ISOも含まれる。そのため、SIMSのデータにおける基板Sのうち、素子分離部ISOが存在する深さ(例えば0.1〜0.5μm)の酸素濃度には素子分離部ISOを構成する酸化シリコン中の酸素の存在が極めて強く反映される。この素子分離部ISOの酸化シリコンに由来する酸素は、半導体領域中の酸素とは区別されるべきである。現実的には、基板SのSIMSの分析データにおける素子分離部ISOが存在する深さの酸素濃度は、半導体領域中の酸素濃度分布から除外して考えることができる。なお、基板S上からウェットエッチングなどによって素子分離部ISOを除去してからSIMSによる測定を行うことで、素子分離部ISOの底面よりも浅い部分の半導体領域中の酸素濃度を評価することも可能である。
第1実施形態ではトレンチTRの内面から第2半導体領域102の深部まで酸素を供給することを主旨としており、素子分離部110が存在する深さにおける酸素濃度を考慮しないことは、第1実施形態の主旨から外れることではない。したがって、半導体基板SUBの酸素濃度の範囲や最大値、最小値は、素子分離部110よりも深い部分において、評価されればよい。換言すれば、半導体体基板SUBの酸素濃度の範囲や最大値、最小値は、半導体基板SUBの表面のうち素子分離部110の底面を構成する部分より深い部分において、評価されればよい。なお、図9に示したグラフでは、素子分離部110が存在する深さの酸素濃度を省略して記載している。
第2実施形態では、P型領域R3を、その一部の或る部分の正味のP型不純物濃度が、該一部より深い位置の他の一部部分の正味のP型不純物濃度よりも高くなるように構成することにより、該或る部分より深い部分他の一部に空乏層が到達しないようにしている。或る部分とは例えば部分P1であり、他の部分とは、例えばN型の電荷蓄積部でありうるし、例えばP1より深い部分P2〜4でありうる。これにより、N型領域R1‐P型領域R3間の空乏層幅を小さくし、画像中の白キズを抑制することができる。第2実施形態ではN型領域R1のピーク位置Q_R1が、素子分離部STIの深さの半分より深くなるように配されるとよく、好適には、素子分離部STIの底面よりも深い位置に配されてもよい。
第2実施形態は、カラーフィルタ、マイクロレンズ等の光学素子をトランジスタや配線層が設けられた基板の表面側とは反対側(裏面側)に配置した、いわゆる裏面照射型の撮像装置にも適用可能である。その場合、N領域R2やN型領域R4が存在せずに、裏面にP型領域R3が露出して配置されてもよい。裏面照射型の撮像装置では、シリコンウエハとしてのN型領域R4の上に、エピタキシャル成長によって単結晶シリコン層が形成され、当該単結晶シリコン層へのイオン注入によってN型領域R1やP型領域R3等が形成されうる。その後、シリコンウエハや単結晶シリコン層の一部(N型領域R2に相当)は研磨によって除去されるが、研磨の前に酸素が単結晶シリコン層に拡散すれば、上述したようなP型領域に酸素が存在すれば、残像の影響は同様に生じ得る。さらに、青色光のようなシリコンで吸収されやすい光による残像の課題も生じやすくなる。従って、裏面照射型の撮像装置に本発明を適用することは有用である。例えば、光が入射する裏面側に位置するP型領域R3の少なくとも一部を低酸素濃度とすれば、残像の影響を低減することができる。また、空乏層のP型領域R3への広がりを抑制できる構造にすれば、基板の研磨に伴う白キズの影響を低減することもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の思想を逸脱しない限り、適宜に組み合わせが可能であり、その組み合わせは本開示の一部を構成する。また、図面から明らかに把握できる事項、特に各種グラフにおける具体的数値等は、本明細書において明確な記載がなくとも、本開示の一部を構成する。