以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。尚、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[宿泊施設チェックインシステム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100は、本発明の利用予約情報管理システムの一例であり、管理装置10と、複数のチェックイン端末20(本発明の所定の端末装置の一例)と、を含む。宿泊施設チェックインシステム100は、ホテル、旅館等の宿泊施設に導入される。管理装置10は、例えば宿泊施設のフロント、事務室等に配置され、予約を管理する。宿泊施設の管理者又は従業員は、管理装置10を操作することが可能である。チェックイン端末20は、例えば宿泊施設のフロント付近に配置され、宿泊客である利用者自身によるチェックイン手続き(利用許可手続き)及びチェックアウト手続き(利用終了手続き)の操作を受け付ける。管理装置10と複数のチェックイン端末20とは、宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。チェックイン端末20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。図1では、一例として、3台のチェックイン端末20を示している。利用者は、所望のチェックイン端末20を操作する。
ここで、宿泊施設の利用者は、自身の利用者端末30を使用して、例えば、前記宿泊施設が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、利用者端末30から宿泊予約を受け付けて予約を管理する。複数の利用者端末30及び管理装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N2を介して通信可能である。宿泊予約した利用者は、宿泊日に前記宿泊施設を訪れ、チェックイン端末20を操作してチェックイン手続きを行う。
また、宿泊施設は、外国人向けに外国語に対応する宿泊予約ページをWEBサイトに公開する。これにより、外国人の利用者は、利用者端末30において、外国語に対応する宿泊予約ページにアクセスして前記宿泊施設の宿泊予約を行うことが可能である。以下では、主として、利用者が宿泊を予約する宿泊施設の所在地が日本であり、また、利用者が日本に住所を有しない外国人(外国在住者)である場合を例に挙げて、宿泊施設チェックインシステム100の構成について説明する。
[利用者端末30]
図2に示すように、利用者端末30は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。利用者端末30は、宿泊施設を利用する利用者が所有する端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。利用者端末30は、周知の構成を適用することができる。
通信部34は、利用者端末30を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して管理装置10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチキーを含むタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインターフェースである。
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末30に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末30を制御する。
具体的に、制御部31は、受付処理部311、表示処理部312、完了通知取得部313などの各種の処理部を含む。尚、制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
受付処理部311は、利用者が操作表示部33において操作した操作情報を取得する。つまり、受付処理部311は、利用者が操作表示部33を操作したことによって入力された情報を取得する。例えば、受付処理部311は、宿泊施設が運営するWEBサイトにおいて利用者が操作したログイン操作及び予約操作に応じた操作情報(宿泊情報や宿泊者情報を含む)を取得する。
表示処理部312は、各種の情報を操作表示部33に表示させる。例えば、表示処理部312は、前記WEBサイトの宿泊予約ページを操作表示部33に表示させる。また表示処理部312は、その他の各種メッセージを操作表示部33に表示させる。
前記宿泊予約ページには、宿泊日や宿泊日数などの宿泊情報を入力する予約画面D1(図3参照)と、宿泊を望む宿泊者の情報(宿泊者情報)を登録する登録画面D2(図4参照)とが含まれる。図3は、予約画面D1(“Reservations”)の一例を示す図であり、図4は、登録画面D2(“Customer Registration”)の一例を示す図である。
予約画面D1には、宿泊日(“CHECK IN”)、宿泊日数(“NIGHT(S)”)、宿泊人数(“ADULT(S)”)、部屋数(“ROOM(S)”)、宿泊施設に到着する予定の時刻を表す到着予定時刻(“Arrival Time”)、部屋プラン(“PLANS”)などを入力するための入力欄が含まれる。利用者は、図3に示す予約画面D1において所望する宿泊情報を前記入力欄に入力した後、宿泊者情報登録ボタン(“Customer Registration”)を選択操作する。これにより、図4に示す登録画面D2が表示される。利用者は、引き続き、登録画面D2において前記宿泊者情報を登録する。
登録画面D2には、予約者の氏名を表す予約者名(“Name”)、及び宿泊者情報などを入力するための入力欄が含まれる。前記宿泊者情報は、宿泊者の氏名を表す宿泊者名(“Guest Name”)や、宿泊者の国籍(“Country”)、誕生日(“Birthday”)、住所(“Home Address”)、電話番号(“Phone Number”)、メールアドレス(“E-mail Address”)、支払方法(“PAYMENT”)などが含まれる。予約者は、図4に示す登録画面D2において宿泊者情報を登録した後、予約確認ボタン(“CONFIRM RESERVATION”)を選択操作する。これにより、宿泊予約が完了する。
図3及び図4に示す例では、宿泊する本人である利用者A自身が予約者として、利用者A本人のみの部屋の宿泊予約を行う場合を示している。また、図3に示す例では、利用者Aは、2018年7月1日の17:00に宿泊施設に到着する予定であることを示している。また、図4に示す例では、宿泊者名を入力する入力欄331に、宿泊者である利用者Aの氏名「XXX YYY」が入力された例を示している。ここで、利用者Aの氏名(人名)のうち、「XXX」はファーストネーム(名前)であり、「YYY」はラストネーム(苗字)である。ファーストネームを表す「XXX」や、ラストネームを表す「YYY」、後述するミドルネーム「MM」は、本発明のワードに相当する。尚、説明の便宜上、図4の入力欄331には、利用者Aを示す文字「A」が示されており、カッコ書きで利用者Aの氏名(ファーストネーム:XXX、ラストネーム:YYY)が示されている。
ところで、予約をした利用者Aの本来の名前(フルネーム、本名)がミドルネームを含む場合であっても、利用者Aは、予約時に、ミドルネームを省略して、入力欄331に、ファーストネーム及びラストネームだけを入力する場合がある。例えば、ミドルネームを有する人は、普段からミドルネームを省略してファーストネーム(名前)及びラストネーム(苗字)だけを含む人名(省略名)を用いることが多いため、入力欄331にも省略名を記入する場合がある。或いは、宿泊施設が提供する前記WEBサイトの宿泊予約ページがミドルネームの入力欄を設けていない場合は、そもそもミドルネームを入力することができない。このような場合に、従来のチェックインシステムにおいて、ミドルネーム「MM」を含む利用者Aのフルネーム「XXX MM YYY」が検索ワードとしてチェックイン端末20から入力されて、このフルネームで予約情報が検索されると、予約情報がヒットされないという問題が生じうる。これに対して、本実施形態の宿泊施設チェックインシステム100は、以下に説明するように、予約時に予約情報の一つとして登録された宿泊者名と、チェックイン手続き時に入力された人名とが完全に一致していない場合でも、両者が実質的に同等か否かを判定し、同等と判定した場合に、両者の人名を関連付けて、チェックイン端末20の操作者(入力者)の予約情報を特定するよう構成されている。これにより、宿泊施設における利用者のチェックイン手続きが円滑に行われる。
完了通知取得部313は、前記宿泊予約ページにおいて宿泊予約を完了した場合に、管理装置10から送信されてきた予約完了通知を取得する。前記予約完了通知には、予約完了時に管理装置10が発行した予約番号、及び宿泊予約の内容(予約内容)が含まれる。また、前記予約完了通知に、後述のチェックイン端末20におけるチェックイン手続きに利用可能なQRコード(登録商標)などの情報コードが含まれてもよい。前記情報コードには、例えば、利用者(宿泊者)を識別する利用者ID或いは会員ID等の利用者情報、前記予約番号などが含まれてもよい。完了通知取得部313が前記予約完了通知を取得すると、表示処理部312は、予約内容を操作表示部33に表示させる。
例えば、図3及び図4に示す例のように、利用者A自身が本人の宿泊の予約をした場合は、管理装置10は、利用者Aの宿泊予約の内容を示す予約情報を特定するための予約番号(図5のNo.101)を発行し、その予約番号及び前記予約情報を含む予約情報前記予約完了通知を利用者端末30に送信する。ここで、図5には、複数の予約情報が予約番号毎に分けて登録されている予約管理データ121が示されており、当該予約管理データ121は、後述の管理装置10によって管理される。
[管理装置10]
図2に示すように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信部14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、所謂ホテル管理システム(Property Management System)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約を管理する予約管理機能を備えている。尚、管理装置10は、予約管理機能に加えて、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えてもよい。
通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して利用者端末30などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してチェックイン端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインターフェースである。
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述のチェックイン処理(図9参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、これらの制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
また、記憶部12には、利用者端末30から受け付けた宿泊予約の情報(予約情報)を表す予約管理データ121が記憶される。予約管理データ121を記憶する記憶部12は、本発明の予約情報記憶部の一例である。予約管理データ121は、宿泊予約を受け付けた複数の予約情報を含むデータベースであり、各予約情報に含まれる利用者名(宿泊者名)に対してキーワードによる検索処理や照合処理が可能なように記憶部12に記憶管理されている。尚、予約管理データ121は、チェックイン後の利用者の宿泊状況の情報(宿泊情報)を表す宿泊客管理データを兼ねる。そのため、予約管理データ121には、利用者がチェックインしたか否かを示すチェックイン状況や、チェックイン手続き時に旅券のイメージ画像(旅券画像)が読み取られたか否かを示す旅券読取状況、部屋番号などの宿泊情報も含まれている。
図5は、予約管理データ121の一例を示す図である。図5には、2018年7月1日に宿泊施設を利用する複数の利用者に対応する複数の予約情報が予約番号(No.101、102、103、・・・・)ごとに登録された予約管理データ121が示されている。つまり、予約管理データ121には、予約者によって予約された予約内容を示す予約情報が、予約番号ごとに登録管理されている。尚、各予約番号、当該予約番号に対応する予約内容を示す情報(予約情報)は、本発明の利用予約情報の一例である。
予約管理データ121には、予約画面D1(図3参照)及び登録画面D2(図4参照)において入力される宿泊情報及び宿泊者情報が登録される。予約管理データ121には、利用者の属性を表す情報(予約情報や宿泊情報)が含まれる。図5では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、予約時に発行された予約番号、宿泊日、予約者名、宿泊者名、到着予定時刻、宿泊者の国籍、チェックイン状況(チェックインの有無)、旅券読取状況(旅券読取の有無)、部屋番号が示されている。
尚、図5では、図3及び図4に示す例に対応して、利用者Aが予約して登録された利用者A本人の予約内容を含む予約情報(No.101の予約情報)が示されている。また、図5では、他の利用者B〜Fそれぞれの予約情報も示されている。
予約管理データ121における各予約情報に含まれる予約者名及び宿泊者名は、2ワード以上の複数のワードで構成された人名である。例えば、ファーストネームを1つのワードとし、ラストネームを1つのワードとした場合、名前と苗字からなる人名は、2ワードで構成される。例えば、図5においてNo.101で特定される利用者Aの予約情報においては、ファーストネーム「XXX」とラストネーム「YYY」とからなる2ワードで構成された人名(利用者Aの予約時の名称)が登録されている。もちろん、予約管理データ121には、2ワードを超える複数ワードで構成された人名が登録されていてもよい。
また、図5のチェックイン状況の欄には、チェックインが完了したことを示す情報として「済」、又は、チェックインが完了していないことを示す情報として「未」のいずれかが登録される。本実施形態では、チェックイン状況の欄には、チェックインが完了するまではデフォルト値として「未」が登録されている。また、図5の旅券読取状況の欄には、旅券読取が行われたことを示す未入力情報として「済」、旅券読取が行われていないことを示す情報として「未」、又は、旅券読取が不要であることを示す情報として「不要」のいずれかが登録される。利用者が国内在住者である場合、旅券読取状況の欄には、予め「不要」が登録されている。利用者が外国在住者である場合、旅券読取状況の欄には、「済」又は「未」のいずれかが登録されるのであり、旅券画像の読取入力が完了するまではデフォルト値として「未」が登録されている。尚、上述の各デフォルト値は、チェックインが完了し、又は旅券画像の読取入力が完了すると、後述の更新処理部114によって「済」に更新される。
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
具体的に、制御部11は、予約処理部111、予約照合処理部112(本発明の人名照合部の一例)、予約情報取得部113、更新処理部114などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
予約処理部111は、利用者端末30において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、利用者端末30に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約管理データ121(図5参照)に登録する。尚、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と利用者端末30との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在していてもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送られてきた予約情報を予約管理データ121に登録して管理する。
予約照合処理部112は、チェックイン手続きに用いられるチェックイン端末20から予約検索情報(本発明の検索ワードの一例)が入力された場合に、その予約検索情報と前記予約管理データ121に含まれる複数の予約情報に登録された複数の利用者名(宿泊者名)とを照合する予約情報照合処理を行う。この予約情報照合処理は、複数の利用者名それぞれに対して、前記予約検索情報を順次照合する。ここで、前記予約検索情報は、利用者の予約情報を特定することができる利用者固有の情報であり、具体的には、利用者を示す2ワード以上からなる人名又はその人名を情報(以下「人名情報」と総称する。)である。チェックイン端末20に、前記予約検索情報として操作者の前記人名情報が入力されて、そして、チェックイン端末20から送られてきた前記人名情報を管理装置10が受け取ると、予約照合処理部112は、前記予約情報照合処理を実行し、前記人名情報と前記予約管理データ121の予約情報に含まれる利用者名(宿泊者名)とを照合する。
本実施形態では、予約照合処理部112は、最初に、前記人名情報と前記予役情報の宿泊者名とを照合して、前記人名情報と完全に一致する前記宿泊者名があるか否かを判定する完全一致判定処理(完全一致照合処理)を行う。例えば、ミドルネームを含まない氏名(省略名)が予約情報に登録されており、ミドルネームを含むフルネームがチェックイン端末20から入力された場合、両者は一致していないと判定される。また、前記人名情報のファーストネーム及びラストネームの記載順序が予約時の宿泊者名とは逆になっている場合、両者は一致していないと判定される。
尚、前記完全一致判定処理において一致していると判定されると、前記人名情報と前記宿泊者名とが関連付けられ、その後、予約情報取得部113によって、前記人名情報に関連付けられた宿泊者名を含む予約情報が前記予約管理データ121から取得され、チェックイン端末20に送られる。
前記完全一致判定処理において一致してない、つまり、不一致と判定されると、次に、予約照合処理部112は、前記人名情報を構成する複数のワード(以下「人名ワード」という場合がある。)と、前記宿泊者名を構成する複数のワード(以下「利用者名ワード」という場合がある。)とをワード単位で個別に照合し、各ワードの順序に関係なく、各ワードそれぞれが全て互いに一致しているか否かを判定するワード単位判定処理(ワード単位照合処理)を行う。前記ワード単位判定処理は、本発明のワード照合処理の一例である。例えば、ファーストネーム及びラストネームの記載順序が逆の前記人名情報が入力された場合であっても、前記ワード単位判定処理では、ワード単位で照合、判定が行われるので、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定する。また、例えば、記載順序が正しくても、逆であっても、前記宿泊者名に含まれていないワードを含む前記人名情報が入力された場合は、各ワードそれぞれが全て互いに一致していないと判定される。この場合は、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等とは判定されない。
前記ワード単位判定処理において、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定されなかった場合、次に、予約照合処理部112は、前記複数の人名ワードと前記複数の利用者ワードとをワード単位で個別に照合し、前記複数の人名ワードに前記複数の利用者ワードの全てが含まれているか否かの一部一致判定処理(一部一致照合処理)、或いは、前記複数の利用者ワードに前記複数の人名ワードの全てが含まれているか否かの一部一致判定処理(一部一致照合処理)を行う。これらのいずれかの一部一致判定処理において、一方の全てのワードが他方に含まれていると判定されると、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定する。具体的には、前記複数の人名ワード又は前記複数の利用者ワードのいずれかにミドルネームが含まれるか否かを判定し、前記ミドルネームが含まれている場合は、前記複数の人名ワード及び前記複数の利用者ワードから前記ミドルネームが除去され、その後に、前記ワード単位判定処理が行われる。
尚、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定された場合、当該同等である旨の通知がチェックイン端末20に送られ、チェックイン端末20から当該通知に応答して送られてきた確認通知を受け取ると、前記人名情報と前記宿泊者名とが関連付けられ、その後、予約情報取得部113によって、前記人名情報に関連付けられた宿泊者名を含む予約情報が前記予約管理データ121から取得され、チェックイン端末20に送られる。
予約情報取得部113は、後述するチェックイン処理(図9参照)の実行中に、予約照合処理部112によって前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが完全一致していると判定された場合、或いは、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等であると判定された後に前記確認通知を受信した場合に、記憶部12内の予約管理データ121から、前記人名情報に関連付けられた宿泊者名を含む予約情報(チェックイン処理の対象である予約情報)を取得する処理を行う。取得された予約情報は、チェックイン端末20に送られる。
更新処理部114は、宿泊施設における利用者のチェックイン手続きが完了した場合に、予約管理データ121(図5参照)を更新する。例えば、更新処理部114は、後述のチェックイン処理において、利用者(宿泊者)の旅券のイメージ画像(旅券画像)が入力されなかった場合に、前記旅券画像が未入力であることを示す未入力情報を予約管理データ121に登録する。具体的には、前記旅券画像が入力されなかった場合、更新処理部114は、予約管理データ121の旅券読取状況の欄にデフォルト値として登録されている未入力情報を示す「未」を維持する。尚、予約管理データ121の旅券読取状況の欄に前記デフォルト値が予め登録されていない場合、更新処理部114は、予約管理データ121の旅券読取状況の欄に未入力情報を示す「未」を登録する。一方、前記旅券画像が入力された場合、更新処理部114は、予約管理データ121の旅券読取状況の欄に登録されている未入力情報を、旅券読取完了を示す情報「済」に更新する。
[チェックイン端末20]
図2に示すように、チェックイン端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、スピーカ24、読取部25、カメラ26、及び通信部27などを備える。チェックイン端末20は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
図6は、チェックイン端末20の一例を示す外観図である。図6に示すように、チェックイン端末20において、利用者(操作者)は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続きを行う。カメラ26は、チェックイン端末20の上部に設けられており、操作表示部23の上側に設けられている。カメラ26は、例えば利用者の顔画像を撮像する。チェックイン端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、ルームキーを発行するカード発行部、硬貨及び紙幣を投入する投入部などが含まれる。
通信部27は、チェックイン端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインターフェースである。
カメラ26は、利用者の顔を含む画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ26は、ネットワークカメラであってもよい。また、カメラ26は、チェックイン端末20の正面の人を検知するセンサ機能を備えてもよい。スピーカ24は、音声を出力する。例えば、スピーカ24は、チェックイン手続きに関する操作案内を音声で出力する。
読取部25は、読取面に接触されるように対向配置された旅券を読み取って、旅券のイメージ画像(旅券画像)を取得するものであり、所謂スキャナー装置である。また、読取部25は、予約情報を含む前記QRコードを読み取る機能を備えてもよい。読取部25によって読み取られた旅券画像の画像データは、管理装置10に送られて、管理装置10の記憶部12に記憶される。
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部22には、制御部11に後述のチェックイン処理(図9参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、これらの制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、チェックイン端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。尚、前記チェックイン処理プログラムは、通信網N1を介してチェックイン端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりチェックイン端末20を制御する。
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211、在外者判定部212、表示処理部213、旅券読取判定部214、認証処理部215、決済処理部216などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
受付処理部211は、宿泊施設の利用者がチェックイン手続きを行う場合に、チェックイン端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。つまり、受付処理部211は、利用者がチェックイン手続きを行う場合に操作表示部23を操作したことによって入力された情報を取得する。
例えば、利用者が図7、図8に示すトップ画面D11(受付画面)においてチェックインボタン231を押して前記チェックイン手続きの操作を行うと、受付処理部211は、当該操作によって入力された情報を取得する。前記チェックイン手続きには、予約確認を行うために予約情報の検索ワードとして前記人名情報を入力する手続き、利用者が外国人の場合に旅券画像を読み取る手続き、予約番号、電話番号、住所、及び署名などの未登録の情報を入力する手続き、決済手続き、ルームキーを選択する手続きなどが含まれる。
前記人名情報を入力する入力方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、操作者が操作表示部23を操作して、前記人名情報を示すテキスト情報を入力する方法が適用可能である。或いは、チェックイン手続きに利用可能な前記人名情報を含むQRコードをチェックイン端末20の読取部25に読み取らせる方法を適用してもよい。また、チェックイン手続き時に読取部25に旅券画像を読み取らせ、その旅券画像の画像データがOCR処理されることによって旅券画像に含まれる氏名情報が前記人名情報として入力されてもよい。
在外者判定部212は、チェックイン端末20の利用者が外国在住者(在外者)であるか否かを判定する。本実施形態では、チェックイン端末20において利用者の操作によって自身が外国在住者であることを示す指示が入力された場合に、利用者を外国在住者と判定する。具体的には、チェックイン端末20の操作表示部23に図11(A)に示す操作画面D12が表示され、その画面D12中のYESボタンが利用者によって押された場合に、在外者判定部212はその押し操作による操作信号に基づいて、利用者を外国在住者と判定する。ここで、操作画面D12は、利用者に外国在住者であるか否かを選択させるための画面であり、「日本国外に在住でしょうか?」のメッセージとともに、選択可能なYESボタン及びNOボタンが表示された画面である。
尚、在外者判定部212は、カメラ26により撮像された利用者の顔画像に基づいて利用者が外国人であるか否かを判定し、外国人であると判定した場合に、当該利用者を外国在住者とみなす判定を行ってもよい。また、在外者判定部212は、図示しないマイクから入力された利用者の音声に基づいて言語解析を行い、その結果に基づいて利用者が外国人であるか否かを判定し、外国人であると判定した場合に、当該利用者を外国在住者とみなす判定を行ってもよい。また、在外者判定部212は、チェックイン端末20の操作表示部23から利用者の住所が入力された場合に、入力された住所に基づいて当該利用者が外国在住者であるか否かを判定してもよい。
表示処理部213は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部213は、チェックイン手続きに必要な情報を入力させるための画面(トップ画面D11や操作画面D12,D13等の画面)を操作表示部23に表示させる。表示処理部213は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。尚、チェックイン端末20がチェックアウト手続きを行う場合、表示処理部213は、チェックアウト手続きに必要な情報を入力させるための画面を順次、操作表示部23に表示させる。
旅券読取判定部214は、チェックイン端末20において、予約情報に含まれる利用者(宿泊者)を示す本人情報が入力されたか否かを判定する。ここで、前記本人情報は、利用者を証明する利用者本人の旅券のイメージ画像(旅券画像)であり、詳細には、旅券において宿泊者の氏名や写真、性別などの個人情報が掲載されているページのイメージ画像である。本実施形態では、旅券読取判定部214は、読取部25によって旅券画像が読み取られたか否かを判定する。尚、前記本人情報は、例えば、利用者本人の運転免許証などのように、利用者の身分又は身元を証明できる証明書のイメージ画像であってもよい。
また、本実施形態では、在外者判定部212によって、チェックイン端末20の利用者が外国在住者(在外者)であると判定された場合に、旅券読取判定部214は、チェックイン端末20から前記本人情報が入力されたか否かを判定する。
認証処理部215は、管理装置10からチェックイン処理の対象である予約情報を受信した場合に、チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証を行う。例えば、利用者が国内在住者である場合は、入力された前記人名情報に対応する前記予約情報が検索されたことを条件に、当該利用者を認証し、宿泊を許可する。また、利用者が外国在住者である場合は、認証処理部215は、読取部25においてスキャンした旅券画像に含まれる写真と、カメラ26により撮像された利用者の顔画像とが一致する場合に当該利用者を認証し、宿泊を許可する。
決済処理部216は、利用者によるチェックインに必要な情報の入力が完了し、利用者の認証に成功し、更に宿泊が許可された場合に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジットカードをチェックイン端末20のカード挿入部に挿入すると、決済処理部216は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバーに決済要求を送信して決済処理を行う。
決済処理が完了すると、チェックイン端末20は、例えば、ルームキー(カードキー)を利用者に対して発行してチェックイン手続きを完了する。前記チェックイン手続きは、各利用者が個別に行う。
[チェックイン処理]
以下、図9及び図10を参照しつつ、宿泊施設チェックインシステム100において実行されるチェックイン処理の一例について説明する。チェックイン処理は、管理装置10の制御部11及びチェックイン端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部11,21は、前記チェックイン処理プログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン処理の実行を開始する。尚、前記チェックイン処理は、管理装置10及びチェックイン端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
尚、本発明は、前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップを実行する宿泊施設予約管理方法(本発明の利用予約情報管理方法の一例)の発明として捉えることができる。
また、以下に説明する前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、本実施形態では、制御部11,21に対応する複数のプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが分散して実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、1つのプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが実行されてもよい。
また、以下の説明においては、上述した具体な宿泊予約、つまり、ミドルネームを人名に含む利用者Aが自身の宿泊を予約し、その予約情報(No.101の予約情報)が予約管理データ121に含まれており、当該予約情報には、ミドルネームを含まない利用者Aの省略名「XXX YYY」が宿泊者名として登録されている状況を例示して、チェックイン処理を説明する場合がある。また、以下の説明では、利用者Aが、チェックイン手続きにおいてチェックイン端末20を操作するものとする。
図9に示すように、ステップS11において、制御部21は、カメラ26によって撮像された画像データに基づいて、チェックイン端末20の正面に立つ操作者(利用者A)を検知すると、日本語(宿泊施設の国の母国語)で表記されたトップ画面D11(図7参照)をデフォルトの受付画面として操作表示部23に表示する(S12)。
次のステップS13では、制御部21は、操作画面に表示する言語(表示言語)を選択するための言語選択指示が入力されたか否かを判定する。例えば、操作者によって、英語表記を選択するためのボタン233(図7、図8参照)が押されると、その押し操作によって出力された操作信号に基づいて、制御部21は、トップ画面D11の日本語表記を英語表記(図8参照)に変更する(S14)。言い換えると、制御部21は、英語で表記されたトップ画面D11(図8参照)を操作表示部23に表示する。以降、チェックイン手続きが完了するまで、表示言語が「英語」に維持される。その後、処理はステップS15に移行する。尚、ステップS13において、前記言語選択指示が入力されなかった場合、日本語表記のトップ画面D11が表示された状態で、処理はステップS15に移行する。
ステップS15では、制御部21は、チェックイン手続きが開始されたか否かを判定する。例えば、トップ画面D11において、チェックイン手続きを開始するためのチェックインボタン231(図8参照)が押されると、制御部21は、その押し操作によって出力された操作信号に基づいて、チェックイン手続きが開始されたと判定する。尚、ステップS15においてチェックインボタン231が押されるまで、ステップS13〜S15の処理が繰り返される。
ステップS15において、チェックイン手続きが開始されたと判定されると、制御部21は、操作者が在外者であるか否かを判定する(S16)。具体的には、制御部21は、操作者が外国在住者(在外者)であるか否かを確認するための操作画面D12(図11(A)参照)を操作表示部23に表示し、YESボタンが押された場合に操作者を外国在住者と判定し、NOボタンが押された場合に操作者を国内在住者と判定する。ステップS16において、操作者が外国在住者と判定されると、処理はステップS17に移行する。一方、操作者が国内在住者と判定されると、旅券画像を読み取る処理を行うことなく、処理はステップS19に移行する。
ステップS17では、制御部21は、操作者の旅券のイメージ画像(旅券画像)の入力を受け付けるために、操作者の旅券画像を読み取る準備を行う。具体的には、制御部21は、図11(B)に示す操作画面D13を操作表示部23に表示し、読取部25を起動して、読取面に旅券が載置されるまで待機する。読取面に旅券が載置されると、読取部25は、それを検知して自動的に読取動作を開始して、旅券のイメージ画像を取得する。
ステップS18では、制御部21は、旅券のイメージ画像が取得されたか否かを判定する。例えば、読取画像に写真が含まれており、且つ、読取画像をOCR処理して得られるテキスト情報に氏名、旅券番号に相当する情報が含まれている場合に、旅券の必要ページのイメージ画像が取得されたと判定する。旅券画像が取得されると、処理はステップS19に移行する。尚、旅券画像が取得されなかった場合、或いは、旅券画像と判定されなかった場合、制御部21は、再読取を促すメッセージを表示し、その後、再び、操作画面D13を操作表示部23に表示して、再度の読取動作が行われるのを待つ。
ステップS19では、制御部21は、予約検索情報の一例として、操作者の人名を示す前記人名情報を取得する。このとき取得される前記人名情報は、ステップS20において実行される予約情報照合処理に用いられる。ステップS20は、本発明の人名照合ステップの一例である。例えば、制御部21は、操作表示部23に表示された操作画面から操作者の人名が入力された場合に、その人名情報を取得する。或いは、チェックイン端末20の読取部25によってチェックイン手続きに利用可能なQRコードが読み取られた場合に、制御部21は、前記QRコードに含まれる人名情報を取得する。或いは、ステップS18において旅券のイメージ画像が読み取られたと判定された場合に、制御部21は、そのイメージ画像をOCR処理することによって得られるテキスト情報から操作者の人名情報を取得する。
尚、制御部21は、操作者の前記人名情報とともに、操作者の誕生日、住所、電話番号、メールアドレス、予約番号などの各情報を操作画面から入力させて、これらの情報を取得してもよい。
以下においては、便宜上、チェックイン端末20を利用者Aが操作し、その操作中に、利用者Aのフルネーム「XXX MM YYY」が掲載された旅券画像が読取部25によって読み取られ、当該フルネームが前記人名情報として入力された場合について説明する。
ステップS19において操作者の前記人名情報として、利用者Aのフルネーム「XXX MM YYY」が取得されると、制御部21は、利用者Aのフルネームを示す人名情報を管理装置10に送信する。そして、管理装置10では、制御部11は、ステップS20において、記憶部12内の予約管理データ121を参照して、利用者Aの人名情報を用いて予約情報照合処理を行う。予約情報照合処理については後述する。
ステップS20の予約情報照合処理が成功すると、制御部11は、ステップS21において、記憶部12内の予約管理データ121を参照して、前記人名情報に関連付けられた宿泊者名を含む予約情報を前記予約管理データ121から取得し、当該予約情報が管理装置10からチェックイン端末20に送信する。
チェックイン端末20では、制御部21が、その予約情報を操作表示部23に表示する(S21)。その後、操作者が操作画面を操作したことによって、表示内容が正しいことを示す確認指示が入力されると(S22のYes側)、制御部21は、ステップS18において取得された旅券画像を管理装置10の記憶部12に保管する処理を行う(S23)。具体的には、取得した旅券画像のデータを管理装置10に送信して、記憶部12に格納する。
一方、ステップS22において、操作者が操作画面を操作したことによって、表示内容が誤っていることを示す操作指示が入力された場合は、宿泊施設の従業員を呼び出す呼び出し処理が行われ(S24)、その後、所定のタイムアウト時間が経過すると、一連の処理が終了する。
次のステップS25では、管理装置10の制御部11は、予約管理データ121における予約情報を更新する処理を行う。具体的には、制御部11の更新処理部114が、予約管理データ121の予約情報の旅券読取状況の欄に登録されている未入力情報を、旅券読取完了を示す情報「済」に更新する。例えば、利用者Aの宿泊予約に対応するチェックイン処理においては、利用者Aの旅券画像が登録された場合に、利用者Aの予約情報(No.101の予約情報)の旅券読取状況の欄が「済」に変更される。
その後、制御部21は、操作者によるチェックイン手続きに必要な情報の入力が完了し、操作者の認証にも成功すると、次のステップS26において、操作者(利用者A)の宿泊を許可する。その後、宿泊料金の支払い関する決済処理が行われ(S27)、ルームキー(カードキー)を操作者に対して発行する処理が行われ(S28)、一連のチェックイン処理が終了する。
以下、図10を参照して、上述のチェックイン処理において実行される予約情報照合処理の一例について説明する。
図10に示すように、ステップS19において、利用者Aのフルネームを示す前記人名情報が取得されると、管理装置10の制御部11は、ステップS41において、上述した完全一致判定処理を行う。例えば、操作者である利用者Aがチェックイン端末20に前記人名情報としてフルネーム「XXX MM YYY」を入力した場合、予約管理データ121から、前記フルネームを宿泊者名に含む予約情報を検索する処理が行われる。かかる処理は、同じ宿泊日の全ての予約情報に登録されている全ての宿泊者名を対象に行われ、全ての宿泊者名に対して前記人名情報を順次照合することにより行われる。ここで、利用者Aの予約情報に含まれている省略名「XXX YYY」と前記フルネームとは完全に一致しない。この場合、次のステップS42では、制御部11は、省略名「XXX YYY」と前記フルネームとが照合された場合でも、これらは一致すると判定されない。したがって、ステップS42では、制御部11は、入力された人名情報と一致する宿泊者名は存在しないと判定し、つまり、不一致と判定する。尚、利用者Aがチェックイン端末20に前記省略名を入力した場合は、ステップS42において、完全一致していると判定されて、その後、上述したステップS21(図9参照)以降の処理が行われる。
ステップS42において不一致と判定されると、次のステップS43において、制御部11は、上述したワード単位判定処理を行う。具体的には、利用者Aがチェックイン端末20に前記人名情報としてフルネーム「XXX MM YYY」を入力した場合、このフルネームが三つのワード「XXX」、「MM」、「YYY」に分けられる。また、予約管理データ121の各予約情報に含まれる宿泊者名も、複数のワードに分けられる。前記宿泊者名が利用者Aの省略名「XXX YYY」である場合は、当該省略名が二つのワード「XXX」、「YYY」に分けられる。
そして、制御部11は、入力された人名情報と、予約管理データ121の各予約情報に含まれる宿泊者名とをワード単位で個別に照合し、各ワードそれぞれが全て互いに一致しているか否かを判定する。ここで、利用者Aの予約情報に含まれている省略名「XXX YYY」と前記フルネームとは、ワード単位においても一致していない。この場合、次のステップS44では、制御部11は、入力された人名情報と一致する宿泊者名は存在しないと判定し、つまり、ワード単位で不一致と判定する。尚、利用者Aがチェックイン端末20に前記省略名の順序を逆にした人名情報を入力した場合は、ステップS44において、ワード単位において一致している。そのため、この場合は、制御部11は、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定し、つまり、ワード単位で一致していると判定する。その後、処理は、ステップS48に移行する。
ステップS44において不一致と判定されると、次のステップS45において、制御部11は、チェックイン端末20から利用者Aによって入力された人名情報にミドルネームが含まれるか否かを判定する。例えば、入力された人名情報が3つ以上のワードからなるものである場合は、前記人名情報にミドルネームが含まれていると判定する。ここで、ミドルネームが前記人名情報に含まれていると判定されると、処理はステップS46に進む。一方、ミドルネームが前記人名情報に含まれていないと判定されると、処理は上述のステップS24(図9参照)に進む。この場合は、操作者が予約した予約情報が検索されないまま、呼び出し処理が行われた後に、一連の処理が終了する。
ステップS45においてミドルネームがあると判定されると、次のステップS46において、制御部11は、上述した一部一致判定処理を行う。具体的には、制御部11は、前記人名情報「XXX MM YYY」から分けられた三つのワード「XXX」、「MM」、「YYY」と、予約管理データ121の各予約情報に含まれる宿泊者名から分けられた複数のワードとをワード単位で照合し、一方の複数のワードに他方の複数のワードが全て含まれているか否かを判定する。例えば、制御部11は、三つのワード「XXX」、「MM」、「YYY」と、利用者Aの省略名から分けられた二つのワード「XXX」、「YYY」とを照合して判定した場合、前記人名情報から分けられた前記三つのワード「XXX」、「MM」、「YYY」に、前記省略名から分けられた前記二つのワード「XXX」、「YYY」の全てが含まれていると判定する。この場合、前記人名情報と前記予約情報の前記宿泊者名とが同等と判定される。その後、処理は、ステップS48に移行する。
一方、ステップS46の一部一致判定処理において、一方の複数のワードに他方の複数のワードが全て含まれていないと判定されると、処理は上述のステップS24(図9参照)に進む。この場合は、操作者が予約した予約情報が検索されないまま、呼び出し処理が行われた後に、一連の処理が終了する。
尚、仮に、利用者Aの予約情報にフルネームの宿泊者名が登録されており、チェックイン手続きにおいてチェックイン端末20から前記人名情報として前記省略名が入力された場合は、制御部11は、宿泊者名から分けられた前記三つのワード「XXX」、「MM」、「YYY」に、前記人名情報から分けられた前記二つのワード「XXX」、「YYY」の全てが含まれていると判定し、両者を同等と判定する。
ステップS44及びステップS47において一致すると判定された場合、次のステップS48では、制御部11は、入力された前記人名情報と、一致すると判定された予約情報の宿泊者名とを関連付けて、当該宿泊者名の情報を記憶部12の予約管理データ121から抽出し、チェックイン端末20に送信(出力)する。この宿泊者情報がチェックイン端末20で受信されると、制御部21は、宿泊者情報に基づいて、宿泊者名を操作表示部23に表示する。具体的には、制御部21は、操作者に、検索された宿泊者名が正しいかどうかを確認させるための操作画面D14(図11(C)参照)を操作表示部23に表示する。そして、制御部21は、次のステップS49において、操作者が操作画面D14を操作して入力された操作情報に基づいて、表示された宿泊者名が正しいかどうかを判定する。例えば、操作画面D14のYESボタンが操作者によって押された場合は、その押し操作によって入力された操作情報に基づいて、表示した宿泊者名が正しいと判定する。この場合、上述したステップS21(図9参照)以降の処理が行われる。一方、NOボタンが押された場合は、表示した宿泊者名が誤りであると判定する。この場合、処理は上述のステップS24(図9参照)に進み、操作者が予約した予約情報が検索されないまま、呼び出し処理が行われた後に、一連の処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100において、上述したチェックイン処理、及び当該チェックイン処理における予約情報照合処理(S20)が行われるため、記憶部12の予約管理データ121に含まれる複数の予約情報それぞれに登録されている複数の宿泊者名と、チェックイン手続き時に操作者によって入力された人名情報とが完全一致しない場合でも、両者が実質的に同じであると判定された場合は、両者を同等と判定して、両者を関連付けることにより、操作者に対して宿泊施設のチェックインを許可することができる。その結果、宿泊施設のチェックイン端末20においてチェックイン手続きが円滑に行われることになり、利用者の待ち時間を短縮することができる。
また、上述の予約情報照合処理では、ワード単位判定処理(S43)や一部一致判定処理(S46)は、完全一致判定処理において不一致と判定された後に行われる。このため、最初からワード単位判定処理や一部一致判定処理などの負担の大きい処理が行われる場合に比べて、宿泊施設チェックインシステム100における処理負担を軽減することができる。また、結果的に、利用者のチェックイン手続きを迅速に行うことが可能となる。
尚、上述の実施形態では、予約管理データ121が複数の予約情報を含んでおり、これら複数の予約情報それぞれに登録された宿泊者名と、チェックイン端末20に入力された人名情報とを照合する例について説明したが、本発明はこの処理例に限られない。例えば、予約管理データ121に含まれる一つの予約情報に対して上述の予約情報照合処理が行われてもよい。
また、上述の実施形態では、予約情報照合処理(S20)において、一部一致判定処理(S46)を行う例について説明したが、例えば、ステップS45においてミドルネームがあると判定された場合であって、そのミドルネームを特定できる場合は、一部一致判定処理を行わずに、入力された人名情報からミドルネームを除去し、ミドルネームが除去されたのちの人名情報と宿泊者名とに対して、ステップS43のワード単位判定処理を行ってもよい。この場合、ワード単位判定処理よりも処理負担の大きい一部一致判定処理が行われずに済むため、照合処理の負荷が軽減し、照合処理が迅速に行われる。
尚、ミドルネームを特定する処理としては、例えば、ミドルネームの候補となる複数の候補名を予め記憶部12に記憶しておき、これらの候補名と前記人名情報の各ワードとを照合する処理が考えられる。また、前記人名情報に含まれるミドルネームが、操作表示部23に設けられたミドルネーム入力欄から入力された場合は、当該入力欄に入力された名称をミドルネームと特定することができる。
また、上述の実施形態では、宿泊施設に適用される宿泊施設チェックインシステム100を例示したが、本発明は宿泊施設以外の施設にも適用可能である。例えば、ゴルフ場などの娯楽施設におけるチェックイン手続きやチェックアウト手続き、映画館や美術館、或いは行政サービスなどを行う施設などにおける入館退館手続き、空港における搭乗手続き、港で行われる乗船手続きなどにも適用可能である。