以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[宿泊施設チェックインシステム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100は、本発明の施設利用管理システムの一例であり、管理装置10と、複数のチェックイン端末20と、複数の利用者端末30とを含む。宿泊施設チェックインシステム100は、ホテル、旅館等の宿泊施設に導入される。管理装置10は、例えば宿泊施設のフロント、事務室等に配置され、予約を管理する。宿泊施設の管理者又は従業員は、管理装置10を操作することが可能である。チェックイン端末20は、本発明の操作端末の一例であり、例えば宿泊施設のフロント付近に配置され、宿泊客である利用者によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きなどの操作を受け付ける。管理装置10と複数のチェックイン端末20とは、宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。チェックイン端末20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。図1では、一例として、3台のチェックイン端末20を示している。利用者は、所望のチェックイン端末20を操作する。なお、管理装置10は、宿泊施設の外部に配置され、通信網N1を介して複数のチェックイン端末20と通信してもよい。
ここで、宿泊施設の利用者は、自身の利用者端末30を使用して、例えば、前記宿泊施設が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網N1を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば前記予約サーバーは、利用者から予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に前記予約情報を管理装置10に通知する。複数の利用者端末30及び管理装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N2を介して通信可能である。宿泊予約した利用者は、宿泊日に前記宿泊施設を訪れ、チェックイン端末20を操作してチェックイン手続きを行う。また利用者は、必要に応じてチェックイン端末20を操作してチェックアウト手続きを行う。さらに、利用者は、利用者端末30をルームキーとして利用することが可能である。
[利用者端末30]
図2に示されるように、利用者端末30は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信インターフェース34などを備える。利用者端末30は、宿泊施設を利用する利用者が所有する端末装置(モバイル端末)であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような携帯可能な情報処理装置である。利用者端末30は、本発明の携帯端末の一例である。
通信インターフェース34は、利用者端末30を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して管理装置10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末30に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末30を制御する。
具体的に、制御部31は、受付処理部311、表示処理部312、モバイルキー取得処理部313、通知処理部314などの各種の処理部を含む。尚、制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
受付処理部311は、利用者が操作表示部33において操作した操作情報を取得する。例えば、受付処理部311は、宿泊施設が運営するWEBサイトにおいて利用者が操作したログイン操作及び予約操作に応じた操作情報を取得する。また、受付処理部311は、前記モバイルキーを利用するための操作(後述)に応じた操作情報を取得する。
表示処理部312は、各種の情報を操作表示部33に表示させる。例えば、表示処理部312は、前記WEBサイトの宿泊予約ページを操作表示部33に表示させる。また表示処理部312は、前記モバイルキーに関する情報(後述)を操作表示部33に表示させる。また表示処理部312は、その他の各種メッセージを操作表示部33に表示させる。
前記宿泊予約ページには、宿泊情報を入力する予約画面、宿泊者情報を登録する登録画面などが含まれる。前記予約画面には、宿泊日、宿泊日数、宿泊人数、部屋数、宿泊施設に到着する予定の時刻を表す到着予定時刻、部屋プランなどが含まれる。利用者は、前記予約画面において宿泊情報を入力した後、前記登録画面において宿泊者情報を登録する操作を行う。前記登録画面には、予約者の氏名を表す予約者名、宿泊者の氏名を表す宿泊者名、国籍、誕生日、住所、電話番号、メールアドレス、支払方法などが含まれる。利用者は、前記登録画面において宿泊者情報を登録した後、予約を確認させる操作を行うと宿泊予約が完了する。
制御部31は、前記宿泊予約ページにおいて宿泊予約を完了した場合に、管理装置10から予約完了通知を取得する。前記予約完了通知には、宿泊予約の内容(予約内容)が含まれる。また、前記予約完了通知に、チェックイン手続きに利用可能なQRコード(登録商標)などの情報コードが含まれてもよい。前記情報コードには、例えば利用者(宿泊者)を識別する利用者ID、会員ID等の利用者情報、予約管理番号などが含まれてもよい。制御部31が前記予約完了通知を取得すると、表示処理部312は、予約内容を操作表示部33に表示させる。
モバイルキー取得処理部313は、利用者がチェックイン手続きにおいて、宿泊する部屋(客室)の解錠を行うためのルームキーとしてモバイルキーを選択した場合に、管理装置10から前記モバイルキーを取得する。前記モバイルキーは、利用者端末30と前記部屋の入り口に設置される解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して前記部屋の解錠を行う電子情報キーである。前記通信処理は、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に準じた通信手段が利用可能である。例えば、前記モバイルキーを取得した利用者端末30が前記解錠装置に近接すると、前記解錠装置が前記通信処理を介して前記モバイルキーの識別情報(部屋IDなど)の照合を行い、照合に成功すると前記部屋を解錠する。前記モバイルキーは、QRコードなどの情報コードを利用したものでもよい。前記情報コードを利用したモバイルキーでは、前記解錠装置は、前記情報コードを読み取る読取部を備える。前記モバイルキーは、本発明の第1キーの一例である。
また、モバイルキー取得処理部313が前記モバイルキーを取得すると、表示処理部312は、前記モバイルキーを取得したことを表す画面(図8参照)を操作表示部33に表示させる。利用者は、図8に示す画面において「受領」ボタンK3を押下することにより、前記モバイルキーを利用することが可能となる。モバイルキー取得処理部313の具体例は後述する。
通知処理部314は、利用者端末30において前記モバイルキーが受領されたことを示す受領情報を管理装置10に通知する。例えば、図8に示す画面において利用者が「受領」ボタンK3を押下した場合に、通知処理部314は、前記受領情報を管理装置10に通知する。前記受領情報は、前記モバイルキーが利用者端末30に取得され、部屋の解錠キーとして利用可能となったことを示す情報である。
[管理装置10]
図2に示されるように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信インターフェース14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、所謂ホテル管理システム(Property Management System)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約管理に加えて、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えてもよい。また、管理装置10は、各部屋の入り口に設置される前記解錠装置と通信して解錠処理を行う機能(モバイルキーシステム)を備えてもよい。なお、前記モバイルキーシステムは、管理装置10の外部に配置され、通信網N2を介して管理装置10と通信してもよい。
通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して利用者端末30などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してチェックイン端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述のチェックイン処理(図12及び図13参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記チェックイン処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
また、記憶部12には、利用者端末30から受け付けた宿泊予約の情報を表す予約情報121(予約情報データベース)と、利用者のチェックイン状況を表すチェックイン情報122(チェックイン情報データベース)とが記憶される。
図3は、予約情報121の一例を示す図である。図3に示す例では、2019年7月1日に宿泊施設を利用する利用者(宿泊者)の予約情報121を示している。予約情報121には、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報が登録される。予約情報121には、利用者の属性を表す情報が含まれる。図3では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、宿泊日、宿泊者名、予約者名、到着予定時刻、メールアドレスを示している。前記メールアドレスは、利用者が宿泊施設に持参する利用者端末30に設定されるメールアドレスである。前記メールアドレスは、前記予約完了通知の送信処理、前記モバイルキーの送信処理などに利用される。チェックイン情報122(図11参照)の詳細は後述する。
また、記憶部12に、前記モバイルキーを利用可能な利用者の情報(会員情報)を記憶してもよい。例えば、利用者は事前に利用者端末30に前記モバイルキーを利用するためのアプリケーションをインストールしてID及びパスワード等の情報を入力して会員登録を行う。会員登録された利用者は、前記モバイルキーを利用することが可能となる。なお、予約情報121、チェックイン情報122、及び前記会員情報の少なくともいずれかが、通信網N1,N2等に接続されたサーバー、例えば前記ホテル管理システム(PMS)に記憶されてもよい。
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
具体的に、制御部11は、予約処理部111、モバイルキー発行処理部112、受領処理部113、通知処理部114などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
予約処理部111は、利用者端末30において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、利用者端末30に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約情報121(図3参照)に登録する。また、チェックイン処理(図12及び図13参照)を実行する場合、予約処理部111は、記憶部12から対象日(当日)の予約情報121を取得する。
なお、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と利用者端末30との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在していてもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送られてきた予約情報を予約情報121に登録して管理する。
モバイルキー発行処理部112は、チェックイン端末20からモバイルキー発行要求を取得した場合に、前記モバイルキーを利用者端末30に発行するための処理(モバイルキー発行処理)を実行する。ここで、前記モバイルキーは、利用者が宿泊する部屋の解錠を行うために必要な情報であり、例えば利用者が宿泊する部屋の識別情報(部屋ID)、宿泊日を示す宿泊日情報などが含まれる。前記モバイルキー発行処理において、モバイルキー発行処理部112は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われ、チェックイン端末20からモバイルキー発行要求を取得すると、当該モバイルキー発行要求を前記モバイルキーシステムに送信(通知)する。前記モバイルキーシステムは、管理装置10から前記モバイルキー発行要求を取得すると、例えば当該利用者の利用者端末30にインストールされた前記アプリケーションに、当該利用者に対応する前記モバイルキーの前記各情報を送信する。前記各情報を取得した利用者端末30は、前記アプリケーションを起動させることにより前記モバイルキーとして機能する。例えば、利用者端末30及び前記解錠装置においてBluetooth通信により照合に成功すると前記部屋が解錠される。なお、管理装置10は、前記モバイルキーシステムの機能を備えてもよく、この場合には、モバイルキー発行処理部112が前記モバイルキーを前記利用者端末に発行する。モバイルキー発行処理部112は、本発明の第1発行処理部の一例である。
受領処理部113は、利用者端末30から前記受領情報を取得する。受領処理部113は、本発明の受領処理部の一例である。例えば、受領処理部113は、利用者端末30において利用者から前記モバイルキーを受領する操作(図8参照)が受け付けられた場合に前記受領情報を取得する。
通知処理部114は、受領処理部113が利用者端末30から前記受領情報を取得すると、当該受領情報をチェックイン端末20に通知する。なお、通知処理部114は、受領処理部113が利用者端末30から前記受領情報を取得したことを示す情報をチェックイン端末20に通知してもよい。
また制御部11は、宿泊施設における利用者のチェックイン手続きが完了した場合に、チェックイン情報122(図11参照)を更新する。図11に示すように、チェックイン情報122には、宿泊日当日の利用者名(宿泊者名)、チェックインが完了したか否かを示すチェックイン状況、部屋番号、ルームキーの種別(モバイルキー又はカードキー)、ルームキーの識別情報などが含まれる。
[チェックイン端末20]
図2に示されるように、チェックイン端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、カードキー発行部24、読取部25、通信インターフェース26、カメラ27(図4参照)などを備える。チェックイン端末20は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。図4は、チェックイン端末20の一例を示す外観図である。図4に示すように、チェックイン端末20において、利用者は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを行う。カメラ27は、操作表示部23の上部に設けられており、例えば利用者の顔画像を撮像する。チェックイン端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、硬貨及び紙幣を投入する金銭投入部なども含まれる。
通信インターフェース26は、チェックイン端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
カメラ27は、利用者の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ27は、ネットワークカメラであってもよい。また、カメラ27は、チェックイン端末20の前の人を検知するセンサ機能を備えてもよい。
読取部25は、QRコードなどの情報コードを読み取る。また読取部25は、利用者の旅券(パスポート)、身分証明書などをスキャンする機能を備えてもよい。
カードキー発行部24は、前記ルームキーの一つであるカードキー(物理キー)を発行(排出)する。利用者がチェックイン手続きにおいて前記ルームキー(モバイルキー又はカードキー)のうち前記カードキーを選択した場合に、カードキー発行部24は、制御部21の指示に基づいて前記カードキーを発行する。例えば、カードキー発行部24は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われると、当該利用者に対応する情報(部屋ID、宿泊日情報など)を記憶させたICカード型の前記カードキーをチェックイン端末20から排出する。前記カードキーは、前記解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して前記部屋の解錠を行うICカードキーである。前記通信処理は、例えば非接触ICカードを利用した近距離無線通信手段が利用可能である。例えば、利用者は前記カードキーを前記解錠装置に近接させると、前記解錠装置が前記通信処理を介して前記カードキーの識別情報(部屋IDなど)の照合を行い、照合に成功すると前記部屋を解錠する。
前記カードキーは、ICカードに限定されず、磁気カードであってもよい。前記カードキーは、本発明の第2キーの一例である。なお、本発明の第2キーは、前記カードキーに限定されず、鍵穴に挿入して施錠及び解錠を行うキーであってもよいし、QRコードなどの情報コードが紙媒体等に印刷された情報コードキーであってもよい。すなわち、本発明の第2キーは、前記モバイルキーとして機能する利用者端末30とは異なる物理キーであって、チェックイン端末20から排出される物理的媒体で構成されるキーである。
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述のチェックイン処理(図12及び図13参照)を実行させるためのチェックイン処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記チェックイン処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、チェックイン端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。尚、前記チェックイン処理プログラムは、通信網N1を介してチェックイン端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりチェックイン端末20を制御する。
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、ルームキー発行処理部214、判定処理部215などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記チェックイン処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックイン処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
受付処理部211は、宿泊施設の利用者がチェックイン端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。例えば、利用者が図5に示すチェックイン画面において前記チェックイン手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックイン手続きには、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする手続き、予約番号、氏名、電話番号、住所など宿泊者情報を入力する手続き、決済手続き、ルームキー(モバイルキー又はカードキー)を選択(図6参照)する手続きなどが含まれる。尚、利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、利用者端末30(携帯端末)に表示されたQRコードを読取部25(図4参照)に翳した場合に、受付処理部211が、読み取った前記QRコードに含まれる前記宿泊者情報を取得してもよい。
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。尚、チェックイン端末20がチェックアウト手続きを行う機能を備える場合、チェックアウト手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。操作画面の具体例は後述する。
チェックイン処理部213は、チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証を行う。例えば、チェックイン処理部213は、管理装置10に記憶される予約情報121(図3参照)を参照して、利用者が入力した情報が予約情報121に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。また、チェックイン処理部213は、読取部25においてスキャンした旅券画像と、カメラ27により撮像された利用者の顔画像とが一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可してもよい。
またチェックイン処理部213は、利用者によるチェックインに必要な情報の入力が完了し、利用者の認証に成功した場合に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジットカードをチェックイン端末20のカード挿入部に挿入すると、チェックイン処理部213は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバーに決済要求を送信して決済処理を行う。チェックイン処理部213は、本発明のチェックイン処理部の一例である。
ルームキー発行処理部214は、例えば前記チェックイン手続きにおいて前記決済処理が完了するとルームキー(モバイルキー又はカードキー)を発行するルームキー発行処理を行う。前記ルームキー発行処理は、前記チェックイン処理に含まれる。なお、前記ルームキー発行処理は、前記チェックイン処理のうちいずれのタイミングで実行されてもよい。具体的には、前記ルームキー発行処理において、利用者が前記モバイルキーの使用資格者に、表示処理部212は図6に示すルームキー発行画面を表示させて、受付処理部211は当該ルームキー発行画面において利用者から前記モバイルキー及び前記カードキーのいずれかを選択する操作(キー選択操作)を受け付ける。なお、利用者が前記モバイルキーの使用資格者でない場合には、表示処理部212は前記モバイルキーを選択する画面を表示させず、受付処理部211は前記カードキーのみを選択する操作を受け付ける。ここで、ルームキー発行処理部214は、記憶部12の前記会員情報を参照して利用者が前記アプリケーションの登録会員である場合に、当該利用者を前記モバイルキーの使用資格者であると判定してもよいし、利用者が宿泊施設の登録会員(会員カード所有者など)である場合に、当該利用者を前記モバイルキーの使用資格者であると判定してもよい。また、前記会員情報が前記ホテル管理システム(PMS)に記憶される場合には、ルームキー発行処理部214は、前記ホテル管理システムに照会して利用者が前記アプリケーションの登録会員であるか否かを判定する。受付処理部211が利用者から前記モバイルキーを選択する操作を受け付けた場合、ルームキー発行処理部214は、前記モバイルキー発行要求を管理装置10に出力する。一方、受付処理部211が利用者から前記カードキーを選択する操作を受け付けた場合、ルームキー発行処理部214は、前記カードキーの発行指示をカードキー発行部24に出力する。受付処理部211は、本発明の受付処理部の一例である。またルームキー発行処理部214は、本発明の第2発行処理部の一例である。
判定処理部215は、管理装置10から利用者端末30に前記モバイルキーが発行された場合に、管理装置10が前記受領情報を取得したか否かを判定する。例えば、判定処理部215は、管理装置10が前記モバイルキーを発行してから所定時間経過するまでの間に前記受領情報を取得したか否かを判定する。判定処理部215は、管理装置10から取得する前記受領情報又は前記受領情報に関する通知に基づいて前記判定処理を実行する。判定処理部215は、本発明の判定処理部の一例である。
ここで、判定処理部215により管理装置10が前記受領情報を取得しなかったと判定された場合、ルームキー発行処理部214は、前記カードキーの発行指示をカードキー発行部24に出力する。すなわち、ルームキー発行処理部214は、前記モバイルキーが利用者端末30に正常に発行されなかった場合に、前記モバイルキーの代わりに前記カードキーをチェックイン端末20から発行させる。
制御部21は、利用者に対して前記ルームキーの発行を完了すると、前記チェックイン処理を終了してチェックイン手続きを終了する。前記チェックイン手続きは、各利用者が個別に行う。また、複数のチェックイン端末20は、並行して前記チェックイン処理を行うことが可能である。
[チェックイン処理]
以下、図12及び図13を参照しつつ、宿泊施設チェックインシステム100において実行されるチェックイン処理の一例について説明する。チェックイン処理は、管理装置10の制御部11及びチェックイン端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部11,21は、利用者がチェックイン端末20においてチェックイン手続きを開始する操作を行う度に前記チェックイン処理プログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン処理の実行を開始する。尚、前記チェックイン処理は、管理装置10及びチェックイン端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
尚、本発明は、前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップを実行するチェックイン方法(本発明の施設利用管理方法の一例)の発明として捉えることができる。
また、ここで説明する前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11,21に対応する複数のプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが分散して実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、1つのプロセッサーによって前記チェックイン処理における各ステップが実行されてもよい。
ここでは、図3〜図11に示す具体例を挙げて前記チェックイン処理について説明する。
先ずステップS11において、チェックイン端末20の制御部21(受付処理部211)は、チェックイン端末20のチェックイン画面(図5参照)において利用者から前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けると、当該操作情報を取得する。制御部21は、前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けるまで待機する。制御部21が前記操作情報を取得すると、処理はステップS12に移行する。
ステップS12において、制御部21(受付処理部211)は、前記チェックイン手続きの操作画面(不図示)において利用者から宿泊者情報の入力操作を受け付ける。例えば、制御部21は、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする操作、予約番号、氏名、電話番号、住所などの宿泊者情報を入力する操作を受け付ける。
次にステップS13において、制御部21(チェックイン処理部213)は、前記チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証処理を実行する。前記認証処理では、制御部21は、管理装置10に記憶される予約情報121(図3参照)を参照して、利用者が入力した前記宿泊者情報が予約情報121に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。例えば、制御部21は、利用者が外国人の場合に旅券を確認する処理、予約番号、氏名、電話番号、住所などの前記宿泊者情報が予約情報121に一致するか否かを確認する処理(予約確認処理)を行う。利用者が認証された場合(S13:YES)、処理はステップS14に移行する。
一方、利用者が認証されなかった場合(S13:NO)、処理はステップS16に移行する。ステップS16では、制御部21(チェックイン処理部213)は、チェックイン端末20におけるチェックイン手続きを中止して、利用者をフロントへ案内するメッセージなどを操作表示部23に表示させる。その後、前記チェックイン処理は終了する。
ステップS14では、制御部21(チェックイン処理部213)は、宿泊料金の支払い関する決済処理を行う。なお、前記決済処理は、前記チェックイン処理に含まれず、チェックアウト処理に含まれてもよい。
次にステップS15において、制御部21(ルームキー発行処理部214)は、ルームキー(モバイルキー又はカードキー)を発行するルームキー発行処理を行う。図13は、前記ルームキー発行処理の一例を示すフローチャートである。なお、前記決済処理が例えば予約時にオンライン決済等により事前に実行される場合には、前記決済処理は前記チェックイン処理から省略される。この場合、制御部21は、利用者が認証された場合(S13:YES)に前記ルームキー発行処理を行う。また、前記チェックイン処理に、宿泊者台帳への登録処理、領収書発行処理、朝食券、駐車券などの発券処理などが含まれる場合、制御部21は、これらの処理が終了した後、すなわち前記チェックイン処理の最終処理として前記ルームキー発行処理を行う。
前記ルームキー発行処理では、先ずステップS21において、制御部21は、記憶部12の前記会員情報を参照して利用者が前記アプリケーションの登録会員であるか否かを判定する。なお、前記会員情報が前記ホテル管理システム(PMS)に記憶される場合には、制御部21は、前記ホテル管理システムに照会して利用者が前記アプリケーションの登録会員であるか否かを判定する。利用者が前記登録会員である場合には処理はステップS22に移行し、利用者が前記登録会員でない場合には処理はステップS30に移行する。
ステップS22において、制御部21は、ルームキー発行画面(図6参照)をチェックイン端末20の操作表示部23に表示させ、ステップS23において、利用者から前記モバイルキー及び前記カードキーのいずれかを選択する操作を受け付ける。前記ルームキー発行画面において利用者が前記モバイルキーを選択した場合(S23:YES)、処理はステップS24に移行する。一方、前記ルームキー発行画面において利用者が前記カードキーを選択した場合(S23:NO)、処理はステップS30に移行する。
ステップS24において、制御部21は、前記モバイルキー発行要求を管理装置10に出力する。また制御部21は、前記モバイルキー発行要求を管理装置10に出力すると、モバイルキーを発行したことを示すモバイルキー発行画面(図7参照)をチェックイン端末20の操作表示部23に表示させる。前記モバイルキー発行画面には、利用者端末30において「受領」を選択するように促すメッセージが表示される。
次にステップS25において、管理装置10の制御部11(モバイルキー発行処理部112)は、チェックイン端末20から前記モバイルキー発行要求を取得すると、前記モバイルキーを利用者端末30に発行する。具体的には、制御部11は、利用者の利用者端末30にインストールされた前記アプリケーションに、当該利用者に対応する部屋ID、宿泊日情報を含む前記モバイルキー(キー情報)を送信(発行)する。ステップS25は、本発明の第1発行ステップの一例である。
次にステップS26において、チェックイン端末20の制御部21(判定処理部215)は、管理装置10が前記モバイルキーに対する前記受領情報を取得したか否かを判定する。例えば、管理装置10の制御部11が前記モバイルキーを利用者端末30に発行して、利用者端末30が前記モバイルキーを取得すると、利用者端末30は、前記モバイルキーを取得したことを示すメッセージ、前記モバイルキーを使用可能(有効)にするための操作(「受領」ボタンK3の押下)を促すメッセージなどを操作表示部33に表示させる(図8参照)。図8に示す画面において、利用者が「受領」ボタンK3を押下すると、利用者端末30の制御部31(通知処理部314)は、利用者端末30において前記モバイルキーが受領されたことを示す前記受領情報を管理装置10に通知する。管理装置10の制御部11は、利用者端末30から前記受領情報を取得すると、当該受領情報又は当該受領情報に関する通知をチェックイン端末20に通知する。これにより、チェックイン端末20は、管理装置10が利用者端末30から前記受領情報を取得したと判定する。
ここで、管理装置10と利用者端末30との間の通信状態が正常である場合には、上述のように、管理装置10は、前記モバイルキーを発行してから所定時間経過するまでの間に利用者端末30から前記受領情報を取得することが可能である。しかし、管理装置10と利用者端末30との間の通信障害などが発生した場合には、管理装置10は、前記モバイルキーを発行した後、利用者端末30から前記受領情報を取得できない。この場合、利用者端末30は前記モバイルキーを取得できないため、利用者は前記モバイルキーを利用することができなくなる。
そこで、ステップS26において、チェックイン端末20の制御部21(判定処理部215)は、管理装置10が前記モバイルキーを発行してから所定時間経過するまでの間に前記受領情報を取得したか否かを判定する。管理装置10が前記モバイルキーを発行してから所定時間経過するまでの間に前記受領情報を取得した場合(S26:YES)、処理はステップS28に移行する。一方、管理装置10が前記モバイルキーを発行してから所定時間経過するまでの間に前記受領情報を取得しなかった場合(S26:NO、S27:YES)、処理はステップS29に移行する。ステップS26及びS27は、本発明の受領ステップ及び判定ステップの一例である。
ステップS28において、チェックイン端末20の制御部21は、前記ルームキーの発行が完了したことを示す情報を操作表示部23に表示させる(図9参照)。図9に示す画面において、制御部21は、利用者からチェックイン手続きを終了する操作、又は、引き続き他の操作を行うためにHOME画面(図5参照)に戻る操作を受け付ける。ステップS28の処理後、前記チェックイン処理は終了する。
一方、ステップS29において、チェックイン端末20の制御部21は、前記モバイルキーが正常に発行されなかったことを示す情報(発行エラー)を操作表示部23に表示させる(図10参照)。
次にステップS30において、制御部21(ルームキー発行処理部214)は、前記カードキーの発行指示をカードキー発行部24に出力する。利用者が前記カードキーを受け取ると、チェックイン端末20の制御部21は、前記ルームキーの発行が完了したことを示す情報を操作表示部23に表示させる(図9参照)。その後、前記チェックイン処理は終了する。ステップS30は、本発明の第2発行ステップの一例である。
ここで、チェックイン端末20の制御部21が前記発行エラーにより前記カードキーを発行した場合(図10参照)には、管理装置10の制御部11は、発行済みの前記モバイルキーを無効化する。これにより、前記カードキーが発行された後に前記モバイルキーが利用者端末30に取得されて、複数のルームキーが利用可能な状態となることを防ぐことができる。
前記チェックイン処理が終了すると、管理装置10の制御部11は、チェックイン情報122に各種情報を登録する(図11参照)。例えば、利用者P1が前記チェックイン手続きを行って前記モバイルキーを取得した場合、チェックイン情報122の「ルームキー種別」に「モバイルキー」が登録され、「ルームキー識別情報」に利用者P1の利用者ID、部屋ID、宿泊日情報などが関連付けられた識別情報が登録される。前記ルームキー識別情報は、部屋の入り口に設置された前記解錠装置(通信装置)との間で実行される照合に利用される。例えば、利用者P1が前記ルームキーを取得した利用者端末30を部屋番号「605」の前記解錠装置に近接させた場合に、前記解錠装置が、Bluetooth通信を行って部屋IDの照合を行い、前記ルームキーに対応付けられた部屋IDが「605」の部屋IDに一致する場合に、部屋の鍵を解錠させる。
また例えば、利用者P3が前記チェックイン手続きを行って前記モバイルキーの発行エラーにより前記カードキーを取得した場合、チェックイン情報122の「ルームキー種別」に「カードキー」が登録され、「ルームキー識別情報」に利用者P3の利用者ID、部屋ID、宿泊日情報などが関連付けられた識別情報が登録される。この場合、利用者P3は前記カードキーを前記解錠装置に近接させると、前記解錠装置が前記通信処理を介して前記カードキーの識別情報(部屋IDなど)の照合を行い、照合に成功すると前記部屋を解錠させる。
本発明の実施形態に係る宿泊施設チェックインシステム100によれば、チェックイン端末20におけるチェックイン手続きにおいて利用者が前記モバイルキーを選択した場合において、前記モバイルキーが正常に利用者端末30に発行されなかった場合には、前記モバイルキーの代わりに前記カードキーをチェックイン端末20から発行(排出)させる。これにより、利用者が前記モバイルキー及び前記カードキーのいずれも取得できずに前記チェックイン手続きが終了してしまう事態を回避することができる。よって、利用者は確実に前記ルームキーを取得することができる。また、前記モバイルキーが正常に発行されるまでチェックイン手続きを中止して利用者に待機させることを防ぐことができる。よって、チェックイン端末20におけるチェックイン手続きの利便性を向上させることができる。
本発明の施設利用管理システムは、上述の実施形態に限定されず、以下に示す形態であってもよい。
例えば、前記チェックイン手続きにおいて利用者が前記モバイルキーを選択したにもかかわらず、前記モバイルキーの発行エラーにより前記カードキーが発行された場合には、利用者が不満を抱く場合がある。そこで、他の実施形態として、宿泊施設チェックインシステム100は、前記モバイルキーの代わりに前記カードキーを発行した後に、前記カードキーを前記モバイルキーへ変更可能とする構成を備えてもよい。
例えば、管理装置10が発行した前記モバイルキーが通信障害などにより利用者P3の利用者端末30に取得されず、チェックイン端末20が前記カードキーを発行した後に、通信障害が回復して前記モバイルキーが利用者端末30に取得される場合がある。この場合に、利用者P3が利用者端末30に表示された図8に示す画面において「受領」ボタンK3を押下した場合、管理装置10は、既に前記カードキーが発行されていることを示すメッセージ、前記モバイルキーへ変更を希望する場合の手続き方法を示すメッセージを利用者端末30に通知する(図14参照)。前記手続き方法には、前記カードキーをチェックイン端末20に返却する方法(図14参照)、フロントに返却する方法などが考えられる。
利用者P3は、前記モバイルキーへ変更を希望する場合、チェックイン端末20のルームキー変更画面(図15参照)において変更ボタンK4を押下して、変更手続きを行う。具体的には、利用者P3は前記カードキーをチェックイン端末20のカードキー発行部24に返却(挿入)する。管理装置10は、前記カードキーの照合を行い、照合に成功すると前記モバイルキーを有効化する(図16参照)。
ここで、チェックイン情報122において、利用者が前記カードキーを選択して発行された前記カードキーの識別情報と、利用者が前記モバイルキーを選択して発行エラーにより発行された前記カードキーの識別情報とを識別可能な情報を付与してもよい。また、前記カードキーを前記モバイルキーに変更した場合には、チェックイン情報122において、利用者が前記モバイルキーを選択して発行された前記モバイルキーの識別情報と、前記カードキーを前記モバイルキーに変更して再発行された前記モバイルキーの識別情報とを識別可能な情報を付与してもよい。例えば、図17に示すように、管理装置10は、利用者P3に対応する前記ルームキー識別情報について、前記発行エラーにより発行された前記カードキーの識別情報「C0510−11」を、変更後の前記モバイルキーの識別情報「M0510−02」に変更する。ここで、「C0510−11」の「−11」は発行エラーを示し、「M0510−02」の「−02」は、ルームキーの発行回数を示している。これらの情報は、例えば、ルームキーの発行枚数の確認、発行エラーの有無の確認、チェックアウト時のキーの返却の確認などに利用可能である。
このように、宿泊施設チェックインシステム100では、判定処理部215により受領処理部113が前記受領情報を取得しなかったと判定されたことによりルームキー発行処理部214により前記カードキーが発行された後に判定処理部215により受領処理部113が前記受領情報を取得したと判定された場合に、モバイルキー発行処理部112は、前記カードキーが返却されたことを条件として前記モバイルキーを有効化してもよい。なお、利用者P3は、前記モバイルキーから前記カードキーへの変更を希望する場合には、チェックイン端末20のルームキー変更画面(図15参照)において変更ボタンK5を押下して、変更手続きを行ってもよい。これにより、利用者の要望に応じたルームキーを発行させることができるため、利用者の満足度を向上させることができる。
上述の実施形態では、管理装置10の制御部11(受領処理部113)は、利用者端末30(図8参照)において利用者から前記モバイルキーを確認する操作(「受領」ボタンK3の押下)が受け付けられた場合に前記受領情報を取得する。他の実施形態として、制御部11は、チェックイン端末20において利用者から前記モバイルキーを確認する操作が受け付けられた場合に前記受領情報を取得してもよい。例えば、前記モバイルキーを取得した利用者端末30をチェックイン端末20に近接させてチェックイン端末20が前記モバイルキーの識別情報(部屋IDなど)を取得して照合を行い、照合に成功すると制御部11が前記受領情報を取得する。また例えば、前記モバイルキーに対応するQRコードが表示された利用者端末30をチェックイン端末20の読取部25に読み取らせてチェックイン端末20が前記モバイルキーの識別情報(部屋IDなど)を取得して照合を行い、照合に成功すると制御部11が前記受領情報を取得する。これらの構成によれば、チェックイン端末20は、利用者端末30が前記モバイルキーを取得したことを確実に把握することが可能となる。
他の実施形態として、管理装置10の制御部11に含まれる各処理部(例えば、モバイルキー発行処理部112、受領処理部113)がチェックイン端末20の制御部21に含まれてもよい。また、チェックイン端末20の制御部21に含まれる各処理部(例えば、チェックイン処理部213、判定処理部215)が管理装置10の制御部11に含まれてもよい。
また、本発明の施設利用管理システムは、管理装置10及びチェックイン端末20で構成されてもよいし、管理装置10及びチェックイン端末20のいずれか一方の単体で構成されてもよい。