JP6842369B2 - 円筒形セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置において、スパッタリングターゲットとして用いられる円筒形セラミックス焼結体の製造方法に関する。
従来、スパッタリングターゲットとしては、平板状のものが一般的に利用されているが、この平板状ターゲットを使用して、マグネトロンスパッタリング法によりスパッタリングを行った場合には、その使用効率は10%〜30% にとどまる。これは、マグネトロンスパッタリング法では、磁場によってプラズマを平板状ターゲットの特定箇所に集中して衝突させるため、ターゲット表面の特定箇所にエロージョンが進行する現象が起こり、その最深部がターゲット中のバッキングプレートまで達したところで、ターゲットの寿命となってしまうためである。
この問題に対して、スパッタリングターゲットを円筒形とすることで、ターゲットの使用効率を上げることが提案されている。このスパッタリング法は、円筒形のバッキングチューブとその外周部に形成された円筒形のターゲット材とからなる円筒形スパッタリングターゲットを用い、バッキングチューブの内側に磁場発生設備と冷却設備を設置して、円筒形スパッタリングターゲットを回転させながら、スパッタリングを行うものである。このような円筒形スパッタリングターゲットの使用により、ターゲットの使用効率を60%〜70%にまで高めることができる。加えて、このスパッタリング法は冷却効率に優れるため、投入電力を大きくし、高い成膜速度で成膜することができる。
このような円筒形スパッタリングターゲットの材料としては、円筒形状への加工が容易で機械的強度の高い金属材料が広く使用されているものの、セラミックス材料については、機械的強度が低く、脆いという性質から、いまだ普及するに至っていない。
セラミックス製の円筒形スパッタリングターゲットは、円筒形状のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を溶射して付着させる溶射法や、円筒形状のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を充填し、高温高圧の不活性雰囲気下でセラミックス粉末を焼成する、熱間静水圧プレス(HIP)法などにより製造することが一般的である。しかしながら、溶射法には高密度のターゲットが得られにくいという問題がある。また、HIP法には、イニシャルコストやランニングコストが高く、熱膨張差による剥離、さらにはターゲットやバッキングチューブのリサイクルができないといった問題がある。
これに対して、近年、冷間静水圧プレス(CIP)法により円筒形セラミックス成形体を成形し、これを焼成炉内の敷板上に載置し、焼成することで円筒形セラミックス焼結体とした後、研削加工することにより円筒形ターゲット材を得て、これを円筒形状のバッキングチューブと接合する、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法が研究されている。この方法によれば、工業規模の製造において、比較的低コストで、高密度の円筒形スパッタリングターゲットを容易に得ることができる。また、スパッタリング後に、円筒形ターゲット材からバッキングチューブを容易に取り外して、リサイクルすることが可能であるため、円筒形スパッタリングターゲットの低コスト化を図ることができる。
しかしながら、この方法では焼成工程において、円筒形セラミックス成形体が収縮する際に、その下端面(焼成時に、敷板と接する面)と敷板との間に作用する摩擦力によって、得られる円筒形セラミックス焼結体が大きく変形するという問題がある。このように変形した円筒形セラミックス焼結体は、引き続き行われる研削加工工程において加工機器への取り付けが困難となるばかりでなく、研削量が増加し、生産性が著しく低下することとなる。また、加工中に微細な亀裂(マイクロクラック)や欠けが生じやすく、バッキングチューブとの接合(ボンディング)時やスパッタリング時における円筒形ターゲット材の割れや欠けなどの原因となる。また、変形したセラミックス焼結体は加工時の取り代が十分に取れなく不良となる場合もある。
この問題に対して、特許文献1では、被焼成物である円筒形セラミックス成形体を、この円筒形セラミックス成形体と同等の焼結収縮を有する板状のセラミックス成形体からなる敷板の上に載置して焼成する方法を提案している。なお、特許文献1には板状のセラミックス成形体と円筒形セラミックス成形体の間に、アルミナ粉末などの敷粉を敷くことが好ましい旨が記載されている。
特許文献2では、平面を有する基体(敷板)と独立して移動可能な複数の部材からなる成形体支持体と、基体と成形体支持体との間に介在して両者の相対移動を妨げる力を低減する、丸棒または球状のセラミックス焼結体から構成される摺動層とを備えた焼成治具を用いて、円筒形セラミックス成形体を成形体支持体により指示した状態で、その焼成を行う方法を提案している。
しかしながら、これらの方法では、丸棒または球状のセラミックス材から構成される摺動層は安定性が低く、炉床のわずかな傾斜、炉内に供給する雰囲気ガスまたは有機成分が分解することによって生じる気流の影響により、摺動層とともに円筒形セラミックス成形体が炉内を移動し、炉壁や隣接する円筒形セラミックス成形体と接触するという問題がある。また、焼成炉内における円筒形セラミックス成形体の配置は、分解生成ガスや炉内に供給する雰囲気ガスの影響を考慮して、円筒形セラミックス成形体が均一に焼成されるように設定されるものであるが、このような移動により、円筒形セラミックス成形体が均一に焼成されなくなるという問題がある。
これに対して、特許文献3では、通気孔を有する敷板上に、複数の支持部材を、該通気孔を中心として長手方向が円の径方向に一致するように、かつ放射上に配置し、その上に円筒成形体を垂直に載置する方法が提案されている。この方法によれば円筒成形体の炉内水平方向の移動を抑制し、かつ酸化物同士の摩擦係数は小さいため敷板上を支持部材が滑ることによって変形が小さく、均質な焼結体が得られるとしている。
特開2005−281862号公報 特開2008−184337号公報 特開2016−88831号公報
円筒形セラミックス焼結体の製造方法において、焼成炉を繰り返し使用すると、支持体や支持部材の変形又は固着等によって、摺動機能を十分に発揮することができず、支持体や支持部材との引っ掛かりによって円筒形セラミックス成形体に大きな変形が生じてしまうことがある。
本発明は、上記状況を鑑み、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置において、スパッタリングターゲットとして用いられる円筒形セラミックス焼結体において、焼結時における変形が少なく、繰り返し焼成を行っても安定した形状を有する円筒形セラミックス焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した問題に鑑みて、円筒形セラミックス焼結体の焼結収縮に伴う変形を抑制する方法について誠意検討を重ねた。その結果、高温耐久性を備えた第1の支持部材を放射状に配置し、その表面の滑りを利用する焼成方法において、上面に複数の凸条部を有する第1の支持部材の上に第2の支持部材を配置し、その上に成形体を載置することによって、第1及び第2の支持部材同士の接触面積が減少し、支持部材同士が固着することもなく安定的に表面のすべりを得ることができるとの知見を得た。
すなわち、本発明の一態様は、焼成炉を用いて円筒形セラミックス成形体を焼成する円筒形セラミックス焼結体の製造方法であって、円筒形成形型のキャビティ内に原料粉末を充填し、加圧成形して円筒形セラミックス成形体を得る成形工程と、前記円筒形セラミックス成形体を前記焼成炉内に配置する配置工程と、前記配置した円筒形セラミックス成形体を前記焼成炉において焼成して円筒形セラミックス焼結体を得る焼成工程とを有し、前記配置工程では、前記焼成炉内の炉床あるいは炉床の上に設置した敷板に、上面に複数の凸条部を有する第1の支持部材を複数並べ、該第1の支持部材の上に柱状の第2の支持部材を載置し、該第2の支持部材は前記第1の支持部材の前記凸条部とのみ接触し、前記第2の支持部材上に前記円筒形セラミックス成形体を直立させた状態で載置する。


本発明の一態様によれば、第2の支持部材は第1の支持部材の凸条部とのみ接触するため、摩擦力が低減され、成形体の焼結時収縮に応じて第2の支持部材が滑ることで焼結体の変形を少なくすることができる。
このとき、本発明の一態様では、第1の支持部材は、円筒形セラミックス成形体の円筒径中心から放射状に配置され、前記複数の凸条部は前記円筒形セラミックス成形体の外周の接線方向と平行に形成してもよい。
第1の支持部材を放射状に配置することで円筒形セラミックス成形体を安定的に載置することができ、また、凸条部は筒形セラミックス成形体の外周の接線方向と平行に形成することで、第2の支持部材が滑りやすい向きとなる。
また、このとき、本発明の一態様では、凸条部は断面視が半円形状とすることができる。
第1の支持部材の凸条部が断面視で半円形状であることにより、第2の支持部材との接触面積がさらに少なくなり、第2の支持部材がより滑りやすくなる。
さらに、このとき、本発明の一態様では、半円形状の半径が0.5mm以上5mm以下としてもよい。
後述する、本発明の一実施形態に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法では、半円形状の凸条部の半径を上記範囲とすることが焼結時における変形が少なく好ましい。
また、本発明の一態様では、凸条部は断面視が三角形状とすることができる。
第1の支持部材の凸条部が断面視で三角形状であれば、第2の支持部材との接触面積が少なくなり、第2の支持部材がより滑りやすくなる。
また、本発明の一態様では、第2の支持部材は、円柱形状で、円柱の中心軸が円筒形セラミックス成形体の円筒径中心を通るように放射状に配置することができる。
第2の支持部材が円柱形状であれば第1の支持部材との接触部がほぼ点接触となり、また、第2の支持部材を成形体の収縮方向に向けることで、より滑りやすくすることができる。
このとき、本発明の一態様では、第2の支持部材の円柱形状の円の直径が0.5mm以上であるとしてもよい。
後述する、本発明の一実施形態に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法では、第2の支持部材の円柱形状の円の半径を上記範囲とすることが焼結時における変形が少なく好ましい。
本発明によれば、焼結時における変形を抑制可能な円筒形セラミックス焼結体の製造方法を提供することができる。また、このような製造方法により得られる円筒形セラミックス焼結体は、寸法精度が高く、研削量を低減することができるばかりでなく、バッキングチューブと接合して円筒形スパッタリングターゲットを作製する際に、割れや欠けなどが生じることを効果的に抑制することができる。したがって、本発明により円筒形スパッタリングターゲットを従来よりも収率よく低コストで提供することが可能となるため、その工業的意義は極めて高い。
本発明の一実施形態に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。 焼成炉内における円筒形セラミックス成形体の配置を説明するための概略断面図である。 焼成炉内における円筒形セラミックス成形体の配置を説明するための平面図である。 焼成工程において、円筒形セラミックス成形体が収縮する際の支持部材の作用を説明するための概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る第1の支持部材の形状を示す図であり、(A)は凸条部が断面視で半円形状の場合、(B)は凸条部が断面視で三角形状の場合である。
以下、本発明に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法について図面を参照しながら以下の順序で説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
1.円筒形セラミックス焼結体の製造方法
1−1.成形工程
1−2.配置工程
1−3.焼成工程
2.円筒形セラミックス焼結体
<1.円筒形セラミックス焼結体の製造方法>
図1は、本発明の一実施形態に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。本発明の一実施形態は、焼成炉を用いて円筒形セラミックス成形体を焼成する円筒形セラミックス焼結体の製造方法であって、円筒形成形型のキャビティ内に原料粉末を充填し、加圧成形して円筒形セラミックス成形体を得る成形工程S1と、円筒形セラミックス成形体を焼成炉内に配置する配置工程S2と、配置した円筒形セラミックス成形体を焼成炉において焼成して円筒形セラミックス焼結体を得る焼成工程S3とを有し、配置工程S2では、焼成炉内の炉床あるいは炉床の上に設置した敷板に、上面に複数の凸条部を有する第1の支持部材を複数並べ、該第1の支持部材の上に柱状の第2の支持部材を載置し、該第2の支持部材上に円筒形セラミックス成形体を直立させた状態で載置する。
このような支持部材構成にすることで第1及び第2の支持部材同士の接触面積が減少することにより摩擦力を低減しつつ、支持部材同士の固着影響を受けにくいものとなる。そして、これにより、焼結収縮に伴う変形を安定的に抑制することができるとの知見を得た。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
以下、各工程について詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態に係る円筒形セラミックス焼結体の製造方法は、製造する円筒形セラミックス焼結体のサイズによって制限されることはないが、以下では、主として、外径が80mm〜200mm、内径が40mm〜190mm、全長が50mm〜500mmの円筒形セラミックス焼結体を製造する場合を例に挙げて説明する。
(1−1.成形工程)
成形工程S1は、円筒形成形型のキャビティ内に原料粉末を充填し、例えば、CIP法により加圧成形し、円筒形セラミックス成形体を得る工程である。
[原料粉末]
本発明において、原料粉末は特に制限されることなく、目的とする円筒形スパッタリングターゲットの組成に応じて適宜選択することができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる円筒形スパッタリングターゲットを得ようとする場合には、原料粉末として、酸化インジウム(In)粉末と酸化スズ(SnO)粉末を用いることができる。また、AZO(Aluminium Zinc Oxide)からなる円筒形スパッタリングターゲットを得ようとする場合には、原料粉末として、酸化アルミニウム(Al)粉末と酸化亜鉛(ZnO)粉末を用いることができる。
なお、原料粉末を所定の割合で混合した後、そのままの状態で成形することも可能であるが、純水、バインダおよび分散剤などと混合した後、噴霧乾燥し、造粒粉末としてからキャビティ内に充填することが好ましい。造粒粉末は、原料粉末と比べて高い流動性を有しており、充填性に優れている。このため、原料粉末の代わりに、造粒粉末を用いることで、工業規模の製造においても、高密度の円筒形セラミックス成形体を容易に得ることができる。
[成形]
成形はCIP(Cold Isostatic Pressing:冷間静水圧プレス)成形が一般的であるが高密度の円筒形成形体が得られるものであればCIP成形に限らない。CIP成形の場合、キャビティ内に原料粉末または造粒粉末を充填した後、円筒形成形型をCIP装置に投入し、加圧成形する。なお、水などの圧媒が成形型内に侵入することを防ぐために、円筒形成形型を真空包装した上で、CIP装置に投入してもよい。CIP成形における保持圧力は、98MPa〜294MPaとすることが好ましい。保持圧力が98MPa未満では、得られる円筒形セラミックス成形体の密度を十分に高いものとすることができない場合がある。一方、保持圧力が294MPaを超えると、CIP装置に対する負荷が過度に大きくなるばかりか、生産コストの上昇を招くこととなる。
なお、保持圧力で保持する時間(保持時間)は、1分〜30分とすることが好ましく、3分〜10分とすることがより好ましい。保持時間が1分未満では、得られる円筒形セラミックス成形体の密度を十分に高いものとすることができない場合がある。一方、保持時間が30分を超えると、生産性が悪化することとなる。
(1−2.配置工程)
配置工程S2は、成形工程S1で得られた円筒形セラミックス成形体を、第1の支持部材及び第2の支持部材を用いて焼成炉内に配置する工程である。特に、本発明では、焼成炉内の炉床あるいは炉床の上に設置した敷板に、上面に複数の凸条部を有する第1の支持部材を複数並べ、該第1の支持部材の上に柱状の第2の支持部材を載置し、該第2の支持部材上に前記円筒形セラミックス成形体を直立させた状態で載置する。
[配置]
図2は、焼成炉内における円筒形セラミックス成形体の配置を説明するための概略断面図であり、図3は、焼成炉内における円筒形セラミックス成形体の配置を説明するための平面図である。本発明では、焼成炉内の炉床11あるいは炉床11の上に設置した敷板13に、上面に複数の凸条部16を有する第1の支持部材15を複数並べ、第1の支持部材15の上に第2の支持部材17を載置し、さらに第2の支持部材17の上に円筒形セラミックス成形体18を直立させた状態で載置して、その後、焼成する。また、炉床11等に通気口12を設ける場合は、複数の第1の支持部材15を炉床11の通気口12を中心として放射上に並べ、さらに第2の支持部材17も第1の支持部材15上で、放射状になるように載置し、第2の支持部材17上に炉床11の通気口12の中心と円筒軸が一致するように円筒形セラミックス成形体18を直立させた状態で載置し、焼成してもよい。なお、通気口12の中心と円筒軸の一致については、これらが実質的に一致していれば足り、そのズレ(例えば、円筒形セラミックス成形体の内径に対して10%〜30%程度)は、本発明の効果が十分に得られる範囲で許容される。
より具体的には、はじめに、通気口12を有する炉床11を用意する。この際、通気口12は雰囲気ガス供給口を兼ねる。次に第1の支持部材15を、通気口12を中心として放射状に配置する。この際、例えば図3に示すように、複数の第1の支持部材15を周方向に等間隔で配置することが好ましい。また、この第1の支持部材15は、上面に複数の凸条部16を有する。ここで、凸条部16は、細長く平面方向に延びる突出部であり、第2の支持部材17との接触面積を減少させるものであればその形状は特に限定はされないが、例えば、上面形状が半円柱状または三角柱状の形状が好ましい。また、凸条部16同士の間隔は、第2の支持部材17が間に落ち込まない間隔であれば特に限定はされないが、後述する図5に示すように連続して形成されていることが好ましい。また、第1の支持部材15の凸条部16の中心軸L1方向が、設置する予定の円筒形セラミックス成形体18の円周方向の接線T方向と一致するように配置することが好ましい。すなわち、複数の凸条部16は円筒形セラミックス成形体18の外周の接線T方向と平行に形成されることが好ましい。なお、円筒形セラミックス成形体18の外周の接線Tは、第1の支持部材15の幅方向(凸条部16の中心軸L1方向)の中心線と円筒形セラミックス成形体18の外周との交点における接線とする。
第2の支持部材17は、柱状であり、円筒形セラミックス成形体18の側壁の厚みに跨ぐように、第2の支持部材17の中心軸L2が通気口12(又は円筒形セラミックス成形体18)の中心Cを通るように放射状に配置する。第2の支持部材17は、例えば円柱状である。そして、その上に通気口12の中心と円筒形セラミックス成形体18の円筒軸が一致するように円筒形セラミックス成形体18を直立させた状態で載置し焼成する。なお、焼成炉の大きさに応じて、円筒形セラミックス成形体18を1つ以上配置することが可能であり、この場合、炉床11に複数の通気口12(雰囲気ガス供給口)を設け、それぞれの通気口を中心に第1及び第2の支持部材15、17を配置する。この際、通気口12は成形体18同士が干渉しないだけの間隔があればよい。
なお、形状の違う複数の種類の成形体を焼成する場合は、炉床11の上に敷板13を設置してもよい。敷板13は、高温耐久性を備え、その表面状態が容易に変化せず、かつ、焼成時に円筒形セラミックス成形体18と反応しないことが必要である。このため、その材質は円筒形セラミックス成形体18の焼成温度などにより適宜選択されるが、その代表的な材料としては、アルミナ(Al)やジルコニア(ZrO)などのセラミックス焼結体を用いることができる。また、敷板13には、通気口14を設ける。この通気口14は、敷板13の上面は成形体を配置する位置に形成し、敷板13の下面は、炉床11の通気口12の位置として、雰囲気ガスが敷板13の通気口14を通り供給できるように形成する。これにより、成形体の種類により、これに対応した敷板13を用いることで簡単に通気口14の中心位置と円筒形セラミックス成形体18との中心位置を合わせることができる。また、通気口が無い場合は、焼成炉の大きさに応じて、等間隔に円筒形セラミックス成形体18を配置できるように適宜配置する。
図4は、後述する焼成工程S3において、円筒形セラミックス成形体18が収縮する際の支持部材の作用を説明するための概略断面図である。上述の通り、上面に複数の凸条部16を有する第1の支持部材15と柱状の第2の支持部材17を載置し、その上に円筒形セラミックス成形体18を配置して焼成する。第1の支持部材15は、炉床11または敷板13と第1の支持部材15の平面形状で接触している。第1の支持部材15と第2の支持部材17は、第1の支持部材15の上面形状が凸条部16、例えば、半円柱または三角柱が連続した形状で第2の支持部材17が、例えば、円柱状である。そして、第1の支持部材15の上面形状の半円柱または三角柱の中心軸L1方向が、設置する予定の円筒形セラミックス成形体18の円周方向の接線T方向と一致するように配置され、第2の支持部材17は、円筒形セラミックス成形体18の側壁の厚みに跨ぐように、円柱の中心軸L2が通気口12(又は円筒形セラミックス成形体18)の中心Cを通るように放射状に配置する。
このため、第1の支持部材15の上面形状の半円柱または三角柱の中心軸L1方向と、第2の支持部材17の円柱状の中心軸L2とは直角に近い値でする交差する。第1の支持部材15と第2の支持部材17は、この交差する箇所で点接触している。第2の支持部材17と円筒形セラミックス成形体18は、第2の支持部材17が円柱状であり、円筒形セラミックス成形体18の側壁の厚みに跨ぐように、円柱の中心軸L2が通気口12(又は円筒形セラミックス成形体18)の中心Cを通るように放射状に配置しているため線接触となる。なお、第2の支持部材17は、例えば円柱状であり、円筒形セラミックス成形体18の重みで第2の支持部材17は円筒形セラミックス成形体18の底面に食込んでおり実質は面上で接触している。
後述する焼成工程S3においては、円筒形セラミックス成形体18が収縮する際、円筒形セラミックス成形体18と第2の支持部材17及び、炉床11または敷板13と第1の支持部材15は各々面接触で抵抗が高く、この間に作用する摩擦力に比べて、第1の支持部材15と第2の支持部材17とは点接触であり、この間に作用する摩擦力が極めて小さくなる。このため、円筒形セラミックス成形体18の焼結収縮時に第1の支持部材15と第2の支持部材17の間で円筒形セラミックス成形体18を載置したまま、滑り移動することが可能となり、焼結収縮に伴う変形を大幅に抑制することができる。また、第1の支持部材の上面形状の凸条部16(例えば半円柱または三角柱が連続した形状)のピッチを替えることで抵抗値を調整することができ、円筒形セラミックス成形体18の大きさ等に合わせ適宜設定することができる。
なお、通気口12は、雰囲気ガスの供給量を十分に確保することができ、かつ、焼成中に滑り移動してきた支持部材が落下しない程度の大きさであることが必要とされる。このため、通気孔の開口面積を3cm〜30cmの範囲で調整することが好ましい。
第2の支持部材17の移動方向は、原則として、円筒形セラミックス成形体18の径方向外側から中心に向かう方向(図4の矢印方向)に制限されるため、炉床11のわずかな傾きや焼成時に生じた気流の影響により、円筒形セラミックス成形体18が移動し、炉壁や隣接する円筒形セラミックス成形体と接触してしまうことを防止できる。
[支持部材]
第1の支持部材15及び第2の支持部材17は、高温耐久性を備え、その表面状態が容易に変化せず、かつ、焼成時に円筒形セラミックス成形体18と反応しないことが必要である。このため、その材質は円筒形セラミックス成形体18の焼成温度などにより適宜選択されるが、その代表的な材料としては、アルミナ(Al)やジルコニア(ZrO)などのセラミックス焼結体を用いることができる。
第1の支持部材15は第2の支持部材17を介して円筒形セラミックス成形体18を載置し、安定して支持することが必要とされる。このため、第1の支持部材15は3箇所以上に配置することが必要となる。4箇所以上がさらに好ましく、6箇所以上とすることがより好ましい。ただし、第1の支持部材15の設置場所があまりに多いと、滑り移動した際に互いに干渉するため10箇所以下程度に抑えるのが好ましい。
図5は、本発明の一実施形態に係る第1の支持部材15の形状を示す図である。第1の支持部材15の上面形状は、例えば、半円柱または三角柱が連続した形状である。半円柱が連続した形状とは、例えば、図5(A)に示すように断面が半円形の繰り返し形状でもよい。半円形状の繰り返し構造は半円形の半径が0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。半円形の半径が0.5mm未満であると焼成中の固着を防ぐ効果が得られづらい。半径が5mmを超えると、第1の支持部材15と第2の支持部材17の点接点間が長くなり第2の支持部材17が変形してしまう可能性がありその際には、円筒形セラミックス成形体18の焼結収縮時に第2の支持部材17が円筒形セラミックス成形体18を載置したまま、スムーズな滑り移動することができなくなる。
また、第1の支持部材15の半円柱の連続した形状は、完全な半円でなくともよく、楕円形状でもよい。または、円形の円周長さに対して10%〜80%の長さの円弧が繰り返されている形状でよい。
三角柱の連続した形状の場合は、例えば、図5(B)に示すように断面の上面が頂点となる三角形状とする。頂点の角度θは特に限定はないが、60°〜120°に設定することで、第1の支持部材15を作製する時の加工が容易になる。連続する三角形状のピッチは、半円形と同様、0.5mm以上5mm以内である。また、頂点部は、取扱い時の接触等で頂点近辺部の欠けを防止するため、R加工やC面加工を行ってもよい。
第1の支持部材15の平面方向の形状は特に制限はないが、焼結収縮にともない円筒径方向に滑り移動したときに第2の支持部材17が、ずれ落ちないような大きさがあればよい。例えば、幅50mm、長さ60mmの四角形状の部材が使用できる。また、第1の支持部材15を複数配置した時、内側の先端部が干渉にないように内側部が短い台形形状でもよい。
このような、第1の支持部材15の凸条部16は、例えば、板状部材の上面部を研削加工することにより形成することができる。あるいは、所定の型枠内に上面が半円柱又は三角柱となるような部材を配置又は埋設しても良いし、上面形状が半円柱状の場合、例えば、複数の円柱状の部材を連続して並べ、各円柱状の部材同士を耐熱テープ等で連結したものを第1の支持部材15として用いても良い。
第2の支持部材17は第1の支持部材15の上に1〜5本、通気孔を中心として放射状に並べられる。第2の支持部材17の形状は第1の支持部材15との接触面積が減少するような形状であれば特に限定されず、角柱、多角柱などでもよいが、点接触する円柱状の丸棒などが特に好ましい。
第2の支持部材17の長さはセラミックス成形体を支えられる長さ以上があり、焼結収縮したときに互いに干渉しない程度の長さであればよい。第2の支持部材17の径は円筒形セラミックス成形体18への焼成時の食い込みを考慮して直径0.5mm以上あればよく上限は第1の支持部材15の大きさに制約される。例えば、直径3mm、長さ50mmの丸棒が適用できる。
(1−3.焼成工程)
焼成工程S3は、上述のようにして配置した円筒形セラミックス成形体を、焼成炉を用いて焼成し、円筒形セラミックス焼結体を得る工程である。
[焼成条件]
円筒形セラミックス成形体の焼成条件は、その組成や大きさ、焼成炉の特性などに応じて適宜選択すべきものであり、特に制限されることはないが、概ね、以下の条件で焼成することができる。
a)脱バインダ段階
焼成工程では、はじめに、室温から特定の温度(脱バインダ温度)まで、一定の時間(脱バインダ時間)をかけて昇温することにより、円筒形セラミックス成形体に含まれる有機成分を除去することが必要となる。
この際の脱バインダ温度は、300℃〜600℃とすることが好ましく、400℃〜500℃とすることがより好ましい。また、脱バインダ時間は、50時間〜300時間とすることが好ましく、100時間〜300時間とすることがより好ましい。このような脱バインダ温度および脱バインダ時間であれば、円筒形セラミックス成形体に含まれる有機成分を十分に除去することができる。
なお、脱バインダ段階中は雰囲気ガスを炉内容積1mあたり100L/分〜600L/分、好ましくは200L/分〜400L/分で供給することが必要となる。雰囲気は、大気または酸素またはそれらの任意の混合ガスであればよい。
b)焼結段階
脱バインダ段階後、炉内温度を焼成温度まで昇温し、この温度で一定時間保持することにより、円筒形セラミックス成形体を焼結させる。
焼成温度は、円筒形セラミックス成形体の組成によって異なるが、例えば、酸化インジウムを主成分とする場合には1200℃〜1600℃とすることが好ましく、高密度の円筒形セラミックス焼結体を得る観点から、1300℃〜1600℃とすることがより好ましい。一方、酸化亜鉛を主成分とする場合には1000℃〜1400℃とすることが好ましく、同様の観点から、1250℃〜1350℃とすることがより好ましい。また、焼成温度での保持時間は、5時間〜40時間とすることが好ましく、10時間〜30時間とすることがより好ましい。
なお、焼結段階における雰囲気は、円筒形セラミックス成形体の組成によって異なるが、組成に応じて大気や酸素、またはこれらの混合ガスを、炉内容積1mあたり100L/分〜600L/分、好ましくは200L/分〜400L/分供給する。
<2.円筒形セラミック焼結体>
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた円筒形セラミックス焼結体は、円筒形セラミックス成形体の変形を抑制しつつ、均一に焼成することによって得られるものである。このような円筒形セラミックス焼結体は、寸法精度が優れていることを特徴とする。詳細には、支持部材を複数使用することで焼結時、焼結収縮を固定されることなく自由に収縮されるため、円筒形の変形量が1.5mm以内になる。このように本発明の一実施形態に係る製造方法により得られた円筒形セラミックス焼結体は、寸法精度の優れた焼結体となる。
なお、上記変形量は、以下の測定による。本発明によって得られた円筒形セラミックス焼結体は、接地側の端面の周方向4箇所以上の位置で測定した内径dの最大値dmaxと最小値dminの差によって定義される、変形量Δd(=dmax−dmin)が1.5mm以下である。ここで、周方向4箇所の位置は、円筒形セラミックス焼結体の中心を通る直線で最初の内径を決定し、当該直線を45°ずつその位相がずれた位置にある直線上の内径を順次測定すればよく、測定箇所を多くする場合には、その位相がずれる角度をその数に応じて決定すればよい。
以下、本発明について、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例では、得られた円筒形セラミックス焼結体の特性について評価し、その結果を表1にまとめた。評価方法としては1焼成バッチあたり8個の円筒形セラミックス成形体を焼成したものを5回製作(計40個)し、変形量が1.5mmを超えたものを数えている。なお、表1に示した原料、組成について、2AZOと記したものはAlが2wt%、ZnOが98wt%を意味し、10ITOではSnOが10wt%、Inが90wt%を意味する。また、比較例の第1の支持部材の平板については、円筒径中心から放射状に断面を見たとき長方形に見える板である。
(実施例1)
[造粒粉末]
実施例1では、はじめに、酸化亜鉛粉末と酸化アルミニウム粉末を、酸化アルミニウム粉末の割合が2質量%となるように秤量した。これらの原料粉末の濃度が60質量%となるように純水と、バインダとしてのポリビニルアルコール(PVA)と、分散剤とを加えて、ビーズミル(アシザワ・ファインテック株式会社製)により混合および解砕することで、スラリーを形成した。
次に、このスラリーをスプレードライヤ(大川原化工機株式会社製、ODL−20型)で噴霧乾燥することにより、球状の造粒粉末を得た。この造粒粉末のタップ密度を振とう比重測定器(蔵持科学器械製作所製KRS−409)を用いて測定したところ、1.5g/cmであることが確認された。
[成形工程]
この造粒粉末を円筒形ゴム型に充填した後、冷間静水圧プレス装置に投入し、保持圧力
を294MPa、保持時間を10分として加圧成形することにより、外径が180mm、内径が150mm、全長が350mmの円筒形セラミックス成形体を8個作製した。
[配置・焼成工程]
成形工程で得られた8個の円筒形セラミックス成形体を、内径40mm(開口面積:12.6cm)の8個の雰囲気ガス供給口を有する炉内容積が0.5mの常圧焼成炉(丸祥電器株式会社製)内に載置し、焼成した。
はじめに、円筒形セラミックス成形体のそれぞれに対して、内径30mm(開口面積:7.1cm)の通気孔を有する、縦250mm、横250mm、厚さ5mmのアルミナ製の敷板を用意し、この敷板を炉床上に、それぞれ設置した。次に、通気孔の周囲に、幅50mm、全長60mm、上面形状が半径0.5mmの半円柱が連続した形状のアルミナ製の第1の支持部材を、通気孔を中心として、その長手方向が、通気孔を中心とする円の径方向と一致するように、6ヶ所に、放射状に配置した。この際、第1の支持部材の上面形状の半円柱の中心軸方向が、円筒形セラミックス成形体の周方向の接線方向になるように、概ね等間隔に配置した。第2の支持部材は、φ3mm長さ50mmのアルミナ製の丸棒とし、1つの第1の支持部材に対して第2の支持部材を2本ずつ、計12本、通気孔を中心として、丸棒の中心軸が、通気孔を中心とする円の径方向と一致するように、かつ、放射状に配置した。続いて、第2の支持部時の上に、円筒形セラミックス成形体を、円筒軸が通気孔の中心と一致するように支持部材上に直立させた状態で載置した。
この状態で、雰囲気ガス供給口を介して、常圧焼成炉内に、炉内容積1mあたり300L/分で空気を流通させながら450℃(脱バインダ温度)まで160時間かけて昇温することによりバインダを除去した。その後、炉内容積1mあたり300L/分で酸素を流通させながら、1350℃まで昇温して、この温度(焼成温度)で20時間保持し、円筒形セラミックス成形体を焼結させることにより、8個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。これらの円筒形セラミックス焼結体を炉内から取り出し、その変形量を測定した。
上記手順で、5回繰り返し、計40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。この時の1.5mm以上の変形量の個数を数えた。
(実施例2)
実施例2では、第1の支持部材の上面形状を半径1.0mmの半円柱が連続した形状とした。その他は実施例1と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(実施例3)
実施例3では、第1の支持部材の上面形状を半径1.5mmの半円柱が連続した形状とし、材質をジルコニアにした。また、第2の支持部材の材質もジルコニアにした。その他は実施例1と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(実施例4)
実施例4では、原料粉末を、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末との混合粉末とし、酸化スズ粉末の割合を10質量%としたこと、および、原料粉末の濃度を65質量%としてスラリーを形成した。また、円筒形セラミックス成形体の形状を、外径が200mm、内径が160mm、全長が330mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、球状の造粒粉末を得た。この造粒粉末のタップ密度は、1.5g/cmであった。円筒形セラミックス成形体はそれぞれに対して、内径30mm(開口面積:7.1cm)の通気孔を有する炉床の上にそれぞれ支持部材を介して設置した。また、脱バインダ温度を500℃としたこと、および、焼成温度を1550℃とした。また、第1の支持部材の上面形状を半径5.0mmの半円柱が連続した形状とした。第2の支持部材は、φ0.5mm長さ50mmのアルミナ製の丸棒とした。その他は実施例1と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(実施例5)
実施例5では、第1の支持部材の上面形状を頂点が90°の二等辺三角形で二等辺の一辺が2.0mmの三角柱が連続した形状とした。第2の支持部材は、φ3.0mm長さ50mmのアルミナ製の丸棒とした。その他は実施例4と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(比較例1)
比較例1では、第1の支持部材の上面形状を平面形状とし、材質はアルミナ製とした。第2の支持部材は一辺が3.0mmの四角で長さが50mmのアルミナ製の角棒とした。その他は実施例1と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(比較例2)
比較例2では、第1の支持部材の上面形状を平面形状とし、材質はジルコニア製とした。第2の支持部材は一辺が3.0mmの四角で長さが50mmのジルコニア製の角棒とした。その他は実施例1と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
(比較例3)
比較例3では、第1の支持部材の上面形状を平面形状とし、材質はアルミナ製とした。第2の支持部材は一辺が3.0mmの四角で長さが50mmのアルミナ製とした。その他は実施例4と同様にして、40個の円筒形セラミックス焼結体を作製した。
上記実施例と比較例について、それぞれ40個の円筒形セラミックス焼結体の変形量を測定し、その時の1.5mm以上の変形量の個数を数えた。その結果を表1に示す。
Figure 0006842369
表1より、実施例においては変形量が1.5mmを超える個数が0であり焼結体の形状寸法が良好であり、繰り返し5回行っても寸法精度が維持されていることが判る。比較例においては、支持部材間で、摩擦抵抗が大きく、変形量が大きくなる場合があることが判る。
なお、上記のように本発明の一実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、円筒形セラミックス焼結体の製造方法の構成も本発明の一実施形態および各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
11 炉床、12 (炉床の)通気口、13 敷板、14 (敷板の)通気口、15,15A,15B 第1の支持部材、16,16A,16B 凸条部、17 第2の支持部材、18 円筒形セラミックス成形体

Claims (7)

  1. 焼成炉を用いて円筒形セラミックス成形体を焼成する円筒形セラミックス焼結体の製造方法であって、
    円筒形成形型のキャビティ内に原料粉末を充填し、加圧成形して円筒形セラミックス成形体を得る成形工程と、
    前記円筒形セラミックス成形体を前記焼成炉内に配置する配置工程と、
    前記配置した円筒形セラミックス成形体を前記焼成炉において焼成して円筒形セラミックス焼結体を得る焼成工程とを有し、
    前記配置工程では、前記焼成炉内の炉床あるいは炉床の上に設置した敷板に、上面に複数の凸条部を有する第1の支持部材を複数並べ、該第1の支持部材の上に柱状の第2の支持部材を載置し、該第2の支持部材は前記第1の支持部材の前記凸条部とのみ接触し、前記第2の支持部材上に前記円筒形セラミックス成形体を直立させた状態で載置する円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  2. 前記第1の支持部材は、円筒形セラミックス成形体の円筒径中心から放射状に配置され、前記複数の凸条部は前記円筒形セラミックス成形体の外周の接線方向と平行に形成される請求項1記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  3. 前記凸条部は断面視が半円形状である請求項1又は請求項2記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  4. 前記半円形状の半径が0.5mm以上5mm以下である請求項3記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  5. 前記凸条部は断面視が三角形状である請求項1又は請求項2記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  6. 前記第2の支持部材は、円柱形状で、該円柱の中心軸が前記円筒形セラミックス成形体の円筒径中心を通るように放射状に配置する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
  7. 前記第2の支持部材の円柱形状の円の直径が0.5mm以上である請求項6記載の円筒形セラミックス焼結体の製造方法。
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