JP6824796B2 - 地盤改良体造成方法 - Google Patents

地盤改良体造成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6824796B2
JP6824796B2 JP2017060349A JP2017060349A JP6824796B2 JP 6824796 B2 JP6824796 B2 JP 6824796B2 JP 2017060349 A JP2017060349 A JP 2017060349A JP 2017060349 A JP2017060349 A JP 2017060349A JP 6824796 B2 JP6824796 B2 JP 6824796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground improvement
ground
stirring blade
construction
stirring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017060349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018162593A (ja
Inventor
裕泰 石井
裕泰 石井
真貴子 小林
真貴子 小林
斉郁 藤原
斉郁 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2017060349A priority Critical patent/JP6824796B2/ja
Publication of JP2018162593A publication Critical patent/JP2018162593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6824796B2 publication Critical patent/JP6824796B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

本発明は、地盤内に地盤改良体を造成する地盤改良体造成方法に関するものである。
様々な施工目的の下で、複数の地盤改良杭が相互にラップされた帯状の地盤改良壁が施工されており、たとえば、産業廃棄物等を封じ込める止水壁に供されたり、液状化対策のための地下水位低下に際して対象エリアを複数の区域に隔てるための止水壁に供されたり、同様に液状化対策として対象エリアを格子状に隔てる際の格子壁に供されたりしている。なお、本明細書において「地盤改良体」とは、地盤改良杭や、複数の地盤改良杭が相互にラップして構成された地盤改良壁の双方を含む意味である。
地盤改良杭の施工方法としては、ロッドにたとえば直径1.0m程度の攪拌翼を備え付け、配合試験で確認されている所定量のセメント系の固化材(固化材スラリー)をロッドや攪拌翼から吐出して原地盤と固化材を攪拌翼にて攪拌混合する機械攪拌工法と、たとえば直径100mm程度の掘削ロッドを回転させながら先端の噴射ノズルから固化材を高圧噴射して地盤を切削し、原地盤を固化材で置き換える噴射攪拌工法を主として挙げることができる。
機械攪拌工法は、機械的に撹拌をおこなうことから原地盤との混合効率が良好で噴射撹拌工法に比して相対的に施工速度が速いこと、地盤改良体が撹拌翼に応じた径で造成されることから寸法精度の高い地盤改良体が造成できること、施工中に生じる排泥が噴射撹拌工法に比して相対的に少ないこと、などのメリットを有している。その一方で、地盤改良体の上部に配管等の障害物がある場合に攪拌翼が挿入できない場合が往々にして生じ、この場合には本工法を採用できないことや、地盤改良杭を相互にラップさせながら地盤改良壁を造成する際に先行施工されている地盤改良杭が固化していることから撹拌翼で切削する必要が生じるが、地盤改良体の硬度が高い場合に攪拌翼で切削できなかったり、仮に切削できたとしても施工効率が著しく低下すること、などのデメリットを有している。
一方、噴射攪拌工法は、地盤改良体の上部に配管等の障害物があっても噴射ロッドが挿入さえできれば施工がおこなえること、複数の地盤改良杭を相互にラップさせながら地盤改良壁を造成する場合でも、先行施工された地盤改良杭の一部を高圧噴射された固化材で切削しながら地盤改良杭同士をラップさせることができ、施工効率が低下しないこと、などのメリットを有している。その一方で、高圧噴射で地盤を切削するのに時間を要し、往々にして施工時間が長くなることや、施工中に噴射された固化材の体積相当の排泥が発生してその処理費が嵩むこと、地盤改良杭の杭径が対象地盤の土質や硬さ等の影響を受けるためにその寸法精度が成り行きになり易いこと、などのデメリットを有している。
昨今、日本では社会インフラが成熟したことを背景に、地盤改良施工の対象エリアが既存施設の周辺や直下の地盤となることが多くなってきており、そのために既存構造物を避けて地盤改良施工をおこなうことのできる噴射撹拌工法の有用性が高まっているが、既述するように施工費が割高であったり、施工速度が遅いことなどが課題として残されており、噴射撹拌工法の有する既述のメリットを活かしながら機械撹拌工法の有する既述のメリット、すなわち施工費が安価で施工速度が速いといったメリットも享受できる工法が望まれている。このような背景の下、機械撹拌工法と噴射撹拌工法を併用した地盤改良工法が注目されている。この地盤改良工法は、攪拌翼を縮径させた状態で掘削ロッドを地盤改良体の上部の障害物を回避しながら地中に挿入し、地中で攪拌翼を拡径させて機械撹拌工法によって地盤改良施工をおこなう。障害物を回避できるとともに地盤の切削を高圧噴射に依存しないことから、排泥量を低減でき、施工速度を速めることができる。なお、特許文献1,2には、掘削ロッドの先端から二つの撹拌翼が張り出して拡径する形態(両翼式)の地盤改良体造成装置が開示されている。しかしながら、これらの地盤改良体造成装置は複数の攪拌翼を拡縮させるための機構を掘削ロッド内で成立させる必要があり、そのために構造上撹拌翼の大きさが限定されてしまい、大きな地盤改良杭の杭径を確保し難いといった課題がある。一方、特許文献3には、掘削ロッドの先端から一つの撹拌翼が張り出して拡径する形態(片翼式)の地盤改良体造成装置が開示されている。片翼式の地盤改良体造成装置であれば、攪拌翼の拡縮機構を相対的に小規模化できる。さらに、この装置では、撹拌翼の先端部から固化材スラリーが高圧噴射されることから、この装置を用いることにより、噴射攪拌工法にて外側環状改良体を造成し、その内側は機械攪拌工法にて内側柱状改良体を造成する、機械攪拌工法と噴射攪拌工法が併用された地盤改良工法を実現できるものと考えられる。
特許第5657439号公報 特許第5473798号公報 特許第5831907号公報
たとえば特許文献3に記載の装置を用いることで機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用した地盤改良工法をおこなうことが可能であると考えられるが、特許文献3には双方の工法を具体的にどのように併用しながら地盤改良体(地盤改良杭)を造成するのかに関する記載がない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用して地盤改良体を造成する造成方法を具体的に示すことにより、工費を可及的に安価にでき、工期を可及的に短縮でき、さらには施工に伴って生じる排泥量を抑制することのできる地盤改良体造成方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による地盤改良体造成方法は、掘削ロッドと、該掘削ロッドに対して拡径自在に装着されて先端に噴射ノズルを備えた攪拌翼と、から構成される地盤改良体造成装置を使用して地盤改良体を造成する地盤改良体造成方法であって、前記攪拌翼を閉じた姿勢で地盤改良体造成エリアの下方位置まで前記掘削ロッドを前進させ、前記攪拌翼を開いた姿勢とする第一のステップ、前記攪拌翼を回転させながら前記噴射ノズルを介して固化材を該攪拌翼の外側に噴射する噴射攪拌施工をおこなって外側環状改良体を造成し、次に、該噴射攪拌施工の際の回転速度よりも高速で該攪拌翼を回転させながら固化材を噴射して原地盤と固化材を機械攪拌施工して内側柱状改良体を造成し、前記外側環状改良体と該内側柱状改良体からなる地盤改良分割体を造成する第二のステップ、前記掘削ロッドを地上方向に所定長移動させ、前記第二のステップを繰り返して、先行して造成されている前記地盤改良分割体の上に別途の地盤改良分割体を造成し、積層された地盤改良分割体の全高さが所定の地盤改良高さとなるまで前記第二のステップを繰り返して複数の該地盤改良分割体が積層されてなる前記地盤改良体を造成する第三のステップからなるものである。
本発明の地盤改良体造成方法は、掘削ロッドを地盤改良体造成エリアの下方位置まで前進させた後、噴射攪拌施工にて外側環状改良体を造成し、機械攪拌施工にて内側柱状改良体を造成してこれら二種の改良体からなる地盤改良分割体を造成し、掘削ロッドを徐々に上昇させながら随時地盤改良分割体を造成していき、複数の地盤改良分割体が積層されてなる地盤改良体を造成する点に第一の特徴を有し、さらに、機械攪拌施工において、噴射攪拌施工の際の回転速度よりも高速で攪拌翼を回転させながら機械攪拌施工をおこなう制御を実行する点に第二の特徴を有するものである。
機械攪拌施工の際の攪拌翼の回転速度を噴射攪拌施工の際の回転速度に比して高速に制御しながら、噴射攪拌施工による外側環状改良体と機械攪拌施工による内側柱状改良体からなる地盤改良分割体を順次積層させながら地盤改良体を造成することにより、機械攪拌施工に要する施工時間を短縮でき、かつ地盤改良体の造成にかかる全体の施工時間の短縮化(最適化)を図ることができる。また、機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用することで工費を可及的に安価にでき、施工に伴って生じる排泥量を抑制することもできる。
たとえば、従来の機械攪拌施工と噴射攪拌施工のそれぞれで蓄積された知見に基づき、機械攪拌施工の際の攪拌翼の回転速度を噴射攪拌施工の際の3〜5倍程度に設定することができる。
なお、噴射攪拌施工では、固化材を高圧噴射した際の運動エネルギーを原地盤に直接作用させないと原地盤の切削が困難もしくは不可能であること、および、攪拌翼が高速回転した際には仮に固化材を高圧噴射させても噴射された固化材が原地盤を切削せずに原地盤をなめただけの状態になること、などが本発明者等によって特定されており、このことを根拠として、噴射攪拌施工の際の攪拌翼の回転速度を機械攪拌施工の際の回転速度よりも低速にしている。なお、従来の機械攪拌施工と噴射攪拌施工の併用工法では、このような知見に基づいた各施工における攪拌翼の回転速度の制御方法は存在しない。
掘削ロッドを回転させながら噴射ノズルからセメント系の固化材を高圧噴射することにより、外側の環状エリアの原地盤が切削されて固化材に置き換えられ、外側環状改良体が造成される(噴射攪拌施工)。次に、掘削ロッドを同位置に置いたまま、掘削ロッドを回転させながら噴射ノズルから同様にセメント系の固化材を噴射すると、噴射された固化材は既に造成されている外側環状改良体にぶつかり、当該外側環状改良体の内側の原地盤へ流れ込んでくる。この内側へ流れ込んできた固化材と原地盤が回転する攪拌翼で機械攪拌され、内側柱状改良体が造成される(機械攪拌施工)。
拡径した際の攪拌翼の高さ(幅)が5cm程度の場合、回転姿勢の攪拌翼先端の噴射ノズルから固化材を高圧噴射する噴射攪拌施工とそれに続く機械攪拌施工により、同程度(5cm程度)の高さの外側環状改良体と内側柱状改良体が造成でき、したがって5cm程度の地盤改良分割体が造成される。したがって、この場合、高さ1m程度の地盤改良体を造成する際には、第二のステップをおこなった後、第三のステップにおいて第二のステップをさらに19回程度繰り返すことにより、20個程度の地盤改良分割体が積層してなる地盤改良体が造成される。
たとえば、地盤改良体造成装置を構成して、掘削ロッドを昇降自在に支持するベースマシンにより、掘削ロッドを上昇させる高さが制御され、上昇回数がカウントされ、地盤改良分割体の積層高さが算定され、この積層高さが所望する地盤改良体の高さになった段階で施工が終了される。
また、本発明の地盤改良体造成方法では、使用する地盤改良体造成装置として、掘削ロッドに一つの攪拌翼が装着された片翼式の装置を適用するのが好ましい。
本発明の造成方法で適用される地盤改良体造成装置に関しては、掘削ロッドの先端に一つの攪拌翼を備えた装置、複数の攪拌翼を備えた装置のいずれを適用してもよいが、一つの攪拌翼が装着された装置を適用する場合、複数の攪拌翼を備えた装置に比して掘削ロッド内の構成も機構もシンプルになり、掘削ロッドの小径化と軽量化を図ることができ、掘削ロッドの軽量化に起因してこれを昇降自在に支持するベースマシンの小型化を図ることも可能になる。
以上の説明から理解できるように、本発明の地盤改良体造成方法によれば、掘削ロッドを地盤改良体造成エリアの下方位置まで前進させた後、噴射攪拌施工にて外側環状改良体を造成し、機械攪拌施工にて内側柱状改良体を造成してこれら二種の改良体からなる地盤改良分割体を造成し、掘削ロッドを徐々に上昇させながら随時地盤改良分割体を造成していき、複数の地盤改良分割体が積層されてなる地盤改良体を造成する方法において、機械攪拌施工では、噴射攪拌施工の際の回転速度よりも高速で攪拌翼を回転させながら機械攪拌施工をおこなう制御を実行することにより、工期の短縮化(最適化)を図りながら、工費を安価にでき、施工に伴って生じる排泥量を抑制することができる。
本発明の地盤改良体造成方法の実施の形態を説明したフロー図であって第一のステップを説明した図である。 図1に続いて第二のステップを説明した図である。 図2に続いて第二のステップを説明した図である。 図3に続いて第三のステップを説明した図である。 (a)は図4に続いて第三のステップを説明するとともに造成された地盤改良体を示した図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。
以下、図面を参照して本発明の地盤改良体造成方法の実施の形態を説明する。なお、図示例の機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用した地盤改良体造成方法では、掘削ロッドの先端に片翼が取り付けられた地盤改良杭造成装置を用いているが、掘削ロッドの先端に二以上の攪拌翼が取り付けられた地盤改良杭造成装置を用いて造成をおこなってもよいことは勿論のことである。
(地盤改良体造成方法の実施の形態)
図1〜図5(a)はその順に本発明の地盤改良体造成方法の実施の形態を説明したフロー図である。
まず、図示する地盤改良体造成方法で適用される地盤改良体造成装置Sは、ベースマシンMと、ベースマシンMにて回転自在かつ昇降自在に支持された掘削ロッドRと、掘削ロッドRの先端に拡縮自在に装着された一つの攪拌翼Fと、から構成されている。
攪拌翼Fは先端に噴射ノズルFaを備えており、図1で示すように掘削ロッドRに対して閉じた姿勢から90度回動して拡径する(X1方向)。
地盤改良体造成装置Sを使用してなる地盤改良体造成方法を説明すると、まず、図1で示すように、地盤Gの地盤改良杭造成エリアBAの下端まで延びている挿通孔Bを先行施工する。この挿通孔Bの造成は、ベースマシンMを使用して不図示のケーシングを原地盤Gに圧入しながら削孔し、ケーシングを引き抜くことでおこなわれる。
挿通孔Bを通して、攪拌翼Fを閉じた姿勢として掘削ロッドRをベースマシンMにて地盤改良造成エリアBAの下端まで導き、地盤改良造成エリアBAの下端にて攪拌翼Fを回動させて(X1方向)拡径する(第一のステップ)。この攪拌翼Fの幅(高さ)はtであり、同位置において噴射ノズルFaから固化材を噴射して造成される後述の地盤改良分割体の高さはこの幅tと同程度もしくは同水準以下になる。たとえば、攪拌翼Fの高さtが10〜15cmの際に、後述の地盤改良分割体の高さを同程度の10〜15cmとしてもよいし、それよりも少ない5cm程度にしてもよい。なお、以下、図2以降の説明では、攪拌翼Fの高さtと地盤改良分割体の高さを同じとして説明する。
次に、図2で示すように、ベースマシンMにて掘削ロッドおよび攪拌翼Fを回転させながら(X2方向)噴射ノズルFaを介して固化材を攪拌翼Fの外側に噴射する(Y1方向)噴射攪拌施工をおこない、高さtの外側環状改良体P1を造成する。
外側環状改良体Pが造成されたら、図3で示すように、攪拌翼Fを同位置で噴射攪拌施工の際の回転速度よりも高速で回転させながら(X2方向)固化材を噴射し、原地盤と固化材を機械攪拌施工して内側柱状改良体P2を造成し、外側環状改良体P1と内側柱状改良体P2からなる高さtの地盤改良分割体PAが造成される。
この機械攪拌施工の際の攪拌翼Fの回転速度は噴射攪拌施工の際の3〜5倍程度で設定されるのがよく、たとえば、噴射攪拌施工の際の回転速度を10rpmとした際に、機械攪拌施工の際の回転速度を四倍の40rpmに設定することができる。なお、機械攪拌施工、噴射攪拌施工ともに単位時間当たりの固化材の噴射量は同程度でよい。
この機械攪拌施工では、噴射ノズルFaから噴射された固化材は既に造成されている外側環状改良体P1にぶつかり、外側環状改良体P1の内側の原地盤へ流れ込んでくる(Y2方向)。この内側へ流れ込んできた固化材と原地盤が回転する攪拌翼Fで機械攪拌されることで内側柱状改良体P2が造成される(第二のステップ)。
高さtの地盤改良分割体PAが造成されたら、図4で示すように、地盤改良分割体PAの上まで掘削ロッドRを上昇させ(X3方向)、その位置で図2,3を参照して説明した第二のステップを繰り返し実行する。ここで、掘削ロッドRを高さtだけ上昇させて停止する制御はベースマシンMにておこなわれる。
図5(a)で示すように、第二のステップを繰り返して、先行して造成されている地盤改良分割体PAの上に別途の地盤改良分割体PAを造成し、積層された地盤改良分割体PAの全高さが所定の地盤改良高さTとなるまで第二のステップを繰り返すことにより、複数の地盤改良分割体PAが積層され、図5(b)で示す内側円形の円柱状改良体PB2とその外側の環状改良体PB1からなる地盤改良体PBが造成される(第三のステップ)。
ここで、ベースマシンMの具備する制御部には、造成されるべき地盤改良体PBの地盤改良高さTが格納されており、既述する一回当たりの掘削ロッドRの上昇高さtに関する情報も格納されており、さらには、第三のステップにおける掘削ロッドRの上昇回数もカウントされていく。そして、第二のステップにおける地盤改良分割体PAの高さtと、カウントされた上昇回数に基づき、上昇高さtに上昇回数を乗じることでその時点での地盤改良分割体の積層体の高さが制御部にて算定され、算定された積層体の高さが地盤改良体PBの地盤改良高さTになった段階で施工が終了するように制御される。
図示する地盤改良体造成方法によれば、機械攪拌施工の際の攪拌翼Fの回転速度を噴射攪拌施工の際の回転速度に比して高速に制御することにより、機械攪拌施工に要する施工時間を短縮でき、全体の施工時間の短縮化(最適化)を図ることができる。また、機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用することで工費を可及的に安価にでき、施工に伴って生じる排泥量を抑制することもできる。
また、掘削ロッドRの先端に一つの攪拌翼Fが装着された装置を適用することから、複数の攪拌翼を備えた装置に比して掘削ロッドR内の構成も機構もシンプルになり、掘削ロッドRの小径化と軽量化を図ることができ、掘削ロッドRの軽量化に起因してこれを昇降自在に支持するベースマシンMの小型化を図ることができる。さらに、掘削ロッドRから攪拌翼Fの先端の噴射ノズルFaに連通する固化材の噴射ルートが一つであることによっても、掘削ロッドR内の構成および機構をシンプルなものにできる。
(本発明の地盤改良体造成方法による施工時間と固化材吐出量に関する試算とその結果)
本発明者等は本発明の地盤改良体造成方法による効果を確認するべく、施工時間の短縮の程度と固化材吐出量の低減の程度を試算し、従来の造成方法との比較をおこなった。
攪拌翼の回転と固化材の噴射によって造成される地盤改良分割体の高さを5cmとし、造成される地盤改良体の造成高さを1mとし、改良径として、機械攪拌施工による内側柱状改良体の直径を1200mm、噴射攪拌施工による外側環状改良体の幅を200mmとし、したがって地盤改良体の直径を1600mmとした。噴射攪拌施工では、固化材の噴射圧力は20MPaで噴射量は35L/分とし、攪拌翼の回転速度を10rpm(2回転に12秒を要し、トータルとして2×100cm/5cm=40回/mの噴射回転数を確保)とした。ここで、固化材の噴射圧力:20MPa、噴射量:35L/分、および攪拌翼の回転速度:10rpmなる条件は、CCP工法(Chemical-Churing-Pile工法、高圧噴射攪拌工法)における一般的な施工仕様に基づいている。
一方、機械攪拌施工では、固化材の噴射圧力は20MPaで噴射量は35L/分で同一とし、攪拌翼の回転速度を40rpm(20回転に30秒を要し、トータルとして20×100cm/5cm=400回/mの羽根切回数を確保)とした。ここで、攪拌翼の回転速度を40rpmなる条件は、CDM工法(Cement-Deep-Mixing工法、深層混合処理工法)における一般的な施工仕様に基づいている。
以上の条件に基づいて施工時間と固化材吐出量を試算すると、一つの地盤改良分割体の施工時間は42秒となり、したがって高さ1mの地盤改良体の施工時間は42秒×100cm/5cm =840秒(14分)となる。一方、高さ1mの地盤改良体の造成に要する固化材吐出量は35L/分×14分=490Lとなる。
上記するCCP工法で同水準の地盤改良体を造成する場合、攪拌翼の引き上げ時間は30分/m以上とされており、固化材の単位時間当たりの吐出量は60L/分であり、したがって全体の固化材吐出量は60×30=1800L以上となる。
また、従来の施工方法として、機械攪拌工法と噴射攪拌工法を併用した、Lスピンコラム工法という工法があるが、Lスピンコラム工法で同水準の地盤改良体を造成する場合でも、CCP工法と同様、攪拌翼の引き上げ時間は30分/m以上とされており、固化材の単位時間当たりの吐出量は60L/分であり、全体の固化材吐出量は60×30=1800L以上となる。
よって、本発明の地盤改良体造成方法を適用することにより、CCP工法やLスピンコラム工法に比して施工速度は2倍以上となり(30分/14分>2)、固化材吐出量は27%程度にまで低減できることが分かった(490L/1800L×100≒27%)。
以上、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
PA…地盤改良分割体、P1…外側環状改良体、P2…内側柱状改良体、PB…地盤改良体、PB1…環状改良体、PB2…円柱状改良体、BA…地盤改良造成エリア、B…挿通孔、S…地盤改良体造成装置、R…掘削ロッド、F…攪拌翼(片翼)、Fa…噴射ノズル

Claims (2)

  1. 掘削ロッドと、該掘削ロッドに対して拡径自在に装着されて先端に噴射ノズルを備えた攪拌翼と、から構成される地盤改良体造成装置を使用して地盤改良体を造成する地盤改良体造成方法であって、
    前記攪拌翼を閉じた姿勢で地盤改良体造成エリアの下方位置まで前記掘削ロッドを前進させ、前記攪拌翼を開いた姿勢とする第一のステップ、
    前記攪拌翼を回転させながら前記噴射ノズルを介して固化材を該攪拌翼の外側に噴射する噴射攪拌施工をおこなって外側環状改良体を造成し、次に、該噴射攪拌施工の際の回転速度よりも高速で該攪拌翼を回転させながら固化材を噴射して原地盤と固化材を機械攪拌施工して内側柱状改良体を造成し、前記外側環状改良体と該内側柱状改良体からなる地盤改良分割体を造成する第二のステップ、
    前記掘削ロッドを地上方向に所定長移動させ、前記第二のステップを繰り返して、先行して造成されている前記地盤改良分割体の上に別途の地盤改良分割体を造成し、積層された地盤改良分割体の全高さが所定の地盤改良高さとなるまで前記第二のステップを繰り返して複数の該地盤改良分割体が積層されてなる前記地盤改良体を造成する第三のステップからなる、地盤改良体造成方法。
  2. 前記掘削ロッドに対して一つの前記攪拌翼が装着されている請求項1に記載の地盤改良体造成方法。
JP2017060349A 2017-03-27 2017-03-27 地盤改良体造成方法 Active JP6824796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017060349A JP6824796B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 地盤改良体造成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017060349A JP6824796B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 地盤改良体造成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018162593A JP2018162593A (ja) 2018-10-18
JP6824796B2 true JP6824796B2 (ja) 2021-02-03

Family

ID=63859197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017060349A Active JP6824796B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 地盤改良体造成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6824796B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7471041B2 (ja) 2020-06-29 2024-04-19 ケミカルグラウト株式会社 高圧噴射撹拌工法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS529205Y2 (ja) * 1973-04-06 1977-02-26
JPS5948248B2 (ja) * 1983-01-25 1984-11-26 株式会社 エヌ、アイ、テイ 高圧二重噴射による地盤改良装置
JPH0637767B2 (ja) * 1988-03-28 1994-05-18 株式会社テノックス 撹拌翼と高圧噴射併用地盤改良工法
JP2934920B2 (ja) * 1991-07-25 1999-08-16 大成建設株式会社 地盤改良工法
US5399056A (en) * 1993-08-26 1995-03-21 Chemical Grouting Co., Ltd. Method for controlling a final pile diameter in a cast-in-place of solidification pile
JPH07138965A (ja) * 1993-11-16 1995-05-30 Ask Kenkyusho:Kk 既存の地下構築物の真下の地盤の補強方法
JPH10306437A (ja) * 1997-04-30 1998-11-17 Tone Chika Gijutsu Kk 拡翼走行式地盤改良装置およびこれを用いた地盤改良方法
JP3890427B2 (ja) * 1997-07-17 2007-03-07 三谷セキサン株式会社 地盤改良における改良柱築造工法
JP3510147B2 (ja) * 1999-04-23 2004-03-22 不動建設株式会社 固化杭の造成方法
JP2001115446A (ja) * 1999-10-21 2001-04-24 Chem Grouting Co Ltd 固結杭造成工法
JP2007332582A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Yuji Kaneko 地盤改良工法および地盤改良装置
JP5630686B2 (ja) * 2010-02-05 2014-11-26 三信建設工業株式会社 開閉翼作動感知装置および開閉翼作動感知方法
JP5473798B2 (ja) * 2010-06-25 2014-04-16 日特建設株式会社 掘削装置
JP5657439B2 (ja) * 2011-03-17 2015-01-21 大成建設株式会社 地盤改良体造成装置と地盤改良体造成方法
JP5743759B2 (ja) * 2011-07-05 2015-07-01 株式会社松村組 土壌処理装置
JP5831907B2 (ja) * 2012-03-22 2015-12-09 日特建設株式会社 拡径ビット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018162593A (ja) 2018-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9624638B2 (en) Machine and a method for making columns in ground
JP5102187B2 (ja) 地盤改良を併用した杭の施工方法
JP4520913B2 (ja) 地盤改良方法および既存構造物基礎の補強方法
JP5464510B2 (ja) 洋上構造物用水底基礎構造及びその構築方法
JP6824796B2 (ja) 地盤改良体造成方法
JP4867861B2 (ja) 地下水の流動化阻害防止方法、地下水の流動阻害を防止する山留め壁の構築方法及びその方法で構築された山留め壁、並びに通水部の構築方法
JP5027958B1 (ja) 砕石杭形成工法及びこれに用いる砕石杭形成装置
JP6901928B2 (ja) 杭の施工方法
EP1600560A1 (en) A method and device for forming a pile
JP2019039140A (ja) 地盤改良体の造成方法および杭の施工方法
JP2007170008A (ja) 液状化対策工法
JP6076383B2 (ja) 地盤改良杭の施工方法、及び地盤改良杭の施工装置
JP6807285B2 (ja) 地盤改良体の造成方法およびケーシングパイプ
JP5075090B2 (ja) 場所打ち杭の施工方法および場所打ち杭
JP6735138B2 (ja) 土留壁構造の構築方法および土留壁構造
JP2017089319A (ja) 立坑構築方法
JP4982632B2 (ja) 防波堤下の液状化対策工法
JP3056700B2 (ja) 積石層下部の軟弱層地盤を改良する工法及びそのための装置
JP4372661B2 (ja) 拡頭杭の施工方法
KR102260596B1 (ko) 지반 강화용 팽이 기초파일의 현장 시공방법
KR102117392B1 (ko) 흙막이 벽체 시공방법
JP6408948B2 (ja) 遮水壁の構築方法
JP2016223133A (ja) 充填材パイルの造成方法および該造成方法に用いる掘削ヘッド
JP6553101B2 (ja) 地盤改良攪拌装置
JP2020169455A (ja) ソイルセメント連続壁の施工法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170704

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170824

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6824796

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150