JP6735138B2 - 土留壁構造の構築方法および土留壁構造 - Google Patents

土留壁構造の構築方法および土留壁構造 Download PDF

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Description

本発明は、土留壁構造の構築方法および土留壁構造に関する。
地盤に土留壁を打設してその内側の地盤を掘り下げるような工事では、土留壁を補強し外側の地盤からの土圧や水圧に耐え得るものとするために、土留壁とその外側の地盤に設けた控え壁をタイロッドにより連結することがある(特許文献1、2参照)。
図11はこのような土留壁構造100を簡単に示した例であり、土留壁101とその外側の地盤に設けた控え壁103とがタイロッド105を用いて連結される。タイロッド105の設置時は、土留壁101の外側の地盤を0.5m程度の深さ(点線a参照)まで掘り下げ、タイロッド105の設置を行った後埋戻しを行う。
特許第4959452号 特許第5854508号
従来の方法では、作業の困難さなどの理由からタイロッド105の設置時に土留壁101の外側の地盤を深く掘り下げることはせず、タイロッド105は地表面近くの浅い位置に1段のみ設置されることが一般的である。
従って、土留壁101はタイロッド105の下方の位置で土圧や水圧を受け、土留壁101に曲げ応力が発生し、タイロッド105に張力が加わる。この曲げ応力、張力を過大にしないためには、土留壁101の内側の地盤を掘り下げる深さを4〜5m程度に抑える必要がある。これより深い位置まで掘り下げるためには、土留壁101の強度を向上させたり、土留壁101の外側の地盤の地下水位を下げて作用荷重を小さくするなどの2次的な対応が必要であり、施工に手間やコストがかかる。その場合でも10mを超える掘削は困難である。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、地盤の深い位置まで土留壁の耐力を向上させ、土留壁の内側の地盤を深く掘り下げることを可能とする土留壁構造の構築方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、地盤に土留壁と前記土留壁の外側の控え壁とを構築する工程(a)と、前記土留壁の内側の地盤を掘り下げる工程(b)と、前記土留壁側から前記土留壁の外側の地盤および前記控え壁の削孔を略水平方向に行って形成した前記地盤の掘削部と前記控え壁の切削部に連結材を挿入し、前記連結材の前記控え壁側の端部を前記控え壁の外側で定着するとともに、前記連結材の前記土留壁側の端部を前記土留壁の内側で定着する工程(c)と、を有し、前記連結材が、前記控え壁側の端部に定着用の部材を取付けた状態で前記地盤の掘削部と前記控え壁の切削部に挿入され、前記連結材の前記控え壁側の端部が前記部材を用いて定着され、前記部材は回転軸を中心として回転可能な一体の回転体であり、前記回転体を前記控え壁から外側に突出させた際に前記回転体が回転し、前記回転体の上端部と下端部が前記控え壁に係止することにより、前記連結材の前記控え壁側の端部が定着されることを特徴とする土留壁構造の構築方法である
本発明では、土留壁の内側の地盤を掘り下げる際に、土留壁と控え壁を連結する連結材を水平ボーリングなどの水平削孔手法を用いて設置することから、地盤の浅い位置だけでなく、地盤のより深い位置でも連結材を容易に設置できる。そのため地盤の深い位置で土圧等に対する土留壁の耐力を向上させることができ、土留壁の内側の地盤を深く掘り下げることができる。また連結材が水平に配置できるため、連結材の許容張力の100%を、土留壁に加わる土圧等に対する支持力として用いることができる。
前記控え壁がコンクリートを用いて形成されることが望ましい。
これにより、連結材の設置時に、控え壁を容易に削孔できる。
前記連結材を上下複数段に設けることが望ましい。
これにより、土留壁の内側の地盤を掘り下げる深さに応じて連結材の本数を増やし、土圧等に対する土留壁の耐力を高めて地盤をより深い位置まで掘り下げることができる。
1の発明では、前記連結材が、前記控え壁側の端部に定着用の部材を取付けた状態で前記地盤の掘削部と前記控え壁の切削部に挿入され、前記連結材の前記控え壁側の端部が前記部材を用いて定着されることによって、連結材の控え壁側の端部を容易かつ確実に定着することができる。
第1の発明において、前記部材は回転軸を中心として回転可能な回転体であり、前記回転体を前記控え壁から外側に突出させた際に前記回転体が回転し、前記回転体が前記控え壁に係止することにより、前記連結材の前記控え壁側の端部が定着される
結材に取付けて用いる定着用の部材としては、回転して控え壁に係止する回転体、側方へと張出して控え壁に係止する張出部などを用いることができる。いずれの場合にも連結材を容易かつ確実に定着することができ、どのような方法とするかは作業性やコストなどに応じて適宜定めればよい。
また、前記削孔を行う際、前記控え壁の外側の地盤を、前記控え壁の切削部より大きい断面積で掘削することが望ましい。
これにより、連結材の端部を定着するための空間を控え壁の外側に形成することができる。
の発明は、地盤の掘削箇所を囲むように設けられた土留壁と、前記土留壁の外側の地盤に設けられた控え壁と、前記土留壁の外側の地盤内に配置され、前記土留壁と前記控え壁を連結する略水平方向の連結材と、を有し、前記連結材は、前記土留壁側の端部が前記土留壁の内側で定着され、前記控え壁に形成された切削部を通り、前記控え壁側の端部が前記控え壁の外側で定着され、前記連結材の前記控え壁側の端部に取付けられた定着用の部材により、前記連結材の前記控え壁側の端部が定着され、前記部材は、回転軸を中心として回転可能な一体の回転体の上端部と下端部が前記控え壁に係止されたものであることを特徴とする土留壁構造である
前記控え壁がコンクリートを用いて形成されることが望ましい。
また前記連結材が上下複数段に設けられることが望ましい
た、前記控え壁の外側の地盤に、前記控え壁の切削部に連続して、前記切削部より断面積の大きい掘削部が形成されることが望ましい。
本発明により、地盤の深い位置まで土留壁の耐力を向上させ、土留壁の内側の地盤を深く掘り下げることを可能とする土留壁構造の構築方法等を提供することができる。
土留壁構造1の概略を示す図 土留壁構造1を上から見た図 タイロッド15を示す図 土留壁構造1の構築方法について説明する図 土留壁構造1の構築方法について説明する図 地盤および控え壁13の水平削孔とタイロッド15の設置について示す図 定着部20”を示す図 定着部20aを示す図 定着部20bを示す図 定着部20cを示す図 土留壁構造100の例
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.土留壁構造1)
図1は本発明の実施形態に係る土留壁構造1の概略を示す図である。図1に示すように、土留壁構造1は、土留壁11と、控え壁13と、タイロッド15とを有する。
土留壁11は鋼矢板等により構成され、地盤の掘削箇所2の周囲を囲むように設けられる。土留壁11は掘削箇所2の底面より深い位置まで埋入される。図2は図1の土留壁構造1を上から見た図であり、本実施形態では土留壁11が平面において略円周状に配置される。ただし、土留壁11の配置はこれに限らない。例えば略ロの字状に配置されてもよい。
控え壁13は、土留壁11の外側の地盤に設けられる。控え壁13は、後述する水平ボーリング時に水平削孔しやすいようにコンクリートを用いて形成され、且つその壁面の法線方向が水平となるように設置される。控え壁13は、掘削箇所2の底面より1mあるいは2m程度深い位置まで埋入される。
本実施形態では、控え壁13として、例えば厚さ5cm、横幅50cm以上の十分な強度を有する平板状のコンクリート板が用いられる。コンクリート板としては、ポリプロピレン繊維等による繊維補強コンクリート板、グラスファイバー鉄筋入りのグラスファイバー補強コンクリート板などを用いることができるが、これに限ることはない。
図2に示すように、控え壁13は、平面において土留壁11の周方向に間隔を空けて複数配置される。これらの控え壁13は、土留壁11の周方向のほぼ一定間隔(例えば5〜6m程度)ごとに配置されたものであり、各控え壁13は、土留壁11の当該間隔ごとに、土留壁11の円周状平面の径方向において土留壁11の外側の位置に配置される。
図1に示すように、控え壁13は、掘削箇所2の底面の側端部を始点として地盤の崩壊角φに基づく崩壊線cを外側に延ばした時に、この崩壊線cより外側となる位置に配置される。崩壊角φは地盤の崩壊線cが水平方向に対して成す角度であり、地盤の内部摩擦係数によって定まる。例えば内部摩擦係数が30°の場合、崩壊角φは60°である。土留壁11から控え壁13までの距離は、上記の崩壊角φと掘削箇所2の底面の深さに応じて定めることができ、例えば5〜10m程度とする。
タイロッド15は土留壁11と控え壁13を連結する連結材であり、図2に示すように土留壁11の円周状平面の径方向に配置される。またタイロッド15は土留壁11の周方向に間隔を空けて複数配置される。図1に示すように、タイロッド15は土留壁11の外側の地盤内に略水平方向に配置される。タイロッド15は上下複数段に設けられる。
本実施形態では3段以上のタイロッド15が配置されており、上から1段目の地表面近くのタイロッド15は、既知の定着具20’によって控え壁13の外側に定着される。一方、上から2段目以深のタイロッド15については、モルタルやセメントミルク等の固化材による定着部20によって控え壁13の外側に定着される。
タイロッド15は後述するように水平削孔の手法を用いて設置されており、図3に示すように、土留壁11の孔11aおよび控え壁13に形成された切削部13aを通るように地盤内に埋設される。タイロッド15の控え壁13側の端部は控え壁13の切削部13aから外側に突出しており、当該端部の周囲に固化材を充填して成る定着部20によって控え壁13の外側で定着されている。
一方、タイロッド15の土留壁11側の端部は、土留壁11の内側で定着される。本実施形態では土留壁11の内側に腹起し30が設けられており、タイロッド15の土留壁11側の端部が定着具40によって腹起し30に定着される。図2に示すように、腹起し30は土留壁11の内周に沿ってリング状に配置される。腹起し30にはH形鋼や溝形鋼などの形鋼が用いられる。
(2.土留壁構造1の構築方法)
次に、土留壁構造1の構築方法について説明する。本実施形態では、図4(a)に示すように、まず地盤の掘削予定箇所を囲むように土留壁11を構築するとともに、その外側の地盤に控え壁13を構築する。
土留壁11は、例えばバイブロハンマーなどによって鋼矢板を地盤に打設して構築する。控え壁13は、例えば地盤をオーガーなどで掘り下げ、前記したコンクリート板を建て込み、その周囲を砂、砕石、ソイルモルタル、セメントミルク、コンクリート等の埋戻材で埋め戻して構築される。
以降、土留壁11の内側の地盤を掘り下げ、土留壁11と控え壁13の間にタイロッド15を設置する作業を繰り返す。本実施形態では、上から1段目の地表面近くのタイロッド15は従来と同様に設置する。すなわち、図4(b)に示すように、土留壁11の内側の地盤を1.5m程度掘り下げた段階で、土留壁11の外側の地盤を0.5m程度掘り下げ、1段目のタイロッド15を設置する。タイロッド15の控え壁13側の端部は前記した定着具20’によって控え壁13の外側で定着される。土留壁11側の端部は、土留壁11の内側に設けた腹起し30に定着具40によって定着される。
この後、図5(a)に示すように、土留壁11の内側の地盤をさらに所定深さ(例えば4m程度)掘り下げた段階で、土留壁11の孔11aを通して水平ボーリングを行い、土留壁11側から土留壁11の外側の地盤および控え壁13を略水平方向に削孔し、地盤および控え壁13に掘削部17、及び切削部13aを形成する。掘削部17、切削部13aは連続して形成される。また、本実施形態では控え壁13の外側の地盤に切削部13aと連続する掘削部18が形成される。
その後、土留壁11の孔11aから掘削部17、切削部13a、掘削部18にタイロッド15を挿入し、タイロッド15の控え壁13側の端部を定着部20によって控え壁13の外側で定着するとともに、タイロッド15の土留壁11側の端部を土留壁11の内側に設けた腹起し30に定着具40によって定着する。この状態の概略を図5(b)に示す。
図6は、上記した地盤および控え壁13の水平削孔とタイロッド15の設置の詳細について示す図である。
すなわち、図6(a)に示すように、本実施形態では、土留壁11の孔11aからケーシング50およびその内部の削孔用ロッド60を挿入し、ロッド60先端のビットで水平削孔を行いつつ、ケーシング50とロッド60を水平方向に推進させる。これにより、土留壁11の外側の地盤および控え壁13に略水平方向の掘削部17、切削部13aが連続して形成される。
本実施形態では、さらに控え壁13の切削部13aに続く控え壁13の外側の地盤をジェットなどによって拡幅して削孔し、図6(b)に示すように切削部13aより断面積の大きい掘削部18を形成する。なお、断面積とは、土留壁11と控え壁13を結ぶ水平方向と直交する鉛直方向断面の面積をいうものとする。
その後、図6(c)に示すようにケーシング50(掘削部17、切削部13a)内にタイロッド15を挿入し、タイロッド15の控え壁13側の端部を控え壁13の外側の掘削部18内に突出させ、この掘削部18にて当該端部の周囲にモルタルやセメントミルク等の固化材を充填して定着部20を形成する。これによりタイロッド15の控え壁13側の端部を控え壁13の外側で定着する。
その後、ケーシング50の引き抜きを行う。また、土留壁11の内側に前記した腹起し30を配置し、タイロッド15の土留壁11側の端部をジャッキ等を用いて緊張し、タイロッド15が緩まない程度の張力をかけて緊張した状態で当該端部を定着具40によって腹起し30に定着する。こうして図5(b)に示すようにタイロッド15が設置される。
以下、土留壁11の内側の地盤を所定深さ掘り下げるごとに、上記の手順でタイロッド15を設置して土留壁11と控え壁13の連結を行う作業を繰り返し、土留壁11の内側の地盤を一定深さ掘り下げると、図1等に示す土留壁構造1が構築される。
以上説明したように、本実施形態では、土留壁11の内側の地盤を掘り下げる際に、土留壁11と控え壁13を連結するタイロッド15を水平ボーリングなどの水平削孔手法を用いて設置することから、地盤の浅い位置だけでなく、地盤のより深い位置でもタイロッド15を容易に設置できる。そのため地盤の深い位置で土圧等に対する土留壁11の耐力を向上させることができ、土留壁11の内側の地盤を深く掘り下げることができる。また本実施形態では控え壁13とタイロッド15により土留壁11を支持することから、土留壁11の内側に切梁等を設置する作業は不要であり、土留壁11の内側の掘削および躯体構築が自由にできる。
また、タイロッド15が水平に配置できるため、タイロッド15の許容張力の100%を、土留壁11に加わる土圧等に対する支持力として用いることができる。これは、例えばグラウンドアンカーを土留壁11から外側の地盤に向かって斜め下方に設置し土留壁11を支持する場合、傾斜角が大きいとアンカーの効きが悪くなるのに対して有利である。さらに、グラウンドアンカー工法のようにアンカーケーブル先端の定着体の位置に高い強度を有する地盤がある必要も無く、長いアンカーケーブルが必要となることもない。
また、本実施形態では控え壁13がコンクリートを用いて形成されるので、タイロッド15の設置時に、控え壁13を容易に削孔できる。
さらに、本実施形態では上下複数段にタイロッド15を設けるので、土留壁11の内側の地盤を掘り下げる深さに応じてタイロッド15の本数を増やし、土圧等に対する土留壁11の耐力を高めて地盤をより深い位置まで掘り下げることができる。
また、本実施形態ではタイロッド15の控え壁13側の端部の周囲に固化材を充填することで、当該端部を容易かつ確実に定着することができる。
また本実施形態では、削孔を行う際、控え壁13の外側の地盤を控え壁13の切削部13aより大きい断面積で削孔し、タイロッド15の端部を定着するための空間である掘削部18を控え壁13の外側に形成して、この掘削部18で固化材を充填するので、より確実にタイロッド15の端部を控え壁13の外側に定着することができる。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば本実施形態において控え壁13は平板状のコンクリート板としたが、その他、無筋の場所打ちコンクリート杭、コンクリート製の矢板等、水平ボーリング時に削孔できるものであれば良い。
また、控え壁13は地盤を掘り下げて建て込むものに限らず、波型コンクリート矢板、加圧コンクリート矢板、鋼矢板等をバイブロハンマー等で打撃して地盤に埋入してもよい。また、バケット掘削機により短冊形の溝を形成してコンクリートを打設し、場所打ちコンクリート壁を形成してもよく、既知のSMW工法、TRD工法、パワーブレンダー工法などによって、セメントミルク等の固化材と地盤との混合物によるソイルモルタル壁を構築してもよい。
さらに、図7に示すように、控え壁13の外側に前記した掘削部18を形成する代わりに、控え壁13の外側3〜4m程度の範囲まで、水平ボーリングによって控え壁13の切削部13aと同程度の断面積で水平削孔を行って掘削部18’を形成し、当該掘削部18’にタイロッド15の控え壁13側の端部を挿入して固化材を充填し、定着部20”を形成してもよい。
さらに、場合によっては前記のようにケーシング50を引き抜かず残置しておくことも可能である。あるいは、水平削孔時にケーシング50を省略し、素掘りを行って地盤や控え壁13に略水平方向の掘削部17、切削部13a等を形成することも可能である。
以下、本発明の別の例として、連結材に予め取付けられた定着用の部材を定着部として用いる例を第2の実施形態として説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。また、第1、2の実施形態で説明した構成は必要に応じて互いに組み合わせて用いることができる。
[第2の実施形態]
図8(a)に示す定着部20aは、タイロッド15の控え壁13側の端部に予め取付けた定着用の部材であるモルタルバッグ201(袋体)にモルタル等の充填材を充填することで、当該端部を控え壁13の外側で定着したものである。
この例では、図8(b)に示すように、タイロッド15の控え壁13側の端部の周囲に、注入管211と接続された断面ドーナツ型のモルタルバッグ201を取付け、モルタルバッグ201から突出したタイロッド15の先端にナット、定着プレート等からなる定着金具202を設けており、この状態のタイロッド15がケーシング50(掘削部17、切削部13a)内に挿入される。
そして、図8(c)に示すように、控え壁13の外側までモルタルバッグ201を押し込んだ状態で、モルタル等の充填材を注入管211からモルタルバッグ201に注入し、充填することでモルタルバッグ201が膨らみ、定着部20aが形成される。ケーシング50と注入管211はモルタルバッグ201の充填が完了した時点で引き抜き、撤去する。以下、前記と同様にタイロッド15の土留壁11側の端部を定着することで、図8(a)に示すように土留壁11と控え壁13がタイロッド15で連結される。
なお、この場合も、図8(b)に示すように、控え壁13の切削部13aに続く控え壁13の外側の地盤をジェットなどによって拡幅して削孔し、切削部13aより断面積の大きい掘削部18を形成しておくことで、定着用の空間を確保してタイロッド15の端部をより確実に定着できる。
一方、図9(a)に示す定着部20bは、回転軸204を中心として回転可能な回転体205(定着用の部材)が控え壁13に係止することで定着を行うものである。
この例では、図9(b)に示すように、タイロッド15の控え壁13側の端部に棒材203がカプラー(接続具)200によって接続されており、この棒材203の控え壁13側の端部に回転体205が回転軸204を中心として回転可能に取付けられている。
図9(b)に示すように、この例でも前記と同様の掘削部18を形成しておき、上記のように棒材203等をカプラー200で接続した状態のタイロッド15(連結材)をケーシング50(掘削部17、切削部13a)内に挿入する。ケーシング50内において回転体205はケーシング50の軸方向に沿って配置されているが、回転体205が控え壁13の外側の掘削部18内に突出すると、回転体205が図9(c)の矢印に示すように自重で90°回転する。
この後、ケーシング50を撤去し、前記のようにタイロッド15の緊張時にタイロッド15の土留壁11側の端部を緊張すると、回転体205が控え壁13に係止される。以下、前記と同様にタイロッド15の土留壁11側の端部を定着することで、図9(a)に示すように土留壁11と控え壁13がタイロッド15等で連結される。
また、図10(a)に示す定着部20cは、張出部208(定着用の部材)がばね209によって側方に跳ね上げられて張出し、控え壁13に係止することで定着を行うものである。
この例でも、図10(b)に示すように、タイロッド15の控え壁13側の端部に棒材203がカプラー200によって接続されており、この棒材203の控え壁13側の端部に側方へ突出する突出部206が設けられ、この突出部206に張出部208が回転軸207を中心として回転可能に取付けられている。張出部208と棒材203の間にはばね209(弾性体)が取付けられており、ばね209が伸びることにより張出部208が跳ね上がって側方に張出可能である。
図10(b)に示すように、この例でも前記と同様の掘削部18を形成しておき、上記のように棒材203等をカプラー200で接続した状態のタイロッド15(連結材)をケーシング50(掘削部17、切削部13a)内に挿入する。ケーシング50内において張出部208は棒材203側に折り畳まれた状態でばね209は縮んでいるが、張出部208が控え壁13の外側の掘削部18内に突出すると、ばね209が伸び張出部208が図10(c)に示すように跳ね上げられて側方に張出す。
この後、ケーシング50を撤去し、前記のようにタイロッド15の緊張時にタイロッド15の土留壁11側の端部を緊張すると、側方に張出した張出部208が控え壁13に係止される。以下、前記と同様にタイロッド15の土留壁11側の端部を定着することで、図10(a)に示すように土留壁11と控え壁13がタイロッド15等で連結される。
このように、定着用の部材としては、モルタルバッグ201、回転体205、張出部208などを用いることができる。いずれの場合にも連結材を容易かつ確実に定着することができ、どのような方法とするかは作業性やコストなどに応じて適宜定めればよい。また、これらの例では、控え壁13の外側に、控え壁13の切削部13aより断面積の大きい掘削部18をジェット等で形成しており、この空間を定着に用いることができるが、例えば図8や図10等の例では、上記の掘削部18の代わりに、切削部13aと同程度の断面積の掘削部を、切削部13aと連続して控え壁13の外側に形成してもよい。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、101;土留壁構造
11、101;土留壁
11a;孔
13、103;控え壁
13a;切削部
17、18、18’;掘削部
15、105;タイロッド
20、20”、20a、20b、20c;定着部
20’、40;定着具
30;腹起し
50;ケーシング
60;ロッド
200;カプラー
201;モルタルバッグ
202;定着金具
203;棒材
204、207;回転軸
205;回転体
206;突出部
208;張出部
209;ばね

Claims (8)

  1. 地盤に土留壁と前記土留壁の外側の控え壁とを構築する工程(a)と、
    前記土留壁の内側の地盤を掘り下げる工程(b)と、
    前記土留壁側から前記土留壁の外側の地盤および前記控え壁の削孔を略水平方向に行って形成した前記地盤の掘削部と前記控え壁の切削部に連結材を挿入し、前記連結材の前記控え壁側の端部を前記控え壁の外側で定着するとともに、前記連結材の前記土留壁側の端部を前記土留壁の内側で定着する工程(c)と、
    を有し、
    前記連結材が、前記控え壁側の端部に定着用の部材を取付けた状態で前記地盤の掘削部と前記控え壁の切削部に挿入され、
    前記連結材の前記控え壁側の端部が前記部材を用いて定着され、
    前記部材は回転軸を中心として回転可能な一体の回転体であり、前記回転体を前記控え壁から外側に突出させた際に前記回転体が回転し、前記回転体の上端部と下端部が前記控え壁に係止することにより、前記連結材の前記控え壁側の端部が定着されることを特徴とする土留壁構造の構築方法。
  2. 前記控え壁がコンクリートを用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の土留壁構造の構築方法。
  3. 前記連結材を上下複数段に設けることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載の土留壁構造の構築方法。
  4. 前記削孔を行う際、前記控え壁の外側の地盤を、前記控え壁の切削部より大きい断面積で掘削することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の土留壁構造の構築方法。
  5. 地盤の掘削箇所を囲むように設けられた土留壁と、
    前記土留壁の外側の地盤に設けられた控え壁と、
    前記土留壁の外側の地盤内に配置され、前記土留壁と前記控え壁を連結する略水平方向の連結材と、
    を有し、
    前記連結材は、
    前記土留壁側の端部が前記土留壁の内側で定着され、前記控え壁に形成された切削部を通り、前記控え壁側の端部が前記控え壁の外側で定着され、
    前記連結材の前記控え壁側の端部に取付けられた定着用の部材により、前記連結材の前記控え壁側の端部が定着され、
    前記部材は、回転軸を中心として回転可能な一体の回転体の上端部と下端部が前記控え壁に係止されたものであることを特徴とする土留壁構造。
  6. 前記控え壁がコンクリートを用いて形成されたことを特徴とする請求項に記載の土留壁構造。
  7. 前記連結材が上下複数段に設けられたことを特徴とする請求項5または請求項のいずれかに記載の土留壁構造。
  8. 前記控え壁の外側の地盤に、前記控え壁の切削部に連続して、前記切削部より断面積の大きい掘削部が形成されたことを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の土留壁構造。
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