JP2005220573A - 杭材の打設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低音・低振動で施工することを可能にし、且つ打設の進行に伴って杭材の垂直精度が悪化するといった問題を解決すること。
【解決手段】圧入施工が比較的困難であって、鋼管矢板中掘り併用圧入が可能な土質から成る地盤に打設する場合には、まずA杭を1本置きに先行打設する。次いでB杭を、A杭をガイドとして、A杭B杭が交互に並ぶように打設する。一方、圧入施工がスクリュードライバーと杭材圧入機との併用だけでは困難であって、先行して置換えが必要であるような地盤に打設する場合には、A杭の打設に先立って、B杭打設予定位置の地盤を削孔して良質土で埋め戻すようにする。上記方法によれば、先行打設されるA杭は、隣り合うA杭と距離を置いて打設されるので、既打設A杭の存在に影響されることなく精度よく打設することができる。したがって、A杭を鉛直に打設することによって、A杭をガイドとして打設されるB杭についても精度よく打設できる。
【選択図】図1
【解決手段】圧入施工が比較的困難であって、鋼管矢板中掘り併用圧入が可能な土質から成る地盤に打設する場合には、まずA杭を1本置きに先行打設する。次いでB杭を、A杭をガイドとして、A杭B杭が交互に並ぶように打設する。一方、圧入施工がスクリュードライバーと杭材圧入機との併用だけでは困難であって、先行して置換えが必要であるような地盤に打設する場合には、A杭の打設に先立って、B杭打設予定位置の地盤を削孔して良質土で埋め戻すようにする。上記方法によれば、先行打設されるA杭は、隣り合うA杭と距離を置いて打設されるので、既打設A杭の存在に影響されることなく精度よく打設することができる。したがって、A杭を鉛直に打設することによって、A杭をガイドとして打設されるB杭についても精度よく打設できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、杭材の打設方法に関し、具体的には、鋼管矢板等の杭材を、隣接する杭材の継手同士が係合した状態で連結するように、地盤に打設する方法に関する。
以下、図23及び図24に基づいて、本発明の背景となる従来技術について説明する。
図23は、一般的に用いられている鋼管矢板1を示す全体図である。この図23において、図23(A)は、鋼管矢板1の正面図である。また、図23(B)は、図23(A)のX−X線に沿った断面図である。
図24は、図23に示す鋼管矢板1を、従来の方法に従って打設している様子を示す図である。この図24において、図24(A)は、地盤7に打設されている鋼管矢板1を示す正面図である。また、図24(B)は、図24(A)に示す様子の上面図である。
図23は、一般的に用いられている鋼管矢板1を示す全体図である。この図23において、図23(A)は、鋼管矢板1の正面図である。また、図23(B)は、図23(A)のX−X線に沿った断面図である。
図24は、図23に示す鋼管矢板1を、従来の方法に従って打設している様子を示す図である。この図24において、図24(A)は、地盤7に打設されている鋼管矢板1を示す正面図である。また、図24(B)は、図24(A)に示す様子の上面図である。
図23に示すように、杭材の一種である鋼管矢板1は、本管(杭材本体)11と、この本管の外壁両側に一体的に設けられた略管状の継手13と、を有している。本管11は、内側に形成された内空部14と、上端に位置する上開口部と、下端に位置する下開口部と、を有している。同様に、継手13も、内側に形成された内空部15と、上端に位置する上開口部と、下端に位置する下開口部と、を有している。また、それぞれの継手13の長さ方向(杭長方向)には、スリット17が形成されている。そのため、継手13は、略C字状の横断面を有するようになっている(図23(B)参照)。
このような構成を有する鋼管矢板1は、砂質土、シルト等の軟弱地盤に対する高い水平耐力を有しているという特徴を持っている。この特徴を生かすべく、複数の鋼管矢板1をその側部の継手13を介して直列状に相互連結(図24参照)したものが、仮締め切りなどの仮設工事において広く用いられるようになっている。
また、近年では、兵庫県南部地震における被災の教訓に鑑み、加えて、鋼管矢板の性能が高く評価されていることもあり、鋼管矢板は、耐震構造を考慮した土留め壁、井筒基礎等の永久構造物などに広汎に用いられるに至っている。さらに、この鋼管矢板は、従来の軟弱層ばかりでなく、礫質土、硬質地盤に対しても適用されるに至っている。
従来、このような特徴を有する鋼管矢板1を打設する際には、主として、下記(一)〜(三)に述べる3つの方法が利用されていた。
(一) 第1の方法においては、まず、ケーシングを用いて孔壁を支持しながら、所定径(本管と継手とを含む鋼管矢板の横断面と、当該鋼管矢板の両隣に隣接して連結されることとなる鋼管矢板の継手部分の横断面とを包含し得る径)を有する杭孔を掘削する。続いて、ケーシング内に形成された杭孔を、土砂等で埋め戻しながら、圧入されたケーシングを引き抜く。そして、その後に、鋼管矢板を、油圧ハンマやバイブロハンマを用いて端から順番に列状に打設していた。
(二) 第2の方法においても、まず、ケーシングを用いて孔壁を支持しながら、上記(一)の場合と同様の径を有する杭孔を掘削する。続いて、ケーシング内に形成された杭孔を、土砂等で埋め戻しながら、圧入されたケーシングを引き抜く。そして、その後にオーガスクリューを用いて中掘りしながら、鋼管矢板の自重を利用して(或いは、オーガの押し込み力を利用して)、所定の位置に鋼管矢板を端から順番に打設していた。
(三) 第3の方法においては、まず、鋼管矢板の先端に、高圧水を噴射させるための噴射ノズルを取り付ける。そして、鋼管矢板を打設する際に、鋼管矢板の先端側の地盤を、噴射ノズルから吐出される高圧水で攪拌することによって緩める。続いて、油圧装置と、当該油圧装置に連結された油圧押し込みシリンダと、当該シリンダに連結されたオープンチャック(鋼管矢板を掴むためのオープンチャック)と、を有する油圧圧入機を用いて、所定の位置に鋼管矢板を端から順番に圧入していた。
しかしながら、このような従来より行われている鋼管矢板の打設方法には、以下のような問題があった。
すなわち、まず、上記(一)〜(三)で述べたいずれの方法においても、鋼管矢板の打設時において、継手の下端側に貫入抵抗が生じる。そして、この貫入抵抗によって、鋼管矢板がスムーズに降下せず、打ち込みの垂直精度が低下することがあった。ところが、一旦、垂直精度が低い状態で鋼管矢板が打設されると、打設された鋼管矢板をガイドとして、当該鋼管矢板に隣接して打設されることとなる鋼管矢板(次回打設の鋼管矢板)の垂直精度も低下してしまう。したがって、鋼管矢板を「端から順番」に打設するという従来の方法では、一旦、鋼管矢板が精度悪く打設されると、それ以降に順番に打設される鋼管矢板の垂直精度が連鎖的に悪化してしまい、場合によっては鋼管矢板を打設できなくなる事態が生じ得るという問題がある。また、これに関連した問題として、従来の鋼管矢板の打設方法では、その進捗に伴って鋼管矢板が進行方向に傾いてしまうという問題がある。
また、上記(一)で述べた油圧ハンマやバイブロハンマを用いる方法では、大きな騒音,振動を発生するという問題が生じていた。したがって、このような方法では、施工現場の周辺住民等に対する配慮が欠けているという問題がある。
さらに、上記(三)で述べた高圧水を用いる方法では、多量の濁水を生じさせるため、環境上の問題がある。また、高圧水を用いると、打設される鋼管矢板の下端のみならず周辺領域までも緩めてしまい、地中に空洞部分が発生して地表部が陥没する虞がある。
そこで、上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、従来と比較して遥かに低音・低振動で施工することが可能な杭材の打設方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、打設の進行に伴って杭材の垂直精度が悪化するといった従来技術の問題点を解決するとともに、地盤不良を生じさせることなく短時間で施工完了することが可能な杭材の打設方法を提供することにある。
(1) 上記目的を達成するために、本発明に係る杭材の打設方法は、杭材を連続して打設する方法であって、
第1の杭材を1本置きに打設する工程と、
第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように、既打設の前記第1の杭材の間に打設する工程と、を含んでいる。
第1の杭材を1本置きに打設する工程と、
第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように、既打設の前記第1の杭材の間に打設する工程と、を含んでいる。
(2) また、上記目的を達成するために、本発明に係る杭材の打設方法は、杭材本体と、当該杭材本体の外壁に一体的に設けられた継手と、を有する複数の杭材を、隣接する杭材の継手同士が係合した状態で連結するように、地盤に打設する方法であって、
第1の杭材を、1本置きに前記地盤に打設する工程と、
前記第1の杭材の打設が完了した後に、隣り合う既打設の前記第1の杭材をガイドとして利用して、第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように前記地盤に打設する工程と、を含んでいる。
第1の杭材を、1本置きに前記地盤に打設する工程と、
前記第1の杭材の打設が完了した後に、隣り合う既打設の前記第1の杭材をガイドとして利用して、第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように前記地盤に打設する工程と、を含んでいる。
(3) 上記(2)記載の方法は、好ましくは、さらに、前記第1の杭材の打設工程に先立って行われる工程であって、後に行われる前記第2の杭材の打設を円滑に進めるための置換え掘削工程を含んでおり、
当該置換え掘削工程は、
前記第2の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧入するステップと、
前記ケーシング内を掘削排土処理して、少なくとも前記杭材本体および前記継手の横断面を包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するステップと、
形成された前記杭孔に、前記第2の杭材の圧入を円滑にし得る充填材を投入するステップと、
前記杭孔が前記充填材で埋め戻されるように、前記ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記置換え掘削工程における各ステップを、打設すべき前記第2の杭材の数に応じて繰り返すようになっている。
当該置換え掘削工程は、
前記第2の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧入するステップと、
前記ケーシング内を掘削排土処理して、少なくとも前記杭材本体および前記継手の横断面を包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するステップと、
形成された前記杭孔に、前記第2の杭材の圧入を円滑にし得る充填材を投入するステップと、
前記杭孔が前記充填材で埋め戻されるように、前記ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記置換え掘削工程における各ステップを、打設すべき前記第2の杭材の数に応じて繰り返すようになっている。
(4) 上記(2)又は(3)記載の方法において、好ましくは、前記第1の杭材を打設する工程は、
前記第1の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧
入するステップと、
杭材本体および継手を含む前記第1の杭材の横断面と、当該第1の杭材の両隣に連結されることとなる前記第2の杭材の継手部分の横断面とを包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するために、前記ケーシング内側を排土処理するステップと、
形成された前記杭孔に前記第1の杭材を挿入するステップと、
挿入された前記第1の杭材と前記ケーシングとの間の空隙に、間詰材を投入するステップと、
前記第1の杭材の外壁と前記杭孔の孔壁との間が、投入された前記間詰材で満たされるように、当該ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記第1の杭材を打設する工程における各ステップを、打設すべき前記第1の杭材の数に応じて繰り返すようになっている。
前記第1の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧
入するステップと、
杭材本体および継手を含む前記第1の杭材の横断面と、当該第1の杭材の両隣に連結されることとなる前記第2の杭材の継手部分の横断面とを包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するために、前記ケーシング内側を排土処理するステップと、
形成された前記杭孔に前記第1の杭材を挿入するステップと、
挿入された前記第1の杭材と前記ケーシングとの間の空隙に、間詰材を投入するステップと、
前記第1の杭材の外壁と前記杭孔の孔壁との間が、投入された前記間詰材で満たされるように、当該ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記第1の杭材を打設する工程における各ステップを、打設すべき前記第1の杭材の数に応じて繰り返すようになっている。
(5) 上記(4)記載の方法において、好ましくは、
前記第1の杭材を打設する工程における前記ケーシングの圧入ステップは、全回転型オールケーシング掘削機を利用して行われ、
前記ケーシング内の排土ステップは、中掘り装置を利用して行われ、
当該中掘り装置は、
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第1の杭材に対して、回転掘削時における回転反力を確保するための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有している。
前記第1の杭材を打設する工程における前記ケーシングの圧入ステップは、全回転型オールケーシング掘削機を利用して行われ、
前記ケーシング内の排土ステップは、中掘り装置を利用して行われ、
当該中掘り装置は、
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第1の杭材に対して、回転掘削時における回転反力を確保するための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有している。
(6) 上記(4)又は(5)記載の方法において、好ましくは、前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、前記杭孔に前記第1の杭材を挿入する際に当該第1の杭材を杭芯位置に導くためのガイド部材を、前記第1の杭材を挿入するステップに先立って設置するステップを含んでおり、
前記ガイド部材は、前記第1の杭材が挿通することが可能なガイドホールが形成されたプレートから構成されており、
前記ガイドホールの外周は、前記杭材本体および前記継手を含む前記第1の杭材の横断面の外周形状とほぼ同様の形状を有しており、且つ、当該第1の杭材の横断面の外周寸法よりもやや大きな寸法を有しており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材を、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入するようになっており、挿入された当該第1の杭材は、杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっている。
前記ガイド部材は、前記第1の杭材が挿通することが可能なガイドホールが形成されたプレートから構成されており、
前記ガイドホールの外周は、前記杭材本体および前記継手を含む前記第1の杭材の横断面の外周形状とほぼ同様の形状を有しており、且つ、当該第1の杭材の横断面の外周寸法よりもやや大きな寸法を有しており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材を、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入するようになっており、挿入された当該第1の杭材は、杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっている。
(7) 上記(6)記載の方法において、好ましくは、前記ガイド部材は、前記ガイドホールを分割する線に沿って2分割された第1の部分と第2の部分とから構成されており、
前記ガイド部材を設置するステップにおいて、前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも何れか一方は、水平方向に移動可能に設置されるようになっている。
前記ガイド部材を設置するステップにおいて、前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも何れか一方は、水平方向に移動可能に設置されるようになっている。
(8) 上記(4)又は(5)記載の方法において、好ましくは、前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、打設後において前記第1の杭材が地盤中において回転することを防止するための回転防止部材を、当該第1の杭材を挿入するステップに先立って、当該第1の杭材に取り付けるステップを含んでいる。
(9) 上記(4)又は(5)記載の方法において、好ましくは、前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、
圧入された前記ケーシングの内壁と、当該ケーシング内の杭孔において杭芯位置に建込んだ場合の前記第1の杭材の外壁と、の間の距離を、当該第1の杭材の挿入前に予め測定するステップと、
前記第1の杭材を挿入するステップに先立って、測定された前記距離よりやや小さい寸法を有する位置決め部材を、当該距離が測定された位置に対応した位置において、当該第1の杭材の外壁に取り付けるステップと、を含んでおり、
前記第1の杭材の挿入するステップにおいては、
前記位置決め部材によって、前記ケーシングの内壁と前記第1の杭材の外壁との間に前記距離が保たれた状態で、前記第1の杭材が下降し、その結果、当該第1の杭材が所望の杭芯位置に建込まれるようになっている。
圧入された前記ケーシングの内壁と、当該ケーシング内の杭孔において杭芯位置に建込んだ場合の前記第1の杭材の外壁と、の間の距離を、当該第1の杭材の挿入前に予め測定するステップと、
前記第1の杭材を挿入するステップに先立って、測定された前記距離よりやや小さい寸法を有する位置決め部材を、当該距離が測定された位置に対応した位置において、当該第1の杭材の外壁に取り付けるステップと、を含んでおり、
前記第1の杭材の挿入するステップにおいては、
前記位置決め部材によって、前記ケーシングの内壁と前記第1の杭材の外壁との間に前記距離が保たれた状態で、前記第1の杭材が下降し、その結果、当該第1の杭材が所望の杭芯位置に建込まれるようになっている。
(10) 上記(8)又は(9)記載の方法において、好ましくは、前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、前記杭孔に前記第1の杭材を挿入する際に当該第1の杭材を杭芯位置に導くためのガイド部材を、前記第1の杭材を挿入するステップに先立って設置するステップを含んでおり、
前記ガイド部材は、
前記位置決め部材および前記回転防止部材の少なくとも何れか一方を備えた状態の前記第1の杭材が挿通することが可能な形状および寸法を有するガイドホールと、
前記ガイドホール周囲の縁部分から、当該ガイドホールのほぼ中心方向へ突き出るように形成され、前記杭材本体の外壁に当接し得るようになっている突出片と、を有するプレートから構成されており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材は、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入されるようになっており、挿入された当該第1の杭材は、前記突出片に接触しながら杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっている。
前記ガイド部材は、
前記位置決め部材および前記回転防止部材の少なくとも何れか一方を備えた状態の前記第1の杭材が挿通することが可能な形状および寸法を有するガイドホールと、
前記ガイドホール周囲の縁部分から、当該ガイドホールのほぼ中心方向へ突き出るように形成され、前記杭材本体の外壁に当接し得るようになっている突出片と、を有するプレートから構成されており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材は、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入されるようになっており、挿入された当該第1の杭材は、前記突出片に接触しながら杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっている。
(11) 上記(2)乃至(10)の何れかに記載の方法において、好ましくは、前記第2の杭材を打設する工程は、
杭材圧入機を用いて、前記第2の杭材を圧入するステップと、
中掘り装置を用いて、打設される前記第2の杭材の下端側に対向する位置の地盤を掘削するとともに、排土するステップと、を含んでおり、
前記中掘り装置による掘削,排土ステップは、前記杭材圧入機によって圧入される前記第2の杭材が追随して下降するように、当該第2の杭材の下端側において先行して行われるようになっている。
杭材圧入機を用いて、前記第2の杭材を圧入するステップと、
中掘り装置を用いて、打設される前記第2の杭材の下端側に対向する位置の地盤を掘削するとともに、排土するステップと、を含んでおり、
前記中掘り装置による掘削,排土ステップは、前記杭材圧入機によって圧入される前記第2の杭材が追随して下降するように、当該第2の杭材の下端側において先行して行われるようになっている。
(12) 上記(11)記載の方法において、好ましくは、前記中掘り装置は、
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第2の杭材に対して、回転掘削時における回転反力をとるための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有しており、
前記第2の杭材は、
継手の下端側に、当該第2の杭材の圧入を円滑にするための掘削治具を備えている。
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第2の杭材に対して、回転掘削時における回転反力をとるための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有しており、
前記第2の杭材は、
継手の下端側に、当該第2の杭材の圧入を円滑にするための掘削治具を備えている。
(13) 上記(2)乃至(12)の何れかに記載の方法は、好ましくは、さらに、前記第1の杭材を打設する工程によって打設された前記第1の杭材を、連結部材を用いて隣り合う第1の杭材に連結することによって、固定する工程を含んでおり、
前記第1の杭材の連結工程は、前記第2の杭材を打設する工程に先立って行われるようになっている。
前記第1の杭材の連結工程は、前記第2の杭材を打設する工程に先立って行われるようになっている。
上述した本発明によれば、基準杭となる第1の杭材(たとえば奇数番目に打設される杭材)を先行打設し、続いて、第2の杭材(たとえば偶数番目に打設される杭材)を、先行打設された第1の杭材の間において打設するようになっている。この先行打設される第1の杭材は、隣り合う第1の杭材と所定距離を置いて打設されるようになっているので、既打設の第1の杭材の存在に何等影響されることなく、精度よく打設することができるようになっている。しかも、第2の杭材を打設する際には、当該第2の杭材は、その両側の継手が隣接する第1の杭材の継手とスライド係合するように、地盤に打設されるようになっている。したがって、本発明によれば、第1の杭材を精度よく鉛直に打設することによって、当該第1の杭材をガイドとして打設される第2の杭材についても、精度よく鉛直に打設されることとなる。そのため、従来の打設方法において生じていた「一旦、杭材が精度悪く打設されると、それ以降に順番に打設される杭材の垂直精度が連鎖的に悪化してしまう」という問題が生じるのを防止することが可能になる。また本発明によれば、第1の杭材については、既打設杭による影響を何ら受けることなく単独で打設することができるので、杭材の打設精度を、従来と比較して大幅に向上させることが可能になる。
以下、杭材の一例として鋼管矢板を挙げ、添付図面に基づいて、本発明に係る杭材の打設方法の第1乃至第6の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
1−1. 第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略
まず最初に、図23を参照しながら、図1に基づいて第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略について説明する。図1は、第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
1−1. 第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略
まず最初に、図23を参照しながら、図1に基づいて第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略について説明する。図1は、第1実施形態に係る杭材の打設方法の概略を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
第1実施形態に係る本発明の打設方法は、鋼管矢板の圧入施工が比較的困難であって、鋼管矢板中掘り併用圧入が可能な土質から成る地盤に対して、当該鋼管矢板を打設する場合に好適に用いられる。本実施形態においては、まず、第1の鋼管矢板(第1の杭材)1aを1本置きに打設することによって、端から数えて奇数番目(図1右側に示す例おいて、1,3及び5番目)に配される鋼管矢板を先行打設する(ステップS3)。次いで、既打設の第1の鋼管矢板1aをガイド(基準杭)として、第2の鋼管矢板(第2の杭材)1bを、第1及び第2の鋼管矢板1a,1bが交互に連なって並ぶように第1の鋼管矢板1aに隣接して地盤に打設する(ステップS5)。以上の工程を経て、複数の鋼管矢板1a,1bが、隣接する鋼管矢板の継手13同士が係合した状態(すなわちスリット17を介して噛み合った状態)で、地盤に打設される。
以下、本明細書において、「端から数えて奇数番目に打設されることとなる第1の鋼管矢板(第1の杭材)」のそれぞれを、単に「A杭」と称する。また、「端から数えて偶数番目に打設されることとなる第2の鋼管矢板(第2の杭材)」のそれぞれを、単に「B杭」と称する。
上述した本発明によれば、基準杭となるA杭1aを先行打設し、続いて、B杭1bを、先行打設されたA杭の間において打設するようになっている。この先行打設されるA杭1aは、隣り合うA杭1aと所定距離を置いて打設されるようになっているので、既打設のA杭の存在に何等影響されることなく、精度よく打設することができるようになっている。しかも、B杭1bを打設する際には、当該B杭は、その両側の継手13が隣接するA杭1aの継手13とスライド係合するように、地盤に打設されるようになっている。したがって、本発明によれば、A杭1aを精度よく鉛直に打設することによって、当該A杭をガイドとして打設されるB杭1bについても、精度よく鉛直に打設されることとなる。そのため、従来の打設方法において生じていた「一旦、鋼管矢板が精度悪く打設されると、それ以降に順番に打設される鋼管矢板の垂直精度が連鎖的に悪化してしまう」という問題が生じるのを防止することが可能になる。したがって、本発明によれば、従来と比較して、すべての鋼管矢板を精度よく打設することが可能になる。
以下、図1に示すステップS3及びS5に係るそれぞれの工程について、詳細に説明する。
1−2. A杭の打設工程
まず、図1〜図5に基いて、図1に示すA杭打設工程(ステップS3)の詳細について説明する。
図2は、図1に示すA杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図3は、図2に示すステップS31〜S35において行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
図4は、図2に示すステップS31〜S35において形成される杭孔73を示す拡大上面図である(打設予定の鋼管矢板を仮想線で示す)。
図5は、図2に示すステップS37〜S43において行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
まず、図1〜図5に基いて、図1に示すA杭打設工程(ステップS3)の詳細について説明する。
図2は、図1に示すA杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図3は、図2に示すステップS31〜S35において行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
図4は、図2に示すステップS31〜S35において形成される杭孔73を示す拡大上面図である(打設予定の鋼管矢板を仮想線で示す)。
図5は、図2に示すステップS37〜S43において行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
A杭1aの打設工程においては、まず、図3に示すような全回転型オールケーシング掘削機3とスクリュードライバー(中掘り装置)6とを用いて、A杭1aを挿入するための杭孔73を形成する。
図3に示すスクリュードライバー6は、ワイヤロープ61を介してクローラクレーン等(図示せず)によって吊り込んであり、スクリュードリル62と、回転駆動装置と、中空の円筒状カプセルパイプ65と、スクリュードリル用伸縮シリンダと、油圧グリッパ67と、グリッパ用伸縮シリンダと、を有している。
上記スクリュードライバー6において、スクリュードリル62は、その先端に地盤を掘削するためのドリルヘッド63を備えており、当該スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置に連結されている。カプセルパイプ65は、スクリュードリル62の周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物(土砂等)を内側に一時的に格納することができるように構成されている。スクリュードリル用伸縮シリンダは、スクリュードリル62に連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されている。油圧グリッパ67は、張り出した状態において、圧入されるケーシング4の内壁に対して、回転掘削に必要な回転反力を確保できるようになっている。グリッパ用伸縮シリンダは、油圧グリッパ67に連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されている。
上述した構成を有する装置を用いて杭孔73を形成する際には、まず、A杭1aの打設が予定される位置に全回転型オールケーシング掘削機3を設置して、ケーシング4を地盤7に圧入する(ステップS31/図3(A)〜(C))。その際、スクリュードライバー6を併用して、ケーシング4が追随して下降するように当該ケーシングの下端側を先行掘削するとともに、掘削によって生じた土砂71等を地上部に排土する(ステップS33,S35/図3(B)〜(D))。必要であれば、ケーシング4の継ぎ足しを行いながら、掘削と排土を続ける。
この作業を繰り返し続けて、図4に示すように、少なくとも、A杭1aの横断面(本管11および継手13を含む)と、当該A杭の両隣に連結されることとなるB杭1bの継手部分の横断面とを包含し得る径の杭孔を、所定深度形成する。図4において、杭孔73の外周については実線で示し、打設されることとなるA杭1a及びB杭1bについては仮想線で示す。
所定深度の杭孔73の形成が完了したら、続いて、ケーシング4内の杭孔73にA杭1aを挿入し、杭芯位置に建て込む(ステップS37/図5(A)(B))。なお、この工程で打設されるA杭は、後に打設されるB杭をガイドするための基準杭としての役割を担っているので、建込み時においてA杭の垂直精度を確認する(ステップS39)。続いて、当該A杭とケーシング4との間の空隙を間詰材77で埋め戻しながら、当該ケーシングを引き抜く(ステップS41,S43/図5(C)(D))。この間詰材77による埋め戻しは、A杭1aの外周にある空隙をなくして、当該A杭1aの位置を固定することと、後のB杭1bの圧入作業において圧入抵抗を軽減することを目的として行われる。
上述した工程を、打設すべきA杭1aの数に応じて、A杭を打設すべきそれぞれの位置において繰り返す。なお、ステップS41において用いることが可能な間詰材の種類は特に限定されず、たとえば、ステップS33,S35の掘削排土工程において生じた土から、捨石や転石等を取り除いた土砂・粘性土を用いてもよい。
上述したA杭の打設工程によれば、基準杭となるA杭1aは、図3に示すように全回転型オールケーシング掘削機3とスクリュードライバー6とを併用して打設されるようになっている。このスクリュードライバー6はカプセルパイプ65内に大容量の掘削土を取り込めるため、ハンマーグラブのような掘削機と比較して、1回当りの掘削・排土量が多いという有利な特徴を有している。したがって、たとえばスクリュードライバー6に代えてハンマーグラブを用いる場合と比較して、A杭1aの打設に要する施工時間をより短縮することが可能になる。また、スクリュードライバー6は、地盤を掘削するための機構として油圧機構を利用しているので、ハンマーグラブのような掘削機と比較して、騒音・振動を抑えることが可能になる。なお、本発明においては、中掘り装置としてスクリュードライバー6を用いることが好ましいが、施工にあたって騒音,振動,施工時間等を考慮に入れる必要がない場合には、必要に応じて、一般的なハンマーグラブを中掘り装置として用いることも可能である。
また、上述した工程によれば、まずケーシング4で孔壁を支持しながら、A杭1aを挿入するための杭孔73を形成し、次いで、この形成された杭孔73に対してA杭1aを挿入するようになっている。このような方法によれば、形成された杭孔内において、比較的自由にA杭1aの位置を調整(挿入のやり直しや、垂直精度の微調整を含む)することができるので、A杭を所望の杭芯位置に精度よく且つ簡単に設置することが可能になる。その結果、A杭1aをガイドとしてスライド係合しながら打設されることとなるB杭1bを、精度よく鉛直に打設することが可能になる。
1−3. B杭の打設工程
次に、図1,図6及び図7に基いて、図1に示すB杭打設工程(ステップS5)の詳細について説明する。
図6は、図1に示すB杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図7は、図6に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4,A杭1a及びB杭1bについては断面で示す)。
次に、図1,図6及び図7に基いて、図1に示すB杭打設工程(ステップS5)の詳細について説明する。
図6は、図1に示すB杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図7は、図6に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4,A杭1a及びB杭1bについては断面で示す)。
B杭1bの打設工程を施工する際には、主として、図3に示す工程で用いられたものと同様のスクリュードライバー6と、杭材圧入機8とが用いられる。杭材圧入機8は、主として、鋼管矢板を掴むためのオープンチャック81と、当該オープンチャックを油圧を利用して作動させるための油圧装置と、鋼管矢板を圧入する際に既打設の鋼管矢板上部内壁に反力を確保するためのクランプ83と、を有している。
B杭1bを打設する際には、まず、杭材圧入機8を所定位置に移動し、クランプ83を介して既打設鋼管矢板の本管11の上部内壁に対して反力を確保して、B杭1bの圧入を開始する。B杭1bの圧入作業においては、スクリュードライバー6を併用して、打設されるB杭1bの下側端面と対向する位置の地盤を掘削,排土する。この際、杭材圧入機8によって圧入されるB杭1bが追随して下降するように、当該B杭の下端側において先行して掘削を行うようにする(図7参照)。なお、円滑に圧入を行うために、本発明において用いられるB杭1bは、継手13の下端側にカッティングツース等の掘削治具を備えていることが好ましい。
上述した工程において杭材圧入機とともに用いられるスクリュードライバー6は、ハンマーグラブのような掘削機と比較して、1回当りの掘削・排土量が多いという有利な特徴を有している。したがって、たとえばハンマーグラブを用いる場合と比較して、B杭1bの圧入作業に要する施工時間をより短縮することが可能になる。
また、上述した工程においては、杭材圧入機8とスクリュードライバー6とを併用して、B杭1bが追随して下降するように、杭材圧入機による圧入に先行してスクリュードライバー6による掘削排土処理を施工するようになっている。これにより、B杭1bを圧入する際において、当該B杭の下端側に作用する貫入抵抗、並びに、B杭の周面に作用する摩擦抵抗を軽減することが可能になる。その結果、杭材圧入機8によるB杭1bの圧入作業を、より円滑に進めることが可能になる。
[第2実施形態]
2−1. 第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略
次に、図23を参照しながら、図8に基づいて第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略について説明する。図8は、第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
2−1. 第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略
次に、図23を参照しながら、図8に基づいて第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略について説明する。図8は、第2実施形態に係る杭材の打設方法の概略を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
第2実施形態に係る本発明の打設方法は、鋼管矢板の圧入施工がスクリュードライバー6と杭材圧入機8との併用だけでは困難であって、且つ、先行して置換えが必要であるような地盤に対して、当該鋼管矢板を打設する場合に好適に用いられる。本実施形態においては、まず、B杭1b打設予定位置の地盤部分を所定深度削孔し、形成された孔を良質土75で埋め戻すための置換え掘削工程を行う(ステップS1)。次いで、A杭1aを1本置きに打設することによって、奇数番目(図8右側に示す例おいて、1,3及び5番目)に配される鋼管矢板を先行打設する(ステップS3)。次いで、既打設のA杭1aをガイドとして、B杭1bを、A杭B杭が交互に連なって並ぶようにA杭に隣接して打設する(ステップS5)。以上の工程を経て、複数の鋼管矢板1a,1bが、隣接する鋼管矢板の継手13同士が係合した状態で打設される。
第2実施形態に係る本発明によれば、上記第1実施形態と同様の優れた効果を達成することが可能である。しかも、B杭1bの打設に先立って予め置換え掘削工程を施工することにより、鋼管矢板の圧入施工がスクリュードライバー6と杭材圧入機8との併用だけでは困難であって、且つ、先行して置換えが必要であるような地盤であっても、後のB杭の打設工程(ステップS5)において、本管11および継手13に多大な貫入抵抗を生じさせることなく、B杭を円滑に圧入することが可能になる。
以下、図8に示すステップS1〜S5に係るそれぞれの工程について、詳細に説明する。
2−2. 置換え掘削工程
まず、図8〜図11に基いて、図8に示す置換え掘削工程(ステップS1)の詳細について説明する。
図9は、図8に示す置換え掘削工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図10は、図9に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
図11は、図9に示すステップS11〜S15において形成される杭孔73を示す拡大上面図である。
まず、図8〜図11に基いて、図8に示す置換え掘削工程(ステップS1)の詳細について説明する。
図9は、図8に示す置換え掘削工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図10は、図9に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4については断面で示す)。
図11は、図9に示すステップS11〜S15において形成される杭孔73を示す拡大上面図である。
置換え掘削工程は、A杭1aの打設工程(ステップS3)に先立って行われる工程であって、後に行われるB杭1bの圧入作業を円滑にすることを目的として行われる。この置換え掘削工程を施工する際には、主として、第1実施形態において用いられたものと同様の全回転型オールケーシング掘削機3およびスクリュードライバー6とが用いられる。
上記装置を用いる置換え掘削工程においては、まず、B杭1bの打設が予定される位置に全回転型オールケーシング掘削機3を設置して、ケーシング4を地盤7に圧入する(図9ステップS11/図10(A)〜(C))。その際、スクリュードライバー6を併用して、ケーシング4が追随して下降するように当該ケーシングの下端側を先行掘削するとともに、掘削によって生じた土砂71等を地上部に排土する(ステップS13,S15/図10(B)〜(D))。必要であれば、ケーシング4の継ぎ足しを行いながら、掘削と排土を続ける。この作業を繰り返し続けて、図11に示すように、少なくとも本管11および継手13の横断面を包含し得る径の杭孔73を所定深度形成する。
杭孔73の形成が完了したら、続いて、当該杭孔を、後のB杭1bの圧入を円滑にし得る良質土(すなわち、B杭1bの貫入抵抗を軽減し得る充填材)75で埋め戻しながら、ケーシング4を引き抜く(ステップS17,S19/図10(E))。上述した工程を、打設すべきB杭の数に応じて、B杭1bを打設すべきそれぞれの位置において繰り返す。
なお、ステップS17において用いることが可能な良質土の種類は特に限定されず、たとえばステップS13,S15の掘削排土工程において生じた土から、捨石や転石等を取り除いた土砂・粘性土を利用してもよい。ただし、後のB杭1bの圧入作業においてB杭の滑りを良くして貫入抵抗を軽減するために、可能な限り粘性土(粘土)を用いることが好ましい。
2−3. A杭の打設工程
次に、図8及び図12に基いて、図8に示すA杭打設工程(ステップS3)の詳細について説明する。図12は、図8に示すA杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
なお、第1実施形態との関係で参照した図3及び図5に示す実施態様と同様の態様については、適宜同図を参照して説明するものとする。
次に、図8及び図12に基いて、図8に示すA杭打設工程(ステップS3)の詳細について説明する。図12は、図8に示すA杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
なお、第1実施形態との関係で参照した図3及び図5に示す実施態様と同様の態様については、適宜同図を参照して説明するものとする。
A杭1aの打設工程においては、まず、図3に示す態様と同様に、A杭の打設が予定される位置に全回転型オールケーシング掘削機3を設置して、当該掘削機を利用してケーシング4を地盤7に圧入する(ステップS31)。その際、上記置換え掘削工程において用いられたものと同様のスクリュードライバー6を併用して、ケーシング4が追随して下降するように当該ケーシングの下端側を先行掘削するとともに、掘削によって生じた土砂71等を排土する(ステップS33,S35)。必要であれば、ケーシング4の継ぎ足しを行いながら、掘削と排土を続ける。この作業を繰り返し続けて、少なくとも本管11および継手13の横断面を包含し得る径の杭孔73を所定深度形成する。
所定深度の杭孔73の形成が完了したら、続いて、図5に示す態様と同様に、ケーシング4内の杭孔73にA杭1aを挿入し、杭芯位置に建て込む(ステップS37)。続いて、建て込まれたA杭の垂直精度を確認した後に(ステップS39)、A杭1aとケーシング4との間の空隙を間詰材77で埋め戻しながら、当該ケーシングを引き抜く(ステップS41,S43)。上述した工程を、打設すべきA杭1aの数に応じて、A杭を打設すべきそれぞれの位置において繰り返す。
2−4. B杭の打設工程
次に、図8,図13及び図14に基いて、図8に示すB杭打設工程(ステップS5)の詳細について説明する。
図13は、図1に示すB杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図14は、図13に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4,A杭1a及びB杭1bについては断面で示す)。
次に、図8,図13及び図14に基いて、図8に示すB杭打設工程(ステップS5)の詳細について説明する。
図13は、図1に示すB杭打設工程において行われる工程を、各ステップに対応した施工態様の上面図(図面右側)とともに示すフローチャートである。
図14は、図13に示す工程で行われる施工態様の概略を示す正面図である(ケーシング4,A杭1a及びB杭1bについては断面で示す)。
B杭1bの打設工程を施工する際には、主として、第1実施形態において用いられたものと同様のスクリュードライバー6および杭材圧入機8が用いられる。実際にB杭1bを打設する際には、まず、杭材圧入機8を所定位置に移動し、クランプ83を介して既打設鋼管矢板の本管11の上部内壁に対して反力を確保して、B杭1bの圧入を開始する。B杭1bの圧入作業においては、スクリュードライバー6を用いて、打設されるB杭1bの下側端面と対向する位置の地盤を掘削,排土する。ただし、本実施形態において、B杭1bの圧入時において掘削,排土されるのは、図9のステップS17で予め杭孔73に投入しておいた良質土75であることに留意されたい。
B杭1bの圧入に際しては、杭材圧入機8によって圧入されるB杭1bの下降が追随するように、当該B杭の下端側において先行して掘削を行うようにする(図14参照)。なお、円滑に圧入を行うために、本実施形態で用いられるB杭1bは、継手13の下端側にカッティングツース等の掘削治具を備えていることが好ましい。
[第3実施形態]
次に、図1及び図15に基いて、第3実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。図15は、第3実施形態に係る杭材の打設方法の実施態様の概略を示す上面図である。この図15において、図15(A)は、図1に示す第1実施形態との関係で連結部材21を応用した態様を示す上面図である。また、図15(B)は、図8に示す第2実施形態との関係で連結部材21を応用した態様を示す上面図である。
なお、第3実施形態に係る打設方法は、新たな部材として連結部材21を用いる点と、以下に述べる新たな工程を含む点を除いて、上記第1及び第2の実施形態に係る打設方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
次に、図1及び図15に基いて、第3実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。図15は、第3実施形態に係る杭材の打設方法の実施態様の概略を示す上面図である。この図15において、図15(A)は、図1に示す第1実施形態との関係で連結部材21を応用した態様を示す上面図である。また、図15(B)は、図8に示す第2実施形態との関係で連結部材21を応用した態様を示す上面図である。
なお、第3実施形態に係る打設方法は、新たな部材として連結部材21を用いる点と、以下に述べる新たな工程を含む点を除いて、上記第1及び第2の実施形態に係る打設方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
第3実施形態においては、A杭1aの打設(図1及び図8のステップS3)が完了した後に、B杭1bの打設工程(図1及び図8のステップS5)に先立って、先行打設されたA杭1aのそれぞれを固定するための工程を行う。この工程においては、まず、打設された一群のA杭1aの四方を、図15に示すように、鋼材等から成る所定の連結部材21で囲む。次いで、A杭1aの本管11の上端側(すなわち地表から突き出た部分)の外壁と、所定位置に設置された連結部材21とを溶接等により接合することによって、それぞれのA杭1aを、隣り合う他のA杭に連結する。これにより、打設されたA杭1aが、動かないように(特に、外力によって回転しないように)固定される。
この場合、用いることが可能な連結部材の形状,寸法,材質等は特に限定されず、たとえば、H型鋼、山型鋼、山留め材等の鋼材を用いることが可能である。また、連結部材21とA杭1aを接合する方法も特に限定されず、溶接以外に、たとえばブラケットを介してボルト締めする方法等を利用することも可能である。さらに、用いられる連結部材21の数も特に限定されず、たとえば、予め一体的に形成された単一の連結部材を用いてもよく、或いは、施工現場において複数の連結部材を用いて連結してもよい。
上述した第3実施形態に係る本発明によれば、基準杭であるA杭1aに反力をとって、杭材圧入機8によりB杭1bを圧入する工程(図7及び図14参照)において、A杭1aが地中で回転して反力が弱まるという事態が生じることを防止することができる。
[第4実施形態]
次に、図2,図12,図16及び図17に基いて、第4実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図16は、第4実施形態に係る杭材の打設方法において用いられるA杭1aを示す図である。この図16において、図16(A)は、スペーサ(位置決め部材)31を備えたA杭1aの下側部分を示す斜視図である。また、図16(B)は、図16(A)に示すA杭1aの底面図である。
図17は、図16に示すA杭1aを、A杭打設工程(図5参照)において杭孔73に挿入する様子を順番に示す図である。
なお、第4実施形態に係る打設方法は、新たな部材としてスペーサ(位置決め部材)31を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
次に、図2,図12,図16及び図17に基いて、第4実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図16は、第4実施形態に係る杭材の打設方法において用いられるA杭1aを示す図である。この図16において、図16(A)は、スペーサ(位置決め部材)31を備えたA杭1aの下側部分を示す斜視図である。また、図16(B)は、図16(A)に示すA杭1aの底面図である。
図17は、図16に示すA杭1aを、A杭打設工程(図5参照)において杭孔73に挿入する様子を順番に示す図である。
なお、第4実施形態に係る打設方法は、新たな部材としてスペーサ(位置決め部材)31を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
本発明の第4実施形態においては、まず、第1及び第2の実施形態の場合と同様に、ケーシング4を圧入しながら、杭孔73を形成する(図2及び図12のステップS31〜S35)。次いで、A杭1aを挿入する工程(ステップS37)を実行する前に、圧入されたケーシング4の内壁と、杭孔73において杭芯位置に建て込んだ場合におけるA杭1aの外壁(仮想上のA杭の外壁)と、の間の距離を予め測定する。図17(A)において、「杭孔73において杭芯位置に設置した場合におけるA杭1a」の位置を仮想線で示す。また、図17(A)において、測定した距離の一部を符号a,b,c及びdで示す。(以下、スペーサ31の使用態様を、距離a,b,c及びdとの関係で説明する。)
次に、測定された距離aよりやや小さめの寸法を有するスペーサ31aを用意する。同様に、測定された距離b〜dよりやや小さめの寸法を有するスペーサ31b〜31dを、距離b〜dのそれぞれについて用意する。次いで、図17(B)に示すように、用意したスペーサ31a〜31dを、それぞれ、距離a〜dを測定した位置に対応した位置において、A杭1aの外壁に溶接等により取り付ける。
次に、図2及び図12におけるステップS37の工程と同様に、ケーシング4内の杭孔73にA杭1aを挿入する(ただし挿入の過程でA杭が回転しないように注意する。)これにより、予めA杭1aの外壁に取り付けられたスペーサ31a〜31dによって、ケーシング4の内壁とA杭1aの外壁との間に所定距離a〜dが保たれた状態で、A杭1aが下降し続ける。その結果、A杭は、図17(A)において仮想線で示す通りの予め決められた位置に案内され、所望の杭芯位置に建込まれることとなる。
上述した第4実施形態に係る本発明によれば、形成された杭孔73にA杭1aを挿入する際には、各スペーサ31の先端がケーシング4の内壁に適宜接触しながら、当該A杭が下降し続け、最終的に、予定された杭芯位置にA杭が案内されるようになっている。したがって、このようなスペーサ31を用いない場合と比較すると、より簡単且つ正確にA杭を杭芯位置に建て込むことが可能になる。
なお、上述した実施形態におけるスペーサの数、形状、寸法、及び距離の測定位置等は単なる一例であって、本発明における位置決め部材を上記実施形態に限定する趣旨ではないことに留意されたい。
[第5実施形態]
次に、図2,図12,及び図18〜図20に基いて、第5実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図18は、第5実施形態に係る杭材の打設方法において用いられる定規(ガイド部材)41を示す斜視図である。この図18において、図18(A)は、本発明の第1実施形態または第2実施形態との組合せで用いられる定規41を示す斜視図である。また、図18(B)は、図18(A)に示す定規41の変形例であって、本発明の第4及び第6の実施形態との組合せで用いられる定規を示す斜視図である。
図19は、第5実施形態に係る定規41の他の変形例であって、本発明の第4及び第6の実施形態との組合せで用いられる定規41を示す変形例である。
図20は、図18(A)に示す定規41を用いて、A杭1aを杭孔73に挿入する様子を示す図である。
なお、第5実施形態に係る打設方法は、新たな部材として定規(ガイド部材)41を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
次に、図2,図12,及び図18〜図20に基いて、第5実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図18は、第5実施形態に係る杭材の打設方法において用いられる定規(ガイド部材)41を示す斜視図である。この図18において、図18(A)は、本発明の第1実施形態または第2実施形態との組合せで用いられる定規41を示す斜視図である。また、図18(B)は、図18(A)に示す定規41の変形例であって、本発明の第4及び第6の実施形態との組合せで用いられる定規を示す斜視図である。
図19は、第5実施形態に係る定規41の他の変形例であって、本発明の第4及び第6の実施形態との組合せで用いられる定規41を示す変形例である。
図20は、図18(A)に示す定規41を用いて、A杭1aを杭孔73に挿入する様子を示す図である。
なお、第5実施形態に係る打設方法は、新たな部材として定規(ガイド部材)41を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
5−1. 「定規」の第1の例
第5実施形態において用いられる定規41は、図18(A)に示すように、A杭1aの本管11および継手13が挿通することが可能なガイドホール43が形成されたプレートから構成されている。ガイドホール43の外周(縁45)は、本管および継手を含むA杭1aの横断面の外周形状とほぼ同様の形状を有しており、且つ、当該A杭の横断面の外周寸法よりもやや大きな寸法を有している。
第5実施形態において用いられる定規41は、図18(A)に示すように、A杭1aの本管11および継手13が挿通することが可能なガイドホール43が形成されたプレートから構成されている。ガイドホール43の外周(縁45)は、本管および継手を含むA杭1aの横断面の外周形状とほぼ同様の形状を有しており、且つ、当該A杭の横断面の外周寸法よりもやや大きな寸法を有している。
上述した構成を有する定規41を用いてA杭1aを打設する際には、まず、第1実施形態の場合と同様に、ケーシング4を圧入しながら、杭孔73を形成する(図4のステップS31〜S35)。次いで、A杭1aを挿入する工程(ステップS37)を実行する前に、図20(A)に示すように、定規41を、圧入されたケーシング4の上端に固定する。
次いで、A杭1aを挿入するステップ(図2及び図12のステップS37)において、図20(B)に示すように、A杭1aを定規41のガイドホール43を介して杭孔73に挿入する。挿入されたA杭1aは、ガイドホール周囲の縁45によって杭芯ずれを規制されながら、鉛直方向下側に案内され、その結果A杭はほぼ鉛直に(杭芯位置に)設置される。
上述した第5実施形態に係る本発明によれば、形成された杭孔73にA杭1aを挿入する際には、当該A杭は、定規41によって杭芯位置に案内されるようになっている。したがって、このような定規41を用いない場合と比較して、より簡単にA杭1aを杭芯位置に建て込むことが可能になる。その結果、すべての鋼管矢板を打設するために要される施工時間を大幅に短縮することが可能になる。
5−2. 「定規」の第2の例
定規41の構成は、特に図18(A)に示すものに限定されず、たとえば、当該定規は、図18(B)に示すように、ガイドホール43を分割する線に沿って2分割された第1の部分411と第2の部分412とから構成されてもよい。このように定規41を構成した場合には、たとえば定規41の設置および撤収に伴う搬送作業を円滑に行うことができる等の優れた効果が達成される。
定規41の構成は、特に図18(A)に示すものに限定されず、たとえば、当該定規は、図18(B)に示すように、ガイドホール43を分割する線に沿って2分割された第1の部分411と第2の部分412とから構成されてもよい。このように定規41を構成した場合には、たとえば定規41の設置および撤収に伴う搬送作業を円滑に行うことができる等の優れた効果が達成される。
上述した第2の例に係る定規41は、第4実施形態において用いられるスペーサ31、及び後述する第6実施形態において用いられるスパイク51を備えた状態のA杭1aを打設する場合において用いることが可能である。具体的には、まず、A杭1aを挿入する工程(ステップS37)を実行する前に、図20(A)に示すように、定規41を、圧入されたケーシング4の上端に固定する。ただし、この場合には、第1の部分411及び第2の部分412の少なくとも何れか一方を、ケーシング4の上端において水平方向(相対的に離れる方向)に移動可能に設置するようにする(図18(B)の矢印参照)。
そして、A杭1aをガイドホール43を介して挿入する過程においては、スペーサ又はスパイクがガイドホール43を通過するタイミングに合わせて、第1の部分411及び第2の部分412の少なくとも何れか一方を、ケーシング4の上端においてスライドさせる(図18(B)参照)。これにより、第1の部分411及び第2の部分412が相対的に離れて、当該第1及び第2の部分の間に、A杭並びにスペーサ及びスパイクが通過できるほどの空隙が生じる。
そして、スペーサ又はスパイクが第1及び第2の部分411,412の間を通過したことを確認したら、再び、図18(A)の状態に至るように、第1の部分411及び第2の部分412を突き合わせる。その結果、挿入されたA杭1aは、ガイドホール周囲の縁45によって杭芯ずれを規制されながら、鉛直方向下側に案内され、最終的にほぼ鉛直に建込まれる。
5−3. 「定規」の第3の例
また、第4実施形態において用いられるスペーサ31、及び後述する第6実施形態において用いられるスパイク51を備えたA杭1aを打設する場合には、図19に示すような定規41を用いることが可能である。
また、第4実施形態において用いられるスペーサ31、及び後述する第6実施形態において用いられるスパイク51を備えたA杭1aを打設する場合には、図19に示すような定規41を用いることが可能である。
この第3の例に係る定規41は、ガイドホール43と、4つの突出片47とを有するプレートから構成されている。ガイドホール43は、スペーサ及びスパイクを備えた状態のA杭1aが自在に挿通することが可能な形状および寸法を有するように形成されている。突出片47のそれぞれは、ガイドホール43周囲の縁45の部分から、ガイドホールのほぼ中心方向へ突き出るように形成され、挿通する本管11の外壁に当接し得るようになっている。
第3の例に係る定規41を用いてA杭1aを挿入する過程においては、ガイドホール43を介して挿入されたA杭1aは、各突出片47に接触しながら杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、杭芯位置に建込まれるようになっている。
[第6実施形態]
次に、図2,図12,図21及び図22に基いて、第6実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図21は、第6実施形態に係る杭材の打設方法において用いられるA杭1aを示す図である。この図21において、図21(A)は、スパイク(回転防止部材)51を備えたA杭1aの下側部分を示す斜視図である。また、図21(B)は、図21(A)に示すA杭1aの底面図である。
図22は、図21に示すA杭1aを、A杭打設工程(図2及び図12参照)において杭孔73に挿入した様子を示す図である。
なお、第6実施形態に係る打設方法は、新たな部材としてスパイク(回転防止部材)41を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
次に、図2,図12,図21及び図22に基いて、第6実施形態に係る杭材の打設方法について説明する。
図21は、第6実施形態に係る杭材の打設方法において用いられるA杭1aを示す図である。この図21において、図21(A)は、スパイク(回転防止部材)51を備えたA杭1aの下側部分を示す斜視図である。また、図21(B)は、図21(A)に示すA杭1aの底面図である。
図22は、図21に示すA杭1aを、A杭打設工程(図2及び図12参照)において杭孔73に挿入した様子を示す図である。
なお、第6実施形態に係る打設方法は、新たな部材としてスパイク(回転防止部材)41を用いる点と、図2及び図12に示すA杭打設工程において新たなステップを加えた点を除いて、第1及び第2の実施形態において述べた方法と同様である。したがって、第1及び第2の実施形態と同様の事項については、その説明を省略するとともに、図において同じ符号を用いる。
本発明の第6実施形態においては、まず、第1及び第2の実施形態の場合と同様に、ケーシング4を圧入しながら、杭孔73を形成する(図2及び図12のステップS31〜S35)。次いで、図21(A)に示すような先細り丸棒状のスパイク51を複数用意し、当該スパイクを、先細りの側がA杭1aの下端側から部分的に突き出るように、A杭1aの外壁に溶接等により接合する。次に、図2及び図12におけるステップS37の工程と同様に、ケーシング4内の杭孔73にA杭1aを挿入し続ける。その結果、A杭1aの重量がスパイク51に加わって、当該スパイクのそれぞれが杭孔底部の地盤7に突き刺さり、各スパイク51が地盤に食い込んだ状態でA杭が建込まれる(図22参照)。
なお、本発明において用いることが可能なスパイクの構成は、打設後における鋼管矢板の回転を防止することが可能である限り、図21及び図22に示すような構成に限定されるものではなく、また、数,形状,寸法等も特に限定されないことに留意されたい。
上述した第6実施形態に係る本発明によれば、A杭1aはスパイク51を備えているので、打設後において、当該A杭に外力(杭材を回転させる方向の外力)が作用した場合であっても、A杭が意に反して地中で回転することはない。したがって、たとえば、図2及び図12のステップS41において間詰材77を投入する際において、A杭1aが意に反して地中で回転することを防止することが可能になる。また、基準杭であるA杭1aに反力をとって、杭材圧入機8によりB杭を圧入する際においても(図7及び及び図14参照)、A杭1aが地中で回転することを防止することが可能になる。
以上、本発明に係る杭材の打設方法の第1乃至第6実施形態について詳細に説明した。ただし、本発明の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の改変が可能であることに留意されたい。また、上述した第1乃至第6実施形態に係る本発明の打設方法は、それぞれ単独で実施することも可能であり、また、任意の2以上の組み合わせにおいて実施することも可能であることに留意されたい。
本発明は、従来と比較して遥かに低音・低振動で施工することが可能な杭材の打設方法を提供するのに好適に用いられる。また本発明は、杭材の打設方法を改善することによって、打設の進行に伴って杭材の垂直精度が悪化するといった従来の問題点を解決するとともに、地盤不良を生じさせることなく短時間で施工完了することが可能な杭材の打設方法を提供するのに好適に用いられる。
1 鋼管矢板(杭材)
11 本管(杭材本体)
13 継手
14 本管の内空部
15 継手の内空部
17 スリット
1a 鋼管矢板(A杭/第1の杭材)
1b 鋼管矢板(B杭/第2の杭材)
21 連結部材
3 全回転型オールケーシング掘削機
31 スペーサ(位置決め部材)
31a スペーサ(位置決め部材)
31b スペーサ(位置決め部材)
31c スペーサ(位置決め部材)
31d スペーサ(位置決め部材)
4 ケーシング
41 定規(ガイド部材)
43 ガイドホール
45 縁
47 突出片
51 スパイク(回転防止部材)
6 スクリュードライバー(中掘り装置)
61 ワイヤロープ
62 スクリュードリル
63 ドリルヘッド
65 カプセルパイプ
66 スクリュードリル用伸縮シリンダ
67 油圧グリッパ
7 地盤
71 土砂
73 杭孔
75 良質土(充填材)
77 間詰材
8 杭材圧入機
81 オープンチャック
83 クランプ
11 本管(杭材本体)
13 継手
14 本管の内空部
15 継手の内空部
17 スリット
1a 鋼管矢板(A杭/第1の杭材)
1b 鋼管矢板(B杭/第2の杭材)
21 連結部材
3 全回転型オールケーシング掘削機
31 スペーサ(位置決め部材)
31a スペーサ(位置決め部材)
31b スペーサ(位置決め部材)
31c スペーサ(位置決め部材)
31d スペーサ(位置決め部材)
4 ケーシング
41 定規(ガイド部材)
43 ガイドホール
45 縁
47 突出片
51 スパイク(回転防止部材)
6 スクリュードライバー(中掘り装置)
61 ワイヤロープ
62 スクリュードリル
63 ドリルヘッド
65 カプセルパイプ
66 スクリュードリル用伸縮シリンダ
67 油圧グリッパ
7 地盤
71 土砂
73 杭孔
75 良質土(充填材)
77 間詰材
8 杭材圧入機
81 オープンチャック
83 クランプ
Claims (13)
- 杭材を連続して打設する場合において、
第1の杭材を1本置きに打設する工程と、
第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように、既打設の前記第1の杭材の間に打設する工程と、を含んでいることを特徴とする杭材の打設方法。 - 杭材本体と、当該杭材本体の外壁に一体的に設けられた継手と、を有する複数の杭材を、隣接する杭材の継手同士が係合した状態で連結するように、地盤に打設する方法であって、
第1の杭材を、1本置きに前記地盤に打設する工程と、
前記第1の杭材の打設が完了した後に、隣り合う既打設の前記第1の杭材をガイドとして利用して、第2の杭材を、前記第1及び第2の杭材が交互に連なって並ぶように前記地盤に打設する工程と、を含んでいることを特徴とする杭材の打設方法。 - さらに、前記第1の杭材の打設工程に先立って行われる工程であって、後に行われる前記第2の杭材の打設を円滑に進めるための置換え掘削工程を含んでおり、
当該置換え掘削工程は、
前記第2の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧入するステップと、
前記ケーシング内を掘削排土処理して、少なくとも前記杭材本体および前記継手の横断面を包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するステップと、
形成された前記杭孔に、前記第2の杭材の圧入を円滑にし得る充填材を投入するステップと、
前記杭孔が前記充填材で埋め戻されるように、前記ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記置換え掘削工程における各ステップを、打設すべき前記第2の杭材の数に応じて繰り返すことを特徴とする請求項2記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程は、
前記第1の杭材の打設が予定される位置において、ケーシングを前記地盤に圧
入するステップと、
杭材本体および継手を含む前記第1の杭材の横断面と、当該第1の杭材の両隣に連結されることとなる前記第2の杭材の継手部分の横断面とを包含し得る径の杭孔を、所定深度形成するために、前記ケーシング内側を排土処理するステップと、
形成された前記杭孔に前記第1の杭材を挿入するステップと、
挿入された前記第1の杭材と前記ケーシングとの間の空隙に、間詰材を投入するステップと、
前記第1の杭材の外壁と前記杭孔の孔壁との間が、投入された前記間詰材で満たされるように、当該ケーシングを引き抜くステップと、を含んでおり、
上記第1の杭材を打設する工程における各ステップを、打設すべき前記第1の杭材の数に応じて繰り返すことを特徴とする請求項2又は3記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程において、
前記ケーシングの圧入ステップは、全回転型オールケーシング掘削機を利用して行われ、
前記ケーシング内の排土ステップは、中掘り装置を利用して行われ、
当該中掘り装置は、
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第1の杭材に対して、回転掘削時における回転反力を確保するための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有していることを特徴とする請求項4記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、前記杭孔に前記第1の杭材を挿入する際に当該第1の杭材を杭芯位置に導くためのガイド部材を、前記第1の杭材を挿入するステップに先立って設置するステップを含んでおり、
前記ガイド部材は、前記第1の杭材が挿通することが可能なガイドホールが形成されたプレートから構成されており、
前記ガイドホールの外周は、前記杭材本体および前記継手を含む前記第1の杭材の横断面の外周形状とほぼ同様の形状を有しており、且つ、当該第1の杭材の横断面の外周寸法よりもやや大きな寸法を有しており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材を、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入するようになっており、挿入された当該第1の杭材は、杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっていることを特徴とする請求項4又は5記載の杭材の打設方法。 - 前記ガイド部材は、前記ガイドホールを分割する線に沿って2分割された第1の部分と第2の部分とから構成されており、
前記ガイド部材を設置するステップにおいて、前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも何れか一方は、水平方向に移動可能に設置されるようになっていることを特徴とする請求項6記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、
打設後において前記第1の杭材が地盤中において回転することを防止するための回転防止部材を、当該第1の杭材を挿入するステップに先立って、当該第1の杭材に取り付けるステップを含んでいることを特徴とする請求項4又は5記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、
圧入された前記ケーシングの内壁と、当該ケーシング内の杭孔において杭芯位置に建込んだ場合の前記第1の杭材の外壁と、の間の距離を、当該第1の杭材の挿入前に予め測定するステップと、
前記第1の杭材を挿入するステップに先立って、測定された前記距離よりやや小さい寸法を有する位置決め部材を、当該距離が測定された位置に対応した位置において、当該第1の杭材の外壁に取り付けるステップと、を含んでおり、
前記第1の杭材の挿入するステップにおいては、
前記位置決め部材によって、前記ケーシングの内壁と前記第1の杭材の外壁との間に前記距離が保たれた状態で、前記第1の杭材が下降し、その結果、当該第1の杭材が所望の杭芯位置に建込まれるようになっていることを特徴とする請求項4又は5記載の杭材の打設方法。 - 前記第1の杭材を打設する工程は、さらに、前記杭孔に前記第1の杭材を挿入する際に当該第1の杭材を杭芯位置に導くためのガイド部材を、前記第1の杭材を挿入するステップに先立って設置するステップを含んでおり、
前記ガイド部材は、
前記位置決め部材および前記回転防止部材の少なくとも何れか一方を備えた状態の前記第1の杭材が挿通することが可能な形状および寸法を有するガイドホールと、
前記ガイドホール周囲の縁部分から、当該ガイドホールのほぼ中心方向へ突き出るように形成され、前記杭材本体の外壁に当接し得るようになっている突出片と、を有するプレートから構成されており、
前記第1の杭材を挿入するステップにおいて、前記第1の杭材は、前記ガイド部材のガイドホールを介して前記杭孔に挿入されるようになっており、挿入された当該第1の杭材は、前記突出片に接触しながら杭芯に沿ってほぼ鉛直方向下側に案内され、その結果、当該第1の杭材が杭芯位置に建込まれるようになっていることを特徴とする請求項8又は9記載の杭材の打設方法。 - 前記第2の杭材を打設する工程は、
杭材圧入機を用いて、前記第2の杭材を圧入するステップと、
中掘り装置を用いて、打設される前記第2の杭材の下端側に対向する位置の地盤を掘削するとともに、排土するステップと、を含んでおり、
前記中掘り装置による掘削,排土ステップは、前記杭材圧入機によって圧入される前記第2の杭材が追随して下降するように、当該第2の杭材の下端側において先行して行われるようになっていることを特徴とする請求項2乃至10の何れかに記載の杭材の打設方法。 - 前記中掘り装置は、
地盤を掘削するためのドリルヘッドを先端に備えたスクリュードリルと、
前記スクリュードリルを回転駆動させるための回転駆動装置と、
前記スクリュードリルの周囲を覆うように設けられ、当該スクリュードリルによって掘削された被掘削物を一時的に格納するためのカプセルパイプと、
前記スクリュードリルに連結されており、当該スクリュードリルを自在に昇降できるように伸縮自在に構成されたスクリュードリル用伸縮シリンダと、
打設される前記第2の杭材に対して、回転掘削時における回転反力をとるための油圧グリッパと、
前記油圧グリッパに連結されており、当該油圧グリッパを自在に張り出すことができるように伸縮自在に構成されたグリッパ用伸縮シリンダと、を有しており、
前記第2の杭材は、
継手の下端側に、当該第2の杭材の圧入を円滑にするための掘削治具を備えていることを特徴とする請求項11記載の杭材の打設方法。 - さらに、前記第1の杭材を打設する工程によって打設された前記第1の杭材を、連結部材を用いて隣り合う第1の杭材に連結することによって、固定する工程を含んでおり、
前記第1の杭材の連結工程は、前記第2の杭材を打設する工程に先立って行われるようになっていることを特徴とする請求項2乃至12の何れかに記載の杭材の打設方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008133678A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Giken Seisakusho Co Ltd | 掘削装置及び掘削方法 |
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