JP5762511B2 - 地盤改良壁の施工方法 - Google Patents

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この発明は、建設工事現場において、基礎工事の際に、隣接地から土砂が流入するのを阻止する地盤改良壁の施工方法に関し、特に、この地盤改良壁の壁部を形成した後に、この壁部の形成深さよりも深く芯材を設ける構成とした地盤改良壁の施工方法に関する。
建物等の建設工事現場で行われる基礎工事においては、H形鋼からなる複数の親杭を地盤に所定間隔を開けつつ並列して打ち込むとともに、この親杭に沿って地面を基礎高さまで掘削し、隣り合う親杭間に横矢板を設けて、建設現場と隣接地との間に土砂の流入を阻止する連続壁を設ける工法を採用することがある(例えば、特許文献1を参照)。この工法の問題点として、地面から基礎高さまで掘削した際にその壁面が緩んで、隣接地の地盤強度に悪影響を及ぼすことが挙げられる。
そこで、特許文献1に示す横矢板を用いた連続壁を形成する代わりに、例えば特許文献2に記載のように、ソイルセメント柱列壁を形成する工法(Soil Mixing Pile工法(以下、SMP工法(登録商標)という。))を採用することも多い。このSMP工法は、アースオーガ等の掘削装置で地盤に連続削孔を形成するとともに、この連続削孔内に掘削土砂とセメントミルクとを混合したソイルセメントを流し込み、この流し込んだソイルセメント内に、所定間隔でH形鋼等の芯材を埋設し、このソイルセメントを硬化して壁部とするものである。この芯材が親杭に相当し、硬化した壁部が横矢板に相当する。このSMP工法は、その形成の際に基礎高さまで地面を掘削する必要がないため、隣接地の地盤強度に悪影響を及ぼす恐れはない。
この連続削孔の形成においては、まず、掘削装置で離間した2つの削孔を形成する。この際、この2つの削孔の中心同士の間隔が、この掘削装置の先端の掘削治具径の2倍より小さくなるようにその形成位置を決める。次に、2つの削孔の中間位置に、この掘削装置でさらに削孔を形成する。すると、先に形成した2つの削孔と後で形成した削孔が部分的にオーバーラップして、連続した削孔となる。
この特許文献2に記載のように、一つずつ削孔を形成する代わりに、例えば特許文献3に示すように、3本の掘削軸を備えた多軸掘削装置を用いることにより、掘削効率をさらに向上する工法もある。この場合は、離間した2つの削孔連続体(3つの削孔が連続したもの)を形成し、この2つの削孔連続体の中間位置に、この多軸掘削装置又は単軸掘削装置を用いてさらに削孔を形成する。すると先に形成した2つの削孔連続体と後で形成した削孔が部分的にオーバーラップして、連続削孔が形成される。
特開2013−174049号公報 特開2002−146774号公報 特許第2957452号公報
特許文献2、3に記載のSMP工法は、連続削孔内に芯材が設けられるため、この連続削孔内にソイルセメントを充填することによって形成される壁部の形成深さは、この芯材の埋設深さと同等以上となる。この芯材は、壁部を安定して支持するためにある程度の深さまで深く埋設する必要がある一方で、壁部は、芯材の埋設深さと同等程度まで深くしなくてもよいことが多い。この場合、必要以上の深さの壁部を形成するために使用されたセメント等の充填剤が無駄となって、施工コストの上昇要因となる問題がある。
そこで、この発明は、地盤改良壁の施工コストの低減を図ることを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、地盤に連続削孔を形成して、その連続削孔内に充填剤を充填及び硬化して所定深さの壁部を形成する工程と、前記壁部に、この壁部の形成深さよりも深い芯材用削孔を形成する工程と、前記芯材用削孔に芯材を設け、さらにこの芯材用削孔内に充填剤を充填する工程と、を含む地盤改良壁の施工方法を構成した。
このように壁部を形成する工程と、芯材用削孔を形成して芯材を設ける工程を別工程とすることにより、耐土圧等の性能を確保するための必要最低限の深さの壁部を形成しつつ、この壁部を確実に支持する深さまで芯材を設けることができる。このため、一般的なSMP工法とは異なり、必要以上の深さまで壁部を形成することに起因して施工コストが上昇するのを防止することができる。
前記構成においては、前記壁部を形成する工程が、地盤に第一削孔を形成する工程と、前記第一削孔内に、偏心阻止部材を設ける工程と、前記偏心阻止部材を設けた第一削孔の外縁とオーバーラップする第二削孔を形成する工程と、を含み、前記偏心阻止部材で、前記第一削孔に隣接して第二削孔を形成する際に、この第一削孔側に前記第二削孔を掘削する掘削治具が偏心貫入するのを阻止するようにするのが好ましい。
特許文献2、3に記載の連続削孔の形成方法においては、図9に示すように、先に形成した2つの削孔(削孔連続体)10、10周辺の土砂がこの削孔によって緩むため、この2つの削孔(削孔連続体)10、10の中間位置にさらに削孔(削孔連続体)10を形成する際に、掘削装置の掘削治具Dの刃先が、既に形成した削孔10、10のいずれかの側に偏ってしまい(本図中の矢印を参照)、削孔10を均等間隔で形成できないことが多い。そのため、形成後の壁部の性能が場所ごとに不均質となることがある。
そこで、第一削孔の形成後に、その第一削孔内に偏心阻止部材を設けることにより、第二削孔を形成する際に、アースオーガ等の掘削治具の刃先が、掘削に伴って土砂に緩みが生じた第一削孔側に偏ったとしても、偏心阻止部材と掘削治具が当接することによって、この掘削治具がそれ以上第一削孔側に偏るのを防止することができる。第一削孔と第二削孔の外縁のオーバーラップは、第一削孔の直径よりも外形が小さい偏心阻止部材を用いることにより容易に形成することができる。第二削孔の形成後に、さらにこの第二削孔内に偏心阻止部材を設けることにより、複数の連続する削孔を所定の均等間隔で容易に形成することができる。このようにして連続削孔を形成することにより、壁部の性能を場所によらず均質なものとすることができる。
前記偏心阻止部材を用いる構成においては、前記第二削孔内に、偏心阻止部材を設ける工程と、前記第二削孔を中心として前記第一削孔に対して点対称となる位置に、前記偏心阻止部材を設けた第二削孔の外縁とオーバーラップして、第三削孔を形成する工程と、をさらに含む構成とすることもできる。
このようにすれば、第二削孔内に設けた偏心阻止部材(第二偏心阻止部材)が、第三削孔の形成の際に掘削治具が第二削孔側に偏るのを防止するとともに、この第二偏心阻止部材と第一削孔内に設けた偏心阻止部材(第一偏心阻止部材)とが互いに当接して、第一偏心阻止部材が第二偏心阻止部材をその背面から支持する作用を奏する。このため、第二偏心阻止部材による掘削治具の偏心阻止作用が一層高まる。
第一削孔の形成後に、その第一削孔内に偏心阻止部材を設ける構成においては、前記第二削孔を形成する工程の後に、前記第一削孔内に設けた前記偏心阻止部材を引き抜く工程をさらに含む構成とすることができる。あるいは、前記第二削孔内に、偏心阻止部材を設ける工程を含む構成においては、前記第三削孔を形成する工程の後に、前記第一削孔内に設けた前記偏心阻止部材を抜く工程をさらに含む構成とすることができる。
このようにすれば、削孔から引き抜いた偏心阻止部材を、新たに形成した削孔(第二削孔又は第三削孔)に設けるための偏心阻止部材として再利用することができるため、材料コストの削減を図ることができる。
前記各構成においては、前記偏心阻止部材として鋼管を用いた構成とすることができる。
このようにすれば、形成した削孔に偏心阻止部材を設ける際に、削孔との間でその径方向の位置合わせをする必要がないため、作業をスムーズに進めることができる。しかも、鋼管は剛性が高いため、掘削治具が既に形成した削孔側に偏心するのを確実に防止することができる。
この発明は、地盤に連続削孔を形成して、その連続削孔内に充填剤を充填及び硬化して所定深さの壁部を形成する工程と、前記壁部に、この壁部の形成深さよりも深い芯材用削孔を形成する工程と、前記芯材用削孔に芯材を設け、さらにこの芯材用削孔内に充填剤を充填する工程と、を含む地盤改良壁の施工方法を構成した。このようにすることで、芯材をこの壁部を安定して支持できる程度の深さまで設けつつ、この壁部による強度等の性能を確保するように地盤改良壁を構成することができる。このため、この地盤改良壁の施工コストの増大を防止することができる。
本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第一実施形態を示し、地盤に第一削孔を形成した状態を示す斜視図 図1Aに続いて、第一削孔に偏心阻止部材を設けた状態を示す斜視図 図1Bに続いて、第一削孔に隣り合う第二削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 図1Cに続いて、第一削孔から偏心阻止部材を引き抜き、第二削孔に偏心阻止部材を設けるとともに、この第二削孔に隣り合う第三削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 図1Dに続いて、形成した連続削孔内にソイルセメントを充填及び硬化して、壁部を形成した状態を示す斜視図 図1Eに続いて、壁部に芯材用削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 図1Fに続いて、芯材用削孔にH形鋼を設けた状態を示す斜視図 第一削孔に隣り合う第二削孔を形成しつつある状態を示す平面図 本願発明に係る地盤改良壁を示す平面図 本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第二実施形態を示し、既に形成した第一削孔及び第二削孔に偏心阻止部材を設け、第二削孔に隣り合う第三削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 図4Aに続いて、第一削孔から偏心阻止部材を引き抜き、第三削孔に偏心阻止部材を設けるとともに、第四削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 第二実施形態における第一偏心阻止部材と第二偏心阻止部材の当接関係を示す平面図 本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第三実施形態を示し、2つの独立した第一削孔に偏心阻止部材を設け、両第一削孔の間に、第二削孔を形成しつつある状態を示す斜視図 二つの第一削孔の間に、第二削孔を形成しつつある状態を示す平面図 地盤改良壁の形成後に芯材の周囲を掘削して引き抜く工程を示す斜視図であって、(a)はH形鋼の場合、(b)は角形鋼管の場合 従来技術に係るソイルセメント柱列壁の施工方法の実施形態を示す斜視図
本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第一実施形態(施工手順)を図1Aから図1Gに示す。
この第一実施形態においては、まず、地盤Gの所定箇所に第一削孔1を所定の深さまで形成する(図1Aを参照)。この形成には、例えばアースオーガ等に取り付けた掘削治具D(ドリル)が用いられる。
次に、この第一削孔1に、偏心阻止部材2として機能する鋼管を設ける(図1Bを参照)。なお、以下においては、鋼管についても偏心阻止部材と同じ符号2を適宜付する。
さらに、鋼管2を設けた第一削孔1の外縁とオーバーラップして第二削孔3を所定の深さまで形成する(図1Cを参照)。このように、第一削孔1に鋼管2を設ければ、第二削孔3を形成する際に、掘削治具Dの刃先が、掘削に伴って土砂に緩みが生じた第一削孔1側に偏ったとしても、鋼管2と掘削治具Dが当接することによって、この掘削治具Dがそれ以上第一削孔1側に偏るのを防止することができる。この掘削治具Dの先端をコニカルヘッド形状とすれば、鋼管2とこの掘削治具Dが当接した際に両者の引っ掛かりが生じにくくなるため、第二削孔3の形成をスムーズに行うことができる。
この第一削孔1と第二削孔3のオーバーラップの度合いは、第一削孔1に設けた鋼管2の直径によって決まる。例えば、第一削孔1の内径に対して60%の直径を有する鋼管2を用いた場合、この鋼管2を第一削孔1内に同心に設けると、第一削孔1の内周面と鋼管2の外周面との間には、第一削孔1の内径の20%の大きさの隙間が生じる。そして、この第一削孔1に隣り合うように第二削孔3を形成する場合には、図2に示すように、掘削治具Dと鋼管2の外周面とが接触した状態が維持される。その結果、第一削孔1と第二削孔3はその内径の20%が互いにオーバーラップした状態となる。このオーバーラップの度合いは、地盤改良壁に要求される耐土圧等の性能に応じて適宜変更することができる。
第二削孔3の形成後に、第一削孔1から鋼管2を引き抜き、第二削孔3に鋼管2を設けるとともに、この第二削孔3に隣り合う第三削孔4を所定の深さまで形成する(図1Dを参照)。このときも、第二削孔3を形成した時と同様に、第三削孔4を形成する際に、掘削治具Dの刃先が、掘削に伴って土砂に緩みが生じた第二削孔3側に偏ったとしても、鋼管2と掘削治具Dが当接することによって、この掘削治具Dがそれ以上第二削孔3側に偏るのを防止することができる。上記の工程を繰り返すことによって、連続削孔5を形成することができる。このように、引き抜いた鋼管2を、新たに形成した削孔における偏心阻止部材2として用いることにより、材料コストの低減を図ることができる。
形成した連続削孔5に、充填剤としてソイルセメントを充填して数日間硬化させることによって、この連続削孔5の深さまで壁部6を形成する(図1Eを参照)。さらに、アースオーガ等の掘削治具Dを用いて、この壁部6の形成深さよりも深い芯材用削孔7を所定間隔で形成する(図1Fを参照)。この掘削治具Dのドリル径は、連続削孔5を形成する際に用いた掘削治具Dのドリル径と異なっていてもよい。この芯材用削孔7の形成深さは適宜決めることができるが、形成した壁部6を確実に支持するために、壁部6の深さの2〜3倍程度とすることが多い。もちろん、この範囲外とすることも許容される。
この芯材用削孔に、芯材8としてH形鋼8aを所定間隔で設け(図1Gを参照)、さらに、充填剤としてソイルセメントを充填して、壁部6と一体に硬化させることによって、図3に示すように地盤改良壁を完成する。この施工方法を採用することにより、均質な地盤改良壁を低コストの下で施工することができる。
本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第二実施形態を図4A及び図4Bに示す。
この第二実施形態においては、第一実施形態の場合と同様に、まず、地盤Gの所定箇所に第一削孔1を所定の深さまで形成する(図1Aを参照)。次に、この第一削孔1に、偏心阻止部材2としての鋼管2を設ける(図1Bを参照)。さらに、鋼管2を設けた第一削孔1の外縁とオーバーラップして第二削孔3を所定の深さまで形成する(図1Cを参照)。
この第二削孔3の形成後に、第一削孔1に鋼管2を設けつつ、第二削孔3にも鋼管2を設け、第二削孔3を中心として第一削孔1に対して点対称となる位置に、鋼管2を設けた第二削孔3の外縁とオーバーラップして、第三削孔4を形成する(図4Aを参照)。このように、第一削孔1及び第二削孔3の両方に鋼管2、2を設けることにより、第二削孔3内に設けた偏心阻止部材2(第二偏心阻止部材2b)が、第三削孔4の形成の際に掘削治具Dが第二削孔3側に偏るのを防止するとともに、この第二偏心阻止部材2bと第一削孔1内に設けた偏心阻止部材2(第一偏心阻止部材2a)とが互いに当接して、第一偏心阻止部材2aが第二偏心阻止部材2bをその背面から支持する作用を奏する。このため、第二偏心阻止部材2bによる掘削治具Dの偏心阻止作用が一層高まる。なお、以下においては、第一偏心阻止部材2aとして機能する鋼管には符号2aを、第二偏心阻止部材2bとして機能する鋼管には符号2bをそれぞれ付する。
第三削孔4の形成後に、第一削孔1から鋼管(第一偏心阻止部材)2aを引き抜き、この鋼管を第三削孔4に設け、第三削孔4に隣り合う第四削孔9を形成する(図4Bを参照)。この工程を繰り返して連続削孔5を形成した後に、第一実施形態と同様に、形成した連続削孔5に、充填剤としてソイルセメントを充填して数日間硬化させることによって、この連続削孔5の深さまで壁部6を形成する(図1Eを参照)。さらに、アースオーガ等の掘削治具Dを用いて、この壁部6の形成深さよりも深い芯材用削孔7を所定間隔で形成し(図1Fを参照)、この芯材用削孔7に、芯材8としてH形鋼8aを所定間隔で設け(図1Gを参照)、さらに、充填剤としてソイルセメントを充填することによって、図3に示すように地盤改良壁を完成する。
この第二実施形態のように、両鋼管2a、2bを当接させることにより、第二削孔3に設けた鋼管2bによる掘削治具Dの偏心阻止作用をより確実なものとすることができる。このとき、図5に示すように、第一削孔1に設けた鋼管2aを第二削孔3に設けた鋼管2b側に偏心させた位置で固定しておくことで、その当接状態を一層確実なものとすることができる。
本願発明に係る地盤改良壁の施工方法の第三実施形態を図6に示す。
この第三実施形態においては、まず、地盤の所定箇所に2つの独立した第一削孔1、1を形成する。この第一削孔1同士の間隔が、この第一削孔1の内径よりも狭くなるようにその位置決めを行う。次に、両第一削孔1、1にそれぞれ鋼管2を設け、両第一削孔1、1の間に第二削孔3を形成する(図6を参照)。このとき、図7に示すように、掘削治具Dと両第一削孔1、1に設けた鋼管2の外周面とが接触した状態が維持される。このため、この掘削治具Dがそれ以上、いずれかの第一削孔1側に偏るのを防止することができ、複数の削孔を均等間隔で形成することができる。連続削孔5を形成した後に、第一実施形態と同様に、形成した連続削孔5に、充填剤としてソイルセメントを充填して数日間硬化させることによって、この連続削孔5の深さまで壁部6を形成する(図1Eを参照)。さらに、アースオーガ等の掘削治具Dを用いて、この壁部6の形成深さよりも深い芯材用削孔7を所定間隔で形成し(図1Fを参照)、この芯材用削孔7に、芯材8としてH形鋼8aを所定間隔で設け(図1Gを参照)、さらに、充填剤としてソイルセメントを充填することによって、図3に示すように地盤改良壁を完成する。
上記の各実施形態においては、芯材8としてH形鋼8aを用いたが、H形鋼8aの代わりに、コンクリートを充填した鋼管又は角形鋼管を用いることもできる。これらの鋼管はH形鋼8aと比較して曲げ剛性が高いため、地盤改良壁の厚さを小さくしても、十分な耐土圧を維持することができる。
また、上記の各実施形態においては、基礎工事の終了後に、図8に示すように縁切り用の縁切り治具Cを用いて、H形鋼8a(本図(a)を参照)又は角形鋼管8b(本図(b)を参照)の周囲をくり抜き、このくり抜いたセメント塊をワイヤーで吊り上げて引き抜き、このセメント塊からH形鋼8a又は角形鋼管8bを取り出して、再利用することもできる。この構成においては、特許文献1で示す横矢板を使用しないとともに、壁部6より下側は芯材8(8a、8b)が単に地盤Gに挿し込まれているだけなので、縁切り治具Cを用いたくり抜き作業をスムーズに行うことができる。このくり抜き作業によって生じた孔は、ソイルセメント(あるいは通常のセメント)を流し込んで塞いでおく。このようにソイルセメントを流し込むことによって、地盤改良壁の強度を維持することができる。また、このようにH形鋼8a等を再利用することにより、材料コストの削減を図ることができる。
この芯材8として、H形鋼8a、角形鋼管8bのいずれを採用することもできるが、特に角形鋼管8bを採用するのが好ましい。H形鋼8aは芯材用削孔7に設けた際に、その突起部がこの芯材用削孔7の内壁に食い込みやすく、縁切り治具Cを用いてこのH形鋼8aを取り出す際に、H形鋼8aとこの縁切り治具Cが干渉して、作業がスムーズにできないことが生じ得る。これに対し、角形鋼管8bはH形鋼8aと比較して内壁への食い込みが生じにくいため、縁切り治具Cを用いたくり抜き作業をスムーズに行うことができる。
上記の各実施形態において示した地盤改良壁の施工方法はあくまでも例示であって、地盤改良壁の施工コストの低減を図る、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、その工程の一部を適宜変更することができる。
1 第一削孔
2 偏心阻止部材(鋼管)
2a 第一偏心阻止部材(鋼管)
2b 第二偏心阻止部材(鋼管)
3 第二削孔
4 第三削孔
5 連続削孔
6 壁部
7 芯材用削孔
8 芯材
8a H形鋼
8b 角形鋼管
9 第四削孔
G 地盤
D 掘削治具
C 縁切り治具

Claims (5)

  1. 地盤(G)に連続削孔(5)を形成して、その連続削孔(5)内に充填剤を充填及び硬化して所定深さの壁部(6)を形成する工程と、
    前記壁部(6)に、この壁部(6)の形成深さよりも深い芯材用削孔(7)を形成する工程と、
    前記芯材用削孔(7)に芯材(8)を設け、さらにこの芯材用削孔(7)内に充填剤を充填する工程と、
    を含み、
    前記壁部(6)を形成する工程が、
    地盤(G)に第一削孔(1)を形成する工程と、
    前記第一削孔(1)内に、偏心阻止部材(2)を設ける工程と、
    前記偏心阻止部材(2)を設けた第一削孔(1)の外縁とオーバーラップする第二削孔(3)を形成する工程と、
    を含み、前記偏心阻止部材(2)で、前記第一削孔(1)に隣接して第二削孔(3)を形成する際に、この第一削孔(1)側に前記第二削孔(3)を掘削する掘削治具(D)が偏心貫入するのを阻止す地盤改良壁の施工方法。
  2. 前記壁部(6)を形成する工程が、
    前記第二削孔(3)内に、偏心阻止部材(2)を設ける工程と、
    前記第二削孔(3)を中心として前記第一削孔(1)に対して点対称となる位置に、前記偏心阻止部材(2)を設けた第二削孔(3)の外縁とオーバーラップして、第三削孔(4)を形成する工程と、
    をさらに含む請求項に記載の地盤改良壁の施工方法。
  3. 前記第二削孔(3)を形成する工程の後に、前記第一削孔(1)内に設けた前記偏心阻止部材(2)を引き抜く工程をさらに含む請求項に記載の地盤改良壁の施工方法。
  4. 前記第三削孔(4)を形成する工程の後に、前記第一削孔(1)内に設けた前記偏心阻止部材(2)を引き抜く工程をさらに含む請求項に記載の地盤改良壁の施工方法。
  5. 前記偏心阻止部材(2)として鋼管(2)を用いた請求項1〜のいずれか一項に記載の地盤改良壁の施工方法。
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