JP7480069B2 - 既設護岸の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設護岸の補強方法に関するものである。
波浪や河川の氾濫から陸地を守るために用いられる護岸は、水際の厳しい条件下で使用されるため老朽化しやすい。また、構築から年数が経過した護岸では、現行の耐震基準を満たすために耐震化が必要となる場合もある。
既設の護岸を補強したり耐震化したりする方法として、岸壁の前面側を水中から支持した状態で背面の地盤改良などを実施する方法(例えば特許文献1参照)や、既設鋼矢板の背面側に地盤改良体を構築した後に既設鋼矢板等を撤去して新設部材を設置する方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。
特開平11-323872号公報 特許公報第6322560号
しかしながら、特許文献1記載の方法は、水中や水上での作業を要するため天候や水流の影響を受けやすい。特許文献2記載の方法は、既設鋼矢板等を撤去するのに手間を要する。そのため、工費が嵩んだり工期が長くなったりする。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、天候等の影響を受けにくく、工期を短縮しコストを低減できる既設護岸の補強方法を提供することである。
前述した目的を達成するために本発明は、水域に面する既設護岸の補強方法であって、前記既設護岸の陸側に鋼管矢板を立て込む工程a
と、前記鋼管矢板の上部に配置したプレキャスト部材を用いて笠コンクリートを構築する工程bと、前記プレキャスト部材と前記鋼管矢板との間に流動性固化材を充填する工程cと、前記既設護岸と前記鋼管矢板の間に流動性固化材を充填する工程と、を具備することを特徴とする既設護岸の補強方法である。
本発明では、全ての工程を既設護岸の陸側で実施するので作業中に天候や水流の影響を受けにくく、既設護岸の大規模な撤去作業が不要なので、工期を短縮できコストを低減できる。
前記工程aにおいて、前記鋼管矢板の陸側に、所定の間隔をあけて、前記鋼管矢板よりも小径の控え杭を建て込み、前記工程aの後に、前記鋼管矢板と前記控え杭とを連結部材で連結することが望ましい。
これにより、鋼管矢板の背面からの土圧を支持することができる。
この場合、例えば、前記連結部材はタイロッドであり、前記鋼管矢板と前記控え杭との間の、前記連結部材を設置する部位をあらかじめ掘り下げて、前記連結部材を設置した後、埋め戻す。これにより、連結部材を容易に施工できる。
また、前記連結部材は、前記鋼管矢板を構成する一部の鋼管に接続され、前記連結部材が接続されない前記鋼管内の上部には蓋が設置されて流動性固化材は充填されず、前記連結部材が接続される前記鋼管内には型枠が設置されてその上部には、流動性固化材が充填されてもよい。これにより、連結部材と鋼管とを強固に接続できる。
また、前記工程bの前に、前記控え杭を含む範囲の地盤改良を行ってもよい。これにより、杭打機等の施工機械を鋼管矢板の陸側の地盤上に設置することができる。
前記鋼管矢板は、全周回転掘削機で削孔した後に打撃又は圧入によって設置されることが望ましい。
これにより、汎用機械で鋼管矢板を施工でき、コスト低減が可能になる。
前記笠コンクリートは、プレキャスト部材を用いて構築されることが望ましい。プレキャスト部材を用いれば、笠コンクリートを容易に構築できる。
前記プレキャスト部材は、前記鋼管矢板の周囲に打設された捨てコンクリート上に配置されることが望ましい。捨てコンクリート上にプレキャスト部材を配置すれば、プレキャスト部材の支保工が不要となる。
前記プレキャスト部材は、前記鋼管矢板の外形に応じた複数の凹形状を有し、前記鋼管矢板との接触部に緩衝材が配置され、前記プレキャスト部材を、隣接する複数の前記鋼管矢板にまたがるように配置することが望ましい。これにより、鋼管矢板に対するプレキャスト部材の位置決めが簡単になり、位置ずれを防止できる。緩衝材を配置すれば、鋼管矢板とプレキャスト部材との隙間を確実に塞げる。
笠コンクリートがプレキャスト部材である場合、前記プレキャスト部材の上部に開口部が形成され、前記工程で、前記開口部から、前記プレキャスト部材と前記鋼管矢板との間に流動性固化材を充填するとともに、前記プレキャスト部材と、前記鋼管矢板の陸側に配置した型枠との間に流動性固化材を充填してもよい。プレキャスト部材の上部に開口部を形成すれば、プレキャスト部材が上面部材を有する場合にも流動性固化材を充填しやすくなる。
また、前記プレキャスト部材は上面部材を有さず、前記工程で、前記鋼管矢板の前記既設護岸側に配置した前記プレキャスト部材と、前記鋼管矢板の陸側に配置した型枠との間に流動性固化材を充填してもよい。上面部材を有さない壁状やL字状のプレキャスト部材は、重ねて保管したり運搬したりすることができ、軽量なので揚重しやすい。また、笠コンクリートの天端の全面から流動性固化材を充填できるので、開口部から充填する場合よりも低コスト短工程で施工でき、強度的にも有利となる。
前記既設護岸は、例えば、河川の水理構造物に付帯する擁壁であり、前記笠コンクリート上には転落防止柵を設置される。水理構造物に付帯する擁壁では河川の流速の変化により特に劣化が生じやすいが、本発明の方法はこのような擁壁の補強にも適している。
前記鋼管矢板は、前記擁壁の基礎と干渉しないように、前記擁壁から離間して配置されることが望ましい。これにより、基礎を撤去することなく擁壁を補強できる。
前記既設護岸は、河川に沿って配置される部位と、河川から陸側に向けて配置される部位とが連続し、前記鋼管矢板は、それぞれの向きの前記既設護岸の背面側に配置されてもよい。これにより、平面視でL
字型の既設護岸を補強することができる。
本発明によれば、天候等の影響を受けにくく、工期を短縮しコストを低減できる既設護岸の補強方法を提供できる。
既設護岸1を補強する際の各工程を示す図 ステップ101を実施した状態を示す図 ステップ101を実施した状態を示す図 ステップ102を実施した状態を示す図 ステップ102を実施した状態を示す図 ステップ103を実施した状態を示す図 ステップ103を実施した状態を示す図 ステップ104を実施した状態を示す図 ステップ104を実施した状態を示す図 プレキャスト部材71を示す図 プレキャスト部材71を配置した状態を示す図 ステップ105を実施した状態を示す図 ステップ105を実施した状態を示す図 補強構造9aを示す図 プレキャスト部材71aの斜視図 プレキャスト部材71aを配置した状態を示す図 プレキャスト部材71bの斜視図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は既設護岸1を補強する際の各工程を示す図である。図2、図3は図1に示すステップ101を実施した状態を示す図であり、図2は平面図、図3は図2に示すA-A線による断面図である。
図2、図3に示すように、既設護岸1は、河川6の流れ(図2の左右方向)に沿って配置される部位と、河川6から陸側(図2の下方向)に向けて配置される部位とが連続しており、平面視でL字型の形状である。既設護岸1は、河川6の水理構造物(例えば可動堰)に付帯する擁壁である。例えば、可動堰近傍は、堰をあけた際にその近傍で大きな乱流が生じ、これに対する地盤保護のための擁壁が必要である。
既設護岸1は、壁部11、底版部12、補強部材13、基礎14等からなる。補強部材13は、壁部11の延伸方向に間隔をおいて、壁部11および底版部12に直交するように設けられる。基礎14は例えば底版部12の下方に配置された杭である。既設護岸1は、施工からかなりの時間が経過しており、十分な耐震強度を有さない場合がある。
ステップ101では、図2、図3に示すように地盤改良を実施する。地盤改良は、例えばバックホウのブームを撹拌翼に改良した施工機械でセメント混合にて実施される。改良地盤21は、既設護岸1の背面側の地盤2に形成される。改良地盤21の地表面22からの深さは、施工機械を支持できる程度の強度が得られるように設定される。
図4、図5は図1に示すステップ102を実施した状態を示す図であり、図4は平面図、図5は図4に示す線B-Bによる断面図である。
ステップ102では、図4、図5に示すように鋼管矢板3と控え杭4とを建て込む。鋼管矢板3は既設護岸1から陸側に離間して、底版部12や基礎14に干渉しないように設置される。鋼管矢板3は、既設護岸1の河川6に沿って配置される部位と河川6から陸側に向けて配置される部位のそれぞれの背面側に設置される。鋼管矢板3は複数の鋼管31を継手部32で接続したものである。鋼管矢板3は、施工箇所を全周回転掘削機で削孔して工事支障物を撤去した後、継手部32を有する鋼管31を打撃または圧入により設置し、継手部32に止水のための無収縮モルタル等を注入して構築される。
控え杭4は、鋼管矢板3のさらに陸側に所定の間隔をあけて、平面視において改良地盤21の範囲内に設置される。控え杭4は、鋼管矢板3よりも小径の鋼管杭等であり、圧入等により設置される。
図6、図7は図1に示すステップ103を実施した状態を示す図であり、図6は平面図、図7は図6に示す線C-Cによる断面図である。
ステップ103では、タイロッド5を設置する。図6、図7に示すように、タイロッド5は連結部材であり、鋼管矢板3を構成する複数の鋼管31のうち一部の鋼管31aと控え杭4とを連結する。鋼管矢板3のうち河川6に沿って配置される部位の鋼管31aに接続されるタイロッド5と、河川6から陸側に向けて配置される部位の鋼管31aに接続されるタイロッド5は、平面視において交差する。タイロッド5は鋼管31bには接続されない。
タイロッド5を設置する際には、鋼管31aと控え杭4との間のタイロッド5を設置する部位にあらかじめ掘り下げ部23を設け、掘り下げ部23内にタイロッド5を配置する。タイロッド5は例えば4連の高張力鋼であり、2箇所のヒンジ(鉛直方向と水平方向)と1箇所の長ナットを有することにより向きと長さの調整が可能である。
図8、図9は図1に示すステップ104を実施した状態を示す図であり、図8は平面図、図9は図8に示す線D-Dによる断面図である。図10はプレキャスト部材71を示す図である。図11はプレキャスト部材71を配置した状態を示す図であり、図11(a)は図8の範囲Eに対応する部分の拡大図、図11(b)は図11(a)の線F-Fによる断面図である。
ステップ104では、笠コンクリート7を構築する。笠コンクリート7は、図10に示すプレキャスト部材71を用いて構築される。プレキャスト部材71は上面部材71-1および下面部材71-2、上下面を連結する前面部材71-3からなる。上面部材71-1は開口部74を有する。開口部74は、例えば鋼管矢板3の隣り合う鋼管31と同じ間隔をおいて2箇所に形成される。下面部材71-2は鋼管矢板3の外形に応じた2つの凹部75を有し、凹部75を形成する面に沿って緩衝材76が配置される。緩衝材76は例えば硬質ゴム材である。
笠コンクリート7を構築するには、図11に示すように、プレキャスト部材71を、隣接する2本の鋼管31に跨るように鋼管矢板3の上部に配置する。プレキャスト部材71は、上面部材71-1の開口部74が鋼管31の上方に位置し、下面部材71-2の凹部75に鋼管31が嵌め込まれ、前面部材71-3が既設護岸1の壁部11と対向するように配置される。プレキャスト部材71は、鋼管矢板3の頂部に据え付けられた図示しない架台上に配置してもよいし、後述する第2の実施形態のように捨てコンクリート上に配置してもよい。
プレキャスト部材71を配置したら、プレキャスト部材71の背面側に鉄筋77を配筋し、鉄筋77の背面側に型枠78を設置する。プレキャスト部材71の凹部75と鋼管矢板3との接触部は緩衝材76により止水される。鋼管矢板3を構成する鋼管31のうち鋼管31aの内部には、タイロッド5の下方に型枠34が設置され、鋼管31bは頂部が蓋33で閉鎖される。
図11に示すようにプレキャスト部材71等を配置したら、図8、図9に示すように流動性固化材である中詰コンクリート72や背面側コンクリート73を打設する。中詰コンクリート72は、開口部74からプレキャスト部材71と鋼管矢板3との間に充填される。中詰コンクリート72は鋼管31aの上部にも充填され、これによりタイロッド5と鋼管31aとが強固に接続される。背面側コンクリート73は、プレキャスト部材71と型枠78との間に中詰コンクリート72と同時に充填される。
ここで、鋼管31b内には上述した蓋33が設置されているため、中詰コンクリート72は充填されない。鋼管31aについても、中詰コンクリート72の充填は必須ではなく、充填しない場合には図11(b)に点線で示すように鋼管31aの頂部に蓋33を設置する。
図12、図13は図1に示すステップ105を実施した状態を示す図であり、図12は平面図、図13は図12に示す線G-Gによる断面図である。
ステップ105では、間詰めコンクリート8を充填する。図12、図13に示すように、間詰めコンクリート8は流動性固化材であり、既設護岸1と鋼管矢板3や笠コンクリート7との間に充填される。間詰めコンクリート8は鋼管矢板3の腐食を防止する。間詰めコンクリート8を打設したら、笠コンクリート7上に図示しない転落防止柵を設置する。また、掘り下げ部23を埋戻し材24で埋め戻し、補強構造9を完成する。
このように、第1の実施形態によれば、図1に示す全ての工程を既設護岸1の陸側で実施するので作業中に天候や水流の影響を受けにくい。また、既設護岸1と干渉しないように補強を実施するので大規模な撤去作業が不要である。また、既設護岸1をそのまま利用するため、最小限の補強で所望の耐震強度を得ることができる。そのため、従来の工法と比較して工期を短縮できコストを低減できる。
第1の実施形態では、控え杭4とタイロッド5とを用いることにより、鋼管矢板3の背面からの土圧を支持する部材を容易に施工できる。また、プレキャスト部材71を用いることにより、笠コンクリート7を容易に構築できる。さらに、プレキャスト部材71に凹部75を設けて隣接する2本以上の鋼管31に跨って配置することで鋼管矢板3に対するプレキャスト部材71の位置決めが簡単になり、開口部74を設けることで中詰コンクリート72を充填しやすくなる。
なお、既設護岸1は、河川6の水理構造物に付帯する擁壁に限らず、河川6以外の水域に面するものであってもよい。既設護岸1の平面形状はL字型に限らない。また、改良地盤21の形成は必須ではなく、鋼管矢板3や控え杭4の設置に使用する施工機械を鋼管矢板3の陸側の地盤上に設置することができれば、地盤改良を省略してもよい。
鋼管矢板3と控え杭4とを連結する連結部材はタイロッド5でなくてもよく、控え杭4およびタイロッド5なしで十分な強度が得られる場合にはこれらを省略してもよい。プレキャスト部材71は、隣接する2本の鋼管31に跨って配置されるものに限らず、凹部75は対応する鋼管31の本数に応じて形成される。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
図14は本発明の第2の実施形態に係る補強構造9aを示す図である。補強構造9aは、笠コンクリート7の代わりに笠コンクリート7aを構築する点で第1の実施形態の補強構造9と主に異なる。
図15はプレキャスト部材71aの斜視図、図16はプレキャスト部材71aを配置した状態を示す図である。図16は図14の範囲Hに対応する部分の拡大図である。
図14に示す笠コンクリート7aは、図15に示すプレキャスト部材71aを用いて構築される。プレキャスト部材71aは、下面部材71a-2および前面部材71-3からなるL字状の部材であり、上面部材を有さない。
笠コンクリート7aを構築するには、鋼管矢板3の周囲に砕石および捨てコンクリート79を設置する。砕石および捨てコンクリート79は、図16に示すように地盤2上に敷設された砕石層79-2と、砕石層79-2上に打設された捨てコンクリート79-1とからなる。
次に、鋼管矢板3の既設護岸1側の捨てコンクリート79-1上にプレキャスト部材71aを配置する。下面部材71a-2の図16の左右方向の長さは、捨てコンクリート79-1上に設置した時にプレキャスト部材71aが鋼管矢板3に干渉せず安定して自立するように設定される。プレキャスト部材71a同士の継ぎ目には止水版や目地材を取り付ける。プレキャスト部材71aは、既設護岸1と対向する面にボルト受け用のインサート金物82が設けられる。プレキャスト部材71aには、インサート金物82と緊結具80を用いて横端太材86aおよび縦端太材86bが固定される。
また、鋼管矢板3の陸側(背面側)の捨てコンクリート79-1上に型枠78を配置する。型枠78aには、木コン81と緊結具80を用いて横端太材86aおよび縦端太材86bが固定される。
プレキャスト部材71aに固定された縦端太材86bと型枠78に固定された縦端太材86bとの間には仮設のセパレータ85が設置される。セパレータ85は例えば笠コンクリート7aの天端高さ84より上方に設置される。セパレータ85は鋼管矢板3と干渉する高さには設置できないため、代替としてプレキャスト部材71aの下部と既設護岸1との間や型枠78と背面の地盤2との間にはジャッキ83が設置される。鋼管31の頂部は蓋33で閉鎖される。
図16に示すようにプレキャスト部材71a等を配置したら、プレキャスト部材71aと型枠78との間に流動性固化材であるコンクリート72aを打設する。コンクリート72aは天端高さ84まで打設され、打設時にプレキャスト部材71aや型枠78にかかる側圧はジャッキ83、セパレータ85等で支持される。コンクリート72aがある程度硬化したら、緊結具80やジャッキ83を取り外し、セパレータ85、横端太材86aおよび縦端太材86b、型枠78を撤去する。
第2の実施形態では、プレキャスト部材71aを捨てコンクリート79-1上に配置するので、プレキャスト部材71aの支保工が不要である。プレキャスト部材71aは上面部材を有さないので、笠コンクリート7aの天端の全面からコンクリート72aを充填できる。また、プレキャスト部材71aは重ねた状態で保管したり運搬したりすることができ、軽量で揚重もしやすい。
第2の実施形態では、笠コンクリート7aのうち狭隘な場所での施工となる既設護岸1側の部分のみをプレキャスト部材71aで施工し、残りの部分を現場打ちのコンクリート72aで施工することによって、既設護岸1を残置することにより形成されたドライエリアを最大限に利用することができる。そのため、第1の実施形態と比較して低コスト短工程で施工でき、強度的にも有利である。
なお、第2の実施形態ではプレキャスト部材71aをL字状の部材としたが、プレキャスト部材の形状はこれに限らず、上面部材を有さないものであればよい。例えば、下面部材71-2を省略して前面部材71-3のみの壁状の部材としてもよいし、図17に示すプレキャスト部材71bのようにプレキャスト部材71と同様の下面部材71-2を有するものとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………既設護岸
2………地盤
3………鋼管矢板
4………控え杭
5………タイロッド
6………河川
7、7a………笠コンクリート
8………間詰めコンクリート
9、9a………補強構造
11………壁部
12………底版部
13………補強部材
14………基礎
21………改良地盤
22………地表面
23………掘り下げ部
24………埋戻し材
31、31a、31b………鋼管
32………継手部
33………蓋
34、78………型枠
71、71a、71b………プレキャスト部材
71-1………上面部材
71-2、71a-2………下面部材
71-3………前面部材
72………中詰コンクリート
72a………コンクリート
73………背面側コンクリート
74………開口部
75………凹部
76………緩衝材
77………鉄筋
79………砕石および捨てコンクリート
79-1………捨てコンクリート
79-2………砕石層
80………緊結具
81………木コン
82………インサート金物
83………ジャッキ
84………天端高さ
85………セパレータ
86a………横端太材
86b………縦端太材

Claims (13)

  1. 水域に面する既設護岸の補強方法であって、
    前記既設護岸の陸側に鋼管矢板を立て込む工程aと、
    前記鋼管矢板の上部に配置したプレキャスト部材を用いて笠コンクリートを構築する工程bと、
    前記プレキャスト部材と前記鋼管矢板との間に流動性固化材を充填する工程cと、
    前記既設護岸と前記鋼管矢板の間に流動性固化材を充填する工程と、
    を具備することを特徴とする既設護岸の補強方法。
  2. 前記工程aにおいて、前記鋼管矢板の陸側に、所定の間隔をあけて、前記鋼管矢板よりも小径の控え杭を建て込み、
    前記工程aの後に、前記鋼管矢板と前記控え杭とを連結部材で連結することを特徴とする請求項1記載の既設護岸の補強方法。
  3. 前記連結部材はタイロッドであり、前記鋼管矢板と前記控え杭との間の、前記連結部材を設置する部位をあらかじめ掘り下げて、前記連結部材を設置した後、埋め戻すことを特徴とする請求項2記載の既設護岸の補強方法。
  4. 前記連結部材は、前記鋼管矢板を構成する一部の鋼管に接続され、前記連結部材が接続されない前記鋼管内の上部には蓋が設置されて流動性固化材は充填されず、前記連結部材が接続される前記鋼管内には型枠が設置されてその上部には、流動性固化材が充填されることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の既設護岸の補強方法。
  5. 前記工程bの前に、前記控え杭を含む範囲の地盤改良を行うことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  6. 前記鋼管矢板は、全周回転掘削機で削孔した後に打撃又は圧入によって設置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  7. 前記プレキャスト部材は、前記鋼管矢板の周囲に打設された捨てコンクリート上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  8. 前記プレキャスト部材は、前記鋼管矢板の外形に応じた複数の凹形状を有し、前記鋼管矢板との接触部に緩衝材が配置され、
    前記プレキャスト部材を、隣接する複数の前記鋼管矢板にまたがるように配置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  9. 前記プレキャスト部材の上部に開口部が形成され、前記工程で、前記開口部から、前記プレキャスト部材と前記鋼管矢板との間に流動性固化材を充填するとともに、前記プレキャスト部材と、前記鋼管矢板の陸側に配置した型枠との間に流動性固化材を充填することを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  10. 前記プレキャスト部材は上面部材を有さず、前記工程で、前記鋼管矢板の前記既設護岸側に配置した前記プレキャスト部材と、前記鋼管矢板の陸側に配置した型枠との間に流動性固化材を充填することを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  11. 前記既設護岸は、河川の水理構造物に付帯する擁壁であり、前記笠コンクリート上には転落防止柵を設置されることを特徴とする請求項1から請求項1のいずれかに記載の既設護岸の補強方法。
  12. 前記鋼管矢板は、前記擁壁の基礎と干渉しないように、前記擁壁から離間して配置されることを特徴とする請求項1記載の既設護岸の補強方法。
  13. 前記既設護岸は、河川に沿って配置される部位と、河川から陸側に向けて配置される部位とが連続し、前記鋼管矢板は、それぞれの向きの前記既設護岸の背面側に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項1に記載の既設護岸の補強方法。
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