JP7398609B2 - コンクリート躯体の構築方法及び地中構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、現場打ちのコンクリート躯体を地盤中に設けるためのコンクリート躯体の構築方法、及びコンクリート躯体を備えた地中構造物に関する。
従来より、地表面から地盤を掘り下げたのち、掘り下げた地盤中に現場打ちのコンクリート躯体を構築する場合、掘削した地山の壁面崩壊を防止するべく土留め壁を先行して構築している。
例えば、特許文献1では、切梁及びグラウンドアンカー式の山留壁を用いた躯体構築方法が開示されている。具体的には、地盤中に一対の山留壁を鉛直状に構築したのち、山留壁の倒れを防止する切梁を高さ方向に複数段設置する、またはアンカーを打設するなどしながら、山留壁の内側を掘削して掘削溝を形成し、掘削溝内で外足場を組立てる。
次に、外足場の内側に躯体構築用の型枠を設置して、所定の高さまでコンクリートを打設し躯体の一部を構築したのち、躯体の一部と山留壁との間の隙間に梁状の盛替コンクリートを打設し、最下に位置する切梁を撤去する。この手順を下方から上方に向かって順次繰り返し、所望の高さを有する躯体を構築する。躯体の構築作業終了後には、この躯体と山留壁との間に地盤材料を充填し、盛替コンクリートを埋設しつつ埋戻しを行っている。
特開2017-96064号公報
このような山留壁を用いた躯体構築方法では、上記の作業に加えて、躯体を構築したのち、躯体と山留壁との間に地盤材料を充填する埋戻し作業を実施する前に、躯体を構築する際に使用した外足場や型枠等の撤去作業を行っている。
また、山留壁に鋼矢板等の仮設材を使用した場合には、躯体の施工終了後に山留壁の撤去作業を行うが、山留壁を撤去したのちの地山には、引抜き跡に空洞溝が形成される。このため、山留壁を引き抜く作業と同時に、引抜き跡の空洞溝に充填材を充填する作業も必要となる。
このように、山留壁を用いて掘り下げた地盤中で現場打ちのコンクリート躯体を構築する施工は、作業量が多く多大な手間を要するため、工期が長期化しやすく工費も増大なものとなりやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、地盤中に現場打ちのコンクリート躯体を構築する際の施工性を大幅に向上することの可能な、コンクリート躯体の構築方法、及びコンクリート躯体を備える地中構造物を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明のコンクリート躯体の構築方法は、地盤中に現場打ちのコンクリート躯体を設けるためのコンクリート躯体の構築方法であって、鉛直方向に対して前記コンクリート躯体から離間する方向に傾斜させた自立可能なソイルセメント造の斜め土留め壁を、平面視で構築予定の前記コンクリート躯体の外形形状に沿って造成する工程と、前記斜め土留め壁からみて、前記コンクリート躯体の構築領域側の地盤を所定深さまで掘削する工程と、前記コンクリート躯体の外壁を構成する補強材を所定位置に設置するとともに内型枠を設置する工程と、前記補強材を挟んだ前記内型枠と前記斜め土留め壁との間をコンクリートで充填し、前記補強材と前記コンクリートとを備える外壁と、該外壁と前記斜め土留め壁との間で埋め戻し材に代わる無筋コンクリート造の張出し部材とを、一体となるよう同時に構築する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のコンクリート躯体の構築方法によれば、自立可能な斜め土留め壁を用いることから、切梁や腹起し等の支保工を設置するためのを作業時間を省略できる。また、地盤を掘削したのちのコンクリート躯体の構築領域は、障害物のない開放空間となるため、施工性を大幅に向上させることが可能となる。
さらに、斜め土留め壁にソイルセメント壁を採用することから、地盤中に残置したまま施工を終了できるため、架設材を用いる場合のような引抜き作業や引抜き跡の充填作業を省略することができる。
また、外壁を構築するための内型枠と斜め土留め壁との間をコンクリートで充填し、外壁と斜め土留め壁との間に配置される張出し部材を、外壁と同時に構築する。これにより、埋戻し作業を省略できるだけでなく、埋戻し処理用に別途、埋戻し土や間詰コンクリート等の埋戻し材を調達する必要もないため、施工性を大幅に向上することが可能となる。
加えて、外壁を構築するための外型枠が不要となるため、これら外型枠の設置及び撤去作業を省略できるだけでなく、外型枠の設置スペースも不要となる。したがって、斜め土留め壁をコンクリート躯体により近接して配置できるため、地盤を掘削する際の掘削土量を大幅に削減でき、掘削作業の省力化を図ることも可能となる。
このように、コンクリート躯体の構築方法は、地盤中にコンクリート躯体を構築する際の、施工性を大幅に向上できるとともに、工期短縮、工費削減を実現し、施工の合理化を図ることが可能となる。
本発明のコンクリート躯体の構築方法は、前記斜め土留め壁により形成される床付け面の縁部と、前記コンクリート躯体の外壁面とが、平面視で略同位置に配置されるよう、前記斜め土留め壁を造成することを特徴とする。
本発明のコンクリート躯体の構築方法によれば、斜め土留め壁をコンクリート躯体に最も近接した位置に構築できるため、地盤を掘削する際の掘削土量をさらに削減できるだけでなく、張出し部材の形状も小さくでき、工期短縮及び工費削減に大きく貢献することが可能となる。
本発明の地中構造物は、地盤中に構築される現場打ちのコンクリート躯体と、平面視で、前記コンクリート躯体の外形形状に沿って造成され、鉛直方向に対して前記コンクリート躯体から離間する方向に傾斜させたソイルセメント造の斜め土留め壁と、前記コンクリート躯体と前記斜め土留め壁との間で、埋め戻し材に代えて設けられる無筋コンクリート造の張出し部材と、を備え、該張出し部材が、前記コンクリート躯体と一体化されているとともに、前記斜め土留め壁に対して面どうしで接触していることを特徴とする。
また、本発明の地中構造物は、前記斜め土留め壁及び前記張出し部材が、前記コンクリート躯体を囲繞するように設けられていることを特徴とする。さらに、前記斜め土留め壁よりなる出隅部が、前記コンクリート躯体の外形形状に沿って構築されており、前記出隅部は、隣り合う前記斜め土留め壁が、地表面から床付け面までの高さ全体で交差されていることを特徴とする。
本発明の地中構造物によれば、斜め土留め壁が、背面側の現地盤にもたれるような態様で鉛直方向に対して傾斜して造成されるから、コンクリート躯体に側方から作用する土圧を効率よく低減する。
また、仮設部材である無筋コンクリート造の張出し部材は、コンクリート躯体の外壁をあたかも増肉して剛性を向上させ、コンクリート躯体の耐久性を高めるだけでなく、斜め土留め壁の内壁面と面どうしで接触しているため、コンクリート躯体と斜め土留め壁との間で、側方から作用する土圧をスムーズに伝達させることができる。
これにより、斜め土留め壁で囲まれたコンクリート躯体の基礎地盤は、斜め土留め壁とコンクリート躯体とにより拘束されて、液状化を抑制される。また、基礎地盤に液状化がみられた場合にも、コンクリート躯体の浮き上がりを、一体に形成された張出し部材の荷重加算により低減させることができる。
本発明によれば、自立可能なソイルセメント造の斜め土留め壁を利用して、コンクリート躯体の外壁と、この外壁と斜め土留め壁との間に配置する張出し部材を同時に構築することにより、施工性を大幅に向上できるとともに、工期短縮、工費削減を実現し、施工の合理化を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態における地中構造物を概略を示す図である。 本発明の実施の形態における地中構造物の断面を示す図である。 本発明の実施の形態におけるコンクリート躯体の構築方法を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態におけるコンクリート躯体の構築方法を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態におけるコンクリート躯体の構築方法を示す図である(その3)。 本発明の実施の形態におけるコンクリート躯体の構築方法を示す図である(その4)。
本発明は、自立可能なソイルセメント造の斜め土留め壁を利用して地盤を掘り下げ、掘り下げた地盤中に現場打ちのコンクリート躯体を構築するものである。以下に、コンクリート躯体の構築方法、およびコンクリート躯体を備える地中構造物の詳細を、図1~図6を参照しつつ説明する。
なお、本実施の形態では、事例としてコンクリート躯体に、補強材として鉄筋を採用した鉄筋コンクリート造よりなるピットを採用するとともに、コンクリート躯体が全方を土留め壁に囲繞され、土留め壁のすべてに、自立可能なソイルセメント造の斜め土留め壁を採用する場合を挙げる。
図1(a)(b)で示すように、地中構造物7は、コンクリート躯体1と、斜め土留め壁2と、張出し部材3とにより構成されている。
コンクリート躯体1は、少なくとも底盤11と、底盤11の縁部より上方に立設する外壁12とを備えている。また、コンクリート躯体1は、図1(a)で示すように平面視で、その外形形状に沿って造成された斜め土留め壁2と張出し部材3とにより囲繞されている。
斜め土留め壁2は、図1(b)で示すように、地盤G中で鉛直方向に対してコンクリート躯体1から離間する方向に、自立可能な角度まで傾斜して構築されたソイルセメント壁体よりなり、詳細は後述するが、内壁面2aが底盤11と接するよう、コンクリート躯体1と近接した位置に構築されている。そして、斜め土留め壁2とコンクリート躯体1との間に、埋戻し材に代えて張出し部材3が設けられている。
張出し部材3は、コンクリート躯体1に用いるべく配合されたコンクリートよりなる無筋のコンクリート硬化体であり、図2で示すように、コンクリート躯体1の外壁12と斜め土留め壁2との間の隙間と同一の形状を有する。具体的には、コンクリート躯体1から張り出すような態様で外壁12と一体に構築され、斜め土留め壁2と対向する面は、全面が斜め土留め壁2の内壁面2aと面どうしで接触している。
≪≪コンクリート躯体の構築方法≫≫
上記のような、仮設部材である斜め土留め壁2及び張出し部材3に囲繞される態様のコンクリート躯体1は、以下の手順により構築される。
≪斜め土留め壁の造成≫
まず、図3で示すように斜め土留め壁2を平面視で、構築予定のコンクリート躯体1の構築領域を囲繞するように、かつコンクリート躯体1の外形形状に沿って、順次連続させて構築し閉合する。
斜め土留め壁2の造成方法は、中層混合処理工法を用いた斜め土留め工法を採用する。具体的には、図4(a)で示すように、縦方向に回転するエンドレスベルトに対して横方向に延在する撹拌翼を複数設けた、いわゆるトレンチャーと呼ばれる縦型混合撹拌装置51を油圧ショベル52のアーム521に搭載し、このアーム521を介して縦型混合撹拌装置51を鉛直に対して所定の角度傾ける。
この状態で、縦型混合撹拌装置51を地盤G中に貫入しつつセメント系固化材(図示せず)を吐出して、地盤Gとセメント系固化材とを混合撹拌しながら連続横行させる。
これにより、地盤G中に鉛直方向に対して所望の角度だけ傾斜させた斜め土留め壁2が構築される。なお、斜め土留め壁2の傾斜角度は、自立できる角度であればいずれでもよいが、好ましくは鉛直方向に対して5度以上10度以下である。また、改良深度は約3~10m程度、壁厚L3は遮水性能を確保できる程度(例えば、1m程度)が好ましく、その内壁面2aは滑らかな平面となるように造成するとよい。
また、図3で示すように、斜め土留め壁2を連続させて閉合する際に生じる出隅部X及び入隅部Yは、以下のように造成する。
出隅部Xは、図5(a)で示すように、交差する斜め土留め壁2どうしが、地表面Gfから床付け面Rcに向かって徐々に離間する態様となる。このため、互いに交差する斜め土留め壁2が、それぞれ出隅部Xの地表面Gf上で側端部を余長分L2だけ突出し、また、高さ方向全体で交差するように構築することで、背面側の地盤Gから地下水が漏出する現象を抑制している。
また、出隅部Xを形成する斜め土留め壁2各々の背面には、斜め土留め壁2と同様の方法で造成する補助壁21を設け、これを交差させることで止水性の向上を図っている。なお、補助壁21の壁長L4はいずれでもよいが、壁厚L3の3倍程度が望ましい。
一方、入隅部Yは、図5(b)で示すように、隣り合う斜め土留め壁2どうしが、地表面Gfから床付け面Rcに向かって近づく態様となる。したがって、地表面Gfで交差していれば、高さ方向全体も交差する状態となるため、出隅部Xのように、必ずしも余長部を設けなくてもよい、
≪地盤の掘削及び前処理≫
次に、図4(b)で示すように、コンクリート躯体1の構築領域側の地盤Gである、斜め土留め壁2で囲繞された地盤Gを、前述した出隅部Xから突出させた斜め土留め壁2の余長部とともに、所定の深さまで掘削する。このとき、斜め土留め壁2は自立式であるから、切梁や腹起し等の支保工は不要である。
こののち、掘削して整地することにより形成された床付け面Rc上に、基礎砕石4を敷き均すとともに均しコンクリート5を打設する。なお、斜め土留め壁2は、図4(b)で示すように、斜め土留め壁2により形成される床付け面Rcの縁部近傍と構築予定のコンクリート躯体1の外周面とが、略同一鉛直面状(平面視で略同一となる位置)となるように、位置決めがなされている。したがって、均しコンクリート5は、次の工程で構築するコンクリート躯体1の底盤11の平面視形状と、ほぼ同一の形状に打設される。
≪コンクリート躯体及び張出し部材の構築≫
斜め土留め壁2で囲繞されたコンクリート躯体1の構築領域に、コンクリート躯体1と張出し部材3を同時に構築する。
まず、図6(a)で示すように、底盤用鉄筋(図示せず)を組立てたうえで底盤11を構築するために配合したコンクリートを打設して、コンクリート躯体1の底盤11を構築する。このとき、斜め土留め壁2の内壁面2aを外型枠として使用し、外型枠の設置作業は行わない。
これにより、コンクリートは、斜め土留め壁2に到達するまで一様に打設されるから、これを硬化養生すると、図6(a)で示すように、コンクリート躯体1の底盤11が構築されるとともに、その周縁と斜め土留め壁2と間に張出し部材の一部分3’が同時に構築される。
次に、図6(b)で示すように、外壁用鉄筋121を挟んで斜め土留め壁2と反対側の底盤11上に、外壁12を構築するための内型枠6を組立てる。
本実施の形態では、図6(a)で示すように、外壁12を構成する外壁用鉄筋121を、底版用鉄筋(図示せず)とともに組み立てたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、外壁用鉄筋121を接続するためのカプラーを、底盤11に埋設しておき、このカプラーを利用して、底盤11を構築したのちであって外壁12を構築する際に、外壁用鉄筋121を組み立ててもよい。
こののち、外壁12を構築するために配合したコンクリートを、内型枠6と斜め土留め壁2との間に打設する。このとき、底盤11を構築する場合と同様に、斜め土留め壁2の内壁面2aを外型枠として使用し、外壁12を構築するための外型枠は使用しない。
これにより、内型枠6と斜め土留め壁2との間は、外壁12を構築するために配合したコンクリートで充填され、これを硬化養生すると図2で示すように、コンクリート躯体1の外壁12と張出し部材3とを、同時に構築できる。
そして、外壁用鉄筋121は、図2で示すように、本設躯体となる外壁12の壁幅L1の範囲にのみ配置されているから、張出し部材3は、コンクリート躯体1用のコンクリートを用いているものの、無筋のコンクリート硬化体となる。したがって、張出し部材3の範囲は本設躯体の一部として取り扱わない。
このようにして、コンクリート躯体1が構築され、また、コンクリート躯体1と、斜め土留め壁2及び張出し部材3とを備える地中構造物7が構築される。
上記のとおり、コンクリート躯体1の構築方法によれば、斜め土留め壁2を用いることにより地盤を掘り下げた形成したコンクリート躯体1の構築領域を、障害物のない開放空間とすることができるから、コンクリート躯体1を構築する際の施工性を大幅に向上させることが可能となる。
特に、コンクリートを打設する際に設置する内型枠6の配置順序に制約が生じないことから、打ち継ぎ回数を減らすように施工計画を立ててコンクリート躯体1の止水性を高めるなどの対策を講じることができ、コンクリート躯体1の品質を向上することが可能となる。
さらに、斜め土留め壁2にソイルセメント壁を採用することから、コンクリート躯体1の構築後もこれを残置することができ、引抜き作業や引抜き跡の充填作業を省略できる。これにより、作業時間の短縮だけでなく、周辺地盤の沈下や近隣建物への悪影響等を及ぼすこともなく、周辺環境への負荷を大幅に低減することが可能となる。
また、コンクリート躯体1の外壁12を構築する際、外型枠を使用しないため、設置スペースも不要となり、図4(a)で示すような斜め土留め壁2とコンクリート躯体1との間の余掘り幅L5の狭小化を図ることができる。これにより、地盤Gを掘削する際の掘削土量を大幅に削減でき、掘削作業の省力化を図ることが可能となる。
特に、図4(b)で示すように、床付け面Rcの縁部近傍と、コンクリート躯体1の外壁面とが略同一鉛直面状となるように、斜め土留め壁2を構築すると、斜め土留め壁2の内壁面2aと、コンクリート躯体1の外壁12との空間をさらに狭小にできる。こうすると、掘削領域だけでなく、張出し部材3の形状も小さくできるため、工期短縮及び工費削減に寄与することが可能となる。
なお、張出し部材3には、コンクリート躯体1を構築するために準備したコンクリートを採用することとなるが、地盤G中にコンクリート躯体1を構築する際に一般に実施される埋戻し処理に係る作業を省略できるだけでなく、埋戻し処理用に別途、埋戻し土や間詰コンクリート等の埋戻し材を調達する必要もないため、作業手間を削減することが可能となる。
このように、コンクリート躯体1の構築方法は、従来より実施されている方法によりコンクリート躯体を構築する場合と比較して、施工性を大幅に向上できるとともに、工期短縮、工費削減、さらには、コンクリート躯体1の品質向上にも寄与でき、施工の合理化を図ることが可能となる。
上記の手順で構築されたコンクリート躯体1は、残置された斜め土留め壁2及び張出し部材3とともに、地中構造物7として地盤G中に配置されて供用される。そして、地震等が生じた際には、仮設部材である斜め土留め壁2と張出し部材3が相まって、基礎地盤Gbの液状化の抑制ならびにコンクリート躯体1に対する浮力の抑制、という効果が生じる。
つまり、斜め土留め壁2は、背面側の地盤Gにもたれるような態様で鉛直方向に対して傾斜して造成されることから、コンクリート躯体1に側方から作用する土圧を効率よく低減する。
また、張出し部材3は、滑らかな平面に形成された斜め土留め壁2の内壁面2aに面接触していることから、コンクリート躯体1と斜め土留め壁との間で、側方から作用する土圧をスムーズに伝達させることができる。
これにより、斜め土留め壁2で囲まれたコンクリート躯体1の基礎地盤Gbは、側面を斜め土留め壁2より拘束されるだけでなく、上面をコンクリート躯体により拘束された状態となる。したがって、せん断変形が抑制されることにより過剰間隙水圧の上昇が抑えられ、基礎地盤Gbの液状化が抑制されることとなる。
また、張出し部材3は、外壁12と一体に構築されており、外壁12をあたかも増肉して剛性を向上させコンクリート躯体1の耐久性を高めるだけでなく、コンクリート躯体1の荷重を増加させて、浮力に対する抵抗性を向上させる。したがって、基礎地盤Gbに液状化がみられた場合にも、コンクリート躯体1の浮き上がりを抑制させることができる。
本発明のコンクリート躯体1の構築方法及び地中構造物7は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施の形態では、コンクリート躯体1として、ピットを事例に挙げたが、これに限定されるものではなく、深度が約3~5m程度の地盤G中に構築されるものであれば、例えば水路等の線状躯体であってもよい。
また、ソイルセメント造の斜め土留め壁2は、図1(a)で示すように、コンクリート躯体1の全方を囲繞するようにして設けなくてもよく、コンクリート躯体1の外形形状に沿って造成されるものであれば、コンクリート躯体1の一部分に配置される場合であってもよい。
さらに、コンクリート躯体1の全方を土留め壁で囲繞する場合において、土留め壁のすべてが、ソイルセメント造の斜め土留め壁2でなくともよく、例えば、コンクリート躯体1の全方を囲繞する土留め壁のうち、一部にソイルセメント造の斜め土留め壁2を採用し、他の部分にアンカー式の自立型土留め壁を採用するなどしてもよい。
1 コンクリート躯体
11 底盤
12 外壁
121 外壁用鉄筋(補強材)
2 斜め土留め壁
21 補助壁
3 張出し部材
3’ 張出し部材の一部
4 基礎砕石
5 均しコンクリート
6 内型枠
7 地中構造物

51 縦型混合撹拌装置
52 油圧ショベル
521 アーム

G 地盤
Gf 地表面
Rc 床付け面
Gb 基礎地盤

Claims (5)

  1. 地盤中に現場打ちのコンクリート躯体を設けるためのコンクリート躯体の構築方法であって、
    鉛直方向に対して前記コンクリート躯体から離間する方向に傾斜させた自立可能なソイルセメント造の斜め土留め壁を、平面視で構築予定の前記コンクリート躯体の外形形状に沿って造成する工程と、
    前記斜め土留め壁からみて、前記コンクリート躯体の構築領域側の地盤を所定深さまで掘削する工程と、
    前記コンクリート躯体の外壁を構成する補強材を所定位置に設置するとともに内型枠を設置する工程と、
    前記補強材を挟んだ前記内型枠と前記斜め土留め壁との間をコンクリートで充填し、前記補強材と前記コンクリートとを備える外壁と、該外壁と前記斜め土留め壁との間で埋め戻し材に代わる無筋コンクリート造の張出し部材とを、一体となるよう同時に構築する工程と、
    を備えることを特徴とするコンクリート躯体の構築方法。
  2. 請求項1に記載のコンクリート躯体の構築方法において、
    前記斜め土留め壁により形成される床付け面の縁部と、前記コンクリート躯体の外壁面とが、平面視で略同位置に配置されるよう、前記斜め土留め壁を造成することを特徴とするコンクリート躯体の構築方法。
  3. 地盤中に構築される現場打ちのコンクリート躯体と、
    平面視で、前記コンクリート躯体の外形形状に沿って造成され、鉛直方向に対して前記コンクリート躯体から離間する方向に傾斜させたソイルセメント造の斜め土留め壁と、
    前記コンクリート躯体と前記斜め土留め壁との間で、埋め戻し材に代えて設けられる無筋コンクリート造の張出し部材と、を備え、
    該張出し部材が、前記コンクリート躯体と一体化されているとともに、前記斜め土留め壁に対して面どうしで接触していることを特徴とする地下構造物。
  4. 請求項3に記載の地下構造物において、
    前記斜め土留め壁及び前記張出し部材が、前記コンクリート躯体を囲繞するように設けられていることを特徴とする地下構造物。
  5. 請求項4に記載の地下構造物において、
    前記斜め土留め壁よりなる出隅部が、前記コンクリート躯体の外形形状に沿って構築されており、
    前記出隅部は、隣り合う前記斜め土留め壁が、地表面から床付け面までの高さ全体で交差されていることを特徴とする地下構造物。
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