JP2017089319A - 立坑構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この立坑を、例えば細粒分含有率が低い(例えば粒径0.075mm未満の土粒子の含有率が約35%以下)土層等を含む地盤に構築する場合等においては、地盤の掘削途中において形成される掘削面が崩壊するおそれがある。そのため、この種の立坑を構築する方法においては、外部に露出する掘削面(つまり、地盤露出面)の崩壊を防止するために、立坑内側からこの掘削面を覆うように矢板を設置すると共に、更に対向する矢板の間に切梁等の支保工を架け渡して矢板を補強している。このように、矢板からなる立坑の側壁体(土留壁とも言う)が配置されて、この側壁体の内周面によって囲まれて区画される空間が形成され、この空間を通じてシールド掘進機等の掘削機が搬入されたりしている。
しかしながら、矢板と支保工を用いた上記従来の立坑構築方法を、立坑の構築予定箇所の上空に何らかの構造物が存在する施工現場において採用する場合、大型のクレーンを用いることができないため、クレーンの揚重能力が制約されて、支保工の重量やサイズ等が限定される(小型化される)ことになる。この場合、支保工の段数が増加して、施工効率の低下を招くため、工夫が求められている。
また、特許文献1に記載された方法を、立坑の構築予定箇所の上空に何らかの構造物が存在する施工現場において採用しようとしても、このような施工現場には、上記のような大型のベースマシンや大型クレーンを用いることができない場合もあり、工夫が求められている。
これにより、立坑の側壁体の構築予定領域の外周縁より内側に位置する部分を掘削したとしても、その掘削により得られる掘削面の全周に、地盤そのものではなく、この掘削に先立って造成された地中連続壁体を確実に露出させることができる。したがって、例えば、各地盤改良体強度を、その地盤改良体を掘削する掘削装置の能力や工法等に応じて周囲の地盤よりも適宜高めに設定するだけで、掘削面の安定化を図ることができるため、立坑構築中における掘削面の崩壊を防止することができる。
そして、立坑の構築予定箇所の上空に何らかの構造物が存在し、クレーン作業が制約を受ける領域であっても、単に小型の削孔機により前記ロッドを挿入可能な小径のボーリング孔を掘削し、そのボーリング孔に前記ロッドを延長しながら挿入し、そのロッドの先端のノズルから固化材と水を含む液体を噴射させつつロッドを回転及び引き上げるだけで、立坑の構築予定箇所の周囲の地盤よりも適宜強度を高めた複数の地盤改良体を予め構築(造成)することができる。なお、ロッド挿入用の小径の前記ボーリング孔の削孔や立坑の側壁体の構築予定領域の外周縁より内側に位置する部分の掘削のための機械及び工法は、それぞれ、地面からその上空に存在する構造物までの高さに応じて、適宜の機械及び工法を採用すればよい。
図1は、本実施形態における立坑構築方法により構築した立坑1の垂直断面図を示し、図2は図1に示す立坑1の上面図(地上側から視た平面図)を示す。図3は本実施形態における立坑構築方法において用いる地盤改良体造成装置10の概略構成を示す。なお、図1は、図2に示すA−A線矢視の断面図でもある。
本発明の一実施形態における立坑構築方法は、立坑1の側壁体2の構築予定領域の外周縁L(図2では太線で示されている)に対応して複数の地盤改良体3aからなる地中連続壁体3を造成する造成工程と、上記構築予定領域の外周縁Lの内側の地中連続壁体3及び地盤を鉛直方向に掘削する掘削工程と、この掘削により得られた地盤改良体3aの掘削面W(後述する図8及び図9参照)に沿って側壁体2を形成する側壁体形成工程と、立坑1の床版部4を形成する床版部形成工程とを含む。
本実施形態では、側壁体2は、コンクリートからなり、横長矩形筒状の水平断面を有すると共に鉛直方向に適宜高さを有する分割側壁体2aを複数個(図では2個)継ぎ足して構築(形成)されている。また、床版部4は、コンクリートからなり、側壁体2の下端部近辺に形成されるものである。
具体的には、鉄道高架橋Bは地面から約3〜4mの高さ位置に存在するものとする。なお、本実施形態では、既設構造物は鉄道高架橋Bであり、立坑1をこの鉄道高架橋Bの直下の低空頭且つ狭隘な場所に構築する場合で説明するが、これに限らず、立坑1の構築予定箇所の上空に何らかの構造物が存在し、クレーン作業が制約を受ける領域であれば、どのような施工場所でもよい。
また、本実施形態において、立坑1の構築予定箇所を含む地盤は、地面側に位置する上層G1と、その上層G1の下方に位置する支持層G2とを含み、上層G1は細粒分含有率が低く(例えば、粒径0.075mm未満の土粒子の含有率が約35%以下)、支持層G2は適切な強度を有するものとする。また、本実施形態では、立坑1の側壁体2は、具体的には、その下端部が支持層G2に到達するように構築するものとする。
ここで、地盤改良体3aは、立坑1の側壁体2の構築予定領域の外周縁L(図2参照)に対応して複数形成される。各地盤改良体3aは、隣り合う地盤改良体3aと上方から視た平面視で一部重なるように、適宜の断面形状を有して形成されている。
本実施形態おいては、各地盤改良体3aは、円形の断面形状を有し、それぞれ、略等しい造成径(外径)D2で形成されている。なお、立坑1の側壁体2の構築予定領域付近における各地盤改良体3aの配置、及び、これら複数の地盤改良体3aからなる地中連続壁体3については後に詳述する。
本実施形態において、延長ロッド123のうち最後に継ぎ足されるものの上端部には、噴射液入口と圧縮空気入口を有するスイベル17が接続され、先端ロッド121の下端側には、カップリング(図示せず)を介して噴射モニタ122が接続されている。先端ロッド121と延長ロッド123との間、及び、各延長ロッド123,123間は適宜継手を介して接続される。
先端ロッド121及び延長ロッド123は、その内管がスイベル17の噴射液入口と連通して噴射液の流路となり、また、内管と外管との間の隙間がスイベル17の圧縮空気入口と連通して圧縮空気の流路となる。
噴射液噴射ノズルの先端は、噴射モニタ122の外周面の一部で径方向外向きに開口している。また、圧縮空気噴射ノズルの先端は、噴射液噴射ノズルの周囲で、径方向外向きに開口している。圧縮空気を噴射液噴射ノズルの周囲から噴射させることにより、噴射液を効率的に噴射させることができる。なお、本実施形態において、噴射モニタ122が本発明に係る「ノズル」に相当する。
ここで、地中連続壁体3は、地盤の鉛直方向に延びると共に互いに重なり合って列をなす複数の地盤改良体3aからなり、全体として筒状(つまり、中空)に形成されている。そして、地中連続壁体3は、詳しくは、この地中連続壁体3の外周面と地中連続壁体3の内周面との間に、立坑1の側壁体2の構築予定領域の外周縁L(図4及び後述する図7、図8では、二点鎖線で示されている)が位置するように形成されている。
本実施形態においては、各地盤改良体3aは、その中心軸線X1が側壁体2の構築予定領域の外周縁L上に沿って、上下方向に延びるように造成されている。言い換えると、図4に示すように、平面視で各地盤改良体3aの中心が、それぞれ上記外周縁L上に位置するように配置されている。
より具体的には、平面視で矩形状の上記外周縁Lの各角部には、この角部に中心を合わせて地盤改良体3aがそれぞれ配置されている。また、外周縁Lの角部を除く長辺側と短辺側には、それぞれ、外周縁L上に中心を合わせると共に隣り合う地盤改良体3aと一部重複するように一列の列をなして、適宜本数(図では片方の長辺側に5本、片方の短辺側に3本)の地盤改良体3aが配置されている。このように、地中連続壁体3は、複数(図では20本)の地盤改良体3aが一列の列をなして閉合されることで形成され、全体として概略横長矩形筒状の水平断面を有している。なお、隣り合う地盤改良体3aの中心間の距離(造成ピッチ)は、掘削後に、後述する薄肉部厚さt2が確保されるように決定されている。
なお、以下の説明では、ガイドホールGHの削孔用には一般的な小型のボーリング装置(図示せず)を用い、側壁体2の構築予定領域の外周縁Lより内側に位置する部分の掘削用には一般的な小型のバックホウ等の重機(図示せず)を用いる場合を一例として説明する。また、地盤改良体3aの造成径D2及びその造成位置(造成ピッチなど)は、適宜に決定され、地盤改良体3aの一軸圧縮強さquは、複数の地盤改良体3aからなる地中連続壁体3の造成が完了してから、地中連続壁体3の上記外周縁Lより内側の部分の掘削が可能となるまでの期間に応じて設定する所定の材齢日(例えば材齢42日目)において、周囲地盤の強度より高い所定の強度範囲内に収まるように設定されているものとして説明する。
その後、地盤改良体造成装置10は搬出され、造成工程が完了する。このように、本実施形態においては、地盤改良体3aを、その中心軸線X1が側壁体2の構築予定領域の外周縁L上に沿って延びるように造成している。また、複数の地盤改良体3aを、互いに重なり合って一列の列をなすように造成している。
そして、側壁体形成工程では、この掘削により得られた地盤改良体3aの掘削面Wに沿って側壁体2を形成する。
具体的には、図8及び図9に示すように、掘削工程と側壁体形成工程とを、それぞれ二回の作業に分けて順次下方に向かって作業を進める場合を一例に挙げて以下説明する。つまり、一回の掘削作業では、最終的な目標掘削深度Zの例えば半分の深さ(Z1)まで掘削を行い、一回の側壁体形成作業では、この掘削により得られた高さZ1の掘削面Wの全周に沿うように、高さZ1の分割側壁体2aを形成する場合を一例として説明する。
ここで、外周縁Lより内側に位置する部分が掘削された状態の地中連続壁体3は、図2に示すように、適宜箇所にその壁厚が最小となる薄肉部を有する。具体的には、隣接する地盤改良体3aが重なり合った部分が薄肉部となる。なお、この薄肉部の厚さ(以下において薄肉部厚さt2という)及び造成径D2の設定手順と、薄肉部厚さt2と地盤改良体3aの一軸圧縮強さquとの関係については、後に詳述する。
また、例えば、掘削面W及び地盤改良体3aの鉛直方向の傾きや、地盤改良体3aの造成径精度等の施工精度に基づいて、上記薄肉部について施工可能な最小の壁厚である最小壁厚tminを設定する。ここでは最小壁厚tmin=180mmとする。
そして、STEP14において、上記地盤改良体3aの許容強度範囲R1と必要安全率Fsとに基づいて、安全壁厚範囲R2を設定する。具体的には、図11に示す薄肉部厚さt2と一軸圧縮強さquとの関係線Lin1において、許容強度範囲R1の下限値R1minと上限値R1maxにそれぞれ対応する薄肉部厚さt2の下限値と上限値を求める。図11では、安全壁厚範囲R2の下限値R2minは150mmとなり、安全壁厚範囲R2の上限値R2maxは220mmとなる。この安全壁厚範囲R2内(つまり、R2max≧t2≧R2min)で薄肉部厚さt2を設定することにより、必要安全率Fsを満足させることができる。ここで、図11から分かるように、一軸圧縮強さquが小さい場合、薄肉部厚さt2を大きくすると必要安全率Fsを満足させることができ、一軸圧縮強さquが大きい場合、薄肉部厚さt2は小さくても必要安全率を満足させることができる。
このようにして、薄肉部厚さt2は、地盤改良体3aを掘削する掘削装置の掘削力と地盤の強度とに応じて定める地盤改良体3aの許容強度範囲R1と、掘削面Wの崩壊についての必要安全率Fsとに基づいて定める安全壁厚範囲R2内で定める。
なお、安全壁厚範囲R2の上限値R2maxが最小壁厚tminより小さい(STEP15:NO)場合は、最小壁厚tminが少なくとも安全壁厚範囲R2の上限値R2max以下になるように、例えば、地盤改良体造成装置10のロッド12や掘削装置の掘削精度をより厳密に管理する等して最小壁厚tminを下げ、施工精度を向上させればよい(STEP15’)。
詳しくは、本実施形態において、薄肉部厚さt2は、施工壁厚範囲R3内、つまり、180mm〜220mmの範囲内で定めた。地盤改良体3aの造成径D2は、この定めた薄肉部厚さt2に応じて設定した。
ここで、造成径D2が大きくなるほど地盤改良体3aの施工費が高くなるが、施工現場における総合的な施工精度等を考慮すると、造成径D2を大きくした方が余裕を持って施工することができる。
このようにして、最終的な薄肉部厚さt2及び造成径D2の値を設定して、掘削面Wの防護を目的とした複数の地盤改良体3aからなる地中連続壁体3の施工仕様を決定する。
これにより、立坑1の側壁体2の構築予定領域の外周縁Lより内側に位置する部分を掘削したとしても、その掘削により得られる掘削面Wの全周に、地盤そのものではなく、この掘削に先立って造成された地中連続壁体3を確実に露出させることができる。したがって、例えば、各地盤改良体3aの強度を、その地盤改良体3aを掘削する掘削装置の能力や工法等に応じて周囲の地盤よりも適宜高めに設定するだけで、掘削面Wの安定化を図ることができるため、立坑構築中における掘削面Wの崩壊を防止することができる。
そして、地中連続壁Eの構築予定箇所の上空に何らかの構造物が存在し、クレーン作業が制約を受ける領域であっても、単に小型の削孔機により地盤改良体造成装置10のロッド12を挿入可能な小径のガイドホールGHを掘削し、そのガイドホールGHにロッド12を順次挿入してジェット流Jを噴射させつつロッドを回転及び引き上げるだけで、立坑1の構築予定箇所の周囲の地盤よりも適宜強度を高めた複数の地盤改良体3aからなる地中連続壁体3を予め構築(造成)することができる。なお、ガイドホールGHの削孔や側壁体2の構築予定領域の外周縁Lより内側に位置する部分の掘削のための機械及び工法は、それぞれ、地面からその上空に存在する構造物までの高さに応じて、適宜の機械及び工法を採用すればよい。
さらに、本実施形態では、薄肉部厚さt2は、安全壁厚範囲R2のうちの、地盤改良体3a等の施工精度に応じて定める最小壁厚tmin以上の範囲である施工壁厚範囲R3内で定められている。これにより、施工精度を考慮して、薄肉部厚さt2を設定することができる。
詳しくは、図12に示すように、掘削作業を2回の作業に分ける場合、まず、図12(a)に示すように、地面から深さZ1まで掘削した後、適宜、必要な本数のアンカー5を、その先端部が十分に地盤内に到達するように、地中連続壁体3の掘削面W側から地中連続壁体3を貫通させて打設する。次に、図12(b)に示すように、図12(a)に示す掘削床面からさらに深さZ1まで掘削した後、同様に、適宜、必要な本数のアンカー5を打設する。そして、図12(c)に示すように、下側に打設したアンカー5を取り外した後、下側の分割側壁体2aを形成すると共に、床版部4を形成する。その後、図示を上側のアンカー5を取り外した後、下側の分割側壁体2aの直上に上側の分割側壁体2aを継ぎ足して、図9(f)と同じ側壁体2の全体を形成する。つまり、側壁体2は逆巻き方式に限らず、下側から上方に向かって順次形成するいわゆる順巻き方式でもよい。
また、この順巻き方式において、図示を省略するが、地中連続壁体3の掘削を順次進めていく過程において、掘削により得られた掘削面W間に、アンカー5に替って、切梁等の支保工を架け渡す等して、掘削面Wを支持するようにしてもよい。これにより、掘削面Wの崩壊を防止することができる。この場合、地中連続壁体3は周囲地盤より高い強度に設定されているため、掘削面Wに鋼矢板等の土留壁を設けこの土留壁間に切梁を架け渡す従来の切梁支保工による施工方法と比較して、切梁等の支保部材の本数を大幅に削減することができる。また、切梁等の支保工を設ける場合は、地中連続壁体3の薄肉部厚さt2を適宜薄くすることができる。また、この切梁等の支保工は、前述の逆巻き方式において適宜施工してもよい。
例えば、図13に示すように、地盤改良体3aは、円形の断面形状を有するものと、半円の断面形状を有するものとを混在させてもよい。例えば、図13(a)に示すように、側壁体2の構築予定領域の外周縁L(図13(a)では二点鎖線で示され、図13(b)及び図13(c)では太線で示されている)の長辺側及び短辺側に対応して、半円の地盤改良体(以下において半円地盤改良体という)3aを複数配列し、上記外周縁Lの角部にはそれぞれ円形の地盤改良体3aを配置する。詳しくは、半円地盤改良体3aは、隣接する地盤改良体3aと一部重なり合い、その半円の直線部分がそれぞれ略面一になり且つ外周縁Lの内側に位置するようにそれぞれ造成される。より具体的には、半円地盤改良体3aは、その半円の直線部分が外縁Lと略平行になるように造成されている。したがって、半円地盤改良体3aの半円の直線部分は、側壁体2の構築予定領域の周方向(つまり、図13の断面視で外周縁Lの延びる方向)に延びている。この場合、半円地盤改良体3aの造成において、地盤改良体造成装置10のロッド12は外周縁Lよりも若干内側(掘削側)に位置するように位置決めすればよい。また、この半円地盤改良体3aにおいても、図13(b)に示すように、掘削後において必要な薄肉部厚さt2が確保されるように、造成径D2の設定及び造成ピッチ等が決定されている。この掘削により得られた掘削面Wに沿って、図13(c)に示すように、側壁体2が適宜形成されて、図2と同様な横長矩形筒状の水平断面を有する立坑1が構築される。このように、図13に示す変形例においては、半円地盤改良体3aの側壁体2の構築予定領域の周方向についての改良幅(つまり半円の直線部分の長さ)は、上記周方向と直交する方向についての半円地盤改良体3aの改良厚さ(つまり、半円の直線部分と直交する方向の長さ)より大きくなるように設定されている。
また、図示を省略するが、水平断面形状が円形や半円に限らず、扇形や、扇形中心で反転させて2つの扇形が一体となったリボン形や、長方形の地盤改良体3aを含んでもよい。長方形の場合は、例えば、単位領域毎の造成において、ガイドホールGHを複数個所に設けて造成すればよい。また、各地盤改良体3aは、複数の小地盤改良体を互いに一部重ねて一体的に形成されてなるものでもよい。
つまり、複数の地盤改良体3aのうちの少なくとも一部の地盤改良体3aを、側壁体2の構築予定領域の周方向についての地盤改良体3aの改良幅が前記周方向と直交する方向についての地盤改良体3aの改良厚さより大きくなるように設定して造成するとよい。詳しくは、水平断面形状が扇形の地盤改良体3aの場合は、例えば、扇形の二つの直線部分の一方を外縁Lの内側において外縁Lと平行になるように配置すると共に、この直線部分の長さ(つまり、上記改良幅)がこの直線部分と直交する方向の長さ(つまり、上記改良厚さ)より大きくなるように扇内角を設定すればよい。また、水平断面形状がリボン形の地盤改良体3aの場合は、例えば、一方の扇形の一方の直線部分と他方の扇形の一方の直線部分とを面一にすると共に、この面一にした直線部分を外縁Lの内側において外縁Lと平行になるように配置することにより、この面一にした直線部分の長さ(上記改良幅)をこの面一にした直線部分と直交する方向の長さ(上記改良厚さ)より大きくなように設定できる。そして、水平断面形状が長方形の地盤改良体3aの場合は、その長辺側の直線部分を外縁Lの内側において外縁Lと平行になるように配置することにより、改良幅(長辺の長さ)を改良厚さ(短辺の長さ)より大きくなるように設定できる。
これにより、地盤改良体3aの造成範囲を狭くすることができるため、図4に示す地中連続壁体3と比べて、造成コストを低くすることができる。
Claims (10)
- 地盤に立坑を構築する立坑構築方法において、
前記地盤の鉛直方向に延びると共に互いに重なり合って列をなす複数の地盤改良体からなる筒状の地中連続壁体を、その外周面と内周面との間に、前記立坑の側壁体の構築予定領域の外周縁が位置するように形成することと、
前記地中連続壁体の形成後に、前記構築予定領域の外周縁より内側に位置する部分を掘削することと、
前記掘削により得られた前記地盤改良体の掘削面に沿って前記側壁体を形成して、前記立坑を構築することと、
を含み、
前記地中連続壁体を形成することは、一つの前記地盤改良体の造成予定領域毎に、
前記地盤に鉛直方向に延伸するボーリング孔を形成することと、
円筒状の先端ロッドと、当該先端ロッドの先端部側に設けられるノズルと、前記先端ロッドの基端部側に順次継ぎ足される延長ロッドと、を有するロッドを前記ボーリング孔に挿入することと、
固化材と水を含む液体を前記ノズルから半径方向外方に向けて噴射しつつ、前記ロッドを回転させると共に、前記ロッドを引き上げて、前記ボーリング孔より大径であり且つ前記地盤より強度の高い前記地盤改良体を造成することと、
を含む、立坑構築方法。 - 前記地中連続壁体の形成後の前記掘削と、前記側壁体の前記形成とを、それぞれ所定の掘削深さ毎に交互に繰り返し行うことにより、前記側壁体の一部を前記構築予定領域の上端側から下端側に向って順次継ぎ足して前記側壁体の全体を形成する、請求項1に記載の立坑構築方法。
- 前記地中連続壁体の形成後の前記掘削を、所定の掘削深さ毎に分割して、目標掘削深さまで行う構成とし、
前記所定の掘削深さ毎の各掘削の後に、それぞれ、前記地中連続体を前記掘削面側から貫通して該地中連続壁体を周囲地盤と一体化させるアンカーを打設し、
前記アンカーの打設が前記目標掘削深さまで完了した後に、前記掘削面の下端側から上方に向かって、前記アンカーを順次取り外しつつ前記側壁体の一部を順次継ぎ足して前記側壁体の全体を形成する、請求項1に記載の立坑構築方法。 - 前記側壁体は鋼製部材からなる請求項1〜3のいずれか一つに記載の立坑構築方法。
- 前記側壁体はセメント系材料からなる請求項1〜3のいずれか一つ記載の立坑構築方法。
- 前記地盤改良体を、その中心軸線が前記構築予定領域の外周縁上に沿って延びるように造成する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の立坑構築方法。
- 前記複数の地盤改良体を、互いに重なり合って一列の列をなすように造成する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の立坑構築方法。
- 前記複数の地盤改良体のうちの少なくとも一部の前記地盤改良体を、前記構築予定領域の周方向についての該地盤改良体の改良幅が前記周方向と直交する方向についての該地盤改良体の改良厚さより大きくなるように設定して造成する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の立坑構築方法。
- 前記地中連続壁体を形成する際に、前記構築予定領域の下方に前記地中連続壁体の強度より高い強度を有する底部地盤改良体を造成することを更に含む、請求項1〜8のいずれか一つに記載の立坑構築方法。
- 前記構築予定領域の外周縁より内側に位置する部分が掘削された状態の前記地中連続壁体は、その壁厚が最小となる薄肉部を有し、
前記薄肉部の厚さは、前記地盤改良体を掘削する掘削装置の掘削力と地盤の強度とに応じて定める前記地盤改良体の許容強度範囲と、前記掘削面の崩壊についての必要安全率とに基づいて定める安全壁厚範囲内で定められる、請求項1〜9のいずれか1つに記載の立坑構築方法。
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