JP5473798B2 - 掘削装置 - Google Patents
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Description
図26で示す様に施工地盤Gに、小径の掘削孔HSと、それに連続する大径の掘削孔HLを掘削し、グラウト材を充填し、テンドンを挿入してアンカー体を築造すれば、弱い地盤であっても、必要な耐力が得られる。
このような従来技術では、インナーロッド内側に押込用ロッドを配置して、当該ロッドを地中側に押し込むことにより、閉じた状態の掘削用ビットを開いている。
このため、上記特許文献1のような押込用ロッドを用いる場合には、掘削ビットの開閉に際して、外管、掘削用ロッド、押込用ロッドを同心に配置するために、三重管の構造を必要とする。しかし、三重管の継ぎ足しや、回転伝達等のためには複雑な構成が必要となるので、係る従来技術(特許文献1)では、施工のための各種コストが高騰してしまうという問題が存在する。
ここで、ビーコンの発生時には、中空管(1)と第2の中空管(2)との間の空間に水が溜まる様に構成することが好ましい。
そして、中空管(1)内に流体圧を作用させると、当該流体圧によりピストン(3)が中空管(インナーロッド1)に対して地中側へ相対移動する。ピストン(3)の地中側への移動により、掘削用ビット(4)がピストン(3)により押し開かれて、閉じた状態の掘削用ビット(4)が開いた状態となる。
そして、開いた状態の掘削用ビット(4)を用いて、地中に大径の掘削孔を掘削する。
中空管(1)内に作用している流体圧を解除或いは減圧することにより、ピストン(3)は中空管(1)に対して地上側に相対移動して、掘削用ビット(4)を押し開く状態が維持されなくなる。それに加えて、中空管(1)を第2の中空管(2)に対して地上側に相対移動する(インナーロッド1を地上側に引き込む)ことにより、開いた状態の掘削用ビット(4)が第2の中空管(2)の管端部(22e)に当接して、閉じる方向に付勢される。その結果、開いた状態の掘削用ビット(4)は確実に閉じられる。
中空管(1)をさらに地上側に移動する(引き抜く)ことにより、閉じた状態の掘削用ビット(4)は第2の中空管(2)内に収容される。
これにより、掘削用ビット(4)を埋め殺すこと無く地上側に回収することが可能となり、地中で必要な掘削を行なった掘削用ビット(4)を再利用することが可能になる。
そして、掘削用ビット(4)が完全に開いたか(いわゆる「全開」)か、或いは、開く以前の段階であるのか(いわゆる「半開」)を判断することも出来る。
これに対して、ビーコンや打撃音により近接スイッチ(5、7)からの信号を伝達するのであれば、有線が捻じ切れる恐れを考慮する必要が無くなる。
最初に、図1〜図18を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
1対の掘削用ビット4、4´は左右対称の翼型ビットであり、図1において上下に重なった状態で示されている。ここで、掘削用ビット4´が掘削用ビット4の下方に位置しており、掘削用ビット4´の内、図1では直接目視出来ない部分の輪郭が点線で示されている。掘削用ビット4、4´は、掘削ビット揺動用ピン3Pに係合しており、掘削ビット揺動用ピン3Pの動き、すなわちピストン3の移動(図1では左右方向の移動)により、一対の掘削用ビット4、4´が同時に開閉動作を行なうように構成されている。
インナーロッド1は、図示を省略したロッド本体と、ロッド本体の先端に取付けたシリンダ部11と先端部12とを有している。
また、第1の内径部111よりも第2の内径部112の方が内径寸法が大きく、第2の内径部112よりも第3の内径部113の方が内径寸法が大きい。
先端部12の地上側の外径部121は、シリンダ部11の第3の内径部113に嵌合し、以って、先端部12はインナーロッド1と一体化されている。
インナーロッド1の先端部12には、ヒンジピン13が設けられている。そして、ヒンジピン13を中心として掘削用ビット4が回動するように構成されている。
掘削用ビット4の開閉動作については後述する。
図5〜図9で示す第1の態様において、ピストン3は、図5で示すように、掘削ビット揺動用ピン3Pを先端部に嵌入した板状の先端部33と、小径部32とが、ピストン本体31に嵌合する様に構成されている。ここで、板状の先端部33と小径部32を、ピストン本体31と一体的に構成することも可能である。
小径部32には、中心軸に対する対称位置に(図5では上下に)、円弧状の切欠き322が形成されている。
第1の態様において、円弧状の切欠き322は合計4箇所形成された状態で示されているが、当該切欠き322は、掘削用ビット4の開放時に当接する位置に設ければ良い。具体的には、図8、図9において、掘削用ビット4が開放された際に掘削用ビット4のピン3P側の基部が当接する切欠き、すなわち、図8、図9における右上の切欠き322と、左下の切欠き322との2箇所に設ければ足りる。従って、図8、図9において、符号322Fで示す切欠きは、形成しなくても良い。
板状の先端部33の外縁部の面331は、小径部32に連続している。そして板状の先端部33の端部332は、単一の曲率半径を有する円弧により構成されている。
この掘削ビット揺動用ピン3Pは、掘削用ビット4に形成された掘削ビット揺動用ピン係合孔45と係合している。ピストン3が第2の内径部112内を移動する動きは、掘削ビット揺動用ピン3P及び掘削ビット揺動用ピン係合孔45を介して掘削用ビット4に伝達され、以って、掘削用ビット4の開閉が行われる。ピストン3の動きと掘削用ビット4の動作については、後述する。
図9では、ピストン3の掘削ビット揺動用ピン3Pに、1対の掘削用ビット4が係合している状態が、ピストン3の先端側(地中側)から示されている。
図10〜図13に示すように、ピストン3Aは、ピストン本体31Aに小径部32Aが嵌合されて構成されているが、第1の態様と同様に、ピストン本体31Aと小径部32Aとが一体的に構成されていても良い。
図14では、ピストン3Aの部分320A、320Aを接続する掘削ビット揺動用ピン3Pに、2枚1対の掘削用ビット4が係合している状態が、ピストン3Aの先端側(地中側)から示されている。
第2の態様において、円弧状の切欠き322が2箇所設けられている。そして、掘削用ビット4の開放時には、当該掘削用ビット4が切欠き322に当接する。
掘削用ビット4の図15における左下部分には、円弧状の突出部44が形成されており、突出部44には掘削ビット揺動用ピン係合孔45が形成されている。掘削ビット揺動用ピン係合孔45は長孔であり、掘削ビット揺動用ピン3Pが係合する。
掘削用ビット4の背部42において、図15の左端側には円弧部46が形成され、この円弧部46は突出部44に連続して構成されている。円弧部46の近傍にはヒンジピン係合孔47が形成され、ヒンジピン係合孔47にはインナーロッド1の先端部12のヒンジピン13が係合している。掘削用ビット4は、ヒンジピン係合孔47を回転中心として回動し、開閉する。掘削用ビット4の開閉の詳細については、後述する。
なお、2枚の掘削用ビットが為す角度は、第2の内径部112、ピストン本体31、及び掘削ビット揺動用ピン3Pの相対的な位置関係や、円弧部46及び切欠き322の形状によって決まるので、それらを適宜設定することによって、掘削用ビット4が最大に開いた場合に、2枚の掘削用ビットが為す角度が180゜以上あるいは未満となるように設定することも可能である。
図16において、閉じた状態の掘削用ビット4が実線で示されている。そして、開いた状態の掘削用ビット4Lが点線で示されている。
図1で説明したように、掘削用ビット4、4´は左右対称に一対設けられており、掘削ビット揺動用ピン係合孔45、掘削ビット揺動用ピン3P、ヒンジピン係合孔47の位置関係は、左右の掘削用ビット4、4´(図1)について同様である。図示の簡略化のため、図16では、片方の掘削用ビット4の開閉動作についてのみ示している。
なお、図16は、図1〜図4、図18、図19と、左右が逆の状態で表示されている。
掘削ビット揺動用ピン係合孔45における円弧状の領域F1、F2は、ヒンジピン係合孔47(図16参照)に近い方が領域F1であり、離隔している方が領域F2である。そして、円弧状の領域F1、F2は、掘削ビット揺動用ピン係合孔45の両端部を構成している。
円弧状の領域F2では、後述するように掘削ビット揺動用ピン3Pが外接しながら移動する。そのため、円弧状の領域F2における曲率半径R1は、掘削ビット揺動用ピン3Pの半径より少し長めの寸法に設定されている。図示の実施形態では、例えば、曲率半径R1が7mm、掘削ビット揺動用ピン3Pの半径が6mmに設定されている。
掘削ビット揺動用ピン係合孔45における周縁部の領域F3は、直線Jcと平行な直線で構成されている。そして、直線Jcは、円弧状の領域F1の曲率中心FC1と、円弧状の領域F2の曲率中心FC2とを通過している。
領域F4、F5は領域F3に対して傾斜しており、領域F4、F5は相互に向かい合うように延在している。そして、領域F4と領域F5とが突き当たる個所と、直線Jcとの距離は、符号L2で示されている。
掘削ビット揺動用ピン3Pは掘削ビット揺動用ピン係合孔45に係合されており、掘削ビット揺動用ピン3Pが直線Tc上を動くことにより、掘削ビット揺動用ピン係合孔45が形成されている掘削用ビット4が開閉する。
図16において、ピストン本体31が左に動作して、掘削ビット揺動用ピン3Pが直線Tc上を左に動くと、掘削ビット揺動用ピン3Pも図16において左方へ移動する。
そして、掘削ビット揺動用ピン3Pが、図16において最も左方の位置のときに、掘削用ビット4の開度は最大となる。ここで、掘削ビット揺動用ピン3Pの「図16において最も左方の位置」は、シリンダ部11(図1)の第2の内径部112(図1)と、ピストン本体31との相対的な位置関係によって決定される。
図16を参照して具体的に示すと、ヒンジピン係合孔47の中心点と掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧領域F1の曲率中心FC1との距離が符号LF1で示されており、ヒンジピン係合孔47の中心点と掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧領域F2の曲率中心FC2との距離が符号LF2で示されている。そして、掘削用ビット4の開閉により、掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧領域F2の曲率中心FC2が移動する軌跡が、符号Trで示されている。
円弧状の軌跡Trは、ヒンジピン係合孔47の中心点が曲率中心であり、曲率半径が距離LF2であるため、掘削用ビット4を開閉するに際して、ヒンジピン係合孔47の中心点と掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧領域F2の曲率中心FC2との距離は、常に距離LF2となる。
掘削ビット揺動用ピン3Pの中心点が、ヒンジピン係合孔47の中心点と掘削ビット揺動用ピン3Pの中心点を結んだ直線がTcと直交する位置(長さL4の線分の位置)を通過するときに、「掘削ビット揺動用ピン3Pの中心位置と、ヒンジピン係合孔47の中心点との距離」は最小であり、図16において当該位置の左右では「掘削ビット揺動用ピン3Pの中心位置と、ヒンジピン係合孔47の中心点との距離」は大きくなる。
また前述のように、掘削ビット揺動用ピン3Pが左方向に動くことにより掘削用ビット4は開き、掘削ビット揺動用ピン3Pが図16において最も左方の位置のときに掘削用ビット4の開度は最大となる。掘削用ビット4の開度が最大となったときに、「ヒンジピン係合孔47の中心点と掘削ビット揺動用ピン3Pの中心点の距離」も最大となり、係る最大の距離が符号L3で示されている。
そのため、地盤を掘削する際におけるヒンジピン係合孔47の中心点と、掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧部分F2の曲率中心FC2との距離L3は、掘削用ビット4が閉じた状態における掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧部分F2の曲率中心FC2との距離LF2と同程度であることが好ましい。地盤を掘削する際における掘削ビット揺動用ピン係合孔45の端部F2の周縁部と、掘削ビット揺動用ピン3Pの外接面との隙間を、掘削用ビット4が閉じた状態における当該隙間と同程度にして、係る「がた」を抑制するためである。
そのため、ヒンジピン係合孔47の中心点と、掘削ビット揺動用ピン係合孔45の円弧部分F1の曲率中心FC1との距離LF1は、当該最小距離L4以下でなければならない。
図16において、掘削用ビット4が閉じた状態から掘削ビット揺動用ピン3Pが左方向に動き出すと、掘削ビット揺動用ピン3Pは、掘削ビット揺動用ピン係合孔45の周縁部を左方向に押しながら、領域F5、F4(図17参照)を通過し、領域F1に近接する。
そして、掘削ビット揺動用ピン3Pは、距離L4で示される位置(図16参照)を通過した後は、さらに掘削ビット揺動用ピン係合孔45の周縁部を左方向に押しながら、領域F4、F5(図17参照)を通過する。
図16において、掘削用ビット4が開いた状態では、掘削ビット揺動用ピン3Pは領域F2(図17参照)の周縁部に到達する。
つまり、図16に図示はしていないが、掘削用ビット4の対称となる掘削用ビット4´が掘削用ビット4に一部重なる位置に存在し(例えば図1参照)、掘削ビット揺動用ピン係合孔45と対称な掘削ビット揺動用ピン係合孔45´が、同一の掘削ビット揺動用ピン3Pに係合している。
そして、掘削用ビット4´は、ヒンジピン係合孔47´を中心軸として回動して開閉するため、掘削用ビット4´の開閉による掘削ビット揺動用ピン係合孔45´の動作は、直線Tcを対称軸として、掘削用ビット4の開閉による掘削ビット揺動用ピン係合孔45の動作と線対称になる。
そのときに、掘削ビット揺動用ピン3Pは、掘削ビット揺動用ピン係合孔45´(図1参照:図16では図示せず)にも同様に作用をするので、図16で図示されない揺動用ピン係合孔45´も図16の左方向に押されて、直線Tcを対称軸として、軌跡Trと線対称な曲線に沿って移動する。すなわち、図16では図示しない揺動用ピン係合孔45´は、揺動用ピン係合孔45とは反対に、図16では直線Tcに対して上方に移動する。
図17を参照して、揺動用ピン係合孔45(揺動用ピン係合孔45´も同様)において、揺動用ピン係合孔45の周縁部における領域F4、F5は領域F3に対して傾斜しており、相互に向かい合うように延在しているので、領域F4と領域F5とが突き当たる箇所は、直線Jcに対して窪んだ領域(窪み)となっている。
ここで、発明者の実験によれば、係る「窪み」、すなわち、図16において領域F4と領域F5とが突き当たる箇所と直線Jcとの距離L2から曲率半径R1の値を減算した数値(L2−R1)は、2mm以上が好ましく、掘削ビット揺動用ピン3Pの半径以下であることが好ましい。
図示の実施形態では、窪みの頂点(F4、F5が突き当たる個所)と直線Jcとの距離であるL2が11mmであり、「窪み」すなわち距離L2から曲率半径R1を減算した数値(L2−R1)は4mmである。
図1で示す様に、ピストン3が後退した状態では、2つの掘削用ビット4が閉じている。
大径の掘削孔HL(図26参照)を掘削するに際しては、先ず、図1で示すように、アウターロッド2からインナーロッド1先端の掘削用ビット4を突出させる。
そして、図2で示すように掘削用ビット4を開いた状態で、大径の掘削孔HL(図26参照)を掘削する。
掘削用ビット4を開く動作については、図18、図19で後述する。
なお、インナーロッド内部1iに加圧流体(水)を供給し、或いは排出する機構としては、例えば、地上側に設置されたポンプ(図示せず)が用いられる。
その際に、アウターロッド2のビット22は、掘削用ビット4の背部42、より詳細にはヒンジピン係合孔47よりも掘削歯43側或いは掘削用ビット4の先端側に当接し、掘削用ビット4を押圧する。アウターロッド2のビット22により、掘削用ビット4を押圧する力は、矢印Y2で示されている。
矢印3で示す力及び矢印Y2で示す力が、ヒンジピン13回りの偶力として作用し、係る偶力により、掘削用ビット4は矢印YS方向に回動して、閉じる。そして、図4で示すように、アウターロッド2の内部に収容される。
図18(a)で示す状態から、ピストン3が図18(a)の右方向に移動する(矢印Yr)。
ピストン3が矢印Yr方向へ移動すると、掘削用ビット4は、ヒンジピン13回りに反時計方向へ回動する(矢印R)。
図18(b)では、ヒンジピン13の中心と掘削ビット揺動用ピン3Pの中心とを結ぶ直線が、ピストン3の移動方向に対して、概略直角となっている。そして、ヒンジピン13の中心と掘削ビット揺動用ピン3Pの中心との距離Lbが、最短距離となっている。
図18(c)は、ピストン3が矢印Yr方向へさらに移動し、掘削用ビット4が全開となった状態を示しており、掘削用ビット4は、図18(a)の閉じた状態に対して90度開いている。
図18(c)の状態では、ヒンジピン13の中心と掘削ビット揺動用ピン3Pの中心との距離Lcは、最も長くなる。
さらに図18(c)の状態では、相補的な形状をしている切欠き322と円弧部46とが係合することにより、掘削ビット4がそれ以上矢印Rの方向に回動することを防止している。
この状態から掘削用ビット4を閉じる際には、インナーロッド内1iの流体圧力が減圧されて、矢印Fで示す引張力を生じる。
インナーロッド内1iの流体圧力が減圧されるのと同時に、インナーロッド1(図19では図示せず)を地上側に引っ張ることにより、図19(a)においては相対的にアウターロッド2が掘削用ビット4に対して矢印Yrの押圧力を付加する。すなわち、アウターロッドの先端部22eが掘削用ビット4の背部42に当接し、矢印Yrで示す様に掘削用ビット4を押圧する。
図19(b)は、掘削用ビット4が時計回りに回転し、完全に閉じた状態が示されている。
これに対して、図示は省略するが、当該流体圧に代えて、インナーロッド内1iにピストン押圧用のロッドを配置し、当該ロッドとピストンとを接続し、地上側から地中に向けてこのロッドを押し込むことによって、ピストンを移動することも可能である。
一方、開いた状態の掘削用ロッド4を閉じる際には、インナーロッド内1iに作用している流体圧を解除或いは減圧して、ピストン3をインナーロッド1に対して地上側に相対移動する様に引っ張ることに加えて、インナーロッド1をアウターロッド2に対して地上側に相対移動することにより、開いた状態の掘削用ビット4がアウターロッド2のビット22に当接して、閉じる方向に付勢されて、確実に閉じられる。
そのため、掘削用ビット4を埋め殺すこと無く地上側に回収することが可能となり、回収された掘削用ビット4を再利用することが出来る。
第2実施形態では、掘削用ビット4が全開した状態を、地上側で確認することが出来る様に構成されている。
従来、トルクが増大し、及び/又は、スラリーが増大することにより、掘削用ビットが開いた旨を地上側のオペレータが把握していた。これに対して、掘削用ビットが開いたことを、より直接的、より客観的に把握するため、第2実施形態では、図20、図22で示すように、近接スイッチと、近接スイッチが作動したことを地上側に伝達する機構を備えている。
なお、図20、図21において、インナーロッド1のロッド本体が、符号10として示されている
そして、インナーロッド1のシリンダ部11において、掘削用ビット4が全開した際におけるピストン3のスイッチ5の位置と対応する位置に、静電容量を変化させるためのチップ5Mが埋設されている。
明確には図示されていないが、スイッチ5にチップ5Mが近接した場合には、スイッチ5の感応部における静電容量が変化し、スイッチ5から検出信号が出力されるように構成されている。
そして、近接スイッチ5とビーコン発信器6とはラインLs1で接続されている。シリンダ部11とロッド本体10とは一体に移動するので、近接スイッチ5とビーコン発信器6とを接続するラインLs1が捻じ切れることはない。
上述した様に、ピストン3が下降して掘削用ビット4の全開する位置に到達すると、近接スイッチ5がONになり、ビーコン発信器6がビーコンを発生し、後述するビーコン受信器8が、そのビーコンを受信する。
ここで、ビーコンを用いたのは、地中側と地上側とを有線で伝達する場合には、掘削深度の増加に連れて有線長さを延長しなければならないことと、掘削用ビット4が回転する際に、有線が捻じ切れてしまう恐れがあることによる。
ビーコン受信器8とLEDランプ9とは、ラインLs3によって接続されている。ビーコン受信器8とLEDランプ9とは、共にアウターロッド2に取り付けられているので、ラインLs3が捻じ切れてしまうことはない。
なお、LEDランプ9に代えて、或いはそれに加えて、ブザーを使用することも可能である。
図21において、符号20はスイベル装置を示し、符号201はスイベル装置における流体供給口を示し、符号202は流体排出口を示している。
図22の変形例では、近接スイッチとしてマグネットスイッチ7を採用し、その設置位置として、インナーロッド1の先端部12を選択している。
マグネットスイッチ7とビーコン発信器6とはラインLs2によって接続されている。掘削用ビット4とインナーロッド1とは一体に回転するので、マグネットスイッチ7とビーコン発信器6とを接続するラインLs2が捻じ切れてしまう恐れはない。
図22の変形例のその他の構成及び作用効果は、図20、図21の第2実施形態と同様である。
ビーコンは、インナーロッド1とアウターロッド2との間の空間2iに水が充填されていないと伝達出来ない恐れがある。それに対して、インナーロッド1を打撃すれば、インナーロッド1が媒体となって、当該打撃が為された旨が地上側へ確実に伝達される。
また、いわゆる「全開」の状態でなければマグネットスイッチ5(或いは7)は作動しないので、「全開」状態か、或いは、その他の状態(「閉じた」状態やいわゆる「半開」状態)であるかが、地上側で明確に判断できる。
図23〜図25で示す第2実施形態の第2変形例では、掘削用ビット4が開いた際に、その旨をビーコンで地上に伝達する際にのみ、インナーロッド1とアウターロッド2との間の空間2iに水が溜まる様に構成されている。
図23〜図25の第2変形例において、図1〜図22と同様な部材には同様な符号を付して説明する。
インナーロッド1のシリンダ部11近傍にはビーコン発信器6が取付けられ、
近接スイッチ5とビーコン発信器6とはラインLs1で接続されている。
ピストン3が下降して掘削用ビット4の全開する位置に到達すると、近接スイッチ5がONになり、ビーコン発信器6がビーコンを発信し、図23〜図25では図示しないビーコン受信器8が、そのビーコンを受信する。
図23で示すように、掘削用ロッド4が閉じてアウターロッド2内に収容された状態では、シリンダ部11のラバー11Rとアウターロッド2内周面のラバー2Rは離隔した位置にあるので、当該ラバー11R、2Rによりインナーロッド1とアウターロッド2との間における掘削水Wの流れが妨げられてしまうことはない。
その結果、インナーロッド1とアウターロッド2との間の空間2iに掘削水Wが貯留されて、空間2iに充填される。そして、近接スイッチ5(5C)の検出信号を受けたビーコン発信器6から発信されるビーコンは、空間2iに充填している掘削水Wを伝播して、地上側のビーコン受信器8(図21参照)に伝達される。
ここで、ビーコンは空気よりも密度が大きい水(掘削水)Wを伝播するので、ビーコンの伝播性能が向上する。
アウターロッド2を地上側に引き上げることにより、図25で示すように、シリンダ部11のラバー11Rとアウターロッド2内周面のラバー2Rが当接した状態が解除され、図25の矢印Wで示すように、掘削水はシリンダ部11とアウターロッド2の間の空間を流過する。
図23〜図25の第2変形例のその他の構成及び作用効果は、図20、図21の第2実施形態と同様である。
また、第2実施形態及びその変形例におけるその他の構成及び作用効果については、第1実施形態と同様である。
2・・・第2の中空管/アウターロッド
3・・・ピストン
3P・・・掘削ビット揺動用ピン
4・・・掘削用ビット
5、7・・・近接スイッチ/マグネットスイッチ
6・・・ビーコン発信装置
8・・・ビーコン受信機
9・・・LEDランプ
10・・・ロッド本体
11・・・シリンダ部
13・・・ヒンジピン
Claims (3)
- 小径の掘削孔(HS)に連続して大径の掘削孔(HL)を掘削するための掘削装置において、第2の中空管(2)の内側に該第2の中空管(2)に対して相対移動可能な第1の中空管(1)が設けられ、該第1の中空管(1)の内側に該第1の中空管(1)に対して流体を供給し排出する機構により相対的移動するピストン(3)が設けられ、該ピストン(3)の移動により開閉される掘削用ビット(4、4´)を備え、該ピストン(3)はピストン本体(31)と板状の先端部(33)とを備え、該先端部(33)の端部(332)には掘削ビット揺動用ピン(3P)が嵌入されており、前記掘削用ビット(4、4´)はそれぞれ第1の中空管(1)の先端部(12)に設けたヒンジピン(13)に回動可能に枢着され、かつそれぞれ前記掘削ビット揺動用ピン(3P)が係合する掘削ビット揺動用ピン係合孔(45、45´)を有し、当該掘削ビット揺動用ピン係合孔(45、45´)はそれぞれ両端を構成する円弧状の第1および第2の領域(F1、F2)と、前記第1および第2の領域(F1、F2)と連続する周縁部の第3の領域(F3)と、前記第3の領域(F3)と反対側で前記第1および第2の領域(F1、F2)と連続し、前記第3の領域(F3)に対して傾斜している第4および第5の領域(F4、F5)とより構成されていることを特徴とする掘削装置。
- 小径の掘削孔(HS)に連続して大径の掘削孔(HL)を掘削するための掘削装置において、第2の中空管(2)の内側に該第2の中空管(2)に対して相対移動可能な第1の中空管(1)が設けられ、該第1の中空管(1)の内側に該第1の中空管(1)に対して流体を供給し排出する機構により相対的移動するピストン(3A)が設けられ、該ピストン(3A)の移動により開閉される掘削用ビット(4、4´)を備え、該ピストン(3A)はピストン本体(31)と先端部が二股に分岐して平行に配置された2本の部分(320A)とを備え、掘削ビット揺動用ピン(3P)が前記2本の部分(320A)を接続しており、前記掘削用ビット(4、4´)はそれぞれ第1の中空管(1)の先端部(12)に設けたヒンジピン(13)に回動可能に枢着され、かつそれぞれ前記掘削ビット揺動用ピン(3P)が係合する掘削ビット揺動用ピン係合孔(45、45´)を有し、当該掘削ビット揺動用ピン係合孔(45、45´)はそれぞれ両端を構成する円弧状の第1および第2の領域(F1、F2)と、前記第1および第2の領域(F1、F2)と連結する周縁部の第3の領域(F3)と、前記第3の領域(F3)と反対側で前記第1および第2の領域(F1、F2)と連結し、前記第3の領域(F3)に対して傾斜している第4および第5の領域(F4、F5)とより構成されていることを特徴とする掘削装置。
- 掘削用ビット(4、4´)が開いた状態を地上側で確認する機構(5〜9)を設けた請求項1又は2のいづれかに記載の掘削装置。
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