JP6814033B2 - 切断装置および切断方法 - Google Patents
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Description
また、第1処理手段を第1変温手段で構成し、第2処理手段を第2変温手段で構成すれば、切断対象物における切断容易となる条件が熱の付与の場合にでも、当該切断対象物を良好に切断することができる。
さらに、第1処理手段を赤外線照射手段で構成し、第2処理手段を紫外線照射手段で構成すれば、切断対象物における切断容易となる条件が光の照射の場合にでも、当該切断対象物を良好に切断することができる。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
なお、本実施形態の場合、接着シートASは、一方の面側が基材シートBSによって構成され、他方の面側が接着剤AD層によって構成されている。
先ず、本発明の切断装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して初期設定を行う。
なお、本実施形態では、接着シートASは、基材シートBSが切断容易となる条件と、接着剤AD層が切断容易となる条件とが異なるものが採用されている。すなわち、接着シートASとして、基材シートBSが35℃〜80℃の間の任意の温度下で切断容易となり、接着剤AD層がマイナス15℃〜10℃の間の任意の温度下で切断容易となる特性のものが採用されていることとする。
使用者は、初期設定において接着シートASの上記特性を考慮して、第1処理手段40が基材シートBSを35℃〜80℃間の任意の温度である第1の温度(例えば、40℃)となるように、また、第2処理手段50が接着剤AD層をマイナス15℃〜10℃の間の任意の温度である第2の温度(例えば、2℃)となるように、図示しない操作手段を介して切断装置10にデータを入力した後、自動運転開始の信号を入力する。すると、移動手段30が多関節ロボット31およびチャックモータ33を駆動し、図示しない所定の格納位置に格納されているカッター刃21をチャック33Aで支持した後、図示しない切断手段検知手段の検出位置にカッター刃21を配置し、当該図示しない切断手段検知手段が切先21Aの位置、刃先21Bの位置およびカッター刃の異常を検知した状態で停止してスタンバイ状態となる(以下、この状態を単に「スタンバイ状態」という)。
なお、移動手段30は、図示しない切断手段検知手段の検知結果を基にして、切断の対象となる接着シートASに対し、切先21Aを突き刺す位置および刃先21Bで切断する軌道等が所定の位置、所定の軌道等となるように多関節ロボット31の動作を自動で補正するようになっている。これにより、万が一、カッター刃21が位置ずれを起こしてチャックモータ33に支持されていても、接着シートASを所定形状に切断することができるようになっている。
移動手段30は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、1軸または2軸以上の多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできるし、被着体WKの外縁と同形状となるように接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁よりも内側で接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁よりも外側で接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁とは関係なく接着シートASを切断してもよい。
移動手段30は、接着シートASを貫通する切込が断続的に続くように、接着シートASに対してカッター刃21を離間接近させながら移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通することのない切込が連続的に続くようにカッター刃21を移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通することのない切込が断続的に続くように、接着シートASに対してカッター刃21を離間接近させながら移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、例えば、切断手段20としてミシン目ロータリカッター刃を採用し、接着シートASを貫通または貫通することのない切込が断続的に続くように切断手段20を移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通する切込と当該接着シートASを貫通することのない切込とが規則的または不規則的に、連続的または断続的に続くようにして当該接着シートASを疑似的に切断してもよい。なお、上記のように疑似的に切断された接着シートASは、後に張力付与手段や振動付与手段等によって張力や振動が付与されることで、当該疑似的に切断された部分を境にして完全に切断することができ、本発明の切断装置10は、このような張力付与手段や振動付与手段等を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
多関節ロボット31は、先端アーム31Aに対して着脱不能な状態でカッター刃21を支持する構成としてもよく、この場合、チャックモータ33を設けなくてもよい。
チャックモータ33は、チャック33Aを3体以上備えた駆動機器でもよいし、チャック33Aにおけるカッター刃21の挟込面の一方または両方に、当該カッター刃21が嵌り込む溝が形成されたものが採用されてもよいし、両方に溝が形成されていないものが採用されてもよい。
第1変温手段40Aは、雰囲気の温度や、基材シートBSの組成、特性、性質、材質、形状、組織等を考慮して、加熱手段だけで構成してもよいし、冷却手段だけで構成してもよいし、基材シートBSを第1の温度に変温させなくてもよいし、基材シートBSの組成、特性、性質、材質、形状、組織等を考慮して、第1の温度として、例えば、マイナス3℃〜25℃の間の任意の温度である第1の温度(例えば0℃)としたり、その他の温度範囲またはその他の温度としたりしてもよいし、単数または複数設けてもよい。
第2変温手段50Aは、雰囲気の温度や、接着剤AD層の組成、特性、性質、材質、形状、組織等を考慮して、加熱手段だけで構成してもよいし、冷却手段だけで構成してもよいし、接着剤AD層を第2の温度に変温させなくてもよいし、接着剤AD層の組成、特性、性質、材質、形状、組織等を考慮して、第2の温度として、例えば、100℃〜150℃の間の任意の温度である第1の温度(例えば120℃)としたり、その他の温度範囲またはその他の温度としたりしてもよいし、単数または複数設けてもよい。
切断対象物として、接着シートASを例示し、一方の面側を基材シートBS、他方の面側を接着剤ADとして説明したが、本発明の切断装置10は、切断対象物はどんなものでも切断の対象とすることができ、一方の面側および他方の面側は、当該切断対象物の構成によって任意に選定されるものであり、切断対象物が接着シートASのような積層物でなく単体物である場合でも、一方の面側と他方の面側とで切断容易となる条件が異なっていれば対応ができる。
切断対象物として、上述のように一方の面側が基材シートBSによって構成され、他方の面側が接着剤AD層によって構成された接着シートASが採用された場合、基材シートBSは、加熱(赤外線照射)をすることで柔らかくなって切断がし易くなり、接着剤AD層は、冷却(紫外線照射)することで硬化してカッター刃21に付着し難くなることで切断し易くなる。また、切断対象物として、例えば、一方の面側がゴムによって構成され、他方の面側がスポンジによって構成された洗浄用ブラシや靴の底敷き等が採用された場合、ゴムもスポンジも加熱(赤外線照射)をすることで柔らかくなって切断がし易くなるが、ゴムと同様の温度でスポンジを加熱(赤外線照射)すると、スポンジが溶けてカッター刃21に付着し切断がし辛くなるので、スポンジは、ゴムに比べて低めに加熱する(紫外線照射して劣化させる)。これにより、スポンジがカッター刃21に付着し難くなることで切断し易くなる。さらに、切断対象物として、例えば、一方の面側が第1接着剤層によって構成され、他方の面側が第1接着剤層とは異なる第2接着剤層によって構成された両面接着シートが採用された場合、第1接着剤層も第2接着剤層も紫外線照射することで硬化してカッター刃21に付着し難くなることで切断し易くなるが、第1接着剤層と第2接着剤層とで硬化する紫外線照射量が異なる場合があるので、第1接着剤層と第2接着剤層とで紫外線照射量を変えるとよい。
基材シートBSは、軟化させることで切断し易くなるものでもよいし、硬化させることで切断し易くなるものでもよい。
接着剤AD層は、硬化させることで切断し易くなるものでもよいし、軟化させることで切断し易くなるものでもよいし、カッター刃21に付着し易くなる、付着し難くなるに関係なく切断し易くなるものでもよい。
切断対象物は、変温されることで軟化、硬化、化学変化、組成変化または組織変化といった何かしらの変化を起こしたり、何の変化も起こさずして切断し易くなるものでもよい。
20…切断手段
30…移動手段
40…第1処理手段
40A…第1変温手段
40B…赤外線照射手段
50…第2処理手段
50A…第2変温手段
50B…紫外線照射手段
AD…接着剤(他方の面側)
AS…接着シート(切断対象物)
BS…基材シート(一方の面側)
Claims (4)
- 切断対象物を切断可能な切断手段と、
前記切断手段および前記切断対象物を相対移動させて当該切断対象物を所定形状に切断する移動手段とを備え、
前記切断対象物は、一方の面側が切断容易となる条件と、他方の面側が切断容易となる条件とが異なる構成とされ、
前記切断対象物における一方の面側が切断容易となる第1の処理を当該一方の面側に施す第1処理手段と、前記切断対象物における他方の面側が切断容易となる第2の処理を当該他方の面側に施す第2処理手段とを備え、
前記切断手段は、前記第1処理手段による前記一方の面側への前記第1の処理と、前記第2処理手段による前記他方の面側への前記第2の処理とが行われた前記切断対象物に対し、それら第1処理手段および第2処理手段とは異なる別の部材で当該切断対象物を切断することを特徴とする切断装置。 - 前記切断対象物は、第1の温度に変温させることで切断容易となる一方の面側と、第2の温度に変温させることで切断容易となる他方の面側とを有し、
前記第1処理手段は、一方の面側を第1の温度に変温させることで前記第1の処理を施す第1変温手段からなり、前記第2処理手段は、他方の面側を第2の温度に変温させることで前記第2の処理を施す第2変温手段からなることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。 - 前記切断対象物は、赤外線を照射することで切断容易となる一方の面側と、紫外線を照射することで切断容易となる他方の面側とを有し、
前記第1処理手段は、一方の面側に赤外線を照射することで前記第1の処理を施す赤外線照射手段からなり、前記第2処理手段は、他方の面側に紫外線を照射することで前記第2の処理を施す紫外線照射手段からなることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。 - 切断対象物を切断手段で切断する切断工程と、
前記切断手段および前記切断対象物を相対移動させて当該切断対象物を所定形状に切断する移動工程とを実施する切断方法において、
前記切断対象物は、一方の面側が切断容易となる条件と、他方の面側が切断容易となる条件とが異なる構成とされ、
前記切断対象物における一方の面側が切断容易となる第1の処理を当該一方の面側に第1処理手段を用いて施す第1処理工程と、前記切断対象物における他方の面側が切断容易となる第2の処理を当該他方の面側に第2処理手段を用いて施す第2処理工程とを行い、
前記切断工程では、前記第1処理工程と、前記第2処理工程とが行われた前記切断対象物に対し、前記第1処理手段および前記第2処理手段とは異なる別の部材で当該切断対象物を切断することを特徴とする切断方法。
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