JP6807670B2 - 吊り物制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り下げられた吊り物の揺れを低減する吊り物制振構造に関する。
建物の床スラブ等の上部躯体から吊り下げられたシャンデリアなどの吊り物は、この吊り物の揺れに対して減衰があまり付与されないので、地震時においては大きく揺れ、この揺れは地震後においても長い時間継続される。
特許文献1には、建物の天井部に設けられた支持部に球体を介して可動部を載せ、この可動部からチェーン等により照明器具を吊り下げた耐震吊り下げ照明器具が開示されている。
しかし、特許文献1の耐震吊り下げ照明器具は、可動部を水平方向へ自在に動かすことにより建物の天井部から照明器具へ振動を伝わり難くして、照明器具の揺れを低減させるものであり、照明器具の揺れに対して減衰を付与するものではないので、照明器具の十分な振動低減効果が期待できない。
特開2001−338519号公報
本発明は係る事実を考慮し、吊り下げられた吊り物の揺れを効果的に低減することを課題とする。
第1態様の発明は、支持部に揺動可能に吊下された軸状部材の上端部と下端部の間に設けられた、又は支持部に設けられた支持台上に該支持台と相対移動可能に支持された揺動体と、前記軸状部材の下端部、又は前記揺動体に上端部が連結された線材と、前記線材の下端部に取り付けられた吊り物と、前記軸状部材又は前記揺動体に減衰力を付与する減衰手段と、を有する吊り物制振構造である。
第1態様の発明では、地震や強風等により支持部が揺れると、揺動体が揺動する。これによって、減衰手段により軸状部材又は揺動体に減衰が付与され、吊り物の揺れが効果的に低減される。
また、揺動体の大きさ、重量や、揺動体が設けられる軸状部材の位置を調整することによって、軸状部材と揺動体、又は揺動体からなる振動系の固有周期を調整することができる。これにより、吊り物の揺れの固有周期に対して、軸状部材と揺動体、又は揺動体からなる振動系の固有周期を同調させて揺動体を揺動させ、減衰手段により軸状部材又は揺動体に減衰を効果的に付与することができる。
第2態様の発明は、第1態様の吊り物制振構造において、前記揺動体は、前記支持部に揺動可能に吊下された前記軸状部材の上端部と下端部の間に設けられ、前記揺動体の回転慣性モーメントをI2、前記吊り物の重量をm1、前記揺動体の重量をm2、前記線材の長さをL1、前記軸状部材の長さをL2、及び前記揺動体の重心から前記軸状部材の前記上端部までの長さをL3としたときに、式(1)となる。
第2態様の発明では、吊り物の揺れの固有周期に対して軸状部材と揺動体からなる振動系の固有周期を同調させて軸状部材と揺動体を揺らし、減衰手段により軸状部材又は揺動体に減衰を効果的に付与することにより、吊り物の揺れを最小にすることができる。
第3態様の発明は、第1態様の吊り物制振構造において、前記揺動体は、前記支持台上に該支持台と相対移動可能に支持され、前記減衰手段は、前記支持台上に設けられた収容部に収容された粘性体と、前記揺動体に設けられて前記粘性体中に配置された抵抗部材と、を有する。
第3態様の発明では、支持台上に支持台と相対移動可能に揺動体を支持することにより、簡単な機構によって揺動体を揺動させることができる。
また、粘性体によって抵抗部材に抵抗を与え、揺動体に効果的に減衰を付与することができる。
本発明は上記構成としたので、吊り下げられた吊り物の揺れを効果的に低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るユニバーサルジョイント機構を示す正面断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る減衰手段の減衰係数をパラメータとしたときのf/f1に対する吊り物の振幅比を示す線図である。 本発明の第1実施形態に係るm2/m1をパラメータとしたときのL3に対する吊り物の定点位置の振幅比を示す線図である。 本発明の第1実施形態に係るL2をパラメータとしたときのL3に対する吊り物の定点位置の振幅比を示す線図である。 本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造のバリエーションを示す正面図である。 図7のA−A断面図である。 本発明の第2実施形態に係る吊り物制振構造を示す平面図である。 図9のB−B断面図である。 図9のC−C断面図である。 本発明の第2実施形態に係る減衰装置を示す正面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る吊り物制振構造のバリエーションを示す正面図である。
図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造について説明する。
図1の正面図に示すように、第1実施形態の吊り物制振構造10は、軸状部材としての鋼棒12、揺動体14、線材としての吊りチェーン16、吊り物としてのシャンデリア18、及び減衰手段としての粘性体20を有して構成されている。
揺動体14は、円盤状の鋼製部材からなり、鋼棒12の上端部と下端部の間に設けられている。すなわち、建物36に備えられた支持部としての鉄筋コンクリート製の床スラブ22に連結されている鋼棒12の連結部24と揺動体14の上面との間、及び吊りチェーン16が連結されている鋼棒12の連結部26と揺動体14の下面との間に所定の距離を有している。鋼棒12の連結部24と揺動体14の上面との間の長さは、揺動体14の揺れの大きさが想定した最大の大きさになったときに、揺動体14が床スラブ22の下面に当たらない長さにする。
図2の正面断面図に示すように、鋼棒12は、床スラブ22の下面に取り付けられた接合部材28にユニバーサルジョイント機構30によって上端部が回転可能に接合され、床スラブ22に揺動可能に吊下されている。
ユニバーサルジョイント機構30は、接合部材28の下端部に設けられた球体32と、球体32の外周面を覆うとともに球体32に対して回転可能となるように鋼棒12の上端部に設けられた受け部材34とを有して構成されている。
図1に示すように、吊りチェーン16は、上端部が鋼棒12の下端部(連結部26)に連結されて、天井ボード92に形成された開口部94を通って吊下されている。また、吊りチェーン16は、下端部にシャンデリア18が取り付けられている。
図2に示すように、粘性体20は、球体32の外周面と、受け部材34の内周面との間に設けられており、球体32に対して受け部材34が回転したときに粘性体20が抵抗して鋼棒12に減衰力を付与する。
床スラブ22に地震や強風等による水平方向の揺れ(変位)が生じていない図1の状態において、鋼棒12は、略鉛直に吊下され、揺動体14は、略水平に配置されている。
また、図3(a)の正面図に示すように、吊り物制振構造10は、揺動体14の回転慣性モーメントをI2、シャンデリア18の重量をm1、揺動体14の重量をm2、シャンデリア18の吊り長さ(連結部26からシャンデリア18の重心G1までの長さ)をL1、連結部24から連結部26までの長さをL2、及び連結部24から揺動体14の重心G2までの長さをL3としたときに、式(1)の同調条件を満たすように構成されている。
これにより、図3(b)の正面図に示すように、地震や強風等により建物36が揺れ(矢印38)、床スラブ22及びシャンデリア18が揺れて変位したときの床スラブ22に対するシャンデリア18の重心G1の振幅比Zを小さくすることができる。
振幅比Zは、地震や強風などにより建物36が揺れた時の床スラブ22に生じた変位に含まれる振動成分の変位振幅をy とし、床スラブ22に対するシャンデリア18の重心G 変位に含まれる振動成分の変位振幅をy としたときの比率である。また、式(1)の同調条件を満足する場合、定点理論に基づく二つの定点P、Qの振幅比Zは共に同じ値となり、その値は式(2)で求められる。
次に、本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造の作用と効果について説明する。
第1実施形態の吊り物制振構造10では、図1に示すように、地震や強風等により建物36が揺れることにより床スラブ22が揺れると、鋼棒12が上端部を支点として揺動し、揺動体14が揺動する。これによって、減衰手段により鋼棒12に減衰が付与され、シャンデリア18の揺れが効果的に低減される。また、シャンデリア18の揺れの継続時間を短くすることができる。
また、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図1に示すように、揺動体14の大きさ、重量や、揺動体14が設けられる鋼棒12の位置を調整することによって、鋼棒12と揺動体14からなる振動系(以下、「揺動体振動系」とする)の固有周期を調整することができる。これにより、シャンデリア18の揺れの固有周期に対して、揺動体振動系の固有周期を同調させて揺動体14を揺動させ、粘性体20により鋼棒12に減衰を効果的に付与することができる。
さらに、第1実施形態の吊り物制振構造10では、式(1)の同調条件を満たすようにして吊り物制振構造10を構成することによって、シャンデリア18の揺れの固有周期に対して揺動体振動系の固有周期を同調させて鋼棒12と揺動体14を揺動させ、粘性体20により鋼棒12に減衰を効果的に付与することにより、シャンデリア18の揺れを最小にすることができる。
図4、図5、図6、及び図7のグラフには、本実施形態の吊り物制振構造10による吊り物(シャンデリア18)の揺れの低減効果を検証した数値解析結果が示されている。
図4のグラフの値40、42、44は、図3(a)に示す吊り物制振構造10において、L1を400cm、L2を50cm、L3を20cm、m1を0.23ton、m2を0.17tonとし、I2を式(1)の同調条件を満たす値となる5,977ton・cm2としたときの値である。
また、値40は、図1に示す減衰手段(粘性体20)の減衰係数を全振動数帯域における振幅比Zの最大値が最小を示すように選んだ時の値であり、値42は、図1に示す減衰手段(粘性体20)の減衰係数を0(減衰手段を設けていない)とした値であり、値44は、図1に示す減衰手段(粘性体20)の減衰係数を∞(揺動しないようにして床スラブ22に鋼棒12が吊下されている)とした値である。グラフの横軸は、床スラブ22がシャンデリア18と同じ水平方向へ一定の振動数で揺れたときのその床スラブ22の振動数fを、床スラブ22にシャンデリア18が吊りチェーン16により(鋼棒12及び揺動体14を介さずに)直接吊下された場合のシャンデリア18の水平方向への揺れにおける固有振動数fで割った値を示し、縦軸は、床スラブ22に対するシャンデリア18の重心G1の振幅比Zを示している。
図4の値40、42、44から、減衰手段(粘性体20)の減衰係数を調整することにより、最大振幅比Z定点位置(点P、点Q)の振幅比Zまで小さくできることがわかる。すなわち、減衰手段(粘性体20)により軸状部材(鋼棒12)に減衰が付与されることにより、吊り物(シャンデリア18)の揺れが効果的に低減されることがわかる。
図5のグラフの値46、48、50は、図3(a)に示す吊り物制振構造10において、L1を400cm、L2を50cm、m1を0.23tonとし、I2を式(1)の同調条件を満たす値としたときの値である。
また、値46は、m2/m1を0.5とした値であり、値48は、m2/m1を1.0とした値であり、値50は、m2/m1を2.0をとした値である。グラフの横軸は、L3を示し、縦軸は、床スラブ22に対するシャンデリア18の重心G1の定点位置(点P、点Q)における振幅比Z(式(2)を参照のこと)を示している。
図5の値46、48、50から、m2が小さい、又はL3が小さいほど振幅比Zが小さくなり、m2が小さいほど振幅比Zに及ぼすL3の影響が小さくなることがわかる。すなわち、L3を小さくすれば定点位置(点P、点Q)の振幅比Zを小さくできるが、m2を小さくすることでL3の影響は小さくなり、L3が小さくなくても高い制振効果を発揮させることができ、設計の自由度が高くなる。
図6のグラフの値52、54、56、58、60は、図3(a)に示す吊り物制振構造10において、L1を400cm、L2をL2≧L3、m1を0.23ton、m2/m1を0.5とし、I2を式(1)の同調条件を満たす値としたときの値である。
また、値52は、L2を5cmとした値であり、値54は、L2を10cmとした値であり、値56は、L2を25cmとした値であり、値58は、L2を50cmとした値であり、値60は、L2を100cmとした値である。グラフの横軸は、L3を示し、縦軸は、床スラブ22に対するシャンデリア18の重心G1の定点位置(点P、点Q)における振幅比Z(式(2)を参照のこと)を示している。
図6の値52、54、56、58、60から、L2が大きいほど振幅比Zが小さくなり、振幅比Zに及ぼすL3の影響が小さくなることがわかる。すなわち、軸状部材(鋼棒12)の長さを長く(L2を長く)すれば、定点位置(点P、点Q)の振幅比Zを小さくすることができ、減衰手段(粘性体20)によって効果的に軸状部材(鋼棒12)に減衰を付与できることがわかる。
また、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図1に示すように、揺動体14が鋼棒12の上端部と下端部の間に設けられ、鋼棒12の連結部24と揺動体14の上面との間の長さが、揺動体14の揺れの大きさが想定した最大の大きさになったときに、揺動体14が床スラブ22の下面に当たらない長さになっているので、揺動体14が揺動したときに揺動体14が床スラブ22に当たらない。これにより、揺動体14や床スラブ22が損傷するのを防ぐことができる。
さらに、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図2に示すように、減衰手段を、球体32の外周面と、受け部材34の内周面との間に設けられた粘性体20とすることにより、ストロークの長いダンパー等を用いずに、コンパクトな構造で減衰手段を構成することができる。これにより、図1に示すように、床スラブ22下方の狭い天井スペースS内に、揺動体14、鋼棒12、及び減衰手段(粘性体20)を配置することができ、シャンデリア18の美観を損ねない、ローコストな吊り物制振構造10を構築することができる。
以上、本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造について説明した。
なお、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図1に示すように、揺動体14を円盤状の鋼製部材とした例を示したが、揺動体14は、他の形状のものであってもよい。例えば、揺動体14は、平面形状が矩形の板部材であってもよいし、立方体の部材や枠状の部材であってもよい。
また、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図2に示すように、減衰手段としての粘性体20により鋼棒12に減衰を付与した例を示したが、粘弾性体、摩擦要素、ダンパー等の他の方法で鋼棒12に減衰を付与してもよい。
さらに、減衰手段により揺動体14に減衰を付与してもよい。例えば、図7の正面図、及び図7のA−A断面図である図8に示す吊り物制振構造64のように、揺動体14の外周部に、揺動体14の周方向に対して等間隔で複数設けられた、上下方向へ減衰を付与する減衰手段としてのダンパー62により、揺動体14に減衰を付与してもよい。
また、第1実施形態の吊り物制振構造10では、図2に示すように、ユニバーサルジョイント機構30によって支持部としての床スラブ22に鋼棒12を揺動可能に吊下した例を示したが、鋼棒12が支持部に揺動可能に吊下されれば、他の機構を用いてもよい。例えば、支持部にアイボルトを取り付け、鋼棒12の上端部にフックを取り付けて、このフックをアイボルトの環部に掛けるようにしてもよい。このようにすれば、簡易に鋼棒12を支持部に揺動可能に吊下させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る吊り物制振構造について説明する。以降の説明において、本発明の第1実施形態に係る吊り物制振構造10と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図9の平面図、及び図9のB−B断面図である図10に示すように、第2実施形態の吊り物制振構造66は、揺動体68、線材としての吊りチェーン16、吊り物としてのシャンデリア18、及び減衰手段としての減衰装置70を有して構成されている。
床スラブ22には、床スラブ22に形成された平面視にて略正方形の開口部72の外縁部下面から内側へ張り出すようにして、床スラブ22と一体に鉄筋コンクリート製の支持台74が設けられている。支持台74の平面視にて中央部には、平面視にて略正方形の開口部76が形成されている。開口部72は、蓋部材102により塞がれている。なお、説明の都合上、図9には、蓋部材102が省略されている。
図9に示すように、揺動体68は、角鋼管からなる構造部材78A、78B、78C、78D、78E、78F、78Gを格子状に配置して一体化したフレーム部材によって構成されている。構造部材78A、78B、78C、78Dは、揺動体68の四辺を構成し、構造部材78Eは、構造部材78Bの中間部と構造部材78Dの中間部とを繋いでいる。また、構造部材78Fは、構造部材78Aの中間部と構造部材78Eの中間部を繋ぎ、構造部材78Gは、構造部材78Cの中間部と構造部材78Eの中間部を繋いでいる。
図9及び図10に示すように、支持台74の上面には、滑り板80が4つ設けられている。滑り板80は、開口部76と隣り合う位置に配置されている。また、揺動体68を構成する構造部材78A、78B、78C、78Dの中間部の下面には、下面に滑り材82が設けられた鋼製の束部材84が設けられており、束部材84が滑り板80上に滑り材82を介して滑り可能に載置されている。
すなわち、滑り板80、滑り材82、及び束部材84によって滑り支承が構成され、これにより、支持台74に架け渡されるようにして、横方向へ支持台74と相対移動可能に支持台74上に揺動体68が支持されている。揺動体68は、略水平に配置されている。
図9のC−C断面図である図11、及び図12の正面断面図に示すように、減衰装置70は、収容部としての容器86に収容された粘性体88と、抵抗部材としての鋼板からなる抵抗版90とを有して構成されている。
図9に示すように、容器86は、支持台74の上面に4つ設けられている。容器86は、支持台74の上面の四隅に配置されている。図12に示すように、抵抗版90は、揺動体68の角部(構造部材78A、78B、78C、78Dの端部)の下面に設けられた鋼製の束部材96の下端部に設けられており、抵抗版90の下面と容器86の底面との間に所定の距離を有するようにして、粘性体88中に配置されている。
そして、揺動体68が、支持台74に対して横方向へ相対移動して揺動したときに、抵抗版90が揺動体68と連動して横方向へ揺動し、抵抗版90の下面と容器86の底面との間にある粘性体88のせん断抵抗により揺動体68に減衰を付与する。
図10に示すように、揺動体68の下面には、高い剛性を有する鋼棒からなる吊り部材98が略鉛直に吊下され、吊り部材98の下端部に、天井ボード92に形成された開口部94を塞ぐ蓋部材100が設けられている。蓋部材100は、天井ボード92に対して横方向へ移動可能に設けられている。
図10に示すように、蓋部材100の下面には、吊りチェーン16の上端部が連結され、吊りチェーン16の下端部には、シャンデリア18が取り付けられている。すなわち、吊りチェーン16は、吊り部材98及び蓋部材100を介して、上端部が揺動体68に連結されている。
図9に示すように、揺動体68の角部の側面には、床スラブ22の開口部72の内壁面に揺動体68が当たって床スラブ22や揺動体68が損傷するのを防止するために、緩衝材としてのゴム部材104が設けられている。
図9及び図10に示すように、揺動体68を構成する構造部材78E、78F、78Gの上方には、床スラブ22の開口部72の内壁面と、構造部材78E、78F、78Gとを繋いで、揺動体68の揺動を抑制するとともに、揺動体68の揺動がおさまった後に揺動体68を元の位置に復帰させるためのコイルバネ106が設けられている。
次に、本発明の第2実施形態に係る吊り物制振構造の作用と効果について説明する。
第2実施形態の吊り物制振構造66では、図9及び図10に示すように、地震や強風等により建物36が揺れることにより床スラブ22が揺れると、揺動体68が支持台74に対して横方向へ相対移動して揺動する。これによって、減衰装置70により揺動体68に減衰が付与され、シャンデリア18の揺れが効果的に低減される。また、シャンデリア18の揺れの継続時間を短くすることができる。
また、第2実施形態の吊り物制振構造66では、図10に示すように、支持台74上に支持台74と相対移動可能に揺動体68を支持することにより、簡単な機構によって揺動体68を揺動させることができる。また、粘性体88によって抵抗版90に抵抗を与え、揺動体68に効果的に減衰を付与することができる。
さらに、第2実施形態の吊り物制振構造66では、床スラブ22と一体とされた剛性の高い支持台74上に、支持台74と相対移動可能に揺動体68を支持することにより、シャンデリア18の反力を床スラブ22に確実に伝えることができ、これによって、シャンデリア18の揺れを効果的に低減することができる。
以上、本発明の第2実施形態に係る吊り物制振構造について説明した。
なお、第2実施形態の吊り物制振構造66では、図10に示すように、床スラブ22に形成された開口部72の外縁部下面から内側へ張り出すようにして、床スラブ22と一体に支持台74を設けた例を示したが、図13の正面図に示す吊り物制振構造108のように、対向するようにして床スラブ22の下面に取り付けたH形鋼110に、支持台74を架設するようにしてもよい。このようにすれば、床スラブ22に対する支持台74の設置位置の自由度を高めることができる。
また、第2実施形態の吊り物制振構造66では、図10に示すように、滑り板80、滑り材82、及び束部材84によって構成される滑り支承によって、支持台74上に支持台74と相対移動可能に揺動体68を支持した例を示したが、支持台74上に支持台74と相対移動可能に揺動体68を支持できれば、他の方法によって揺動体68を支持台74上に支持してもよい。例えば、支持台74上に揺動体68を転がり支持するようにしてもよい。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明した。
なお、第1及び第2実施形態では、図1及び図10に示すように、吊り物(シャンデリア18)を吊り支持する支持部を床スラブ22とした例を示したが、支持部は、床スラブや梁等の上部躯体などの吊り物を支持できるものであればよい。
また、第1及び第2実施形態では、図1及び図10に示すように、吊り物をシャンデリア18とした例を示したが、照明器具、スピーカー、展示パネル、オブジェ等の他の吊り物であってもよい。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1及び第2実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10、64、66、108 吊り物制振構造
12 鋼棒(軸状部材)
14、68 揺動体
16 吊りチェーン(線材)
18 シャンデリア(吊り物)
20 粘性体(減衰手段)
22 床スラブ(支持部)
62 ダンパー(減衰手段)
70 減衰装置(減衰手段)
74 支持台
86 容器(収容部)
88 粘性体
90 抵抗版(抵抗部材)

Claims (3)

  1. 支持部に揺動可能に吊下された軸状部材の上端部と下端部の間に設けられた揺動体と、
    前記軸状部材の下端部に上端部が連結された線材と、
    前記線材の下端部に取り付けられた吊り物と、
    前記軸状部材に減衰力を付与する減衰手段と、
    を有し、
    前記減衰手段は、前記支持部の下面に取り付けられた接合部材の下端部に設けられた球体の外周面と、前記球体の前記外周面を覆うとともに前記球体に対して回転可能となるように前記軸状部材の上端部に設けられた受け部材の内周面との間に設けられた粘性体である吊り物制振構造。
  2. 記揺動体の回転慣性モーメントをI2、前記吊り物の重量をm1、前記揺動体の重量をm2、前記線材の長さをL1、前記軸状部材の長さをL2、及び前記揺動体の重心から前記軸状部材の前記上端部までの長さをL3としたときに、式(1)となる請求項1に記載の吊り物制振構造。
  3. 支持部に設けられた支持台上に該支持台と相対移動可能に支持された揺動体と、
    前記揺動体に上端部が連結された線材と、
    前記線材の下端部に取り付けられた吊り物と、
    前記揺動体に減衰力を付与する減衰手段と、
    を有し、
    前記減衰手段は、前記支持台上に設けられた収容部に収容された粘性体と、前記揺動体に設けられ下面と前記収容部の底面との間に所定距離を有するようにして前記下面と前記収容部の底面とを対向させて前記粘性体中に配置された抵抗版と、を有する吊り物制振構造。
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