JP5542858B2 - 重力バランス式免震装置 - Google Patents

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本発明は、家具や置物等、あるいは建築物そのものに敷いて、地震時の横揺れに対して倒壊しないようにした重力バランス式免震装置に関する。
地震時の揺れに対して建築物が倒壊しないように耐震構造とすることが求められているが、耐震構造は、地盤とともに揺れるため、建築物内部の家具や置物等は大きな揺れにより倒壊し、危険であるとともに、貴重な作品が破損するという問題がある。
近年では、耐震構造とともに、免震構造も注目されている。免震構造の基本は、地震の横揺れに追随して揺れるようにし、家具や置物、あるいは建築物等に横方向の速度、加速度が掛からないようにして倒壊を防ぐものである。
特許文献1には、建築構造物の天井面から懸吊ロッドを介して懸吊した吊り床構造に対して、短周期振動を絶縁し人為的振動を減衰する制震装置として、例えば、懸吊ロッドの端末部と吊り床構造の上部または下部との間に介在する垂直方向振動減衰手段と、吊り床構造と建築スラブとの間に配置する水平方向振動減衰手段と、吊り床構造と建築構造物壁面との間に介装する水平方向バックアップ減衰手段等を単独でまたは複合的に使用して2次元および3次元の免震を行う制震装置が開示されている。
特許文献2には、横揺れ(水平振動)及び縦揺れ(垂直振動)の双方に対応可能な三次元対応の免震台として、基盤と、展示品等を載置する垂直移動部材(載置部材)と、基盤と載置部材との間に配して、基盤の上面を滑動する水平滑動部材とを備えたものが開示されている。そして、載置部材と水平滑動部材は、ダッシュポット及びばね部材により、垂直又は水平方向の移動(振動)を粘性抵抗作用とばね弾性作用で、振動性状(波形)を長周期化させて免震作用を奏するようにしている。
特許文献3には、免震効果に優れる上に、構造物と基礎との相対変位を小さくすることができ、また地震後の後揺れも早期に減衰することができ、台風時のような強風時でも十分な長周期化を計って長周期成分の地震動でも共振のおそれがない免震装置として、弾性材料層及び剛性材料層を交互に積層してなる弾性体と、弾性体を貫通して配されて、弾性体に隙間なく拘束された柱状鉛とを具備した装置が提案されている。
特開平10−245968号公報 特開2007−170561号公報 実用新案登録第3021447号公報
しかしながら、前掲の特許文献1に開示された制震装置では、吊り床構造を吊るために懸吊ロッドと垂直方向、水平方向の振動減衰手段を用いており、構造が複雑であるとともに、長周期の横揺れには追随し易いという問題がある。
前掲の特許文献2に開示された免震台では、ダッシュポットおよびばね部材を用いて振動を長周期化させているため、ダッシュポットの粘性抵抗、ばね部材の弾性係数の選定によっては、短周期から長周期までの振動に対応することが困難である。
特許文献3に記載された免震装置では、弾性材料と剛性材料を交互に積層し、内部に柱状鉛を設けた構造であるため、振幅が大きな地震に対して剪断する可能性があり、材料の劣化により、免震性が低下するおそれもある。
そこで本発明は、構造がシンプルであり、短周期、長周期の横揺れにも免震性能が発揮でき、また性能の劣化が少ない重力バランス式免震装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第の構成は、
円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する転動ボールリテーナーと、
円錐状に傾斜した下面を有し、前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって前記下面の複数箇所が支持され、中心軸上の上部にテーブル受けボールが設けられた揺動ディスクと、
前記揺動ディスク上の前記テーブル受けボールを受けるテーブル受けボール受けを下面に備えたテーブルとを有する重力バランス式免震装置である。
この第の構成においては、複数の転動ボールを保持する転動ボールリテーナーを可動式とし、固定基盤の円錐状に傾斜した上面に載置することにより、転動ボール自体も水平移動するようになる。このように、転動ボールが水平移動することにより、固定基盤が横揺れしたときに転動ボールが固定基盤の上面の円錐状傾斜面を水平移動し、さらに転動ボール上に揺動ディスクの下面が水平移動することになり、転動ボールを固定基盤上に移動しない状態に保持する構成に比べて、同一サイズでテーブルは2倍の距離、移動可能となる。
本発明の第の構成は、
円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する転動ボールリテーナーと、
前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって、円錐状に傾斜した下面の複数箇所が支持されたテーブルと
を有する重力バランス式免震装置である。
この第の構成においては、複数の転動ボールを保持する転動ボールリテーナーを可動式とし、固定基盤の円錐状に傾斜した上面に載置することにより、転動ボール自体も水平移動するようになる。転動ボールが水平移動することにより、固定基盤が横揺れしたときに転動ボールが固定基盤の上面の円錐状傾斜面を水平移動し、さらに転動ボール上に下面が載置されているテーブルが水平移動することになり、転動ボールを固定基盤上に移動しない状態に保持する構成に比べて、同一サイズで固定基盤は2倍の距離、移動可能となる。
本発明の第の構成は、
円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する、中央に開口を設けた転動ボールリテーナーと、
前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって、円錐状に傾斜した下面の複数箇所が支持され、中央部に開口を設けた移動ディスクと、
前記移動ディスクの上部に、移動ディスクの上面とは間隔を隔てて固定された円板状のテーブルと、
前記固定基盤の中央部に固定され、前記転動ボールリテーナーの開口と前記移動ディスクの開口を貫通して立設された支柱と、
前記支柱の上部に固定され、前記移動ディスクの上面と前記円板状のテーブルの下面との間の間隙部に位置し、かつ前記移動テーブルの中央部の開口よりも大径の抜け止め板と
を有する重力バランス式免震装置である。
この第の構成においては、第の構成に加え、支柱の下部が固定基盤の中央部に固定され、支柱の上部に抜け止め板が固定され、抜け止め板は移動ディスクの上部に配置されているため、移動ディスクの横揺れは支柱と移動ディスクの中央の開口との干渉で規制され、また移動ディスクを上方に抜こうとしても、抜け止め板により抜けない。
前記第1〜第のいずれの構成の重力バランス式免震装置においても、転動ボールが当接する面の傾斜量は、0.1〜5度であることが好ましい。傾斜角が0.1度未満であると、免震効果は高くなるが、テーブルを元に戻す力が不足する。傾斜角が5度を超えると、水平移動の抵抗が大きくなり、免震効果が低下する。
本発明によれば、地震発生時に、転動ボールリテーナーに保持された転動ボールと円錐状傾斜面との相対移動により免震動作が行われ、地震が収まるとテーブルが自重により元の位置に戻ろうとする力が作用するため、ダッシュポットやばね部材等の、テーブルを元に戻す機構が不要になる。そのため構造がシンプルであり、短周期、長周期の横揺れにも免震性能が発揮でき、また性能の劣化が少ない重力バランス式免震装置が得られる。
本発明の参考例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明の参考例における動作を示すものであり、(a)は通常時の断面図と一部平面図、(b)は横揺れ時の断面図と一部平面図である。 本発明の第の実施の形態を示すものであり、(a)は通常時の断面図と一部平面図、(b)は横揺れ時の断面図と一部平面図である。 本発明の第の実施の形態を示すものであり、(a)は通常時の断面図と一部平面図、(b)は横揺れ時の断面図と一部平面図である。 本発明の第の実施の形態を示すものであり、(a)は通常時の断面図と一部平面図、(b)は横揺れ時の断面図と一部平面図である。 本発明の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態および参考例を、図面を参照しながら説明する。
参考例
図1は、参考例に係る重力バランス式免震装置を示すものであり、主たる構成は、固定基盤1と、転動ボール2と、揺動ディスク3と、テーブル受けボール4と、家具や置物、建築物等の保護対象を載置するテーブル5である。転動ボール2、テーブル受けボール4は、鋼球とすることができる。なお、図1の例では、4つの揺動ディスク3を一枚の固定基盤1およびテーブル5に搭載し、テーブル5上に保護対象を載置するようにしているが、固定基盤1およびテーブル5を揺動ディスク3毎に分割し、保護対象の4隅、あるいは複数箇所に敷いて使用することにより、保護対象の底面の大きさが異なっても、対応することができる。
固定基盤1は、同一円周上に設けられた複数箇所、本例では3箇所の転動ボール受け部1aが設けられており、各転動ボール受け部1aには転動ボール2が二硫化モリブデン等の潤滑剤により回転自在に載置されている。
揺動ディスク3は、下面3aが円錐状に傾斜しており、下面3aは転動ボール2上に載置される。揺動ディスク3の中心軸上の上部にはテーブル受けボール受け凹部3bが形成されており、そのテーブル受けボール受け凹部3bにテーブル受けボール4がセットされている。テーブル5の下面にはテーブル受けボール受け5aがテーブル受けボール4の上部を受けるために設けられている。なお、揺動ディスク3の周囲は、揺動ディスク3の可動範囲の自由度を損なわない範囲で、カバー6により覆っている。
次に、図2を用いて参考例の動作を説明する。
通常状態では、図2(a)に示すように、揺動ディスク3の円錐状に傾斜した下面3aの3箇所が、固定基盤1の転動ボール受け1aに保持された転動ボール2によって支持され、揺動ディスク3の中心軸上の上部に設けられたテーブル受けボール受け凹部3bにセットされたテーブル受けボール4上に、テーブル5の下面のテーブル受けボール受け5aが嵌入してテーブル5が支持されている。
次いで、図2(b)に示すように、固定基盤1が設置されている地盤(大地)が横揺れしてx1の距離移動すると、固定基盤1も追随して横揺れする。テーブル5は慣性の法則により元の水平位置に留まろうとするため、固定基盤1と揺動ディスク3の上部のテーブル5との間が相対的に水平移動する。固定基盤1がx1だけ水平移動すると、転動ボール2も水平移動し、揺動ディスク3の上部のテーブル受けボール4は不動であるため、揺動ディスク3の下面3aにおける転動ボール2の位置が変わる。揺動ディスク3の下面3aは円錐状に傾斜しているので、3個の転動ボール2と接している位置を同じ高さにしようとして、揺動ディスク3がαの角度傾斜する。この傾斜により、テーブル5の高さが僅かに高くなる。横揺れが止まると、テーブル5の高さを元の位置に戻す力が働き、それにより、テーブル5の水平位置も図2(a)に示す元の位置に戻る。
揺動ディスク3の傾斜量αは、揺動ディスク3の下面3aの傾斜角θによって変化する。傾斜角θが0.1度未満であると、免震効果は高くなるが、テーブル5を元に戻す力が不足する。傾斜角θが5度を超えると、水平移動の抵抗が大きくなり、免震効果が低下する。そのため、θは0.1度〜5度の範囲が好ましい。
<第の実施の形態>
次に、本発明の第の実施の形態を、図3に基づいて説明する。
図3(a)に示すように、この第の実施の形態に係る重力バランス式免震装置の主たる構成は、円錐状に傾斜した上面12aを有する傾斜プレート12を設けた固定基盤11と、複数個(本例では6個)の転動ボール13を回転自在に保持した転動ボールリテーナー14と、揺動ディスク15と、テーブル受けボール16と、家具や置物、建築物等を載置するテーブル17である。転動ボールリテーナー14は、転動ボール13との摩擦抵抗が小さい材料、例えばテフロン(登録商標)その他の合成樹脂、非金属材料によって作ることができ、転動ボール13、テーブル受けボール16は鋼球とすることができる。
転動ボールリテーナー14によって保持された6個の転動ボール13は、プレート12の円錐状に傾斜した上面12aに下部を支持され、転動ボール13の上部は、揺動ディスク15の下面15aの円錐状の傾斜面が当接している。揺動ディスク15の中心軸上の上部にはテーブル受けボール受け凹部15bが形成されており、そのテーブル受けボール受け凹部15bにテーブル受けボール16がセットされている。テーブル17の下面にはテーブル受けボール受け17aがテーブル受けボール16の上部を受けるために設けられている。なお、傾斜プレート12の周囲には、転動ボール13の移動を規制するリング18が設けられている。
この第の実施の形態において、図3(b)に示すように、固定基盤11が設置されている地盤(大地)が横揺れしてx2の距離移動すると、傾斜プレート12も追随して横揺れする。テーブル17は慣性の法則により元の水平位置に留まろうとするため、傾斜プレート12と揺動ディスク15の上部のテーブル17との間が相対的に水平移動する。傾斜プレート12がx2だけ水平移動すると、転動ボール13が、傾斜プレート12の上面と揺動ディスク15の下面15aとの間で距離x3だけ水平移動する。揺動ディスク15の上部のテーブル受けボール16は不動であるため、揺動ディスク15の下面15aにおける転動ボール13の位置が変わる。ちなみに、x3=x2/2となる。
転動ボール13の6個の一部は傾斜プレート12aの傾斜を上り、反対側の転動ボール13は傾斜プレート12aの傾斜を下るため、転動ボールリテーナー14は傾斜する。一方、揺動ディスク15の下面15aも円錐状に傾斜しているので、6個の転動ボール13の一部は、揺動ディスク15の下面15aの中心寄りの位置に、反対側の転動ボール13は、揺動ディスク15の下面15aの中心から離れた位置において当接する。結果的に、揺動ディスク15は傾斜した状態となり、この傾斜により、テーブル17の高さが僅かに高くなる。
横揺れが止まると、6個の転動ボール13の位置を傾斜プレート12の上面12aおよび揺動ディスク15の下面15aの傾斜の中心位置に戻す力が働き、それにより、テーブル17の水平位置も図3(a)に示す元の位置に戻る。
このように、第の実施の形態においては、複数の転動ボール13を保持する転動ボールリテーナー14を可動式とし、傾斜プレート12の円錐状に傾斜した上面12aに載置することにより、転動ボール13自体も水平移動するようになる。転動ボール13が水平移動することにより、固定基盤11が横揺れしたときに転動ボール13が傾斜プレート12の上面12aの円錐状傾斜面を水平移動し、さらに転動ボール13上に揺動ディスク15の下面が水平移動することになり、参考例に比べて、同一サイズで固定基盤11は2倍の距離、移動可能となる。
この第の実施の形態において、傾斜プレート12aおよび揺動ディスク15の下面15aの傾斜角は、は0.1度〜5度の範囲が好ましい。傾斜角が0.1度未満であると、免震効果は高くなるが、テーブル17を元に戻す力が不足する。傾斜角が5度を超えると、水平移動の抵抗が大きくなり、免震効果が低下する。
<第の実施の形態>
次に、本発明の第の実施の形態を、図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、この第の実施の形態に係る重力バランス式免震装置の主たる構成は、円錐状に傾斜した上面21aを有する固定基盤21と、複数個(本例では6個)の転動ボール22を回転自在に保持した転動ボールリテーナー23と、転動ボール22に下面24aが支持される、家具や置物、建築物等を載置するテーブル24である。このテーブル24の下面24aは、円錐状に傾斜している。転動ボールリテーナー23は、転動ボール22との摩擦抵抗が小さい材料、例えばテフロン(登録商標)その他の合成樹脂、非金属材料によって作ることができ、転動ボール22は鋼球とすることができる。
転動ボールリテーナー23によって保持された6個の転動ボール22は、固定基盤21の円錐状に傾斜した上面21aに下部を支持され、転動ボール22の上部は、テーブル24の円錐状に傾斜した下面24aに当接している。なお、固定基盤21の周囲には、転動ボール22の移動を規制するリング25が設けられている。
この第の実施の形態において、図4(b)に示すように、固定基盤21が設置されている地盤(大地)が横揺れしてx4の距離移動すると、上面21aも同様に横移動する。テーブル24は慣性の法則により元の水平位置に留まろうとする。固定基盤21がx4だけ水平移動すると、転動ボール22が、固定基盤21の上面21aとテーブル24の下面24aとの間で距離x5だけ水平移動する。固定基盤21とテーブル24との間の相対的移動により、転動ボール22の位置が変わる。ちなみに、x5=x4/2となる。
転動ボール22の6個の一部は固定基盤21の上面21aの傾斜を上り、反対側の転動ボール22は固定基盤21の上面21aの傾斜を下るため、転動ボールリテーナー23は傾斜する。テーブル24の下面24aも同様の傾斜が設けられているため、6個の転動ボール22の一部は、テーブル24の下面24aの中心寄りの位置に、反対側の転動ボール22は、テーブル24の下面24aの中心から離れた位置において当接する。
横揺れが止まると、6個の転動ボール22の位置を固定基盤21の上面21aおよびテーブル24の下面24aの傾斜の中心位置に戻す力が働き、それにより、テーブル24の水平位置も図4(a)に示す元の位置に戻る。
このように、第の実施の形態においては、複数の転動ボール22を保持する転動ボールリテーナー23を可動式とし、固定基盤21の円錐状に傾斜した上面21aに載置することにより、転動ボール22自体も水平移動するようになる。転動ボール22が水平移動することにより、固定基盤21が横揺れしたときに転動ボール22が固定基盤21の上面21aの円錐状傾斜面を水平移動し、さらに転動ボール22上に下面24aが載置されているテーブル24が水平移動することになり、参考例に比べて、同一サイズで固定基盤21は2倍の距離、移動可能となる。
この第の実施の形態において、固定基盤21の上面21aおよびテーブル24の下面24aの傾斜角は、は0.1度〜5度の範囲が好ましい。傾斜角が0.1度未満であると、免震効果は高くなるが、テーブル24を元に戻す力が不足する。傾斜角が5度を超えると、水平移動の抵抗が大きくなり、免震効果が低下する。
<第の実施の形態>
次に、本発明の第の実施の形態を、図5に基づいて説明する。
図5(a)に示すように、この第の実施の形態に係る重力バランス式免震装置の主たる構成は、円錐状に傾斜した上面31aを有する固定基盤31と、複数個(本例では6個)の転動ボール32を回転自在に保持した転動ボールリテーナー33と、転動ボール32に下面34aが支持される移動ディスク34と、固定基盤31の中央から立設された支柱35と、この支柱35の上部に固定され、移動ディスク34の上部に位置する抜け止め板36と、移動ディスク34の上面に固定され、家具や置物、建築物等を載置する円板状のテーブル37とを有する。
支柱35は、転動ボールリテーナー33の開口と移動ディスク34の開口を貫通して立設される。
抜け止め板36は、支柱35の上部に固定され、移動ディスク34の上面と円板状のテーブル37の下面との間の間隙部に位置し、かつ移動テーブル34の中央部の開口よりも大径である。
移動ディスク34の下面34aは、円錐状に傾斜している。転動ボールリテーナー33は、転動ボール32との摩擦抵抗が小さい材料、例えばテフロン(登録商標)その他の合成樹脂、非金属材料によって作ることができ、転動ボール32は鋼球とすることができる。
転動ボールリテーナー33によって保持された6個の転動ボール32は、固定基盤31の円錐状に傾斜した上面31aに下部を支持され、転動ボール32の上部は、移動ディスク34の円錐状に傾斜した下面34aに当接している。なお、固定基盤31の周囲には、転動ボール32の移動を規制するリング38が設けられている。
この第の実施の形態において、図5(b)に示すように、固定基盤31が設置されている地盤(大地)が横揺れしてx6の距離移動すると、上面31aも同様に横移動する。移動ディスク34およびテーブル37は慣性の法則により元の水平位置に留まろうとする。固定基盤31がx6だけ水平移動すると、転動ボール32が、固定基盤31の上面31aと移動ディスク34の下面34aとの間で距離x7だけ水平移動する。固定基盤31と移動ディスク34およびテーブル37との間の相対的移動により、転動ボール32の位置が変わる。ちなみに、x7=x6/2となる。
転動ボール32の6個の一部は固定基盤31の上面31aの傾斜を上り、反対側の転動ボール32は固定基盤31の上面31aの傾斜を下るため、転動ボールリテーナー33は傾斜する。移動ディスク34の下面34aも同様の傾斜が設けられているため、6個の転動ボール32の一部は、移動ディスク34の下面34aの中心寄りの位置に、反対側の転動ボール32は、移動ディスク34の下面34aの中心から離れた位置において当接する。
横揺れが止まると、6個の転動ボール32の位置を固定基盤31の上面31aおよび移動ディスク34の下面34aの傾斜の中心位置に戻す力が働き、それにより、移動ディスク34およびテーブル37の水平位置も図5(a)に示す元の位置に戻る。
このように、第の実施の形態においては、複数の転動ボール32を保持する転動ボールリテーナー33を可動式とし、固定基盤31の円錐状に傾斜した上面31aに載置することにより、転動ボール32自体も水平移動するようになる。転動ボール32が水平移動することにより、固定基盤31が横揺れしたときに転動ボール32が固定基盤31の上面31aの円錐状傾斜面を水平移動し、さらに転動ボール32上に下面34aが載置されている移動ディスク34およびテーブル37が水平移動することになり、参考例に比べて、同一サイズで固定基盤31は2倍の距離、移動可能となる。
この第の実施の形態では、支柱35の下部が固定基盤31の中央部に固定され、支柱35の上部に抜け止め板36が固定され、抜け止め板36は移動ディスク34の上部に配置されているため、移動ディスク34を上方に抜こうとしても抜けない構造になっている。
この第の実施の形態において、固定基盤31の上面31aおよび移動ディスク34の下面34aの傾斜角は、は0.1度〜5度の範囲が好ましい。傾斜角が0.1度未満であると、免震効果は高くなるが、テーブル37を元に戻す力が不足する。傾斜角が5度を超えると、水平移動の抵抗が大きくなり、免震効果が低下する。
なお、以上の第〜第の実施の形態では、固定基盤21の上面21aまたは固定基盤31の上面31aおよびテーブル24の下面24aまたは移動ディスク34の下面34aは、中央部が低い円錐形とした例を示したが、円錐形の勾配を上下逆にしてもよい。例えば、第の実施の形態の場合、図6に示すように、固定基盤21の上面21aおよびテーブル24の下面24aを、中央部が高い円錐形に変えても、第の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
本発明は、構造がシンプルであり、短周期、長周期の横揺れにも免震性能が発揮でき、また性能の劣化が少ない重力バランス式免震装置として、家具や置物等、あるいは建築物を保護する技術として利用することができる。
1 固定基盤
1a 転動ボール受け部
2 転動ボール
3 揺動ディスク
3a 下面
3b 転動ボール受け凹部
4 テーブル受けボール
5 テーブル
5a テーブル受けボール受け
6 カバー
11 固定基盤
12 傾斜プレート
12a 上面
13 転動ボール
14 転動ボールリテーナー
15 揺動ディスク
15a 下面
15b テーブル受けボール受け凹部
16 テーブル受けボール
17 テーブル
17a テーブル受けボール受け
18 リング
21 固定基盤
21a 上面
22 転動ボール
23 転動ボールリテーナー
24 テーブル
24a 下面
25 リング
31 固定基盤
31a 上面
32 転動ボール
33 転動ボールリテーナー
34 移動ディスク
34a 下面
35 支柱
36 抜け止め板
37 テーブル
38 リング

Claims (6)

  1. 円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
    前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する転動ボールリテーナーと、
    円錐状に傾斜した下面を有し、前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって前記下面の複数箇所が支持され、中心軸上の上部にテーブル受けボールが設けられた揺動ディスクと、
    前記揺動ディスク上の前記テーブル受けボールを受けるテーブル受けボール受けを下面に備えたテーブルと
    を有する重力バランス式免震装置。
  2. 前記揺動ディスクの下面の傾斜角は0.1〜5度である請求項記載の重力バランス式免震装置。
  3. 円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
    前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する転動ボールリテーナーと、
    前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって、円錐状に傾斜した下面の複数箇所が支持されたテーブルと
    を有する重力バランス式免震装置。
  4. 前記固定基盤の上面および前記テーブルの下面の傾斜角は0.1〜5度である請求項記載の重力バランス式免震装置。
  5. 円錐状に傾斜した上面を有する固定基盤と、
    前記固定基盤の上面に載置され、少なくとも3個の同径の転動ボールを同一円周上に保持する、中央に開口を設けた転動ボールリテーナーと、
    前記転動ボールリテーナーに保持された転動ボールによって、円錐状に傾斜した下面の複数箇所が支持され、中央部に開口を設けた移動ディスクと、
    前記移動ディスクの上部に、移動ディスクの上面とは間隔を隔てて固定された円板状のテーブルと、
    前記固定基盤の中央部に固定され、前記転動ボールリテーナーの開口と前記移動ディスクの開口を貫通して立設された支柱と、
    前記支柱の上部に固定され、前記移動ディスクの上面と前記円板状のテーブルの下面との間の間隙部に位置し、かつ前記移動テーブルの中央部の開口よりも大径の抜け止め板と
    を有する重力バランス式免震装置。
  6. 前記固定基盤の上面および前記移動ディスクの下面の傾斜角は0.1〜5度である請求項記載の重力バランス式免震装置。
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