JPS6113074B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は重力を利用した揺動支柱式の免振床に
関するものである。

従来の電子計算機室や通信機室は、フリーアク
セス・フロアと呼ばれる二重床になつており、そ
の耐震性は、低いものであつた。この二重床の地
震対策として、多くの工法が考案されているが、
地震力を低減させる工法としては、上床と構築体
床の接点でまさつを少なくし、すべらせる工法が
あるが、装置や、上床構成部材が複雑かつ高価に
なる欠点があつた。本発明は、別の原理を応用し
て、上記の欠点を排除した画期的なものである。

以下、本発明を図面に示す、実施例に基づいて
説明する。

第１図に示す如く、建築床１１に揺動支柱２１
を配設し、前記支柱２１，２１′……相互間に水
平つなぎ材１４，１４′……を付し二重床の水平
剛性を確保し、尚水平ダンパー１６、床パネル１
７で二重床としての免振床２０を構成し之に機器
１８を設置する。そして前記揺動支柱２１は、第
４図に示す如く、底面２６を適宜半径の球面とし
た基台２５の中心から垂直に上方へ支持杆２２を
延設し、その上端２３を床パネル１７へ所謂ピン
機構と称される回動自在なユニバーサル式に結合
する。そして尚、水平つなぎ材１４の端部１５を
各支持杆２２における等しい高さの位置で回動自
在に結合すると共に、床パネル１７の高さを調整
し得るように、高低調整ボルト２７を具えた支持
杆とする。

尚第４図に示す如く、基台底面２６の曲率中心
２８を最低限を床パネル１７高さとし、以て揺動
支柱２１をダルマ振動構造とする。

そして、建築床１１には揺動支柱２１の基台２
５の範囲の広さをもつた平板１３を付設すると共
に基台底面中央に滑り止２９を具える。

上述の如き、本発明に係る免振床２０の揺動支
柱２１は、平常時は第２図に示す如く底面中央の
滑り止２９で建築床１１に接し、滑り止２９の作
用によつて床パネル１７上の日常作業では支柱２
１が揺動することを防止する効果を発揮する。と
ころで、若し地震等によつて、第３図に示す如く
建築床１１が右側方へ急激に移動したとき、滑り
止２９が外れ揺動支柱２１は左側へ傾斜し、支柱
上端２３の水平移動を防止する。その後揺動支柱
２１は、その基台２５底面が球面であり、且つ、
該球面の曲率中心が支柱の上端、即ちピン機構位
置よりも高い故、ダルマ揺動と同様に自動的に該
傾斜を漸次回復して第２図に示す垂直状態とな
る。

このように、本発明に係る免振床２０はダルマ
揺動を具有する揺動支柱２１をもつて支持されて
いるから、相対的揺動周期の短い地震等によつ
て、建築床１１に往復揺動が生じる場合は、揺動
支柱２１における傾斜の自動的回復を待つことな
く、建築床１１の往揺動に引続く復揺動によつて
支柱２１が垂直状態となり、支柱上端２３は殆ん
ど往復動がない。

加えるに、揺動支柱２１と床パネル１７との結
合部たる支柱上端２３及び揺動支柱２１相互間を
係止するつなぎ材１４の端部１５が何れも回動自
材である故、床パネル１７、揺動支柱２１、つな
ぎ材１４よりなる免振床２０は、水平剛体構造と
なり、個々の基台２５における各揺動支柱２１の
別個の揺動を許さないから、建築床が地震等によ
つて相当な水平揺動しても、本免振床２０に伝搬
されることは殆んどない。

尚本発明に係る免振床２０の揺動固有周期は、
その基台２５を底面曲率のみによつて決定される
から、該免振床を構築後であつても、その基台底
面２６の曲率を適宜選定することによつて該免振
床２０の揺動固有周期を所定とすることができる
利点を有する。

本発明に係る免振床は、第１図に示す如く床パ
ネル１７四周における端部支持杆２２ｂと壁体１
２等の建築直立体との間にダンパー１６等の揺動
減衰能手段を均等に配備して、免振床２０が日常
業務によつて揺動するものを防止するのみでな
く、相当な地震等によつて免振床２０が揺れる場
合の振れを少くすると共に発生した揺動の減衰を
促進せしめる。

尚本発明に係る免振床２０に発生する振巾を少
くし、且つ発生した揺動の減衰を促進せしめる手
段として第５図乃至第７図に示すような場合があ
る。

即ち、第５図に示すところは、、揺動支柱２１
の基台２５に対して例えば３分等配置にストツパ
ーバネ３１ご具えたストツパー支柱３２を設けた
場合であり、第６図に示すところは、弾性を有す
る係止網３３で基台２５を建築床１１に係止した
場合である。

又第７図に示すところは、揺動支柱２１の支持
杆２２と建築床１１に固定した設置物３４との間
に、例えばリング３５と板バネ３６とをもつて振
動減衰手段３０を挿重した場合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る免振床の断面概要図、第
２図は基台、支柱の正常側面図にして第３図は床
の移動により基台支柱が揺動したときの側面図、
第４図は揺動支柱の詳細側面図、第５図乃至第７
図は基台に対する振動減衰手段の他の実施例。 １１……建築床、１２……壁体、１３……平
板、１４……水平つなぎ、１５……端部、１６…
…水平ダンバー、１７……床パネル、１８……機
器、１９……滑り止、２０……免振床、２１……
揺動支柱、２２……支持杆、２３……支持杆上
端、２４……支持杆下端、２５……基台、２６…
…基台底面、２７……調整ボルト、２８……曲率
中心、２９……滑り止、３０……振動減衰手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床パネルを揺動支柱で支持し、該支柱を垂直
   に維持する揺動支柱の基台底面を、床パネルヘピ
   ン機構で結合した前記支柱の上端よりも上方に曲
   率中心を設定した球面形状とし、且つ、該基台底
   面に滑り止めを設けて建築床に前記床パネルを支
   持するものとし、該揺動支柱を複数個配設すると
   共に、該揺動支柱相互間の等しい高さをつなぎ材
   をもつて支柱相互間を結合し、以て床パネルの振
   動を自動的に減衰する構造としたことを特徴とす
   る免振床。 ２ 床パネルを支持する外周端部揺動支柱と、壁
   体等との間に各方向に均衡した振動減衰手段を配
   設したことを特徴とする第１項に記載した免振
   床。 ３ 床パネルを支持する揺動支柱の基台と建築床
   との間に振動減衰手段を配設したことを特徴とす
   る第１項に記載した免振床。