JP6501645B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、下部構造物と上部構造物との間に配置されて下部構造物上で上部構造物を免震支持し、地震などの振動から上部構造物を保護するようにした免震装置に関する。
免震装置の一つに、球面滑り支承を用いた免震装置がある。すなわち、下部構造物の上面に設けられる下部球面支承と、上部構造物の下面に設けられる上部球面支承と、それら下部球面支承と上部球面支承との間に設けられる球面スライダとを有する免震装置がある(特許文献1)。このような免震装置によれば、地震の際には、球面スライダにより上部構造物と下部構造物が水平方向に相対的に変位できるため、上部構造物への地震動の伝搬を低減することができる。
また、構造物の上方への変位を阻止するため、例えば直線状の上部案内レール及び下部案内レールを互いに直交するように重ね合わせて構成される免震装置が知られている(特許文献2)。
この免震装置では、直線状の上部案内レールと下部案内レールとは多数のボールにより互いに移動自在であるとともに、ボールが両レールの上下方向の変位を阻止するため、上揚力に対して引き抜き抵抗力を発揮し得る。
特開2015−48929号公報 特開平10−169709号公報
しかしながら、特許文献1で開示されるような球面滑り支承を用いた免震装置は、下部構造物に対して地震力が上向きに作用した場合には、この上揚力に対して抵抗する機構を備えていないため、建物に不測の浮き上がりが生じる問題がある。
そして、特許文献2で開示されるような直動レール型の転がり支承を用いた免震装置では、復元機能を発揮させるためにばねなどの弾性部材を装置上に別途設ける必要がある。異なる機能を発揮する部材を設けることは、装置構成の複雑化、装置設計の困難性を生み出し、装置の作製コスト増大につながる。
そこで、本発明は前記事情に鑑み案出されたもので、本発明の目的は、復元機能を有し、しかも簡単な構成により地震による上揚力に対して引き抜き抵抗力を発揮し得る免震装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、下部構造物と上部構造物との間に設けられる免震装置であって、前記下部構造物の上部に設けられた下部回転機構と、前記下部回転機構で鉛直軸を中心に回転可能に支持され、所定の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも低い箇所に位置する下部レールと、前記上部構造物の下部に設けられた上部回転機構と、前記上部回転機構で鉛直軸を中心に回転可能に支持され、所定の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも高い箇所に位置する上部レールと、前記下部レールと前記上部レールとの間に配置されて前記上部構造物の荷重を前記下部構造物に伝達し、前記下部レールにその延在方向に移動自在に係合しかつ前記下部レールから上方に離れる方向に移動不能に係合すると共に、前記上部レールにその延在方向に移動自在に係合しかつ前記上部レールに、前記上部レールが上方に離れる方向に移動不能に係合し、さらに、平面視した場合に前記下部レールと前記上部レールとを同一直線上に延在させるスライダとを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記下部レールの曲率と前記上部レールの曲率は同一であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記下部回転機構は、前記下部レールが取着され鉛直軸を中心に回転可能に支持された円板状の下部回転体を備え、前記下部レールは前記下部回転体の上で前記下部回転体の直径上を延在し、前記下部レールの延在方向の中央部が前記下部回転体の中心の上に位置し、前記上部回転機構は、前記上部レールが取着され鉛直軸を中心に回転可能に支持された円板状の上部回転体を備え、前記上部レールは前記上部回転体の下で前記上部回転体の直径上を延在し、前記上部レールの延在方向の中央部が前記上部回転体の中心の上に位置していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記下部回転機構は、前記下部回転体を回転可能に支持する軸受と、前記下部構造物の上部に設けられ前記軸受を保持する下部ケースと、前記下部回転体の中心を通り鉛直方向に延在し前記下部回転体と前記下部ケースとに挿通された下部中心軸と、前記下部中心軸を前記下部回転体または前記下部ケースの少なくとも一方で回転可能に支持する軸受とを有し、前記上部回転機構は、前記上部回転体を回転可能に支持する軸受と、前記上部構造物の下部に設けられ前記軸受を保持する上部ケースと、前記上部回転体の中心を通り鉛直方向に延在し前記上部回転体と前記上部ケースとに挿通された上部中心軸と、前記上部中心軸を前記上部回転体または前記上部ケースの少なくとも一方で回転可能に支持する軸受とを有していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記下部ケースで保持された前記軸受により前記下部回転体が回転可能にかつ上下方向に移動不能に支持され、前記上部ケースで保持された前記軸受により前記上部回転体が回転可能にかつ上下方向に移動不能に支持されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記上部中心軸は、前記上部構造物の荷重の一部を前記上部レールに伝達することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、荷重支持能力に優れ、また、弾性体を要することなく復元機能を備え、構造が簡易で上揚力に対して引き抜き抵抗力を発揮し得る免震装置が得られる。
請求項2記載の発明によれば、スライダの動きを円滑化し、免震装置の動きを円滑化する上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、下部回転機構と上部回転機構を簡単に構成する上で有利となる。
請求項4記載の発明によれば、下部回転機構と上部回転機構を簡単に構成する上で有利となる。
請求項5記載の発明によれば、上揚力に対して引き抜き抵抗力を発揮させる上で有利となる。
請求項6記載の発明によれば、免震装置の小型化を図る上で有利となる。
下部構造物上で本発明の実施形態の免震装置により上部構造物を免震支持する説明図である。 本発明の実施形態の免震装置の断面正面図である。 本発明の実施形態の免震装置の断面側面図である。 図3の状態をスライダ部分から見た平面図である。 図3の状態から下部構造物と上部構造物とが相対変位した状態の免震装置の断面側面図である。 図5の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1に示すように、免震装置10は、下部構造物12と上部構造物14との間の複数箇所に設けられ、下部構造物12上で上部構造物14を免震支持している。
本実施の形態では、下部構造物12は、建物の基礎であり、上部構造物14は建物である。なお、免震装置10は、建物の上下方向の中間部や橋梁の支持などにも用いられ、したがって、下部構造物12は、建物の基礎の他に建物自体や橋梁の基礎などである場合があり、上部構造物14は、建物の床や橋梁である場合があり、そのような場合にも本発明は広く適用される。
免震装置10は、下部回転機構20、下部レール22、上部回転機構24、上部レール26、スライダ28とを含んで構成されている。
図2〜図4に示すように、下部回転機構20は、下部回転体30、スラスト軸受32、下部ケース34、下部中心軸36、ラジアル軸受38を含んで構成されている。
下部ケース34は、基礎の上に固定され水平面上を延在する円形の下板部3402と、下板部3402の外周から起立する起立部3404と、起立部3404の上端から半径方向内側に環板状に拡がるフランジ部3406とを有している。
下部中心軸36の下部は、下板部3402の中心孔3408に嵌合固定され、鉛直に立設されている。
スラスト軸受32は、下板部3402の外周部とフランジ部3406との間に配置されている。
下部回転体30は、下部レール22の長さよりも大きい寸法の直径で円形の板状に形成され、下部ケース34の内側に配置されている。
下部回転体30は、その外周部がスラスト軸受32により水平面上で回転可能に支持されている。また、下部回転体30の中心の孔3002内でラジアル軸受38を介して下部中心軸36の上部が挿入され、下部回転体30は下部中心軸36を中心として回転可能に支持されている。
下部レール22は、下部回転体30の上面に、その延在方向を下部回転体30の直径上に沿わせて固定されている。
下部レール22の上部は、両側の側面2202と、上面2204とを備えたレール部22Aとなっている。
上面2204は、所定の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも低い箇所に位置するように形成され、両側の側面2202には、上面2204の延在方向に沿ってスライダ溝2206が形成されている。上面2204は、平面視した場合に直線状に延在している。
上部回転機構24は、上部回転体40、スラスト軸受42、上部ケース44、上部中心軸46、ラジアル軸受48を含んで構成されている。
上部ケース44は、建物の下部に固定され水平面上を延在する円形の上板部4402と、上板部4402の外周から下方に突設された起立部4404と、起立部4404の上端から半径方向内側に環板状に拡がるフランジ部4406とを有している。
上部中心軸46の上部は、上板部4402の中心孔4408に嵌合固定され、鉛直に延在している。
スラスト軸受42は、上板部4402の外周部とフランジ部4406との間に配置されている。
上部回転体40は、上部レール26の長さよりも大きい寸法の直径で円形の板状に形成され、上部ケース44の内側に配置されている。
上部回転体40は、その外周部がスラスト軸受42により水平面上で回転可能に支持されている。また、上部回転体40の中心の孔4002内でラジアル軸受48を介して下部中心軸36の上部が挿入され、上部回転体40は上部中心軸46を中心として回転可能に支持されている。
上部レール26は、上部回転体40の下面に、その延在方向を上部回転体40の直径上に沿わせて固定されている。
上部レール26の下部は、両側の側面2602と、下面2604とを備えたレール部26Aとなっている。
下面2604は、下部レール22の上面2204と同一の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも高い箇所に位置するように形成され、両側の側面2602には、下面2604の延在方向に沿ってスライダ溝2606が形成されている。下面2604は、底面視した場合に直線状に延在している。なお、下部レール22のレール部22Aの上面2204の曲率と、上部レール26のレール部26Aの下面2604の曲率とは、同一である必要はないが、同一にするとスライダ28の動きを円滑化し、免震装置10の動きを円滑化する上で有利となる。
スライダ28は、下部レール22と上部レール26との間に配置され、上部構造物14の荷重を下部構造物12に伝達すると共に、下部レール22と上部レール26とをそれらレール22、26の延在方向に相対的に変位可能に結合するものである。したがって、下部レール22と上部レール26とスライダ28とにより転がり支承が構成されている。
本実施の形態では、スライダ28は、下部レール22及び上部レール26にそれらの延在方向に移動自在に係合すると共に、上部レール26及び下部レール22の延在方向と直交する方向に移動不能に係合し、スライダ28は、下部レール22と上部レール26とを、平面視した場合、同一直線上に延在させている。
より詳細には、スライダ28は鉛直方向の高さを有する本体部50と、本体部50の下部に設けられたスライダ下部52と、本体部50の上部に設けられたスライダ上部54とを備えている。
スライダ下部52は、下面部5202と、両側の側部5204とを有している。
下面部5202は、軸受5206を介して下部レール22のレール部22Aの上面2204に上面2204の延在方向に移動自在に係合されている。上部構造物14の荷重は、この下面部5202からレール部22Aの上面2204に伝達される。
両側の側部5204は、レール部22Aの側面2202の外側に位置し、レール部22Aの側面2202に、スライダ溝2206に係合する軸受5208を介してレール部22Aの上面2204の延在方向に移動可能に係合されている。両側の側部5204は、レール部22Aにその延在方向に移動自在に係合しかつレール部22Aから上方に離れる方向に移動不能に係合すると共に、水平方向でレール部22Aの延在方向と直交する方向へのスライダ28の動きを阻止している。
スライダ上部54は、上面部5402と、両側の側部5404とを有している。
上面部5402は、軸受5406を介して上部レール26のレール部26Aの下面2604に下面2604の延在方向に移動可能に係合されている。上部構造物14の荷重は、レール部26Aの下面2604からこの上面部5402に伝達される。
両側の側部5404は、レール部26Aの側面2602の外側に位置し、レール部26Aの側面2602に、スライダ溝2606に係合する軸受5408を介してレール部26Aの下面2604の延在方向に移動可能に係合されている。両側の側部5404は、レール部26Aにその延在方向に移動自在に係合しかつ上部レール26Aに、上部レール26Aが上方に離れる方向に移動不能に係合すると共に、水平方向でレール部26Aの延在方向と直交する方向へのスライダ28の動きを阻止している。
次に、免震装置10の動きについて説明する。
平常時(静止時)では、上部構造物14の荷重が免震装置10に作用し、上部構造物14が最も低い箇所に位置する。すなわち、スライダ28が下部レール22のレール部22Aの中央に位置すると共に上部レール26のレール部26Aの中央に位置し、上部構造物14の荷重が複数の免震装置10を介して下部構造物12で支持される。
なお、この状態で、図3に示すように、下部回転体30の上面からスライダ下部52までの距離はD1であり、上部回転体40の下面からスライダ上部54までの距離はD2である。
地震発生時、過大な水平力が建物に作用すると、下部構造物12と上部構造物14とが免震装置10を介して相対的に水平方向に変位する。
詳細に説明すると、過大な水平力が建物に作用した場合、建物に作用する水平力の方向と、下部レール22および上部レール26の延在方向とが異なる時には、下部レール22または上部レール26に作用する水平力により、下部回転体30と上部回転体40は、下部レール22および上部レール26の延在方向が、建物に作用する水平力の方向と同じ向きになるように回転する。
そして、スライダ下部52が下部レール22のレール部22Aを移動し、スライダ上部54が上部レール26のレール部26Aを移動し、下部構造物12と上部構造物14とが免震装置10を介して相対的に水平方向に変位する。この場合でも、上部構造物14の荷重は複数の免震装置10を介して下部構造物12で支持される。
下部構造物12と上部構造物14とが相対的に水平方向に変位し、例えば、図5、図6に示すように、スライダ下部52が下部レール22のレール部22Aの延在方向の中間部に位置し、スライダ上部54が上部レール26のレール部26Aの延在方向の中間部に位置する。
この状態で、下部回転体30の上面からスライダ下部52までの距離はD3となり、上部回転体40の下面からスライダ上部54までの距離はD4となる。
すなわち、下部構造物12と上部構造物14とが相対的に水平方向に変位することで、上部構造物14は、(D3−D1)+(D4−D2)の距離だけ下部構造物12に対して上昇することになる。
したがって、(D3−D1)+(D4−D2)の距離に応じた上部構造物14の位置エネルギが発生し、今度は、この位置エネルギにより上部構造物14は元の位置に復帰しようとし、スライダ下部52が下部レール22のレール部22Aを移動し、スライダ上部54が上部レール26のレール部26Aを移動する。
そして、図5の状態からスライダ下部52が下部レール22の左半部に位置し、スライダ上部54が上部レール26の右半部に位置し、下部構造物12と上部構造物14とが相対的に水平方向に変位し、このような下部構造物12と上部構造物14との相対的な水平方向の変位が繰り返して行なわれる。
そして、スライダ下部52が下部レール22のレール部22Aを移動する際の抵抗により、また、スライダ上部54が上部レール26のレール部26Aを移動する際の抵抗により、上部構造物14に加えられた地震によるエネルギが減衰され、やがて上部構造物14は、図2、図3に示す当初の位置に復帰する。
本実施の形態によれば次の効果が奏される。
曲線状の下部レール22と、曲線状の上部レール26と、それらレール22,26に係合するスライダ28を有しているため、水平力により大きなストロークで上部構造物14が上昇され、大きな復元力を得る上で有利となる。
また、下部構造物12と上部構造物14とが相対的に水平方向に変位する際に、スライダ下部52と曲線状の下部レール22とが相対的に移動し、スライダ上部54が曲線状の上部レール26のレール部26Aとが相対的に移動するので、スライダ下部52と下部レール22との間、およびスライダ上部54と上部レール26との間に大きな抵抗力が生じ、大きな減衰力を得る上で有利となる。
したがって、ばねなどの弾性部材を要せず大きな復元力を得ることができ、1つの装置に異なる機能を発揮する部材を別途設ける必要がなくなり、免震装置の構造の簡素化、軽量化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、曲線状の下部レール22と、曲線状の上部レール26とは互いに対向し平面視した場合に同一直線上を延在しているため、上部構造物の重量に対する免震装置10の支持能力が大きく、より重い構造物に対しても安定動作を行なう上で有利となる。
また、下部回転機構20、上部回転機構24を備えているため、いずれの方向の水平力に対しても上部構造物14を免震支持できる。
また、地震による上揚力に対しては、スライダ下部52が下部レール22のレール部22Aから上方に離れる方向に移動不能に係合し、スライダ上部54が上部レール26Aに、上部レール26Aが上方に離れる方向に移動不能に係合しているため、引き抜き抵抗力が発揮され、上部構造物14の不測の浮き上がりを阻止する上で有利となる。
したがって、構造が簡易で、荷重支持能力、大きな復元力、減衰力を発揮すると共に、上揚力に対して引き抜き抵抗力を発揮し得る免震装置10が得られる。
また、平常時(静止時)では、上部構造物14が最も低い箇所に位置する。したがって、上部構造物14が下部構造物12に対して水平方向に変位するには、上部構造物14を上昇させるに足る大きなエネルギが必要となるため、平常時(静止時)における上部構造物14の状態を安定させる上で有利となる。
また、本実施の形態のように曲線状の下部レール22と曲線状の上部レール26とが対向設置された平行型は、その可動範囲(水平変形量)が大きい。それゆえ、あらゆる設置スペースの大きさに合わせて、十分な減衰機能、復元機能を有する転がり支承を得ることができる。具体的には、十分な減衰機能、復元機能を有したまま装置の大きさを小さくすることができる。理論的には従来の水平変形量を有したまま大きさは従来の半分までに小さくすることができる。これを利用することで、基礎コンクリートのフーチングF(図1参照)を小さくすることができ、全体として建物基礎を小さくすることができ、施工コストの削減にも寄与することができる。
また、免震装置に必要な減衰機能として、長周期(大きなストローク)で免震装置を水平変形させることが必要であり、本発明のような曲線状のレールの平行対向型の転がり支承は可動範囲が広いためそれを実現可能にする。
また、従来のすべり支承では振動減衰の周期が上部構造物(建物など)の重さによって変化するが、本発明の構成は振動減衰の周期がレールの曲率半径のみで一定に決定されるため、物流倉庫などその建物の重量が変化する恐れがある場合でも、減衰力を正確にコントロールすることができ、従来の免震装置に比べて極めて有利となる。
なお、下部回転体30と上部回転体40の外周部をそれぞれラジアル軸受で回転可能に支持し、下部中心軸36と上部中心軸46とを省略することも可能であるが、実施の形態のように下部中心軸36と上部中心軸46とを設けると、免震装置10の小型化を図る上で有利となる。
また、スラスト軸受42に加え上部中心軸46により上部構造物14の荷重を上部レール26に伝達するようにしてもよく、この場合には、上部回転体40の薄肉化を図る上で有利となる。
10 免震装置
12 下部構造物
14 上部構造物
20 下部回転機構
22 下部レール
24 上部回転機構
26 上部レール
28 スライダ
30 下部回転体
32 スラスト軸受
34 下部ケース
36 下部中心軸
40 上部回転体
42 スラスト軸受
44 上部ケース
46 上部中心軸
50 本体部
52 スライダ下部
54 スライダ上部

Claims (6)

  1. 下部構造物と上部構造物との間に設けられる免震装置であって、
    前記下部構造物の上部に設けられた下部回転機構と、
    前記下部回転機構で鉛直軸を中心に回転可能に支持され、所定の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも低い箇所に位置する下部レールと、
    前記上部構造物の下部に設けられた上部回転機構と、
    前記上部回転機構で鉛直軸を中心に回転可能に支持され、所定の曲率をもって延在しその延在方向の中央部が延在方向の両端部よりも高い箇所に位置する上部レールと、
    前記下部レールと前記上部レールとの間に配置されて前記上部構造物の荷重を前記下部構造物に伝達し、前記下部レールにその延在方向に移動自在に係合しかつ前記下部レールから上方に離れる方向に移動不能に係合すると共に、前記上部レールにその延在方向に移動自在に係合しかつ前記上部レールに、前記上部レールが上方に離れる方向に移動不能に係合し、さらに、平面視した場合に前記下部レールと前記上部レールとを同一直線上に延在させるスライダと、
    を備えることを特徴とする免震装置。
  2. 前記下部レールの曲率と前記上部レールの曲率は同一である、
    ことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 前記下部回転機構は、前記下部レールが取着され鉛直軸を中心に回転可能に支持された円板状の下部回転体を備え、
    前記下部レールは前記下部回転体の上で前記下部回転体の直径上を延在し、前記下部レールの延在方向の中央部が前記下部回転体の中心の上に位置し、
    前記上部回転機構は、前記上部レールが取着され鉛直軸を中心に回転可能に支持された円板状の上部回転体を備え、
    前記上部レールは前記上部回転体の下で前記上部回転体の直径上を延在し、前記上部レールの延在方向の中央部が前記上部回転体の中心の上に位置している、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の免震装置。
  4. 前記下部回転機構は、前記下部回転体を回転可能に支持する軸受と、前記下部構造物の上部に設けられ前記軸受を保持する下部ケースと、前記下部回転体の中心を通り鉛直方向に延在し前記下部回転体と前記下部ケースとに挿通された下部中心軸と、前記下部中心軸を前記下部回転体または前記下部ケースの少なくとも一方で回転可能に支持する軸受とを有し、
    前記上部回転機構は、前記上部回転体を回転可能に支持する軸受と、前記上部構造物の下部に設けられ前記軸受を保持する上部ケースと、前記上部回転体の中心を通り鉛直方向に延在し前記上部回転体と前記上部ケースとに挿通された上部中心軸と、前記上部中心軸を前記上部回転体または前記上部ケースの少なくとも一方で回転可能に支持する軸受とを有している、
    ことを特徴とする請求項3記載の免震装置。
  5. 前記下部ケースで保持された前記軸受により前記下部回転体が回転可能にかつ上下方向に移動不能に支持され、
    前記上部ケースで保持された前記軸受により前記上部回転体が回転可能にかつ上下方向に移動不能に支持されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の免震装置。
  6. 前記上部中心軸は、前記上部構造物の荷重の一部を前記上部レールに伝達する、
    ことを特徴とする請求項4または5記載の免震装置。
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