JP2015081464A - 制振構造物 - Google Patents

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Tomoki Hama
智貴 濱
磯田 和彦
Kazuhiko Isoda
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【課題】制振装置の設置数を少なくし、制振装置で連結される一方の構造体と他方の構造体の地震時応答を効率的且つ効果的に低減することを可能にした制振構造物を提供する。
【解決手段】一方の構造体1と他方の構造体2とを複数の制振装置4で連結してなる制振構造物Bにおいて、少なくとも一部の制振装置4を、回転慣性質量効果で応答変位を低減させる回転慣性質量機構を備えるとともに、ばね部材の伸縮によって応答変位を低減させる付加ばね機構を回転慣性質量機構に直列に連結して構成する。また、一方の構造体1と他方の構造体2の床位置に制振装置4を配置して、一方の構造体1と他方の構造体2を連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、制振構造物に関する。
従来、例えば、複数の建物間や、内側構造と内側構造を囲繞するように設けられた外側構造の両構造間などを制振装置で連結して地震時の応答を低減させることが有効な手段として採用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図7に示すように高層マンションの住戸部等の外側構造(一方の構造体)1とタワーパーキング等の内側構造(他方の構造体)2をオイルダンパーなどの制振装置3で連結したり、図8に示すように事務所などの種々な用途の建物の高層部(他方の構造体)2と外周低層部(一方の構造体)1をオイルダンパーなどの制振装置3で連結して制振建物(制振構造物A)とし、地震時の応答低減効果を得るようにしている。
また、特許文献2には、並立する2つの建物間に配置され、両建物間の相対変位量を出力側部材の回転量として取り出すボールネジ機構と、このボールネジ機構の出力側部材に一体化されて両建物間に配置されるとともに、バネ要素と並列配置された回転質量体とを備え、回転質量体の回転慣性力を反力にして減衰力を得るように構成した制振装置が開示されている。
特開2010−112013号公報 特開2003−56204号公報
しかしながら、オイルダンパーなどの従来の制振装置3を用いて内側構造2と外側構造1を連結する場合には、制振装置3の効果を十分に発揮させるため、図7や図8に示したように、高さ方向にある程度分散して制振装置3を設置することが必要になる。
このため、連結制振構造(制振構造物A)としての応答低減効果を期待するには、内側構造2や外周低層部1の高さが小さい方の構造体に建築計画的な必要性に関わらず、ある程度の高さが必要になってしまう。例えば中央にタワーパーキングを内包した高層マンションであるとすると、本体建築計画的には内側のタワーパーキングの高さは外側の住戸部ほどは必要ない場合が多いが、連結制振構造を採用するためにタワーパーキングの高さを大きくとる必要が生じてしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、制振装置の設置数を少なくし、制振装置で連結される一方の構造体と他方の構造体の地震時応答を効率的且つ効果的に低減することを可能にした制振構造物を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の制振構造物は、一方の構造体と他方の構造体とを複数の制振装置で連結してなる制振構造物において、少なくとも一部の前記制振装置が、慣性質量効果で応答変位を低減させる回転慣性質量機構を備えるとともに、ばね部材の伸縮によって応答変位を低減させる付加ばね機構を前記回転慣性質量機構に直列に連結して構成されていることを特徴とする。
また、本発明の制振構造物においては、前記一方の構造体と前記他方の構造体の床位置に前記制振装置を配置して、前記一方の構造体と前記他方の構造体が連結されていることが望ましい。
さらに、本発明の制振構造物において、前記一方の構造体と前記他方の構造体は、高さが大きい方の構造体に対して高さが小さい方の構造体の高さが前記高さが大きい方の構造体の高さの2割以下であることがより望ましい。
本発明の制振構造物においては、一方の構造体と他方の構造体を連結する制振装置が慣性質量機構を備えていることにより、連結部における制振装置の設置台数を少なくして優れた制振性能(応答低減効果)を得ることが可能になる。
また、一方の構造体と他方の構造体の床位置に制振装置を設置するようにしたことで、制振装置を設置するにあたり、層間に設ける壁や斜材のように平面計画に制約が生じることをなくすことができる。
さらに、高さが大きい方の構造体に対して小さい方の構造体が2割以下の高さであることにより、低層集中連結制振構造にすることができ、オイルダンパー等を用いた従来の制振構造物では実現できなかった大きな応答低減効果を得ることが可能になる。
また、減衰のみでは大きな減衰を付与すると高振動数域での加速度が増大してしまうが、慣性質量機構と付加ばね機構を直列配置した付加制振系を採用することで、小さな慣性質量でも同調型制振機構とすることができ、高振動数域での加速度応答を低減することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る制振構造物を示す図である。 本発明の一実施形態に係る制振構造物を示す図である。 本発明の一実施形態に係る制振構造物に設けられる制振装置の一例を示す図である。 シミュレーションで用いた制振構造物を示す図である。 シミュレーションで用いた制振構造物の解析モデルを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 従来の制振構造物を示す図である。 従来の制振構造物を示す図である。
以下、図1から図6を参照し、本発明の一実施形態に係る制振構造物について説明する。
本実施形態の制振構造物Bは、例えば、図1に示すように高層マンションの住戸部等の外側構造(一方の構造体)1とタワーパーキング等の内側構造(他方の構造体)2を制振装置4で連結したり、図2に示すように事務所などの種々な用途の建物の高層部(他方の構造体)2と外周低層部(一方の構造体)1を制振装置4で連結して、地震時の応答低減効果を得るように構成されている。
また、本実施形態の制振構造物Bにおいては、従来の粘性系・履歴系等のダンパーのみではなく、高層建物に配置する場合であっても下層に集中して配置すれば優れた制振効果を発揮する特徴を有する慣性質量ダンパー(慣性質量機構)を備えた制振装置4を採用して構成されている。
さらに、このような制振装置4を下部側(高さが大きい方の構造体の下部側)の同一高さ位置に、もしくは必要に応じて高さ方向に間隔をあけ、複数の高さ位置に設置する。これにより、内側構造2や外周低層部1(高さが小さい方の構造体)は、構造的な制約に左右されず、本来建築的に必要な高さのみを有し、合理的な設計・計画をもって構築される。
また、本実施形態では、複数の制振装置の少なくとも一部に、慣性質量機構と付加ばね機構を直列に配置して主系と付加振動系(連結部)から定まる固有の振動数に同調するように慣性質量と付加ばねの値を設定した制振装置4を用いる。
具体的に、本実施形態の少なくとも一部の制振装置4は、図3に示すように、回転慣性質量機構5と付加ばね機構6を備えるとともに、回転慣性質量機構5と付加ばね機構6を直列に連結配置して構成されている。また、直列に接続した回転慣性質量機構5と付加ばね機構6からなる制振装置4はその軸線O1方向を水平方向に配して設置される。
回転慣性質量機構5は、中心軸線O1を制振装置4の軸線O1と同軸上に配して設けられたボールねじ7と、ボールねじ7に螺着して配設されたボールナット8と、ボールナット8に取り付けられ、ボールナット8の回転に従動して回転する回転錘9とを備えて構成されている。
ボールねじ7は、その一端7aに構造体1に接続するためのボールジョイントやクレビスなどの連結部材10が取り付けられている。
また、ボールねじ7に螺着したボールナット8は、軸受け11に支持されている。軸受け11は、軸線O1周りに回転不能に且つ軸線O1方向に移動不能に固設される円環状の外輪11aと、外輪11aの内孔内に配されて軸線O1周りに回転可能に支持された円環状の内輪11bとを備えて形成されている。そして、ボールねじ7が軸受け11の内輪11bの中心孔に挿通して配設されるとともに、ボールナット8が軸受け11の内輪11bに固設されている。これにより、ボールナット8は、軸線O1周りに回転可能に、且つ軸線O1方向に移動不能に配設されている。
さらに、ボールナット8に回転錘9が一体に固設されている。回転錘9は例えば略円筒状に形成され、ボールねじ7を内部に挿通し、ボールねじ7と互いの軸線O1を同軸上に配した状態でボールナット8に固着して配設されている。
次に、付加ばね機構6は、円筒状に形成された外筒12と、外筒12よりも外径が小の円筒状に形成され、外筒12の内部に互いの軸線O1を同軸上に配して設けられた内筒13と、外筒12と内筒13の間に配設された付加ばね(ばね部材)14とを備えて構成されている。
外筒12は、所定長さの高軸剛性かつ高曲げ剛性の中空円筒体であって、その他端12b(図中左側の端部)に内部を閉塞させるように円板状の接続板15が固着され、この接続板15に、制振装置4の他端を構造体2に接続するためのボールジョイントやクレビスなどの連結部材16が取り付けられている。また、外筒12の一端12a側(図中右側の端部)には、内筒13を挿通させる挿通孔を中心に貫通形成した円環状の支持板17が内部を閉塞させるように固着されている。
また、外筒12には、一端12a側に、支持板17に固着して設けられ、外筒12を内筒13に対して軸線O1方向に案内して相対的に進退させるためのリニアガイド18が設けられている。さらに、外筒12には、他端12b側に、内面から径方向内側に突出し、他端12bから軸線O1方向一端12a側に向けて延びる凸部19が設けられている。また、この凸部19は、制振装置4のストローク量に応じた軸線O1方向の長さ寸法で形成されている。
内筒13は、所定長さの高軸剛性かつ高曲げ剛性の中空円筒体であって、支持板17の挿通孔に他端13b側から挿通して外筒12内に配設され、一端13a側を外筒12から外側に配して設けられている。また、このとき、内筒13は、その一端13aを、ボールねじ7を回転可能に軸支する軸受け11の外輪11aに固着し、内輪11bの内孔と互いの軸線O1が同軸上に配されるようにして設けられている。さらに、内筒13は、他端13bと外筒12の他端12bに固着された接続板15との軸線O1方向の間に所定の間隔(制振装置4のストローク量を規定する間隔)を設けて外筒12内に配設されている。
また、内筒13には、外筒12の支持板17から外側に延設された一端13aに、径方向外側に突出し、軸線O1方向に延び、リニアガイド18が係合して外筒12を内筒13に対して軸線O1方向に案内し相対回転せずに進退させるためのリニアガイドレール20が設けられている。さらに、内筒13には、その他端13bに、内筒13の外径よりも大きく、外筒12の内径よりも小さい直径を有する円板状の係止板21が固着されている。
また、内筒13の他端13b側には、内筒13の外径と略等しい内径を備え、外筒12の内径よりも僅かに小さい外径を備えて略円環状に形成されたストローク規定板22が、その中心孔に内筒13の他端13b側を挿通して取り付けられている。このストローク規定板22は、外筒12の内面に当接する外周ローラー22aと、内筒13の外面に当接する内周ローラー22bを備えている。そして、ストローク規定板22は、これらローラー22a、22bによって外筒12と内筒13のそれぞれに対し、相対的に軸線O1方向に進退自在に設けられている。また、このとき、ストローク規定板22は、外筒12の凸部19の軸線O1方向一端に当接することで、外筒12に対し、さらなる軸線O1方向他端12b側への移動が規制され、内筒13の係止板21に当接することで、内筒13に対し、さらなる軸線O1方向他端13b側への相対移動が規制されている。
次に、付加ばね機構6のばね部材(付加ばね)14は、内筒13の外面と外筒12の内面の間、且つストローク規定板22と支持板17の軸線O1方向の間に設けられている。本実施形態において、ばね部材14は、複数枚の皿バネが直列に重ねられた1組の皿バネ群を複数組軸線O1方向に並設して構成されている。なお、図3では軸線O1方向中間部分のばね部材14を省略して図示している。
これにより、ばね部材14による付勢力でストローク規定板22に軸線O1方向他端側に押圧する力が作用し、通常時には、この付勢力を受けたストローク規定板22が凸部19に当接してそれ以上軸線O1方向他端側に移動しないように設けられている。また、この状態で、ストローク規定板22に内筒13に設けられた係止板21が当接される。
そして、内筒13に対して外筒12が軸線O1方向一端側に相対変位する際には、すなわち、制振装置4に圧縮側の力が作用した際には、凸部19にストローク規定板22が押圧され、これとともに内筒13に対してストローク規定板22が軸線O1方向一端13a側に相対変位し、ばね部材14が縮む。また、内筒13に対して外筒12が軸線O1方向他端側に相対変位する際には、すなわち、制振装置4に引張側の力が作用した際には、係止板21にストローク規定板22が押圧され、これとともに外筒12に対してストローク規定板22が軸線O1方向一端12a側に相対変位し、ばね部材14が縮む。
これにより、本実施形態の付加ばね機構6は、ばね部材14が縮むことで外力を吸収するとともに圧縮力と引張力の双方の外力に対応できるように構成されている。
なお、ストローク規定板22や支持板17のばね部材14と当接する面や、外筒12の内面、内筒13の外面に硬質ゴム等の緩衝材が取り付け、付加ばね機構6の作動時に騒音(機械音)が発生したり、摩耗が生じることを防止するように構成してもよい。
そして、地震が発生し、一方の構造体1と他方の構造体2に相対振動(相対変位)が発生した際には、これに応じて回転慣性質量機構5のボールねじ7が軸線O1方向に進退し、軸受け11の内輪11bに支持されたボールナット8が回転するとともに回転錘9が回転する。これにより、回転錘9の実際の質量の数千倍もの慣性質量効果が得られ、オイルダンパーなどの従来の制振装置3を設置した場合と比較し、応答変位が大幅に低減することになる。
また、一方の構造体1と他方の構造体2に相対振動が発生し、回転慣性質量機構5によって慣性質量効果が発揮されるとともに、付加ばね機構6にも相対振動が作用する。そして、制振装置4に圧縮側の力が作用し、付加ばね機構6の内筒13に対して外筒12が軸線O1方向一端側に相対変位する際には、凸部19にストローク規定板22が押圧され、これとともに内筒13に対してストローク規定板22が軸線O1方向一端13a側に相対変位し、ばね部材14が縮む。また、制振装置4に引張側の力が作用し、内筒13に対して外筒12が軸線O1方向他端側に相対変位する際には、係止板21にストローク規定板22が押圧され、これとともに外筒12に対してストローク規定板22が軸線O1方向一端12a側に相対変位し、ばね部材14が縮む。
これにより、地震によって一方の構造体1と他方の構造体2に相対振動が発生した際に、付加ばね機構6のばね部材14が縮むことで圧縮と引張の双方で変位の一部が吸収される。よって、付加ばね機構6による振動吸収効果によって、制振構造物Bの一方の構造体1と他方の構造体2に高振動数域で過大な力が作用することが防止され、制振構造物Bの応答加速度が増大することを確実に防止できる。
すなわち、本実施形態の制振構造物Bにおいては、上記のように回転慣性質量機構5による慣性質量効果で応答変位を効果的に低減しつつ、付加ばね機構6で高振動数成分を吸収させる振動吸収効果で応答加速度の増大を防止できる。
ここで、中央にRCコア部(他方の構造体2)、その外周に住戸部(一方の構造体1)を備えた建物(制振構造物)に対し、RCコア部2と住戸部1を上記の回転慣性質量機構5と付加ばね機構6からなる制振装置4で連結した場合(本実施形態の制振構造物(制振建物)Bにした場合)の効果を確認するために行ったシミュレーションについて説明する。
図4、図5に示すように、本シミュレーションでは、約54m×42mの矩形平面を有するRC造31階建てのマンションを想定し、基準階の高さを3.25m、建物高さを約100mとしている。また、平面中央部の下から5階分に、機械式駐車場等を想定してRCコア部2を設けている。
次に、外周住戸部1の解析モデルは、弾性曲げせん断直列多質点系モデルとし、外周部のみの1次固有周期を2.5秒、総重量を約55000tonとしている。また、中央のコア部2の解析モデルは、5質点系弾性曲げせん断直列多質点系モデルとし、コア部2のみの1次固有周期を0.2秒としている。また、上記の住戸部1とコア部2は、コア部R階(下から5質点目)とその下の階(下から4質点目)に制振装置3、4を設けて連結するようにした。
次に、本シミュレーションでは、4つの検討ケースについてシミュレーションを行い、その結果を比較した。
ケース1は、住戸部1とコア部2を制振装置3、4で連結しない非連結ケースとした。
ケース2は、住戸部1とコア部2の下から5質点目のみを剛バネで連結し、住戸部1とコア部2を床位置で一体化(剛床)した。
ケース3は、住戸部1とコア部2の下から5質点目をオイルダンパー(従来の制振装置3)4台で連結し、さらに住戸部1とコア部2の下から4質点目をオイルダンパー(従来の制振装置3)4台で連結した。
ケース4は、住戸部1とコア部2の下から5質点目を慣性質量ダンパー(本実施形態の制振装置4)4台で連結し、さらに住戸部1とコア部2の下から4質点目をオイルダンパー(従来の制振装置3)4台で連結した。
ここで、オイルダンパーは、1台あたり、減衰係数C=170kN・s/cm(ダッシュポットでモデル化)とした。また、慣性質量ダンパーの1台あたりの諸元は、慣性質量ψ=6000ton、減衰係数Cψ=12kN・s/cm、付加ばねK=592kN/cmとした。
なお、上記のいずれのダンパーも実製品をイメージしており、本来リリーフによる非線形性状を示すが、本シミュレーションでは初期特性による線形解析にて検討を行った。また、上記のオイルダンパー、慣性質量ダンパーは、いずれも実製品では概ねリリーフ荷重が1000〜1500kN程度である。さらに、建物の固有周期(2.5秒)にて定常正弦波振動をしている場合の抵抗力は、オイルダンパーがF=427×X(Xはダンパーの変位)に対して慣性質量ダンパーがF=379×Xであり、概ね同等の容量を有する。
次に、各ケースのシミュレーションの結果を図6に示す。図6は、外周の住戸部最上階における地動変位に対する基礎からの相対応答変位(図6(a))、及び地動加速度に対する絶対応答加速度(図6(b))の周波数伝達関数を示している。なお、図6の横軸は振動数Hz、縦軸は応答倍率を示している。
この結果から、非連結のケース1に対して、剛性バネ連結のケース2は曲線のピークが若干高周波側に移動しているが、応答低減効果はほとんどないことが確認された。オイルダンパーを設置したケース3は曲線のピークが低減することが確認された。慣性質量ダンパーを設置したケース4は、曲線のピークが2山化してケース3よりもさらに低減し、最も応答低減効果が大きくなることが確認された。
したがって、本実施形態の制振構造物Bにおいては、一方の構造体1と他方の構造体2を連結する制振装置4が回転慣性質量機構5を備えていることにより、連結部における制振装置3、4の設置台数を少なくして優れた制振性能(応答低減効果)を得ることが可能になる。
また、一方の構造体1と他方の構造体2の床位置に制振装置4を設置するようにしたことで、制振装置3、4を設置するにあたり、層間に設ける壁や斜材のように平面計画に制約が生じることをなくすことができる。
さらに、このとき、高さが大きい方の構造体に対して小さい方の構造体が2割以下の高さであることにより、低層集中連結制振構造にすることができ、オイルダンパー等を用いた従来の制振構造物Aでは実現できなかった大きな応答低減効果を得ることが可能になる。
また、減衰のみでは大きな減衰を付与すると高振動数域での加速度が増大してしまうが、回転慣性質量機構5と付加ばね機構6を直列配置した付加制振系を採用することで、小さな慣性質量でも同調型制振機構とすることができ、高振動数域での加速度応答を低減することが可能になる。
以上、本発明に係る制振構造物の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 一方の構造体
2 他方の構造体
3 従来の制振装置
4 制振装置
5 回転慣性質量機構
6 付加ばね機構
7 ボールねじ
7a 一端
8 ボールナット
9 回転錘
10 連結部材
11 軸受け
11a 外輪
11b 内輪
12 外筒
12a 一端
12b 他端
13 内筒
13a 一端
13b 他端
14 付加ばね(ばね部材)
15 接続板
16 連結部材
17 支持板
18 リニアガイド
19 凸部
20 リニアガイドレール
21 係止板
22 ストローク規定板
22a 外周ローラー
22b 内周ローラー
A 従来の制振構造物
B 制振構造物
O1 制振装置の軸線

Claims (3)

  1. 一方の構造体と他方の構造体とを複数の制振装置で連結してなる制振構造物において、
    少なくとも一部の前記制振装置が、慣性質量効果で応答変位を低減させる回転慣性質量機構を備えるとともに、ばね部材の伸縮によって応答変位を低減させる付加ばね機構を前記回転慣性質量機構に直列に連結して構成されていることを特徴とする制振構造物。
  2. 請求項1記載の制振構造物において、
    前記一方の構造体と前記他方の構造体の床位置に前記制振装置を配置して、前記一方の構造体と前記他方の構造体が連結されていることを特徴とする制振構造物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の制振構造物において、
    前記一方の構造体と前記他方の構造体は、高さが大きい方の構造体に対して高さが小さい方の構造体の高さが前記高さが大きい方の構造体の高さの2割以下であることを特徴とする制振構造物。
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