JP2017145621A - 免震構造物 - Google Patents

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祥江 小槻
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Abstract

【課題】確実且つ効果的に応答低減を可能にした免震構造物を提供する。【解決手段】それぞれ免震装置で支持され、自立して構築される一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を備え、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量装置1を介して連結する。【選択図】図1

Description

本発明は、免震建物などの免震構造物に関する。
積層ゴム支承などの免震装置で支持することにより免震性能を付与した免震建物(免震構造物)は、地震時の建物の応答加速度を大きく低減できることから、被災直後も建物機能を維持し、事業継続あるいは災害拠点としての働きを期待できる(例えば、特許文献1参照)。このような被災後の機能維持を性能目標とした高耐震性の免震建物の需要は今後ますます高まり、且つその耐震性能もより高いものが求められる。
一方、主に制振構造に採用されている慣性質量ダンパーは、錘質量によって大きな慣性質量を与え、ダンパーに生じる相対加速度に応じた反力を発生する(例えば、特許文献2参照)。この慣性質量ダンパーを免震層に設けるなどし、慣性質量ダンパーの特性を免震建物に付与すると、長周期化と変位の抑制効果を期待することができる。
特開2010−203192号公報 特開2003−56204号公報
しかしながら、上記のように慣性質量ダンパーを免震層に適用した場合には、高振動数領域での加速度が増大することから、短周期成分を多く含むような地震動に対しては、応答加速度を増大させ、免震効果を低下させてしまうおそれがある。したがって、免震建物へ慣性質量ダンパーを適用するために高振動数領域での応答加速度の増加を防ぎながらダンパーの性能を効果的に発揮させる手法の開発が強く求められていた。
本発明は、上記事情に鑑み、確実且つ効果的に応答低減を可能にした免震構造物を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の免震構造物は、それぞれ免震装置で支持され、自立して構築される一方の免震構造体と他方の免震構造体を備え、前記一方の免震構造体と前記他方の免震構造体が慣性質量装置を介して連結されていることを特徴とする。
また、本発明の免震構造物においては、前記一方の免震構造体と前記他方の免震構造体が慣性質量装置及び減衰装置を介して連結されていることが望ましい。
さらに、本発明の免震構造物においては、前記慣性質量装置の量が、T/T=0.68〜1.19、且つm/m=0.1〜0.8の範囲で設定されていることがより望ましい。
ここで、mは一方の免震構造体の質量、mは他方の免震構造体の質量、Kは一方の免震構造体の免震層剛性、Kは他方の免震構造体の免震層剛性であり、T、Tを下記の式(2)、式(3)によって算出し、下記の式(1)を満たす範囲で慣性質量mを設定する。
Figure 2017145621
Figure 2017145621
Figure 2017145621
また、本発明の免震構造物において、前記減衰装置は、応答速度1.0m/sの時の荷重FCdが下記の式(4)を満たすように減衰係数を設定したものであることが望ましい。
Figure 2017145621
ここで、Fmdは慣性質量装置の応答加速度1.0m/s時の荷重である。
さらに、本発明の免震構造物においては、前記減衰装置がオイルダンパーであり、該オイルダンパーの容量が500〜4000kN/(m/s)であることが望ましい。
本発明の免震構造物においては、一方の免震構造体と他方の免震構造体を慣性質量装置で連結したり、慣性質量装置及び減衰装置で連結することにより、応答低減対象である一方の免震構造体の加速度と変位の応答値をともに抑制することが可能になる。
また、慣性質量装置、慣性質量装置及び減衰装置を免震構造体間の連結要素として用いることにより、免震層に設置した場合に生じる高振動数領域での加速度上昇がなくなり、一方の免震構造体の変位を効果的に抑制することが可能になる。
よって、本発明の免震構造物によれば、確実且つ効果的に応答低減が可能な免震構造物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る免震構造物を示す図である。 図1のX1−X1線矢視図である。 慣性質量ダンパーの一例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る免震構造物の解析モデルを示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル1による一方の免震構造体と他方の免震構造体の伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル1の慣性質量ダンパー量の違いによる伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル2の慣性質量ダンパー量の違いによる伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル1の連結位置の違いによる伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル2のダンパーの違いによる伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション(時刻歴応答解析)で用いた入力地震動の応答スペクトルを示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル1の時刻歴応答解析結果を示す図である。 本発明の第1実施形態のシミュレーション結果であり、モデル2の時刻歴応答解析結果を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る免震構造物の変更例を示す図である。 図13のX1−X1線矢視図である。 本発明の第2実施形態に係る免震構造物を示す図である。 図15のX1−X1線矢視図である。 本発明の第2実施形態に係る免震構造物の解析モデルを示す図である。 本発明の第2実施形態のシミュレーション結果であり、一方の免震構造体と他方の免震構造体の伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態のシミュレーション結果であり、オイルダンパー量の違いによる伝達関数の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態のシミュレーション(時刻歴応答解析)で用いた入力地震動の応答スペクトルを示す図である。 本発明の第2実施形態のシミュレーション結果であり、時刻歴応答解析結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る免震構造物の変更例を示す図である。 図22のX1−X1線矢視図である。
以下、図1から図12を参照し、本発明の第1実施形態に係る免震構造物について説明する。
本実施形態の免震構造物Aは、免震建物であり、図1及び図2に示すように、それぞれ自立して隣り合う一方の免震構造体(一方の免震建物)A1と他方の免震構造体(他方の免震建物)A2を並設し、両者を慣性質量ダンパー(慣性質量装置)1で連結し、主要建物である一方の免震構造体A1の地震時の応答を効果的に低減するように構成されている。
また、一方の免震構造体A1、他方の免震構造体A2は、建物基礎部に免震層2を持つ基礎免震構造で構成され、各免震構造体A1、A2の免震層2は、任意の免震支承と減衰装置により構成されている。
例えば、免震支承としては積層ゴム、すべり支承、リニアスライダーのいずれか、もしくは複数を併用し、減衰装置としてはオイルダンパー、鉛ダンパー(積層ゴムに内包するLRBを含む)、鋼材ダンパー、摩擦ダンパーのいずれか、もしくは複数を併用することが好ましい。
さらに、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の免震周期は一致しないようにする。
また、免震周期Tは、以下の式(5)で算出される値とする。なお、mは免震構造体(建屋)の質量、Kは免震層剛性である。
Figure 2017145621
両免震構造体A1、A2ともに、免震層上部の構造体(上部構造)の各層の剛性は各々の免震層剛性の10倍以上とする。
一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を連結する慣性質量ダンパー1は、例えば、図3に示すように、軸線O1方向両端部に設けられ、一方がボールジョイントである取付部材3と、ボールねじ4と、ボールねじ4を軸線O1周りに回転可能に支持する軸受け5と、ボールねじ4に螺着したボールナット6と、ボールナット6に取り付けられた回転錘7と、付加ばね8と、押し付けばね9と、摩擦板10などが主な構成要素とされている。
なお、図3に示した慣性質量ダンパー1はあくまで一例であり、本発明に係る慣性質量装置は他の構成を備えたものであってもよい。
また、本実施形態の慣性質量ダンパー1は、慣性質量mを以下の式(6)の条件を満たす範囲で設定する。ここで、T、Tは式(7)、式(8)による。また、mは一方の免震構造体A1の建屋質量、mは他方の免震構造体A2の建屋質量、Kは一方の免震構造体A1の免震層剛性、Kは他方の免震構造体A2の免震層剛性である。
Figure 2017145621
Figure 2017145621
Figure 2017145621
また、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の連結位置(慣性質量ダンパー1の設置位置)は、両免震構造体A1、A2とも免震層2より上層の任意の位置でよいが、できる限り最上階付近が望ましい。
ここで、図4に示す連結振動モデルを用いて、伝達関数と時刻歴応答解析による検討を行うことにより、本実施形態の免震構造物Aの応答低減効果を確認したシミュレーションについて説明する。
まず、解析モデルを次のように設定した。
モデル1は、一方の免震構造体A1、他方の免震構造体A2ともに5質点のせん断モデルであり、任意の層を慣性質量ダンパー1で連結した。
モデル2は、一方の免震構造体A1が10質点、他方の免震構造体A2が5質点のせん断モデルであり、任意の層を慣性質量ダンパー1で連結した。
モデル1、モデル2ともに、最下層は免震層2である。
よって、KはK〜K10に比較して1/10以下の小さな値とし、Cは減衰定数(=C/(2ωΣM’):ωは一方の免震構造体の1次固有円振動数)であり、0.15〜0.3程度の値をとる。
同様に、kはk〜kに比較して1/10以下の小さな値とし、cは減衰定数(=c1/(2ωΣm’):ωは他方の免震構造体の1次固有円振動数)で0.15〜0.3程度の値をとる。
そして、表1、表2に、解析検討に用いたモデル1、モデル2の諸元をそれぞれ示す。
これらの表に示す通り、両免震構造体A1、A2とも、免震層2より上層の部分(上部構造)は1%の剛性比例型減衰を有する。
Figure 2017145621
Figure 2017145621
次に、伝達関数に関するシミュレーション結果を示す。
図5は、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2について、3ケースの伝達関数を示している。
CASE1は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立して建っている場合であり、加速度、変位ともに各免震周期にピークが見られる。
CASE2は一方の免震構造体A1の免震層2に1000tの慣性質量ダンパー1を設置した場合である。
このように免震層2に慣性質量ダンパー1を用いたCASE2では、1次固有周期の長周期化と低振動数領域での応答低減効果があるが、高振動数領域で加速度応答が増大することが確認された。
CASE3は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の最上階を1000tの慣性質量ダンパー1で連結した場合である。
このように免震構造体A1、A2間を慣性質量ダンパー1で連結したCASE3では、一方の免震構造体A1がCASE2のような高振動数領域での加速度増大が生じず、加速度と変位の最大応答値がともに抑制されることが確認された。
図6はモデル1において慣性質量ダンパー1の量を500t〜5000t(T/T=0.88〜1.30、m/m=0.1〜1.0)まで変化させた場合の伝達関数を示している。なお、図6中には、比較のため、慣性質量ダンパー0t(一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立した状態)の伝達関数も示している。
この図6から、慣性質量ダンパー量を増加させると、一方の免震構造体A1は、加速度、変位ともに0.3Hz付近の応答が増加し、それ以下の振動数領域の応答が低減する傾向が確認された。また、他方の免震構造体A2は、ピーク値は大きく変動しないが、長周期の応答が大きくなる傾向が確認された。
応答低減対象である一方の免震構造体A1の応答値は、慣性質量ダンパー500t〜5000tの範囲において、各免震構造体A1、A2が独立の場合よりも最大応答値を低減できることが確認された。
但し、慣性質量が3000tより大きい範囲では一方の免震構造体A1の応答特性の変化が小さくなることが確認された。このことから、モデル1の場合、慣性質量は500t〜3000t程度(T/T=0.88〜1.19、m/m=0.1〜0.6)が適量であると言える。
図7は、モデル2において慣性質量ダンパー1の量を1000t〜12000t(T/T=0.68〜0.81、m/m=0.1〜1.2)まで変化させた場合の伝達関数を示している。図7中には、比較のため、慣性質量ダンパー0t(一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立した状態)の伝達関数も示している。
慣性質量ダンパー量を増加させると、一方の免震構造体A1は0.2〜0.3Hz間の加速度、変位の応答が増加し、それ以下の振動数領域の応答が低減する傾向が確認された。また、他方の免震構造体A2は、0.3Hzより小さい範囲の応答が大きくなる傾向が確認された。
また、応答低減対象である一方の免震構造体A1の応答値は、慣性質量ダンパー1000t〜12000tの範囲において、各免震構造体A1、A2が独立の場合よりも最大応答値を低減できることが確認された。
但し、慣性質量が8000tより大きい範囲では一方の免震構造体A1の応答特性の変化が小さくなることが確認された。このことから、モデル2の場合、慣性質量は1000t〜8000t程度(T/T=0.68〜0.76、m/m=0.1〜0.8)が適量であると言える。
そして、以上のシミュレーション結果から、連結用の慣性質量ダンパー量はT/T=0.68〜1.19、且つm/m=0.1〜0.8の範囲で設定することが適当であると言える。
次に、図8は、モデル1において慣性質量ダンパー1の連結位置を変化させた場合の伝達関数を示している。図8中には、比較のため、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A1を連結していない場合の伝達関数も示している。
この図8から、一方の免震構造体A1は、連結位置が下層になるほどに、最大応答値がやや増加する傾向があるが、その増加量は小さく、いずれの場合も一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を連結しない場合よりも最大応答値が小さくなることが確認された。但し、図8中のM−mやM−mのケースでは一方の免震構造体A1の1Hz付近の加速度応答が、連結しない場合よりもやや大きくなっている。
他方の免震構造体A2は、1Hz以上の振動数領域で伝達関数の変化が生じているが、最大応答値については連結位置による大きな違いがないことが確認された。
以上の結果から、慣性質量ダンパー1による連結位置は免震階から最上階までの任意の位置で応答低減効果を得られるが、より効果的な応答低減には最上階付近にすることが望ましいと言える。
図9は、モデル2において連結用ダンパーをオイルダンパーとした場合の伝達関数を示している。図9中には、比較のため、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を連結していない場合、及び2000tの慣性質量ダンパー1で連結した場合の伝達関数も示している。
図9から、オイルダンパーで連結した場合、応答低減対象である一方の免震構造体A1の応答はダンパー量を増やすほど、加速度、変位ともにピーク値が低減する。但し、0.2〜0.3Hzの範囲では、慣性質量ダンパー1による連結の方が効率的(効果的)に応答を低減できる。
次に、時刻歴応答解析のシミュレーション結果を示す。
図10は、時刻歴応答解析に用いた入力地震動の応答スペクトルを示している。EL CENTROは50cm/sに基準化して入力した。
なお、EL CENTROは1秒以下の短周期成分を多く含み、告示関東は1秒以下から長周期領域にかけてフラットな速度応答スペクトルであり、SZ2は1〜4秒の長周期領域のエネルギーが大きいという特性がある。
図11、図12は、モデル1、モデル2の時刻歴応答解析の結果であり、最大応答加速度と最大応答変位をそれぞれ示している。
なお、図11のCASE1−1と図12のCASE2−1は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立している場合、図11のCASE1−2と図12のCASE2−2は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1で連結した場合、図11のCASE1−3と図12のCASE2−3は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2をオイルダンパーで連結した場合の応答をそれぞれ示している。
本シミュレーションの時刻歴応答解析では、慣性質量ダンパーとオイルダンパーがリリーフ機構を有するものとした。また、時刻歴応答解析に用いたダンパーの諸元は表3に示す通りである。
Figure 2017145621
図11及び図12から、応答低減対象である一方の免震構造体A1の応答値に注目すると、短周期成分を多く含むEL CENTROを入力した場合、慣性質量ダンパー1を免震層2に設置することにより応答加速度の増加を招くことが確認された。
この一方で、図11(a)、図12(a)より、免震構造体A1、A2間を慣性質量ダンパー1で連結することにより、短周期成分の多いEL CENTROを入力しても加速度の増大が生じず、変位をやや低減できることが確認された。
また、告示関東、SZ2を入力した場合には、免震構造体A1、A2間を慣性質量ダンパー1又はオイルダンパーで連結することにより、独立の場合に比べて変位の応答を抑制できることが確認された。
さらに、慣性質量ダンパー1で連結したケースと、オイルダンパーで連結したケースを比較すると、慣性質量ダンパー1で連結したケースの方が加速度の低減の効果が大きく、図12(b)のモデル2の告示関東入力のケース以外は、慣性質量ダンパー1で連結した方が変位の抑制効果も大きくなることが確認された。
したがって、本実施形態の免震構造物Aにおいては、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1で連結することにより、応答低減対象である一方の免震構造体A1の加速度と変位の応答値をともに抑制することが可能になる。
また、慣性質量ダンパー1を免震構造体A1、A2間の連結要素として用いることにより、免震層2に設置した場合に生じる高振動数領域での加速度上昇がなくなり、一方の免震構造体A1の変位を効果的に抑制することが可能になる。
さらに、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2をオイルダンパーで連結する場合と比較して、加速度の低減効果が大きく、変位の低減効果もオイルダンパーと同等かそれ以上にすることが可能になる。
また、高さ方向の連結位置は、両免震構造体A1、A2間の任意の位置でよく、建築計画に合わせた設置が可能である。さらに、免震装置及び慣性質量ダンパー1の設置位置は、免震層2と連結部に限られるので、多数のダンパーを複数層に設置する制振構造と比べ、建物の建築計画を阻害せず、点検作業もしやすくなる。これにより、耐震性能を向上させつつ設計自由度を高くすることができる。
以上、本発明に係る免震構造物の第1実施形態について説明したが、本発明は上記の第1実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図13及び図14に示すように、一方の免震構造体A1を囲繞するように他方の免震構造体A2を設けて免震構造物Aが構成されていてもよく、この場合においても、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1で連結すれば、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
次に、図15から図21を参照し、本発明の第2実施形態に係る免震構造物について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の免震構造物Aは、免震建物であり、図15及び図16に示すように、それぞれ自立した一方の免震構造体(一方の免震建物)A1と他方の免震構造体(他方の免震建物)A2を並設し、両者を慣性質量ダンパー(慣性質量装置)1とオイルダンパー(減衰装置)11で連結し、主要建物である一方の免震構造体A1の地震時の応答を効果的に低減するように構成されている。
なお、本発明に係る減衰装置は建物に作用した地震エネルギー(振動エネルギー)を減衰させることが可能であればよく、必ずしもオイルダンパーに限定しなくてもよい。
また、一方の免震構造体A1、他方の免震構造体A2は、建物基礎部に免震層2を持つ基礎免震構造で構成され、各免震構造体A1、A2の免震層2は、任意の免震支承と減衰装置により構成されている。
一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の免震周期は一致しないようにする。また、免震周期Tは、第1実施形態で示した前述の式(5)で算出される値とする。さらに、両免震構造体A1、A2ともに、免震層2の上部の構造体(上部構造)の各層の剛性は各々の免震層剛性の10倍以上とする。
さらに、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を連結する慣性質量ダンパー1は、第1実施形態と同様、慣性質量mを前述の式(6)の条件を満たす範囲で設定する。
一方、オイルダンパー11の容量は次のように設定する。
慣性質量ダンパー1の応答加速度1.0m/s時の荷重をFmdとして、オイルダンパー11が応答速度1.0m/sの時の荷重FCdが以下の式(9)を満たすように減衰係数を設定する。なお、オイルダンパー11の減衰特性は速度に対して線形でも非線形でもよい。
Figure 2017145621
慣性質量ダンパー1の設置高さ位置(慣性質量ダンパー1による一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の連結位置)は、両免震構造体A1、A2とも免震層2より上層の任意の位置でよいが、できる限り最上階付近が望ましい。
オイルダンパー11の設置高さ位置(オイルダンパー11による一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2の連結位置)は、両免震構造体A1、A2とも免震層2より上層の任意の位置でよく、慣性質量ダンパー1の連結位置と一致させてもよいし、別々の連結位置としてもよい。
ここで、第1実施形態と同様に、図17に示す連結振動モデルを用いて、伝達関数と時刻歴応答解析による検討を行うことにより、本実施形態の免震構造物Aの応答低減効果を確認したシミュレーションについて説明する。
まず、解析モデルを次のように設定した。
一方の免震構造体A1が10質点、他方の免震構造体A2が5質点のせん断モデルであり、任意の層を慣性質量ダンパー1、オイルダンパー11で連結した。最下層は免震層2である。
よって、KはK〜K10に比較して1/10以下の小さな値とし、Cは減衰定数(=C/(2ωΣM’):ωは一方の免震構造体A1の1次固有円振動数)であり、0.15〜0.3程度の値をとる。
同様に、kはk〜kに比較して1/10以下の小さな値とし、cは減衰定数(=c1/(2ωΣm’):ωは他方の免震構造体A2の1次固有円振動数)で0.15〜0.3程度の値をとる。
そして、解析検討に用いたモデルの諸元は第1実施形態と同様(表3、表2参照)であり、両免震構造体A1、A2とも、免震層2より上層の部分(上部構造)は1%の剛性比例型減衰を有するものとした。
次に、伝達関数に関するシミュレーション結果を示す。
図18は、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2について、6ケースの伝達関数を示している。
「連結なし」は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立して建っている場合であり、加速度、変位ともに各免震周期にピークが見られる。
「DS」は一方の免震構造体A1のMと他方の免震構造体A2のmを2000tの慣性質量ダンパー1で連結した場合である。免震構造体A1、A2間を慣性質量ダンパー1で連結すると、一方の免震構造体A1の高振動数領域での加速度増大が生じず、加速度と変位の最大応答値がともに抑制されることが確認された。
「OD5F」は一方の免震構造体A1のMと他方の免震構造体A2のmを2000kN/(m/s)のオイルダンパー11で連結した場合である。免震構造体A1、A2間をオイルダンパー11で連結すると、一方の免震構造体A1の1次固有振動数のピーク値が抑えられることが確認された。但し、「DS」のケースのように、一方の免震構造体A1を長周期化する効果は確認できない。
「DS+OD5F」、「DS+OD3F」、「DS+OD1F」は、一方の免震構造体A1のMと他方の免震構造体A2のmを2000tの慣性質量ダンパー1で連結し、「DS+OD5F」はM5とm5、「DS+OD3F」はM3とm3、「DS+OD1F」はM1とm1をそれぞれオイルダンパー11で連結した場合である。
慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11を併用することで、1次固有周期の長周期化とピーク値の抑制が図れ、一方の免震構造体A1の応答が加速度、変位ともに効果的に抑えられることが確認された。また、他方の免震構造体A2についても慣性質量ダンパー1のみでの連結の場合よりも応答を抑えることができた。
オイルダンパー11の連結位置の違いによる伝達関数の大きな変化はないが、連結位置が下層になるほど、1Hz付近のピーク値がやや小さくなることが確認された。
次に、図19は、オイルダンパー11の量を500〜8000kN/(m/s)まで変化させた場合の伝達関数を示している。
なお、図19中には、比較のため、「連結なし」(一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立)の場合と、「DS」(一方の免震構造体A1のMと他方の免震構造体A2のmを2000tの慣性質量ダンパー1で連結)の場合の伝達関数も示している。
また、オイルダンパー11は一方の免震構造体A1のMと他方の免震構造体A2のmを連結するように設置している。
この図19より、オイルダンパー量を増加させると、一方の免震構造体A1は1次固有周期が短周期化しながら、4000kN/(m/s)までは加速度、変位ともに応答のピーク値が下がっていくことが確認された。また、40000kN/(m/s)を超えると、加速度、変位ともにピーク値が上昇し始めることが確認された。
この結果から、連結するオイルダンパー11の容量は、500〜4000kN/(m/s)が適当であることが確認された。
また、併用する慣性質量ダンパー1の容量が2000t(1.0m/s時の荷重Fmd=2000kN)であるため、減衰係数500〜4000kN/(m/s)の1.0m/s時の荷重FCd(=500〜4000kN)は、0.25〜2.0Fmdに相当する。
次に、時刻歴応答解析のシミュレーション結果を示す。
図20は、時刻歴応答解析に用いた入力地震動の応答スペクトルを示している。EL CENTROは50cm/sに基準化して入力した。
なお、EL CENTROは1秒以下の短周期成分を多く含み、告示関東は1秒以下から長周期領域にかけてフラットな速度応答スペクトルであり、OS2は1秒以上の長周期領域のエネルギーが非常に大きいという特性がある。
図21は、時刻歴応答解析結果であり、最大応答加速度と最大応答変位をそれぞれ示している。
CASE1は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2が独立している場合、CASE2は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11で連結した場合、CASE3は一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1のみで連結した場合の応答をそれぞれ示している。
本シミュレーションの時刻歴応答解析では、慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11がリリーフ機構を有するものとした。また、時刻歴応答解析に用いたダンパーの諸元は前述の表3に示す通りである。
図21から、応答低減対象である一方の免震構造体A1の応答値に注目すると、短周期成分を多く含むEL CENTROを入力した場合、慣性質量ダンパー1を免震層2に設置することにより応答加速度の増加を招くことが確認された。
この一方で、図21(a)より、免震構造体A1、A2間に慣性質量ダンパー1を用いることで短周期成分の多いEL CENTROを入力しても加速度の増大が生じず、変位をやや低減できることが確認された。加えて、CASE2は免震構造体A1、A2間にオイルダンパー11を併用することによって最上階の加速度を慣性質量ダンパー1のみを用いたCASE3よりも低減できることが確認された。
また、告示関東、OS2を入力した場合には、免震構造体A1、A2間を慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11の両方で連結することにより、加速度応答が慣性質量ダンパー1のみで連結したケースと同程度に低減できることが確認され、且つ変位応答が独立の場合や慣性質量ダンパー1のみでの連結の場合に比べて大きく低減できることが確認された。
特に、図21(c)のように、OS2を入力した際に、独立の場合が728mmという大きな免震層変位となるのに対し、CASE2の慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11を連結した場合には429mmまで低減でき、OS2のような長周期領域に大きなエネルギーを持つ地震動に対して効果的な応答低減効果が得られることが確認された。
したがって、本実施形態の免震構造物Aにおいては、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11で連結することにより、応答低減対象である一方の免震構造体A1の加速度と変位の応答値をともに抑制することが可能になる。
また、慣性質量ダンパー1を免震構造体A1、A2間の連結要素として用いることにより、免震層2に設置した場合に生じる高振動数領域での加速度上昇がなくなり、一方の免震構造体A1の変位を効果的に抑制することが可能になる。
さらに、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1のみで連結する場合と比較して、加速度の低減効果は同等であるが、変位の低減効果が大きくなる。
また、慣性質量ダンパー1、オイルダンパー11ともに、高さ方向の連結位置は、両免震構造体A1、A2間の任意の位置でよく、建築計画に合わせた設置が可能である。さらに、免震装置及び慣性質量ダンパー1、オイルダンパー11の設置位置は、免震層2と連結部に限られるので、多数のダンパーを複数層に設置する制振構造と比べ、建物の建築計画を阻害せず、点検作業もしやすくなる。これにより、耐震性能を向上させつつ設計自由度を高くすることができる。
以上、本発明に係る免震構造物の第2実施形態について説明したが、本発明は上記の第2実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図22及び図23に示すように、一方の免震構造体A1を囲繞するように他方の免震構造体A2を設けて免震構造物Aが構成されていてもよく、この場合においても、一方の免震構造体A1と他方の免震構造体A2を慣性質量ダンパー1とオイルダンパー11で連結すれば、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
1 慣性質量ダンパー(慣性質量装置)
2 免震層
3 取付部材
4 ボールねじ
5 軸受け
6 ボールナット
7 回転錘
8 付加ばね
9 押し付けばね
10 摩擦板
11 オイルダンパー(減衰装置)
A 免震構造物
A1 一方の免震構造体(免震建物)
A2 他方の免震構造体(免震建物)
O1 軸線

Claims (5)

  1. それぞれ免震装置で支持され、自立して構築される一方の免震構造体と他方の免震構造体を備え、前記一方の免震構造体と前記他方の免震構造体が慣性質量装置を介して連結されていることを特徴とする免震構造物。
  2. 請求項1記載の免震構造物において、
    前記一方の免震構造体と前記他方の免震構造体が慣性質量装置及び減衰装置を介して連結されていることを特徴とする免震構造物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の免震構造物において、
    前記慣性質量装置の量が、T/T=0.68〜1.19、且つm/m=0.1〜0.8の範囲で設定されていることを特徴とする免震構造物。
    ここで、mは一方の免震構造体の質量、mは他方の免震構造体の質量、Kは一方の免震構造体の免震層剛性、Kは他方の免震構造体の免震層剛性であり、T、Tを下記の式(2)、式(3)によって算出し、下記の式(1)を満たす範囲で慣性質量mを設定する。
    Figure 2017145621
    Figure 2017145621
    Figure 2017145621
  4. 請求項2または請求項3に記載の免震構造物において、
    前記減衰装置は、応答速度1.0m/sの時の荷重FCdが下記の式(4)を満たすように減衰係数を設定したものであることを特徴とする免震構造物。
    Figure 2017145621
    ここで、Fmdは慣性質量装置の応答加速度1.0m/s時の荷重である。
  5. 請求項2または請求項3に記載の免震構造物において、
    前記減衰装置がオイルダンパーであり、該オイルダンパーの容量が500〜4000kN/(m/s)であることを特徴とする免震構造物。
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