JP6709600B2 - 多層免震構造物 - Google Patents
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Description
特許文献1には、建物を層方向に分断して複数の単位構造物を形成し、形成された単位構造物と単位構造物の間に積層ゴムなどの免震装置を介在させた多層階の建物について記載されている。また、特許文献2にも、特許文献1と同様の多層免震構造物が開示されている。
特許文献3には、多層階建物の底面側及び天面側の両面に免震機能を付加した建物の免震工法が開示されていて、天面側の免震機能はTMDで構成されている。また、建物の上部の一部をTMDとする技術も実用化されている。
すなわち、上述した特許文献1及び特許文献2では、多層階を層方向に複数の単位構造物に区分し、その区分された上下間に免震装置を介在させているので、多くの免震装置を必要となっていた。そのため、コストが増大するとともに、免震装置が増加する分だけ保守点検作業が増えて手間がかかるという欠点があった。
一般に、従来のTMDによる制振は、主に風応答や中小地震を対象に、居住性の向上を目的に用いられている。これはTMDを建物に設置する場合、錘の質量や駆動範囲が制約されるため、主構造に対する質量比は、0.5〜10%程度であり、比較的小さな振動にしか対応できないという欠点があった。
また、本発明では、中間免震層より上層のTMD部は、応答加速度を抑えることができるので、地震の揺れによる行動への支障が少ない範囲まで応答を低減することが可能となる。さらに、中間免震層の変形も低減できるから、エレベータなどの貫通要素に対しては、適切にクリアランスをとることで対応することが可能となる。
また、本発明の多層免震構造物によれば、主構造部に対する質量比が10%以上となる大容量化が可能となるので、従来のような中小地震を対象にしたTMDを設置した建物に比べて大きな振動に対応することができる。
したがって、本発明では、長周期長時間地震動に対する超高層建物の応答について、建物の機能を維持しつつ、室内の被害を減少でき、さらに在館者に恐怖心を与えない程度に揺れを減少させることができる。
主構造部10の階数分とTMD部11の階数分の例については詳しくは後述するが、TMD部11の容量が主構造部10に対して10%以上の大容量、かつ大質量となっている。つまり、従来の一般的なTMDにおいて主構造に対する質量比が0.5〜10%であるので、本実施の形態のTMD部11は、従来のTMDとは異なったTMDをなしている。
慣性質量ダンパとしては、回転錘、ボールネジ及びボールナットを含んで構成されるダイナミックスクリュー(登録商標)等の周知のものを用いることができる。
図2は、主構造部10の質量をm1、TMD部11の質量をm2とした2質点モデルを示す図である。ここで、xは絶対変位、aは加速度、Kは剛性、hは減衰定数、wは振動数を表している。なお、図3及び図4中のμは、質量比(m1/m2)を表している。
そして、図4(a)は、主構造部10とTMD部11との質量比μが1.0の場合の主構造部10の加速度応答を示し、図4(b)は、その質量比μが1.0の場合のTMD部11の加速度応答を示している。
そして、中間免震層30の特性を設定する際には、以下の(1)〜(5)の事項が考慮される。
(2)基礎免震層20と中間免震層30を有する建物を等価な2質点モデルに置き換えて、減衰系に対するH∞最適化の近似解より中間免震層30の剛性と減衰を設定すること。
(3)等価2質点モデルに置き換える際、下部質点の振動特性には、TMD部11の同調対象とする振動モードの特性を用いること。
(4)想定される入力地震動が、1秒以下の短周期成分が卓越するような地震動の場合、2次モードを同調対象とすることで建物全体の応答加速度を抑制できること。
(5)想定される入力地震動が、1秒より長い長周期成分を多く含むような地震動の場合、1次モードを同調対象とすることで建物全体の応答加速度を抑制できること。
図9はEL CENTRO NS波50cm/s入力の場合で、図9(a)は22F以上をTMD部11とする場合の最大応答加速度(Gal)、図9(b)は22F以上をTMD部11とする場合の最大応答変位(cm)を示している。
また、図10(a)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答加速度(gal)、図10(b)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答変位(cm)を示している。
また、 免震2次同調により、中間免震層30の下部の加速度も大きくならず、中間免震層30の上部の加速度が免震のみよりも抑えられ、また、中間免震層30の変位も小さいことが分かる。これにより、2次同調が効果的であることが確認された。
また、図12(a)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答加速度(Gal)、図12(b)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答変位(cm)を示している。
また、図14(a)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答加速度(Gal)、図14(b)は15F以上をTMD部11とする場合の最大応答変位(cm)を示している。
したがって、本実施の形態では、長周期長時間地震動に対する超高層建物の応答について、建物Bの機能を維持しつつ、室内の被害を減少でき、さらに在館者に恐怖心を与えない程度に揺れを減少させることができる。
1 基礎コンクリート
2 捨コンクリート基礎層
10 主構造部
11 TMD部
20 基礎免震層
30 中間免震層
Claims (3)
- 多層階に形成される建物に用いられる多層免震構造物であって、
前記建物の下部の基礎側に設けられる基礎免震層と、
前記建物の多層階を所定階数で区分されて形成された前記基礎側の主構造部、及び該主構造部の上側に形成されたTMD部の間に設けられる中間免震層と、
を備え、
前記基礎免震層と前記中間免震層を有する前記建物を等価な2質点モデルに置き換えて、減衰系に対するH∞最適化の近似解より剛性と減衰とを設定することにより、前記中間免震層の特性が設定され、
かつ、想定入力地震動が1秒以下の短周期成分が卓越するような場合は2次モードを同調対象とし、前記想定入力地震動が1秒より長い長周期成分を多く含むような場合は1次モードを同調対象として応答加速度を抑制することにより、前記中間免震層の特性が設定されていることを特徴とする多層免震構造物。 - 前記基礎免震層は、積層ゴムからなる免震支承で構成されることを特徴とする請求項1に記載の多層免震構造物。
- 前記中間免震層は、慣性質量ダンパを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層免震構造物。
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