JP2006002934A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】球と椀形曲面を利用した免震装置で、減衰力として機械的すべり摩擦力を利用し、その摩擦力が復元を妨げないような機構を提供する。
【解決手段】基礎側受台1と対象物側受台5にそれぞれ対向する面に椀形曲面を形成し、その間に球をころがり支承させ、また一体に連結されている板5と直接対象物を受ける板11との間に、ばねにより押圧された板8を設け、5と8の間にも対向する面に椀形曲面を3〜4組設け、その間に球を入れて支承させ、一体となっている5および11が水平動した時に、8が水平方向に力を受けながら上下動すると、棒12との間にすべり摩擦損失が発生する。またこの摩擦力の駆動力はころがり接触で伝動されているため復元力を妨げることはない。
【選択図】図2
【解決手段】基礎側受台1と対象物側受台5にそれぞれ対向する面に椀形曲面を形成し、その間に球をころがり支承させ、また一体に連結されている板5と直接対象物を受ける板11との間に、ばねにより押圧された板8を設け、5と8の間にも対向する面に椀形曲面を3〜4組設け、その間に球を入れて支承させ、一体となっている5および11が水平動した時に、8が水平方向に力を受けながら上下動すると、棒12との間にすべり摩擦損失が発生する。またこの摩擦力の駆動力はころがり接触で伝動されているため復元力を妨げることはない。
【選択図】図2
Description
〔発明の属する技術分野〕本発明は主に震動に弱い装置、機器などを対象とする免震装置で、上下対称の2個の椀形曲面間に球を入れて、ころがりまたはすべり支承させる免震装置に関するものである。
〔従来の技術〕この種の免震装置としては、主に建物を対象としたものではあるが、特開平11−31585、特開2002−147054などのように減衰及び復元要素として、主に粘弾性体が使用されているものが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕前掲の2発明のように粘弾性体を使用しているものの減衰力は移動速度によって変るので、地震のように広い速度域での好都合な調整は難しく、また長期に亘っての安定性にも不安が残る。
本発明はこの実情に鑑みなされたもので、機械加工部品のみで構成し、減衰部は機械的すべり摩擦損失のため速度によって変ることなく、摩擦部への力の伝動手段はころがり接触とし、摩擦力のかかった状態で止ることなく、原点に復帰する。
〔課題を解決するための手段〕前記課題を解決するために、請求項1においての発明は、対象物側受台と対象物間に地震の水平動を利用したすべり摩擦及びばね機構を配置したことを特徴とするものである。
請求項2の発明は請求項1の減衰及び復元要素において地震により発生した水平変位を、球と椀形曲面をころがり接触運動させて上下動に変換し、すべり摩擦面の構成とばね力による復元力を実現させることを特徴とする。
請求項3の発明は、すべり摩擦面を構成するのに垂直に固定の棒を立て、請求項2においてのころがり接触により押付けられながら上下動する部材と接触させることを特徴とする。
請求項4の発明は、球を介して直接荷重を受ける椀形曲面をもつ部材と基礎側部材間、また対象物側受台と対象物間にさらばね等をそう入して、地震の垂直力を緩衝及び抑制することを特徴とする。さらばね等は球の負荷能力向上にも資する。
〔発明の実施形態〕以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図は何れも模式図である。
図1〜6は第1の実施例、図7〜12は第2の実施例、図13、14は第3の実施例である。それぞれの構成はつぎの通り。
第1の実施例…負荷球は中心に1個、予圧球は円周に3個、予圧ばねも円周に3個。
第2の実施例…負荷球、予圧球、予圧ばねとも円周に各3個。
第3の実施例…負荷球は4隅に、予圧球は中央部に、予圧ばねは2対の予圧球の中間外側に。
図1〜6は第1の実施例、図7〜12は第2の実施例、図13、14は第3の実施例である。それぞれの構成はつぎの通り。
第1の実施例…負荷球は中心に1個、予圧球は円周に3個、予圧ばねも円周に3個。
第2の実施例…負荷球、予圧球、予圧ばねとも円周に各3個。
第3の実施例…負荷球は4隅に、予圧球は中央部に、予圧ばねは2対の予圧球の中間外側に。
本発明に係る免震装置は図2,4と8,10及び14のような垂直断面構造となっている。板1は基礎側受台、板11は対象物受け板である。受け台5と11は連結部材12により一体となっている。連結部材12は3〜4本あり、板14により、上部が相互に固定されている。負荷球3は荷重とコイルばね13による予圧荷重を受け、上下に対称な椀形受けで支承されている。予圧球7は3〜4個あり、やはり上下に対称な椀形受けで支承されている。
9はさらばねである。台5には下側に1または3〜4個の椀形受けと上側に3〜4個の椀形受けがある。板8には台5に対応した対称形の椀形受けがある。また上側には3〜4個のコイルばね受けがある。
9はさらばねである。台5には下側に1または3〜4個の椀形受けと上側に3〜4個の椀形受けがある。板8には台5に対応した対称形の椀形受けがある。また上側には3〜4個のコイルばね受けがある。
図6,12は地震により対象物と一体の台5が相対的に右へ移動した状態を示す。コイルばね13は板8が上昇した分たわみを増す。板8は上昇と同時に球7との接触点の移動により、右側に引張れ、連結部材12との間に力が作用しながら上昇する。これがすべり摩擦損失となり、運動エネルギーを消耗する。コイルばねの剛さを変えることにより消耗エネルギーを変えることができる。椀形受け6の曲面形状は底部を球面とし、途中から円推面とする。球面半径は球の半径より若干大きくし、水平より15°〜45°のところからは直線の円錐面とする。上記角度を大きくとれば、摩擦部の移動量は大きくなり、また同じ予圧力に対して大きい摩擦力となる。
垂直地震力に対しては、動力と同方向の加速度が作用した場合は椀形受け2と基礎側受台との間にそう入されているさらばね9がたわみ、緩衝される。重力と反対向きの加速度の場合は、対象物と一体の台5を板8を介してコイルばね13が押しているので、宙に浮くのを抑制することができる。
〔発明の効果〕
以上のように請求項1〜3の発明によれば、対象物受台と基礎側受台との間に転動体をそう入し、転動支承させ、対象物が地震の被害を受けそうになった場合に、対象物と基礎側受台との間で転動し、地震力の伝達が減少され、同時に地震動による対象物の動きが拡大せず収束させる減衰力が発生する。
以上のように請求項1〜3の発明によれば、対象物受台と基礎側受台との間に転動体をそう入し、転動支承させ、対象物が地震の被害を受けそうになった場合に、対象物と基礎側受台との間で転動し、地震力の伝達が減少され、同時に地震動による対象物の動きが拡大せず収束させる減衰力が発生する。
請求項4によれば、垂直地震力に対しては、重力と同方向の加速度に対してはさらばね9が、重力と反対向き加速度に対してはコイルばね13が緩衝抑制する。
第1の実施例は図1〜6の通りである。
〔図1〕本発明に係る免震装置の平面図である。
〔図2〕図1のA−A断面図である。
〔図3〕図4のX−X断面矢視図である。
〔図4〕図3のB−B断面図である。
〔図5〕図2のY−Y断面矢視図である。
〔図6〕図4の静止状態に対する移動した状態を示す図である。
第2の実施例は図7〜12の通りである。
〔図7〕本発明に係る免震装置の平面図である。
〔図8〕図7のC−C断面図である。
〔図9〕図8のZ−Z断面矢視図である。
〔図10〕図7のC−D断面図である。
〔図11〕図8のW−W断面矢視図である。
〔図12〕図8の静止状態に対する移動した状態を示す図である。
第3の実施例は図13,14の通りである。
〔図13〕図14のX−X断面矢視図である。
〔図14〕図13のA−A断面図である。
〔図1〕本発明に係る免震装置の平面図である。
〔図2〕図1のA−A断面図である。
〔図3〕図4のX−X断面矢視図である。
〔図4〕図3のB−B断面図である。
〔図5〕図2のY−Y断面矢視図である。
〔図6〕図4の静止状態に対する移動した状態を示す図である。
第2の実施例は図7〜12の通りである。
〔図7〕本発明に係る免震装置の平面図である。
〔図8〕図7のC−C断面図である。
〔図9〕図8のZ−Z断面矢視図である。
〔図10〕図7のC−D断面図である。
〔図11〕図8のW−W断面矢視図である。
〔図12〕図8の静止状態に対する移動した状態を示す図である。
第3の実施例は図13,14の通りである。
〔図13〕図14のX−X断面矢視図である。
〔図14〕図13のA−A断面図である。
1 基礎側受台 2 椀形負荷球受 3 負荷球
5 対象物側受台 6 予圧球受 7 予圧球
8 予圧摩擦板 9 さらばね 11 対象物受板
13 コイルばね 15 球保持器A 16 球保持器B
17 リンク機構(6節構成、対称位置に各1組配置)
点O リンク機構と基礎側受台1との回転固定部
点P リンク機構と球保持器A15との回転固定部
点Q リンク機構と対象物側受台5との回転固定部
5 対象物側受台 6 予圧球受 7 予圧球
8 予圧摩擦板 9 さらばね 11 対象物受板
13 コイルばね 15 球保持器A 16 球保持器B
17 リンク機構(6節構成、対称位置に各1組配置)
点O リンク機構と基礎側受台1との回転固定部
点P リンク機構と球保持器A15との回転固定部
点Q リンク機構と対象物側受台5との回転固定部
Claims (4)
- 対象物側受台と基礎側受台間に、球を転動支承させ、球は水平方向に移動しながら垂直方向にも若干移動する免震装置において、対象物側受台と対象物間に減衰及び復元要素を持たせたことを特徴とする免震装置。
- 請求項1において減衰及び復元要素は地震による水平動を球と椀形曲面のころがり接触機構により方向変換し、すべり摩擦面へと伝動すると同時にばね力による復元力を発生させることを特徴とする免震装置。
- 請求項2においてすべり摩擦面を垂直面内に設けることを特徴とする免震装置。
- 対象物側受台と基礎側受台間に、球を介在させる免震装置において、垂直方向地震力を緩衝および抑制するばね等弾性体を設けることを特徴とする免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004382602A JP2006002934A (ja) | 2004-05-18 | 2004-12-06 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004187095 | 2004-05-18 | ||
JP2004382602A JP2006002934A (ja) | 2004-05-18 | 2004-12-06 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006002934A true JP2006002934A (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=35771485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004382602A Pending JP2006002934A (ja) | 2004-05-18 | 2004-12-06 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006002934A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101284885B1 (ko) | 2012-01-30 | 2013-07-10 | (주)엔타이어세이프 | 볼베어링을 이용한 면진 액세스플로어 |
CN107100070A (zh) * | 2017-05-18 | 2017-08-29 | 上海大学 | 复合桥梁摩擦摆支座装置 |
KR20190075522A (ko) | 2017-12-21 | 2019-07-01 | 현대이엔티 주식회사 | 수배전반의 면진 유닛 |
-
2004
- 2004-12-06 JP JP2004382602A patent/JP2006002934A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101284885B1 (ko) | 2012-01-30 | 2013-07-10 | (주)엔타이어세이프 | 볼베어링을 이용한 면진 액세스플로어 |
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