JP5207077B2 - 吊り制振構造 - Google Patents
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Description
図4(b)に示すようなオイルダンパー4による場合、オイルダンパー4により大きな減衰を付与しようとしても吊り材1の水平剛性が小さいためオイルダンパー4の変形があまり生じず、大きな応答低減効果は得られない。
図4(c)に示すように吊り元の近傍でブレース5により吊り材1の変形を拘束しても、振り子の長さがやや短くなる(固有周期が短くなる)だけで振動自体は殆ど変わらず、大きな制振効果は得られない。
さらに特許文献4に示される動吸振器はリンク等の曲げ剛性の大きい吊り部材によって吊り支持されている構造物を対象とするものであって、ワイヤー等の曲げ剛性のない吊り材による吊り構造物には適用できるものではない。
Iθ=M(L1+2L2)L2、L1≫L2
の関係を満たすように設定すると良い。
また、固定端(吊り元)にロッキング揺動体の自重を預けることから吊り材への荷重の増加はほとんどないし、ロッキング揺動体より下方は従来の吊り構造と全く同じなので使い勝手や美観を損なうこともない。
あるいは、そのような減衰機構に代えて、ロッキング揺動体6の周縁部と固定端(吊り元7の周辺部)との間にダンパーとして機能する適宜の減衰機構を介装するようにしても良い。
したがって質量体2はその吊り点11から吊り材1により吊り下げられて振り子として機能するものとなっており、本実施形態の制振構造では振り子としての質量体2の固有振動数と、上記のロッキング揺動体6の揺動の固有振動数を同調させるように各諸元が設定されている。
また、ロッキング揺動体6により揺動中心8と吊り材1上端との間に生じる慣性質量ψは
具体的な設計例を図2に示す。
(a)に示すように質量体2の質量M=4ton、その水平変位x1、吊り点11(吊り材1のロッキング揺動体6への接続点)での水平変位x2とする。ロッキング揺動体6の回転慣性モーメントIθ、回転減衰係数cθとして、吊り元7と一体化された揺動中心8との間にモデル化する。
ロッキング揺動体6は(b)に示すように質量m=1tonの錘6aを4つ使用して1辺5mの正方形の頂点に配置し、それらの錘6aを連結部材6bで連結して剛体となるように一体化する。また対角線上の中心位置(交差部)で片方の連結部材6bに回転支承9(ボールジョイントやユニバーサルジョイント)を接続し、他方の連結部材6bに吊り材1を接続している。
連結部材6bの質量を無視して4つの錘6aの質量のみを考慮すると、ロッキング揺動体6の質量m=4ton、回転慣性モーメントIθは Iθ=4×1.0×2.52=25ton・m2、揺動中心8から吊り点11までの距離L2=0.5mとすると、慣性質量ψは ψ=Iθ/L2 2=100ton となる(水平面内の全方向で同じ)。
以上より吊り材1の長さL1は(1)式から
ロッキング揺動体6の回転角θ、回転慣性モーメントIθ、回転減衰係数cθ、吊り材1の減衰は無視し、重力加速度gとすると、振動方程式は次式となる。
質量体2の質量M=4ton、吊り下げ長さL1=11.5m、L2=0.5m、全長L=12.0m、慣性質量ψ=100ton、回転減衰cθ=70kNm/(rad/s)、ロッキング揺動体6の質量m=4ton(1ton×4)、吊り下げ位置での等価な水平減衰係数ch=280kNm(m/s)、吊り下げ長さL=12.0mの振り子の固有振動数は6.95Hz(固有周期0.14秒)である。
比較対象としてロッキング揺動体6の慣性質量がない場合(m=0)を検討する。減衰がない場合は初期変位x0=0.1mの正弦波振動が継続するだけなので、回転減衰として従来型の粘性減衰を最適減衰量cθ=20kNm/(rad/s)として付与した場合を比較対象とし、これを従来型制振とする。
図3から、従来型の粘性減衰を付与したものでは振幅が緩やかに減少しているのに対し、本発明では急峻に応答が低減していくことがわかる。
(1)質量体に何ら手を加えずに吊り元の近傍にロッキング揺動体を設置するだけで、質量体の振り子としての振動を急峻に収斂させることができから、制振のための機構の所要高さ寸法が吊り長さに対して充分に小さくて済む。
このような利点は特に建築・土木工事の分野においては以下の用途において有効である。
・クレーンの吊り荷の揺れ防止(工場での天井走行クレーン、建設現場のタワークレーン等)。
・ゴンドラの揺れ防止(清掃用の吊り足場、モノレール等)。
・天井吊り設備機器の揺れ対策(シャンデリア等の照明器具、舞台ホールの吊り設備)。
・下げ振りの振れ防止(鉛直芯だし用)。
(3)常時(使用時)の揺れだけでなく、地震時の後揺れにも効果的である。吊り構造は一般的に固有周期が長く減衰が小さい構造であり、地震後にも長時間揺れが持続する傾向にある。これを早期に解消することは、居住者の恐怖心を軽減するだけでなく、吊り構造の疲労特性を改善することにも効果的である。
(4)本発明の制振機構は、固定端(吊り元)にロッキング揺動体の自重を預けることから吊り材への荷重の増加はほとんどない。また、ロッキング揺動体より下方は従来の吊り構造と全く同じなので使い勝手や美観を損なうこともない。
2 質量体
6 ロッキング揺動体
6a 錘
6b 連結部材
7 吊り元(固定端)
8 揺動中心(重心位置)
9 回転支承(ボールジョイントまたはユニバーサルジョイント)
9a 固定部材
10 減衰機構
11 吊り点
Claims (2)
- 曲げ剛性を有しない吊り材によって質量体が吊り下げられて振り子として振動する吊り構造物を対象とする吊り制振構造であって、
重心位置を揺動中心とするロッキング揺動体を吊り元に回転支承を介して揺動自在に設置するとともに、該ロッキング揺動体の揺動により抵抗力を生じてその揺動を減衰せしめる減衰機構を付加し、
前記ロッキング揺動体の重心位置の直下を吊り点としてその吊り点から前記質量体を前記吊り材により吊り下げるとともに、
前記吊り材の長さにより定まる前記質量体の固有振動数と、前記揺動中心から前記吊り点までの距離により定まる前記ロッキング揺動体の揺動における固有振動数とを同調させたことを特徴とする吊り制振構造。 - 請求項1記載の吊り制振構造であって、
前記ロッキング揺動体の揺動による回転慣性モーメントIθを、前記質量体の質量Mと、前記吊り点からの前記質量体の振り子としての長さL1と、前記揺動中心から前記吊り点までの距離L2とに基づき、
Iθ=M(L1+2L2)L2、L1≫L2
の関係を満たすように設定したことを特徴とする吊り制振構造。
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