JP2014227804A - 制震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で周期の調整が行える制震装置を提供する。【解決手段】支持架構5からワイヤ2で吊り下げられた錘3が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置1であり、制震装置1は、並置される複数のワイヤ2と錘3とを連結させる連結部材20と、複数のワイヤ2を含むZX平面に直交する第1の軸線を中心として連結部材20を各ワイヤ2に回転自在に接続する第1の接続部30と、ZX平面に対して垂直なYX平面に直交する第2の軸線を中心として連結部材20を錘3に回転自在に接続する第2の接続部40とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、吊材によって吊り下げられた質量体が振り子運動をすることで建物の振動を抑える制震装置に関する。
従来、このような分野の技術としては、特開平4−4335号公報がある。この公報には、4本の脚部と、4本の脚部の上端を連結する上枠と、上枠からワイヤによって吊り下げられたマスとを備えた振子式制震装置が開示されている。この振子式制震装置において、マスの上面はロッドによって上枠の下面と接続されており、ロッドの側面と脚部の側面との間には緩衝器(ダンパ)とバネが配置されている。この振子式制震装置では、地震で建物が揺れるとマスが振り子運動をすると共にダンパが伸縮するので建物の揺れが抑えられる。バネはロッドに対して放射状に4個設けられており、各バネのバネ定数を調整することによって、建物の揺れ方向に対応した固有周期の調整がなされている。
特開平4−4335号公報
しかしながら、前述したように各バネのバネ定数を調整して建物の固有周期を調整する場合、バネ定数が異なる複数のバネを配置するためのスペースが装置内部で必要となるので、装置内部の構成が複雑化するという課題があった。
本発明は、簡易な構成で周期の調整が行える制震装置を提供することを目的とする。
本発明の制震装置は、支持架構から吊材で吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、並置される複数の吊材と質量体とを連結させる連結部材と、複数の吊材を含む第1の鉛直面に直交する第1の軸線を中心として連結部材を各吊材に回転自在に接続する第1の接続部と、第1の鉛直面に対して垂直な第2の鉛直面に直交する第2の軸線を中心として連結部材を質量体に回転自在に接続する第2の接続部と、を備えたことを特徴とする。
ところで、水平面上における建物の剛性や形状が建物の揺れ方向ごとに異なることに起因して、地震が発生した場合における建物の固有周期も揺れ方向ごとに異なる。例えば、一方の揺れ方向における建物の剛性が高く他方の揺れ方向における建物の剛性が低い場合には、一方の揺れ方向における建物の固有周期が短くなると共に他方の揺れ方向における建物の固有周期が長くなる。また、質量体を振り子運動させて建物の揺れを抑える制震装置で揺れを効果的に抑えるには、質量体の固有周期を建物の固有周期に合わせることが好ましい。よって、揺れ方向ごとに異なる建物の固有周期に、揺れ方向ごとに質量体の固有周期を合わせれば、建物の揺れをより効果的に抑えることが可能となる。また、一般的に、質量体の固有周期を変えるには、質量体が振れる吊り長さ(質量体の振れ長さ)を変えればよい。
上記のような事情を踏まえて本発明の制震装置では、支持架構から吊り下げられた複数の吊材と質量体とを連結する連結部材を備えており、連結部材は、複数の吊材に対して第1の鉛直面に直交する第1の軸線回りに回転可能となっており、質量体に対して第2の鉛直面に直交する第2の軸線回りに回転可能となっている。よって、建物の第1の軸線方向の揺れに対しては、質量体は吊材と連結部材の合計長さを振れ長さとして揺動し、建物の第2の軸線方向の揺れに対しては、質量体と連結部材が吊材の長さを振れ長さとして揺動する。このように、揺れ方向が第1の軸線方向である場合は質量体が吊材と連結部材の合計長さを振れ長さとして揺動し、揺れ方向が第2の軸線方向である場合は質量体と連結部材が吊材の長さを振れ長さとして揺動するので、第1の軸線方向と第2の軸線方向とで質量体の振れ長さを変えることができる。よって、第1の軸線方向と第2の軸線方向とで質量体の振れ長さを変えることにより、第1の軸線方向と第2の軸線方向とで質量体の固有周期を変えることができる。以上のように、本発明の制震装置では、簡易な構成をもって制震を図ることができる。
また、本発明の制震装置は、支持架構から吊材で吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、支持架構と並置される複数の吊材とを連結させる連結部材と、複数の吊材を含む第1の鉛直面に直交する第1の軸線を中心として連結部材を各吊材に回転自在に接続する第1の接続部と、第1の鉛直面に対して垂直な第2の鉛直面に直交する第2の軸線を中心として連結部材を支持架構に回転自在に接続する第2の接続部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の制震装置では、支持架構と複数の吊材とを連結する連結部材を備えており、連結部材は、複数の吊材に対して第1の鉛直面に直交する第1の軸線回りに回転可能となっており、質量体に対して第1の鉛直面に対して垂直な第2の鉛直面に直交する第2の軸線回りに回転可能となっている。よって、建物の第1の軸線方向の揺れに対しては、支持架構に対して質量体は吊材と連結部材の合計長さを振れ長さとして揺動し、建物の第2の軸線方向の揺れに対しては、支持架構と連結部材に対して質量体が吊材の長さで揺動する。このように、揺れ方向が第1の軸線方向である場合は質量体が吊材と連結部材の合計長さを振れ長さとして揺動し、揺れ方向が第2の軸線方向である場合は質量体が吊材の長さで揺動するので、第1の軸線方向と第2の軸線方向とで質量体の振れ長さを変えることができる。よって、上記同様、第1の水平方向と第2の水平方向とで質量体の固有周期を変えることができ、簡易な構成をもって制震を図ることができる。
また、本発明の制震装置は、支持架構から吊り下げられた第1の吊材と第1の吊材の下端に連結された第2の吊材とによって吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、並置される複数の第1の吊材と並置される複数の第2の吊材とを連結させる連結部材と、複数の第1の吊材と複数の第2の吊材とを含む鉛直面に直交する軸線を中心として連結部材を各吊材に回転自在に接続する接続部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の制震装置では、複数の第1の吊材と複数の第2の吊材とを連結する連結部材を備えており、連結部材は、第1及び第2の吊材を含む鉛直面に直交する軸線を中心として第1の吊材及び第2の吊材のそれぞれに対して回転可能となっている。よって、建物の揺れが上記の軸線方向である場合には、支持架構に対して第1及び第2の吊材と連結部材が共に揺動し、上記鉛直面に対して垂直な鉛直面を直交する直交方向の建物の揺れに対しては、支持架構に対して第1及び第2の吊材のみが揺動する。このように、揺れ方向が軸線方向である場合は第1及び第2の吊材と連結部材の両方が移動し、揺れ方向が直交方向である場合は第1及び第2の吊材のみが移動するので、軸線方向と直交方向とで質量体の振れ長さを変えることができる。よって、上記同様、第1の水平方向と第2の水平方向とで質量体の固有周期を変えることができ、簡易な構成をもって制震を図ることができる。
本発明によれば、装置内部の構成を簡易にすると共に、容易に組み立て作業を行うことができる。
本発明に係る制震装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1の制震装置における吊材の端部近傍を拡大させた斜視図である。 建物が揺れたときの制震装置の動きを説明する側面図である。 第2実施形態に係る制震装置の図3に対応する側面図である。 第3実施形態に係る制震装置の図3に対応する側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る制震装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1及び図3に示されるように、地震や風による建物の揺れを抑える制震装置1は、ワイヤ(吊材)2に吊り下げられた錘(質量体)3を備えており、建物が揺れたときに錘3が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる。制震装置1は、建物から上方に延在する柱5Aと、柱5Aの上端を架け渡す梁5Bとを有する支持架構5を備えており、錘3は、支持架構5の梁5Bから下方に延びる複数(この場合は4本)のワイヤ2で吊り下げられている。
図1及び図2に示されるように、錘3の揺れ時にワイヤ2を支持するための吊材支持構造100において、梁5Bにはワイヤ2の上端が取り付けられている。この取付けに当たって、受圧部材10が利用される。この受圧部材10には、ワイヤ2の上端が貫通する吊材挿通孔11が形成され、この吊材挿通孔11を形成する壁面11aは、上下方向に延在すると共に、下方に行くに従って徐々に広がるような円弧の回転体形状を有している。そして、錘3の揺れに際して、ワイヤ2は壁面11aに沿って変形する。
受圧部材10は、樹脂又は金属からなる円柱形状をなすと共に、吊材挿通孔11を含んで上下方向に延在する分割面をもって分割されている。つまり、受圧部材10は、第1の受圧半部10Aと第2の受圧半部10Bとからなる。このような構成を採用すると、支持架構5の梁5Bにワイヤ2を吊り下げた状態で、第1の受圧半部10Aと第2の受圧半部10Bとを分割面で合わせるようにして、吊材挿通孔11内にワイヤ2をセットすることができる。このような作業は、ワイヤ2に受圧部材10を容易に取り付けることができ、受圧部材10の取付け作業性の向上が図られている。また、ワイヤ2を吊り下げたまま受圧部材10の交換が可能になる。
このような受圧部材10は、ケース(不図示)の内部に収容される。ケースは、支持架構5の梁5Bの下面に固定される。また、ケースの下端には、ケースに形成された開口部を塞ぐ着脱自在な受圧部材用脱落防止部材(不図示)が取り付けられている。脱落防止部材は、ケースの下端から内方に突出する部材であれば、リング状の部材であっても、複数の爪形状の部材であっても良い。なお、脱落防止部材がリング状の場合は、着脱を容易にするために分割されている。このような構成を採用すると、ケースから脱落防止部材を取り除くことで受圧部材10をケースの開口部から下方へ取り出すことができる。これによって、受圧部材10における吊材挿通孔11の壁面11aが長期の使用により摩耗した場合でも、受圧部材10自体の交換を可能にしている。
また、ワイヤ2の上端には、支圧ソケット17が固定され、この支圧ソケット17は、梁5Bに形成された貫通孔を下から通すことができるが、このとき、支圧ソケット17は、梁5Bの上面にネジを介して固定されるフランジ部18によって、梁5Bの上側で保持されることになる。
この制震装置1の吊材支持構造100において、受圧部材10の吊材挿通孔11の壁面11aは、下方に行くに従って徐々に広がるような回転体形状を有しているので、地震や強風により建物が揺れる度に錘(質量体)3が揺動すると、ワイヤ(吊材)2の上端も揺動する。このとき、ワイヤ2は吊材挿通孔11の壁面11aに沿って変形する。そして、ワイヤ2が壁面11aに当たる接触面積は、錘3の振幅が大きくなる程、大きくなる。すなわち、錘(質量体)3の振れ力に応じてワイヤ2が壁面11aに当たる接触面積を増減させることができる。このように、錘3の揺れに対応して接触面積を変えることができるので、ワイヤ2の応力集中が起こり難くなり、これによってワイヤ2が切れ難くなるといった効果を奏する。ワイヤ2の鉛直荷重支持部(支圧ソケット17)は、振れを生じず可動しないため、ワイヤフックのような摩耗を生じない。また、回転する部分がないため揺動時に抵抗を生じることがなくなり、振れ特性への影響をなくすことができる。
ところで、制震装置1では、上述したワイヤ2と、ワイヤ2及び錘3を連結するための連結部材20とを備えることにより、X方向(第2の軸線Bの方向)とY方向(第1の軸線Aの方向)とで錘3の振れ長さを変更可能となっている。ここで、Y方向とは支持架構5の梁5Bが延在する水平方向であり、X方向とはY方向に対して直交する水平方向である。
X方向に並設された2本のワイヤ2の下端には、2本のワイヤ2と錘3とを連結するための連結部材20が第1の接続部30を介して接続されている。また、連結部材20の下端は第2の接続部40を介して錘3に接続されている。各連結部材20は、矩形の枠部21を有しており、枠部21の対角線上には2本の補強部材22が延在している。各補強部材22の端部は、枠部21隅部で溶接されたガセットプレート23にピン接合されている。
図2に示されるように、ワイヤ2と連結部材20とを接続する第1の接続部30は、枠部21の上面から山状に突出するように枠部21の上面に溶接された固定片31と、Y方向に挿通される軸ピン32と、挿通された軸ピン32を係合するピン受け部(不図示)とを備えている。また、ワイヤ2の下端はワイヤ2を接続部30に接続するための保持部材2aによって保持されており、この保持部材2aには、軸ピン32を挿通するための挿通孔がY方向に空けられている。ワイヤ2の保持部材2aをY方向から挟むように2個の固定片31がY方向に一対に枠部21上に並設されており、これらの固定片31にも軸ピン32を挿通するための挿通孔がY方向に空けられている。
軸ピン32は、2個の固定片31にワイヤ2の保持部材2aを挟ませた状態で、一方の固定片31の外側から軸ピン32を上記各挿通孔にY方向に挿通し、他方の固定片31の外側で軸ピン32をピン受け部に係合させることにより、Y方向に挿通された軸ピン32は2個の固定片31及びワイヤ2の保持部材2aに固定される。このように軸ピン32はY方向に挿通されて固定されるので、固定片31が固定された枠部21は、ワイヤ2に対してY方向に延在しZX平面(第1の鉛直面)に直交する第1の軸線Aを中心に回転自在に支持される。
連結部材20と錘3とを接続する第2の接続部40は、錘3の上面から山状に突出するように錘3の上面に溶接された固定片41と、枠部21の下面から下方に突出するように枠部21の下面に溶接された固定片42と、X方向に挿通される軸ピン43と、挿通された軸ピン43を係合するピン受け部(不図示)とを備えている。錘3側の固定片41は、枠部21側の固定片42をX方向から挟むように2個並設されており、固定片41,42のそれぞれには軸ピン43を挿通するための挿通孔がX方向に空けられている。
軸ピン43は、錘3側の固定片41に枠部21側の固定片42を挟ませた状態で、一方の固定片41の外側から軸ピン43を上記各挿通孔にX方向に挿通し、他方の固定片41の外側で軸ピン43をピン受け部に係合させることにより、X方向に挿通された軸ピン43は固定片41,42に固定される。このように軸ピン43はX方向に挿通されて固定されるので、枠部21は、錘3に対してX方向に延在しYZ平面(第2の鉛直面)に直交する第2の軸線Bを中心に回転自在に支持される。
以上のように、第1の接続部30を備えることによって、連結部材20はワイヤ2に対してZX平面に直交する第1の軸線A回りに回転自在となっており、第2の接続部40を備えることによって、連結部材20は錘3に対してYZ平面に直交する第2の軸線B回りに回転自在となっている。
次に、地震や風で建物が揺れた場合におけるワイヤ2、錘3及び連結部材20の動作について図2及び図3を参照しながら説明する。なお、図3は、便宜上一部の図示を簡略化している。まず、揺れ方向がX方向である場合における動作については、図3(a)及び図3(c)に示されるように、錘3が支持架構5に対してX方向に移動する。このとき、ワイヤ2の上端は受圧部材10の吊材挿通孔11内でX方向に移動し、湾曲した壁面11aに滑らかに接触する。
また、連結部材20は、第1の接続部30によって、2本のワイヤ2に対してZX平面に直交する軸線A回りに回転自在に接続されているので、揺れ方向がX方向である場合には、ワイヤ2は連結部材20に対して軸線A回りに回転する。一方、連結部材20は、第2の接続部40によって、錘3に対する軸線A回りの回転は規制されているので、連結部材20は錘3に対して回転しない。従って、揺れ方向がX方向である場合には、支持架構5に対してワイヤ2のみがX方向に傾き、錘3に対する連結部材20の移動は規制されるので、吊材支持構造100の受圧部材10から連結部材20上端の接続部30までの長さが錘3の振れ長さX1となる。
また、図3(b)及び図3(d)に示されるように、建物のY方向の揺れに対しては、ワイヤ2は支持架構5に対してY方向に傾く。このとき、ワイヤ2の上端は、揺れ方向がX方向である場合と同様に、受圧部材10内部の壁面11aに滑らかに接触する。また、連結部材20は、第1の接続部30によってYZ平面に直交する軸線B回りの回転が規制されているので、揺れ方向がY方向である場合にはワイヤ2は連結部材20に対して回転しない。一方、連結部材20は、第2の接続部40によって、錘3に対する軸線B回りの回転は許容されているので、連結部材20は錘3に対して軸線B回りに回転する。従って、揺れ方向がY方向である場合には、支持架構5に対してワイヤ2と連結部材20とがY方向に傾くので、吊材支持構造100の受圧部材10から連結部材20下端の接続部40までの長さが錘3の振れ長さY1となる。
以上のように、建物のX方向の揺れにおいては、吊材支持構造100の受圧部材10から連結部材20上端の接続部30までの長さが振れ長さX1となり、建物のY方向の揺れにおいては、吊材支持構造100の受圧部材10から連結部材20下端の接続部40までの長さが振れ長さY1となっている。よって、揺れ方向がX方向である場合における錘3の振れ長さX1は、揺れ方向がY方向である場合における錘3の振れ長さY1よりも短くなっている。従って、錘3におけるX方向の固有周期はY方向の固有周期よりも短くなっている。
このように制震装置1では、支持架構5から吊り下げられた2本のワイヤ2と錘3とを連結する連結部材20を備えており、連結部材20は、ワイヤ2に対してZX平面に直交しY方向に延在する第1の軸線A回りに回転可能となっており、錘3に対してYZ平面に直交しX方向に延在する第2の軸線B回りに回転可能となっている。
よって、建物のY方向の揺れに対しては、ワイヤ2と連結部材20の両方が錘3に対して揺動し、建物のX方向の揺れに対しては、ワイヤ2が連結部材20と錘3に対して揺動する。このように、揺れ方向がY方向である場合はワイヤ2と連結部材20の両方が移動し、揺れ方向がX方向である場合はワイヤ2のみが移動するので、X方向とY方向とで錘3の振れ長さを変えることができ、上述したように、X方向とY方向とで錘3の固有周期を変えることができる。よって、制震装置1では、簡易な構成をもって制震を図ると共に、揺れ方向ごとに異なる建物の固有周期に、揺れ方向ごとに錘3の固有周期を合わせられるので、建物の揺れをより効果的に抑えることができる。
また、制震装置1では、錘3に対する連結部材20の高さを高くするとX方向における錘3の振れ長さX1が短くなり、錘3に対する連結部材20の高さを低くするとX方向における錘3の振れ長さX1が長くなる。このように連結部材20の高さを変えることでX方向における錘3の振れ長さを調整することができるので、X方向における錘3の固有周期を簡単に変えることができる。
(第2実施形態)
図4に示されるように、第2実施形態の制震装置51が第1実施形態の制震装置1と異なる点は、2本のワイヤ2と錘3との間に設けられた連結部材20に代えて、支持架構5と2本のワイヤ52との間に設けられた連結部材70を用いた点のみであるため、第2実施形態では第1実施形態と重複する説明を省略する。
制震装置51は、ワイヤ52に吊り下げられた錘3と、支持架構5とを備えている。各ワイヤ52は、吊材支持構造100によって錘3の上端で支持されている。ワイヤ52の上端は、第1の接続部80を介して連結部材70に接続されている。第1の接続部80の構造は、図2に示される接続部30の構造と同一であり、上下を逆にしただけなので詳細な説明を省略する。また、連結部材70の構造も第1実施形態の連結部材20の構造と同一である。
連結部材70の上端は、第2の接続部90を介して支持架構5の梁5Bに接続されている。第2の接続部90の構造は、図2に示される接続部40の構造と同一であり、上下を逆にしただけである。よって、連結部材70は、2本のワイヤ52に対してZX平面に直交しY方向に延在する軸線(第1の軸線)A回りに回転自在に支持されており、支持架構5に対してYZ平面に直交しX方向に延在する軸(第2の軸線)B回りに回転自在に支持されている。
次に、連結部材70、ワイヤ2及び錘3の動作について説明する。まず、揺れ方向がX方向である場合における動作については、図4(a)及び図4(c)に示されるように、ワイヤ52が支持架構5と連結部材70に対して軸線A回りに回転する。一方、連結部材70は、第2の接続部90によって、支持架構5に対する軸線A回りの回転は規制されているので、連結部材70は支持架構5に対して回転しない。従って、揺れ方向がX方向である場合には、支持架構5及び連結部材70に対してワイヤ52のみがX方向に傾くので、連結部材70下端の接続部80から錘3上端の吊材支持構造100までの長さが錘3の振れ長さX2となる。
また、図4(b)及び図4(d)に示されるように、建物のY方向の揺れに対しては、連結部材70が支持架構5に対してY方向に移動する。連結部材70の下端は、第1の接続部80によってYZ平面に直交する軸線B回りの回転が規制されているので、揺れ方向がY方向である場合には連結部材70はワイヤ52に対して回転しない。また、ワイヤ52の下端は、揺れ方向がX方向である場合と同様に、吊材支持構造100における受圧部材10の壁面11aに滑らかに接触する。従って、揺れ方向がY方向である場合には、支持架構5に対して連結部材70とワイヤ52とがY方向に傾くので、支持架構5の下端の接続部90から錘3上端の吊材支持構造100までの長さが錘3の振れ長さY2となる。
以上、制震装置51では、支持架構5と2本のワイヤ52とを連結する連結部材70を備えており、連結部材70は、ワイヤ52に対してZX平面に直交する第1の軸線A回りに回転可能となっており、支持架構5に対してZX平面に対して垂直なYX平面に直交する第2の軸線B回りに回転可能となっている。よって、第1の軸線A方向(Y方向)における建物の揺れに対しては、支持架構5に対して連結部材70とワイヤ52の両方が揺動し、第2の軸線B方向(X方向)における建物の揺れに対しては、支持架構5と連結部材70に対してワイヤ52が揺動する。
このように、揺れ方向がY方向である場合はワイヤ52と連結部材70の両方が移動し、揺れ方向がX方向である場合はワイヤ52のみが移動するので、X方向とY方向とで錘3の振れ長さを変えることができる。よって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図5に示されるように、第3実施形態の制震装置201が第1実施形態の制震装置1と異なる点は、ワイヤ2に代えて、第1のワイヤ202とワイヤ202の下端に接続されたワイヤ203を用いた点と、2本のワイヤ2と錘3との間に設けられた連結部材20に代えて、2本の第1のワイヤ202と2本の第2のワイヤ203との間に設けられた連結部材220を用いた点のみである。よって、第1実施形態と重複する部分についての説明は省略する。
制震装置201は、第2のワイヤ203に吊り下げられた錘3と、支持架構5とを備えており、ワイヤ203の下端は、吊材支持構造100によって錘3に支持されている。また、各第1のワイヤ202の上端は、吊材支持構造100によって支持架構5に支持されており、各第1のワイヤ202の下端は、第1の接続部230を介して連結部材220の上端に接続されている。第1の接続部230の構造は、図2に示される接続部30の構造と同一である。また、第2のワイヤ203の上端は、第2の接続部240を介して連結部材220の下端に接続されている。第2の接続部240の構造は、図2に示される接続部30の構造と同一であり、上下を逆にしただけなので詳細な説明を省略する。また、連結部材220の構造も第1実施形態の連結部材20の構造と同一である。
よって、連結部材220の上端は、第1の接続部230を介して2本の第1のワイヤ202に接続されており、第1のワイヤ202に対してY方向に延在する軸線A回りに回転自在に支持されている。連結部材220の下端も、連結部材220の上端と同様、軸線A回りに回転自在に支持されている。
次に、第1及び第2のワイヤ202,203、連結部材220並びに錘3の動作について説明する。まず、揺れ方向がX方向である場合における動作については、図5(a)及び図5(c)に示されるように、第1のワイヤ202及び第2のワイヤ203が支持架構5と連結部材220に対して軸線A回りに回転する。よって、揺れ方向がX方向である場合には、第1及び第2のワイヤ202,203が連結部材220に対して回転自在となっているので、支持架構5側の吊材支持構造100から第1の接続部230までの長さX31と、第2の接続部240から錘3側の吊材支持構造100までの長さX32との和が、錘3の振れ長さとなる。
また、図5(b)及び図5(d)に示されるように、建物のY方向の揺れに対しては、第1及び第2の接続部230,240によって、第1及び第2のワイヤ202,203に対する連結部材220の第2の軸線Bを中心とした回転が規制される。よって、連結部材220は4本のワイヤ202,203に対して回転しない。従って、揺れ方向がY方向である場合には、支持架構5に対して4本のワイヤ202,203と連結部材220とが共にY方向に傾くので、支持架構5下端の吊材支持構造100から錘3上端の吊材支持構造100までの長さY3が錘3の振れ長さとなる。
以上、制震装置201においてもX方向とY方向とで錘3の振れ長さを変えることができるので、X方向とY方向とで錘3の固有周期を変えることができ、第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、各ワイヤの端部を支持する吊材支持構造100の構成については適宜変更することが可能であり、更に、ワイヤの端部を支持する構造は吊材支持構造100に限定されず、種々の構造を採用することが可能である。また、接続部30,40等の接続部の構造も上記実施形態に限定されず、適宜変更可能である。更に、接続部30,40等の接続部に代えて吊材支持構造100を用いることも可能である。
上記実施形態では、2本のワイヤに連結部材が接続されていたが、連結部材に接続されるワイヤの本数は3本以上であってもよい。
上記実施形態では、吊材としてワイヤ2を用いたが、受圧部材10の吊材挿通孔11に挿通される部分以外の箇所では、ワイヤ2の代わりに吊材としてロッドを用いることが可能である。
また、制震装置1の設置場所については建物Sの屋上であっても内部であってもよい。また、本発明は、吊材に吊り下げられた錘とオイルダンパを備えたTMD(Tuned Mass Damper)や、錘を能動的に動かして建物の揺れを抑えるAMD(Active Mass Damper)にも適用させることができる。
1…制震装置、2,52,202,203…ワイヤ(吊材)、3…錘(質量体)、3a…上枠、5…支持架構、5A…柱、5B…梁、20,70,220…連結部材、30,40,80,90,230,240…接続部、A…第1の軸線、B…第2の軸線。

Claims (3)

  1. 支持架構から吊材で吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、
    並置される複数の前記吊材と前記質量体とを連結させる連結部材と、
    複数の前記吊材を含む第1の鉛直面に直交する第1の軸線を中心として前記連結部材を前記各吊材に回転自在に接続する第1の接続部と、
    前記第1の鉛直面に対して垂直な第2の鉛直面に直交する第2の軸線を中心として前記連結部材を前記質量体に回転自在に接続する第2の接続部と、を備えたことを特徴とする制震装置。
  2. 支持架構から吊材で吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、
    前記支持架構と並置される複数の前記吊材とを連結させる連結部材と、
    複数の前記吊材を含む第1の鉛直面に直交する第1の軸線を中心として前記連結部材を前記各吊材に回転自在に接続する第1の接続部と、
    前記第1の鉛直面に対して垂直な第2の鉛直面に直交する第2の軸線を中心として前記連結部材を前記支持架構に回転自在に接続する第2の接続部と、を備えたことを特徴とする制震装置。
  3. 支持架構から吊り下げられた第1の吊材と前記第1の吊材の下端に連結された第2の吊材とによって吊り下げられた質量体が振り子運動をすることによって建物の振動を減衰させる制震装置において、
    並置される複数の前記第1の吊材と並置される複数の前記第2の吊材とを連結させる連結部材と、
    複数の前記第1の吊材と複数の前記第2の吊材とを含む鉛直面に直交する軸線を中心として前記連結部材を前記各吊材に回転自在に接続する接続部と、を備えたことを特徴とする制震装置。
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