以下この発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、本発明の実施の形態に係る風呂給湯システム1の概略ブロック図である。
図1を参照して、風呂給湯システム1は大きく分けて、給湯部、湯張り部、追焚部、制御部の4つの部からなる。給湯部、湯張り部、追焚部の一部、制御部の一部は筐体1a内に収容される。風呂給湯システム1において、湯張り時には、給湯部、湯張り部、追焚部の順に湯水が流れることにより、浴槽8へ湯水が供給される。制御部は他の3つの部を制御する。以下に各部について、詳細に説明する。
給湯部は、浴槽8に供給する湯水を生成するように構成される。給湯部は、給湯用熱交換器32aおよび燃焼バーナ38等が格納された燃焼缶体(以下、単に「缶体」とも称する)30、送風ファン31、入水管50、分配弁80、給湯用熱交換器32a、バイパス管60、および出湯管70、および給湯管72を含む。
給湯部において、水道水等の低温水(非加熱水)は入水管50に導入されたのち、給湯用熱交換器32aまたはバイパス管60、出湯管70、給湯管72の順に流れ、給湯栓190から出力される、もしくは、湯張り部の注湯配管20に出力される。以下に、給湯部の各構成要素について、より詳細に説明する。
入水管50aには水道水等の低温水(非加熱水)が給水される。入水管50aおよび出湯管70の間には、缶体30をバイパスして、入水管50aからの非加熱水を通流するためのバイパス管60が配置される。入水管50aおよびバイパス管60の間には、バイパス管60の流量を制御するための分配弁80が接続される。
分配弁80は、その開度に応じて、入水管50aからの水を、給湯用熱交換器32aに繋がる入水管50bに送るとともに、バイパス管60に分流する。すなわち、全体給水量に対する上記分流の割合は、分配弁80の開度に応じて制御される。
入水管50bには、温度センサ110および流量センサ150が配置される。温度センサ110は、低温水の温度(以下、入水温度)を検出する。流量センサ150は、分配弁80よりも下流側(給湯用熱交換器32a側)に配置されている。流量センサ150によって検出される流量は、給湯用熱交換器32aを通過する流量(以下、給湯流量)を示している。流量センサ150および後述する注湯流量センサ131は、代表的には、羽根車式流量センサによって構成される。
出湯管70は、給湯用熱交換器32aに接続され、給湯用熱交換器32aからの湯を供給されるとともに、合流点75においてバイパス管60と接続される。したがって、給湯用熱交換器32aによって加熱された出湯管70からの高温水(加熱水)と、バイパス管60からの低温水(非加熱水)とが合流点75で混合されて、給湯管72から出力される。これにより、給湯管72から台所や浴室等の給湯栓190に、適温の湯が供給される。もしくは、給湯管72から、湯張り部の注湯配管20および追焚部の循環配管10を介して浴槽8へ適温の湯が供給される。
出湯管70には温度センサ120が設けられる。温度センサ120は、出湯管70とバイパス管60との合流点75よりも上流側(給湯用熱交換器32a側)に配置されて、給湯用熱交換器32aからの高温水の温度(以下、出湯温度)を検出する。
給湯管72には、流量調整弁90および温度センサ130が設けられる。流量調整弁90は、缶体30での加熱能力の不足により、設定湯温に従って給湯することが困難な場合に、給湯流量を絞るように制御される。たとえば、燃焼開始直後、あるいは、燃焼開始直後以外でも最大号数で運転する場合や最大許容流量で運転する場合等に、給湯流量を制限するように、コントローラ100が流量調整弁90の開度を制限することができる。
温度センサ130は、合流点75より下流側(給湯栓190および注湯配管20側)に設けられて、高温水および低温水が混合された後の給湯温度を検出する。
缶体30において、燃焼バーナ38から出力された燃料ガスは、送風ファン31からの燃焼用空気と混合される。図示しない点火装置によって混合気が着火されることにより、燃料ガスが燃焼されて火炎が生じる。燃焼バーナ38からの火炎によって生じる燃焼熱は、給湯用熱交換器32aおよび追焚用熱交換器32bへ与えられる。
給湯用熱交換器32aは、入水管50bからの低温水を熱交換によって加熱する。
送風ファン31による送風量は、燃焼バーナ38からの供給燃料との空燃比が所定値(たとえば理論空燃比)となるように制御される。送風ファン31の回転速度は、供給熱量の変化に応じて設定される目標回転速度に従って制御される。
制御部は、コントローラ100を含む。コントローラ100は、後述するように、各センサからの出力信号(検出値)およびユーザ操作を受けて、風呂給湯システム1の全体動作を制御するために、各機器への制御信号を発生する。ユーザ操作には、風呂給湯システム1の運転オン/オフ指令および設定湯温指令が含まれる。制御信号には、各弁の開閉および開度指令、送風ファン31への電気的入力指令等が含まれる。
コントローラ100は、風呂給湯システム1の運転指令がオンされると、流量センサ150によって検出される入水管50bを流れる水の流量が最低作動流量を超えたことに応じて、缶体30での燃焼動作をオンする。燃焼動作がオンされると、缶体30で元ガス電磁弁(図示せず)が開放されて、燃焼バーナ38への燃料ガスの供給が開始される。
コントローラ100は、燃焼オン時には、給湯温度が設定湯温に制御されるように、分配弁80の開度および、缶体30での発生熱量を制御する。
次に、湯張り部を説明する。湯張り部は、給湯部からの湯水を追焚部の一部を経由して浴槽8に供給し、湯張りするように構成される。湯張り部は、注湯配管20からなる。
注湯配管20の一方端は、流量調整弁90と接続され、他方端は、循環配管10に接続される。より特定的には、注湯配管20は、循環配管10の戻り路10aに接続される。注湯配管20は、給湯部で生成された湯水を、循環配管10を介して浴槽8に流入させるための注湯路に相当する。
注湯配管20には、注湯流量センサ131および注湯電磁弁132が設けられる。注湯流量センサ131は、出湯管70から注湯電磁弁132を介した注湯配管20への送出量(以下、注湯流量)を計測する。
注湯電磁弁132は、後述するコントローラ100の開閉切替制御によって、注湯の実行および停止を切替えるように動作する。
なお、注湯電磁弁132には、逆止弁133が設けられている。逆止弁は、注湯配管20に送出された湯が流量調整弁90側に逆流することを防止する。
コントローラ100は、浴槽8への湯張り時には、注湯電磁弁132を開放する。これにより、給湯管72から注湯電磁弁132を通じて注湯路に湯水が供給される。注湯路に供給された湯水が、循環配管10の戻り路10aと往き路10bを経由して浴槽8に注湯されることで、浴槽8内に湯張りすることができる。このとき、コントローラ100は、循環配管10に設けられた水位センサ37の出力に基づき、浴槽8の水位を検出することができる。
次に、追焚部について説明する。追焚部は、浴槽内の湯水(以下、浴槽水)を循環させながら追焚するように構成される。また、追焚部の一部は、上述のように湯張り時に給湯部から注湯部を介して送られる湯水を、浴槽8に導入するためにも利用される。追焚部は、循環配管10、追焚用熱交換器32b、循環ポンプ33、および循環アダプタ81を含む。
循環アダプタ81は、浴槽8の壁面に設置される。循環アダプタ81は、浴槽8から湯水を吸い込むための吸込口85と、浴槽8に湯水を吐出するための吐出口86とを有する。
循環配管10は、図中の矢印”戻り”で示す、浴槽8から追焚用熱交換器32bに湯水を戻す戻り路10a、および、図中の矢印“往き”で示す、追焚用熱交換器32bから浴槽8に湯水を導入する往き路10bからなる。戻り路10aの浴槽8側は、循環アダプタ81の吸込口85に接続される。また、往き路10bの浴槽8側は、循環アダプタ81の吐出口86に接続される。循環配管10には循環ポンプ33、水流スイッチ34、温度センサ35,36、および水位センサ37が設けられている。
循環ポンプ33は、循環配管10に備えられ、浴槽8と追焚用熱交換器32bの間で浴槽水を循環させる。図1の例では、循環ポンプ33は、注湯配管20と戻り路10aとの接続部15に設けられている。循環ポンプ33は、接続部15よりも下流側に設けられていてもよい。
追焚時に、循環ポンプ33が作動すると、浴槽8からの浴槽水は、吸込口85、戻り路10a、追焚用熱交換器32b、往き路10b、吐出口86の順に流通する。これにより、浴槽8と追焚用熱交換器32bとの間に浴槽水を循環させる循環経路が形成される。
水流スイッチ34は、戻り路10aの水流を検知する。温度センサ35は、戻り路10aに戻される浴槽水の温度を検出する。
温度センサ36は、往き路10bにおける浴槽への湯水の温度を検出する。
水位センサ37は浴槽8内の水位を検出する。水位センサ37は、圧力式の水位センサである。なお、図1では水位センサ37は戻り路10aに備えられているが、これはあくまで例示であり、浴槽内の水位が検知される他の部位(たとえば、往き路10bもしくは注湯配管20)に設けられていてもよい。
追焚用熱交換器32bは、缶体30に格納されている。追焚用熱交換器32bは、給湯用熱交換器32aと同様に燃焼バーナ38により加熱され、循環配管10の戻り路10aからの湯水を加熱し、循環配管10の往き路10bに出湯する。
図2は図1に示したコントローラ100の概略構成図である。コントローラ100は、上述した給湯部、湯張り部および追焚部を制御する制御部に相当する。コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、インターフェイス103、操作部104および出力部105を含む。
CPU101は、インターフェイス103および操作部104からの入力を受け、記憶部102のプログラムおよびデータを利用し、インターフェイス103に制御信号の送出を指令する、または、出力部105にユーザへのメッセージの提示を指令する。
記憶部102は、プログラムおよびデータを格納するための揮発性または不揮発性のメモリを含む。記憶部102は、各種制御処理プログラム等を格納する。
インターフェイス103は、風呂給湯システム1内の各種の弁の開閉、循環ポンプ33の駆動のための制御信号を送出するとともに、各種センサからの検出信号を入力する。
操作部104は、風呂給湯システム1の運転開始/停止切替え、運転モード切替え、温度・湯量切替え等の各種指示に関するユーザ操作を受付ける。操作部104は、上記指示のために実際にユーザが操作するスイッチ等を含む。
出力部105は、風呂給湯システム1の運転に関する情報を報知する。出力部105は、運転に係る各種出力(温度、湯量等)および各種メッセージを表示する。
次に風呂給湯システム1の動作について説明する。
風呂給湯システム1の主要な運転モードには、浴槽8の使用に関する「湯張りモード」と「追焚モード」、および、配管洗浄に関する「配管洗浄モード」がある。この各種運転モードの運転/停止/切替は、コントローラ100により行われる。なお、後述するように、この各種モードへの運転/停止/切替は、操作部104からのユーザ操作に従って行ってもよいし、予め定められた条件を満たすときに自動で行われるように設定してもよい。
湯張りモードは、浴槽8に湯水を供給するために実行される。湯張りモードは、通常は、操作部104に設けられた湯張りモードを開始するためのスイッチをユーザがオン操作することで開始される。湯張りモードが開始すると、CPU101は、缶体30で燃焼バーナ38を所定の燃焼状態に制御する。燃焼バーナ38の燃焼熱を受けて、給湯用熱交換器32aを通る低温水が熱交換により加熱され、所定温度まで加熱・温調された湯が出湯管70に供給される。
CPU101は、分配弁80の開度を制御することで、出湯管70からの高温水にバイパス管60からの低温水を適宜混合して、所定温度・流量の湯を給湯管72に出力する。CPU101は、さらに、注湯電磁弁132を開放することにより、給湯管72から注湯配管20に湯水を供給する。注湯配管20に供給された湯水は、注湯配管20および戻り路10aの接続部15において、戻り路10aに送出される。戻り路10aを経由して浴槽8に注湯されることで、浴槽8内に湯張りすることができる。
湯張りモードにおける湯張り量が、水位センサ37または注湯流量センサ131により検出される注湯流量の積分等によって把握・特定されることにより、浴槽8内には所定水位まで湯張りされることとなる。
追焚モードは、浴槽8の湯水(浴槽水)の温度を適温まで上昇するために実行される。追焚モードは、操作部104に設けられた追焚モードを開始するスイッチをユーザがオン操作することで開始してもよいし、浴槽8の水温が低下したときに自動で開始するように設定してもよい。
追焚モードが開始すると、CPU101は、循環ポンプ33を予め定めた回転速度で回転駆動し、浴槽水を吸込口85、循環配管10の戻り路10a、追焚用熱交換器32b、往き路10b、吐出口86の順に循環させる。同時に、CPU101は、缶体30で燃焼バーナ38を所定の燃焼状態に制御する。燃焼バーナ38の燃焼熱を受けて、追焚用熱交換器32bを通る浴槽水が所定温度まで加熱・温調される。これにより、循環配管10を循環する浴槽水が、入浴に適した温度に達するまで加熱される。
次に、配管洗浄モードについて説明する。追焚モードを実行することによって、循環配管10内には、入浴による浴槽水の汚れや水垢を含むことになった浴槽8内の湯水(汚水)が入り込んで滞留することになる。そこで、配管洗浄モードでは、浴槽使用後に、注湯配管20から循環配管10に対して清浄な湯または水である洗浄水を流し込むことで、循環配管10内に滞留している残水を浴槽8内に押し出して排出する。これにより雑菌繁殖の抑制および防止を図る。
配管洗浄モードでは、CPU101は、浴槽8内の排水がなされたことを検出すると、自動的に循環配管10内の洗浄を開始する。CPU101は、湯張りモードと同様にして、給湯管72から注湯配管20に対して、循環配管10の洗浄に適した温度・流量の洗浄水を供給する。
注湯配管20に供給された洗浄水は、注湯配管20および戻り路10aの接続部15において戻り路10aに導入される。戻り路10aに導入された洗浄水が、実線矢印で図示された経路200、および、破線矢印で図示された経路201を流れることにより、戻り路10aおよび往き路10b内の残水が浴槽8内に押し出される。
具体的には、経路200は、洗浄水が、接続部15から戻り路10aの一部分、追焚用熱交換器32b、および往き路10bを順に通って、循環アダプタ81の吐出口86から浴槽8内に排出される経路である。経路201は、洗浄水が、接続部15から戻り路10aの残りの部分を通って、循環アダプタ81の吸込口85から浴槽8内に排出される経路である。
ここで、特許文献1,2に示されるように、従来の配管洗浄方法では、注湯配管20から循環配管10の戻り路10aへ洗浄水が導入された後、循環配管10内における洗浄水の流通については自然の成り行きとしていた。そのため、循環配管10の戻り路10aに導入された洗浄水は、その大部分が、経路200,201のうち通水抵抗が相対的に低い経路を流れることになり、結果的に通水抵抗が相対的に高い経路にはわずかな洗浄水しか流れないという不具合が生じていた。
ここで、経路200,201における通水抵抗の差は、各経路を形成する配管の長さや方向、位置などの様々な要因により生じると考えられる。図1の例では、経路200は、経路201に比べて配管の長さが相対的に長くなっている。また、経路200は、追焚用熱交換器32bを含んでいる。そのため、経路200は、経路201に比べて、通水抵抗が高くなり、洗浄水が流れにくい構造となっている。
特に、経路200において、往き路10bは、追焚用熱交換器32bを介して戻り路10aと繋がっている。そのため、循環配管10内を洗浄水が流通するうえで、追焚用熱交換器32b自体が通水抵抗となり得る。これにより、往き路10bは、戻り路10aに比べて洗浄水が流れにくくなり、結果的に往き路10bの洗浄が不十分となってしまう可能性がある。
このような問題を解決するために、本実施の形態に従う風呂給湯システム1では、下記のように循環配管10の洗浄を制御する。
図3は循環配管洗浄時の制御処理を示したフローチャートである。図3のフローチャートで示した制御処理のプログラムは、記憶部102(図2参照)の記憶領域に格納される。CPU101が、プログラムを記憶部102から読出して所定周期で繰り返し実行することにより、図3に示される処理が実現される。
まず、CPU101は、ステップS01において、配管洗浄モードがオンに設定されているか否かを判定する。配管洗浄モードがオフに設定されていれば(ステップS01にてNO)、CPU101は配管洗浄を行わず、処理を終了する。
一方、配管洗浄モードがオンに設定されていれば(ステップS01にてYES)、CPU101は、ステップS02に進み、水位センサ37の出力信号に基づいて、浴槽8の水位を検出する。
ステップS03では、CPU101は、浴槽8の水位が、循環アダプタ81の吸込口85の下端の高さH1(図1に図示)よりも低い状態であるか否かを判定する。入浴が終了して、浴槽8の排水栓を開いて排水すると、浴槽8の水位が低下し、最終的に吸込口85の下端の高さH1未満となる。ステップS03では、CPU101は、実質的に、水位センサ37の検出値に基づいて、浴槽8の水位が吸込口85の下端の高さH1を下回ったことを検出する。
なお、ステップS03では、好ましくは、浴槽8の水位が高さH1よりも低い状態が期間T1以上継続しているか否かを判定する。期間T1は、たとえば30秒程度に設定される。期間T1を設ける理由は、浴槽8内での水面の揺れや循環配管10内のエア噛みによる誤判定を防止するためである。言い換えれば、期間T1を設けることで、浴槽8の水位が吸込口85の下端の高さH1よりも確実に低い状態であることを検出することができる。
ステップS03において浴槽8の水位が吸込口85の下端の高さH1以上である場合(ステップS03にてNO)、CPU101は処理を終了する。一方、浴槽8の水位が吸込口85の下端の高さH1未満である場合(ステップS03にてYES)、CPU101は、ステップS04に進み、循環配管10内の洗浄を実行する。
まず、ステップS04にて、CPU101は、注湯配管20から循環配管10に対して洗浄水の注湯を開始する。具体的には、CPU101は、給湯部において、入水管50により低温水を缶体30まで導くとともに、缶体30において燃焼バーナ38を所定の燃焼状態に制御する。燃焼バーナ38の燃焼熱を受けて、給湯用熱交換器32aを通る低温水が熱交換により加熱されて出湯管70に供給される。
CPU101は、また、分配弁80の開度を制御することで、出湯管70からの高温水にバイパス管60からの低温水を適宜混合して、所定温度・流量の洗浄水を給湯管72に出力する。
CPU101は、さらに、注湯電磁弁132を開放することで、給湯管72から注湯配管20に対して洗浄水を供給する。注湯配管20に供給された洗浄水は接続部15において戻り路10aに導入される。
次にステップS05により、CPU101は、循環ポンプ33を駆動する。
上記追焚モードで説明したように、循環ポンプ33は、戻り路10aと往き路10bとの間で湯水を循環させるように構成されている。したがって、ステップS04で戻り路10aに洗浄水が導入された状態で循環ポンプ33を駆動することにより、洗浄水は接続部15から経路200側に導かれることになる。
このように循環ポンプ33の駆動力を利用することで、洗浄水が流れる経路200,201のうち、相対的に通水抵抗が高い経路200に対しても洗浄水を積極的に流し込むことができる。これにより、経路200上で追焚用熱交換器32bよりも下流側にある往き路10bに対しても洗浄水が供給されるため、往き路10b内の残水を浴槽8内に排出することが可能となる。この結果、循環配管10内を適切に洗浄することができる。
ステップS05では、CPU101は、循環ポンプ33の回転速度を、予め定められた目標回転速度に従って制御する。具体的には、CPU101は、注湯流量センサ131により計測される注湯流量に応じて目標回転速度を設定すると、目標回転速度に従って循環ポンプ33の回転速度を制御する。
ここで、ステップS05における目標回転速度は、注湯配管20から戻り路10aに流し込まれた洗浄水の一部を往き路10bに送ることが可能な回転速度に設定される。目標回転速度は、注湯配管20から戻り路10aへ向けて出力される洗浄水の流量(注湯流量)に応じて設定することができる。目標回転速度は、好ましくは、追焚モードで設定される循環ポンプ33の目標回転速度に比べて、十分に低い回転速度に設定される。
このようにすると、戻り路10aに流し込まれた洗浄水の一部が循環ポンプ33の駆動力を利用して、経路200、すなわち、戻り路10aの一部分および往き路10bに送られるとともに、洗浄水の残りが経路201、すなわち、戻り路10aの残りの部分に送られる。この結果、往き路10bおよび戻り路10aの両方に対して洗浄水が流し込まれるため、循環配管10内の残水を排出することができる。
言い換えれば、ステップS05による循環ポンプ33の回転速度の制御によれば、注湯配管20から戻り路10aへの注湯流量における、経路200への注湯流量と経路201への注湯流量との比率を調整することができる。したがって、経路200,201の各々の通水抵抗(各経路を構成する配管の長さ、方向および位置等)を考慮して、適当な比率となるように循環ポンプ33の回転速度を調整することができる。
ステップS06では、CPU101は、注湯配管20から注湯される洗浄水の注湯量が所定量Xに達したか否かを判定する。所定量Xは、循環配管10内の残水を洗浄水と置換することができるように、残水の量に応じて実験または試験により予め設定されている。CPU101は、注湯流量センサ131により検出される注湯流量を積分等することで、洗浄水の注湯量を把握することができる。洗浄水の注湯量が所定量Xに達していないと判定された場合(ステップS06にてNO)、CPU101はステップS06に戻り、洗浄水の注湯を継続する。
一方、洗浄水の注湯量が所定量Xに達したと判定されると(ステップS06にてYES)、CPU101は、ステップS07に進み、循環配管10への洗浄水の注湯を停止する。具体的には、CPU101は、缶体30における燃焼バーナ38の燃焼を停止し、各種の弁(分配弁80、流量調整弁90、および注湯電磁弁132)を適宜閉制御することで、注湯配管20への洗浄水の供給を停止する。
ステップS08では、CPU101は、循環ポンプ33の運転を停止するよう指令し、配管洗浄を終了する。
なお、図3のフローチャートでは、ステップS04において、給湯部から循環配管10に対して洗浄水として湯を流し込む構成について説明したが、給湯部から循環配管10に対して洗浄水として水を流し込む構成としてもよい。たとえば、外気温センサ(図示せず)によって検出される外気温に応じて、洗浄水の温度を変更するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に従う風呂給湯システムによれば、浴槽内の湯水を追焚するための戻り路および往き路からなる循環配管に対して洗浄水を流し込む際に、循環ポンプを駆動することで、相対的に洗浄水が流れにくい往き路に対しても洗浄水を流し込むことができる。これにより、戻り路および往き路の各々の残水を排出させることができるため、循環配管内を適切に洗浄することができる。
また、循環配管の戻り路と注湯配管との接続部、または当該接続部よりも下流側に循環ポンプを設置し、かつ、戻り路に流し込まれた洗浄水の一部が往き路に流れ込むように、循環ポンプの回転速度を制御することで、戻り路および往き路の両方に洗浄水が流し込まれるため、戻り路および往き路の各々の残水を排出させることができる。
さらに、浴槽の水位が浴槽の壁面に設置された循環アダプタの吸込口の下端の高さよりも低い状態であるときに、循環配管内を洗浄する構成とすることにより、循環ポンプを駆動することで浴槽内に排出された残水が再び循環配管内に入り込むことを防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。