本発明は、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器が一体化され、その一体化した熱交換器を共通のバーナーで加熱する一缶二水路風呂給湯器に関するものである。
図2には出願人らが開発している一缶二水路風呂給湯器のシステム構成例が示されている。同図において、この一缶二水路風呂給湯器(器具)は燃焼室1を有し、この燃焼室1にはバーナー2が配設され、このバーナー2の上方には給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4が設けられている。これら給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4は一体化されて配設されている。すなわち、複数の共通のフィンプレート5に給湯側の管路を貫通装着して給湯熱交換器3と成し、同じくフィンプレート5に追い焚き側の管路を貫通装着して追い焚き熱交換器4と成しており、上記バーナー2は給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共に加熱する構成になっている。
上記バーナー2の下方側の燃焼室1は給気通路6に連通され、この給気通路6には燃焼ファン7が組み込まれており、燃焼ファン7の回転駆動により外部から給気通路6を介してバーナー2へ空気が送り込まれると共に、バーナー2の燃焼により生じた排気ガスがバーナー2の上方の燃焼室1に連通する排気通路9から外部へ排出される。
上記バーナー2のガス導入口にはガスノズル19が対向配設され、このガスノズル19には燃料ガスを導入するためのガス供給通路8が接続されており、このガス供給通路8により導かれた燃料ガスはガスノズル19を介してバーナー2に供給される。また、上記ガス供給通路8には通路の開閉を行う電磁弁10,11a,11bと、ガスの供給量を開弁量により制御する比例弁12とが介設されている。
前記給湯熱交換器3の入側には給水通路13の一端側が接続され、給湯熱交換器3の出側には給湯通路14の一端側が接続されており、上記給水通路13の他端側は外部配管を介して水供給源に接続され、前記給湯通路14の他端側は外部配管を介して台所等の所望の給湯場所に導かれている。
前記追い焚き熱交換器4の入側には管路18の一端側が接続され、この管路18の他端側は循環ポンプ20の吐出口に接続されており、循環ポンプ20の吸入口には戻り管21の一端側が接続され、戻り管21の他端側は循環金具16を介して浴槽22に連接されている。また、追い焚き熱交換器4の出側には管路23の一端側が接続されており、この管路23の他端側は循環金具16を介して前記浴槽22に連接されている。上記戻り管21と循環ポンプ20と管路18と追い焚き熱交換器4と管路23により追い焚き循環通路24が構成される。
上記追い焚き循環通路24の管路18と前記給湯通路14は湯張り通路25により連通されており、この湯張り通路25には通路の開閉を制御する注湯制御弁26と、浴槽22の水位を検出する水位センサ28とが設けられている。
なお、図中に示す30は燃焼室1内の風量を検出する風量センサであり、31は給水通路13に設けられて給水の流量を検出する水量センサであり、32は給水通路13の水の温度を検出する入水温度センサであり、34は給湯通路14に設けられて通水流量を制御する流量制御弁であり、35は給湯通路14に設けられて給湯が行われていることを水流により検出する給湯確認スイッチであり、36は追い焚き循環通路24の水流を検出する水流センサであり、37は追い焚き循環通路24の湯水を浴槽湯水の温度(風呂温度)として検出する浴槽湯水温度検出手段である風呂温度センサであり、38は給湯熱交換器3で作り出された湯の温度を検出する出湯温度センサである。
この一缶二水路風呂給湯器には制御装置40が設けられており、この制御装置40にはリモコン41が接続されている。このリモコン41には給湯温度を設定するための給湯温度設定手段や、浴槽22の風呂の温度を設定する風呂温度設定手段42や、浴槽22の湯水の水位を設定する風呂水位設定手段43や、湯張りから追い焚きを経て保温に至る自動運転の開始を指令する自動運転ボタン等が設けられている。
上記制御装置40は各種センサのセンサ出力信号やリモコン41の情報を取り込み、これら取り込んだセンサ出力や予め与えられているシーケンスプログラムに従って、給湯運転や、自動運転等の各種の運転動作を次のように制御する。
例えば、台所等に導かれた給湯通路の水栓が開けられ、水供給源から給水通路13に水が流れ込んで水量センサ31が給水通路13の通水を検出すると、器具は給湯運転を開始する。まず、燃焼ファン7の回転駆動を開始させ、電磁弁11a,11bの両方又はどちらか一方と電磁弁10を開動作させガス供給通路8を通してバーナー2に燃料ガスを供給し、図示されていない点着火手段によりバーナー2の点着火を行い燃焼を開始させる。
そして、給湯湯温が給湯温度設定手段に設定されている給湯設定温度となるように比例弁12の開弁量を制御して(バーナー2への供給ガス量を制御して)バーナー2の燃焼熱量を制御し、給湯熱交換器3の通水をバーナー2の燃焼火炎により加熱して設定温度の湯を作り出し、この湯を給湯通路14を通して給湯場所に供給する。
湯の使用が終了して水栓が閉められると、給湯熱交換器3への通水が停止し、水量センサ31が給水通路13の通水を検知しなくなったときに、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させる。その後、予め定められたポストパージ期間(例えば、5分間)が経過したときに、燃焼ファン7の回転駆動を停止して給湯運転を終了し次の給湯に備える。
また、前記自動運転ボタンにより自動運転の開始が指令されると、図3のフローチャートに示すように、湯張り運転を開始する(ステップ101)。例えば、浴槽22に湯水が残っているか否かを判断し(ステップ102)、残水がないと判断したときには、注湯制御弁26を開弁し、上記給湯運転と同様にして給湯熱交換器3で作り出された湯を、給湯通路14と湯張り通路25と追い焚き循環通路24を順に介して浴槽22に落とし込む。そして、水位センサ28が検出する浴槽22の水位が風呂水位設定手段43に設定されている設定水位に達したときに、注湯制御弁26を閉じ、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させ、湯張り運転を終了する(ステップ104)。
また、上記湯張りの開始時に、浴槽22に残水があると判断されたときには、浴槽22の残水が風呂温度設定手段42に設定されている風呂の設定温度になるまで追い焚きを行う(ステップ103)。
追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ20を駆動させて浴槽22内の湯水を追い焚き循環通路24を通して循環させると共に、バーナー2の燃焼を開始させ、バーナー2の燃焼火炎により追い焚き熱交換器4の循環湯水を加熱して追い焚きを行う。そして、風呂温度センサ37により検出される風呂温度が風呂温度設定手段42により設定されている風呂の設定温度に達したときに、バーナー2の燃焼を停止させ、追い焚き運転を終了する。
上記の如く、浴槽22の残水の追い焚きを行った後に、前記同様に、風呂水位設定手段43に設定されている風呂の設定水位になるまで給湯熱交換器3で作られた湯を浴槽22に注湯する。
そして、上記のように設定水位まで浴槽22に湯が張られて湯張りが終了した後に、循環ポンプ20を駆動する(ステップ105)。そして、風呂温度センサ37により検出される浴槽22の湯水温が設定温度に達しているか否かを判断し(ステップ106)、浴槽22の湯水温が設定温度に達していないと判断したときには、前記追い焚きを行って浴槽22の湯水を設定温度に高める(ステップ107)。また、風呂温度センサ37により検出される浴槽湯水温が設定温度であると判断したときには、循環ポンプ20の駆動を停止させる(ステップ108)。以上のように、湯張りから追い焚きを経て浴槽22に設定水位、設定温度の湯が張られる。
その後、保水運転を含む保温運転が行われる。まず、制御装置40に内蔵されているタイマをリセット・駆動させ(ステップ109)、水位センサ28により検出される風呂の水位が設定水位であるか否かを判断し(ステップ110)、入浴者による湯の使用等により風呂の水位が設定水位よりも低下していると判断したときには、前記同様にして給湯熱交換器3で作り出した湯を浴槽22に注湯し、風呂の水位を設定水位に高めて浴槽水位を設定水位に保持する(ステップ111)。
また、風呂の水位が設定水位であると判断されたときには、前記タイマの計測時間が予め定められた時間(例えば30分)に達したか否かを判断し(ステップ112)、タイマの計測時間が設定時間に達していないときには前記浴槽水位保持動作を繰り返し行う。
前記タイマの計測時間が設定時間に達したときには、風呂温度センサ37により検出される浴槽湯水温が設定温度であるか否かを判断し(ステップ113)、風呂の温度が設定温度よりも低下していると判断したときには、風呂の温度が設定温度になるまで追い焚きを行って風呂の温度を設定温度に保持する保温動作を行う(ステップ114)。
そして、風呂の温度が設定温度であると判断されたときには、前記ステップ109以降の浴槽水位保持動作と風呂の保温動作を繰り返し行う。
前記の如く、一缶二水路風呂給湯器は、一体化された給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共通のバーナー2を用いて加熱する方式であるので、別体に設けられた給湯熱交換器と追い焚き熱交換器をそれぞれ別個のバーナーを用いて燃焼加熱する方式に比べて、装置構成の簡易化が図れ、これに伴い、装置の小型化とコストの低減が図れることになる。
ところで、一缶二水路風呂給湯器が給湯運転を行わず追い焚き運転のみの追い焚き単独運転を行っているときには、給湯熱交換器3内に湯水が滞留している状態にあり、追い焚き運転によるバーナー2の燃焼火炎によって追い焚き熱交換器4だけでなく給湯熱交換器3も加熱されるので、上記給湯熱交換器3内の滞留湯水は加熱されて給湯熱交換器3内の滞留湯水の温度が上昇し非常に高温になる。
このため、追い焚き単独運転が行われているときに給湯運転が開始されると、上記追い焚き単独運転に起因して高温に加熱された給湯熱交換器3内の湯が出湯し、湯の使用者に高温給湯による不快感を与えてしまうといった高温給湯の問題が生じる虞がある。前述したような風呂の自動運転が行われているときには、追い焚き単独運転が回数多く行われるので、上記追い焚き単独運転に起因した高温給湯の問題の発生確率が高かった。
また、追い焚き運転を行わず給湯のみを行う給湯単独運転が行われると、追い焚き熱交換器4には湯水が滞留している状態にあり、バーナー2の燃焼火炎によって給湯熱交換器3だけでなく追い焚き熱交換器4も加熱されるので、追い焚き熱交換器4の滞留湯水は加熱されて非常に高温になる。
このため、上記保水運転中に給湯単独運転が行われ、この給湯単独運転直後等に保温運転による追い焚きが行われると、上記高温に加熱された追い焚き熱交換器4の湯が浴槽22に噴出し、浴槽22の入浴者に高温湯がかかる虞があり、入浴者に高温湯噴出による不快感を与えてしまう場合がある。
この発明の目的は上記課題を解決することができる一缶二水路風呂給湯器を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給水通路から導かれた水を加熱し給湯通路に湯を供給する給湯熱交換器と、追い焚き循環通路に組み込まれる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ前記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する湯水を加熱する追い焚き熱交換器とを有し、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に加熱するバーナーが設けられ、上記給湯熱交換器で作られた湯を給湯通路を通して供給する給湯機能と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に注湯して設定水位に自動的に湯を張る湯張り機能とを備えた一缶二水路風呂給湯器において、浴槽に予め定められた水位以上の湯が張られた後の湯張り中に、一缶二水路風呂給湯器の運転が湯張りから給湯に切り換えられる給湯割り込みが行われたときには、循環ポンプを駆動させるポンプ駆動制御部を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、浴槽湯水の温度を検出する浴槽湯水温度検出手段が設けられており、湯張り中の給湯割り込みが終了したときには、上記浴槽湯水温度検出手段が検出する浴槽湯水温度が設定温度よりも低くても、循環ポンプの駆動を停止させるポンプ停止部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
第3の発明は、給水通路から導かれた水を加熱し給湯通路に湯を供給する給湯熱交換器と、追い焚き循環通路に組み込まれる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ前記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する湯水を加熱する追い焚き熱交換器とを有し、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に加熱するバーナーが設けられ、上記給湯熱交換器で作られた湯を給湯通路を通して供給する給湯機能と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に注湯して設定水位に自動的に湯を張る湯張り機能と、浴槽に設定水位の湯が張られた後に浴槽湯水の温度を設定温度に保持する保温機能とを備えた一缶二水路風呂給湯器において、浴槽に予め定められた水位以上の湯が張られた後の湯張り中に一缶二水路風呂給湯器の運転が湯張りから給湯に切り換えられる給湯割り込みが行われたとき、あるいは、循環ポンプが停止中の保温中に給湯運転が行われたときに、循環ポンプを駆動させるポンプ駆動制御部を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
この発明によれば、ポンプ駆動制御部を設け、該ポンプ駆動制御部によって、湯張り中に給湯割り込みが行われたときに循環ポンプを駆動させるので、湯張り中の給湯割り込み時に循環ポンプが駆動して追い焚き熱交換器に浴槽湯水が流れ、給湯運転によるバーナーの燃焼火炎によって、上記追い焚き熱交換器の通水が加熱され浴槽湯水の追い焚きを行うことができる。このため、湯張り中に浴槽残水を設定温度に高めるための追い焚きをわざわざ行わなくても、上記湯張り中の給湯割り込み時の追い焚きによって浴槽湯水が加熱され湯張り終了時にほぼ設定水位の湯を張ることが可能となる。
上記のことから、従来のような湯張り運転中の追い焚きを省略することが可能となる。湯張り運転中の追い焚きを省略すると、湯張り運転中に追い焚き単独運転を行うことに起因した高温給湯の問題を回避でき、また、風呂の沸き上がり温度のばらつきの問題を回避することができる。さらに、上記の如く、湯張り終了時にほぼ設定温度の湯を張ることができるので、湯張り終了直後の追い焚きを行う必要がなかったり、また、追い焚きを行ったとしても、浴槽湯水を設定温度に高めるのに要する時間が非常に短くて済み、追い焚き単独運転時間を短縮することができる。
このように、追い焚き単独運転の運転回数の低減が図れると共に、追い焚き単独運転時間の短縮が図れるので、追い焚き単独運転に起因した高温給湯問題の発生確率を大幅に低下させることができ、追い焚き単独運転に起因した問題をほぼ回避することができる。
ポンプ停止部が設けられ、該ポンプ停止部によって湯張り中の給湯割り込みが終了したときには浴槽湯水温が設定温度よりも低くても循環ポンプを停止させるものにあっては、給湯割り込みの終了直後に速やかに湯張り運転を再開させることができる。
さらに、循環ポンプが停止中の保温中に給湯が行われたときにポンプ駆動制御部が循環ポンプを駆動させるものにあっては、保温中に、給湯が行われる度に循環ポンプが駆動し、給湯運転によるバーナーの燃焼火炎によって、追い焚き熱交換器の通水が加熱され浴槽湯水の追い焚きが行われるので、保温中に浴槽湯水を設定温度に高めるための追い焚き単独運転の運転回数を削減しても浴槽湯水をほぼ設定温度に保持することができる。このことから、保温中の追い焚き単独運転の運転回数を削減することができる。
また、保温中の給湯時の追い焚きにより浴槽湯水が加熱され浴槽湯水の低下を小さくすることができるので、保温中に追い焚き単独運転を行った場合に、浴槽湯水を設定温度に高めるために要する時間が短くて済み、追い焚き単独運転を行っている追い焚き単独運転時間の短縮を図ることができる。
以上のことから、ポンプ駆動部を設けることによって、湯張り中と保温中の追い焚き単独運転の運転回数の削減が図れると共に、追い焚き単独運転時間の短縮が図れるので、追い焚き単独運転に起因した高温給湯問題の発生確率をより一層低下させることができ、追い焚き単独運転に起因した前記高温給湯の問題をほぼ防止することができる。
さらに、保温中に給湯が行われたときにポンプ駆動制御部により循環ポンプが駆動する場合には、循環ポンプの駆動により追い焚き熱交換器に湯水が流れ、保温中の給湯単独運転により追い焚き熱交換器に高温湯水が滞留することがなく、保温中の給湯停止直後等に追い焚きが行われて上記追い焚き熱交換器の高温湯が浴槽に噴出し入浴者に高温湯がかかるという高温湯噴出の問題を確実に防止することができる。
以下に、この発明の実施形態例を図面に基づき説明する。
本実施形態例の一缶二水路風呂給湯器は前記図2に示すシステム構成を有し、この実施形態例において特徴的な制御構成が図1に示されている。なお、図2に示す一缶二水路風呂給湯器のシステム構成の説明は前述したのでその重複説明は省略する。
この実施形態例において特徴的な制御装置40は、図1に示すように、追い焚き阻止部44と燃焼制御部45とポンプ駆動制御部46と給湯運転監視部47とポンプ停止部48とデータ格納部50を有して構成されている。
上記燃焼制御部45には給湯や自動運転等の様々な運転のシーケンスプログラムが与えられており、燃焼制御部45は水位センサ28や風呂温度センサ37等の各種のセンサ出力を取り込み、これら取り込んだセンサ出力と上記シーケンスプログラムに従って給湯運転や自動運転等の各種の運転を行う。
追い焚き阻止部44は、燃焼制御部45の運転情報を取り込み、この情報に基づき器具が湯張り運転を開始したと検知したときに、燃焼制御部45へ追い焚き阻止信号の出力を開始する。そして、追い焚き阻止部44は、浴槽22の水位が風呂水位設定手段43に設定されている設定水位に達して湯張りが終了するまで、上記追い焚き阻止信号の出力を継続して行い、燃焼制御部45の情報に基づき湯張りが終了したと検知したときに上記追い焚き阻止信号の出力を停止する。燃焼制御部45は、上記追い焚き阻止信号を受けている間、つまり、湯張り中、追い焚き運転を行わない。
給湯運転監視部47は燃焼制御部45の運転情報を取り込み、該情報に基づき給湯運転が行われているか否かを監視する。例えば、給湯確認スイッチ35が通水を検出しているときには給湯が行われていると検知し、それ以外のときには給湯運転は行われていないと検知される。
データ格納部50は記憶装置であり、該データ格納部50には基準水位Hspが予め定められ格納されている。この基準水位Hspは浴槽22の循環金具16の配設位置よりも予め定められた分だけ上側の水位(例えば、循環金具16の最上端から5cm上側の水位)である。
ポンプ駆動制御部46は前記燃焼制御部45の運転情報を取り込み、該運転情報に基づき器具が湯張りを開始したと検知したときに、水位センサ28のセンサ出力の取り込みを開始する。そして、ポンプ駆動制御部46は時々刻々と取り込まれる水位センサ28のセンサ出力に基づいて検出される浴槽22の水位を前記データ格納部50に格納されている基準水位Hspに比較し、浴槽22の水位が上記基準水位Hsp以上に上昇したと検知したときに、前記給湯運転監視部47の監視情報の取り込みを開始する。
ポンプ駆動制御部46は給湯運転監視部47の監視情報に基づき、給湯が開始されたと検知したときには、基準水位Hsp以上に浴槽22に湯が張られた後の湯張り中に器具運転が湯張りから給湯に切り換えられる給湯割り込みが行われたと判断し、循環ポンプ20を駆動させる。また、同時に、ポンプ駆動制御部46はポンプ停止部48にポンプ駆動開始信号を出力する。
この循環ポンプ20の駆動により追い焚き熱交換器4には浴槽湯水が流れ、この追い焚き熱交換器4の通水は給湯運転によるバーナー2の燃焼火炎により加熱され浴槽22の湯水の追い焚きが行われる。
この実施形態例では、上記の如く、ポンプ駆動制御部46により循環ポンプ20を駆動させるのは、循環金具16の配設位置よりも高めの水位(基準水位Hsp)以上に湯が張られてからである。それというのは、循環金具16の配設位置よりも低めの水位のときには追い焚き循環通路24内は水から空気に置換されている状態であり、この状態で循環ポンプ20を駆動させると、循環ポンプ20に空気が取り込まれ、該空気に起因して循環ポンプ20が故障する等の問題が生じるので、この実施形態例では、循環金具16の配設位置よりも高めの水位に湯が張られ追い焚き循環通路24内に湯水が入り込んでいる状態で循環ポンプ20を駆動させるようにし、循環ポンプ20に空気が取り込まれるのを防止して循環ポンプ20の故障等の問題発生を回避するためである。
ポンプ停止部48はポンプ駆動制御部46からのポンプ駆動開始信号を受けてポンプ駆動制御部46により循環ポンプ20の駆動が開始されたと検知したときに、風呂温度設定手段42に設定されている設定温度を取り込み、また、風呂温度センサ37のセンサ出力の取り込みを開始する。そして、ポンプ停止部48は風呂温度センサ37のセンサ出力に基づいて検出される浴槽22の湯水温度が上記設定温度に達したときには、循環ポンプ20を停止させ、浴槽22の湯水温が設定温度以上になるのを防止する。
また、ポンプ停止部48は給湯運転監視部47の監視情報を取り込み、ポンプ駆動制御部46により循環ポンプ20の駆動が開始されたと検知した後に、給湯運転監視部47の監視情報に基づき、給湯運転の終了を検知したときには、浴槽22の湯水温度が設定温度に達していなくても、循環ポンプ20を停止させる。
前記ポンプ駆動制御部46は、前記燃焼制御部45の運転情報に基づき、湯張りが終了し保水運転を含む保温運転が開始されたと検知した後も、引き続き給湯運転監視部47の監視情報を取り込み、該監視情報に基づき保水運転中に給湯運転が行われたと検知したときに、前記同様に、循環ポンプ20の駆動を開始させる。
前記ポンプ停止部48は、上記同様に、ポンプ駆動制御部46により循環ポンプ20の駆動が開始された後に、風呂温度センサ37に基づいて検出される浴槽22の湯温が設定温度に達したときには循環ポンプ20を停止させる。又は、給湯運転監視部47の監視情報に基づき給湯運転の終了を検知したときには、浴槽22の湯温が設定温度に達していなくても、循環ポンプ20を停止させる。
この実施形態例によれば、追い焚き阻止部44を設け、湯張りが開始されてから設定水位に湯が張られるまで、上記追い焚き阻止部44によって追い焚き単独運転が行われるのが阻止されるので、従来のような湯張りの開始後に浴槽22の残水を設定温度まで高める追い焚き単独運転が行われなくなり、湯張り運転時の湯張り中断中の追い焚き単独運転に起因した高温給湯の問題、つまり、追い焚き単独運転中に給湯が開始されたときに、追い焚き単独運転に起因して高温に加熱された給湯熱交換器3の湯が出湯して湯の使用者に高温給湯による不快感を与えてしまうという問題を回避することができる。
また、上記の如く、追い焚き阻止部44の動作によって、湯張り運転中に浴槽22の湯水を設定温度に高めるための追い焚き単独運転が行われないので、その追い焚き単独運転により設定温度に高められた浴槽22の湯水に追い焚き単独運転に起因して高温に加熱された給湯熱交換器3の湯が加えられ、風呂の沸き上がり温度が設定温度よりも高くなるという問題を回避することができ、設定温度の湯を張ることができる。このことから、追い焚き単独運転に起因した風呂の沸き上がり温度のばらつきの問題を防止することができる。
さらに、ポンプ駆動制御部46を設け、湯張り中に給湯割り込みが行われたときに上記ポンプ駆動制御部46によって循環ポンプ20を駆動させるので、湯張り中の給湯割り込み時に追い焚き熱交換器4に浴槽湯水が流れ、給湯運転によるバーナー2の燃焼火炎は給湯熱交換器3の通水を加熱するだけでなく上記追い焚き熱交換器4の通水を加熱して浴槽22の湯水の追い焚きを行うことができる。このため、浴槽22が空の状態から湯張りを開始したときにはもちろんのこと、浴槽22に残水があった状態から湯張りが開始された場合に残水の追い焚きを行わなくても、湯張り終了時には浴槽湯水温度を設定温度に近い温度にすることができるので、湯張り終了直後の追い焚き単独運転時間を短縮させることができる。
さらに、上記ポンプ駆動制御部46は保温中に給湯が行われるときに循環ポンプ20を駆動させるので、給湯運転が行われる度に浴槽22の湯水の追い焚きを行うことができる。このため、保温中の浴槽湯水温の低下を防止することができ、このことにより、保温運転により浴槽22の湯水温を設定温度に高めるための追い焚き単独運転の運転回数を減少させることができる。
また、上記の如く、ポンプ駆動制御部46の動作によって保温中の浴槽湯水温の低下を小さくすることができるので、保温運転による追い焚き単独運転時に浴槽湯水温を設定温度に高めるのに要する時間は短くて済み、追い焚き単独運転を行っている追い焚き単独運転時間の短縮を図ることができる。
以上のように、追い焚き阻止部44とポンプ駆動制御部46を設けたことによって、自動運転中の追い焚き単独運転の運転回数を大幅に削減させることができ、また、追い焚き単独運転時間の短縮を図ることができるので、追い焚き単独運転に起因した前記高温給湯問題の発生確率を大幅に低下させることができ、追い焚き単独運転に起因した高温給湯問題をほぼ防止することができる。
さらに、ポンプ停止部48を設け、ポンプ駆動制御部46による循環ポンプ20の駆動中に浴槽22の湯温が設定温度に達したときには、上記ポンプ停止部48によって、循環ポンプ20が停止されるので、ポンプ駆動制御部46による循環ポンプ20の駆動によって浴槽22の湯温が設定温度よりも高くなることが防止される。
さらに、湯張り中に、ポンプ駆動制御部46による循環ポンプ20の駆動中に給湯運転が終了したときには、上記ポンプ停止部48により循環ポンプ20が停止されるので、給湯運転後にスムーズに湯張り運転の再開を行うことができる。
また、保温運転中に給湯単独運転が行われた直後に追い焚き運転が行われると、給湯単独運転に起因して高温に加熱した追い焚き熱交換器4の滞留湯水が浴槽22に噴出し、浴槽22の入浴者に高温の湯がかかる虞があったが、この実施形態例に示すように、保温運転中に給湯運転が行われるときには、循環ポンプ20を駆動させて追い焚き熱交換器4に高温の湯が滞留するのを回避することができるので、給湯単独運転に起因して高温の湯が浴槽22に噴出するという問題が確実に回避される。
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。
例えば、上記実施形態例では、ポンプ停止部48は、ポンプ駆動制御部46による循環ポンプ20の駆動開始をポンプ駆動制御部46から出力されたポンプ駆動開始信号により直接的に検知していたが、ポンプ停止部48は、燃焼制御部45の運転情報と給湯運転監視部47の監視情報を取り込み、それら情報に基づき湯張り中や保温中に給湯が行われたと検知したときに、ポンプ駆動制御部46により循環ポンプ20の駆動が開始されたと間接的に検出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態例では、ポンプ駆動制御部46は湯張り中に給湯割り込みが開始されたときに、又は、保温中に給湯が開始されたときに、給湯運転の開始タイミングに合わせて循環ポンプ20の駆動を開始させていたが、上記湯張り中の給湯割り込みの開始時から、又は、保水中の給湯運転の開始時から予め定めた時間を経過した後に、循環ポンプ20の駆動を開始させるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態例は図2に示すシステム構成の一缶二水路風呂給湯器を例にして説明したが、一缶二水路タイプで給湯機能と湯張り機能を備えている風呂給湯器であれば、図2の器具に限定されずに、この発明は適用することができる。
この発明に係る実施形態例を示すブロック構成図である。
一缶二水路風呂給湯器の一例を示すモデル図である。
自動運転の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
3 給湯熱交換器
4 追い焚き熱交換器
13 給水通路
14 給湯通路
20 循環ポンプ
24 追い焚き循環通路
37 風呂温度センサ
46 ポンプ駆動制御部
48 ポンプ停止部