JP3767956B2 - 一缶二水路風呂給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器が一体化され、その一体化した熱交換器を共通のバーナーで加熱する一缶二水路風呂給湯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3には出願人らが開発している一缶二水路風呂給湯器のシステム構成例が示されている。同図において、この一缶二水路風呂給湯器(器具)は燃焼室1を有し、この燃焼室1にはバーナー2が配設され、このバーナー2の上方には給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4が設けられている。これら給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4は一体化されて配設されている。すなわち、複数の共通のフィンプレート5に給湯側の管路を貫通装着して給湯熱交換器3と成し、同じくフィンプレート5に追い焚き側の管路を貫通装着して追い焚き熱交換器4と成しており、上記バーナー2は給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共に加熱する構成になっている。
【0003】
上記バーナー2の下方側の燃焼室1は給気通路6に連通され、この給気通路6には燃焼ファン7が組み込まれており、燃焼ファン7の回転駆動により外部から給気通路6を介してバーナー2へ空気が送り込まれると共に、バーナー2の燃焼により生じた排気ガスがバーナー2の上方の燃焼室1に連通する排気通路9から外部へ排出される。
【0004】
上記バーナー2のガス導入口にはガスノズル19が対向配設され、このガスノズル19には燃料ガスを導入するためのガス供給通路8が接続されており、このガス供給通路8により導かれた燃料ガスはガスノズル19を介してバーナー2に供給される。また、上記ガス供給通路8には通路の開閉を行う電磁弁10,11a,11bと、ガスの供給量を開弁量により制御する比例弁12とが介設されている。
【0005】
前記給湯熱交換器3の入側には給水通路13の一端側が接続され、給湯熱交換器3の出側には給湯通路14の一端側が接続されており、上記給水通路13の他端側は外部配管を介して水供給源に接続され、前記給湯通路14の他端側は外部配管を介して台所等の所望の給湯場所に導かれている。また、上記給湯熱交換器3の入側の給水通路13と出側の給湯通路14を短絡する常時バイパス通路15とバイパス通路16が設けられており、上記バイパス通路16には通路の開閉を行う電磁弁17が介設されている。
【0006】
前記追い焚き熱交換器4の入側には管路18の一端側が接続され、この管路18の他端側は循環ポンプ20の吐出口に接続されており、循環ポンプ20の吸入口には戻り管21の一端側が接続され、戻り管21の他端側は浴槽22に連接されている。また、追い焚き熱交換器4の出側には管路23の一端側が接続されており、この管路23の他端側は前記浴槽22に連接されている。上記戻り管21と管路18と追い焚き熱交換器4と管路23により追い焚き循環通路24が構成される。
【0007】
上記追い焚き循環通路24の管路18と前記給湯通路14は湯張り通路25により連通されており、この湯張り通路25には通路の開閉を制御する注湯制御弁26と、浴槽22の水位を水圧により検出する水位センサ28とが設けられている。
【0008】
なお、図中に示す30は燃焼室1内の風量を検出する風量センサであり、31は給水通路13に設けられて給水の流量を検出する水量センサであり、32は給水通路13の水の温度を検出する入水温度センサであり、34は給湯通路14に設けられて給湯の流量を制御する流量制御弁であり、35は給湯通路14に設けられて給湯が行われていることを水流により検出する給湯確認スイッチであり、36は追い焚き循環通路24の水流を検出する水流センサであり、37は追い焚き循環通路24の湯水を浴槽湯水の温度(風呂温度)として検出する追い焚き循環通路温度センサである風呂温度センサであり、38は給湯熱交換器3で作り出された湯の温度を検出する出湯温度センサである。
【0009】
この一缶二水路風呂給湯器には制御装置40が設けられており、この制御装置40にはリモコン41が接続されている。このリモコン41には給湯温度を設定するための給湯温度設定手段や、浴槽22の風呂の温度を設定する風呂温度設定手段や、浴槽22の湯水の水位を設定する風呂水位設定手段や、浴槽22の湯張りから保温に至るまでの一連の風呂の自動運転を開始させるための自動運転ボタン等が設けられている。
【0010】
上記制御装置40は各種センサのセンサ出力信号やリモコン41の情報を取り込み、予め与えられているシーケンスプログラムに従って、給湯運転や、風呂の自動運転等の各種の運転モードの動作を次のように制御する。
【0011】
例えば、台所等に導かれた給湯通路の水栓が開けられ、水供給源から給水通路13に水が流れ込んで水量センサ31が給水通路13の通水を検出すると、器具は給湯モードの運転を開始する。まず、燃焼ファン7の回転駆動を開始させ、電磁弁11a,11bの両方又はどちらか一方と電磁弁10を開動作させガス供給通路8を通してバーナー2に燃料ガスを供給し、図示されていない点着火手段によりバーナー2の点着火を行い燃焼を開始させる。
【0012】
そして、給湯湯温がリモコン41に設定されている給湯設定湯温となるように比例弁12の開弁量を制御して(バーナー2への供給ガス量を制御して)バーナー2の燃焼熱量を制御し、給湯熱交換器3の通水をバーナー2の燃焼火炎により加熱して設定温度の湯を作り出し、この湯を給湯通路14を通して給湯場所に供給する。
【0013】
湯の使用が終了して水栓が閉められると、給湯熱交換器3への通水が停止し、水量センサ31が給水通路13の通水を検知しなくなったときに、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させる。その後、予め定められたポストパージ期間(例えば、5分間)が経過したときに、燃焼ファン7の回転駆動を停止して給湯モードの運転を終了し次の給湯に備える。
【0014】
また、リモコン41の自動運転ボタンにより風呂の自動運転が指令されると、図4のフローチャートのステップ101に示すように、まず、湯張りモードの動作が開始される。例えば、注湯制御弁26を開弁し、この注湯制御弁26の開弁動作により水供給源から給水通路13に水が流れ込み水量センサ31が給水通路13の通水を検知すると、上記給湯運転と同様にバーナー2の燃焼を開始させる。
【0015】
このバーナー2の燃焼火炎により給湯熱交換器3で作り出された湯は給湯通路14と湯張り通路25を順に介して追い焚き循環通路24に送り込まれ、追い焚き循環通路24に流れ込んだ湯は戻り管21を通る経路と追い焚き熱交換器4を通る経路との2経路で浴槽22に落とし込まれる。水位センサ28が検出する浴槽22の水位がリモコン41に設定されている設定水位に達したときに、注湯制御弁26を閉じ、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させ、湯張りモードの動作を終了する。
【0016】
この湯張りモードの動作終了後に、図4のステップ102に示すように、循環ポンプ20を駆動させ、浴槽22の湯水を追い焚き循環通路24を通して循環させて浴槽22の湯水を撹拌させ、ステップ103で、風呂温度センサ37により浴槽22の風呂温度を検出し、ステップ104で、検出した風呂温度Thが風呂 の設定温度Tsよりも低いか否かを判断し、風呂温度Thが設定温度Ts よりも低いと判断したときには、ステップ110に進み、追い焚きモードの動作を開始する。
【0017】
例えば、循環ポンプ20の駆動を引き続き行って、浴槽22内の湯水を追い焚き循環通路24を通して循環させると共に、バーナー2の燃焼を開始させ、バーナー2の燃焼火炎により、追い焚き熱交換器4で上記循環湯水を加熱して追い焚きを行う。風呂温度センサ37により検出される風呂温度Thが設定温度Tsに達したと前記ステップ104で判断したときには、バーナー2の燃焼を停止させ、追い焚きモードの動作を終了する。
【0018】
そして、ステップ105に示すように、循環ポンプ20を停止させると共に、制御装置40に内蔵されているタイマによる時間計測をスタートさせ、保温モードの動作を開始する。
【0019】
例えば、ステップ106に示すように、上記タイマの計測時間tcが予め定め られた設定時間ts(例えば、30分)に達したか否かを判断する。上記計測時 間tcが設定時間tsに達したと判断したときには、上記ステップ102からステップ105までの動作を行い、風呂の温度Thが設定温度Tsよりも低下している場合には追い焚きを行って風呂の温度Thを設定温度Tsに保つことができる。
【0020】
また、前記ステップ106でタイマの計測時間tcが設定時間tsに達していないと判断される期間には、ステップ107,108,109に示す保水モードの動作を行う。
【0021】
まず、ステップ107で、水位センサ28のセンサ出力を取り込む。上記水位センサ28は湯張り通路25内の湯水の水圧を浴槽22の水圧として検出し、その浴槽水位の水圧をセンサ出力として出力するものである。前記制御装置40には水位センサ28が検出出力するセンサ出力(P)と、浴槽22の水量(Q)との関係を表す図5の実線Aに示すようなP−Qデータが予め求め与えられており、前記水位センサ28のセンサ出力を上記P−Qデータに参照して浴槽22の水位を検出する。
【0022】
そして、ステップ108で、上記検出された浴槽22の水位Pkが設定水位Psよりも低下しているか否かを判断し、浴槽22の水位Pkが設定水位Psよりも低下していないと判断したときには前記水位センサ28による水位検出動作を前記ステップ106以降の動作により繰り返し行い、また、浴槽22の水位Pkが入 浴者による湯の使用等により設定水位Psよりも低下していると判断したときに は、ステップ109で、湯張りの動作を開始して、浴槽22への注湯を行い、浴槽22の水位Pkを設定水位Psまで上昇させる。
【0023】
上記保水モードの動作は前記タイマの計測時間tcが設定時間tsになるまで、繰り返し行われる。
【0024】
上記保水動作を含む保温モードの動作は、予め定められている期間(例えば、風呂が沸き上がってから4時間の間)に渡り行われる。
【0025】
前記の如く、一缶二水路風呂給湯器は、一体化された給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共通のバーナー2を用いて加熱する方式であるので、別体に設けられた給湯熱交換器と追い焚き熱交換器をそれぞれ別個のバーナーを用いて燃焼加熱する方式に比べて、装置構成の簡易化が図れ、これに伴い、装置の小型化とコストの低減を図れることになる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一缶二水路風呂給湯器が追い焚き運転を行わず給湯のみの給湯単独運転を行うと、給湯単独運転直後等には次のような理由により正確な浴槽22の水位を得ることができないことが出願人らの実験によりわかった。
【0027】
上記給湯単独運転時には追い焚き熱交換器4内に湯水が滞留している状態にあり、給湯運転のためにバーナー2を燃焼させると、バーナー2の燃焼火炎によって給湯熱交換器3だけでなく追い焚き熱交換器4も加熱されるので、上記追い焚き熱交換器4内の滞留湯水は加熱される。このため、追い焚き熱交換器4内の滞留湯水の温度が上昇し沸騰に近い状態になる。
【0028】
上記追い焚き熱交換器4内の高温加熱された湯水は対流現象により追い焚き熱交換器4の入側の管路18と出側の管路23の両側へ流れ出て、この追い焚き熱交換器4から流れ出た高温の湯水の熱により追い焚き循環通路24や該追い焚き循環通路24に連通する連通通路である湯張り通路25内の湯水の温度が、例えば、70〜80℃と、かなり高温まで上昇する。
【0029】
このように、湯張り通路25内の湯水温度が高温に上昇することにより、水位センサ28の予め定められている保証温度範囲(正確な水位検出を保証している水温範囲(例えば、5〜48℃))を越えてしまうので、水位センサ28が正確な水圧を検出することができなくなり、図6の(b)に示すように、水位センサ28のセンサ出力が、浴槽22の水位が変化していないのにも拘らず、大きな温度依存性をもって上昇する方向又は下降する方向にシフトしてしまう。
【0030】
その上、上記の如く、追い焚き熱交換器4内の高温加熱された湯水が追い焚き熱交換器4の入側の管路18と出側の管路23の両側へ流れ出ると共に、管路18と管路23の両側から追い焚き熱交換器4内にぬるめの湯水が流れ込む対流が生じるので、この湯水の対流により追い焚き循環通路24および湯張り通路25内の湯水に不規則な振動が生じ、この湯張り通路25内の湯水の不規則な振動により、図6の(b)に示すように、水位センサ28のセンサ出力が不規則に振動する。
【0031】
上記のように、給湯単独運転時に追い焚き熱交換器4内の湯水が高温加熱されることにより、湯張り通路25内の湯水の温度上昇と不規則振動が相乗的に関与して水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動し、この水位センサ28のセンサ出力に基づいて浴槽22の水位を正確に検出することは困難である。
【0032】
上記のように、給湯単独運転に起因して浴槽22の水位を正確に検出することが困難となり、例えば、自動運転の保水モードの運転中に給湯割り込みが行われて給湯単独運転が行われると、水位センサ28の出力が上昇シフトする場合には、浴槽22の水位よりも高めの水位が検出され、浴槽22の水位が設定水位よりも低下しているのに保水動作が行われないというような誤動作が生じてしまう場合がある。また、水位センサ28の出力が下降シフトする場合には、浴槽22の水位よりも低めの水位が検出されてしまう虞がある。
【0033】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給湯単独運転に起因した水位センサ出力の不規則変動により器具が誤動作するのを防止することができる一缶二水路風呂給湯器を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給水通路から供給される水を加熱して給湯通路へ送出する給湯熱交換器と、浴槽湯水の追い焚き循環通路に組み込まれ浴槽湯水を追い焚き循環通路を通して循環させる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ上記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する循環湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、追い焚き循環通路に設けられ湯水温を検出する追い焚き循環通路温度センサと、追い焚き循環通路又は追い焚き循環通路に連通する連通通路に配設され浴槽の湯水の水位を水圧により検出する水位センサとを備え、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、この一体化された給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を加熱する共通のバーナーが設けられ、予め定められたタイミングで上記水位センサによる水位検出動作が行われる一缶二水路タイプの風呂給湯器において、一缶二水路風呂給湯器が追い焚き運転を行わず給湯のみの給湯単独運転を行っているか否かを監視する給湯単独運転監視部と;給湯単独運転の停止後に予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで循環ポンプを駆動させるポンプ駆動部と;給湯単独運転後に循環ポンプが停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させる水位検出停止部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0035】
第2の発明は、給水通路から供給される水を加熱して給湯通路へ送出する給湯熱交換器と、浴槽湯水の追い焚き循環通路に組み込まれ浴槽湯水を追い焚き循環通路を通して循環させる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ上記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する循環湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、追い焚き循環通路に設けられ湯水温を検出する追い焚き循環通路温度センサと、追い焚き循環通路又は追い焚き循環通路に連通する連通通路に配設され浴槽の湯水の水位を水圧により検出する水位センサとを備え、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、この一体化された給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を加熱する共通のバーナーが設けられ、予め定められたタイミングで上記水位センサによる水位検出動作が行われる一缶二水路タイプの風呂給湯器において、一缶二水路風呂給湯器が追い焚き運転を行わず給湯のみの給湯単独運転を行っているか否かを監視する給湯単独運転監視部と;給湯単独運転中に追い焚き循環通路温度センサが検出する湯水温が予め定めたしきい値温度以上になったときには給湯単独運転の停止後に予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで循環ポンプを駆動させるポンプ駆動部と;給湯単独運転後に上記ポンプ駆動部により循環ポンプが駆動しているときには循環ポンプが停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させる水位検出停止部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0036】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加えて、給湯単独運転中又は給湯単独運転が停止したときに追い焚き循環通路温度センサが検出する湯水温に基づいてポンプ駆動時間を可変設定する時間設定部を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0037】
上記構成の発明において、例えば、給湯単独運転監視部は一缶二水路風呂給湯器が給湯単独運転を行っているか否かを監視し、給湯単独運転が行われたときには必ず、あるいは、給湯単独運転中に追い焚き循環通路温度センサが検出する湯温が予め定めたしきい値温度以上になったときのみ、給湯単独運転後に予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで、ポンプ駆動部は循環ポンプを駆動させる。水位検出停止部は給湯単独運転後に上記ポンプ駆動部により循環ポンプが駆動しているときには循環ポンプが停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させる。
【0038】
上記のように、給湯単独運転後に循環ポンプを駆動させることによって、追い焚き循環通路の湯水が流動し始め、給湯単独運転により高温に加熱された追い焚き熱交換器の滞留湯水および追い焚き循環通路や追い焚き循環通路に連通する連通通路の滞留湯水が浴槽に流出し追い焚き循環通路の湯水が入れ替わると共に、追い焚き熱交換器を流れる通水が追い焚き熱交換器の熱を奪っていき追い焚き熱交換器を冷却する。
【0039】
このため、給湯単独運転後に、僅かな時間で、水位センサの配設位置の湯水温が水位センサの保証温度に低下し、かつ、追い焚き熱交換器の高温加熱に起因した追い焚き循環通路や連通通路の不規則な湯水振動の発生を抑制させることができ、水位センサのセンサ出力が短時間で安定する。
【0040】
この発明では、上記の如く、給湯単独運転後に循環ポンプが駆動しているときには水位センサによる水位検出動作を停止させる。つまり、給湯単独運転後の循環ポンプ駆動により水位センサのセンサ出力を安定させるまで水位センサによる水位検出動作を停止させるので、給湯単独運転に起因して不規則変動している水位センサのセンサ出力に基づいて不正確な浴槽水位が検出されることが回避され、不正確な検出浴槽水位による器具運転の誤動作が防止される。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態例を図面に基づき説明する。
【0042】
第1の実施形態例の一缶二水路風呂給湯器は前記図3に示すシステム構成を有し、図1にはこの実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック構成が実線により表されている。なお、図3に示すシステム構成は前述したのでその重複説明は省略する。
【0043】
この実施形態例において特徴的な制御装置40は、図1の実線に示すように、燃焼運転制御部43と、給湯単独運転監視部44と、データ格納部46と、水位検出停止部47と、ポンプ駆動部48と、タイマ51とを有して構成されている。
【0044】
上記燃焼運転制御部43には給湯や自動運転等の各種の運転モードのシーケンスプログラムが予め定め与えられており、前記シーケンスプログラムに従って各種のセンサ出力やリモコン41の情報等を取り込んで、各種の運転モードの動作を行う。
【0045】
前記給湯単独運転監視部44は、上記燃焼運転制御部43の運転動作の情報を取り込み、この情報に基づき、注湯制御弁26が閉弁状態であり、かつ、水流センサ36が追い焚き循環通路24内の通水を検知しておらず、かつ、水量センサ31が給湯通路14内の通水を検知しているときには、給湯単独運転が行われていると検知し、それ以外のときには給湯単独運転が行われていないと検知して給湯単独運転が行われているか否かを監視する。
【0046】
水位検出停止部47は、上記給湯単独運転監視部44の監視情報を取り込んで、この情報に基づき一缶二水路風呂給湯器(器具)が給湯単独運転を開始したと検知したときに、給湯単独運転に起因して水位センサ28のセンサ出力が不規則変動する虞があると判断して水位センサ28による水位検出動作を停止させるための水位検出停止指令信号の出力を開始する。この指令信号は燃焼運転制御部43に出力され、燃焼運転制御部43は、湯張りモードや保水モード等の水位センサ28による水位検出動作を伴う運転モードの運転中に給湯割り込みが行われて給湯単独運転が行われている場合には、上記水位検出停止指令信号を受けて、水位センサ28による水位検出動作を停止する。
【0047】
ポンプ駆動部48は、前記給湯単独運転監視部44の監視情報により給湯単独運転が終了したと検知したときには、循環ポンプ20を駆動させて追い焚き循環通路24の湯水の循環を開始させると共に、タイマ51をリセット・駆動させて給湯単独運転が終了してからの経過時間の計測を開始させ、そのタイマ51の計測時間の取り込みを開始する。また、同時に、ポンプ駆動部48は循環ポンプ20を駆動させていることを示すポンプ駆動信号を前記水位検出停止部47に出力する。
【0048】
水位検出停止部47は、給湯単独運転後、ポンプ駆動部48から上記ポンプ駆動信号を受け、前記燃焼運転制御部43への水位検出停止指令信号の出力を継続して行う。この水位検出停止指令信号の継続出力により、燃焼運転制御部43は水位センサ28による水位検出停止動作を継続する。
【0049】
そして、ポンプ駆動部48は、データ格納部46に予め定められ格納されているポンプ駆動時間tps(例えば、3分)を読み込んで、このポンプ駆動時間tpsと上記タイマ51の計測時間を比較し、タイマ51の計測時間がポンプ駆動時間tpsに達したときに、循環ポンプ20の駆動を停止させ、同時に、水位検出停止部47への前記ポンプ駆動信号の出力を停止する。
【0050】
上記のように、給湯単独運転後に循環ポンプ20を駆動させることにより、浴槽22の湯水が追い焚き循環通路24に入り込むと共に、追い焚き循環通路24に滞留していた湯水が浴槽22に流出して追い焚き循環通路24の湯水が入れ替わる。また、給湯単独運転に起因して高温に加熱された追い焚き熱交換器4の熱が追い焚き循環通路24の通水によって奪われ浴槽22に流出するので、追い焚き熱交換器4が冷却される。
【0051】
このように、給湯単独運転後の循環ポンプ20の駆動により、追い焚き循環通路24の湯水が入れ替わり、かつ、追い焚き熱交換器4が冷却されるのに要する時間を実験や演算等により求め、この求めた時間がポンプ駆動時間tpsとしてデータ格納部46に格納されており、上記の如く、給湯単独運転後に上記ポンプ駆動時間tpsが経過するまで循環ポンプ20を駆動させることにより、追い焚き循環通路24の湯水を確実に入れ替えることができ、かつ、追い焚き熱交換器4の冷却を行うことができる。
【0052】
このため、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動が停止したときには、水位センサ28の配設位置の湯温が水位センサ28の保証温度に低下し、かつ、追い焚き熱交換器4の湯水振動が抑制された状態になり、水位センサ28のセンサ出力は安定したものになっている。
【0053】
また、前記水位検出停止部47は、前記ポンプ駆動部48がポンプ駆動信号の出力を停止したときに、つまり、ポンプ駆動部48が循環ポンプ20の駆動を停止したときに、水位センサ28のセンサ出力が安定して、水位センサ28のセンサ出力に基づいて正確な浴槽水位を検出することが可能になったと判断し、燃焼運転制御部43への前記水位検出停止指令信号の出力を停止し、燃焼運転制御部43は水位センサ28による水位検出動作が行うことが可能となる。
【0054】
なお、上記ポンプ駆動部48は循環ポンプ20の駆動を停止するときにタイマ51の駆動を停止・リセットさせ次のタイマ駆動に備えさせてもよいし、給湯単独運転が停止する度に停止・リセット・駆動を順に行ってもよい。
【0055】
この実施形態例によれば、給湯単独運転監視部44とポンプ駆動部48を設けたので、給湯単独運転が終了したときから予め定めたポンプ駆動時間tpsが経過するまで、循環ポンプ20を駆動させることができる。このように、給湯単独運転後に循環ポンプ20を駆動させることにより、追い焚き循環通路24や湯張り通路25に滞留していた高温の湯を追い焚き循環通路24や湯張り通路25から流出させることができ、水位センサ28の配設位置の湯水温を僅かな時間で水位センサ28の保証温度に低下させることが可能である。
【0056】
その上、循環ポンプ20の駆動により追い焚き熱交換器4を流れる通水は、給湯単独運転により高温に加熱された追い焚き熱交換器4の保有熱量を奪って追い焚き循環通路24から流出するので、追い焚き熱交換器4を強制的に冷却することができ、追い焚き熱交換器4の高温加熱に起因した追い焚き熱交換器4の対流の不規則振動を非常に短時間で抑制することができる。
【0057】
このように、給湯単独運転後に循環ポンプ20を駆動させることにより、前記水位センサ28の温度依存性と、追い焚き熱交換器4の湯水の対流現象の発生との相乗関与による水位センサ28のセンサ出力の不規則変動を僅かな時間で抑えることができて水位センサ28のセンサ出力を安定させることが可能である。
【0058】
また、水位検出停止部47を設け、給湯単独運転中と、給湯単独運転後に予め定めたポンプ駆動時間tpsが経過するまで水位センサ28による水位検出動作を停止させる構成としたので、水位センサ28のセンサ出力が給湯単独運転に起因して不規則に変動する期間、水位センサ28による水位検出動作を停止させることができ、水位センサ28のセンサ出力の不規則変動により不正確な浴槽水位が検出されることが防止でき、不正確な浴槽水位に基づき器具が誤動作するという問題を確実に回避することができる。
【0059】
さらに、上記の如く、給湯単独運転後に循環ポンプ20を駆動させることにより、短時間で、水位センサ28のセンサ出力を安定させることができるので、給湯単独運転後に水位検出動作を停止させておく時間が短くて済む。
【0060】
以下に、第2の実施形態例を説明する。この実施形態例において特徴的なことは、図1の鎖線に示すポンプ駆動判断部52を設け、給湯単独運転中に風呂温度センサ37が検出する湯温が予め定めたしきい値温度Ts以上になったとポンプ 駆動判断部52が判断したときのみ、給湯単独運転後に循環ポンプ20を駆動させる構成としたことである。データ格納部46とポンプ駆動部48とポンプ駆動判断部52以外の構成は前記第1の実施形態例と同様であり、その共通部分の重複説明は省略する。
【0061】
ところで、給湯単独運転が開始されて直ぐに給湯単独運転が終了する場合がある。この場合には、バーナー2の燃焼時間が非常に短時間であることから追い焚き熱交換器4の湯水は高温にならず、このことから、湯水の対流現象に起因した追い焚き熱交換器4の湯水振動は発生せず、また、水位センサ28の配設位置の湯水温は水位センサ28の保証温度を越えて高温にならないので、水位センサ28のセンサ出力は不規則に変動しない。
【0062】
このようなときには、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行わなくても安定した水位センサ28のセンサ出力を得ることができる。このことから、この実施形態例では、風呂温度センサ37が検出する湯温を水位センサ28の配設位置の湯温として取り込み、給湯単独運転中に風呂温度センサ37の検出湯温が水位センサ28の保証温度以上の高温になったときだけ、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行い、それ以外の給湯単独運転後には循環ポンプ20の駆動を行わないようにした。
【0063】
それというのは、風呂温度センサ37の配設位置は水位センサ28の配設位置に近く、風呂温度センサ37の検出湯温は水位センサ28の配設位置の湯温とほぼ等しいと考えられ、風呂温度センサ37の検出湯温(水位センサ28の配設位置の湯温)が水位センサ28の保証温度以上であるときには、前記の如く、水位センサ28のセンサ出力が大きな温度依存性をもってシフトすると共に、追い焚き熱交換器4の湯温が非常に高温であり湯水の対流現象に起因した湯水振動が発生して水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動すると考えられることから、風呂温度センサ37の検出湯温が水位センサ28の保証温度以上であるときには、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行って追い焚き循環通路24の湯水の入れ替えを行うと共に、追い焚き熱交換器4を冷却し、水位センサ28のセンサ出力を安定させる。
【0064】
それ以外のとき、つまり、給湯単独運転中に風呂温度センサ37の検出湯温が保証温度以上に高温でないときには、循環ポンプ20の駆動を行わなくても安定した水位センサ28のセンサ出力を得ることができると考えられるので、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行わない。
【0065】
前記データ格納部46には、ポンプ駆動時間tpsが格納されると共に、しきい値温度Ts(例えば48℃)が予め定めて格納されている。このしきい値温度Tsは、水位センサ28の保証温度に基づいて定められ、この実施形態例では、水 位センサ28の保証温度の上限値がしきい値温度Tsとして データ格納部46に格納されている。
【0066】
ポンプ駆動判断部52は給湯単独運転監視部44の監視情報を取り込み、この監視情報により給湯単独運転が開始されたと検知したときに、風呂温度センサ37が検出する湯水温の取り込みを開始する。同時に、前記データ格納部46からしきい値温度Tsを読み出す。
【0067】
ポンプ駆動判断部52はタイマ(図示せず)を内蔵し、予め定めたサンプリング時間間隔で風呂温度センサ37の検出湯温を取り込み、この風呂温度センサ37の検出湯温と上記しきい値温度Ts(つまり、水位センサ28の保証温度の上 限値)を比較し、風呂温度センサ37の検出湯温がしきい値温度Ts以上である と判断したときに、給湯単独運転に起因して追い焚 き熱交換器4の湯温が高温 に加熱され水位センサ28のセンサ出力が不規則 に変動すると判断し、給湯単 独運転後に水位センサ28のセンサ出力を短時間で安定させるために循環ポンプ20を駆動させて追い焚き循環通路24の湯水を入れ替えると共に、追い焚き熱交換器4の冷却を行う必要があると判断して、給湯単独運転後にポンプ駆動部48にポンプ駆動動作を行わせるためのポンプ駆動指令信号をポンプ駆動部48に出力する。
【0068】
ポンプ駆動部48は給湯単独運転中に前記ポンプ駆動判断部52からポンプ駆動指令信号を受け取ったときのみ、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を開始させる。
【0069】
この実施形態例では、給湯単独運転後にポンプ駆動部48による循環ポンプ20の駆動が行われないときには、水位検出停止部47は、給湯単独運転後にポンプ駆動部48からポンプ駆動信号を受けないので、給湯単独運転が終了したときに燃焼運転制御部43への水位検出停止指令信号の出力を停止し、燃焼運転制御部43に水位検出停止動作を終了させる。
【0070】
この実施形態例によれば、ポンプ駆動判断部52を設け、給湯単独運転中に風呂温度センサ37が検出した検出湯温が予め定めたしきい値温度Ts以上になっ たときのみ、給湯単独運転後にポンプ駆動部48により循環ポンプ20を駆動させる構成にしたので、給湯単独運転に起因して水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動しているときだけ、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行わせることができる。このことから、安定した水位センサ28のセンサ出力を得ることができるのに、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動が行われるという器具運転の無駄をなくすことが可能である。
【0071】
以下に、第3の実施形態例を説明する。この実施形態例において特徴的なことは、図1の点線に示すように、時間設定部50を設け、この時間設定部50によりデータ格納部46のポンプ駆動時間tpsを可変設定する構成にしたことである。データ格納部46と時間設定部50以外の構成は前記各実施形態例と同様であり、その重複説明は省略する。
【0072】
データ格納部46にはポンプ駆動設定データが格納されている。このポンプ駆動設定データは、風呂温度センサ37が検出する湯温に対応させてポンプ駆動時間が与えられているもので、図2の(a)や(b)に示すように、風呂温度センサ37の検出湯温が高くなるに従ってポンプ駆動時間が連続的に又は段階的に長くなるように与えられている。
【0073】
それというのは、給湯単独運転により追い焚き熱交換器4に与えられた保有熱量が多くなるに従って、追い焚き熱交換器4の滞留湯水温が高くなり、この追い焚き熱交換器4の湯水の熱により追い焚き循環通路24の湯水が加熱されて風呂温度センサ37が検出する湯温が高くなる。このように、風呂温度センサ37の検出湯温は追い焚き熱交換器4の保有熱量に対応しており、風呂温度センサ37の検出湯温が高くなるに従って、つまり、追い焚き熱交換器4の保有熱量が多くなるに従って、給湯単独運転後の循環ポンプ20の駆動により追い焚き熱交換器4が冷却されるまでに多くの時間が必要である。このことから、この実施形態例では、風呂温度センサ37の検出湯温が高くなるに従ってポンプ駆動時間tpsを長くする方向に可変設定する構成にした。
【0074】
時間設定部50は、給湯単独運転監視部44の監視情報を取り込み、この監視情報に基づき給湯単独運転が終了したと検知したときに、風呂温度センサ37が検出する湯温を取り込むと同時に、データ格納部46から前記ポンプ駆動設定データを読み出して、風呂温度センサ37の検出湯温をポンプ駆動設定データに照らし合わせてポンプ駆動時間を設定する。
【0075】
この設定されたポンプ駆動時間はデータ格納部46に格納されているポンプ駆動時間tpsに上書きされ、ポンプ駆動部48は、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行っている場合には、給湯単独運転が終了してから上記設定されたポンプ駆動時間tpsが経過するまで、循環ポンプ20の駆動を行う。
【0076】
この実施形態例によれば、時間設定部50を設けて、風呂温度センサ37が検出する湯温に基づきポンプ駆動時間tpsを可変設定する構成にしたので、水位センサ28のセンサ出力を安定させるために必要な循環ポンプ20の駆動時間にポンプ駆動時間tpsをより正確に合わせることができ、例えば、ポンプ駆動時間tpsが長い時間に固定設定されたために、水位センサ28のセンサ出力が安定するのに必要な湯水の循環が終了した後も、循環ポンプ20の駆動が無駄に行われたり、反対に、ポンプ駆動時間tpsが短い一定時間に設定されたために、水位センサ28のセンサ出力が安定するのに必要な湯水の循環が終了する前に、循環ポンプ20の駆動が停止され、例えば、追い焚き熱交換器4の滞留湯水に後沸きが生じて滞留湯水が高温になって水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動し始め、不正確な浴槽水位が検出され器具が誤動作してしまうというような問題を確実に回避することができる。
【0077】
なお、上記の如く、給湯単独運転後に水位センサ28のセンサ出力が安定するまでの時間は、給湯単独運転により追い焚き熱交換器4に与えられる保有熱量の大きさに対応しており、上記追い焚き熱交換器4の保有熱量の変動範囲は予め定まり、その保有熱量の範囲の幅は狭いことから、給湯単独運転後に水位センサ28のセンサ出力が安定するのに要するポンプ駆動時間の変動幅は短い。このことから、ポンプ駆動時間tspを上記ポンプ駆動時間の範囲内の時間に固定しても、ポンプ駆動時間tpsが水位センサ28のセンサ出力が安定するまでの時間から大きくずれることはなく、上記のような問題をほぼ回避することができる。
【0078】
なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記第2や第3の実施形態例では、しきい値温度Ts は水位センサ28の保証温度の上限値に設定されていたが、しきい値温度Tsは 水位センサ28のセンサ出力の上限値に限定されるものではなく、水位センサ28の配設位置の湯温が保証温度以上で、かつ、湯水振動が発生しているか否かを判断することができる風呂温度センサ37の検出湯温に基づいて設定される。
【0079】
また、上記第3の実施形態例では、ポンプ駆動設定データは、図2に示すように、グラフデータのデータ形式で格納されていたが、風呂温度センサ37の検出湯温に対応させてポンプ駆動時間が与えられている表データや、風呂温度センサ37の検出湯温をパラメータとしてポンプ駆動時間を求める演算式データ等、グラフデータ以外のデータ形式によりポンプ駆動設定データを構成しデータ格納部46に格納してもよい。
【0080】
さらに、上記各実施形態例では、水位検出停止部47は給湯単独運転が行われている全期間に渡り水位センサ28による水位検出動作を停止させていたが、水位検出停止部47は給湯単独運転が行われている期間のうち予め定めた一部の期間だけ水位センサ28による水位検出動作を停止させるようにしてもよい。
【0081】
例えば、水位センサ28による水位検出動作の停止を判断する停止しきい値温度Tst(例えば、水位センサ28の保証温度の上限値)を予め定めておき、水位検出停止部47は給湯単独運転中に風呂温度センサ37が検出する検出温度と上記停止しきい値温度Tstを比較して風呂温度センサ37の検出温度が停止しきい値温度Tst以上になったと判断したときに、水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動し始め、この水位センサ28のセンサ出力の不規則変動に起因して器具が誤動作を起こす虞があると判断し、水位センサ28による水位検出動作を給湯単独運転が終了するまで、又は、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動が停止するまで停止させるようにしてもよい。
【0082】
また、給湯単独運転が開始されてからバーナー2の燃焼により追い焚き熱交換器4が加熱されて水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動し始めると考えられるまでの期間を時間により求め、この求めた時間をしきい値時間tstとして予め定めておき、水位検出停止部47は、給湯単独運転が開始されてから上記しきい値時間tstが経過したときに、水位センサ28のセンサ出力が不規則に変動し始め、この水位センサ28のセンサ出力の不規則変動に起因して器具が誤動作を起こす虞があると判断し、水位センサ28による水位検出動作を給湯単独運転が終了するまで、又は、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動が停止するまで停止させるようにしてもよい。
【0083】
さらに、水位検出停止部47は給湯単独運転中には水位検出停止動作を行わず、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動が行われているときには循環ポンプ20の駆動が停止するまでの期間だけ、水位センサ28による水位検出動作を停止させるようにしてもよい。
【0084】
さらに、上記各実施形態例に示したポンプ駆動判断部52は、風呂温度センサ37が検出する湯温に基づいて、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行うか否かを判断していたが、風呂温度センサ37とは別個の温度センサを水位センサ28の配設位置の近傍の追い焚き循環通路24又は湯張り通路25に設けて、この温度センサが検出する湯温に基づき、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行うか否かを判断してもよい。
【0085】
さらに、第3の実施形態例では、時間設定部50は給湯単独運転が終了したときに風呂温度センサ37が検出する湯温を取り込んでポンプ駆動時間を設定していたが、給湯単独運転中に取り込んだ風呂温度センサ37の検出湯温に基づいてポンプ駆動時間を設定してもよい。例えば、給湯単独運転中に風呂温度センサ37が検出する湯温を時々刻々取り込み、給湯単独運転が終了したときに、給湯単独運転終了直前の風呂温度センサ37の検出湯温に基づきポンプ駆動時間を設定してもよい。
【0086】
さらに、上記各実施形態例では自動運転中に給湯単独運転が行われた場合を例にして説明したが、この発明は自動運転以外の運転モード中に給湯単独運転が行われる場合にも適用することが可能である。
【0087】
さらに、上記各実施形態例は図3に示す器具を例にして説明したが、この発明は一缶二水路タイプの風呂給湯器で、追い焚き循環通路に循環ポンプと追い焚き循環通路温度センサが設けられ、また、追い焚き循環通路又は追い焚き循環通路に連通する連通通路に浴槽の水位を水圧により検出する水位センサが設けられているものであれば、図3以外のシステム構成の一缶二水路風呂給湯器にも適用することができる。例えば、図3に示す湯張り通路25が省略されて水位センサ28が追い焚き循環通路24に配設されている一缶二水路風呂給湯器にも適用することができる。この場合にも、上記各実施形態例同様に、給湯単独運転後に循環ポンプ20の駆動を行わせると共に水位検出動作の停止を行うことにより、給湯単独運転による追い焚き熱交換器4の滞留湯水の高温加熱に起因した水位センサ28のセンサ出力の不規則変動に因る器具の誤動作を防止することができる。
【0088】
【発明の効果】
この発明によれば、給湯単独運転監視部とポンプ駆動部を設けたので、給湯単独運転が終了してから予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで、循環ポンプを駆動させることができる。このように、給湯単独運転後に、循環ポンプを駆動させることにより、給湯単独運転により高温に加熱された追い焚き熱交換器の湯水や追い焚き循環通路や連通通路の湯水を浴槽に流出させることができ、水位センサの配設位置の湯温を僅かな時間で水位センサの保証温度に低下させることができる。
【0089】
その上、循環ポンプの駆動により追い焚き熱交換器を流れる通水によって、追い焚き熱交換器の熱が奪われて追い焚き循環通路から流出するので、追い焚き熱交換器を強制的に冷却させることが可能であり、追い焚き熱交換器の高温加熱に起因した湯水振動を短時間で抑制させることができる。
【0090】
これらのことから、給湯単独運転後に僅かな時間で、水位センサのセンサ出力を安定させることができる。
【0091】
また、水位検出停止部を設け、給湯単独運転後に循環ポンプの駆動が停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させるので、給湯単独運転により水位センサが不規則に変動している期間、水位検出動作を停止することができ、水位センサの不規則変動しているセンサ出力により不正確な浴槽水位が検出されるのを回避することができ、不正確な浴槽水位に基づいて器具が誤動作するのを防止することができる。
【0092】
給湯単独運転中に、追い焚き循環通路温度センサが検出する湯温が予め定めたしきい値温度以上になったときのみ、給湯単独運転後に循環ポンプを駆動させる構成にあっては、給湯単独運転に起因して水位センサのセンサ出力が不規則変動すると判断されるときだけ、給湯単独運転後に循環ポンプを駆動させるので、給湯単独運転後に循環ポンプを駆動させなくても安定した水位センサのセンサ出力が得られるときには、給湯単独運転後に循環ポンプを駆動させなくてもよいので、循環ポンプの無駄な運転を省略することが可能である。
【0093】
上記ポンプ駆動時間を可変設定する時間設定部を設けた発明にあっては、追い焚き循環通路温度センサの検出湯温に応じてポンプ駆動時間を可変設定できるので、ポンプ駆動時間を、給湯単独運転後の循環ポンプにより水位センサのセンサ出力が安定するまでの期間に、より正確に合わせることができる。
【0094】
このことにより、次のような問題を回避することが可能である。例えば、ポンプ駆動時間を長い一定時間に設定したために、給湯単独運転後に水位センサのセンサ出力が安定するのに必要な時間が過ぎてからポンプ駆動時間が終了するまでに時間がかかり、器具運転の無駄が生じたり、反対に、ポンプ駆動時間を短い一定時間に設定したために、追い焚き熱交換器が冷却される前にポンプ駆動時間が終了して追い焚き循環通路の通水が停止し、追い焚き熱交換器の滞留湯水に後沸きが生じて追い焚き熱交換器の湯水が加熱され、水位センサのセンサ出力が不規則変動し始めてしまい、水位センサのセンサ出力の不規則変動により器具が誤動作してしまうという問題が生じるが、上記のように、給湯単独運転後に水位センサのセンサ出力が安定するまでの期間に合うようにポンプ駆動時間を可変設定することにより、上記のような器具運転の無駄や器具の誤動作を確実に回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一缶二水路風呂給湯器の実施形態例を示すブロック構成図である。
【図2】追い焚き循環通路の検出湯温に対応させてポンプ駆動時間が与えられているポンプ駆動設定データの一例を示すグラフである。
【図3】一缶二水路風呂給湯器のシステム構成例を示す説明図である。
【図4】自動運転動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】水位センサのセンサ出力と浴槽水量の関係を示すP−Qデータの一例を示すグラフである。
【図6】従来の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
2 バーナー
3 給湯熱交換器
4 追い焚き熱交換器
13 給水通路
14 給湯通路
24 追い焚き循環通路
25 湯張り通路
28 水位センサ
37 風呂温度センサ
44 給湯単独運転監視部
46 データ格納部
47 水位検出停止部
48 ポンプ駆動部
50 時間設定部
Claims (3)
- 給水通路から供給される水を加熱して給湯通路へ送出する給湯熱交換器と、浴槽湯水の追い焚き循環通路に組み込まれ浴槽湯水を追い焚き循環通路を通して循環させる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ上記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する循環湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、追い焚き循環通路に設けられ湯水温を検出する追い焚き循環通路温度センサと、追い焚き循環通路又は追い焚き循環通路に連通する連通通路に配設され浴槽の湯水の水位を水圧により検出する水位センサとを備え、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、この一体化された給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を加熱する共通のバーナーが設けられ、予め定められたタイミングで上記水位センサによる水位検出動作が行われる一缶二水路タイプの風呂給湯器において、一缶二水路風呂給湯器が追い焚き運転を行わず給湯のみの給湯単独運転を行っているか否かを監視する給湯単独運転監視部と;給湯単独運転の停止後に予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで循環ポンプを駆動させるポンプ駆動部と;給湯単独運転後に循環ポンプが停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させる水位検出停止部と;を設けたことを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 給水通路から供給される水を加熱して給湯通路へ送出する給湯熱交換器と、浴槽湯水の追い焚き循環通路に組み込まれ浴槽湯水を追い焚き循環通路を通して循環させる循環ポンプと、追い焚き循環通路に組み込まれ上記循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を循環する循環湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、追い焚き循環通路に設けられ湯水温を検出する追い焚き循環通路温度センサと、追い焚き循環通路又は追い焚き循環通路に連通する連通通路に配設され浴槽の湯水の水位を水圧により検出する水位センサとを備え、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、この一体化された給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を加熱する共通のバーナーが設けられ、予め定められたタイミングで上記水位センサによる水位検出動作が行われる一缶二水路タイプの風呂給湯器において、一缶二水路風呂給湯器が追い焚き運転を行わず給湯のみの給湯単独運転を行っているか否かを監視する給湯単独運転監視部と;給湯単独運転中に追い焚き循環通路温度センサが検出する湯水温が予め定めたしきい値温度以上になったときには給湯単独運転の停止後に予め定めたポンプ駆動時間を経過するまで循環ポンプを駆動させるポンプ駆動部と;給湯単独運転後に上記ポンプ駆動部により循環ポンプが駆動しているときには循環ポンプが停止するまで水位センサによる水位検出動作を停止させる水位検出停止部と;を設けたことを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 給湯単独運転中又は給湯単独運転が停止したときに追い焚き循環通路温度センサが検出する湯水温に基づいてポンプ駆動時間を可変設定する時間設定部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の一缶二水路風呂給湯器。
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