JP6803542B2 - プローバ及びプローブ検査方法 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハ上に形成された複数の半導体装置(チップ)の電気的特性の検査を行うプローバ及びプローブ検査方法において、特に、複数の測定部を備えたマルチステージ式のプローバ及びプローブ検査方法に関する。
半導体製造工程は、多数の工程を有し、品質保証及び歩留まりの向上のために、各種の製造工程で各種の検査が行われる。例えば、半導体ウエハ上に半導体装置の複数のチップが形成された段階で、各チップの半導体装置の電極パッドをテストヘッドに接続し、テストヘッドから電源及びテスト信号を供給し、半導体装置の出力する信号をテストヘッドで測定して、正常に動作するかを電気的に検査するウエハレベル検査が行われている。
ウエハレベル検査の後、ウエハはフレームに貼り付けられ、ダイサで個別のチップに切断される。切断された各チップは、正常に動作することが確認されたチップのみが次の組み立て工程でパッケージ化され、動作不良のチップは組み立て工程から除かれる。更に、パッケージ化された最終製品は、出荷検査が行われる。
ウエハレベル検査は、ウエハ上の各チップの電極パッドにプローブを接触させるプローバを使用して行われる。プローブはテストヘッドの端子に電気的に接続され、テストヘッドからプローブを介して各チップに電源及びテスト信号が供給されると共に各チップからの出力信号をテストヘッドで検出して正常に動作するかを測定する。
半導体製造工程においては、製造コストの低減のために、ウエハの大型化や一層の微細化(集積化)が進められており、1枚のウエハ上に形成されるチップの個数が非常に大きくなっている。それに伴って、プローバでの1枚のウエハの検査に要する時間も長くなっており、スループットの向上が求められている。そこで、スループットの向上を図るため、多数のプローブを設けて複数個のチップを同時に検査できるようにするマルチプロービングが行われている。近年、同時に検査するチップ数は益々増加し、ウエハ上のすべてのチップを同時に検査する試みも行われている。そのため、電極パッドとプローブを接触させる位置合わせの許容誤差が小さくなっており、プローバにおける移動の位置精度を高めることが求められている。
一方、スループットを増加するもっとも簡単な方法として、プローバの台数を増加させることが考えられるが、プローバの台数を増加させると、製造ラインにおけるプローバの設置面積も増加するという問題を生じる。また、プローバの台数を増加させると、その分装置コストも増加することになる。そのため、設置面積の増加や装置コストの増加を抑えてスループットを増加させることが求められている。
このような背景のもと、例えば特許文献1には、複数の測定部を備えたマルチステージ式のプローバが提案されている。このプローバでは、ウエハとプローブカードとの相対的な位置合わせを行うアライメント装置が各測定部間を相互に移動できるように構成されている。これにより、各測定部でアライメント装置を共有することができ、省スペース化やコストダウンを図ることができる。
また、特許文献1に記載されたプローバでは、ウエハチャックをプローブカード側に保持する真空吸着方式が採用されている。この真空吸着方式では、ウエハチャックとプローブカードとの間に形成された内部空間(密閉空間)を減圧手段により減圧して、ウエハチャックをプローブカード側に引き寄せることにより、プローブカードの各プローブにウエハの各チップの電極パッドを接触させるコンタクト動作が行われる。また、コンタクト動作が行われる際、内部空間の減圧によってウエハチャックをプローブカード側に引き寄せる動作が行われる前に、アライメント装置の昇降機構によってプローブカードの各プローブをウエハの各チップの電極パッドに接触させる接触工程が少なくとも1回行われる。これにより、ウエハの各チップの電極パッドに形成された酸化膜を除去することができ、電気的な接続の信頼性を高めることが可能となる。
しかしながら、上記のようなコンタクト動作が行われるプローバにおいて、アライメント装置の昇降機構によりウエハチャックを上昇させる際、プローブカードとウエハチャックとの間に形成された内部空間が外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)となっている場合、ウエハチャックの上昇に伴って内部空間内の空気が瞬間的に圧縮されて強い反力が発生し、この反力によってプローブカードとウエハとが意図しない形で接触する可能性がある。この場合、プローブカードとウエハとの異常接触により、プローブカードやウエハが破損してしまう不具合が生じる恐れがある。
そこで、特許文献1に記載されたプローバでは、上記問題を解決するために、内部空間と外部空間との間を連通する連通路を選択的に開閉可能なシャッタ手段をウエハチャックに設けた構成が採用されている。この構成によれば、アライメント装置の昇降機構によりウエハチャックを上昇させる場合には、シャッタ手段により連通路を開くことにより、内部空間が外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)となるので、プローブカードとウエハとの異常接触により、プローブカードやウエハが破損してしまう不具合を防止することが可能となる。
また、特許文献2には、真空吸着方式が採用されたプローバにおいて、プローブカードをプローバから取り外すことなくプローブカードのクリーニングを行えるようにするために、内部空間と外部空間との間を連通する連通路(通気路)を開閉可能なシャッタ手段をウエハチャックに備えた構成を有するプローバが提案されている。このプローバによれば、プローブカードのクリーニング動作として、ウエハチャックにクリーニング用のウエハを吸着保持し、クリーニング用のウエハをプローブカードのプローブに接触させるとともに、ウエハチャックを上下に往復移動させてプローブの付着物を除去する動作が行われる際に、シャッタ手段により連通路を開放することで内部空間を外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)にすることにより、ウエハチャックを上下方向に高速で往復させてもプローブカードの破損が防止されるようになっている。
特開2016−032110号公報 特開2016−152334号公報
ところで、特許文献1や特許文献2に記載されたプローバでは、プローブカードとウエハチャックとの間に形成された内部空間を外部空間(大気)と連通した連通状態(非密閉状態)と外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)との間で選択的に切替可能なシャッタ手段をウエハチャックに設けた構成が採用されているが、以下のような問題がある。
すなわち、ウエハチャックにシャッタ手段の構成部品を取り付けることでそこが放熱要素となり、ウエハチャックの温度分布に影響を与える問題がある。特に高温または低温などの通常とは異なる環境で検査が行われる場合、ウエハチャックは加熱または冷却された状態で検査が行われるが、その場合、ウエハチャックの温度分布に与える影響は大きなものとなる。また、ウエハチャックの温度分布に与える影響によって、ウエハチャックの載置面(ウエハ保持面)の平面度が変化することがあり、プローブカードの各プローブとウエハの各チップの電極パッドとの接触圧が不均一となり、ウエハレベル検査の測定精度を低下させる要因となる。
さらに、真空吸着方式が採用されたプローバにおいては、ウエハの各チップの電極パッドとプローブカードの各プローブとを接触させるコンタクト動作や、真空吸着によりプローブカードと一体化されたウエハチャックをプローブカード側から離脱させるリリース動作が行われる際には、ウエハチャックの重量バランスが重要になるが、ウエハチャックにシャッタ手段が設けられた構成の場合にはシャッタ手段の構成部品によってウエハチャックの重量バランスが崩れる要因となり、コンタクト動作やリリース動作が不安定となる恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、真空吸着方式によるコンタクト動作やリリース動作を安定して行うことができるプローバ及びプローブ検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係るプローバは、ウエハを保持するウエハチャックと、ウエハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカードと、プローブカードを保持するヘッドステージと、ウエハチャックとプローブカードとの間に内部空間を形成する環状のシール部材と、ウエハチャックを着脱自在に固定するウエハチャック固定部を有し、ウエハチャック固定部に固定されたウエハチャックを昇降させる機械的昇降手段と、内部空間に負圧を付与することによりウエハチャックをプローブカード側に吸着保持する負圧付与手段と、ヘッドステージに設けられ、内部空間が外部空間と連通した連通状態と内部空間が外部空間と連通しない非連通状態との間で選択的に切替可能なシャッタ手段と、を備える。
本発明の第2態様に係るプローバは、第1態様において、シャッタ手段は、エアシリンダ機構によって開閉弁を進退移動させることで内部空間を連通状態と非連通状態との間で選択的に切り替える。
本発明の第3態様に係るプローバは、第1態様又は第2態様において、機械的昇降手段によってウエハチャックをプローブカードに向かって移動させる場合には内部空間が連通状態となり、かつ負圧付与手段によって内部空間に負圧を付与する場合には内部空間が非連通状態となるように、シャッタ手段の動作を制御する第1のシャッタ制御手段を備える。
本発明の第4態様に係るプローバは、第1態様から第3態様のいずれか1つの態様において、内部空間に正圧を付与することによりウエハチャックをプローブカード側からリリースする正圧付与手段と、正圧付与手段によってウエハチャックがプローブカード側からリリースされる場合には内部空間が非連通状態となるように、シャッタ手段の動作を制御する第2のシャッタ制御手段と、を備える。
本発明の第5態様に係るプローブ検査方法は、機械的昇降手段によりウエハチャックをヘッドステージに保持されたプローブカードに向かって移動させて、ウエハチャックとプローブカードとの間に内部空間を形成するウエハチャック移動工程と、内部空間に負圧を付与することによりウエハチャックをプローブカード側に吸着保持する負圧付与工程と、ヘッドステージに設けられ、内部空間が外部空間と連通した連通状態と内部空間が外部空間と連通しない非連通状態との間で選択的に切替可能なシャッタ手段を用いて、ウエハチャック移動工程が行われる場合には内部空間が非連通状態となり、負圧付与工程が行われる場合には内部空間が連通状態となるように、シャッタ手段の動作を制御する第1のシャッタ制御工程と、を備える。
本発明の第6態様に係るプローブ検査方法は、第5態様において、内部空間に正圧を付与することによりウエハチャックをプローブカード側からリリースする正圧付与工程と、正圧付与工程が行われる場合には内部空間が非連通状態となるように、シャッタ手段の動作を制御する第2のシャッタ制御工程と、を備える。
本発明によれば、ヘッドステージにシャッタ手段を設けたので、シャッタ手段の構成部品によるウエハチャックの温度分布や重量バランスに与える影響をなくすことができ、真空吸着方式によるコンタクト動作やリリース動作を安定して行うことができる。
第1の実施形態に係るプローバの全体構成を示した外観図 第1の実施形態に係るプローバの全体構成を示した平面図 第1の実施形態に係るプローバにおける測定ユニットの構成を示した概略図 図3に示した測定ユニットにおける測定部の構成を示した概略図 第1の実施形態の他の構成例としてヘッドステージを下面側から見た概略平面図 位置決めピンとVブロックとの対応関係を示した図 第1の実施形態に係るプローバの制御装置の構成を示した機能ブロック図 第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を示したフローチャート 第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を説明するための図 第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作のタイミングチャート図 第1の実施形態に係るプローバにおけるリリース動作を示したフローチャート 第1の実施形態に係るプローバにおけるリリース動作を説明するための図 第1の実施形態に係るプローバにおけるリリース動作を示したタイミングチャート図 内部空間の圧力とウエハチャックのリリース速度との関係を示した図 第2の実施形態に係るプローバの構成を示した概略図 第2の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を説明するための図 第2の実施形態に係るプローバにおけるリリース動作を説明するための図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係るプローバ10の全体構成を示した外観図と平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態のプローバ10は、検査するウエハW(図4参照)を供給及び回収するローダ部14と、ローダ部14に隣接して配置された測定ユニット12とを備えている。測定ユニット12は、複数の測定部16を有しており、ローダ部14から各測定部16にウエハWが供給されると、各測定部16でそれぞれウエハWの各チップの電気的特性の検査(ウエハレベル検査)が行われる。そして、各測定部16で検査されたウエハWはローダ部14により回収される。なお、プローバ10は、操作パネル22、後述する制御装置(図6参照)等も備えている。
ローダ部14は、ウエハカセット20が載置されるロードポート18と、測定ユニット12の各測定部16とウエハカセット20との間でウエハWを搬送する搬送ユニット24とを有する。搬送ユニット24は、図示しない搬送ユニット駆動機構を備えており、X、Z方向に移動可能に構成されるとともに、θ方向(Z方向周り)に回転可能に構成されている。また、搬送ユニット24は、上記搬送ユニット駆動機構により前後に伸縮自在に構成された搬送アーム26を備えている。搬送アーム26の上面部には図示しない吸着パッドが設けられており、搬送アーム26は、この吸着パッドでウエハWの裏面を真空吸着してウエハWを保持する。これにより、ウエハカセット20内のウエハWは、搬送ユニット24の搬送アーム26によって取り出され、その上面に保持された状態で測定ユニット12の各測定部16に搬送される。また、検査の終了した検査済みのウエハWは逆の経路で各測定部16からウエハカセット20に戻される。
図3は、本発明の実施形態に係るプローバにおける測定ユニットの構成を示した概略図である。図4は、図3に示した測定ユニットにおける測定部の構成を示した概略図である。
図3に示すように、測定ユニット12は、複数の測定部16が多段状に積層された積層構造(多段構造)を有しており、各測定部16はX方向及びZ方向に沿って2次元的に配列されている。本実施形態では、一例として、X方向に4つの測定部16がZ方向に3段積み重ねられている。
測定ユニット12は、複数のフレームを格子状に組み合わせた格子形状を有する筐体(不図示)を備えている。この筐体は、X方向、Y方向、Z方向にそれぞれ延びる複数のフレームを格子状に組み合わせて形成されたものであり、これらのフレームにより形成された各空間部にそれぞれ測定部16の構成要素が配置される。
各測定部16は、いずれも同一の構成を有しており、図4に示すように、ヘッドステージ30と、プローブカード32と、ウエハチャック34とを備えている。また、各測定部16には、それぞれ、図示しないテストヘッドが設けられている。なお、テストヘッドは、図示しないテストヘッド保持部によりヘッドステージ30の上方に支持されている。
ヘッドステージ30は、筐体の一部を構成するフレーム部材(不図示)に支持されており、プローブカード32が着脱自在に装着固定される。ヘッドステージ30に装着固定されたプローブカード32は、ウエハチャック34のウエハ保持面34aと対向するように設けられる。なお、プローブカード32は、検査するウエハW(デバイス)に応じて交換される。
プローブカード32には、検査するウエハWの各チップの電極パッドの位置に対応して配置された、カンチレバーやスプリングピン等の複数のプローブ36が設けられている。各プローブ36は、図示しないテストヘッドの端子に電気的に接続され、テストヘッドから各プローブ36を介して各チップに電源及びテスト信号が供給されると共に各チップからの出力信号をテストヘッドで検出して正常に動作するかを測定する。なお、プローブカード32とテストヘッドとの接続構成については、本発明の要部ではないため、詳細な説明を省略する。
プローブ36は、バネ特性を有し、プローブ36の先端位置より接触点を上昇させることにより、電極パッドに所定の接触圧で接触する。また、プローブ36は、電気的検査を行うときに、電極パッドがオーバードライブの状態で接触されると、プローブ36の先端が電極パッドの表面にのめり込み、その電極パッドの表面にそれぞれ針跡を形成するようになっている。なお、オーバードライブとは、ウエハWとプローブ36の先端の配列面との傾き、及び、プローブ36の先端位置のばらつきなどを考慮して、電極パッドとプローブ36が確実に接触するように、プローブ36の先端位置より高い位置まで電極パッド、すなわちウエハWの表面を距離αだけ上昇させた状態をいう。また、プローブ36の先端位置(コンタクト位置)からウエハWの表面を更に上昇させる移動量、すなわち上記距離αをオーバードライブ量と称する。
ウエハチャック34は、ウエハWを真空吸着して固定する。ウエハチャック34は、検査するウエハWが載置されるウエハ保持面34aを有しており、ウエハ保持面34aには複数の吸引口40が設けられている(図4では1つのみ図示)。吸引口40は、ウエハチャック34の内部に形成された吸引路42を介して真空ポンプなどの吸引装置(真空源)44に接続されている。吸引装置44と吸引路42との間を接続する吸引経路にはウエハ吸着用電磁弁46が設けられている。なお、ウエハ吸着用電磁弁46はウエハ吸着用電磁弁制御部110(図7参照)により制御される。
ウエハチャック34のウエハ保持面34aよりも外側には、ウエハ保持面34aに保持されたウエハWを取り囲むように形成された弾性を有するリング状シール部材(チャックシールゴム)48が設けられている。後述するZ軸移動・回転部72によりウエハチャック34をプローブカード32に向かって移動(上昇)させたときに、リング状シール部材48がヘッドステージ30の下面に接触することで、ウエハチャック34、プローブカード32、及びリング状シール部材48により囲まれた内部空間S(図9参照)が形成される。なお、リング状シール部材48は本発明の環状のシール部材の一例である。
ヘッドステージ30には、プローブカード32とウエハチャック34との間に形成された内部空間Sに負圧及び正圧のいずれか一方を選択的に付与するための圧力供給路50が設けられている。圧力供給路50の一端はヘッドステージ30の内壁面(内部空間Sに面した内側の面)に開口しており、圧力供給路50の他端はヘッドステージ30の外壁面(内部空間Sとは面しない外側の面)に開口している。圧力供給路50の他端には共通配管60の一端に接続されており、共通配管60は圧力供給路50を介して内部空間Sに連通している。共通配管60の他端は圧力切替用電磁弁62に接続されている。なお、本実施形態では、ヘッドステージ30には圧力供給路50が1つだけ設けられた構成を示したが、これに限らず、複数の圧力供給路50が設けられていてもよい(図5参照)。
圧力切替用電磁弁62は3つのポート62a、62b、62cを備えており、後述する圧力切替用電磁弁制御部114によって、第1ポート62a及び第3ポート62c間と第2ポート62b及び第3ポート62c間とを選択的に連通させるように制御が行われる。
圧力切替用電磁弁62の第1ポート62aには減圧用配管64の一端が接続されており、減圧用配管64の他端は減圧用レギュレータ(真空電空レギュレータ)54を介して吸引装置44(真空ポンプ)に接続されている。また、第2ポート62bには加圧用配管66の一端が接続されており、加圧用配管66の他端は加圧用レギュレータ68を介して加圧装置(加圧ポンプ)45に接続されている。また、第3ポート62cには前述した共通配管60の他端が接続されている。
吸引装置44は、減圧用配管64及び共通配管60を介して内部空間S内の空気を排出することにより、内部空間Sを減圧して、大気圧よりも低い圧力である負圧にすることができる。減圧用レギュレータ54は大気圧から例えば−100kPa(ゲージ圧)までの任意の圧力(負圧)に設定可能であり、減圧用レギュレータ54を使用して真空度を下げる(負圧を小さくする)場合は、所定の圧力になるまで吸気口54aから内部空間Sへ空気が流入する。なお、吸引装置44及び減圧用レギュレータ54は本発明の負圧付与手段の一例である。
加圧装置45は、圧縮空気を生成して、その圧縮空気を加圧用配管66及び共通配管60を介して内部空間Sに供給することにより、内部空間Sを加圧して、大気圧よりも高い圧力である正圧にすることができる。加圧用レギュレータ68は大気圧から1MPaまでの任意の圧力(正圧)に設定可能であり、加圧用レギュレータ68を使用して大気圧以上の範囲で高圧から低圧へ減圧する場合は、所定の圧力となるまで加圧用レギュレータ68の排気口68aから内部空間S内の空気が排気される。なお、加圧装置45及び加圧用レギュレータ68は本発明の正圧付与手段の一例である。
ヘッドステージ30には、内部空間Sと外部空間(大気)との間を連通する連通路56が設けられている。連通路56の一端はヘッドステージ30の内壁面(内部空間Sに面した内側の面)に開口しており、連通路56の他端はヘッドステージ30の外壁面(内部空間Sとは面しない外側の面)に開口している。
さらにヘッドステージ30には、内部空間Sが外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)と内部空間Sが外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)との間で選択的に切替可能なシャッタ手段58が設けられている。
シャッタ手段58は、エアシリンダ機構300と、開閉弁302とから構成され、エアシリンダ機構300によって、連通路56を閉鎖した閉鎖位置と連通路56を開放した開放位置との間で開閉弁302を進退移動させることで連通路56の開閉を行う。すなわち、エアシリンダ機構300によるシャッタ手段58の進退移動に伴い、内部空間Sは非連通状態と連通状態との間で選択的に切り替えられる。
エアシリンダ機構300は、開閉弁302を水平方向に進退移動させるものであり、シリンダ304と、シリンダ304の内部に収納されたピストン306と、ピストン306に固着したピストンロッド308とを備えて構成されている。シリンダ304は、気体供給路を介してエアシリンダ駆動装置310に接続されており、エアシリンダ駆動装置310から供給された気体により、ピストン306及びピストンロッド308が進退移動する。開閉弁302は、ピストンロッド308の先端に取り付けらており、ピストン306及びピストンロッド308の進退移動に応じて、連通路56を開放する開放位置と連通路56を遮断する遮断位置との間で進退移動可能に構成される。開閉弁302が開放位置に移動した場合には連通路56は開放状態となり、内部空間Sは連通路56を介して外部空間と連通した連通状態となる。一方、開閉弁302が遮断位置に移動した場合には連通路56は遮断状態となり、内部空間Sは外部空間と連通しない非連通状態となる。なお、シャッタ手段58(エアシリンダ機構300)は後述するシャッタ制御部116(図7参照)により制御される。
このように本実施形態によれば、シャッタ手段58をヘッドステージ30に設けたので、ウエハチャック34には放熱要素となるシャッタ手段58の構成部品が設けられることがなく、ウエハチャック34の温度分布に与える影響をなくすことができる。また、ウエハチャック34の温度分布に与える影響がなくなることによって、ウエハチャック34のウエハ保持面34aの平面度が向上する。これにより、ウエハWとプローブカード32との平行度をより高くでき、ウエハレベル検査を高精度に行うことが可能となる。また、ウエハチャック34に搭載する部品を少なくすることができるので、ウエハチャック34の重量バランスをとりやすくなる。その結果、ウエハチャック34の重量バランスを崩すことなく、真空吸着方式によるコンタクト動作やリリース動作を安定して行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、ヘッドステージ30には連通路56及びシャッタ手段58がそれぞれ1つずつ設けられた構成を示したが、これに限らず、例えば図5に示すように、連通路56及びシャッタ手段58はそれぞれ複数設けられていてもよい。図5は、本実施形態(第1の実施形態)の他の構成例としてヘッドステージ30を下面側(ウエハチャック34側)から見た概略平面図であり、ヘッドステージ30には連通路56及びシャッタ手段58がそれぞれ4つずつ設けられた構成を示している。このようにヘッドステージ30に連通路56及びシャッタ手段58をそれぞれ複数備えた構成によれば、シャッタ手段58を開いたときに内部空間Sと外部空間との間で流出入する気体の流量を確保することができる。これにより、連通路56の断面積(有効断面積)が小さい場合であっても、シャッタ手段58を開いた状態で行われる動作(Z軸上昇工程やクリーニング工程など)を安定して行うことが可能となる。
ウエハチャック34の内部には、検査するウエハWを高温状態(例えば、最高で150℃)、又は低温状態(例えば最低で−40℃)で電気的特性の検査が行えるように、加熱/冷却源としての加熱冷却機構(不図示)が設けられている。加熱冷却機構としては、公知の適宜の加熱器/冷却器が採用できるものであり、例えば、面ヒータの加熱層と冷却流体の通路を設けた冷却層との二重層構造にしたものや、熱伝導体内に加熱ヒータを巻き付けた冷却管を埋設した一層構造の加熱/冷却装置など、様々のものが考えられる。また、電気加熱ではなく、熱流体を循環させるものでもよく、またペルチエ素子を使用してもよい。
ウエハチャック34は、後述するアライメント装置70に着脱自在に支持固定される。アライメント装置70は、ウエハチャック34をX、Y、Z、θ方向に移動することで、ウエハチャック34に保持されたウエハWとプローブカード32との相対的な位置合わせを行う。
アライメント装置70は、ウエハチャック34を着脱自在に支持固定してウエハチャック34をZ軸方向に移動すると共にZ軸を回転中心としてθ方向に回転するZ軸移動・回転部72と、Z軸移動・回転部72を支持してX軸方向に移動するX軸移動台74と、X軸移動台74を支持してY軸方向に移動するY軸移動台76とを備えている。
Z軸移動・回転部72、X軸移動台74、及びY軸移動台76は、それぞれ、少なくともモータを含む機械的な駆動機構によりウエハチャック34を所定の方向に移動自在もしくは回転自在に構成される。機械的な駆動機構としては、例えば、サーボモータとボールネジとを組み合わせたボールネジ駆動機構により構成される。また、ボールネジ駆動機構に限らず、リニアモータ駆動機構やベルト駆動機構等で構成されていてもよい。なお、Z軸移動・回転部72、X軸移動台74、及びY軸移動台76は、後述する各制御部によりウエハチャック34の移動距離、移動方向、移動速度、加速度を変更可能に構成されている。本実施形態では、具体的には次のような構成を有する。
Z軸移動・回転部72は、本発明の機械的昇降手段の一例であり、ウエハチャック34をZ軸方向に移動させるためのZ軸駆動モータ122(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ等)(図7参照)と、ウエハチャック34のZ軸方向への移動距離を検出するためのZ軸エンコーダ(例えば、ロータリーエンコーダやリニアスケール等)(不図示)とを備えている。Z軸駆動モータ122は、後述するZ軸移動制御部106(図7参照)からのモータ制御信号に基づき制御され、ウエハチャック34を所望の移動速度または加速度で目標位置に移動させるように駆動する。また、Z軸エンコーダは、ウエハチャック34の移動に応じてエンコーダ信号を出力する。
また、Z軸移動・回転部72は、ウエハチャック34をθ方向に回転させるための回転駆動モータ124(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ等)(図7参照)と、ウエハチャック34のθ方向への回転角度を検出するための回転エンコーダ(例えば、ロータリーエンコーダ等)(不図示)とを備えている。回転駆動モータ124は、後述するθ回転制御部108(図7参照)からのモータ制御信号に基づき制御され、ウエハチャック34を所望の回転速度または加速度で目標位置に移動させるように駆動する。また、回転エンコーダは、ウエハチャック34の回転に応じてエンコーダ信号を出力する。
X軸移動台74は、ウエハチャック34をX軸方向に移動させるためのX軸駆動モータ118(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ等)(図7参照)と、ウエハチャック34のX軸方向への移動距離を検出するためのX軸エンコーダ(例えば、ロータリーエンコーダやリニアスケール等)(不図示)とを備えている。X軸駆動モータ118は、後述するX軸移動制御部102(図7参照)からのモータ制御信号に基づき制御され、ウエハチャック34を所望の移動速度または加速度で目標位置に移動させるように駆動する。また、X軸エンコーダは、ウエハチャック34の移動に応じてエンコーダ信号を出力する。
Y軸移動台76は、ウエハチャック34をY軸方向に移動させるためのY軸駆動モータ120(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ等)(図7参照)と、ウエハチャック34のY軸方向への移動距離を検出するためのY軸エンコーダ(例えば、ロータリーエンコーダやリニアスケール等)(不図示)とを備えている。Y軸駆動モータ120は、後述するY軸移動制御部104(図7参照)からのモータ制御信号に基づき制御され、ウエハチャック34を所望の移動速度または加速度で目標位置に移動させるように駆動する。また、Y軸エンコーダは、ウエハチャック34の移動に応じてエンコーダ信号を出力する。
アライメント装置70は、それぞれの段毎に設けられており(図3参照)、図示しないアライメント装置駆動機構によって、各段に配置された複数の測定部16間で相互に移動可能に構成されている。すなわち、アライメント装置70は、同一の段に配置される複数(本例では4つ)の測定部16間で共有されており、同一の段に配置された複数の測定部16間を相互に移動する。各測定部16に移動したアライメント装置70は図示しない位置決め固定装置により所定位置に位置決めされた状態で固定され、ウエハチャック34をX、Y、Z、θ方向に移動させて、ウエハチャック34に保持されたウエハWとプローブカード32との相対的な位置合わせを行う。なお、図示は省略したが、アライメント装置70は、ウエハチャック34に保持されたウエハWの各チップの電極パッドとプローブ36との相対的な位置関係を検出するために、針位置検出カメラと、ウエハアライメントカメラとを備えている。また、アライメント装置駆動機構としては、ボールネジ駆動機構、リニアモータ駆動機構、ベルト駆動機構等の機械的な駆動機構により構成される。
アライメント装置70の上面を構成するZ軸移動・回転部72のウエハチャック支持面72aには、外周に沿って環状に形成された弾性を有するリング状シール部材(Z軸シールゴム)78が設けられる。また、ウエハチャック支持面72aのリング状シール部材78の内側には吸引口80が設けられている。吸引口80は、ウエハチャック34の内部に形成された吸引路82を介して吸引装置44に接続されている。吸引装置44と吸引路82との間を接続する吸引経路には、吸引装置44側から順に、チャック固定用電磁弁84、と、絞り弁86とが設けられている。なお、チャック固定用電磁弁84は後述するチャック固定用電磁弁制御部112(図7参照)により制御される。Z軸移動・回転部72のウエハチャック支持面72aは本発明のウエハチャック固定部の一例である。また、ウエハチャック支持面72aに設けられた吸引口80はウエハチャック固定部の構成要素の一例である。
Z軸移動・回転部72のウエハチャック支持面72aのリング状シール部材78の外側には、アライメント装置70に対するウエハチャック34の相対的な位置関係が常に一定となるように位置決めピン88が設けられている。この位置決めピン88は、図6に示すように、ウエハチャック34の中心軸を中心とする周方向に沿って等間隔に3箇所に設けられている(図4においては2つのみを図示)。ウエハチャック34の下面には各位置決めピン88にそれぞれ対応する位置に位置決め部材であるVブロック90が設けられている。ウエハチャック34を真空吸着により吸着して固定する際には、各Vブロック90のV溝内にそれぞれ対応する位置決めピン88を係合させることで、ウエハチャック34の水平方向(X方向及びY方向)の動きを拘束して、アライメント装置70とウエハチャック34との相対的な位置決めが行われる。なお、図6は、位置決めピン88とVブロック90との対応関係を示した図である。図6では、図面を簡略化するため、位置決めピン88及びVブロック90以外の構成については図示を省略している。
なお、本実施形態では、アライメント装置70は、ウエハチャック34を真空吸着して固定するが、ウエハチャック34を固定できるものであれば、真空吸着以外の固定手段でもよく、例えば機械的手段等で固定するようにしてもよい。
図7は、本発明の実施形態に係るプローバの制御装置の構成を示した機能ブロック図である。
図7に示すように、本実施形態のプローバ10の制御装置は、全体制御部100、X軸移動制御部102、Y軸移動制御部104、Z軸移動制御部106、θ回転制御部108、ウエハ吸着用電磁弁制御部110、チャック固定用電磁弁制御部112、圧力切替用電磁弁制御部114、圧力制御部115、シャッタ制御部116等を備えている。
全体制御部100は、プローバ10を構成する各部を統括的に制御する。具体的には、全体制御部100は、ウエハチャック34をプローブカード32側に吸着保持するコンタクト動作やウエハチャック34をプローブカード32側からリリース(離間)するリリース動作の制御を行う。また、全体制御部100は、これらの動作の他に、各測定部16の間でアライメント装置70を相互に移動させる移動制御や、テストヘッドによるウエハレベル検査の動作の制御などを行う。なお、コンタクト動作及びリリース動作以外の制御については、本発明の特徴的部分ではないため、詳細な説明を省略する。
X軸移動制御部102は、X軸移動台74に設けられるX軸駆動モータ118の駆動を制御することでX軸移動台74をX軸方向に移動させることにより、ウエハチャック34をX軸方向に移動させる。Y軸移動制御部104は、Y軸移動台76に設けられるY軸駆動モータ120の駆動を制御することでY軸移動台76をY軸方向に移動させることにより、ウエハチャック34をY軸方向に移動させる。Z軸移動制御部106は、Z軸移動・回転部72に設けられるZ軸駆動モータ122の駆動を制御することでZ軸移動・回転部72を昇降させることにより、ウエハチャック34をZ軸方向に移動させる。θ回転制御部108は、Z軸移動・回転部72に設けられる回転駆動モータ124の駆動を制御することでZ軸移動・回転部72をθ方向に回転させることにより、ウエハチャック34をθ方向に回転させる。
ウエハ吸着用電磁弁制御部110は、ウエハ吸着用電磁弁46のON/OFF(開/閉)を制御することで、吸引口40による吸引圧を調整し、ウエハチャック34に対するウエハWの固定/非固定を選択的に切り替える。
チャック固定用電磁弁制御部112は、チャック固定用電磁弁84のON/OFF(開/閉)を制御することで、吸引口80による吸引圧を調整し、Z軸移動・回転部72に対するウエハチャック34の固定/非固定を選択的に切り替える。
圧力切替用電磁弁制御部114は、圧力切替用電磁弁62のポート切り替えを制御することで、第1ポート62a及び第3ポート62c間と第2ポート62b及び第3ポート62c間とを選択的に連通させる。これにより、共通配管60の接続先が、負圧側(吸引装置44側)または正圧側(加圧装置45側)に選択的に切り替えられる。
圧力制御部115は、圧力切替用電磁弁制御部114によって圧力切替用電磁弁62が負圧側(すなわち、第1ポート62aと第3ポート62cとを連通させた状態)に切り替えられた状態において、減圧用レギュレータ54の動作を制御することで、内部空間Sの内部圧力を大気圧よりも低い負圧に設定する。
また、圧力制御部115は、圧力切替用電磁弁制御部114によって圧力切替用電磁弁62が正圧側(すなわち、第2ポート62bと第3ポート62cとを連通させた状態)に切り替えられた状態において、加圧用レギュレータ68の動作を制御することで、内部空間Sの内部圧力を大気圧よりも高い正圧に設定する。このとき、圧力切替用電磁弁制御部114は、内部空間Sを大気開放又は微小加圧により真空破壊する場合に比べて十分に速いリリース速度でプローブカード32側からウエハチャック34がリリースされるように、その目標となるリリース速度(目標リリース速度)に応じた圧力(正圧)となるように内部空間の圧力を制御する。
シャッタ制御部116は、シャッタ手段58の開閉を制御することで、内部空間Sと外部空間との間を連通する連通路56の開放/遮断を選択的に切り替える。具体的には、シャッタ制御部116は、エアシリンダ駆動装置310を介してエアシリンダ機構300の動作を制御することで、開閉弁302を進退移動させることによって、内部空間Sを連通状態と非連通状態との間で選択的に切り替える。シャッタ制御部116は、本発明の第1のシャッタ制御手段及び第2のシャッタ制御手段の一例である。
次に、第1の実施形態に係るプローバ10におけるコンタクト動作(プローブ検査方法の一例)について、図8〜図10を参照して説明する。なお、この動作は全体制御部100による制御の下で行われる。
図8は、第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を示したフローチャートである。図9は、第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を説明するための図である。図10は、第1の実施形態に係るプローバにおけるコンタクト動作を示したタイミングチャート図である。なお、図10に示すタイミングチャートの時間幅は図面を簡略化するために表現したものであり、実際の時間とは異なっている。また、図10における「Z軸高さ」とは、Z軸移動・回転部72のウエハチャック支持面72aのZ軸方向の位置(高さ位置)を示している。また、図10における「チャック高さ」とは、プローブ36の先端位置(コンタクト位置)を基準位置(0点位置)としたときのウエハチャック34の高さ位置(具体的には、ウエハ保持面34aのZ軸方向の位置)を示している。
(事前動作)
コンタクト動作の事前動作について説明する。
まず、コンタクト動作の事前動作として、これから検査を行う測定部16にアライメント装置70を移動させた後、不図示の位置決め固定装置により位置決め固定した状態で、アライメント装置70にウエハチャック34が受け渡される。なお、コンタクト動作の開始前におけるウエハチャック34の受け渡し動作については、本発明の要部ではないため、詳細な説明を省略する。
(ステップS10:ウエハチャック固定工程)
アライメント装置70にウエハチャック34が受け渡された後、図9(A)に示すように、チャック固定用電磁弁制御部112は、チャック固定用電磁弁84をON(開状態)とし、Z軸移動・回転部72のウエハチャック支持面72a(図4参照)にウエハチャック34を吸着して固定する(図10の時間T1)。このとき、Z軸移動・回転部72の位置決めピン88をウエハチャック34のVブロック90のV溝内に係合させることで、アライメント装置70とウエハチャック34との相対的な位置決めが行われる。
その後、アライメント装置70に支持固定されたウエハチャック34にウエハWが供給(ロード)されると、ウエハ吸着用電磁弁制御部110は、ウエハ吸着用電磁弁46をON(開状態)とし、ウエハ保持面34a(図4参照)にウエハWを吸着固定する(図10の時間T2)。
(ステップS12:アライメント工程)
次に、X軸移動制御部102、Y軸移動制御部104、及びθ回転制御部108は、全体制御部100による制御の下、針位置検出カメラ及びウエハアライメントカメラにより撮像された結果に基づき、X軸駆動モータ118、Y軸駆動モータ120、回転駆動モータ124を制御して、ウエハチャック34に保持されたウエハWとプローブカード32との相対的な位置合わせを行う。
(ステップS14:シャッタ開工程)
次に、図9(A)に示すように、シャッタ制御部116は、シャッタ手段58を開いて連通路56を開放する(図10の時間T3)。すなわち、シャッタ制御部116は、エアシリンダ駆動装置310を制御して、エアシリンダ機構300の駆動により開閉弁302を開放位置に移動する。これにより、内部空間Sは連通路56を介して外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)となる。なお、シャッタ開工程は本発明の第1のシャッタ制御工程の一例である。
なお、シャッタ開工程は、少なくとも、後述するZ軸上昇工程においてリング状シール部材48がヘッドステージ30に接触した状態(図9(B)参照)になる前に実行されていればよい。例えば、シャッタ開工程は、ウエハチャック固定工程とアライメント工程との間に行われてもよいし、ウエハチャック固定工程よりも先に行われていてもよい。また、シャッタ開工程は、ウエハチャック固定工程又はアライメント工程と同時に行われてもよい。
(ステップS16:Z軸上昇工程)
次に、図9(B)及び(C)に示すように、Z軸移動制御部106は、Z軸駆動モータ122を制御して、Z軸移動・回転部72を上昇させることにより、ウエハチャック34をプローブカード32に向かって移動させる(図10の時間T4〜T5)。具体的には、ウエハチャック34が所定の高さ位置(待機位置)からリング状シール部材48がヘッドステージ30に接触する高さ位置まで移動するようにウエハチャック34を上昇させ(図9(B)参照)、さらに、少なくともプローブ36の先端位置(コンタクト位置)よりも高い位置までウエハチャック34を上昇させる(図9(C)参照)。これにより、プローブカード32の各プローブ36はオーバードライブの状態でウエハWの各チップの電極パッドに接触する。
Z軸上昇工程において、Z軸移動・回転部72によりウエハチャック34を上昇させる高さとしては、プローブ36の先端位置(コンタクト位置)からプローブカード32の適正オーバードライブ量(適正OD位置)に対して30〜70%(より好ましくは40〜60%)の高さ位置であることが好ましい。なお、Z軸上昇工程は本発明のウエハチャック移動工程の一例である。
(ステップS18:シャッタ閉工程)
次に、図9(D)に示すように、シャッタ制御部116は、シャッタ手段58を閉じて連通路56を遮断する(図10の時間T6)。すなわち、シャッタ制御部116は、エアシリンダ駆動装置310を制御して、エアシリンダ機構300の駆動により開閉弁302を閉鎖位置に移動する。これにより、リング状シール部材48によりウエハチャック34とプローブカード32との間に形成された内部空間Sは外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)となる。なお、シャッタ閉工程は本発明の第1のシャッタ制御工程の一例である。
(ステップS20:減圧工程)
次に、圧力切替用電磁弁制御部114は、圧力切替用電磁弁62のポート切り替えを制御することで、第1ポート62a及び第3ポート62c間を連通させる。続いて、図9(D)に示すように、圧力制御部115は、減圧用レギュレータ54の動作を制御して内部空間Sの減圧を開始する(図10の時間T7)。このとき、圧力制御部115は、Z軸移動・回転部72の吸引口80(図4参照)によるウエハチャック34の固定が解除された場合にプローブカード32の適正オーバードライブ量(適正OD位置)までウエハチャック34が上昇するような目標圧力を設定し、その目標圧力となるように内部空間Sの内部圧力を調整する。内部空間Sの目標圧力は経験的または実験的に求めてもよいし、設計値から求めてもよい。例えば、目標圧力を決めるためには、プローブカード32の適正オーバードライブ量までウエハチャック34が上昇したときにプローブ36から受ける反力(プローブ36が潰されたときの反力)と、プローブカード32に設けられているプローブ36の総本数とから求めることができる。プローブカード32の総針圧(プローブ36から受ける圧力の合計)が分かれば、リング状シール部材48によって囲まれる面(吸着面)の面積で除算することによって必要な負圧が内部空間Sの目標圧力として求められる。但し、ウエハチャック34の重量とリング状シール部材48とを潰すことによる反力分を加味して内部空間Sの目標圧力を設定することが必要である。なお、減圧工程は本発明の負圧付与工程の一例である。
(ステップS22:判断工程)
次に、圧力制御部115は、内部空間Sの内部圧力(圧力値P1)が減圧用レギュレータ54による設定圧力(圧力値P2)に到達したか否かを判断する。この判断は内部圧力(圧力値P1)が設定圧力(圧力値P2)に到達するまで繰り返し行われ、設定圧力(圧力値P2)に到達した場合には次のステップS24に進む。これにより、内部空間Sの内部圧力が設定圧力で安定したところで、後述するウエハチャック固定解除工程(ステップS24)が行われる。なお、内部空間Sの内部圧力は、例えばウエハチャック34又はヘッドステージ30に設けた圧力センサにより内部空間Sの内部圧力を直接検出してもよいし、減圧用レギュレータ54に内蔵又は接続された圧力センサにより検出してもよい。
(ステップS24:ウエハチャック固定解除工程)
次に、チャック固定用電磁弁制御部112は、チャック固定用電磁弁84をOFF(閉状態)とし、Z軸移動・回転部72の吸引口80(図4参照)によるウエハチャック34の固定を解除する(図10の時間T9)。
このとき、減圧用レギュレータ54により内部空間Sの内部圧力は設定圧力に調節されているので、Z軸移動・回転部72によるウエハチャック34の固定が解除されると、ウエハチャック34はZ軸移動・回転部72から離脱して、プローブカード32側に引き寄せられる(図10のT9〜T10)。これにより、ウエハWとプローブ36の先端の配列面との傾き、及び、プローブ36の先端位置のばらつきなどに影響されることなく、検査するウエハWの各チップの電極パッドとプローブカード32の各プローブ36とが所定の接触圧で確実に接触する。
このように本実施形態では、内部空間Sの減圧が開始された後にウエハチャック34の固定がウエハチャック34の固定が解除されるので、これらの工程の切り替えの瞬間にウエハチャック34がどちら側にも固定されていない状態(フリーな状態)がなくなり、ウエハチャック34の受け渡し動作を安定して行うことができる。
また、本実施形態では、Z軸移動・回転部72の吸引路82とチャック固定用電磁弁84との間を接続する吸引経路には絞り弁86が設けられているため、内部空間Sの減圧が開始された後にウエハチャック34の固定が解除されても、ウエハチャック34の下側(Z軸移動・回転部72側)の負圧が急に失われないようになっている。そのため、ウエハチャック34が上下両側(すなわち、Z軸移動・回転部72とプローブカード32との両側)から引っ張られている状態で急に下側からの拘束(すなわち、Z軸移動・回転部72からの吸着による固定力)がなくなることがないので、ウエハチャック34の急激な移動に伴う異常振動や異常接触を低減できる。したがって、ウエハチャック固定解除工程が行われたときにウエハチャック34がZ軸移動・回転部72から急激に離脱するのを抑制することができるので、ウエハチャック34の受け渡し動作をより安定して行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、一例として、Z軸移動・回転部72の吸引路82とチャック固定用電磁弁84との間を接続する吸引経路に絞り弁86を設けた構成を示したが、Z軸移動・回転部72の吸引口80と吸引装置44との間を接続する経路に絞り弁86が設けられていればよく、例えば、Z軸移動・回転部72の吸引路82に絞り弁86が設けられていてもよい。
(ステップS26:Z軸下降工程)
次に、図9(E)に示すように、Z軸移動制御部106は、Z軸駆動モータ122を制御して、Z軸移動・回転部72を所定の高さ位置(待機位置)まで下降させる(図10の時間T11〜T12)。
以上のようにして、ウエハチャック34がアライメント装置70(Z軸移動・回転部72)からヘッドステージ30(プローブカード32側)に受け渡されると、プローブカード32の各プローブ36は均一な接触圧でウエハWの各チップの電極パッドに接触した状態となり、ウエハレベル検査を開始可能な状態となる。その後、テストヘッドから各プローブ36を介してウエハWの各チップに電源及びテスト信号が供給され、各チップから出力される信号を検出して電気的な動作検査が行われる。
なお、ウエハチャック34がアライメント装置70(Z軸移動・回転部72)からヘッドステージ30(プローブカード32側)に受け渡された後、アライメント装置70は他の測定部16に移動し、その測定部16において同様の手順でコンタクト動作が行われ、ウエハレベル検査が順次行われる。
以上により、第1の実施形態に係るプローバ10におけるコンタクト動作が終了する。
次に、第1の実施形態のプローバ10においてウエハレベル検査が終了した後に行われるリリース動作(プローブ検査方法の一例)について、図11〜図13を参照して説明する。
図11は、第1の実施形態のプローバ10におけるリリース動作を示したフローチャートである。図12は、第1の実施形態のプローバ10におけるリリース動作を説明するための図である。図13は、第1の実施形態のプローバ10におけるリリース動作を示したタイミングチャート図である。
(ステップS30:Z軸上昇工程)
まず、Z軸移動制御部106は、Z軸駆動モータ122を制御して、図12(A)に示すように、Z軸移動・回転部72を所定の高さ位置からウエハチャック34を受け取り可能な高さ位置(チャック受け取り高さ)まで上昇させる(図13の時間T1〜T2)。
また、Z軸上昇工程が行われるとき、あるいはZ軸上昇工程の前後に、圧力制御部115は、減圧用レギュレータ54の動作を制御して、内部空間Sの真空度を下げ(負圧を小さくし)、ウエハチャック34は所定の高さ位置(リリース位置)まで下降させる(図13の時間T1〜T3)。これにより、後述するチャックリリース工程が行われるときのウエハチャック34とZ軸移動・回転部72との距離を短くすることができ、ウエハチャック34の受け渡しを安定化することができる。
なお、Z軸移動・回転部72がチャック受け取り高さまで上昇し、かつウエハチャック34がリリース位置に移動したときのウエハチャック34とZ軸移動・回転部72との位置関係としては、図12(A)に示すように、位置決めピン88がVブロック(位置決め溝)90に嵌合しない状態であり、かつリング状シール部材78がウエハチャック34の下面に接触する状態であることが好ましい。後述するチャックリリース工程が行われる前に、リング状シール部材78をウエハチャック34の下面に接触させておくことで、ウエハチャック34のリリース時の衝撃をリング状シール部材78で効果的に吸収することが可能となる。
(ステップS32:チャックリリース工程)
次に、圧力切替用電磁弁制御部114は、圧力切替用電磁弁62のポート切り替えを制御することで、第2ポート62b及び第3ポート62c間を連通させる。続いて、圧力制御部115は、加圧用レギュレータ68の動作を制御して、プローブカード32側からウエハチャック34が予め設定した目標リリース速度でリリースされるように、目標リリース速度に基づいて内部空間Sに付与される正圧を制御する(図13の時間T4)。
本実施形態において、ウエハWやプローブ36を損傷させないためには、ウエハチャック34が不安定状態でいる時間を極力短くすることが必要であり、そのためにはウエハチャック34のリリース速度が内部空間Sを大気開放または微小加圧により真空破壊する場合に比べて十分に速いことが望ましい。そのため、目標リリース速度は、プローブカード32やプローブ36、ウエハWの種類等により異なるが、一例として10mm/s以上とするのが好適であることが実験により確かめられている。
また、ウエハチャック34のリリース速度と内部空間Sの圧力との間には、例えば図14に一例を示すように一定の相関関係(比例関係)があり、これらの関係(リリース速度‐圧力特性)は予め実験により求めることができる。したがって、圧力制御部115は、予め求めたリリース速度‐圧力特性を記憶部(不図示)に記憶しておくことにより、これを用いて目標リリース速度から内部空間Sに付与する圧力を求めることができる。なお、リリース速度‐圧力特性は、個々のプローバにより異なるものであり、プローバ毎に求めておくことが好ましい。
これにより、内部空間Sは、目標リリース速度に対応した圧力(正圧)に加圧され、例えば0.2〜0.6MPaとなる。その結果、内部空間Sを大気開放または微小加圧により真空破壊する場合に比べて十分に速いリリース速度でプローブカード32側からウエハチャック34がリリースされる。そして、プローブカード32側からリリースされたウエハチャック34はZ軸移動・回転部72に支持される。なお、チャックリリース工程は本発明の正圧付与工程の一例である。
ウエハチャック34のリリースが行われた後、チャック固定用電磁弁制御部112は、チャック固定用電磁弁84をON(開状態)とし、Z軸移動・回転部72の吸引口80(図4参照)を介してウエハチャック34を固定する(図13の時間T5)。なお、吸引口80による吸引(負圧の付与)はウエハチャック34をリリースする前に開始されていてもよい。ウエハチャック34のリリース(すなわち、内部空間Sの加圧)が行われる前にアライメント装置70とウエハチャック34との間の空間を大気圧よりも低い負圧にしておくことで、ウエハチャック34のリリース速度を向上させる効果が得られる。
本実施形態において、内部空間Sの加圧によりウエハチャック34のリリースが行われる際、シャッタ制御部116は、第2のシャッタ制御工程として、シャッタ手段58を閉じて連通路56を遮断した状態にすることが好ましい。内部空間Sを加圧する前にシャッタ手段58を開いてしまうと、内部空間Sが連通路56を介して大気開放され、遅い速度でウエハチャック34がリリースされる時間が生じ、不安定状態である時間が長くなるためである。
(ステップS34:Z軸下降工程)
次に、Z軸移動制御部106は、Z軸駆動モータ122を制御して、図12(C)に示すように、Z軸移動・回転部72を下降させることにより、ウエハチャック34を所定の高さ位置(待機高さ位置)に変更する(図13の時間T6〜T7)。
以上により、第1の実施形態に係るプローバ10におけるリリース動作が終了する。
次に、第1の実施形態の効果について説明する。
第1の実施形態によれば、ヘッドステージ30には内部空間Sを連通状態(非密閉状態)と非連通状態(密閉状態)との間で選択的に切替可能なシャッタ手段58が設けられる。したがって、シャッタ手段58の構成部品によるウエハチャック34の温度分布や重量バランスに与える影響をなくすことができ、真空吸着方式によるコンタクト動作やリリース動作を安定して行うことができる。
特に第1の実施形態においては、シャッタ手段58は、エアシリンダ機構300によって開閉弁302を進退移動させることによって連通路56を開閉する構成が好ましく採用される。そのため、ウエハチャック34のリリース動作が行われる際、内部空間Sの加圧に対して負けることがなく、連通路56を外部空間から遮断した状態を維持することができる。これにより、リリース動作をより安定的に行うことが可能となり、電極パッドへの針跡異常を最小限に抑えることができる。
なお、エアシリンダ機構300は、ウエハチャック34のリリース動作が行われる際に開閉弁302を押し出す力が内部空間Sの加圧によって開閉弁302に生じる力よりも大きくなるように構成されることが好ましい。エアシリンダ機構300の出力(開閉弁302を押し出す力)は、供給空気圧力(シリンダ304に対して供給される空気の圧力)とシリンダ断面積(シリンダ304の有効断面積)との積によって求められるので、例えば、エアシリンダ機構300に対する供給空気圧力と、ウエハチャック34のリリースが行われるときの内部空間Sに付与される圧力とが同程度とした場合、シリンダ断面積は連通路56の有効断面積よりも大きいことが好ましい。これにより、リリース動作のさらなる安定化が可能となる。
また、第1の実施形態では、好ましい態様の一例として、シャッタ手段58は、エアシリンダ機構300によって開閉弁302を進退移動させることによって連通路56を開閉する構成を示したが、これに限らず、油圧シリンダ機構によって構成されていてもよい。また、これらに限らず、モータやソレノイドによって開閉弁302を開閉する構成を採用することもできる。
また、第1の実施形態におけるリリース動作では、圧力制御部115によって、プローブカード32側からウエハチャック34が目標リリース速度でリリースされるように、目標リリース速度に基づいて内部空間Sの圧力(正圧)の制御が行われる。これにより、内部空間Sを大気開放又は微小加圧により真空破壊する場合に比べて十分に速いリリース速度でプローブカード32側からウエハチャック34がリリースされる。その結果、ウエハチャック34が不安定状態でいる時間をなくすことができ、ウエハWやプローブ36の損傷を防止することが可能となる。
また、第1の実施形態では、ウエハチャック34のリリース動作は、シャッタ手段58を閉じて連通路56を遮断した状態で行われる態様が好ましい。内部空間Sを加圧する前にシャッタ手段58を開いてしまうと、内部空間Sが連通路56を介して大気開放され、遅い速度でウエハチャック34がリリースされる時間が生じ、不安定状態である時間が長くなるためである。これに対し、シャッタ手段58を閉じて連通路56を遮断した状態でウエハチャック34のリリース動作が行われる態様によれば、内部空間Sには密閉された状態で正圧が付与されるので、ウエハチャック34は十分に速いリリース速度でプローブカード32側からリリースされる。したがって、ウエハチャック34とプローブカード32との位置関係に不安定な状態が生じにくく、ウエハWやプローブ36を損傷することなく、ウエハチャック34を安定かつ確実にリリースすることが可能となる。
また、第1の実施形態では、プローブカード32のクリーニング動作が行われる際には、シャッタ手段58を開いて連通路56を開放した状態で行われる態様が好ましい。プローブカード32のクリーニング動作として、ウエハチャック34にクリーニング用のウエハを吸着保持し、クリーニング用のウエハをプローブカード32のプローブに接触させるとともに、ウエハチャックを上下に往復移動させてプローブの付着物を除去する動作が行われる際、内部空間Sが外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)で行われると、密閉状態とされた内部空間(密閉空間)内で「圧縮」と「伸張」が繰り返されることになる。これにより、ヘッドステージ30を変形させ、正常な動作ができず、プローブカードを壊すなどの恐れがある。これに対し、シャッタ手段58を開いて連通路56を開放した状態で行うことにより、上述したような不具合を招くことなく、プローブカード32のクリーニング動作の安定化を図ることができる。
また、第1の実施形態では、圧力切替用電磁弁62により内部空間Sの接続先が負圧側(吸引装置44側)及び正圧側(加圧装置45側)で選択的に切り替えられる構成が採用されている。この構成によれば、内部空間Sと圧力切替用電磁弁62との間に配置される共通配管60の断面積を加圧装置45から供給される圧縮空気の流量若しくはそれ以上に対応したものに設定することにより、内部空間Sに正圧を付与する際の圧力損失を低減することができ、ウエハチャック34のリリース動作の安定化を図ることができる。
また、第1の実施形態におけるコンタクト動作では、Z軸移動・回転部72によりウエハチャック34を上下(Z方向)に移動させることによって、ウエハW上の電極パッドとプローブ36とをオーバードライブの状態で接触させる動作が行われる。このZ軸移動・回転部72は、少なくともモータ(Z軸駆動モータ122)を含む機械的駆動機構により構成されるため、ウエハチャック34の移動距離や移動速度等を精度よく調整することが可能である。また、Z軸移動・回転部72は、従来技術のように真空吸着方式によるコンタクト動作に比べて十分に速い移動速度でウエハチャック34を移動させることができる。したがって、ウエハW上の電極パッドとプローブ36とを接触させる際に、電極パッド上の酸化膜(絶縁体)をプローブ36の接触によって除去することが可能となり、ウエハWにダメージを与えない状態で、ウエハW上の電極パッドとプローブ36との間で良好なコンタクトを実現することができる。
また、第1の実施形態では、内部空間Sの減圧を開始するタイミング(第1タイミング;図10の時間T7)よりも遅いタイミング(第2タイミング;図10の時間T9)でZ軸移動・回転部72の吸引口80(図4参照)によるウエハチャック34の固定が解除されるので、これらの工程の切り替えの瞬間にウエハチャック34がどちら側にも固定されていない不安定な状態(フリーな状態)がなくなり、ウエハチャック受け渡し動作を安定して行うことができる。なお、上記制御は、本発明のタイミング制御手段として機能する全体制御部100の制御の下、圧力制御部115とチャック固定用電磁弁制御部112とが連携して制御することによって実現される。
また、第1の実施形態では、少なくともウエハチャック34のリング状シール部材48がヘッドステージ30に接触した状態(図9(B)参照)となる前にシャッタ開工程(ステップS12)が行われる。すなわち、Z軸上昇工程(ステップS14)において、リング状シール部材48がヘッドステージ30に接触した状態(図9(B)参照)からさらにウエハチャック34を上昇させた状態(図9(C)参照)となるまでの間は、内部空間Sは連通路56を介して外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)となっている。
ここで、内部空間Sが外部空間と連通しない非連通状態(密閉状態)でZ軸移動・回転部72によりウエハチャック34を上昇させようとした場合、ウエハチャック34の上昇に伴って内部空間S内の空気が瞬間的に圧縮されて強い反力が発生し、この反力によりヘッドステージ30が振動してしまい、プローブカード32とウエハWとが意図しない形で接触する可能性がある。この場合、プローブカード32とウエハWとの異常接触により、プローブカード32やウエハWが破損してしまう恐れがある。
これに対し、第1の実施形態では、上述したように内部空間Sが外部空間と連通した連通状態(非密閉状態)でZ軸移動・回転部72によるウエハチャック34の上昇が行われるので、ウエハチャック34を上昇させる際に無理な反力(ウエハチャック34を元に戻そうとする反力)が生じることなく、ウエハチャック34を安定かつ効率的に上昇させることができ、プローブカード32やウエハWの破損を防ぐことができる。
また、第1の実施形態では、Z軸移動・回転部72の吸引口80に接続される経路には気体の流量を制限する絞り弁86が設けられているので、チャック固定用電磁弁84をOFFした場合(大気開放時)にウエハチャック34がZ軸移動・回転部72から急激に離脱するのを抑制することができ、ウエハチャック34の受け渡し動作をより安定して行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。以下、上述した実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
第1の実施形態におけるコンタクト動作では、内部空間Sの減圧を開始するタイミングよりも遅いタイミングでZ軸移動・回転部72によるウエハチャック34の固定が解除されるようになっているが、ウエハチャック34の固定が解除されると、ウエハチャック34がZ軸移動・回転部72から離脱し、ウエハチャック34はプローブカード32に向かって引き寄せられるように移動する。このとき、ウエハチャック34は、ウエハW上の電極パッドとプローブ36との接触圧(すなわち、プローブカード32の針圧)のみによって水平方向(X、Y方向)への移動が規制されるため、減圧工程が行われる際に、外部から振動等の外乱を受けると、ウエハチャック34に水平方向の位置ずれや傾きが生じやすく、ウエハチャック34が鉛直方向(Z方向)に沿って真っすぐ上昇しない可能性がある。
また、第1の実施形態におけるリリース動作においても同様な問題がある。すなわち、内部空間Sの加圧によってウエハチャック34がプローブカード32側からリリースされるとき、ウエハチャック34は、ウエハW上の電極パッドとプローブ36との接触圧(すなわち、プローブカード32の針圧)のみによって水平方向(X、Y方向)への移動が規制されるため、ウエハチャック34のリリースが行われる際に、外部から振動等の外乱を受けると、ウエハチャック34に水平方向の位置ずれや傾きが生じやすく、ウエハチャック34が鉛直方向(Z方向)に沿って真っすぐ下降しない可能性がある。
そこで、第2の実施形態では、ウエハチャック34のコンタクト動作やリリース動作において、外乱に対する安定性を向上させるために、以下のような構成を備えている。
図15は、第2の実施形態に係るプローバ10の構成を示した概略図である。
第2の実施形態に係るプローバ10は、図15に示すように、ウエハチャック34のコンタクト動作やリリース動作において、外乱に対する安定性を向上させるための構成として、ウエハチャック34をZ方向(鉛直方向)に案内するチャックガイド機構200を備えている。チャックガイド機構200はガイド手段の一例である。
チャックガイド機構200は、ウエハチャック34の周縁部、具体的にはウエハチャック34と一体化されたチャックガイド保持部35の外周部の周方向にわたって複数並列に設けられている。チャックガイド機構200は、ウエハチャック34のコンタクト動作やリリース動作が行われる前に、後述するチャックガイド204をヘッドステージ30に真空吸着して固定することで、ウエハチャック34の水平方向の移動を規制しつつZ方向に平行に移動させるガイド機構として機能する。そのため、ウエハチャック34(チャックガイド保持部35)にはウエハチャック34の移動方向(Z方向)に直交する水平方向(X、Y方向)において互いに異なる位置に少なくとも3つのチャックガイド機構200が設けられる。なお、本例では、図示を省略したが、チャックガイド保持部35には4つのチャックガイド機構200が周方向に沿って等間隔(90度毎)に設けられる(図15では2つのみ図示)。
ここで、チャックガイド機構200の構成について詳しく説明する。
チャックガイド機構200は、チャックガイド保持部35に形成された軸受部202と、軸受部202によりX、Y方向(水平方向)の移動が規制された状態でZ方向(鉛直方向)に移動可能に構成されたチャックガイド(ガイド軸部)204とを有する。軸受部202は、例えばボールベアリング等で構成される。
チャックガイド204は軸受部202に回転自在に軸支され、その上部には、ヘッドステージ30に対してチャックガイド204を着脱自在に固定する固定部206を備えている。固定部206の上面にはリング状のシール部材(以下、「チャックガイドシールゴム」という。)208が設けられるとともに、チャックガイドシールゴム208の内側には、図示しない吸引経路に接続される吸引口(不図示)と、固定部206とヘッドステージ30との間の距離(間隙)を一定に保つためのクリアランス保持部材210とが設けられている。クリアランス保持部材210は、固定部206とヘッドステージ30との間に一定の間隙を保つことができるものであれば、その形状は特に限定されるものではない。
次に、第2の実施形態に係るプローバ10におけるコンタクト動作(プローブ検査方法の一例)について説明する。図16は、第2の実施形態に係るプローバ10におけるコンタクト動作を説明するための図である。
まず、第1の実施形態と同様にして、ウエハチャック固定工程、アライメント工程、シャッタ開工程が順次行われた後、Z軸上昇工程が行われる。
Z軸上昇工程では、Z軸移動・回転部72によりウエハチャック34がプローブカード32に向かって移動(上昇)し、これによって、図16(A)に示すように、プローブカード32の各プローブ36がオーバードライブの状態でウエハWの各チップの電極パッドに接触する。また、このとき、チャックガイドシールゴム208は、ウエハチャック34のプローブカード32への移動に伴ってヘッドステージ30の下面に接触する。
次に、図示しない吸引口及び吸引経路を介して吸引装置44により、チャックガイドシールゴム208、ヘッドステージ30、及び固定部206の内部に形成された内部空間Qを減圧すると、チャックガイド204が上方(ヘッドステージ30側)に向かって上昇してチャックガイド204の固定部206がヘッドステージ30に吸着して固定された状態となる(図16(B)参照)。このとき、上述したクリアランス保持部材210によりヘッドステージ30との間に一定の間隙が確保されるので、チャックガイド204の固定部(吸着部)206による吸着し過ぎが抑制され、ヘッドステージ30に固定されたチャックガイド204の傾きを防止することができる。
このようにしてチャックガイド204がヘッドステージ30に吸着固定された後、第1の実施形態と同様にして、シャッタ閉工程、減圧工程、判断工程が順次行われ、さらにウエハチャック固定解除工程が行われる。
ウエハチャック固定解除工程では、Z軸移動・回転部72によるウエハチャック34の固定が解除されると、ウエハチャック34はZ軸移動・回転部72から離脱して内部空間Sの減圧によりウエハチャック34をプローブカード32に向かって引き寄せられるように移動する。このとき、ヘッドステージ30に固定されたチャックガイド204によりウエハチャック34はX、Y方向の移動が規制されつつZ方向に案内されて移動する(図16(C)参照)。
以上により、第2の実施形態に係るプローバ10におけるコンタクト動作が終了する。
次に、第2の実施形態に係るプローバ10におけるリリース動作(プローブ検査方法の一例)について説明する。図17は、第2の実施形態に係るプローバ10におけるリリース動作を説明するための図である。
まず、第1の実施形態と同様にして、Z軸上昇工程が行われた後、チャックリリース工程が行われる。
チャックリリース工程では、圧力切替用電磁弁62により内部空間Sの接続先が負圧側(吸引装置44側)から正圧側(加圧装置45側)に切り替えられた後、圧力制御部115は、加圧用レギュレータ68の動作を制御して、第1の実施形態と同様にして内部空間Sが目標リリース速度に対応した圧力(正圧)となるように制御を行う。これにより、内部空間Sを大気開放又は微小加圧により真空破壊する場合に比べて十分に速いリリース速度でプローブカード32側からウエハチャック34がリリースされる。このとき、図17(B)に示すように、ウエハチャック34はチャックガイド204によりX、Y方向の移動が規制されつつZ方向に案内されて下降して、Z軸移動・回転部72に支持される。
その後、チャック固定用電磁弁制御部112は、チャック固定用電磁弁84をON(開状態)とし、Z軸移動・回転部72の吸引口80(図4参照)を介してウエハチャック34を固定する。
次に、チャックガイドリリース工程として、チャックガイドシールゴム208、ヘッドステージ30、及び固定部206の内部に形成された内部空間Qを大気開放又は微小加圧により真空破壊する。これにより、図17(C)に示すように、ヘッドステージ30に対するチャックガイド204の吸着が解除される。
その後、Z軸移動制御部106は、Z軸駆動モータ122を制御して、Z軸移動・回転部72を下降させる。
以上により、第2の実施形態に係るプローバ10におけるリリース動作が終了する。
このように第2の実施形態によれば、チャックガイド204(固定部206)をヘッドステージ30に真空吸着により固定した状態でウエハチャック34をチャックガイド204に沿ってZ方向に案内するチャックガイド機構200を備えたので、ウエハチャック34のコンタクト動作やリリース動作において、ウエハチャック34の受け渡しを行う際に、ウエハチャック34の位置ずれや傾きを防止することができる。したがって、ウエハチャック34の構成部品による偏荷重による傾きや位置ずれを防止することができ、プローブカード32とウエハWとの平行度を保った状態でウエハチャック34の受け渡し動作を安定して行うことが可能となり、ウエハW上の電極パッドとプローブ36との間で良好なコンタクトを実現することが可能となる。
なお、第2の実施形態では、チャックガイド機構200の固定方式として、真空吸着による固定方式を示したが、ヘッドステージ30にチャックガイド204を着脱自在に固定できるものであれば周知の様々な方式を採用でき、クランプ等による機械的な方式であってもかまわない。
また、第2の実施形態では、チャックガイド機構200をウエハチャック34側に設けてヘッドステージ30側にチャックガイド204(固定部206)を吸着させる構成を示したが、チャックガイド機構200をヘッドステージ30側に設けてウエハチャック34側にチャックガイド204(固定部206)を吸着させる構成としてもよい。
以上、本発明に係るプローバ及びプローブ検査方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…プローバ、12…測定ユニット、14…ローダ部、16…測定部、18…ロードポート、20…ウエハカセット、22…操作パネル、24…搬送ユニット、26…搬送アーム、30…ヘッドステージ、32…プローブカード、34…ウエハチャック、34a…ウエハ保持面、36…プローブ、40…吸引口、42…吸引路、44…吸引装置、44…吸引装置、45…加圧装置、46…ウエハ吸着用電磁弁、48…リング状シール部材、50…圧力供給路、54…減圧用レギュレータ、56…連通路、58…シャッタ手段、60…共通配管、62…圧力切替用電磁弁、62a…第1ポート、62b…第2ポート、62c…第3ポート、64…減圧用配管、66…加圧用配管、68…加圧用レギュレータ、70…アライメント装置、72…Z軸移動・回転部、72a…ウエハチャック支持面、74…X軸移動台、76…Y軸移動台、78…リング状シール部材、78…リング状シール部材、80…吸引口、82…吸引路、84…チャック固定用電磁弁、86…絞り弁、88…位置決めピン、90…Vブロック、92…Z軸移動機構、94…θ回転機構、100…全体制御部、102…X軸移動制御部、104…Y軸移動制御部、106…Z軸移動制御部、108…θ回転制御部、110…ウエハ吸着用電磁弁制御部、112…チャック固定用電磁弁制御部、114…圧力切替用電磁弁制御部、115…圧力制御部、116…シャッタ制御部、118…X軸駆動モータ、120…Y軸駆動モータ、122…Z軸駆動モータ、124…回転駆動モータ、200…チャックガイド機構、202…軸受部、204…チャックガイド、206…固定部、208…チャックガイドシールゴム、210…クリアランス保持部材、300…エアシリンダ機構、302…開閉弁、304…シリンダ、306…ピストン、308…ピストンロッド、310…エアシリンダ駆動装置、W…ウエハ、S…内部空間、Q…内部空間

Claims (5)

  1. ウエハを保持するウエハチャックと、
    前記ウエハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカードと、
    前記プローブカードを保持するヘッドステージと、
    前記ウエハチャックと前記プローブカードとの間に内部空間を形成する環状のシール部材と、
    前記ウエハチャックを着脱自在に固定するウエハチャック固定部を有し、前記ウエハチャック固定部に固定された前記ウエハチャックを昇降させる機械的昇降手段と、
    前記内部空間に負圧を付与することにより前記ウエハチャックを前記プローブカード側に吸着保持する負圧付与手段と、
    前記ヘッドステージに設けられ、前記内部空間が外部空間と連通した連通状態と前記内部空間が前記外部空間と連通しない非連通状態との間で選択的に切替可能なシャッタ手段と、
    前記内部空間に正圧を付与することにより前記ウエハチャックをプローブカード側からリリースする正圧付与手段と、
    前記正圧付与手段によって前記ウエハチャックが前記プローブカード側からリリースされる場合には前記内部空間が前記非連通状態となるように、前記シャッタ手段の動作を制御するシャッタ制御手段と、
    を備えるプローバ。
  2. 前記シャッタ手段は、エアシリンダ機構によって開閉弁を進退移動させることで前記内部空間を前記連通状態と前記非連通状態との間で選択的に切り替える、
    請求項1に記載のプローバ。
  3. ウエハを保持するウエハチャックと、
    前記ウエハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカードと、
    前記プローブカードを保持するヘッドステージと、
    前記ウエハチャックと前記プローブカードとの間に内部空間を形成する環状のシール部材と、
    前記ウエハチャックを着脱自在に固定するウエハチャック固定部を有し、前記ウエハチャック固定部に固定された前記ウエハチャックを昇降させる機械的昇降手段と、
    前記内部空間に負圧を付与することにより前記ウエハチャックを前記プローブカード側に吸着保持する負圧付与手段と、
    前記ヘッドステージに設けられ、前記内部空間が外部空間と連通した連通状態と前記内部空間が前記外部空間と連通しない非連通状態との間で選択的に切替可能なシャッタ手段と、
    を備え、
    前記シャッタ手段は、エアシリンダ機構によって開閉弁を進退移動させることで前記内部空間を前記連通状態と前記非連通状態との間で選択的に切り替える、
    プローバ。
  4. 機械的昇降手段によりウエハチャックをヘッドステージに保持されたプローブカードに向かって移動させて、前記ウエハチャックと前記プローブカードとの間に内部空間を形成するウエハチャック移動工程と、
    前記内部空間に負圧を付与することにより前記ウエハチャックを前記プローブカード側に吸着保持する負圧付与工程と、
    前記内部空間に正圧を付与することにより前記ウエハチャックをプローブカード側からリリースする正圧付与工程と、
    前記ヘッドステージに設けられ、前記内部空間が外部空間と連通した連通状態と前記内部空間が前記外部空間と連通しない非連通状態との間で選択的に切替可能なシャッタ手段を用いて、前記正圧付与工程が行われる場合には前記内部空間が前記非連通状態となるように、前記シャッタ手段の動作を制御するシャッタ制御工程と、
    を備えるプローブ検査方法。
  5. 前記シャッタ手段は、エアシリンダ機構によって開閉弁を進退移動させることで前記内部空間を前記連通状態と前記非連通状態との間で選択的に切り替える、
    請求項4に記載のプローブ検査方法。

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