JP6800781B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
スパークプラグは、自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられる。スパークプラグは、中心電極と接地電極とを軸方向に対向させてこれらの間に火花放電ギャップを形成している。中心電極と接地電極との間にパルス電圧をかけることにより、火花放電ギャップに火花放電が発生する。
ここで、特許文献1には、中心電極及び接地電極のそれぞれが、母材と当該母材に接合された貴金属チップとを有し、中心電極の貴金属チップと接地電極の貴金属チップとの間に火花放電ギャップを形成しているスパークプラグが開示されている。かかるスパークプラグにおいては、中心電極の貴金属チップ及び接地電極の貴金属チップを起点とした火花放電が生じる。この火花放電によって生じた放電火花は、燃焼室内の混合気の気流により、放電火花の両起点間の部位が下流側に引き伸ばされる。これにより、放電火花と混合気との接触領域を稼ぎ、混合気への着火性を確保している。
特開2014−239015号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、中心電極と接地電極との間に生じた放電火花が、混合気によって吹き消され、再度、中心電極と接地電極との間に火花放電が生じる再放電が生じやすい。このことにつき、以下説明する。
特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、中心電極と接地電極との間に生じた放電火花の起点が、中心電極の貴金属チップ或いは接地電極の貴金属チップから、当該貴金属チップを接合する母材に移動することが懸念される。放電火花の起点が、貴金属チップから母材に移動すると、軸方向における放電火花の両起点間の距離が大きくなる。軸方向における放電火花の両起点間の距離が大きくなりすぎると、放電火花の両起点間の部位は混合気の下流側に過度に膨らむように引き伸ばされやすく、これによって放電火花の吹き消えが生じやすくなる場合がある。放電火花が吹き消されると、軸方向における中心電極と接地電極との間で、再放電が生じる。以上のように、特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、再放電が生じやすい。
なお、再放電の頻度が増えると、例えば、火花放電の位置の変動が大きくなることによって混合気の過熱箇所がばらついて着火性が悪くなったり、中心電極及び接地電極の消耗が増加したりすることが懸念される。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、再放電を生じ難くすることにより着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、筒状のハウジング(11)と、
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
前記ハウジングに接続される接続部(331)を有するとともに、前記中心電極との間に火花放電ギャップ(13)を形成する接地電極(3)と、を有し、
前記接地電極は、前記接続部を備えた接地母材(31)と、前記接地母材から前記中心電極側に突出するとともに、前記中心電極との間に前記火花放電ギャップを形成する接地突出部(32)とを有し、
前記接地突出部における前記火花放電ギャップに対向する接地放電面(321)と、前記接地突出部の側面(327、328、329)との間の角は、直角又は鋭角であり、
前記接地突出部の前記側面の少なくとも一部と、前記接地母材の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されており、
前記接地突出部は、複数の前記側面を有し、
軸方向に直交する方向であって、かつ、前記接地電極の前記接続部と前記中心電極とが並ぶ横方向(X)と、軸方向との双方に平行な面方向のうち、前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)に直交する方向を直交方向と定義したとき、前記接地突出部の複数の前記側面間の角の少なくとも1つは、前記接地突出部における、前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部に位置した接地特定角(32a)であり、
前記接地突出部の前記側面における前記接地特定角を形成する面(328、329)のそれぞれは、前記接地母材の前記側面と面一に形成されているとともに、前記接地放電面との間の角が鋭角である、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
本発明の第二の態様は、筒状のハウジング(11)と、
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
前記ハウジングに接続される接続部(331)を有するとともに、前記中心電極との間に火花放電ギャップ(13)を形成する接地電極(3)と、を有し、
前記中心電極は、中心母材(21)と、前記中心母材から前記接地電極側に突出するとともに、前記接地電極との間に前記火花放電ギャップを形成する中心突出部(22)とを有し、
前記中心突出部における前記火花放電ギャップに対向する中心放電面(221)と、前記中心突出部の側面(222、223、224)との間の角は、直角又は鋭角であり、
前記中心突出部は、複数の前記側面を有し、
軸方向に直交する方向であって、かつ、前記接地電極の前記接続部と前記中心電極とが並ぶ横方向(X)と、軸方向との双方に平行な面方向のうち、前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)に直交する方向を直交方向と定義したとき、前記中心突出部の複数の前記側面間の角の少なくとも1つは、前記中心突出部における、前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部に位置した中心特定角(22a)であり、
前記中心突出部の前記側面における前記中心特定角を形成する面のそれぞれは、前記中心母材の側面と面一に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
前記第一の態様の内燃機関用のスパークプラグにおいて、接地突出部における火花放電ギャップに対向する接地放電面と、接地突出部の側面との間の角は、直角又は鋭角である。それゆえ、接地放電面と接地突出部の側面との間の角の周囲の電界強度を確保しやすい。これにより、放電火花の接地電極側の起点を、接地放電面と接地突出部の側面との間の角にとどめやすく、放電火花の接地電極側の起点が接地母材に移動することを抑制することができる。これによって、放電火花の吹き消え、再放電を抑制することができる。
また、接地突出部の側面の少なくとも一部と、接地母材の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されている。それゆえ、接地母材における接地突出部が配された部位の周囲に電界が集中することを抑制することができる。そのため、放電火花の接地電極側の起点が接地突出部から接地母材へ移動することを抑制することができる。これによっても、放電火花の吹き消え、再放電を抑制することができる。
また、前記第二の態様の内燃機関用のスパークプラグにおいて、中心放電面と中心突出部の側面との間の角は、直角又は鋭角である。これによって、放電火花の中心電極側の起点を、中心放電面と中心突出部の側面との間の角にとどめやすく、放電火花の吹き消え及び再放電が生じることを抑制することができる。
また、中心突出部の複数の側面間の角の少なくとも1つは、中心突出部における、前記直交方向の接続部側と反対側の端部に位置した中心特定角である。すなわち、中心突出部において、周囲に電界が集中しやすい角を、中心突出部における前記直交方向の接続部側と反対側の端部に形成している。それゆえ、放電火花の中心電極側の起点を、中心突出部における前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部にとどめやすい。それゆえ、放電火花が接地電極における中心突出部の前記直交方向の接続部側の部位に近接すること起因して、放電火花から混合気へ着火して生じた火炎の熱が接地電極に奪われること(いわゆる消炎作用)を抑制することができる。
以上のごとく、前記態様によれば、再放電を生じ難くすることにより着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの断面図。 実施形態1における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実施形態1における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 図3の、IV−IV線矢視断面図。 図4の、V−V線矢視断面図。 図4において、接地突出部を除いた図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花を表した説明図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花の両起点間の部位が燃焼室内の気流によって大きく引き伸ばされた状態を示す説明図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、短絡する直前の放電火花と、短絡した直後の放電火花とを表した説明図。 比較形態における、接地電極を中心電極側からみた一部断面図。 比較形態における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花を表した説明図。 比較形態における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花の両起点間の部位が燃焼室内の気流によって大きく引き伸ばされた状態を示す説明図。 比較形態における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、短絡する直前の放電火花と、短絡した直後の放電火花とを表した説明図。 実験例1における、突出長さL1と、接地側起点移動率との関係を示す線図。 実験例1における、接地側起点移動率と、燃焼変動率との関係を示す線図。 参考形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 参考形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 図16の、XVIII−XVIII線矢視断面図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 図19の、XXI−XXI線矢視断面図。 図21の、XXII−XXII線矢視断面図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実施形態における、中心電極の先端部をギャップ方向における接地電極側から見た図。 図26の、XXVII−XXVII線矢視断面図。 図26の、XXVIII−XXVIII線矢視断面図。 実施形態の変形形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実験例2における、突出長さL2と、中心側起点移動率との関係を示す線図。 実験例2における、中心側起点移動率と、燃焼変動率との関係を示す線図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実施形態における、中心電極の先端部をギャップ方向における接地電極側から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 実施形態における、中心電極の先端部をギャップ方向における接地電極側から見た図。 図37の、XXXVIII−XXXVIII線矢視断面図。 図37の、XXXIX−XXXIX線矢視断面図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。 参考形態と実施形態とを組み合わせた変形形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。 実施形態と実施形態とを組み合わせた変形形態における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグの実施形態につき、図1〜図9を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、筒状のハウジング11と、ハウジング11の内側に保持された筒状の絶縁碍子12と、中心電極2と接地電極3とを有する。中心電極2は、先端部が突出するように絶縁碍子12の内側に保持されている。接地電極3は、ハウジング11に接続される接続部331を有する。接地電極3は、中心電極2との間に火花放電ギャップ13を形成する。
図2に示すごとく、接地電極3は、接続部331を備えた接地母材31と、接地母材31から中心電極2側に突出するとともに、中心電極2との間に火花放電ギャップ13を形成する接地突出部32とを有する。中心電極2と火花放電ギャップ13と接地電極3とが並ぶギャップ方向Gにおいて、接地母材31からの接地突出部32の突出長さL1は、0.5mm以上である。
図2、図5に示すごとく、接地突出部32における火花放電ギャップ13に対向する接地放電面321と、接地突出部32の側面322、323、324との間の角は、直角又は鋭角である。本実施形態においては、接地放電面321と接地突出部32の側面322、323、324との間のすべての角は、いずれも直角である。接地突出部32の側面322、323、324の少なくとも一部と、接地母材31の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されている。換言すると、接地突出部32の側面322、323、324の少なくとも一部と、接地母材31の側面の少なくとも一部とは、滑らかに連続するよう形成されている。
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。軸方向におけるスパークプラグ1の一端は、図示しない点火コイルと接続され、軸方向におけるスパークプラグ1の他端は、内燃機関の燃焼室内に配される。
本明細書において、単に「軸方向」というときは、特に断らない限りスパークプラグ1の中心軸が延びる方向を意味するものとする。
軸方向に直交する方向であって、かつ、接地電極3の接続部331と中心電極2とが並ぶ方向を横方向Xという。また、横方向Xにおける接続部331に対する中心電極2側をX1側といい、その反対側をX2側という。また、軸方向及び横方向Xの双方に直交する方向を縦方向Yという。
ギャップ方向Gにおいて、中心電極2に対する接地電極3側をG1側、その反対側をG2側という。なお、後述するように、本実施形態においてギャップ方向Gは軸方向である。
図1に示すごとく、ハウジング11には、スパークプラグ1をエンジンヘッド101(図7参照)に取り付けるための取付ネジ部111が形成されている。絶縁碍子12は、先端部をハウジング11のG1側に突出させ、基端部をハウジング11のG2側に突出させつつハウジング11に保持されている。絶縁碍子12内における先端部に、中心電極2が保持されている。
中心電極2は、その中心軸をスパークプラグ1の中心軸と略一致させるよう配されている。中心電極2は、全体として略円柱形状を呈している。図2、図3に示すごとく、中心電極2は、中心母材21と、中心母材21から接地電極3側に突出するとともに、接地電極3との間に火花放電ギャップ13を形成する中心突出部22とを有する。本実施形態において、中心母材21と中心突出部22とは互いに別体である。中心母材21の先端部である母材先端部210は、G1側へ向かうほど縮径する円錐台形状を呈している。中心突出部22は、母材先端部210の先端面に接合されている。中心突出部22は、円柱状を呈している。中心突出部22のG1側の面は、火花放電ギャップ13に対向する中心放電面221である。
接地母材31は、立設部33及び内向部34を有する。立設部33は、ハウジング11の先端面からG1側へ向かってギャップ方向Gに立設している。図2に示すごとく、立設部33は、G2側の端部に前述の接続部331を有し、接続部331においてハウジング11の先端面に接続されている。立設部33は、横方向Xに厚みを有する。
内向部34は、立設部33のG1側の端部から、横方向XのX1側に延設されている。本実施形態において、内向部34は、その一部が、中心突出部22の中心放電面221とギャップ方向Gに重なるよう形成されている。内向部34は、ギャップ方向Gに厚みを有する。なお、図4においては、ギャップ方向Gに直交する面方向における中心放電面221の外形位置を、破線にて表している。
図2に示すごとく、接地母材31は、長手方向における接続部331と反対側の端部に、接地母材端部341を有する。図6に示すごとく、接地母材端部341は、X1側に向かうほど幅狭となる三角柱状を呈している。接地母材端部341は、ギャップ方向Gに直交する断面が三角形である。本実施形態において接地母材端部341は、少なくとも一部が、中心突出部22の中心放電面221とギャップ方向Gに重なるよう形成されている。
内向部34における接地母材端部341のX2側に隣接する部位には、テーパ部342が形成されている。ギャップ方向Gから見たとき、テーパ部342は、X1側に向かうほど幅狭となる台形状を呈している。
図6に示すごとく、テーパ部342の側面342s及び接地母材端部341の側面341a、341bのそれぞれは、ギャップ方向G及び横方向Xの双方に平行な面に対して傾斜した平面となっている。ギャップ方向G及び横方向Xの双方に平行な面に対する傾斜角度は、テーパ部342の側面342sよりも、接地母材端部341の側面341a、341bのほうが若干大きい。
なお、接地電極3は、例えば、長尺な金属板材をその厚み方向に曲げ加工し、その後、テーパ部342の側面342sや、接地母材端部341の側面341a、341bを切削加工により形成することができる。前述の金属部材は、その幅方向の両端面が、前記は場方向の外側に向かって膨らんだ湾曲面であるが、これに限られない。
図2、図3に示すごとく、接地母材端部341のG2側の面からG2側に向かって接地突出部32が突出している。本実施形態において、接地母材31と接地突出部32とは、互いに別体である。接地突出部32は、三角柱形状を有する。接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形である。具体的には、接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、X1側に向かうほど幅狭となる三角形状を呈している。
接地突出部32は、複数の側面322、323、324を有する。本実施形態において、接地突出部32は、3つの側面322、323、324を有する。3つの側面322、323、324は、いずれも、接地放電面321との間の角が直角である。
3つの側面322、323、324は、ギャップ方向G及び縦方向Yに平行な側面322と、当該側面322における縦方向Yの両側の辺からX1側に延設された一対の側面323、324とからなる。一対の側面323、324は、側面322からX1側に向かうにつれて、互いに近付くよう形成されており、ギャップ方向G及び横方向Xの双方に平行な面に対して傾斜している。そして、一対の側面323、324は、側面322と反対側の辺同士で接している。
横方向Xと軸方向との双方に平行な面方向のうち、ギャップ方向Gに直交する方向を直交方向と定義する。このとき、図2〜図4に示すごとく、接地突出部32の複数の側面322、323、324間の角の少なくとも1つは、接地突出部32における、直交方向の接続部331側と反対側の端部に位置した接地特定角32aである。なお、本実施形態において、直交方向は横方向Xであるため、直交方向を横方向Xという。本実施形態において、接地特定角32aは、一対の側面323、324の間の角である。
図2〜図5に示すごとく、接地突出部32の側面322、323、324における接地特定角32aを形成する面(すなわち一対の側面322、323)のそれぞれは、接地母材31の側面と面一に形成されている。一対の側面323、324のうち、一方の側面323の全体は、接地母材端部341の一方の側面341aの全体と平面状に面一に形成されており、他方の側面324の全体は、接地母材端部341の他方の側面341bの全体と平面状に面一に形成されている。
本実施形態において、接地母材端部341の全体は、接地突出部32に対してギャップ方向Gに重なっている。接地母材端部341のギャップ方向Gに直交する断面形状は、接地突出部32のギャップ方向Gに直交する断面形状と同じである。そして、接地母材端部341の側面341a、341bは、接地突出部32の側面323、324と面一に形成されている。接地母材端部341の側面341a、341b全体は、接地突出部32の側面323、324と面一に形成されている。
図2、図3に示すごとく、接地特定角32aは、ギャップ方向Gに形成されている。また、接地母材端部341の一対の側面341a、341b間の角は、ギャップ方向Gに形成されている。そして、接地母材端部341の一対の側面341a、341b間の角は、接地特定角32aと直線状に滑らかにつながっている。
図2に示すごとく、接地突出部32は、ギャップ方向Gにおける内向部34からの突出長さL1が、0.5mm以上である。すなわち、接地突出部32における、内向部34からギャップ方向Gに露出した部位のギャップ方向Gの長さL1が、0.5mm以上である。なお、接地突出部32は、突出長さL1を1.0mm以下とすることが、プレイグニッション防止の観点から好ましい。すなわち、突出長さL1が1.0mmを超えるほど大きくなると、接地母材31の位置も、よりG1側、すなわち比較的高温である燃焼室の中央側、に形成される。その結果、突出長さL1が1.0mmを超えると、接地電極3の高温化を招き、ひいてはプレイグニッションを招くおそれがある。
接地突出部32の接地放電面321は、ギャップ方向Gに直交している。接地放電面321は、中心電極2の中心放電面221とギャップ方向Gに対向している。そして、ギャップ方向Gにおける接地放電面321と中心放電面221との間に、火花放電ギャップ13が形成されている。
なお、中心母材21は、Ni基合金等の金属材料からなる円柱体であり、内部にCu等の熱伝導性に優れた金属材料が配されるものとすることができる。中心突出部22は、例えばIrやPt等の貴金属から構成することができる。接地母材31は、例えばNiを主成分とするNi基合金から構成することができる。接地突出部32は、例えばIrやPtなどの貴金属から構成することができる。
図1に示すごとく、絶縁碍子12の内側において、中心電極2のG2側には、導電性を有するガラスシール14を介して抵抗体15が配置されている。抵抗体15は、カーボン又はセラミック粉末等の抵抗材及びガラス粉末を含むレジスタ組成物を加熱封着することにより形成する、或いはカートリッジ型抵抗体を挿入することによって構成することができる。ガラスシール14は、ガラスに銅粉を混入させてなる銅ガラスからなる。また、抵抗体15のG2側には、銅ガラスからなるガラスシール17を介してステム16が配されている。ステム16は、例えば鉄合金からなる。スパークプラグ1は、ステム16において、点火コイルに接続される。
次に、図7に示すごとく、本実施形態のスパークプラグ1を内燃機関に取り付けた点火装置10について説明する。
スパークプラグ1は、縦方向Yが、火花放電ギャップ13を通過する混合気の気流Fの方向となるような姿勢で配されている。なお、以後、単に「下流側」といったときは、火花放電ギャップ13を流れる混合気の気流Fの下流側を意味するものとし、単に「上流側」といったときは、火花放電ギャップ13を流れる混合気の気流Fの上流側を意味するものとする。
次に、図7〜図9を用いて、中心電極2と接地電極3との間に生じる放電火花Sが気流Fによって引き伸ばされる様子の一例について説明する。
図7に示すごとく、中心電極2と接地電極3との間に所定の電圧を印加することにより、火花放電ギャップ13に放電火花Sが生じる。初期の放電火花Sは、例えば、中心電極2の中心放電面221と、接地突出部32の接地特定角32aのG2側端部とを起点として生じやすい。中心電極2と接地電極3とは、中心放電面221と接地特定角32aのG2側端部との間の距離が比較的小さくなり、かつ、接地特定角32aのG2側端部の周囲の電界強度が比較的高くなりやすいからである。以後、放電火花Sの中心電極2側の起点を、「中心電極側起点S2」といい、放電火花Sの設置電極側の起点を、「接地電極側起点S1」という。
図8に示すごとく、放電火花Sが気流Fに押されることにより、放電火花Sは、少なくとも接地電極側起点S1の位置を接地特定角32aのG2側端部に維持しつつ、両起点間の部位が下流側に膨らむよう引き伸ばされる。放電火花Sの両起点間の部位が下流側に引き伸ばされるにつれて、放電火花Sの最も下流側の部位である折返し部Stの曲率が大きくなる。そのため、放電火花Sの両起点間の部位が下流側に引き伸ばされるにつれて、放電火花Sにおける折返し部Stの両側に隣接する部位Sa同士が、ギャップ方向Gに近付き、やがて図9に示すごとく短絡する。この短絡により、放電火花Sの縦方向Yの長さが若干小さくなる。そして、その後は、放電火花Sの両起点間の部位の引き伸ばしと、短絡が繰り返される。
なお、図9において、短絡する直前の放電火花を破線で表しており、短絡した直後の放電火花Sを実線で表している。また、図9において、放電火花Sが短絡する直前の、放電火花Sの下流側端部の位置から、放電火花Sが短絡した直後の、放電火花Sの下流側端部の位置までの縦方向Yの長さをΔy1で表している。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
内燃機関用のスパークプラグ1において、ギャップ方向Gの、接地母材31からの接地突出部32の突出長さL1は、0.5mm以上である。それゆえ、火花放電ギャップ13に生じた放電火花Sの接地電極側起点S1が、接地突出部32から接地母材31へ移動することを抑制することができる。これにより、ギャップ方向Gにおいて、放電火花の両起点間の距離が拡大することを抑制することができる。それゆえ、放電火花Sの両起点間の部位は、下流側端部において急角度で折れ曲がり、全体として下流側に鋭い形状となるよう引き伸ばされる。そのため、放電火花Sの両起点間の部位は、下流側に引き伸ばされたとき、その一部が他の一部と短絡しやすい。そのため、放電火花Sの吹き消え及び再放電が生じ難い。なお、この数値に関しては、後述する実験例によって裏付けられる。
また、接地突出部32における火花放電ギャップ13に対向する接地放電面321と、接地突出部32の側面322、323、324との間の角は、直角である。それゆえ、接地放電面321と接地突出部32の側面322、323、324との間の角の周囲の電界強度を確保しやすい。これにより、放電火花Sの接地電極側起点S1を接地放電面321と接地突出部32の側面322、323、324との間の角にとどめやすく、放電火花Sの接地電極側起点S1が接地母材31に移動することを抑制することができる。これによっても、放電火花Sの吹き消え、再放電を抑制することができる。
また、接地突出部32の側面322、323、324の少なくとも一部と、接地母材31の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されている。それゆえ、接地母材31における接地突出部32が配された部位の周囲に電界が集中することを抑制することができる。そのため、放電火花Sの接地電極側起点S1が接地突出部32から接地母材31へ移動することを抑制することができる。これによっても、放電火花Sの吹き消え、再放電を抑制することができる。
また、接地突出部32の複数の側面322、323、324間の角の少なくとも1つは、接地突出部32における、横方向Xの接続部331と反対側の端部に位置した接地特定角32aである。すなわち、接地突出部32において、周囲に電界が集中しやすい角を、接地突出部32における横方向Xの接続部331側と反対側の端部に形成している。それゆえ、放電火花Sの接地電極側起点S1が、接地突出部32から、接地母材31における接地突出部32の横方向XのX2側の部位に移動することを抑制できる。また、放電火花Sが接地電極3における接地突出部32の横方向XのX2側の部位に近接することに起因して、放電火花Sから混合気へ着火して生じた火炎の熱が接地電極3に奪われる消炎作用を抑制することができる。そして、接地突出部32の側面322、323、324における接地特定角32aを形成する側面323、324のそれぞれは、接地母材31の側面と面一に形成されている。それゆえ、放電火花Sの接地電極側起点S1を、横方向XのX1側の端部に形成された接地特定角32aのG2側の端部に一層維持しやすい。
また、接地母材端部341の側面341a、341bは、接地突出部32の側面323、324と面一に形成されている。それゆえ、接地母材端部341の側面341a、341bと接地突出部32の側面323、324との間に、周囲の電界が集中しやすくなる部位が形成されることを防止することができる。それゆえ、放電火花Sの接地電極側起点S1を、接地放電面321に一層維持しやすい。
また、接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形である。それゆえ、接地突出部32に、周囲の電界が集中しやすい角を容易に形成しやすい。それゆえ、放電火花Sの接地電極側起点S1が接地突出部32から接地母材31に移動することを抑制しやすい。
以上のごとく、本実施形態によれば、再放電が生じ難い内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(比較形態)
本比較形態は、図10〜図13に示すごとく、実施形態1に対して、接地電極の構成を変更した形態である。具体的には、図10、図11に示すごとく、実施形態1に対して、内向部と接地突出部とを変更している。図10に示すごとく、本比較形態において、内向部934は、縦方向Yの幅が、横方向Xにおいて一定となるよう、一様に形成されている。内向部934は、G2側を向く内側面934aと、G1側を向く外側面934b(図11参照)と、縦方向Yの両端において、内側面934aと外側面934bとをつなぐ一対の第一側面934cと、X1側の端部において、内側面934aと外側面934bとをつなぐ第二側面934dとを有する。第一側面934cは、縦方向Yを向いており、第二側面934dは、横方向XのX1側を向いている。
内向部934の内側面934aに、円柱状の接地チップ932が配されている。図11に示すごとく、接地チップ932は、中心突出部22の中心放電面221とギャップ方向Gに対向している。そして、本比較形態において、接地チップ932の側面と接地母材931の側面とは、面一に形成されていない。ギャップ方向Gからみたとき、接地チップ932の外形は、内向部934の一対の第一側面934c及び第二側面934dの内側に収まっている。ギャップ方向Gからみたとき、接地チップ932の外形と一対の第一側面934c及び第二側面934dとは重なっていない。ギャップ方向Gから見たとき、接地チップ932のX1側に、内向部934の内側面934aと第一側面934cとの間の角、内側面934aと第二側面934dとの間の角、第一側面934cと第二側面934dとの間の角が位置している。その他の基本的な構造は、実施形態1と同様である。
次に、図11〜図13を用いて、本比較形態のスパークプラグ9において、放電火花Sが燃焼室内の気流Fによって引き伸ばされる様子の一例について説明する。
図11に示すごとく、初期の放電火花Sは、中心放電面221と接地チップ932のG2側の面との間に生じる。そして、放電火花Sは、気流Fによって押され、両起点間の部位が下流側に大きく膨らむ。図11、図12に示すごとく、放電火花Sの両起点間の部位が下流側に膨らむ間、放電火花Sの接地電極側起点S1は、気流Fに押されて移動する。
まず、放電火花Sの接地電極側起点S1は、接地チップ932から、周囲に電界が集中しやすい第一側面934cと第二側面934dとの間の角のG2側端部に移動する。
次いで、放電火花Sの接地電極側起点S1は、さらに気流Fに押され、第一側面934cと第二側面934dとの間の角上をG1側に向かって移動し、図12に示すごとく、第一側面934cと第二側面934dとの間の角のG1側端部に到達する。
このように、放電火花Sは、ギャップ方向Gにおける放電火花Sの両起点間の距離を拡大させながら、両起点間の部位が下流側に大きく膨らむ。そのため、図12に示すごとく、放電火花Sの両起点間の部位が下流側に引き伸ばされた場合であっても、放電火花Sの最も下流側の部位である折返し部Stの曲率は、大きくなり難い。それゆえ、放電火花Sの折返し部Stに隣接する部位Saは、近付き難く、短絡し難いため、放電火花Sは、吹き消えるまで下流側に過度に引き伸ばされる。
そして、図13に示すごとく、下流側に過度に引き伸ばされた放電火花Sは、やがて吹き消えて、中心電極2の中心放電面221と接地チップ932のG2側端面との間において、再放電が生じる。そして、その後は、放電火花Sの両起点間の部位の引き伸ばし、吹き消え、再放電が繰り返される。
ここで、図13において、吹き消える直前の放電火花を破線で表しており、再放電した直後の放電火花Sを実線で表している。また、吹き消える直前の放電火花の下流側端部の位置から、再放電した直後の放電火花Sの下流側端部の位置までの縦方向Yの長さをΔy2で表している。
本比較形態においては、放電火花の吹き消え、再放電が生じやすい。そのため、図13に示すごとく、吹き消える直前の放電火花の下流側端部の位置から、再放電した直後の放電火花Sの下流側端部の位置までの縦方向Yの長さΔy2が、比較的大きくなりやすい。つまり、本比較形態においては、放電火花Sの下流側端部の位置が変動しやすい。そのため、放電火花Sから燃焼室内の混合気へ熱の移動が効率的に行われない。それゆえ、混合気への着火性を向上させにくい。
一方、前記実施形態1のスパークプラグ1においては、吹き消え、再放電が生じ難く、図9に示すごとく、放電火花Sが短絡する直前の、放電火花Sの下流側端部の位置から、放電火花Sが短絡した直後の、放電火花Sの下流側端部の位置までの縦方向Yの長さΔy1が大きくなり難い。そのため、放電火花Sから燃焼室内の混合気への熱移動が効率的に行われ、着火性を向上させやすい。
また、本比較形態においては、放電火花Sの再放電が生じやすいため、中心電極及び接地電極の消耗が増加しやすい。一方、実施形態1のスパークプラグ1においては、再放電が生じ難く、中心電極2、接地電極3の消耗を抑制することができる。
(実験例1)
本例は、図14に示すごとく、基本構造を実施形態1と同様とするスパークプラグにおいて、突出長さL1と、後述の接地側起点移動率との関係を評価した例である。接地側起点移動率は、中心電極と接地電極との間に20回行った放電を観測した中での、放電火花の接地電極側起点が、接地突出部32から接地母材31へ移動した割合である。
本例においては、基本構造を実施形態1のスパークプラグ1と同様としつつ、突出長さL1を、0mm、0.25mm、0.5mm、0.75mmとした4つの試料を用意した。
そして、本例においては、各試料を、燃焼室を模した試験装置に取り付けた。各試料は、各試料の火花放電ギャップ13を通過する気流の向きが縦方向Yとなるような姿勢で試験装置に取り付けた。そして、装置内の圧力を0.5MPaとし、各試料の火花放電ギャップ13に向かって流速20m/sの混合気を流した。放電時間を1.5msとし、各試料につき20回放電を行い、接地側起点移動率を測定した。その結果を、図14に示す。
図14からわかるように、突出長さL1が0.5mm以上となると、接地側起点移動率が略0%と、小さい値となることが分かる。一方、突出長さL1が0.25mm以下になると、突出長さL1が0.5mm以上の場合と比べて、接地側起点移動率が急激に上昇することが分かる。すなわち、接地側起点移動率を低減する観点から、ギャップ方向Gにおける接地母材31からの接地突出部32の突出長さL1は、0.5mm以上が好ましいことが分かる。
次に、図15に示すごとく、接地側起点移動率と燃焼変動率との関係を調べた。燃焼変動率は、図示平均有効圧IMEPの(標準偏差/平均)×100で示されるものである。スパークプラグの着火性が良いほど、燃焼変動率の値が低い。
本例においては、接地側起点移動率の異なる種々の試料を用意した。そして、各試料を、2.5Lの4気筒の過給エンジンに取り付けた、そして、エンジン回転数1200rpm、正味平均有効圧力(BMEP)0.5MPaの条件で燃焼変動率を測定した。結果を図15に示す。
図15から分かるように、接地側起点移動率が小さいほど、燃焼変動率が小さいことがわかる。すなわち、接地側起点移動率が小さいほど、着火性が良くなる。
以上より、図15から、接地側起点移動率が小さいほど着火性が向上することが分かり、図14から、接地側起点移動率を低減する観点から、ギャップ方向Gにおける接地母材31からの接地突出部32の突出長さL1は、0.5mm以上が好ましいことが分かる。すなわち、着火性向上の観点から、ギャップ方向Gにおける接地母材31からの接地突出部32の突出長さL1は、0.5mm以上が好ましい。
参考形態
形態は、図16〜図18に示すごとく、実施形態1に対して、接地電極3の形状を変更した形態である。まず、本形態において、接地母材端部341は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、四角形状を呈している。接地母材端部341の縦方向Yの両側の側面341c、341dは、縦方向Yに直交しており、接地母材端部341のX1側の側面341eは、横方向Xに直交している。
そして、接地突出部32は、四角柱形状を呈している。すなわち、接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。図17に示すごとく、接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、接地母材端部341よりも横方向Xに長尺となるよう形成されている。
図16に示すごとく、接地突出部32は、縦方向Yの両側の側面325a、325bが、接地母材端部341の縦方向Yの両側の側面341c、341dと面一となるよう配されている。具体的には、接地突出部32における縦方向Yの一方の側面325aの一部は、接地母材端部341における縦方向Yの一方の側面341cの全体と平面状に面一となるよう形成されている。そして、接地突出部32における縦方向Yの他方の側面325bの一部は、接地母材端部341における縦方向Yの他方の側面341dの全体と平面状に面一となるよう形成されている。
横方向Xにおいて、接地突出部32は、内向部34よりもX1側に突出するよう配されている。すなわち、接地突出部32のX1側の側面326は、接地母材端部341のX1側の側面341eよりも、X1側に位置している。なお、図18において、接地母材端部341のX1側の側面341eを破線にて表している。
形態においても、接地突出部32の複数の側面325a、325b、326間の角の少なくとも1つは、接地突出部32における、横方向Xの接続部331側と反対側の端部に位置した接地特定角32aである。本形態において、接地特定角32aは、接地突出部32の側面326と、一対の側面325a、325bとの間の2つの角である。すなわち、本形態においては、2つの接地特定角32aを有する。接地突出部32は、接地母材端部341のX1側の側面341eよりもX1側に、接地突出部32の縦方向Yの両側の側面325a、325bとX1側の側面326との間の角が配される。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、参考形態以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
形態において、接地突出部32は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。それゆえ、接地突出部32に、周囲の電界が集中しやすい角を容易に形成することができる。それゆえ、放電火花の接地電極側起点が接地突出部32から接地母材31に移動することを抑制しやすい。
また、接地突出部32は、内向部34のX1側端面よりもX1側に突出している。そして、接地突出部32は、内向部34のX1側端部よりもX1側に突出した部位に、接地突出部32の縦方向Yの両側の側面325とX1側の側面326との間の角が配される。それゆえ、放電火花Sの接地電極側起点S1が、接地突出部32の縦方向Yの両側の側面325とX1側の側面326との間の角から、接地母材31に移動することを一層抑制しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態
本実施形態も、図19〜図22に示すごとく、実施形態1に対して、接地電極3の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、接地放電面321と接地突出部32の少なくとも一つの側面328、329との間の角は鋭角である。
図21に示すごとく、接地突出部32は、実施形態1と同様、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形となっており、3つの側面327、328、329を有する。3つの側面327、328、329は、ギャップ方向G及び縦方向Yに平行な側面327と、当該側面327における縦方向Yの両側の辺からX1側に延設された一対の側面328、329とからなる。一対の側面328、329は、側面327からX1側に向かうにつれて、互いに近付くよう形成されており、ギャップ方向G及び横方向Xの双方に平行な面に対して傾斜している。図22に示すごとく、本実施形態において、接地突出部32の一対の側面328、329は、G1側へ向かうほど、互いに近付くよう傾斜している。すなわち、接地放電面321と接地突出部32の側面328、329との間の角が、鋭角である。そして、接地放電面321と接地突出部32の側面327との間の角は、直角である。
接地母材端部341は、実施形態1と同様、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形となっている。そして、接地母材端部341の一対の側面341f、341gは、G1側へ向かうほど、互いに近付くよう傾斜している。なお、図21においては、接地母材端部341の一対の側面341f、341gのG1側端縁を、破線にて表している。換言すると、図21において、接地母材端部341のG1側の面の外形位置を、破線にて表している。
接地突出部32の一対の側面328、329は、接地母材端部341の側面341f、341gと面一になるよう形成されている。すなわち、接地突出部32の一方の側面328全体は、接地母材端部341の一方の側面341f全体と平面状に面一に形成されており、他方の側面329全体は、接地母材端部341の他方の側面341g全体と平面状に面一に形成されている。そして、互いに隣接する接地突出部32の側面328及び接地母材端部341の側面341f、並びに、互いに隣接する接地突出部32の側面329及び接地母材端部341の側面341gは、G1側へ向かうほど、縦方向Yの内側に向かうように、平面状に面一に形成されている。
図19〜図21に示すごとく、本実施形態においても、接地突出部32の一対の側面328、329間の角は、接地突出部32における、横方向Xの接続部331側と反対側の端部に位置した接地特定角32aである。図20に示すごとく、接地特定角32aは、G1側へ向かうほどX2側へ向かうよう傾斜している。また、接地母材端部341の側面341f、341g間の角も、G1側へ向かうほどX2側へ向かうよう傾斜している。接地特定角32aと、接地母材端部341の側面341f、341g間の角とは、直線状に滑らかにつながっている。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、接地放電面321と、接地突出部32の少なくとも一つの側面328、329との間の角が、鋭角である。それゆえ、接地放電面321と接地突出部32の少なくとも一つの側面328、329との間の角の周囲に電界を集中させやすい。それゆえ、接地放電面321と接地突出部32の少なくとも一つの側面328、329との間の角に、放電火花の接地電極側起点をとどめやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態
本実施形態は、図23に示すごとく、横方向Xにおいて、接地電極3の接続部331側と反対側の端縁は、中心電極2の軸芯axよりも横方向Xの接続部331側に位置している。すなわち、横方向Xにおいて、軸芯axのX2側に、接地突出部32のX1側端部、及び、内向部34のX1側端部が位置している。なお、図23において、縦方向Yから見たときの中心電極2の軸芯ax位置を一点鎖線にて表している。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、放電火花の接地電極側起点を、接地放電面321のX1側端部に発生させやすい。それゆえ、放電火花の接地電極側起点が、接地突出部32の接地放電面321から、内向部34における接地放電面321よりもX2側の部位に移動することを抑制しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態
本実施形態は、図24〜図28に示すごとく、基本構造を実施形態1と同様としつつ、中心電極2の形状を工夫した実施形態である。
図24、図25、図27、図28に示すごとく、中心母材21の母材先端部210は、G1側へ向かうほど縮径する母材縮径部211と、母材縮径部211からG1側に向かってギャップ方向Gに延設された母材延設部212とを有する。母材延設部212は、四角柱形状を有する。すなわち、母材延設部212は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。なお、母材縮径部211も、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。そして、母材縮径部211の4つの側面211aは、母材延設部212の4つの側面212aと面一に形成されている。
中心突出部22は、四角柱形状を有する。すなわち、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、母材延設部212のギャップ方向Gに直交する断面形状と同じである。
図26に示すごとく、中心突出部22は、4つの側面222を有する。図28に示すごとく、中心突出部22の中心放電面221と、中心突出部22の側面222との間の角は、直角である。本実施形態においては、中心突出部22の中心放電面221と、中心突出部22の4つの側面222との間の角は、それぞれ直角である。また、図26に示すごとく、中心突出部22は、隣接する側面222間に形成される角を4つ有する。中心突出部22の側面間の4つの角は、縦方向Y又は横方向Xを向いている。
中心突出部22の複数の側面222間の角の少なくとも1つは、中心突出部22における、横方向Xの接続部331側と反対側の端部に位置した中心特定角22aである。本実施形態においては、中心突出部22の側面222間の角のうち、横方向XのX1側を向く角が、中心特定角22aである。中心突出部22の側面222における中心特定角22aを形成する面のそれぞれは、中心母材21の側面と面一に形成されている。本実施形態においては、母材先端部210の側面は、中心突出部22の側面222と面一に形成されている。つまり、母材先端部210の側面全体が、中心突出部22の側面222と面一に形成されている。すなわち、中心突出部22の4つの側面222のすべてが、中心母材21の母材先端部210の母材延設部212の4つの側面212aと平面状に面一に形成されている。また、図27に示すごとく、中心突出部22の隣接する側面222間に形成される4つの角は、中心母材21の母材延設部212の隣接する側面212a間に形成される4つの角と、直線状に滑らかにつながっている。
図24に示すごとく、ギャップ方向Gにおいて、中心母材21からの中心突出部22の突出長さL2は、0.5mm以上である。すなわち、ギャップ方向Gにおける母材先端部210の先端面から中心突出部22の中心放電面221までの長さL2は、0.5mm以上である。なお、中心突出部22は、ギャップ方向Gにおける中心母材21からの突出長さL2を、1.0mm以下とすることが、プレイグニッション防止の観点から好ましい、すなわち、突出長さL2が1.0mmを超えるほど大きくなると、接地電極3の位置も、よりG1側、すなわち比較的高温である燃焼室の中央側、に形成される。その結果、突出長さL2が1.0mmを超えると、接地電極3の高温化を招き、ひいてはプレイグニッションを招くおそれがある。さらに、突出長さL2が1.0mm超え、接地電極3の高温化を招くことにより、その近傍の中心電極2の中心突出部22の過度な高温化を招くおそれがある。中心突出部22は、高温になると、その表面に酸化皮膜を形成し、当該酸化皮膜が中心突出部22を保護する役割を果たすが、中心突出部22が過度に温度上昇しすぎると、中心突出部22に酸化皮膜が形成されない事態が生じうる。そのため、中心突出部22の耐酸化消耗性確保の観点からも、突出長さL2を1.0mm以下とすることが好ましい。
本実施形態において、接地電極3の形状は、比較形態で示したものと同様である。すなわち、接地電極3の内向部34は、縦方向Yの幅が、横方向Xにおいて一定となるよう、一様に形成されている。そして、内向部34のG2側の面からG2側に向かって、円柱状の接地突出部32が突出している。ギャップ方向Gからみたとき、接地突出部32の外形は、内向部34の外形の内側に収まっている。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、ギャップ方向Gの、中心母材21からの中心突出部22の突出長さは、0.5mm以上である。これによって、ギャップ方向Gにおける放電火花の両起点間の距離の拡大を抑制し、放電火花Sの吹き消え及び再放電が生じることを抑制することができる。なお、この数値に関しても、後述する実験例によって裏付けられる。
また、中心放電面221と中心突出部22の側面222との間の角は、直角又は鋭角である。これによって、放電火花の中心電極側起点を、中心放電面221と中心突出部22の側面222との間の角にとどめやすく、放電火花の吹き消え及び再放電が生じることを抑制することができる。
また、中心突出部22の複数の側面222間の角の少なくとも1つは、中心突出部22における、横方向Xの接続部331側と反対側の端部に位置した中心特定角22aである。それゆえ、中心突出部22における周囲の電界が集中しやすい部分を、横方向XのX1側の端部に形成することができる。そのため、放電火花の中心電極側起点を、中心放電面221と中心突出部22の側面222との間の角のうち、横方向XのX1側の端部にとどめやすい。そして、中心突出部22の側面222における中心特定角22aを形成する面のそれぞれは、中心母材21の側面と面一に形成されている。それゆえ、中心特定角22a、及び当該中心特定角22aを形成する面近傍の中心母材21の部位において、周囲の電界が集中することを抑制することができる。そのため、放電火花の中心電極側起点が中心突出部22から中心母材21へ移動することを抑制することができる。これによっても、放電火花の吹き消え、再放電を抑制することができる。
また、母材先端部210の側面は、中心突出部22の側面222と面一に形成されている。それゆえ、母材先端部210の側面と中心突出部22の側面222との間に、周囲の電界が集中しやすくなる部位が形成されることを防止することができる。それゆえ、放電火花の中心電極側起点を、中心放電面221に一層維持しやすい。
また、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。それゆえ、中心突出部22に、周囲の電界が集中しやすい角を容易に形成することができる。それゆえ、放電火花の中心電極側起点が、中心突出部22から中心母材21に移動することを抑制やすい。
以上のごとく、本実施形態によっても、再放電が生じ難い内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、図29に示すごとく、基本構造を本実施形態と同じくしつつ、実施形態のように、横方向Xにおいて、接地電極3の接続部331側と反対側の端縁を、中心電極2の軸芯axよりも横方向Xの接続部331側に位置させることもできる。これにより、放電火花の接地電極側起点が、接地突出部32の接地放電面321から、内向部34における接地放電面321よりもX2側の部位に移動することを抑制しやすい。
(実験例2)
本例は、図30に示すごとく、基本構造を実施形態と同様とするスパークプラグにおいて、突出長さL2と、中心側起点移動率との関係を評価した例である。中心起点移動率は、中心電極と接地電極との間に20回行った放電を観測した中での、放電火花の中心電極側起点が、中心突出部22から中心母材21へ移動した割合である。
本例においては、基本構造を実施形態のスパークプラグ1と同様としつつ、突出長さL2を、0mm、0.25mm、0.5mm、0.75mmとした4つの試料を用意した。
そして、各試料につき、中心側起点移動率を測定した。その結果を図30に示す。なお、試験条件は、実験例1と同じである。
図30から分かるように、突出長さL2が0.5mm以上となると、中心側起点移動率が略0%と、小さい値となることが分かる。一方、突出長さL2が、0.25mm以下になると、突出長さL2が0.5mm以上の場合と比べて、中心側起点移動率が急激に上昇することが分かる。すなわち、中心側起点移動率を低減する観点から、ギャップ方向Gにおける中心母材21からの中心突出部22の突出長さL2は、0.5mm以上が好ましいことが分かる。
次に、図31に示すごとく、中心側起点移動率と燃焼変動率との関係を調べた。なお、試験条件は、実験例1と同様である。
図31から分かるように、中心側起点移動率が小さいほど、燃焼変動率が小さいことが分かる。すなわち、中心側起点移動率が小さいほど、着火性が良くなる。
以上より、図31から、中心側起点移動率が小さいほど着火性が向上することが分かり、図30から、中心側起点移動率を低減する観点から、ギャップ方向Gにおける中心母材21からの中心突出部22の突出長さL2は、0.5mm以上が好ましいことが分かる。すなわち、着火性向上の観点から、ギャップ方向Gにおける中心母材21からの中心突出部22の突出長さL2は、0.5mm以上が好ましい。
(実施形態
本実施形態は、図32〜図34に示すごとく、実施形態に対して、中心電極2の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、中心突出部22は、三角柱形状を呈している。図34に示すごとく、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形である。具体的には、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、X1側に向かうほど幅狭となる三角形状を呈している。
中心突出部22は、3つの側面223を有する。中心突出部22は、隣接する側面223間に形成される角を3つ有する。3つの角のうちの1つの角は、中心突出部22におけるX1側端部に位置した中心特定角22aである。中心特定角22aは、横方向XのX1側を向いている。
また、中心母材21の母材先端部210の母材延設部212は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形である。母材延設部212は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が、中心突出部22のギャップ方向Gに直交する断面形状と同じである。
その他は、実施形態と同様である。
本実施形態において、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が三角形である。それゆえ、中心突出部22に、周囲の電界が集中しやすい角を容易に形成することができる。それゆえ、放電火花の中心電極側起点が中心突出部22から中心母材21に移動することを抑制しやすい。
その他、実施形態と同様の作用効果を有する。
(実施形態
本実施形態も、図35〜図39に示すごとく、実施形態に対して、中心電極2の形状を変更した実施形態である。図38、図39に示すごとく、本実施形態において、中心突出部22は、G2側に向かうにつれて縮径する。中心放電面221と中心突出部22の少なくとも一つの側面224との間の角は鋭角である。
本実施形態においても、中心突出部22は、ギャップ方向Gに直交する断面形状が四角形である。中心突出部22の4つの側面224は、G2側へ向かうほど、中心突出部22の内周側に向かうよう傾斜している。すなわち、本実施形態においては、中心放電面221と中心突出部22のすべての側面224との間の角が鋭角である。
また、図35、図36に示すごとく、中心母材21の母材先端部210の母材延設部212は、G2側に向かうにつれて縮径する。図38、図39に示すごとく、母材延設部212の4つの側面212bは、G2側へ向かうほど、母材延設部212の内周側に向かうよう傾斜している。本実施形態においても、母材延設部212の4つの側面212bは、中心突出部22の4つの側面224と面一に形成されている。そして、母材先端部210の母材延設部212の4つの側面212bは、母材先端部210の母材縮径部211の側面211bと面一に形成されている。
その他は、実施形態と同様である。
本実施形態において、中心放電面221と中心突出部22の側面224との間の角は鋭角である。それゆえ、中心放電面221と中心突出部22の側面224との間の角の周囲の電界強度を確保しやすい。これにより、放電火花の中心電極側起点を中心放電面221と中心突出部22の側面224との間の角にとどめやすい。
その他、実施形態と同様の作用効果を有する。
(実施形態8)
本実施形態は、図40、図41に示すごとく、接地電極3の形状を実施形態1に示したものと同様とし、中心電極2の形状を実施形態に示したものと同様とした実施形態である。その他の基本構造は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、実施形態1の作用効果と実施形態の作用効果を得ることができる。更に、本実施形態においては、接地放電面321と接地突出部32の側面322、323、324との間の角の周囲、及び、中心放電面221と中心突出部22の側面222との間の角の周囲、の双方に電界を集中させることができる。そのため、放電火花の両起点を、接地放電面321と接地突出部32の側面322との間の角、及び、中心放電面221と中心突出部22の側面222との間の角に一層とどめやすい。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、図42に示すごとく、接地電極3の形状を参考形態に示したものと同様とし、中心電極2の形状を実施形態に示したものと同様とした形態を採用することも可能である。
また、図43に示すごとく、接地電極の形状を実施形態3に示したものと同様とし、中心電極の形状を実施形態に示したものと同様とした形態を採用することも可能である。
また、実施形態1等において、ギャップ方向Gは軸方向であるため、前述の直交方向(すなわち、横方向Xと軸方向との双方に平行な面方向のうち、ギャップ方向Gに直交する方向)は横方向Xとなるものの、ギャップ方向Gが軸方向に対して傾斜している場合は、直交方向は横方向Xに対して傾斜する方向となる。
1 内燃機関用のスパークプラグ
2 中心電極
22 中心突出部
221 中心放電面
222 中心突出部の側面
22a 中心特定角
3 接地電極
32 接地突出部
321 接地放電面
322、323、324 接地突出部の側面

Claims (18)

  1. 筒状のハウジング(11)と、
    前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
    先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
    前記ハウジングに接続される接続部(331)を有するとともに、前記中心電極との間に火花放電ギャップ(13)を形成する接地電極(3)と、を有し、
    前記接地電極は、前記接続部を備えた接地母材(31)と、前記接地母材から前記中心電極側に突出するとともに、前記中心電極との間に前記火花放電ギャップを形成する接地突出部(32)とを有し、
    前記接地突出部における前記火花放電ギャップに対向する接地放電面(321)と、前記接地突出部の側面(327、328、329)との間の角は、直角又は鋭角であり、
    前記接地突出部の前記側面の少なくとも一部と、前記接地母材の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されており、
    前記接地突出部は、複数の前記側面を有し、
    軸方向に直交する方向であって、かつ、前記接地電極の前記接続部と前記中心電極とが並ぶ横方向(X)と、軸方向との双方に平行な面方向のうち、前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)に直交する方向を直交方向と定義したとき、前記接地突出部の複数の前記側面間の角の少なくとも1つは、前記接地突出部における、前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部に位置した接地特定角(32a)であり、
    前記接地突出部の前記側面における前記接地特定角を形成する面(328、329)のそれぞれは、前記接地母材の前記側面と面一に形成されているとともに、前記接地放電面との間の角が鋭角である、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  2. 前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)において、前記接地母材からの前記接地突出部の突出長さL1は、0.5mm以上である、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 前記接地放電面と、前記接地突出部の少なくとも一つの前記側面との間の角は、鋭角である、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 軸方向に直交する方向であって、かつ、前記接地電極の前記接続部と前記中心電極とが並ぶ横方向(X)において、前記接地電極の前記接続部側と反対側の端縁は、前記中心電極の軸芯(ax)よりも前記横方向の前記接続部側に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 前記接地母材の長手方向における前記接続部と反対側の端部である接地母材端部(341)の側面(341a、341b、341f、341g)は、前記接地突出部の前記側面と面一に形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 前記接地突出部は、前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)に直交する断面形状が三角形又は四角形である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 筒状のハウジング(11)と、
    前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
    先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
    前記ハウジングに接続される接続部(331)を有するとともに、前記中心電極との間に火花放電ギャップ(13)を形成する接地電極(3)と、を有し、
    前記中心電極は、中心母材(21)と、前記中心母材から前記接地電極側に突出するとともに、前記接地電極との間に前記火花放電ギャップを形成する中心突出部(22)とを有し、
    前記中心突出部における前記火花放電ギャップに対向する中心放電面(221)と、前記中心突出部の側面(222、223、224)との間の角は、直角又は鋭角であり、
    前記中心突出部は、複数の前記側面を有し、
    軸方向に直交する方向であって、かつ、前記接地電極の前記接続部と前記中心電極とが並ぶ横方向(X)と、軸方向との双方に平行な面方向のうち、前記中心電極と前記火花放電ギャップと前記接地電極とが並ぶギャップ方向(G)に直交する方向を直交方向と定義したとき、前記中心突出部の複数の前記側面間の角の少なくとも1つは、前記中心突出部における、前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部に位置した中心特定角(22a)であり、
    前記中心突出部の前記側面における前記中心特定角を形成する面のそれぞれは、前記中心母材の側面と面一に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  8. 前記ギャップ方向において、前記中心母材からの前記中心突出部の突出長さL2は、0.5mm以上である、請求項7に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 前記中心放電面と、前記中心突出部の少なくとも一つの前記側面との間の角は、鋭角である、請求項7又は8に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  10. 前記横方向において、前記接地電極の前記接続部側と反対側の端縁は、前記中心電極の軸芯(ax)よりも前記横方向の前記接続部側に位置している、請求項7〜9のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  11. 前記中心母材の先端部である母材先端部(210)の側面は、前記中心突出部の前記側面と面一に形成されている、請求項7〜10のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  12. 前記中心突出部は、前記ギャップ方向に直交する断面形状が三角形又は四角形である、請求項7〜11のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  13. 前記接地電極は、前記接続部を備えた接地母材(31)と、前記接地母材から前記中心電極側に突出する接地突出部(32)とを有し、
    前記接地突出部における前記火花放電ギャップに対向する接地放電面(321)と、前記接地突出部の前記側面との間の角は、直角又は鋭角であり、
    前記接地突出部の前記側面の少なくとも一部と、前記接地母材の側面の少なくとも一部とは、面一に形成されている、請求項7〜12のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  14. 前記ギャップ方向において、前記接地母材からの前記接地突出部の突出長さL1は、0.5mm以上である、請求項13に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  15. 前記接地放電面と、前記接地突出部の少なくとも一つの前記側面との間の角は、鋭角である、請求項13又は14に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  16. 前記接地突出部は、複数の前記側面を有し、前記接地突出部の複数の前記側面間の角の少なくとも1つは、前記接地突出部における、前記直交方向の前記接続部側と反対側の端部に位置した接地特定角(32a)であり、前記接地突出部の前記側面における前記接地特定角を形成する面のそれぞれは、前記接地母材の前記側面と面一に形成されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  17. 前記接地母材の長手方向における前記接続部と反対側の端部である接地母材端部(341)の側面(341f、341g)は、前記接地突出部の前記側面と面一に形成されている、請求項13〜16のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  18. 前記接地突出部は、前記ギャップ方向に直交する断面形状が三角形又は四角形である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
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