JP6798543B2 - 弾性波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共振子や高周波フィルタなどに用いられる弾性波装置に関する。
従来、共振子や高周波フィルタとして弾性波装置が広く用いられている。
下記の特許文献1,2には、LiNbO基板上に、IDT電極が設けられた弾性波装置が開示されている。特許文献1,2では、上記IDT電極を覆うようにSiO膜が設けられている。上記SiO膜により、周波数温度特性を改善することができるとされている。また、特許文献1では、上記IDT電極が、Alよりも密度の大きい金属により形成されている。他方、特許文献2では、上記IDT電極として、Pt膜上にAl膜が積層された積層金属膜が記載されている。
WO2005/034347 A1 特開2013−145930号公報
しかしながら、特許文献1のように単層構造のIDT電極を用いた場合、電極指抵抗が大きくなり、損失が大きくなることがあった。他方、特許文献2のように、積層金属膜により形成されたIDT電極では、十分な周波数温度特性が得られない場合があった。また、周波数温度特性を改善するためにSiO膜を設けた場合、高次モードによるスプリアスが発生することがあった。そのため、従来、低損失、周波数温度特性の改善及び高次モードによるスプリアスの抑制という課題を全て解決することができる弾性波装置を得ることが困難であった。
本発明の目的は、低損失であり、周波数温度特性に優れており、かつ高次モードによるスプリアスが生じ難い、弾性波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられたIDT電極と、前記IDT電極を覆うように前記圧電基板上に設けられた誘電体層と、を備え、前記IDT電極が、第1の電極層と、該第1の電極層上に積層された第2の電極層とを有し、前記第1の電極層が、前記第2の電極層を構成している金属及び前記誘電体層を構成している誘電体よりも密度の高い金属若しくは合金により構成されており、前記圧電基板が、LiNbOにより構成されており、前記圧電基板のオイラー角(0°±5°,θ,0°±10°)において、θが8°以上、32°以下の範囲内にある。好ましくは、前記圧電基板のオイラー角のθは、12°以上、26°以下であり、その場合には、高次モードによるスプリアスをより一層抑制することができる。
本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、前記IDT電極によって励振された前記圧電基板を伝搬する弾性波の主モードが、レイリー波を利用しており、前記第1の電極層の厚みは、SH波の音速が前記レイリー波の音速より遅くなる厚みとされている。この場合、通過帯域近傍における不要波を抑制することができる。
本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、前記第1の電極層が、Pt、W、Mo、Ta、Au、Cu及びこれらの金属の合金からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記第1の電極層が、Pt又はPtを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.047λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに別の特定の局面では、前記第1の電極層が、W又はWを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.062λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の電極層が、Mo又はMoを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.144λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の電極層が、Ta又はTaを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.074λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の電極層が、Au又はAuを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.042λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の電極層が、Cu又はCuを主成分とする合金により構成されており、前記第1の電極層の厚みが、0.136λ以上である。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第2の電極層が、Al又はAlを主成分とする合金により構成されている。この場合には、電極指の抵抗を抑制することができ、より一層低損失とすることができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記第2の電極層の厚みが、0.0175λ以上である。この場合には、電極指の抵抗を抑制することができ、より一層低損失とすることができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記誘電体層が、SiOとSiNのうち少なくとも一方の前記誘電体により構成されている。より好ましくは、前記誘電体層が、SiOにより構成されている。この場合には、周波数温度特性をより一層改善することができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記誘電体層の膜厚が、0.30λ以上である。この場合には、周波数温度特性をより一層改善することができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記IDT電極のデュ−ティ比が、0.48以上である。この場合には、高次モードによるスプリアスをより一層抑制することができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記IDT電極のデュ−ティ比が、0.55以上である。この場合には、高次モードによるスプリアスをより一層抑制することができる。
本発明によれば、低損失であり、周波数温度特性に優れており、かつ高次モードによるスプリアスが生じ難い、弾性波装置を提供することができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の模式的正面断面図であり、図1(b)は、その電極構造を示す模式的平面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の電極部を拡大した模式的正面断面図である。 図3は、Pt膜上にAl膜を積層した積層金属膜において、Al膜の膜厚と、シート抵抗との関係を示す図である。 図4は、第2の電極層であるAl膜の膜厚と周波数温度係数(TCF)との関係を示す図である。 図5は、誘電体層であるSiO膜の膜厚と周波数温度係数(TCF)との関係を示す図である。 図6(a)は、SiOの膜厚が0.26λのときのインピーダンス特性を示す図であり、図6(b)はその位相特性を示す図である。 図7(a)は、SiOの膜厚が0.30λのときのインピーダンス特性を示す図であり、図7(b)はその位相特性を示す図である。 図8(a)は、SiOの膜厚が0.34λのときのインピーダンス特性を示す図であり、図8(b)はその位相特性を示す図である。 図9(a)は、SiOの膜厚が0.38λのときのインピーダンス特性を示す図であり、図9(b)はその位相特性を示す図である。 図10は、SiO膜の膜厚と高次モードの最大位相との関係を示す図である。 図11(a)は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θ=24°のときのインピーダンス特性を示す図であり、図11(b)はその位相特性を示す図である。 図12(a)は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θ=28°のときのインピーダンス特性を示す図であり、図12(b)はその位相特性を示す図である。 図13(a)は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θ=32°のときのインピーダンス特性を示す図であり、図13(b)はその位相特性を示す図である。 図14(a)は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θ=36°のときのインピーダンス特性を示す図であり、図14(b)はその位相特性を示す図である。 図15(a)は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θ=38°のときのインピーダンス特性を示す図であり、図15(b)はその位相特性を示す図である。 図16は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θと高次モードの最大位相との関係を示す図である。 図17(a)〜図17(c)は、Pt膜の膜厚が、それぞれ、0.015λ、0.025λ、0.035λのときのオイラー角(0°,θ,0°)におけるθとSH波の比帯域との関係を示す図である。 図18(a)〜図18(c)は、Pt膜の膜厚が、それぞれ、0.055λ、0.065λ、0.075λのときのオイラー角(0°,θ,0°)におけるθとSH波の比帯域との関係を示す図である。 図19は、Pt膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図20(a)は、実験例で作製した弾性波装置のインピーダンス特性を示す図であり、図20(b)は、その位相特性を示す図である。 図21は、W膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図22は、Mo膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図23は、Ta膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図24は、Au膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図25は、Cu膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。 図26(a)は、デュ−ティ比が0.50のときのインピーダンス特性を示す図であり、図26(b)は、その位相特性を示す図である。 図27(a)は、デュ−ティ比が0.60のときのインピーダンス特性を示す図であり、図27(b)は、その位相特性を示す図である。 図28(a)は、デュ−ティ比が0.70のときのインピーダンス特性を示す図であり、図28(b)は、その位相特性を示す図である。 図29は、IDT電極のデュ−ティ比と高次モードの最大位相との関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の模式的正面断面図であり、図1(b)は、その電極構造を示す模式的平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の電極部を拡大した模式的正面断面図である。
弾性波装置1は、圧電基板2を有する。圧電基板2は、主面2aを有する。圧電基板2は、LiNbOにより構成されている。圧電基板2のオイラー角(0°±5°,θ,0°±10°)において、θは8°以上、32°以下の範囲内にある。従って、弾性波装置1では、高次モードによるスプリアスの発生を抑制することができる。
上記θは、30°以下であることが好ましく、28°以下であることがより好ましく、12°以上、26°以下であることがさらに好ましい。その場合には、高次モードによるスプリアスの発生をより一層抑制することができる。
圧電基板2の主面2a上には、IDT電極3が設けられている。弾性波装置1は、IDT電極3により励振される弾性波としてレイリー波を主モードとして利用している。なお、本明細書においては、図1(b)に示すように、上記IDT電極3の電極指のピッチによって定まる縦モードの基本波である弾性表面波の波長をλとしている。
より具体的に、圧電基板2上には、図1(b)に示す電極構造が形成されている。すなわち、IDT電極3と、IDT電極3の弾性波伝搬方向両側に配置された反射器4,5が形成されている。それによって、1ポート型弾性波共振子が構成されている。もっとも、本発明におけるIDT電極を含む電極構造は特に限定されない。複数の共振子を組み合わせて、フィルタが構成されていてもよい。このようなフィルタとしては、ラダー型フィルタ、縦結合共振子型フィルタ、ラチス型フィルタ等が挙げられる。
IDT電極3は、第1,第2のバスバーと、複数本の第1,第2の電極指とを有する。複数本の第1,第2の電極指は、弾性波伝搬方向と直交する方向に延びている。複数本の第1の電極指と、複数本の第2の電極指とは、互いに間挿し合っている。また、複数本の第1の電極指は、第1のバスバーに接続されており、複数本の第2の電極指は、第2のバスバーに接続されている。
図2に示すように、IDT電極3は、第1及び第2の電極層3a,3bを有する。第1の電極層3a上に、第2の電極層3bが積層されている。第1の電極層3aは、第2の電極層3bを構成している金属及び誘電体層6を構成している誘電体よりも密度の高い金属若しくは合金により構成されている。
第1の電極層3aは、Pt、W、Mo、Ta、Au、Cuなどの金属又は合金からなる。第1の電極層3aは、Pt又はPtを主成分とする合金からなることが好ましい。
第2の電極層3bは、Al又はAlを主成分とする合金からなる。電極指の抵抗を小さくし、より一層低損失とする観点から、第2の電極層3bは、第1の電極層3aより抵抗率の低い金属又は合金からなることが好ましい。従って、第2の電極層3bは、Al又はAlを主成分とする合金により構成されていることが好ましい。なお、本明細書において主成分とは、50重量%以上含まれている成分のことをいうものとする。電極指の抵抗を小さくし、より一層低損失とする観点から、第2の電極層3bの膜厚は、0.0175λ以上であることが好ましい。また、第2の電極層3bの膜厚は、0.2λ以下とすることが望ましい。
IDT電極3は、第1及び第2の電極層3a,3bに加えて、さらに他の金属が積層された積層金属膜であってもよい。上記他の金属としては、特に限定されないが、Ti、NiCr、Crなどの金属又は合金が挙げられる。Ti、NiCr、Crなどからなる金属膜は、第1の電極層3aと第2の電極層3bとの接合力を高める密着層であることが好ましい。
IDT電極3を覆うように、圧電基板2の主面2a上に誘電体層6が設けられている。誘電体層6を構成する材料としては、特に限定されない。誘電体層6を構成する材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン又はアルミナなどの適宜の材料が用いられる。周波数温度特性をより一層改善する観点から、誘電体層6を構成する材料としては、SiOとSiNのうち少なくとも一方であることが好ましい。より好ましくは、SiOである。
周波数温度特性をより一層改善する観点から、誘電体層6の膜厚は、0.30λ以上とすることが好ましい。また、誘電体層6の膜厚は、0.50λ以下とすることが望ましい。
弾性波装置1においては、上記のように圧電基板2が、LiNbOにより構成されており、圧電基板2のオイラー角(0°±5°,θ,0°±10°)において、θが8°以上、32°以下の範囲内にある。また、IDT電極3が密度の高い第1の電極層3aを下層とする積層金属膜により構成されている。さらに、IDT電極3を覆うように誘電体層6が設けられている。従って、本発明によれば、低損失であり、周波数温度特性に優れており、かつ高次モードによるスプリアスが生じ難い弾性波装置を提供することができる。以下、この点につき、図3〜図29を参照しつつ、より詳細に説明する。
図3は、Pt膜上にAl膜を積層した積層金属膜において、Al膜の膜厚と、シート抵抗との関係を示す図である。図3より、Al膜の膜厚の増加とともに、シート抵抗が小さくなっていることがわかる。なお、シート抵抗は、Al膜の膜厚が70nm(λ=2.0μmの場合は0.035λ、λ=4.0μmの場合は0.0175λ)のとき、0.5(Ω/sq.)であり、Al膜の膜厚が175nm(λ=2.0μmの場合は0.0875λ、λ=4.0μmの場合は0.04375λ)のとき、0.2(Ω/sq.)であった。また、シート抵抗は、Al膜の膜厚が350nm(λ=2.0μmの場合は0.175λ、λ=4.0μmの場合は0.0875λ)のとき、0.1(Ω/sq.)であった。
このような積層金属膜を、弾性波装置1のようなデバイスに用いる場合、デバイスの損失を小さくする観点から、シート抵抗を十分に小さくすることが望ましい。具体的にシート抵抗は、好ましくは0.5(Ω/sq.)以下であり、より好ましくは0.2(Ω/sq.)以下であり、さらに好ましくは0.1(Ω/sq.)以下である。従って、上記積層金属膜におけるAl膜の膜厚は、好ましくは70nm以上であり、より好ましくは175nm以上であり、さらに好ましくは350nm以上である。なお、後述する周波数温度特性の劣化を抑制する観点から、上記積層金属膜におけるAl膜の膜厚は、0.2λ以下とすることが望ましい。
図4は、第2の電極層であるAl膜の膜厚と周波数温度係数(TCF)との関係を示す図である。なお、図4は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,38°,0°)
第1の電極層3a…Pt膜、膜厚:0.02λ
第2の電極層3b…Al膜
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6…SiO膜、膜厚D:0.3λ
弾性波…主モード:レイリー波
図4より、Al膜の膜厚が大きいほど、TCFが劣化していることがわかる。具体的に、波長λが2.0μm(周波数:1.8GHz相当)のときのAl膜の膜厚に対するTCFの劣化量(ΔTCF)は下記の表1のようになる。また、波長λが4.0μm(周波数:900MHz相当)のときのAl膜の膜厚とTCFの劣化量(ΔTCF)は、下記の表2のようになる。
図5は、誘電体層である酸化ケイ素(SiO)膜の膜厚と周波数温度係数(TCF)との関係を示す図である。なお、図5は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,38°,0°)
第1の電極層3a…Pt膜、膜厚:0.02λ
第2の電極層3b…Al膜:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6…SiO
弾性波…主モード:レイリー波
図5に示すように、SiO膜の膜厚Dを厚くするに従い、TCFが改善していることがわかる。なお、この関係から、Al膜の付加に伴うTCFの劣化分を補償するために必要なSiO膜の膜厚Dの増加分(ΔSiO)を求めた。結果を下記の表1及び表2に示す。表1はλ=2.0μm(周波数:1.8GHz相当)、表2はλ=4.0μm(周波数:900MHz相当)の場合の結果である。
Figure 0006798543
Figure 0006798543
従って、シート抵抗を改善するためにAl膜を設ける場合、十分なシート抵抗値を得るためには、10〜20ppm/℃程度のTCFの劣化を伴う。このTCFの劣化を補償するためには、SiO膜の膜厚Dを波長比で0.05λ〜0.10λ程度厚くする必要がある。
図6〜図9は、図ごとにSiO膜の膜厚を変化させたときにおいて、(a)は、周波数と波長の積で表される音速を変化させたときのインピーダンスの大きさを示す図であり、(b)はその位相特性を示す図である。なお、図6〜図9において、SiO膜の膜厚Dを波長で規格化した値は、それぞれ順に、0.26λ、0.30λ、0.34λ、0.38λである。また、図6〜図9は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,38°,0°)
第1の電極層3a…Pt膜、膜厚:0.02λ
第2の電極層3b…Al膜、膜厚:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6:SiO
弾性波…主モード:レイリー波
図6〜図9より、SiO膜の膜厚を厚くするに従い、音速4700m/s付近における高次モードのスプリアスが大きくなっていることがわかる。なお、この高次モードの影響によるデバイス全体の特性の劣化を抑制するためには、高次モードの最大位相を−25°以下にする必要がある。
図10は、SiO膜の膜厚と高次モードの最大位相との関係を示す図である。なお、図10は、図6〜図9と同じ設計の弾性波共振子を用いたときの結果である。
図10に示すように、SiOの膜厚を0.30λ以上とすると、高次モードの最大位相が−25°より大きくなっていることがわかる。そのため、Al膜の付加によるTCFの劣化を補償するために、SiO膜を0.30λ以上とすると、高次モードが大きくなり帯域外特性が劣化することとなる。従って、従来、低損失、TCFの改善及び良好な帯域外特性を全て満たす弾性波共振子を得ることができなかった。
図11〜図15において、(a)は、圧電基板のオイラー角(0°,θ,0°)において、θを変化させたときのインピーダンス特性を示す図であり、(b)はその位相特性を示す図である。なお、図11〜図15において、θは、それぞれ順に、24°、28°、32°、36°、38°である。また、図11〜図15は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。電極層および誘電体層の膜厚は、波長λで規格化して示している。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,θ,0°)
第1の電極層3a…Pt膜、膜厚:0.02λ
第2の電極層3b…Al膜、膜厚:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6…SiO膜、膜厚D:0.40λ
弾性波…主モード:レイリー波
図11〜図15より、θを小さくするにつれて、高次モードのスプリアスが小さくなっていることがわかる。
また、図16は、オイラー角(0°,θ,0°)において、θと高次モードの最大位相との関係を示す図である。なお、図16は、図11〜図15と同じ設計の弾性波共振子を用いたときの結果である。図16より、θが、8°以上、32°以下のとき高次モードの最大位相が−25°以下となっていることがわかる。すなわち、θが、8°以上、32°以下のとき、SiO膜の膜厚が0.40λと厚くとも、高次モードのスプリアスの発生を十分に抑制できることがわかる。好ましくは、オイラー角のθが12°以上、26°以下であることが望ましく、その場合には、高次モードのスプリアスをより一層抑制することができる。
このように、本願発明は、上記構成に加えて、オイラー角(0°,θ,0°)において、θを8°以上、32°以下とすることで、低損失、TCFの改善及び良好な帯域外特性の全てを満たす弾性波共振子が得られることを本願発明者らによって見出されたものである。
もっとも、図11〜図15より、θを小さくするに従いメインの共振付近(音速:3700m/s付近)に大きなスプリアスが発生していることがわかる。これは、主モードであるレイリー波に加えて、不要波となるSH波が励振されたことによるスプリアスである。このスプリアスは、SH波の電気機械結合係数を小さくすることで抑圧することができる。
図17(a)〜図17(c)及び図18(a)〜図18(c)は、Pt膜の膜厚を変化させたときのオイラー角(0°,θ,0°)におけるθとSH波の比帯域との関係を示す図である。なお、図17(a)〜図17(c)及び図18(a)〜図18(c)において、Pt膜の膜厚は、それぞれ順に0.015λ、0.025λ、0.035λ、0.055λ、0.065λ、0.075λである。また、図17及び図18は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,θ,0°)
第1の電極層3a…Pt膜
第2の電極層3b…Al膜、膜厚:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6…SiO膜、膜厚D:0.35λ
弾性波…主モード:レイリー波
なお、比帯域(%)は、比帯域(%)={(反共振周波数−共振周波数)/共振周波数}×100で求めた。比帯域(%)は、電気機械結合係数(K)と比例関係にある。
図17(a)〜図17(c)より、Pt膜の膜厚が0.015λ〜0.035λの範囲では、Pt膜の膜厚が厚くなるに従い、SH波の電気機械結合係数が極小値となるθが大きくなっていることがわかる。他方、図18(a)より、Pt膜の膜厚が0.055λのとき、SH波の電気機械結合係数が極小値となるθが27°と小さくなっていることがわかる。また、図18(b)より、Pt膜の膜厚が、0.065λのとき、θが29°であることがわかる。また、図18(c)より、Pt膜の膜厚が、0.075λのとき、θが30°であることがわかる。
従って、上記高次モードのスプリアスを十分に抑制できるオイラー角θを32°以下とするためには、少なくともPt膜の膜厚を0.035λより大きくする必要があることがわかる。
なお、Pt膜の膜厚が、0.035λ〜0.055λの間で、SH波の電気機械結合係数の極小値が大きく変化する理由については、図19を用いて説明することができる。
図19は、Pt膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図19は、図1及び図2に示す構造において、以下のよう設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,28°,0°)
第1の電極層3a…Pt膜
第2の電極層3b…Al膜、膜厚:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.60
誘電体層6…SiO膜、膜厚D:0.35λ
弾性波…主モード:レイリー波
図19より、Pt膜の膜厚が0.047λより小さいとき、レイリー波の音速<SH波の音速であることがわかる。他方、0.047λ以上では、SH波の音速<レイリー波の音速となっていることがわかる。このことから、Ptの膜厚が0.047λのときを境に、SH波とレイリー波との音速関係が変化し、その結果SH波の電気機械結合係数が極小値となるθが低められていることがわかる。すなわち、Ptの膜厚が0.047λ以上のとき、θを32°以下とすることができ、かつSH波の電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、本発明においては、第1の電極層3aの膜厚は、SH波の音速が、レイリー波の音速より低くなるような厚みとされていることが好ましい。具体的に、第1の電極層3aとしてPt膜を用いる場合は、Pt膜の膜厚が0.047λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍(音速:3700m/s付近)の不要波の発生を抑制することができる。なお、電極の合計厚みが厚くなると電極のアスペクト比が大きくなり、形成が困難になることから、Alを含めた電極の合計膜厚は、0.25以下であることが望ましい。
図21は、W膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図21は、第1の電極層3aとしてW膜を所定の厚みで形成したこと以外は図19と同様にして設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
図21より、W膜を用いる場合は、W膜の膜厚が0.062λのときを境に、レイリー波の音速とSH波の音速とが逆転していることがわかる。そのため、W膜を用いる場合は、W膜の膜厚が0.062λ以上のとき、オイラー角θを32°以下とすることができ、かつ電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、第1の電極層3aとしてW膜を用いる場合は、W膜の膜厚が0.062λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍(音速:3700m/s付近)の不要波の発生を抑制することができる。
図22は、Mo膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図22は、第1の電極層3aとしてMo膜を所定の厚みで形成したこと以外は図19と同様にして設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
図22より、Mo膜を用いる場合は、Mo膜の膜厚が0.144λのときを境に、レイリー波の音速とSH波の音速とが逆転していることがわかる。そのため、Mo膜を用いる場合は、Mo膜の膜厚が0.144λ以上のとき、オイラー角θを32°以下とすることができ、かつ電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、第1の電極層3aとしてMo膜を用いる場合は、Mo膜の膜厚が0.144λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍の不要波の発生を抑制することができる。
図23は、Ta膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図23は、第1の電極層3aとしてTa膜を所定の厚みで形成したこと以外は図19と同様にして設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
図23より、Ta膜を用いる場合は、Ta膜の膜厚が0.074λのときを境に、レイリー波の音速とSH波の音速とが逆転していることがわかる。そのため、Ta膜を用いる場合は、Ta膜の膜厚が0.074λ以上のとき、オイラー角θを32°以下とすることができ、かつ電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、第1の電極層3aとしてTa膜を用いる場合は、Ta膜の膜厚が0.074λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍の不要波の発生を抑制することができる。
図24は、Au膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図24は、第1の電極層3aとしてAu膜を所定の厚みで形成したこと以外は図19と同様にして設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
図24より、Au膜を用いる場合は、Au膜の膜厚が0.042λのときを境に、レイリー波の音速とSH波の音速とが逆転していることがわかる。そのため、Au膜を用いる場合は、Au膜の膜厚が0.042λ以上のとき、オイラー角θを32°以下とすることができ、かつ電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、第1の電極層3aとしてAu膜を用いる場合は、Au膜の膜厚が0.042λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍の不要波の発生を抑制することができる。
図25は、Cu膜の膜厚と、レイリー波及びSH波の音速との関係を示す図である。図中、実線は主モードであるレイリー波の結果を示しており、破線は、不要波となるSH波の結果を示している。なお、図25は、第1の電極層3aとしてCu膜を所定の厚みで形成したこと以外は図19と同様にして設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
図25より、Cu膜を用いる場合は、Cu膜の膜厚が0.136λのときを境に、レイリー波の音速とSH波の音速とが逆転していることがわかる。そのため、Cu膜を用いる場合は、Cu膜の膜厚が0.136λ以上のとき、オイラー角θを32°以下とすることができ、かつ電気機械結合係数を極小にすることができる。
従って、第1の電極層3aとしてCu膜を用いる場合は、Cu膜の膜厚が0.136λ以上であることが好ましい。この場合、SH波の電気機械結合係数を小さくすることができ、通過帯域近傍の不要波の発生を抑制することができる。
図26〜図28において、(a)は、デュ−ティ比を変化させたときのインピーダンス特性を示す図であり、(b)はその位相特性を示す図である。なお、図26〜図28において、デュ−ティ比は、それぞれ順に、0.50、0.60及び0.70のときの結果である。また、図26〜図28は、図1及び図2に示す構造において、以下のように設計した弾性波共振子を用いたときの結果である。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,28°,0°)
第1の電極層3a…Pt膜、膜厚:0.06λ
第2の電極層3b…Al膜、膜厚:0.10λ
誘電体層6…SiO膜、膜厚D:0.32λ
弾性波…主モード:レイリー波
図26〜図28より、デュ−ティ比が大きいほど高次モードのスプリアスが抑制されていることがわかる。
図29は、IDT電極のデュ−ティ比と高次モードの最大位相との関係を示す図である。なお、図29は、図26〜図28と同じ設計の弾性波共振子を用いたときの結果である。図29より、デュ−ティ比が0.48以上のとき、高次モードの強度が−25°以下となっていることがわかる。また、デュ−ティ比が0.55以上では、高次モードの強度が−60°以下となっていることがわかる。従って、高次モードのスプリアスをより一層抑制する観点から、IDT電極3のデューティ比は、0.48以上であることが好ましく、0.55以上であることがより好ましい。なお、デューティ比が大きくなると隣接する電極指間のギャップが小さくなることから、デュ−ティ比は、0.80以下であることが望ましい。
次に、以上を踏まえて、図1及び図2に示す構造において、以下のような弾性波共振子を設計した。
圧電基板2…LiNbO基板、オイラー角(0°,28°,0°)
第1の電極層3a…Pt、膜厚:0.06λ
第2の電極層3b…Al、膜厚:0.10λ
IDT電極3…デューティ比:0.50
誘電体層6…SiO、膜厚D:0.40λ
弾性波…主モード:レイリー波
図20(a)は、上記のように設計した弾性波共振子のインピーダンス特性を示す図であり、図20(b)は、その位相特性を示す図である。
図20(a)及び図20(b)より、本弾性波共振子では、高次モード及びSH波のスプリアスが抑制されていることがわかる。また、本弾性波共振子は、Alの厚みが十分に厚いため低損失である。さらに、本弾性波共振子では、TCFは−20.7ppm/℃であり、TCFも良好であった。
以上より、低損失、TCFの改善、かつ高次モードのスプリアス抑制及び通過帯域近傍の不要波の抑制の全てを満たす弾性波共振子を作製できていることが確認できた。
なお、図3〜図29を用いた実験例は、オイラー角(0°,θ,0°)の結果を示しているが、オイラー角(0°±5°,θ,0°±10°)の範囲において同様の結果が得られることが確認できている。
1…弾性波装置
2…圧電基板
2a…主面
3…IDT電極
3a,3b…第1,第2の電極層
4,5…反射器
6…誘電体層

Claims (8)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に設けられたIDT電極と、
    前記IDT電極を覆うように前記圧電基板上に設けられた誘電体層と、
    を備え、
    前記IDT電極が、第1の電極層と、該第1の電極層上に積層された第2の電極層とを有し、前記第1の電極層が、前記第2の電極層を構成している金属及び前記誘電体層を構成している誘電体よりも密度の高い金属若しくは合金により構成されており、
    前記圧電基板が、LiNbOにより構成されており、
    前記圧電基板を伝搬する弾性表面波の主モードは、レイリー波であり、
    前記圧電基板のオイラー角(0°±5°,θ,0°±10°)において、θが8°以上、32°以下の範囲内にあり、
    前記第2の電極層が、Al又はAlを主成分とする合金により構成されており、
    前記第1の電極層が、Pt、Au、Cu及びこれらの金属の合金からなる群から選択された少なくとも1種であり、
    前記第1の電極層が、Pt又はPtを主成分とする合金により構成されている場合には、
    前記第1の電極層の厚みが、前記IDT電極の電極指のピッチによって定まる弾性表面波の波長をλとしたときに、0.047λ以上であり、
    前記IDT電極の厚みが、0.25λ以下であり、
    前記第1の電極層が、Au又はAuを主成分とする合金により構成されている場合には、
    前記第1の電極層の厚みが、0.042λ以上であり、
    前記IDT電極の厚みが、0.25λ以下であり、
    前記第1の電極層が、Cu又はCuを主成分とする合金により構成されている場合には、
    前記第1の電極層の厚みが、0.136λ以上であり、
    前記IDT電極の厚みが、0.25λ以下である、弾性波装置。
  2. 前記第2の電極層の厚みが、前記IDT電極の電極指のピッチによって定まる弾性表面波の波長をλとしたときに、0.0175λ以上、0.2λ以下である、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記圧電基板の前記オイラー角のθが、12°以上、26°以下の範囲内にある、請求項1又は2に記載の弾性波装置。
  4. 前記誘電体層が、SiOとSiNのうち少なくとも一方の前記誘電体により構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  5. 前記誘電体層が、SiOにより構成されている、請求項に記載の弾性波装置。
  6. 前記誘電体層の膜厚が、前記IDT電極の電極指のピッチによって定まる弾性表面波の波長をλとしたときに、0.30λ以上、0.50λ以下である、請求項に記載の弾性波装置。
  7. 前記IDT電極のデュ−ティ比が、0.48以上、0.80以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  8. 前記IDT電極のデュ−ティ比が、0.55以上、0.80以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波装置。
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