JP6950751B2 - 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置 - Google Patents

弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6950751B2
JP6950751B2 JP2019564599A JP2019564599A JP6950751B2 JP 6950751 B2 JP6950751 B2 JP 6950751B2 JP 2019564599 A JP2019564599 A JP 2019564599A JP 2019564599 A JP2019564599 A JP 2019564599A JP 6950751 B2 JP6950751 B2 JP 6950751B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic wave
resonator
piezoelectric layer
wave resonator
resonators
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019564599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019138812A1 (ja
Inventor
中川 亮
亮 中川
英樹 岩本
英樹 岩本
努 ▲高▼井
努 ▲高▼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2019138812A1 publication Critical patent/JPWO2019138812A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6950751B2 publication Critical patent/JP6950751B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic
    • H03H9/6433Coupled resonator filters
    • H03H9/6483Ladder SAW filters
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B11/00Transmission systems employing sonic, ultrasonic or infrasonic waves
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/0222Details of interface-acoustic, boundary, pseudo-acoustic or Stonely wave devices
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02543Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
    • H03H9/02559Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of lithium niobate or lithium-tantalate substrates
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02543Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
    • H03H9/02574Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of combined substrates, multilayered substrates, piezoelectrical layers on not-piezoelectrical substrate
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/70Multiple-port networks for connecting several sources or loads, working on different frequencies or frequency bands, to a common load or source
    • H03H9/72Networks using surface acoustic waves
    • H03H9/725Duplexers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/87Electrodes or interconnections, e.g. leads or terminals
    • H10N30/872Interconnections, e.g. connection electrodes of multilayer piezoelectric or electrostrictive devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/853Ceramic compositions
    • H10N30/8542Alkali metal based oxides, e.g. lithium, sodium or potassium niobates

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Description

本発明は、一般に弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置に関する。本発明は、特に、複数の弾性波共振子を備える弾性波装置、この弾性波装置を備えるマルチプレクサ、このマルチプレクサを備える高周波フロントエンド回路、及び、この高周波フロントエンド回路を備える通信装置に関する。
従来、圧電膜を有する弾性表面波装置(弾性波共振子)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された弾性表面波装置は、支持基板と、高音速膜と、低音速膜と、圧電膜と、IDT電極とを備える。高音速膜は、圧電膜を伝搬する弾性波の音速より、高音速膜を伝搬するバルク波の音速が高速となる膜である。低音速膜は、高音速膜上に積層されており、圧電膜を伝搬する弾性波の音速より、低音速膜を伝搬するバルク波の音速が低速となる膜である。圧電膜は、圧電性を有し、低音速膜上に積層されている。IDT電極は、圧電膜上に形成されている。特許文献1に記載された弾性表面波装置では、Q値を高くすることができる。
国際公開第2012/086639号
しかしながら、特許文献1に記載された従来の弾性波共振子のように、高音速膜、低音速膜、及び圧電膜の積層構造が用いられる場合、通過帯域よりも高周波側に高次モードが発生する。さらに、温度が変化すると、高次モードが発生する周波数が変化する。このため、例えば、従来の弾性波共振子を複数用いて弾性波装置を構成した場合、温度によっては、アンテナに対して弾性波装置と共通に接続されている高周波側フィルタの通過帯域に、上記高次モードに起因したリップルが発生することがある。
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、通過帯域の特性劣化を抑えつつ、通過帯域よりも高周波側に発生する高次モードの温度による変化を小さくすることができる弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る弾性波装置は、アンテナ端子である第1端子と、前記第1端子とは異なる第2端子との間に設けられる。前記弾性波装置は、複数の弾性波共振子を備える。前記複数の弾性波共振子は、複数の直列腕共振子と、複数の並列腕共振子とを含む。前記複数の直列腕共振子は、前記第1端子と前記第2端子とを結ぶ第1経路上に設けられている。前記複数の並列腕共振子は、前記第1経路上の複数のノードそれぞれとグラウンドとを結ぶ複数の第2経路上に設けられている。前記複数の弾性波共振子のうち前記第1端子に電気的に最も近い弾性波共振子をアンテナ端共振子とした場合に、前記アンテナ端共振子は、第1弾性波共振子である。前記複数の弾性波共振子のうち前記アンテナ端共振子以外の少なくとも1つの弾性波共振子は、第2弾性波共振子である。前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々は、圧電体層と、IDT電極と、高音速部材と、低音速膜とを含む。前記IDT電極は、前記圧電体層上に形成されており、複数の電極指を有する。前記高音速部材は、前記圧電体層を挟んで前記IDT電極とは反対側に位置している。前記高音速部材では、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である。前記低音速膜は、前記高音速部材と前記圧電体層との間に設けられている。前記低音速膜では、前記圧電体層を伝搬するバルク波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である。前記第1弾性波共振子が、誘電体膜を更に含み、前記第2弾性波共振子が、前記誘電体膜を含まない、若しくは、前記誘電体膜を更に含む。前記誘電体膜は、前記圧電体層と前記IDT電極との間に設けられている。前記圧電体層の厚さが、前記IDT電極の前記複数の電極指の周期である電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたときに、3.5λ以下である。前記圧電体層の材料が、リチウムタンタレートである。前記誘電体膜の材料が、酸化ケイ素である。前記誘電体膜の厚さが、前記波長に対して2.03%以下である。前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、0.945×10 −9 g/cm以上2.43×10 −9 g/cm以下である。前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記圧電体層のカット角が、30°以上90°以下である。前記第1弾性波共振子と前記第2弾性波共振子は、第1条件と第2条件と第3条件とのうちの少なくとも1つを満たす。前記第1条件は、前記第2弾性波共振子が前記誘電体膜を含む場合、前記第2弾性波共振子の前記誘電体膜が、前記第1弾性波共振子の前記誘電体膜の厚みより薄い厚みを有し、前記誘電体膜の厚さが、前記波長に対して1.48%以下である、という条件である。前記第2条件は、前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、1.4445×10 −9 g/cm以上2.43×10 −9 g/cm以下であり、前記第1弾性波共振子の前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における前記単位長さ当たりの質量が、前記第2弾性波共振子の前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における前記単位長さ当たりの質量よりも小さい、という条件である。前記第3条件は、前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記圧電体層のカット角が、30°以上62°以下であり、前記第1弾性波共振子の前記圧電体層のカット角が、前記第2弾性波共振子の前記圧電体層のカット角よりも大きい、という条件である。
本発明の一態様に係るマルチプレクサは、前記弾性波装置からなる第1フィルタと、第2フィルタとを備える。前記第2フィルタは、前記第1端子と前記第1端子とは異なる第3端子との間に設けられている。前記第1フィルタの通過帯域が、前記第2フィルタの通過帯域よりも低周波数域である。
本発明の一態様に係る高周波フロントエンド回路は、前記マルチプレクサと、増幅回路とを備える。前記増幅回路は、前記マルチプレクサに接続されている。
本発明の一態様に係る通信装置は、前記高周波フロントエンド回路と、信号処理回路とを備える。前記信号処理回路は、アンテナで受信される高周波信号を処理する。前記高周波フロントエンド回路は、前記アンテナと前記信号処理回路との間で前記高周波信号を伝達する。
本発明の上記態様に係る弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置によれば、通過帯域の特性劣化を抑えつつ、通過帯域よりも高周波側に発生する高次モードの温度による変化を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る弾性波装置の回路図である。 図2は、同上の弾性波装置を備える通信装置の構成図である。 図3Aは、同上の弾性波装置における第1弾性波共振子の断面図である。図3Bは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子の断面図である。 図4Aは、同上の弾性波装置における第1弾性波共振子の要部平面図である。図4Bは、同上の弾性波装置における第1弾性波共振子を示し、図4AのA−A線断面図である。 図5Aは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子の要部平面図である。図5Bは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子を示し、図5AのA−A線断面図である。 図6は、同上の第1弾性波共振子に関し、誘電体膜の厚さとTCF(Temperature Coefficient of Frequency)との関係を示すグラフである。 図7は、同上の第1弾性波共振子に関し、誘電体膜の厚さと比帯域との関係を示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態1の変形例1に係るマルチプレクサの回路図である。 図9は、本発明の実施形態1の変形例2に係る弾性波装置の回路図である。 図10Aは、本発明の実施形態1の変形例3に係る弾性波装置における第1弾性波共振子の断面図である。図10Bは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子の断面図である。 図11Aは、本発明の実施形態2に係る弾性波装置における第1弾性波共振子の断面図である。図11Bは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子の断面図である。 図12は、同上の弾性波装置における弾性波共振子に関し、IDT電極の厚さとTCFとの関係を示すグラフである。 図13Aは、本発明の実施形態3に係る弾性波装置における第1弾性波共振子の断面図である。図13Bは、同上の弾性波装置における第2弾性波共振子の断面図である。 図14は、同上の弾性波装置における弾性波共振子に関し、圧電体層のカット角と電気機械結合係数との関係を示すグラフである。 図15は、同上の弾性波装置における弾性波共振子に関し、圧電体層のカット角とTCFとの関係を示すグラフである。 図16は、同上の弾性波装置における弾性波共振子に関し、圧電体層のカット角と比帯域との関係を示すグラフである。
以下、実施形態1〜3に係る弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置について、図面を参照して説明する。
下記の実施形態等において説明する図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図10A、図10B、図11A、図11B、図13A、及び図13Bは、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
(1)弾性波装置の全体構成
まず、実施形態1に係る弾性波装置1の全体構成について、図面を参照して説明する。
実施形態1に係る弾性波装置1は、図1に示すように、複数(図示例では9つ)の弾性波共振子31〜39を備える。複数の弾性波共振子31〜39は、複数(図示例では5つ)の直列腕共振子(弾性波共振子31,33,35,37,39)と、複数(図示例では4つ)の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)とを備える。
複数の弾性波共振子31,33,35,37,39は、第1端子101(共通端子)と第2端子102(入出力端子)とを結ぶ第1経路r1上に設けられている。第1経路r1上において、複数の弾性波共振子31,33,35,37,39は直列に接続されている。なお、複数の弾性波共振子31,33,35,37,39の各々は、直列又は並列に接続された複数の共振子で構成されていてもよい。また、弾性波装置1では、第1経路r1上に直列腕共振子以外の素子として、インダクタ又はキャパシタの機能を有する素子が配置されていてもよい。
複数の弾性波共振子32,34,36,38は、それぞれ、第1経路r1上の複数のノードN1,N2,N3,N4とグラウンドとを結ぶ複数の第2経路r21,r22,r23,r24上に設けられている。なお、複数の弾性波共振子32,34,36,38の各々は、直列又は並列に接続された複数の共振子で構成されていてもよい。また、弾性波装置1では、第2経路r21,r22,r23,r24上の各々に、並列腕共振子以外の素子としてインダクタ又はキャパシタとしての機能を有する素子が配置されていてもよい。
複数の弾性波共振子31〜39は、上記の接続構成により、ラダー型のバンドパスフィルタを構成している。つまり、弾性波装置1は、ラダー型フィルタである。なお、弾性波共振子32,34,36,38の接続点とグラウンドとの間には、インダクタが接続されてもよい。
なお、弾性波装置1は、複数の弾性波共振子が弾性波伝搬方向に並んで配置された縦結合型のフィルタ構造を有してもよい。
実施形態1に係る弾性波装置1は、例えば所定の通過帯域を有する弾性波フィルタとして用いられる。また、実施形態1に係る弾性波装置1は、例えば、図2に示すようなマルチプレクサ100に用いられる。
(2)弾性波共振子
次に、実施形態1に係る弾性波装置1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
弾性波装置1は、上述したように、複数の弾性波共振子31〜39として、複数の直列腕共振子(弾性波共振子31,33,35,37,39)と、複数の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)とを備える。複数の弾性波共振子31〜39の各々は、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)共振子である。
複数の弾性波共振子31〜39のうち第1端子101に電気的に最も近い弾性波共振子をアンテナ端共振子とする。図1の例では、第1端子101に電気的に最も近い弾性波共振子は弾性波共振子31である。したがって、弾性波共振子31がアンテナ端共振子である。
(2.1)第1弾性波共振子
複数の弾性波共振子31〜39のうち、アンテナ端共振子である弾性波共振子31は、第1弾性波共振子3Aである。また、複数の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)のうち第1端子101に電気的に最も近い弾性波共振子32も第1弾性波共振子3Aである。
第1弾性波共振子3Aは、図3Aに示すように、高音速部材4Aと、低音速膜5Aと、圧電体層6Aと、IDT(Interdigital Transducer)電極7Aと、誘電体膜8Aとを備える。
(2.1.1)高音速部材
実施形態1の高音速部材4Aは、高音速支持基板42Aである。高音速支持基板42Aは、圧電体層6Aを挟んでIDT電極7Aとは反対側に位置している。高音速支持基板42Aでは、圧電体層6Aを伝搬する弾性波の音速よりも、高音速支持基板42Aを伝搬するバルク波の音速が高速である。高音速支持基板42Aは、低音速膜5A、圧電体層6A、誘電体膜8A、及びIDT電極7Aを支持する。
なお、高音速支持基板42Aを伝搬するバルク波は、高音速支持基板42Aを伝搬する複数のバルク波のうち最も低音速なバルク波である。
高音速支持基板42Aは、弾性波を圧電体層6A及び低音速膜5Aが積層されている部分に閉じ込め、高音速支持基板42Aより下方に漏れないように機能する。
高音速支持基板42Aの材料は、例えばシリコンであり、高音速支持基板42Aの厚さは、例えば125μmである。なお、高音速支持基板42Aの材料は、シリコンに限定されず、シリコンカーバイド、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、若しくは水晶等の圧電体、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、若しくはフォルステライト等の各種セラミック、若しくは、マグネシア、ダイヤモンド、又は、上記各材料を主成分とする材料、又は、上記各材料の混合物を主成分とする材料であってもよい。
(2.1.2)低音速膜
低音速膜5Aは、圧電体層6Aを伝搬するバルク波の音速より、低音速膜5Aを伝搬する横波バルク波の音速が低速となる膜である。低音速膜5Aは、高音速支持基板42Aと圧電体層6Aとの間に設けられている。低音速膜5Aが高音速支持基板42Aと圧電体層6Aとの間に設けられていることにより、弾性波の音速が低下する。弾性波は本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中する。したがって、圧電体層6A内及び弾性波が励振されているIDT電極7A内への弾性波のエネルギーの閉じ込め効果を高めることができる。その結果、低音速膜5Aが設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
低音速膜5Aの材料は、例えば酸化ケイ素である。なお、低音速膜5Aの材料は、酸化ケイ素に限定されず、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素にフッ素、炭素、若しくはホウ素を加えた化合物、又は、上記各材料を主成分とする材料であってもよい。
低音速膜5Aの厚さは、IDT電極7Aの電極指(後述の第1電極指73A及び第2電極指74A)の周期で定まる弾性波の波長をλとすると、2.0λ以下であることが好ましい。低音速膜5Aの厚さを2.0λ以下とすることにより、膜応力を低減させることができ、その結果、ウェハの反りを低減させることができ、良品率の向上及び特性の安定化が可能となる。また、低音速膜5Aの厚さが0.1λ以上0.5λ以下の範囲内であれば、電気機械結合係数がほとんど変わらない。
(2.1.3)圧電体層
圧電体層6Aは、例えば、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶から形成されている。Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶は、LiTaO圧電単結晶の3つの結晶軸をX軸、Y軸、Z軸とした場合に、X軸を中心軸としてY軸からZ軸方向にΓ°回転した軸を法線とする面で切断したLiTaO単結晶であって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶である。圧電体層6Aのカット角は、カット角をΓ[°]、圧電体層6Aのオイラー角を(φ,θ,ψ)をすると、Γ=θ+90°である。ただし、Γと、Γ±180×nは同義である(結晶学的に等価である)。ここにおいて、nは、自然数である。圧電体層6Aは、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶に限定されず、例えば、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電セラミックスであってもよい。
圧電体層6Aは、低音速膜5A上に直接的又は間接的に設けられている。高音速支持基板42Aの厚さ方向(第1方向D1)における圧電体層6Aの厚さは、3.5λ以下である。圧電体層6Aの厚さが3.5λ以下である場合、Q値が高くなる。また、圧電体層6Aの厚さを2.5λ以下とすることで、TCFを小さくすることができる。さらに、圧電体層6Aの厚さを1.5λ以下とすることで、弾性波の音速の調整が容易になる。
ところで、圧電体層6Aの厚さが3.5λ以下である場合、上述したようにQ値が高くなるが、高次モードが発生する。実施形態1では、圧電体層6Aの厚さが3.5λ以下であっても、高次モードを低減させるように、誘電体膜8Aが設けられている。誘電体膜8Aについては後述する。
弾性波装置1における第1弾性波共振子3Aでは、圧電体層6Aを伝搬する弾性波のモードとして、縦波、SH波、若しくはSV波、又はこれらが複合したモードが存在する。第1弾性波共振子3Aでは、SH波を主成分とするモードをメインモードとして使用している。高次モードとは、圧電体層6Aを伝搬する弾性波のメインモードよりも高周波数側に発生するスプリアスモードのことである。圧電体層6Aを伝搬する弾性波のモードが「SH波を主成分とするモードをメインモード」であるか否かについては、例えば、圧電体層6Aのパラメータ(材料、オイラー角及び厚さ等)、IDT電極7Aのパラメータ(材料、厚さ及び電極指周期等)、低音速膜5Aのパラメータ(材料、厚さ等)のパラメータを用いて、有限要素法により変位分布を解析し、ひずみを解析することにより、確認することができる。圧電体層6Aのオイラー角は、分析により求めることができる。
圧電体層6Aの材料は、LiTaO(リチウムタンタレート)に限定されず、例えば、LiNbO(リチウムニオベイト)であってもよい。圧電体層6Aが、例えば、YカットX伝搬LiNbO圧電単結晶又は圧電セラミックスからなる場合、第1弾性波共振子3Aは、ラブ波を弾性波として利用することにより、SH波を主成分とするモードをメインモードとして使用することができる。なお、圧電体層6Aの単結晶材料、カット角については、例えば、フィルタの要求仕様(通過特性、減衰特性、温度特性及び帯域幅等のフィルタ特性)等に応じて、適宜、決定すればよい。
(2.1.4)IDT電極
IDT電極7Aは、図4A及び図4Bに示すように、第1バスバー71Aと、第2バスバー72Aと、複数の第1電極指73Aと、複数の第2電極指74Aとを含み、誘電体膜8Aの主面81Aに設けられている。
第1バスバー71Aは、第2方向D2を長手方向とする長尺状に形成されており、複数の第1電極指73Aと電気的に接続されている。第2バスバー72Aは、第2方向D2を長手方向とする長尺状に形成されており、複数の第2電極指74Aと電気的に接続されている。第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。
複数の第1電極指73Aは、第2方向D2において互いに並んで配置されている。各第1電極指73Aは、第3方向D3を長手方向とする長尺状に形成されている。複数の第1電極指73Aは、第2方向D2において互いに対向する状態で平行に配置されている。複数の第2電極指74Aは、第2方向D2において互いに並んで配置されている。各第2電極指74Aは、第3方向D3を長手方向とする長尺状に形成されている。複数の第2電極指74Aは、第2方向D2において互いに対向する状態で平行に配置されている。実施形態1では、複数の第1電極指73A及び複数の第2電極指74Aが1本ずつ交互に並んで配置されている。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の両方と直交する方向である。
第1電極指73A及び第2電極指74Aの幅をW(図4B参照)とし、隣り合う第1電極指73Aと第2電極指74Aとのスペース幅をSとした場合、IDT電極7Aにおいて、デューティ比は、W/(W+S)で定義される。IDT電極7Aのデューティ比は、例えば、0.5である。IDT電極7Aの電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたとき、波長λは、電極指周期と等しい。電極指周期は、複数の第1電極指73A又は複数の第2電極指74Aの繰り返し周期PλA(図4B参照)で定義される。したがって、繰り返し周期PλAとλとは等しい。IDT電極7Aのデューティ比は、電極指周期の2分の1の値(W+S)に対する第1電極指73A及び第2電極指74Aの幅Wの比である。
IDT電極7Aの材料は、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Ti、Ni、Cr、Mo、若しくはW、又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金等の適宜の金属材料である。また、IDT電極7Aは、これらの金属又は合金からなる複数の金属膜を積層した構造を有してもよい。
(2.1.5)誘電体膜
誘電体膜8Aは、図3Aに示すように、圧電体層6A上に形成されている。誘電体膜8A上にIDT電極7Aが形成されている。誘電体膜8Aの材料は、例えば、酸化ケイ素である。
(2.2)第2弾性波共振子
複数の弾性波共振子31〜39のうち第1弾性波共振子3A以外の弾性波共振子は、図1に示すように、第2弾性波共振子3Bである。図1の例では、複数の弾性波共振子33〜39が第2弾性波共振子3Bである。
第2弾性波共振子3Bは、図3Bに示すように、高音速部材4Bと、低音速膜5Bと、圧電体層6Bと、IDT電極7Bとを備える。第1弾性波共振子3A(図3A参照)とは異なり、第2弾性波共振子3Bは、圧電体層6BとIDT電極7Bとの間に誘電体膜を備えていない。
(2.2.1)高音速部材
実施形態1の高音速部材4Bは、高音速支持基板42Bである。高音速支持基板42Bは、圧電体層6Bを挟んでIDT電極7Bとは反対側に位置している。高音速支持基板42Bでは、圧電体層6Bを伝搬する弾性波の音速よりも、高音速支持基板42Bを伝搬するバルク波の音速が高速である。高音速支持基板42Bは、低音速膜5B、圧電体層6B、及びIDT電極7Bを支持する。
高音速支持基板42Bは、弾性波を圧電体層6B及び低音速膜5Bが積層されている部分に閉じ込め、高音速支持基板42Bより下方に漏れないように機能する。
高音速支持基板42Bの材料は、例えばシリコンであり、高音速支持基板42Bの厚さは、例えば125μmである。なお、高音速支持基板42Bの材料は、シリコンに限定されず、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、若しくは水晶等の圧電体、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、若しくはフォルステライト等の各種セラミック、若しくは、マグネシアダイヤモンド、又は、上記各材料を主成分とする材料、又は、上記各材料の混合物を主成分とする材料であってもよい。
(2.2.2)低音速膜
低音速膜5Bは、圧電体層6Bを伝搬するバルク波の音速より、低音速膜5Bを伝搬するバルク波の音速が低速となる膜である。低音速膜5Bは、高音速支持基板42Bと圧電体層6Bとの間に設けられている。低音速膜5Bが高音速支持基板42Bと圧電体層6Bとの間に設けられていることにより、弾性波の音速が低下する。弾性波は本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中する。したがって、圧電体層6B内及び弾性波が励振されているIDT電極7B内への弾性波のエネルギーの閉じ込め効果を高めることができる。その結果、低音速膜5Bが設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
低音速膜5Bの材料は、例えば酸化ケイ素である。なお、低音速膜5Bの材料は、酸化ケイ素に限定されず、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化ケイ素にフッ素、炭素、若しくはホウ素を加えた化合物、又は、上記各材料を主成分とする材料であってもよい。
低音速膜5Bの厚さは、IDT電極7Bの電極指(後述の第1電極指73B及び第2電極指74B)の周期で定まる弾性波の波長をλとすると、2.0λ以下であることが好ましい。低音速膜5Bの厚さを2.0λ以下とすることにより、膜応力を低減させることができ、その結果、ウェハの反りを低減させることができ、良品率の向上及び特性の安定化が可能となる。また、低音速膜5Bの厚さが0.1λ以上0.5λ以下の範囲内であれば、電気機械結合係数がほとんど変わらない。
(2.2.3)圧電体層
圧電体層6Bは、圧電体層6Aと同様、例えば、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶から形成されている。圧電体層6Bのカット角は、カット角をΓ[°]、圧電体層6Bのオイラー角を(φ,θ,ψ)をすると、Γ=θ+90°である。なお、圧電体層6Bは、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶に限定されず、例えば、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電セラミックスであってもよい。
圧電体層6Bは、低音速膜5B上に直接的又は間接的に積層されている。高音速支持基板42Bの厚さ方向(第1方向D1)における圧電体層6Bの厚さは、3.5λ以下である。圧電体層6Bの厚さが3.5λ以下である場合、Q値が高くなる。また、圧電体層6Bの厚さを2.5λ以下とすることで、TCFを小さくすることができる。さらに、圧電体層6Bの厚さを1.5λ以下とすることで、弾性波の音速の調整が容易になる。
弾性波装置1における第2弾性波共振子3Bでは、圧電体層6Bを伝搬する弾性波のモードとして、縦波、SH波、若しくはSV波、又はこれらが複合したモードが存在する。第2弾性波共振子3Bでは、SH波を主成分とするモードをメインモードとして使用している。高次モードとは、圧電体層6Bを伝搬する弾性波のメインモードよりも高周波数側に発生するスプリアスモードのことである。圧電体層6Bを伝搬する弾性波のモードが「SH波を主成分とするモードをメインモード」であるか否かについては、例えば、圧電体層6Bのパラメータ(材料、オイラー角及び厚さ等)、IDT電極7Bのパラメータ(材料、厚さ及び電極指周期等)、低音速膜5Bのパラメータ(材料、厚さ等)のパラメータを用いて、有限要素法により変位分布を解析し、ひずみを解析することにより、確認することができる。圧電体層6Bのオイラー角は、分析により求めることができる。
圧電体層6Bの材料は、LiTaOに限らず、例えば、LiNbOであってもよい。圧電体層6Bが、例えば、YカットX伝搬LiNbO圧電単結晶又は圧電セラミックスからなる場合、第1弾性波共振子3A及び第2弾性波共振子3Bは、ラブ波を弾性波として利用することにより、SH波を主成分とするモードをメインモードとして使用することができる。なお、圧電体層6の単結晶材料、カット角については、例えば、フィルタの要求仕様(通過特性、減衰特性、温度特性及び帯域幅等のフィルタ特性)等に応じて、適宜、決定すればよい。
(2.2.4)IDT電極
IDT電極7Bは、IDT電極7Aと同様、図5A及び図5Bに示すように、第1バスバー71Bと、第2バスバー72Bと、複数の第1電極指73Bと、複数の第2電極指74Bとを含み、圧電体層6Bの主面61B(図3B参照)に設けられている。
第1バスバー71Bは、第1バスバー71Aと同様、第2方向D2を長手方向とする長尺状に形成されており、複数の第1電極指73Bと電気的に接続されている。第2バスバー72Bは、第2バスバー72Aと同様、第2方向D2を長手方向とする長尺状に形成されており、複数の第2電極指74Bと電気的に接続されている。
複数の第1電極指73Aは、第2方向D2において互いに並んで配置されている。各第1電極指73Aは、第3方向D3を長手方向とする長尺状に形成されている。複数の第1電極指73Bは、第2方向D2において互いに対向する状態で平行に配置されている。複数の第2電極指74Bは、第2方向D2において互いに並んで配置されている。各第2電極指74Bは、第3方向D3を長手方向とする長尺状に形成されている。複数の第2電極指74Bは、第2方向D2において互いに対向する状態で平行に配置されている。実施形態1では、複数の第1電極指73B及び複数の第2電極指74Bが1本ずつ交互に並んで配置されている。
第1電極指73B及び第2電極指74Bの幅をW(図5B参照)とし、隣り合う第1電極指73Bと第2電極指74Bとのスペース幅をSとした場合、IDT電極7Bにおいて、デューティ比は、W/(W+S)で定義される。IDT電極7Bのデューティ比は、例えば、0.5である。IDT電極7Bの電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたとき、波長λは、電極指周期と等しい。電極指周期は、複数の第1電極指73B又は複数の第2電極指74Bの繰り返し周期PλB(図5B参照)で定義される。したがって、繰り返し周期PλBとλとは等しい。IDT電極7Bのデューティ比は、電極指周期の2分の1の値(W+S)に対する第1電極指73B及び第2電極指74Bの幅Wの比である。
IDT電極7Bの材料は、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Ti、Ni、Cr、Mo、若しくはW、又はこれらの金属のいずれかを主体とする合金など適宜の金属材料である。また、IDT電極7Bは、これらの金属又は合金からなる複数の金属膜を積層した構造を有してもよい。
(3)弾性波装置の動作
第1弾性波共振子3Aについては、シリコン基板からなる高音速部材4Aの面41Aを(111)面とする。低音速膜5A、圧電体層6A及びIDT電極7Aの厚さは、IDT電極7Aの電極指周期で定まる弾性波の波長であるλを用いて規格化している。第1弾性波共振子3Aでは、λは、1.48μmとする。図6は、第1弾性波共振子3Aにおいて、アルミニウムからなるIDT電極7Aの厚さを0.07λとし、50°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶からなる圧電体層6Aの厚さを0.3λとし、酸化ケイ素からなる低音速膜5Aの厚さを0.35λとし、誘電体膜8Aの厚さを0nmから30nmの範囲で変化させた場合の、誘電体膜8Aの厚さとTCFとの関係を示している。また、図7は、第1弾性波共振子3Aにおける誘電体膜8Aの厚さと比帯域との関係を示している。
図6に示すように、第1弾性波共振子3Aでは、TCFが正の値の範囲では誘電体膜8Aの厚さを厚くするほど、TCFが小さくなる傾向にある。この傾向は、高音速部材4Aの圧電体層6A側の面41Aを(110)面、(100)面とした場合も同様である。第1弾性波共振子3Aの共振特性の温度変化に対する周波数変動を抑制する観点では、誘電体膜8Aの厚さは、22nm以下であれば、より厚いほうが好ましい。つまり、第1弾性波共振子3Aは、第1弾性波共振子3AのTCFを小さくする観点では、誘電体膜8Aの厚さが厚いほうが好ましい。また、図7から、第1弾性波共振子3Aでは、誘電体膜8Aの厚さを厚くすると比帯域が狭くなる傾向にある。この傾向は、高音速部材4Aの圧電体層6A側の面41Aを(110)面、(100)面とした場合も同様である。第1弾性波共振子3Aは、第1弾性波共振子3Aの比帯域を広くする観点では、誘電体膜8Aの厚さが薄いほうが好ましく、誘電体膜8Aを含まないのがより好ましい。
実施形態1に係る弾性波装置1では、アンテナ端共振子が第1弾性波共振子3Aであり、第1弾性波共振子3Aの高音速部材4Aにおける圧電体層6A側の面41Aが(111)面又は(110)面であることにより、高次モードを抑制することができる。また、弾性波装置1では、複数の弾性波共振子31〜39のうちアンテナ端共振子以外の少なくとも1つの弾性波共振子33〜39が第2弾性波共振子3Bであり、第2弾性波共振子3Bの高音速部材4Bにおける圧電体層6B側の面41Bが(100)面であることにより、特性劣化を抑制することができる。また、弾性波装置1では、第1弾性波共振子3Aの圧電体層6Aが第2弾性波共振子3Bの圧電体層6Bよりも薄いことにより、高次モードを抑制することができる。
ここで、第1弾性波共振子3Aでは、圧電体層6AとIDT電極7Aとの間に誘電体膜8Aが設けられていることにより、TCFを低減させることができる。より詳細には、たとえ高次モードが存在する場合であっても、誘電体膜8Aが設けられていない構成に比べて、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを小さくすることができる。つまり、誘電体膜8Aが設けられていない構成に比べて、高次モードの温度による変化を小さくすることができる。
(4)マルチプレクサ
次に、実施形態1に係るマルチプレクサ100について、図2を参照して説明する。
マルチプレクサ100は、図2に示すように、第1フィルタ11と、第2フィルタ12と、第3フィルタ21と、第4フィルタ22とを備える。さらに、マルチプレクサ100は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104と、第5端子105とを備える。
第1端子101は、マルチプレクサ100の外部のアンテナ200と電気的に接続可能なアンテナ端子である。マルチプレクサ100は、第1端子101を介して、アンテナ200に接続されている。第1〜4フィルタ11,12,21,22は、第1端子101に共通接続されている。
第1フィルタ11は、第1端子101と第2端子102との間に設けられている受信フィルタである。第1フィルタ11は、第1フィルタ11の通過帯域の信号を通過させ、通過帯域以外の信号を減衰させる。
第2フィルタ12は、第1端子101と第3端子103との間に設けられている受信フィルタである。第2フィルタ12は、第2フィルタ12の通過帯域の信号を通過させ、通過帯域以外の信号を減衰させる。
第1フィルタ11と第2フィルタ12とは互いに異なる通過帯域を有している。マルチプレクサ100では、第1フィルタ11の通過帯域が、第2フィルタ12の通過帯域よりも低周波数域である。したがって、マルチプレクサ100では、第1フィルタ11の通過帯域の最大周波数が、第2フィルタ12の通過帯域の最小周波数よりも低い。
第3フィルタ21は、第1端子101と第4端子104との間に設けられている送信フィルタである。第3フィルタ21は、第3フィルタ21の通過帯域の信号を通過させ、通過帯域以外の信号を減衰させる。
第4フィルタ22は、第1端子101と第5端子105との間に設けられている送信フィルタである。第4フィルタ22は、第4フィルタ22の通過帯域の信号を通過させ、通過帯域以外の信号を減衰させる。
なお、第1〜4フィルタ11,12,21,22と第1端子101との間には、インダクタが直列接続されていてもよい。インダクタは、アンテナ200と第1〜4フィルタ11,12,21,22とのインピーダンス整合をとるための回路素子であって、必須の構成要素ではない。
弾性波装置1である第1フィルタ11において、上述したように、アンテナ200に最も電気的に近い第1弾性波共振子3A(図1参照)において、圧電体層6AとIDT電極7Aとの間に誘電体膜8Aが設けられている。これにより、TCFを低減させることができる。これにより、たとえ、高次モードが発生したとしても、温度が変化したときに、高次モードの発生周波数の変化が小さい。したがって、第2フィルタ12の通過帯域を、第1フィルタ11で発生する高次モードの発生周波数からあらかじめ外すように設計しておけば、温度が変化しても、高次モードが第2フィルタ12の通過帯域に重なることを抑制することができる。
(5)高周波フロントエンド回路
次に、実施形態1に係る高周波フロントエンド回路300について、図2を参照して説明する。
高周波フロントエンド回路300は、図2に示すように、マルチプレクサ100と、第1スイッチ回路301と、第2スイッチ回路302と、第1増幅回路303と、第2増幅回路304とを備える。
第1スイッチ回路301は、第1フィルタ11及び第2フィルタ12と第1増幅回路303との間に設けられている。第1スイッチ回路301は、マルチプレクサ100の第2端子102及び第3端子103に個別に接続された2つの被選択端子と、第1増幅回路303に接続された共通端子とを有する。つまり、第1スイッチ回路301は、第2端子102を介して第1フィルタ11と接続され、第3端子103を介して第2フィルタ12と接続される。第1スイッチ回路301は、第1フィルタ11及び第2フィルタ12の中で、第1増幅回路303に接続されるフィルタを切り替える。
第1スイッチ回路301は、例えば、SPDT(Single Pole Double Throw)型のスイッチによって構成される。第1スイッチ回路301は、制御回路(図示せず)によって制御される。第1スイッチ回路301は、上記制御回路からの制御信号に従って、共通端子と被選択端子とを接続する。第1スイッチ回路301は、スイッチIC(Integrated Circuit)によって構成されてもよい。なお、第1スイッチ回路301では、共通端子と接続される被選択端子は1つに限らず、複数であってもよい。つまり、高周波フロントエンド回路300は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)に対応するように構成されていてもよい。
第2スイッチ回路302は、第3フィルタ21及び第4フィルタ22と第2増幅回路304との間に設けられている。第2スイッチ回路302は、マルチプレクサ100の第4端子104及び第5端子105に個別に接続された2つの被選択端子と、第2増幅回路304に接続された共通端子とを有する。つまり、第2スイッチ回路302は、第4端子104を介して第3フィルタ21と接続され、第5端子105を介して第4フィルタ22と接続されている。第2スイッチ回路302は、第3フィルタ21及び第4フィルタ22の中で、第2増幅回路304に接続されるフィルタを切り替える。
第2スイッチ回路302は、例えば、SPDT型のスイッチによって構成される。第2スイッチ回路302は、上記制御回路によって制御される。第2スイッチ回路302は、上記制御回路からの制御信号に従って、共通端子と被選択端子とを接続する。第2スイッチ回路302は、スイッチICによって構成されてもよい。なお、第2スイッチ回路302では、共通端子と接続される被選択端子は1つに限らず、複数であってもよい。
第1増幅回路303は、アンテナ200、マルチプレクサ100、及び第1スイッチ回路301を経由した高周波信号(受信信号)を増幅し、増幅した高周波信号を高周波フロントエンド回路300の外部(例えば、後述のRF信号処理回路401)へ出力する。第1増幅回路303は、ローノイズアンプ回路である。
第2増幅回路304は、高周波フロントエンド回路300の外部(例えば、後述のRF信号処理回路401)から出力された高周波信号(送信信号)を増幅し、増幅した高周波信号を、第2スイッチ回路302及びマルチプレクサ100を経由してアンテナ200に出力する。第2増幅回路304は、パワーアンプ回路である。
(6)通信装置
次に、実施形態1に係る通信装置400について、図2を参照して説明する。
通信装置400は、図2に示すように、高周波フロントエンド回路300と、RF信号処理回路401と、ベースバンド信号処理回路402とを備える。RF信号処理回路401及びベースバンド信号処理回路402は、高周波信号を処理する信号処理回路を構成する。
RF信号処理回路401は、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)であり、送信信号及び受信信号を含む高周波信号に対する信号処理を行う。RF信号処理回路401は、第1増幅回路303から出力された高周波信号(受信信号)をダウンコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた高周波信号をベースバンド信号処理回路402へ出力する。
ベースバンド信号処理回路402は、例えばBBIC(Baseband Integrated Circuit)であり、外部からの送信信号及びRF信号処理回路401からの高周波信号のそれぞれに対する信号処理を行う。
(7)効果
以上説明したように、実施形態1に係る弾性波装置1では、第1弾性波共振子3Aにおいて、圧電体層6AとIDT電極7Aとの間に誘電体膜8Aが設けられている。これにより、たとえ高次モードが存在していても、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを低減させることができる。つまり、高次モードの温度による変化を低減させることができる。
実施形態1に係る弾性波装置1では、アンテナ端共振子が複数の弾性波共振子31〜39におけるアンテナ端共振子以外の弾性波共振子とは異なるチップである。これにより、上記アンテナ端共振子以外の弾性波装置の特性のばらつきを抑制することができる。
実施形態1に係る弾性波装置1では、第1弾性波共振子3A及び第2弾性波共振子3Bにおいて、高音速部材4A,4Bと圧電体層6A,6Bとの間に低音速膜5A,5Bが設けられている。これにより、電気機械結合係数の増大による比帯域の拡大と、周波数温度特性の改善との双方を図ることができる。
実施形態1に係る弾性波装置1では、低音速膜5A,5Bが設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
実施形態1に係るマルチプレクサ100では、第1フィルタ11に弾性波装置1が用いられている。これにより、第1フィルタ11で発生する高次モードが第2フィルタ12へ与える影響を抑制することができる。
(8)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
実施形態1の変形例1に係るマルチプレクサ100bは、図8に示すように、複数の弾性波共振子31〜39からなる共振子群30を複数(図8では2つのみを図示)備える。複数の共振子群30では、第1端子101が共通端子であり、かつ、第2端子102が個別端子である。マルチプレクサ100bでは、複数の共振子群30のアンテナ端共振子(弾性波共振子31)が1チップに集積されている。これにより、変形例1に係るマルチプレクサ100bは、複数の共振子群30を備えた構成において、小型化を図ることが可能となり、かつ、アンテナ端共振子の特性ばらつきを小さくすることができる。図8では、一点鎖線で囲まれた弾性波共振子が1チップに集積されている。例えば、1つの共振子群30における7つの第2弾性波共振子3Bが1チップに集積されている。また、共振子群30ごとの2つの第1弾性波共振子3A(図示例では、4つの第1弾性波共振子3A)が1チップに集積されている。なお、変形例1に係るマルチプレクサ100bでは、複数の共振子群30の弾性波共振子31,32が1チップに集積されているが、少なくとも複数の共振子群30の弾性波共振子31が1チップに集積されていればよい。
変形例1に係るマルチプレクサ100bでは、複数の共振子群30は、互いに通過帯域の異なるフィルタを構成する。
変形例1に係るマルチプレクサ100bでは、複数の共振子群30のアンテナ端共振子の特性ばらつきを低減でき、かつ、マルチプレクサ100bの小型化を図ることができる。
実施形態1の変形例2に係る弾性波装置1cは、図9に示すように、複数(8つ)の弾性波共振子31〜38の接続関係について、実施形態1に係る弾性波装置1と相違する。変形例2に係る弾性波装置1cに関し、実施形態1に係る弾性波装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
弾性波装置1cでは、複数の弾性波共振子31〜38において、複数(4つ)の直列腕共振子(弾性波共振子31、33、35、37)のうち1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)と複数(4つ)の並列腕共振子(弾性波共振子32、34、36、38)のうち1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)とが、第1端子101と直接的に接続されている。「1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)が第1端子101と直接的に接続されている」とは、他の弾性波共振子32〜38を介さずに第1端子101と電気的に接続されていることを意味する。また、「1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)が第1端子101と直接的に接続されている」とは、他の弾性波共振子31、33〜38を介さずに第1端子101と電気的に接続されていることを意味する。
弾性波装置1cでは、上記1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)と上記1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)との両方がアンテナ端共振子として第1弾性波共振子3Aにより構成されているが、これに限らない。例えば、弾性波装置1cでは、上記1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)と上記1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)との少なくとも一方が、アンテナ端共振子として第1弾性波共振子3Aにより構成されていればよい。
実施形態1の変形例3に係る弾性波装置は、実施形態1に係る弾性波装置1の第1弾性波共振子3A及び第2弾性波共振子3Bの代わりに、図10Aに示すような第1弾性波共振子3Af及び図10Bに示すような第2弾性波共振子3Bfを備える点で、実施形態1に係る弾性波装置1と相違する。変形例3に係る弾性波装置に関し、実施形態1に係る弾性波装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1弾性波共振子3Afの高音速部材4Aは、高音速支持基板42Aに代えて、高音速膜45Aと、支持基板44Aとを含む。高音速膜45Aは、支持基板44A上に形成されている。ここにおいて、「支持基板44A上に形成されている」とは、支持基板44A上に直接的に形成されている場合と、支持基板44A上に間接的に形成されている場合と、を含む。高音速膜45Aでは、圧電体層6Aを伝搬する弾性波の音速よりも、高音速膜45Aを伝搬するバルク波の音速が高速である。低音速膜5Aは、高音速膜45A上に形成されている。ここにおいて、「高音速膜45A上に形成されている」とは、高音速膜45A上に直接的に形成されている場合と、高音速膜45A上に間接的に形成されている場合と、を含む。低音速膜5Aでは、圧電体層6Aを伝搬するバルク波の音速よりも、低音速膜5Aを伝搬するバルク波の音速が低速である。圧電体層6Aは、低音速膜5A上に形成されている。ここにおいて、「低音速膜5A上に形成されている」とは、低音速膜5A上に直接的に形成されている場合と、低音速膜5A上に間接的に形成されている場合と、を含む。
第2弾性波共振子3Bfの高音速部材4Bは、高音速支持基板42Bに代えて、高音速膜45Bと、支持基板44Bとを含む。高音速膜45Bは、支持基板44B上に形成されている。ここにおいて、「支持基板44B上に形成されている」とは、支持基板44B上に直接的に形成されている場合と、支持基板44B上に間接的に形成されている場合と、を含む。高音速膜45Bでは、圧電体層6Bを伝搬する弾性波の音速よりも、高音速膜45Bを伝搬するバルク波の音速が高速である。低音速膜5Bは、高音速膜45B上に形成されている。ここにおいて、「高音速膜45B上に形成されている」とは、高音速膜45B上に直接的に形成されている場合と、高音速膜45B上に間接的に形成されている場合と、を含む。低音速膜5Bでは、圧電体層6Bを伝搬するバルク波の音速よりも、低音速膜5Bを伝搬するバルク波の音速が低速である。圧電体層6Bは、低音速膜5B上に形成されている。ここにおいて、「低音速膜5B上に形成されている」とは、低音速膜5B上に直接的に形成されている場合と、低音速膜5B上に間接的に形成されている場合と、を含む。
支持基板44A,44Bの材料は、例えばシリコンである。なお、支持基板44A,44Bの材料は、シリコンに限定されず、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス等の誘電体、窒化ガリウム等の半導体、樹脂等であってもよい。
第1弾性波共振子3Afでは、高音速膜45Aは、メインモードの弾性波のエネルギーが高音速膜45Aより下の構造に漏れないように機能する。同様に、第2弾性波共振子3Bfでは、高音速膜45Bは、メインモードの弾性波のエネルギーが高音速膜45Bより下の構造に漏れないように機能する。
第1弾性波共振子3Afでは、高音速膜45Aの厚さが十分に厚い場合、メインモードの弾性波のエネルギーは圧電体層6A及び低音速膜5Aの全体に分布し、高音速膜45Aの低音速膜5A側の一部にも分布し、支持基板44Aには分布しないことになる。同様に、第2弾性波共振子3Bfでは、高音速膜45Bの厚さが十分に厚い場合、メインモードの弾性波のエネルギーは圧電体層6B及び低音速膜5Bの全体に分布し、高音速膜45Bの低音速膜5B側の一部にも分布し、支持基板44Bには分布しないことになる。高音速膜45A,45Bにより弾性波を閉じ込めるメカニズムは非漏洩なSH波であるラブ波型の表面波の場合と同様のメカニズムであり、例えば、文献「弾性表面波デバイスシミュレーション技術入門」、橋本研也、リアライズ社、p.26−28に記載されている。上記メカニズムは、音響多層膜によるブラッグ反射器を用いて弾性波を閉じ込めるメカニズムとは異なる。
高音速膜45A,45Bの材料は、例えば、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト及びマグネシアダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種の材料である。
変形例3に係る弾性波装置では、高音速部材4A,4Bが高音速膜45A,45Bを含む。これにより、弾性波が支持基板44A,44Bに漏れるのを抑制することができる。
また、実施形態1の他の変形例として、マルチプレクサ100は、4つのフィルタを組み合わせたクワッドプレクサに限定されない。マルチプレクサ100は、3つ以下のフィルタを組み合わせたマルチプレクサであってもよいし、5つ以上のフィルタを組み合わせたマルチプレクサであってもよい。
マルチプレクサ100において、第1フィルタ11だけでなく,第2〜4フィルタ12,21,22にも実施形態1又は変形例2,3に係る弾性波装置1,1cが適用されてもよい。
上記の各変形例に係る弾性波装置1c及びマルチプレクサ100,100bにおいても、実施形態1に係る弾性波装置1及びマルチプレクサ100と同様の効果を奏する。
(実施形態2)
実施形態2に係る弾性波装置は、実施形態1に係る弾性波装置1の第1弾性波共振子3A及び第2弾性波共振子3Bの代わりに、図11Aに示すような第1弾性波共振子3Ad及び図11Bに示すような第2弾性波共振子3Bdを備える点で、実施形態1に係る弾性波装置1と相違する。実施形態2に係る弾性波装置の回路構成は、実施形態1に係る弾性波装置1の回路構成と同じなので、図示及び説明を省略する。実施形態2に係る弾性波装置に関し、実施形態1に係る弾性波装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る弾性波装置では、第1弾性波共振子3AdのIDT電極7Aの厚さと、第2弾性波共振子3BdのIDT電極7Bの厚さと、が異なる。第1弾性波共振子3Adの構成は、実施形態1に係る弾性波装置1の第1弾性波共振子3Aと同様であり、IDT電極7A、圧電体層6A、低音速膜5Aの厚さが相違する。第2弾性波共振子3Bdの構成は、実施形態1に係る弾性波装置1の第2弾性波共振子3Bと同様であり、IDT電極7B、圧電体層6B、低音速膜5Bの厚さが相違する。実施形態2に係る弾性波装置では、IDT電極7Aの電極指(図4Aの第1電極指73A,第2電極指74A)の電極指長手方向(図4Aの第3方向D3)における単位長さ当たりの質量が、IDT電極7Bの電極指(図5Aの第1電極指73B,第2電極指74B)の電極指長手方向(図5Aの第3方向D3)における単位長さ当たりの質量よりも小さい。「電極指の電極指長さ方向における単位長さ」は、例えば、図4A及び図5Aにおいて第2方向D2から見て第1電極指73A,73Bと第2電極指74A,74Bとが重なる領域(弾性波が励振される領域)における第1電極指73A,73B及び第2電極指74A,74Bの第3方向D3の長さ(交差幅LA,LB)である。
図12は、弾性波共振子(第1弾性波共振子3Ad、第2弾性波共振子3Bd)におけるIDT電極(IDT電極7A,7B)の厚さとTCFとの関係を示すグラフである。弾性波共振子において、波長λを2μmとし、酸化ケイ素からなる低音速膜(低音速膜5A,5B)の厚さを0.35λとし、50°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶からなる圧電体層(圧電体層6A,6B)の厚さを0.3λとし、IDT電極(IDT電極7A,7B)の厚さを70nmから180nmの範囲で変化させている。
図12から、弾性波共振子では、例えばTCFの絶対値を10ppm以下にするには、IDT電極の厚さを70nm以上140nm以下の範囲にするとよく、5ppm以下にするには、IDT電極の厚さを90nm以上125nm以下の範囲にするとよい。また、弾性波共振子では、IDT電極の厚さを薄くしていくと、IDT電極の抵抗値が増加し、損失が増大するので、損失を低減する観点では、IDT電極の厚さが厚いほうが好ましい。したがって、実施形態2に係る弾性波装置において、高次モードの温度安定性、フィルタの損失の増大を抑制する観点では、図11A及び図11Bに示すように、第1弾性波共振子3AdのIDT電極7Aの電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、第2弾性波共振子3BdのIDT電極7Bの電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量よりも小さいのが好ましい。
(実施形態3)
実施形態3に係る弾性波装置は、実施形態1に係る弾性波装置1の第1弾性波共振子3Aと第2弾性波共振子3Bの代わりに、図13Aに示すような第1弾性波共振子3An及び図13Bに示すような第2弾性波共振子3Bnを備える点で、実施形態1に係る弾性波装置1と相違する。実施形態3に係る弾性波装置の回路構成は、実施形態1に係る弾性波装置1の回路構成と同じなので、図示及び説明を省略する。実施形態3に係る弾性波装置に関し、実施形態1に係る弾性波装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係る弾性波装置では、第1弾性波共振子3Anの圧電体層6Aのカット角θが、第2弾性波共振子3Bnの圧電体層6Bのカット角θよりも大きい。
第1弾性波共振子3Anについては、シリコン基板からなる高音速部材4Aの面41Aを(111)面とする。低音速膜5A、圧電体層6A及びIDT電極7Aの厚さは、IDT電極7Aの電極指周期で定まる弾性波の波長であるλを用いて規格化している。第1弾性波共振子3Anでは、波長λは、例えば1.48μmである。図14は、弾性波共振子(第1弾性波共振子3An、第2弾性波共振子3Bn)において、アルミニウムからなるIDT電極(IDT電極7A,7B)の厚さを0.07λとし、Γ°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶からなる圧電体層(圧電体層6A,6B)の厚さを0.3λとし、酸化ケイ素からなる低音速膜(低音速膜5A,5B)の厚さを0.35λとし、カット角θを40°から90°の範囲で変化させた場合の、カット角と電気機械結合係数との関係を示している。図14では、SH波をメインモードとする場合のカット角と電気機械結合係数との関係を一点鎖線で示し、SV波をメインモードとする場合のカット角と電気機械結合係数との関係を破線で示してある。また、図15は、弾性波共振子(第1弾性波共振子3An、第2弾性波共振子3Bn)におけるカット角とTCFとの関係を示している。また、図16は、弾性波共振子(第1弾性波共振子3An、第2弾性波共振子3Bn)におけるカット角と比帯域との関係を示している。
図14から、弾性波共振子(第1弾性波共振子3An、第2弾性波共振子3Bn)では、カット角が大きくなるほどSH波をメインモードとする電気機械結合係数が小さくなる傾向にあり、カット角が大きくなるほどSV波をメインモードとする電気機械結合係数が大きくなる傾向にあることが分かる。弾性波共振子の電気機械結合係数を大きくする観点では、カット角が、より小さいほうが好ましい。
また、図15から、弾性波共振子では、カット角が大きくなるほどTCFの絶対値が小さくなる傾向にある。弾性波共振子のTCFを小さくする観点では、カット角が、より大きいほうが好ましい。
また、図16から、弾性波共振子では、カット角が大きくなるほど比帯域が狭くなる傾向にあることが分かる。弾性波共振子の比帯域を広くする観点では、カット角が、より小さいほうが好ましい。
実施形態3に係る弾性波装置では、第1弾性波共振子3Anの圧電体層6Aのカット角θが、第2弾性波共振子3Bnの圧電体層6Bのカット角θよりも大きいので、第1弾性波共振子3AnのTCFの絶対値を第2弾性波共振子3BnのTCFの絶対値よりも小さくできる。これにより、実施形態3に係る弾性波装置では、高次モードの温度変化に伴う周波数変動を抑制することが可能となる。
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例より以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る弾性波装置(1;1c)は、アンテナ端子である第1端子(101)と、第1端子(101)とは異なる第2端子(102)との間に設けられる。弾性波装置(1;1c)は、複数の弾性波共振子(31〜39)を備える。複数の弾性波共振子(31〜39)は、複数の直列腕共振子(弾性波共振子31,33,35,37,39)と、複数の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)とを含む。複数の直列腕共振子は、第1端子(101)と第2端子(102)とを結ぶ第1経路(r1)上に設けられている。複数の並列腕共振子は、第1経路(r1)上の複数のノード(N1〜N4)それぞれとグラウンドとを結ぶ複数の第2経路(r21〜r24)上に設けられている。複数の弾性波共振子(31〜39)のうち第1端子(101)に電気的に最も近い弾性波共振子をアンテナ端共振子とした場合に、アンテナ端共振子は、第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)である。複数の弾性波共振子(31〜39)のうちアンテナ端共振子以外の少なくとも1つの弾性波共振子は、第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)である。第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)及び第2弾性波共振子(3B)の各々は、圧電体層(6A;6B)と、IDT電極(7A;7B)と、高音速部材(4A;4B)とを含む。IDT電極(7A;7B)は、圧電体層(6A;6B)上に形成されており、複数の電極指(第1電極指73A,第2電極指74A;第1電極指73B,第2電極指74B)を有する。高音速部材(4A;4B)は、圧電体層(6A;6B)を挟んでIDT電極(7A;7B)とは反対側に位置している。高音速部材(4A;4B)では、圧電体層(6A;6B)を伝搬する弾性波の音速よりも、高音速部材(4A;4B)を伝搬するバルク波の音速が高速である。圧電体層(6A;6B)の厚さが、IDT電極(7A;7B)の複数の電極指(第1電極指73A,第2電極指74A;第1電極指73B,第2電極指74B)の周期である電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたときに、3.5λ以下である。第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)と第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)は、第1条件と第2条件と第3条件とのうちの少なくとも1つを満たす。第1条件は、第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)が、圧電体層(6A)とIDT電極(7A)との間に設けられた誘電体膜(8A)を更に含み、第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)が、誘電体膜を含まない、という条件である。第2条件は、第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)のIDT電極(7A)の電極指(第1電極指73A,第2電極指74A)の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)のIDT電極(7B)の電極指(第1電極指73B,第2電極指74B)の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量よりも小さい、という条件である。第3条件は、第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)の圧電体層(6A)のカット角が、第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)の圧電体層(6B)のカット角よりも大きい、という条件である。
第1の態様に係る弾性波装置(1;1c)によれば、たとえ高次モードが存在していても、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを低減させることができる。つまり、高次モードの温度による変化を低減させることができる。
第2の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1の態様において、アンテナ端共振子は、複数の弾性波共振子(31〜39)におけるアンテナ端共振子以外の弾性波共振子とは異なるチップである。
第2の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、上記アンテナ端共振子以外の弾性波共振子の特性のばらつきを抑制することができる。
第3の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1又は2の態様において、第1弾性波共振子(3A;3Af;3Ad;3An)又は第2弾性波共振子(3B;3Bf;3Bd;3Bn)が、低音速膜(5A;5B)を含む。低音速膜(5A;5B)は、高音速部材(4A;4B)と圧電体層(6A;6B)との間に設けられている。低音速膜(5A;5B)では、圧電体層(6A;6B)を伝搬するバルク波の音速よりも、低音速膜(5A;5B)を伝搬するバルク波の音速が低速である。
第3の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、電気機械結合係数の増大による比帯域の拡大と、周波数温度特性の改善との双方を図ることができる。
第4の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第3の態様において、圧電体層(6A;6B)の材料がリチウムタンタレート又はリチウムニオベイトである。低音速膜(5A;5B)の材料が酸化ケイ素である。高音速部材(4A;4B)の材料がシリコンである。
第4の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、低音速膜(5A;5B)が設けられていない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
第5の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、高音速部材(4A;4B)は、高音速膜(4A;4B)と、支持基板(44A;44B)とを含む。高音速膜(4A;4B)は、圧電体層(6A;6B)を伝搬する弾性波の音速よりも高音速膜(4A;4B)を伝搬するバルク波の音速が高速となる膜である。支持基板(44;44B)は、高音速膜(4A;4B)を支持する。第1弾性波共振子(3Af)及び第2弾性波共振子(3Bf)の各々は、低音速膜(5A;5B)を含む。低音速膜(5A;5B)は、高音速膜(4A;4B)上に形成されている圧電体層(6A;6B)を伝搬する弾性波の音速よりも低音速膜(5A;5B)を伝搬するバルク波の音速が低速となる膜である。
第5の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、弾性波が支持基板(44A;44B)に漏れるのを抑制することができる。
第6の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第5の態様において、圧電体層(6A;6B)の材料が、リチウムタンタレート又はリチウムニオベイトである。低音速膜(5A;5B)の材料が、酸化ケイ素と、ガラスと、酸窒化ケイ素と、酸化タンタルと、酸化ケイ素にフッ素、炭素又はホウ素を加えた化合物と、からなる群から選択される少なくとも1種の材料である。高音速膜(4A;4B)の材料が、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト及びマグネシア、ダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種の材料である。
第7の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、第1弾性波共振子(3A;3Ad;3An)及び第2弾性波共振子(3B;3Bd;3Bn)の各々は、低音速膜(5A;5B)を更に含む。低音速膜(5A;5B)は、高音速部材(4A;4B)と圧電体層(6A;6B)との間に設けられており、圧電体層(6A;6B)を伝搬するバルク波の音速よりも低音速膜(5A;5B)を伝搬するバルク波の音速が低速となる膜である。高音速部材(4A;4B)は、圧電体層(6A;6B)を伝搬する弾性波の音速よりも高音速部材(4A;4B)を伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板(42A;42B)である。
第7の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1弾性波共振子(3A;3Ad;3An)及び第2弾性波共振子(3B;3Bd;3Bn)の各々が低音速膜(5A;5B)を含まない場合に比べて、損失を低減し、Q値を高めることができる。
第8の態様に係る弾性波装置(1;1c)では、第1〜7の態様のいずれか1つにおいて、複数の直列腕共振子(弾性波共振子31,33,35,37,39)のうち1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)が、複数の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)よりも第1端子(101)に電気的に近い。上記1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)が、アンテナ端共振子である。
第9の態様に係る弾性波装置(1c)では、第1〜7の態様のいずれか1つにおいて、複数の直列腕共振子(弾性波共振子31,33,35,37)のうち1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)と複数の並列腕共振子(弾性波共振子32,34,36,38)のうち1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)とが、第1端子(101)と直接的に接続されている。上記1つの直列腕共振子(弾性波共振子31)と上記1つの並列腕共振子(弾性波共振子32)との少なくとも一方が、アンテナ端共振子である。
第10の態様に係るマルチプレクサ(100;100b)は、第1〜9の態様のいずれか1つの弾性波装置(1;1c)からなる第1フィルタ(11)と、第2フィルタ(12)とを備える。第2フィルタ(12)は、第1端子(101)と第1端子(101)とは異なる第3端子(103)との間に設けられている。第1フィルタ(11)の通過帯域が、第2フィルタ(12)の通過帯域よりも高周波数域である。
第10の態様に係るマルチプレクサ(100;100b)では、弾性波装置(1;1c)において、たとえ高次モードが存在していても、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを低減させることができる。つまり、高次モードの温度による変化を低減させることができる。
第11の態様に係るマルチプレクサ(100b)は、第10の態様において、複数の弾性波共振子(31〜39)からなる共振子群(30)を複数備える。複数の共振子群(30)では、第1端子(101)が共通端子であり、かつ、第2端子(102)が個別端子である。複数の共振子群(30)のアンテナ端共振子が1チップに集積されている。
第11の態様に係るマルチプレクサ(100b)では、複数の共振子群(30)のアンテナ端共振子の特性ばらつきを低減でき、かつ、弾性波装置(1;1c)の小型化を図ることができる。
第12の態様に係るマルチプレクサ(100;100b)では、第10又は11の態様において、第1フィルタ(11)の通過帯域の最小周波数が、第2フィルタ(12)の通過帯域の最大周波数よりも高い。
第13の態様に係る高周波フロントエンド回路(300)は、第10〜12の態様のいずれか1つのマルチプレクサ(100;100b)と、(第1)増幅回路(303)とを備える。(第1)増幅回路(303)は、マルチプレクサ(100)に接続されている。
第13の態様に係る高周波フロントエンド回路(300)では、弾性波装置(1;1c)において、たとえ高次モードが存在していても、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを低減させることができる。つまり、高次モードの温度による変化を低減させることができる。
第14の態様に係る通信装置(400)は、第13の態様の高周波フロントエンド回路(300)と、信号処理回路(RF信号処理回路401、ベースバンド信号処理回路402)とを備える。信号処理回路は、アンテナ(200)で受信される高周波信号を処理する。高周波フロントエンド回路(300)は、アンテナ(200)と信号処理回路との間で高周波信号を伝達する。
第14の態様に係る通信装置(400)では、弾性波装置(1;1c)において、たとえ高次モードが存在していても、温度によって、高次モードが発生する周波数が変化する度合いを低減させることができる。つまり、高次モードの温度による変化を低減させることができる。
1,1c 弾性波装置
31〜39 弾性波共振子
3A,3Af,3Ad,3An 第1弾性波共振子
3B,3Bf,3Bd,3Bn 第2弾性波共振子
4A,4B 高音速部材
42A,42B 高音速支持基板
44A,44B 支持基板
45A,45B 高音速膜
5A,5B 低音速膜
6A,6B 圧電体層
61A,61B 主面
7A,7B IDT電極
71A,71B 第1バスバー
72A,72B 第2バスバー
73A,73B 第1電極指
74A,74B 第2電極指
100,100b マルチプレクサ
101 第1端子
102 第2端子
103 第3端子
104 第4端子
105 第5端子
11 第1フィルタ
12 第2フィルタ
21 第3フィルタ
22 第4フィルタ
30 共振子群
200 アンテナ
300 高周波フロントエンド回路
301 第1スイッチ回路
302 第2スイッチ回路
303 第1増幅回路
304 第2増幅回路
400 通信装置
401 RF信号処理回路
402 ベースバンド信号処理回路
N1〜N4 ノード
r1 第1経路
r21〜r24 第2経路

Claims (13)

  1. アンテナ端子である第1端子と、前記第1端子とは異なる第2端子との間に設けられる弾性波装置であって、
    複数の弾性波共振子を備え、
    前記複数の弾性波共振子は、
    前記第1端子と前記第2端子とを結ぶ第1経路上に設けられた複数の直列腕共振子と、
    前記第1経路上の複数のノードそれぞれとグラウンドとを結ぶ複数の第2経路上に設けられた複数の並列腕共振子と、を含み、
    前記複数の弾性波共振子のうち前記第1端子に電気的に最も近い弾性波共振子をアンテナ端共振子とした場合に、
    前記アンテナ端共振子は、第1弾性波共振子であり、
    前記複数の弾性波共振子のうち前記アンテナ端共振子以外の少なくとも1つの弾性波共振子は、第2弾性波共振子であり、
    前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々は、
    圧電体層と、
    前記圧電体層上に形成されており複数の電極指を有するIDT電極と、
    前記圧電体層を挟んで前記IDT電極とは反対側に位置しており前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速部材と、
    前記高音速部材と前記圧電体層との間に設けられており前記圧電体層を伝搬するバルク波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が低速である低音速膜と、を含み、
    前記第1弾性波共振子が、前記圧電体層と前記IDT電極との間に設けられた誘電体膜を更に含み、前記第2弾性波共振子が、前記誘電体膜を含まない、若しくは、前記誘電体膜を更に含み、
    前記圧電体層の厚さが、前記IDT電極の前記複数の電極指の周期である電極指周期で定まる弾性波の波長をλとしたときに、3.5λ以下であり、
    前記圧電体層の材料が、リチウムタンタレートであり、
    前記誘電体膜の材料が、酸化ケイ素であり、
    前記誘電体膜の厚さが、前記波長に対して2.03%以下であり、
    前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、0.945×10 −9 g/cm以上2.43×10 −9 g/cm以下であり、
    前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記圧電体層のカット角が、30°以上90°以下であり、
    前記第1弾性波共振子と前記第2弾性波共振子は、第1条件と第2条件と第3条件とのうちの少なくとも1つを満たし、
    前記第1条件は、前記第2弾性波共振子が前記誘電体膜を含む場合、前記第2弾性波共振子の前記誘電体膜が、前記第1弾性波共振子の前記誘電体膜の厚みより薄い厚みを有し、前記誘電体膜の厚さが、前記波長に対して1.48%以下である、という条件であり、
    前記第2条件は、前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における単位長さ当たりの質量が、1.4445×10 −9 g/cm以上2.43×10 −9 g/cm以下であり、前記第1弾性波共振子の前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における前記単位長さ当たりの質量が、前記第2弾性波共振子の前記IDT電極の電極指の電極指長手方向における前記単位長さ当たりの質量よりも小さい、という条件であり、
    前記第3条件は、前記第1弾性波共振子及び前記第2弾性波共振子の各々における前記圧電体層のカット角が、30°以上62°以下であり、前記第1弾性波共振子の前記圧電体層のカット角が、前記第2弾性波共振子の前記圧電体層のカット角よりも大きい、という条件である、
    弾性波装置。
  2. 前記複数の弾性波共振子のうち前記アンテナ端共振子を含む少なくとも1つの弾性波共振子は、前記第1弾性波共振子であり、
    前記複数の弾性波共振子のうち前記少なくとも1つの弾性波共振子以外の弾性波共振子は、前記第2弾性波共振子であり、
    前記第1弾性波共振子は、前記第2弾性波共振子とは異なるチップである、
    請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記低音速膜の材料が酸化ケイ素であり、
    前記高音速部材の材料がシリコンである、
    請求項1又は2に記載の弾性波装置。
  4. 前記高音速部材は、
    前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速膜と、
    前記高音速膜を支持する支持基板と、を含む、
    請求項1又は2に記載の弾性波装置。
  5. 前記低音速膜の材料が、酸化ケイ素と、ガラスと、酸窒化ケイ素と、酸化タンタルと、酸化ケイ素にフッ素、炭素又はホウ素を加えた化合物と、からなる群から選択される少なくとも1種の材料であり、
    前記高音速膜の材料が、ダイヤモンドライクカーボン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶、アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト及びマグネシア、ダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種の材料である、
    請求項4に記載の弾性波装置。
  6. 前記高音速部材は、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも伝搬するバルク波の音速が高速である高音速支持基板である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  7. 前記複数の直列腕共振子のうち1つの直列腕共振子が、前記複数の並列腕共振子よりも前記第1端子に電気的に近く、
    前記1つの直列腕共振子が、前記アンテナ端共振子である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  8. 前記複数の直列腕共振子のうち1つの直列腕共振子と前記複数の並列腕共振子のうち1つの並列腕共振子とが、前記第1端子と直接的に接続されており、
    前記1つの直列腕共振子と前記1つの並列腕共振子との少なくとも一方が、前記アンテナ端共振子である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性波装置からなる第1フィルタと、
    前記第1端子と前記第1端子とは異なる第3端子との間に設けられた第2フィルタと、を備え、
    前記第1フィルタの通過帯域が、前記第2フィルタの通過帯域よりも低周波数域である、
    マルチプレクサ。
  10. 前記複数の弾性波共振子からなる共振子群を複数備え、
    前記複数の共振子群では、前記第1端子が共通端子であり、かつ、前記第2端子が個別端子であり、
    前記複数の共振子群の前記アンテナ端共振子が1チップに集積されている、
    請求項9に記載のマルチプレクサ。
  11. 前記第1フィルタの前記通過帯域の最小周波数が、前記第2フィルタの前記通過帯域の最大周波数よりも高い、
    請求項9又は10に記載のマルチプレクサ。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載のマルチプレクサと、
    前記マルチプレクサに接続された増幅回路と、を備える、
    高周波フロントエンド回路。
  13. 請求項12に記載された高周波フロントエンド回路と、
    アンテナで受信される高周波信号を処理する信号処理回路と、を備え、
    前記高周波フロントエンド回路は、前記アンテナと前記信号処理回路との間で前記高周波信号を伝達する、
    通信装置。
JP2019564599A 2018-01-12 2018-12-19 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置 Active JP6950751B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003868 2018-01-12
JP2018003868 2018-01-12
PCT/JP2018/046699 WO2019138812A1 (ja) 2018-01-12 2018-12-19 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019138812A1 JPWO2019138812A1 (ja) 2020-12-17
JP6950751B2 true JP6950751B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=67218330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019564599A Active JP6950751B2 (ja) 2018-01-12 2018-12-19 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11496226B2 (ja)
JP (1) JP6950751B2 (ja)
CN (1) CN111602337B (ja)
WO (1) WO2019138812A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11835414B2 (en) * 2018-12-05 2023-12-05 Murata Manufacturing Co., Ltd. Passive pressure sensor with a piezoelectric diaphragm and a non-piezoelectric substrate
WO2021024762A1 (ja) * 2019-08-06 2021-02-11 株式会社村田製作所 弾性波フィルタ装置
JP7392734B2 (ja) * 2019-11-06 2023-12-06 株式会社村田製作所 弾性波装置
CN112054781B (zh) * 2020-09-11 2021-10-08 广东广纳芯科技有限公司 具有双层同向叉指换能器结构的高性能谐振器
CN112653421A (zh) * 2020-12-18 2021-04-13 广东广纳芯科技有限公司 一种高声速高频高性能的窄带滤波器
CN112600531A (zh) * 2020-12-18 2021-04-02 广东广纳芯科技有限公司 一种高频近零频率温度系数的窄带滤波器及制造方法
CN112787620A (zh) * 2021-01-13 2021-05-11 广东广纳芯科技有限公司 一种具有多层膜结构的声表面波谐振器及制造方法
CN116584041A (zh) * 2021-02-04 2023-08-11 株式会社村田制作所 弹性波装置
WO2022168796A1 (ja) * 2021-02-04 2022-08-11 株式会社村田製作所 弾性波装置
WO2022224470A1 (ja) * 2021-04-20 2022-10-27 株式会社村田製作所 共振子

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100614110B1 (ko) * 2004-03-23 2006-08-22 쌍신전자통신주식회사 저지대역 특성을 개선한 체적탄성파 여파기 모듈
JP4001157B2 (ja) 2005-07-22 2007-10-31 株式会社村田製作所 弾性境界波装置
JP2011087079A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Ngk Insulators Ltd 弾性表面波素子
CN102057571B (zh) * 2008-06-06 2014-03-19 松下电器产业株式会社 弹性波双工器
JP5093403B2 (ja) * 2009-04-22 2012-12-12 パナソニック株式会社 弾性波素子と、これを用いた電子機器
CN102422534B (zh) * 2009-05-14 2015-02-04 天工松下滤波方案日本有限公司 天线共用器
JP5136690B2 (ja) * 2009-05-15 2013-02-06 株式会社村田製作所 弾性境界波装置
CN102725959B (zh) * 2010-01-28 2016-05-25 株式会社村田制作所 可调谐滤波器
JP5713025B2 (ja) 2010-12-24 2015-05-07 株式会社村田製作所 弾性波装置及びその製造方法
JP5679558B2 (ja) 2011-01-19 2015-03-04 太陽誘電株式会社 分波器
CN106253877B (zh) * 2011-11-30 2019-03-08 天工滤波方案日本有限公司 梯型弹性波滤波器和天线共用器
WO2016013659A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 株式会社村田製作所 バンドパスフィルタおよびフィルタモジュール
WO2016208677A1 (ja) * 2015-06-24 2016-12-29 株式会社村田製作所 弾性波フィルタ、マルチプレクサ、デュプレクサ、高周波フロントエンド回路、および通信装置
JP6424962B2 (ja) 2015-06-24 2018-11-21 株式会社村田製作所 フィルタ装置
WO2017006742A1 (ja) * 2015-07-06 2017-01-12 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP6465047B2 (ja) 2016-02-19 2019-02-06 株式会社村田製作所 弾性波共振子、帯域通過型フィルタ及びデュプレクサ
JP7292100B2 (ja) * 2019-05-16 2023-06-16 NDK SAW devices株式会社 弾性表面波素子、フィルタ回路及び電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
US20200328823A1 (en) 2020-10-15
JPWO2019138812A1 (ja) 2020-12-17
CN111602337B (zh) 2023-09-12
CN111602337A (zh) 2020-08-28
US11496226B2 (en) 2022-11-08
WO2019138812A1 (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6950751B2 (ja) 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置
JP6954378B2 (ja) 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
JP6816834B2 (ja) 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置
JP6590069B2 (ja) マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
JP6683256B2 (ja) マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
KR102316353B1 (ko) 탄성파 장치, 필터, 고주파 프론트 엔드 회로 및 통신 장치
JP7004009B2 (ja) 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、及び通信装置
WO2018003296A1 (ja) マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
JP6773238B2 (ja) 弾性波フィルタ、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路および通信装置
JP6835038B2 (ja) 弾性波装置及び高周波フロントエンド回路
JP6733853B2 (ja) マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路および通信装置
WO2018235605A1 (ja) 弾性波装置、高周波フロントエンド回路および通信装置
WO2020184641A1 (ja) 弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサ
JP2019145895A (ja) 弾性波装置、マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
US20220123731A1 (en) Acoustic wave device, high-frequency front-end circuit, and communication device
JP7510416B2 (ja) 弾性波装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200702

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6950751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150