JP6792516B2 - 真空二重構造体及びその製造方法、並びにヘッドホン - Google Patents

真空二重構造体及びその製造方法、並びにヘッドホン Download PDF

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Description

本発明は、真空二重構造体及びその製造方法、並びにヘッドホンに関する。
従来より、一端が開口した有底筒状の外筐体及び内筐体を有し、外筐体の内側に内筐体を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、これら外筐体と内筐体との間に真空層が設けられた真空二重構造体がある。
このような真空二重構造体は、保温・保冷機能を有する真空断熱容器として利用されている。また、最近では、真空二重構造体を用いたエンクロージャーによって、外部に伝播する振動を抑制したスピーカー装置も開発されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2016−82243号公報
ところで、上述した従来の真空二重構造体は、外筐体の内側に内筐体を収容した状態で互いの開口端を溶接により接合した後に、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外筐体に設けられた脱気孔を封止することによって作製される。
また、一端が開口した真空二重構造体の場合は、外筐体の底壁中央部に脱気孔を設けるのが一般的である。これに対して、両端が開口した真空二重構造体の場合は、外筐体の周壁に脱気孔を設ける必要がある。この場合、外筐体と内筐体との間に設けられた真空層の厚みが脱気孔が設けられた位置にて不均一なものとなる。また、外筐体の機械的強度も低下することになる。さらに、脱気孔をプレス加工する必要がある。
さらに、両端が開口した真空二重構造体の小型化及び軽量化を図るためには、外筐体及び内筐体の板厚を薄くするだけでなく、これら外筐体と内筐体との間に設けられた真空層の厚み(間隔)も小さくする必要がある。このため、上述した外筐体の周壁に脱気孔を設けた場合は、この真空二重構造体の小型化及び軽量化を図ることが非常に困難となってしまう。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、小型化及び軽量化が可能な真空二重構造体及びその製造方法、並びにそのような真空二重構造体を用いたヘッドホンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 両端が開口した金属製の外筐体及び内筐体を有し、前記外筐体の内側に前記内筐体を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、前記外筐体と前記内筐体との間に真空層が設けられた真空二重構造体であって、
前記外筐体と前記内筐体との一方の開口端側が溶接により接合された一方の接合端部と、
前記外筐体と前記内筐体との他方の開口端側が前記外筐体と前記内筐体との間に隙間を残して溶接により接合されると共に、前記隙間がろう付けにより封止された他方の接合端部とを有することを特徴とする真空二重構造体。
〔2〕 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁とが径方向に重なると共に、その径方向の一部に隙間を設けて配置され、
前記他方の接合端部において、互いの開口端が前記隙間を残して溶接により接合されると共に、前記隙間に浸透したろう材により前記隙間が封止されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の真空二重構造体。
〔3〕 前記隙間は、前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を外周側に向けて凹ませた凹部によって形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の真空二重構造体。
〔4〕 前記隙間は、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を内周側に向けて凹ませた凹部によって形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の真空二重構造体。
〔5〕 前記隙間は、前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁に対して、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁を径方向に偏心させることによって形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の真空二重構造体。
〔6〕 前記外筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁とが径方向に重なるように配置され、
前記一方の接合端部において、互いの開口端が溶接により接合されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕の何れか一項に記載の真空二重構造体。
〔7〕 電気信号を振動に変換して音響を発するスピーカーユニットと、前記スピーカーユニットの背面側に配置されたハウジングとを含む左右一対又は左右何れか一方のヘッドホン本体を備え、
前記ハウジングは、前記〔1〕〜〔6〕の何れか一項に記載の真空二重構造体であることを特徴とするヘッドホン。
〔8〕 両端が開口した金属製の外筐体及び内筐体を有し、前記外筐体の内側に前記内筐体を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、前記外筐体と前記内筐体との間に真空層が設けられた真空二重構造体の製造方法であって、
前記外筐体と前記内筐体との一方の開口端側を溶接により接合し、前記外筐体と前記内筐体との他方の開口端側を前記外筐体と前記内筐体との間に隙間を残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、前記隙間をろう付けにより封止することを特徴とする真空二重構造体の製造方法。
〔9〕 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁とを径方向に重ねると共に、その径方向の一部に隙間を設けて配置し、前記隙間を残して互いの開口端を溶接により接合した後に、
前記他方の開口端側を下方又は上方に向けた状態で、前記チャンバー内を高真空に減圧した後に、加熱することによって溶融したろう材を前記隙間に浸透させることによって、前記隙間をろう付けにより封止することを特徴とする前記〔8〕に記載の真空二重構造体の製造方法。
〔10〕 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を外周側に向けて凹ませた凹部によって、前記隙間を形成することを特徴とする前記〔9〕に記載の真空二重構造体の製造方法。
〔11〕 前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を内周側に向けて凹ませた凹部によって、前記隙間を形成することを特徴とする前記〔9〕に記載の真空二重構造体の製造方法。
〔12〕 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁との何れか一方を径方向に偏心させることによって、前記隙間を形成することを特徴とする前記〔9〕に記載の真空二重構造体の製造方法。
〔13〕 前記外筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁とを径方向に重なるように配置し、
この状態で、互いの開口端を溶接により接合することを特徴とする前記〔8〕〜〔12〕に記載の真空二重構造体の製造方法。
以上のように、本発明によれば、小型化及び軽量化が可能な真空二重構造体及びその製造方法、並びにそのような真空二重構造体を用いたヘッドホンを提供することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 図1に示す真空二重構造体の製造工程を説明するための図であり、隙間Sをろう付けにより封止する状態を示す断面図である。 図1に示す真空二重構造体の別の製造工程を説明するための図であり、隙間Sをろう付けにより封止する状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 本発明の第4の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 本発明の第5の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 本発明の第6の実施形態に係る真空二重構造体の構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。 本発明の第7の実施形態に係るヘッドホンが備えるヘッドホン本体の外観を示す斜視図である。 図9に示すヘッドホン本体の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Aについて説明する。なお、図1は、真空二重構造体1Aの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。
本実施形態の真空二重構造体1Aは、図1(A)〜(D)に示すように、両端が開口した金属製の外筐体2及び内筐体3を有し、外筐体2の内側に内筐体3を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、外筐体2と内筐体3との間に真空層4が設けられた真空二重構造を有している。
外筐体2及び内筐体3には、例えばステンレスやチタンなどの金属を用いることができる。また、真空二重構造が得られる材質のものあればよく、それ以外の金属等を用いることも可能である。
真空二重構造体1Aは、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側が溶接により接合された一方の接合端部5と、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側が外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合されると共に、隙間Sがろう付けにより封止された他方の接合端部6とを有している。
真空二重構造体1Aは、真空層4を挟んで外筐体2と内筐体3とが径方向において対向するラジアルギャップ部7を有している。ラジアルギャップ部7は、一方の接合端部5と他方の接合端部6との間で軸線方向に延長して設けられている。
真空二重構造体1Aでは、一方の接合端部5により円形状に形成された一方の開口部5aの径が、他方の接合端部6により円形状に形成された他方の開口部6aの径よりも大きくなっている。このため、外筐体2のラジアルギャップ部7を形成する周壁2aは、円筒状に形成された部分から他方の接合端部6に向かって漸次縮径されたテーパー部を有している。一方、内筐体3のラジアルギャップ部7を形成する周壁3aは、円筒状に形成された部分から一方の接合端部5に向かって漸次拡径されたテーパー部を有している。
真空二重構造体1Aでは、外筐体2の一方の接合端部5を形成する円筒状の周壁2bと、内筐体3の一方の接合端部5を形成する円筒状の周壁3bとが径方向に重なるように配置されている。そして、一方の接合端部5において、互いの周壁2b,3bの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)が溶接により接合されている。(以下、このような溶接により接合された部分(図中のWで示す部分)を「一方の溶接接合部」と言う。)
真空二重構造体1Aでは、外筐体2の他方の接合端部6を形成する円筒状の周壁2cと、内筐体3の他方の接合端部6を形成する円筒状の周壁3cとが径方向に重なると共に、その径方向の一部に隙間Sを設けて配置されている。隙間Sは、内筐体3の周壁3a,3cの一部を内周側に向けて凹ませた凹部3dによって形成されている。
そして、他方の接合端部6において、互いの周壁2c,3cの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)が隙間Sを残して溶接により接合されている。(以下、このような溶接により接合された部分(図中のWで示す部分)を「他方の溶接接合部」と言う。)また、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側から隙間Sに浸透したろう材Bにより隙間Sが封止されている。(以下、このようなろう付けにより封止された部分(図中のBで示す部分)を「ろう付け封止部」と言う。)
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Aでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Aの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Aでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Aの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
次に、上記真空二重構造体1Aの製造方法について図2を参照しながら説明する。なお、図2は、真空二重構造体1Aの製造工程を説明するための図であり、隙間Sをろう付けにより封止する状態を示す断面図である。
本実施形態の真空二重構造体1Aの製造方法は、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止することを特徴とする。
具体的には、先ず、図2に示すように、外筐体2の一方の接合端部5を形成する周壁2bと、内筐体3の一方の接合端部5を形成する周壁3bとを径方向に重なるように配置する。そして、この状態で、互いの周壁2b,3bの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)を溶接により全周に亘って接合する。溶接には、例えばレーザー溶接を好適に用いることができるが、それ以外の溶接方法を用いることも可能である。
また、この状態では、外筐体2の他方の接合端部6を形成する周壁2cと、内筐体3の他方の接合端部6を形成する周壁3cとが径方向に重なると共に、その径方向の一部に隙間Sを設けて配置されている。そして、この状態で、互いの周壁2c,3cの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)を隙間Sを残して溶接により接合する。
さらに、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側には、ろう材Bを予め配置しておく。ろう材Bは、外筐体2と内筐体3との何れかの対向する面に配置すればよい。
ろう材Bについては、特に限定されるものでなく、例えば金属ろう材やガラスろう材など、従来より公知のものを使用することが可能である。一方、ペースト状のろう材を用いた場合には、固体状のろう材を用いた場合よりも配置し易くなる。これにより、後述する加熱時において、溶融したろう材Bを隙間Sに的確に浸透させることが可能である。
次に、他方の開口端側を下方に向けた状態で、隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Aをチャンバー内に設置する。その後、チャンバー内を高真空に減圧(真空引き)する。これにより、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との間が隙間Sを通して脱気された状態となる。
次に、隙間Sをろう付けにより封止する。具体的には、このチャンバー内で、真空二重構造体1Aを加熱する。これにより、溶融したろう材Bが他方の開口端側へと流れ込み、毛細現象により隙間Sに浸透することになる。そして、加熱終了後は、硬化したろう材Bにより隙間Sが封止された状態となる。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Aを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Aをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Aを一括して製造することが可能である。
なお、本実施形態では、上述した内筐体3の周壁3a,3cの一部を内周側に向けて凹ませた凹部3dによって隙間Sが形成された構成となっているが、この凹部3dの代わりに、外筐体2の周壁2cの一部を外周側に向けて凹ませた凹部によって隙間Sを形成することも可能である。
また、本実施形態では、上述したラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側にろう材Bを配置し、他方の開口端側を下方に向けた状態で、チャンバー内を高真空に減圧した後に、加熱することによって溶融したろう材Bにより隙間Sを封止する方法を例示している。
一方、本実施形態では、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との外側にろう材Bを配置し、他方の開口端側を上方に向けた状態で、チャンバー内を高真空に減圧した後に、加熱することによって溶融したろう材Bにより隙間Sを封止することも可能である。
この場合、例えば、図3に示すように、他方の開口端に対向してろう受部材8を配置する。また、ろう受部材8の内側にろう材Bを予め配置しておく。ろう受部材8は、例えば銅箔などのシム状(箔状)の金属プレートからなる。ろう受部材8は、加熱時に溶融したろう材Bが溜まるように、隙間Sと対向する部分を挟んで外周側及び内周側に折り返された形状を有している。
そして、他方の開口端側を下方に向けた状態で、隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Aをチャンバー内に設置した後、チャンバー内を高真空に減圧(真空引き)する。その後、このチャンバー内で、真空二重構造体1Aを加熱する。
これにより、溶融したろう材Bがろう受部材8の内側に溜まった状態で、毛細現象により隙間Sに浸透することになる。そして、加熱終了後は、硬化したろう材Bにより隙間Sが封止された状態となる。
また、隙間Sの封止後は、ろう材Bにより貼り付けられたろう受部材8を除去する。なお、ろう受部材8については、隙間Sの封止後に完全に除去する必要はなく、その一部が隙間Sと対向してろう材Sにより貼り付けられた構成としてもよい。さらに、隙間Sの封止後に、ろう受部材8の不要な部分を必ずしも除去する必要はなく、このような工程を省略することも可能である。
また、隙間Sを封止する際は、上述した他方の開口端側を下方に向けた状態で、この他方の開口端に対向してろう受部材8を配置する方法に限らず、他方の開口端側を上方に向けた状態で、隙間Sに対向してろう受部材8を配置することも可能である。この場合、ろう受部材8の隙間Sと対向する部分に孔部を設けて、ろう受部材8内で溶融したろう材Bが孔部を通して隙間Sに浸透するようにすればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図4(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Bについて説明する。なお、図4は、真空二重構造体1Bの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。また、以下の説明では、上記真空二重構造体1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の真空二重構造体1Bは、図4(A)〜(D)に示すように、上記凹部3dの代わりに、外筐体2の周壁2cの一部を外周側に向けて凹ませた凹部2dによって隙間Sが形成されている以外は、上記真空二重構造体1Aと基本的に同じ構成を有している。
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Bでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Bの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Bでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Bの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
本実施形態の真空二重構造体1Bを製造する際は、上記真空二重構造体1Aを製造する場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止すればよい。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Bを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Bをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Bを一括して製造することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図5(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Cについて説明する。なお、図5は、真空二重構造体1Cの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。また、以下の説明では、上記真空二重構造体1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の真空二重構造体1Cは、図5(A)〜(D)に示すように、一方の接合端部5により円形状に形成された一方の開口部5aの径が、他方の接合端部6により円形状に形成された他方の開口部6aの径よりも小さくなっている以外は、上記真空二重構造体1Aと基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この真空二重構造体1Cでは、外筐体2のラジアルギャップ部7を形成する周壁2aは、円筒状に形成された部分から一方の接合端部5に向かって漸次縮径されたテーパー部を有している。一方、内筐体3のラジアルギャップ部7を形成する周壁3aは、円筒状に形成された部分から他方の接合端部6に向かって漸次拡径されたテーパー部を有している。
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Cでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Cの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Cでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Cの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
本実施形態の真空二重構造体1Cを製造する際は、上記真空二重構造体1Aを製造する場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止すればよい。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Cを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Cをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Cを一括して製造することが可能である。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図6(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Dについて説明する。なお、図6は、真空二重構造体1Dの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。また、以下の説明では、上記真空二重構造体1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の真空二重構造体1Dは、図6(A)〜(D)に示すように、一方の接合端部5により円形状に形成された一方の開口部5aの径が、他方の接合端部6により円形状に形成された他方の開口部6aの径よりも小さくなっている。また、他方の接合端部6の構成が異なる以外は、上記真空二重構造体1Aと基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この真空二重構造体1Dでは、外筐体2のラジアルギャップ部7を形成する周壁2aは、円筒状に形成された部分から一方の接合端部5に向かって漸次縮径されたテーパー部を有している。一方、内筐体3のラジアルギャップ部7を形成する周壁3aは、円筒状に形成された部分から他方の接合端部6に向かって漸次拡径されたテーパー部を有している。
また、真空二重構造体1Dでは、上記凹部3dの代わりに、外筐体2の周壁2a,2cの一部を外周側に向けて凹ませた凹部2dによって隙間Sが形成されている。そして、他方の接合端部6において、互いの周壁2c,3cの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)が隙間Sを残して溶接により接合されている。また、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側から隙間Sに浸透したろう材Bにより隙間Sが封止されている。
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Dでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Dの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Dでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Dの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
本実施形態の真空二重構造体1Dを製造する際は、上記真空二重構造体1Aを製造する場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止すればよい。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Dを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Dをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Dを一括して製造することが可能である。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、例えば図7(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Eについて説明する。なお、図7は、真空二重構造体1Eの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。また、以下の説明では、上記真空二重構造体1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の真空二重構造体1Eは、図7(A)〜(D)に示すように、他方の接合端部6の構成が異なる以外は、上記真空二重構造体1Aと基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この真空二重構造体1Eでは、上記凹部3dの代わりに、外筐体2の他方の接合端部6を形成する周壁2cに対して、内筐体3の他方の接合端部6を形成する周壁3cを径方向に偏心させることによって隙間Sが形成されている。すなわち、この真空二重構造体1Eでは、内筐体3の中心軸に対して他方の接合端部6を形成する周壁3cが径方向に偏心された構成となっている。
そして、他方の接合端部6において、互いの周壁2c,3cの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)が隙間Sを残して溶接により接合されている。また、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側から隙間Sに浸透したろう材Bにより隙間Sが封止されている。
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Eでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Eの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Eでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Eの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
本実施形態の真空二重構造体1Eを製造する際は、上記真空二重構造体1Aを製造する場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止すればよい。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Eを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Eをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Eを一括して製造することが可能である。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態として、例えば図8(A)〜(D)に示す真空二重構造体1Fについて説明する。なお、図8は、真空二重構造体1Fの構成を示し、(A)はその断面図、(B)はその側面図、(C)はその一端側から見た正面図、(D)はその他端側から見た正面図である。また、以下の説明では、上記真空二重構造体1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の真空二重構造体1Fは、図8(A)〜(D)に示すように、他方の接合端部6の構成が異なる以外は、上記真空二重構造体1Aと基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この真空二重構造体1Fでは、上記凹部3dの代わりに、内筐体3の他方の接合端部6を形成する周壁3cに対して、外筐体2の他方の接合端部6を形成する周壁2cを径方向に偏心させることによって隙間Sが形成されている。すなわち、この真空二重構造体1Fでは、外筐体2の中心軸に対して他方の接合端部6を形成する周壁2cが径方向に偏心された構成となっている。
そして、他方の接合端部6において、互いの周壁2c,3cの先端(外筐体2及び内筐体3の開口端)が隙間Sを残して溶接により接合されている。また、ラジアルギャップ部7を形成する外筐体2と内筐体3との内側から隙間Sに浸透したろう材Bにより隙間Sが封止されている。
以上のような構造を有する本実施形態の真空二重構造体1Fでは、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設けたり、この脱気孔をプレス加工したりする必要がなく、ラジアルギャップ部7を形成する真空層4の厚みを周方向において均一とすることが可能である。これにより、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外筐体2及び内筐体3に対して常に張力が加わった状態となり、これら外筐体2及び内筐体3の機械的強度が増すことになる。したがって、この真空二重構造体1Fの剛性を高めることが可能である。
さらに、本実施形態の真空二重構造体1Fでは、外筐体2及び内筐体3の板厚を薄くすることができ、これら外筐体2と内筐体3との間に設けられた真空層4の厚み(間隔)も小さくすることが可能である。したがって、この真空二重構造体1Fの小型化及び軽量化を図ることが可能である。
本実施形態の真空二重構造体1Fを製造する際は、上記真空二重構造体1Aを製造する場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、外筐体2と内筐体3との一方の開口端側を溶接により接合し、外筐体2と内筐体3との他方の開口端側を外筐体2と内筐体3との間に隙間Sを残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、隙間Sをろう付けにより封止すればよい。
以上のように、従来のような脱気孔を外筐体2の周壁2aに設け、この脱気孔をプレス加工するといった工程を行う必要がなく、上述した簡便な工程を経ることによって、本実施形態の真空二重構造体1Fを歩留まり良く製造することが可能である。また、上述した隙間Sが封止される前の真空二重構造体1Fをチャンバー内に複数設置することで、複数の真空二重構造体1Fを一括して製造することが可能である。
なお、上記真空二重構造体1E,1Fのように、外筐体2の他方の接合端部6を形成する周壁2cと、内筐体3の他方の接合端部6を形成する周壁3cとの何れか一方を径方向に偏心させる場合は、円筒状の周壁2c,3cに限らず、偏心させる側に偏った異形の円筒形状としてもよい。これにより、他方の接合端部6において、ろう付け封止部Bよりも溶接接合部Wを大きく確保することが可能である。
また、上記真空二重構造体1E,1Fでは、一方の開口部5aの径が他方の開口部6aの径よりも大きくなっている構成を例示しているが、一方の開口部5aの径が他方の開口部6aの径よりも小さくなっている構成であってもよい。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、例えば図9及び図10に示すヘッドホン10が備えるヘッドホン本体11について説明する。なお、図9は、ヘッドホン10が備えるヘッドホン本体11の外観を示す斜視図である。図10は、ヘッドホン本体11の構成を示す断面図である。
本実施形態のヘッドホン10は、図9及び図10に示すように、カナル型のヘッドホン(イヤホン)であり、左右一対のヘッドホン本体11を概略備えている。なお、一対のヘッドホン本体11は、左右対称な構造となる以外は互いに同じ構造を有している。したがって、以下の説明で特に断りがない限りは、図6及び図7に示す一方のヘッドホン本体11を例に挙げて説明するものとする。
ヘッドホン本体11は、スピーカーユニット12と、スピーカーユニット12の背面側に配置されたハウジング13と、スピーカーユニット12の前面側に配置されたイヤーピース14と、ハウジング13の背面側に配置された本体ケース15とを有している。
スピーカーユニット12は、電気信号を振動に変換して音響を発するものであり、その駆動方式等について特に限定されるものではない。一般に、スピーカーユニット12は、磁気回路と、磁気回路の磁気ギャップ中で移動自在とされたボイスコイルと、ボイスコイルに取り付けられた振動板と、磁気回路及び振動板を支持するフレームとを含むスピーカー本体SPを有して、ボイスコイルに電気信号を供給し、この電気信号に応じて振動板を振動させることによって、音響を発することが可能となっている。
イヤーピース14は、例えばシリコーンゴム等の弾性部材からなり、耳穴(外耳道)に差し込むことによって、ヘッドホン本体11を装着可能とするものである。イヤーピース14には、軸線方向に貫通する放音孔14aが設けられている。イヤーピース14は、スピーカーユニット12(スピーカー本体SP)の先端を放音孔14aに差し込むことによって、スピーカーユニット12に取り付けられている。
ヘッドホン本体11では、ハウジング13として、上記真空二重構造体1Aが用いられている。ヘッドホン本体11では、上記真空二重構造体1Aをハウジング13として用いることで、このハウジング13の剛性を高めることが可能である。また、ハウジング13の小型化及び軽量化を図ることが可能である。
スピーカーユニット12は、その背面側をハウジング13の内側に向けた状態で、ハウジング13の前面側の開口部(一方の開口部5a)を閉塞した状態で配置されている。
具体的に、このスピーカーユニット12は、内筐体3の内側に嵌め込まれた状態で、内筐体3の一方の接合端部5及びラジアルギャップ部7を形成する面に、その外周面の一部を全周に亘って接触させた状態で取り付けられている。これにより、ヘッドホン本体11は、外筐体2を外部に露出した状態で、スピーカーユニット12を一体に保持している。
また、ヘッドホン本体11は、ハウジング13の背面側の開口部(他方の開口部6a)を閉塞した状態で、本体ケース15が取り付けられている。具体的に、ハウジング13の背面側の接合端部(他方の接合端部6)は、本体ケース15の前面に設けられた嵌合凹部15aの内側に嵌め合わされている。
以上のような構成を有する本実施形態のヘッドホン10では、上記真空二重構造体1Aをハウジング13として用いることによって、このハウジング13の剛性を高めることが可能である。これにより、スピーカーユニット12からハウジング13へと伝わる不要な振動を抑制しながら、音響再現性に優れたヘッドホン10を得ることが可能である。
また、本実施形態のヘッドホン10では、スピーカーユニット12の背面側から放出される音響によってハウジング13の内筐体3が振動しても、真空層4によって内筐体3から外筐体2への振動の伝播が阻止される。これにより、ハウジング13を介して外部に伝播する振動を更に抑制することが可能である。
また、本実施形態のヘッドホン10では、内筐体3の一方の接合端部5及びラジアルギャップ部7を形成する面にスピーカーユニット12の一部を接触させた状態で、スピーカーユニット12がハウジング13に取り付けられている。これにより、簡便な構造でありながら、スピーカーユニット12からの不要な振動がハウジング13へと伝わることを防止することが可能である。また、ハウジング13に対するスピーカーユニット12の取り付けも容易であり、部品点数及び組み立工数の削減が可能である。
なお、本実施形態のヘッドホン10については、ヘッドホン本体11と電気的に接続されたヘッドホンケーブル(図示せず。)を介して、例えば音響機器やパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器等と接続することによって、これらの機器で再生された音楽等を聴くことが可能である。また、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線規格に準じた無線通信機能を付加することによって、この無線通信機能を有した機器等で再生された音楽等をワイヤレスで聴く構成とすることも可能である。
また、ヘッドホンの形態としては、上述したカナル型のヘッドホン(イヤホン)10以外にも、例えば、一対のヘッドホン本体がヘッドバンドを介して連結されたオーバーヘッド型のヘッドホンや、ヘッドホン本体に取り付けられたクリップを耳輪に引っ掛けることにより装着可能な耳掛け型のヘッドホン、首の後ろ側から一対のヘッドホン本体をネックバンドを介して連結したネックバンド型のヘッドホン、耳珠に引っ掛けることにより装着可能なインナーイヤー型のヘッドホン(イヤホン)などを挙げることができる。
また、左右何れか一方のヘッドホン本体のみを備えた片耳型のヘッドホンであってもよい。さらに、ヘッドセットのように、左右何れか一方のヘッドホン本体とマイクとを組み合わせた構成としてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、真空二重構造体の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。
また、上記実施形態では、ヘッドホンのハウジングに真空二重構造体を適用した場合を例示しているが、真空二重構造体の用途については特に限定されるものではなく、このような真空二重構造体が適用可能なものに対して幅広く利用することが可能である。
1A〜1F…真空二重筐体 2…外筐体 2a,2b,2c…周壁 2d…凹部 3…内筐体 3a,3b,3c…周壁 3d…凹部 4…真空層 5…一方の接合端部 5a…一方の開口部 6…他方の接合端部 6a…他方の開口部 7…ラジアルギャップ部 8…ろう受部材 10…ヘッドホン 11…ヘッドホン本体 12…スピーカーユニット 13…ハウジング 14…イヤーピース 15…本体ケース S…隙間 B…ろう材(ろう付け封止部) W…溶接接合部

Claims (13)

  1. 両端が開口した金属製の外筐体及び内筐体を有し、前記外筐体の内側に前記内筐体を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、前記外筐体と前記内筐体との間に真空層が設けられた真空二重構造体であって、
    前記外筐体と前記内筐体との一方の開口端側が溶接により接合された一方の接合端部と、
    前記外筐体と前記内筐体との他方の開口端側が前記外筐体と前記内筐体との間に隙間を残して溶接により接合されると共に、前記隙間がろう付けにより封止された他方の接合端部とを有することを特徴とする真空二重構造体。
  2. 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁とが径方向に重なると共に、その径方向の一部に隙間を設けて配置され、
    前記他方の接合端部において、互いの開口端が前記隙間を残して溶接により接合されると共に、前記隙間に浸透したろう材により前記隙間が封止されていることを特徴とする請求項1に記載の真空二重構造体。
  3. 前記隙間は、前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を外周側に向けて凹ませた凹部によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の真空二重構造体。
  4. 前記隙間は、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を内周側に向けて凹ませた凹部によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の真空二重構造体。
  5. 前記隙間は、前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁に対して、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁を径方向に偏心させることによって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の真空二重構造体。
  6. 前記外筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁とが径方向に重なるように配置され、
    前記一方の接合端部において、互いの開口端が溶接により接合されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の真空二重構造体。
  7. 電気信号を振動に変換して音響を発するスピーカーユニットと、前記スピーカーユニットの背面側に配置されたハウジングとを含む左右一対又は左右何れか一方のヘッドホン本体を備え、
    前記ハウジングは、請求項1〜6の何れか一項に記載の真空二重構造体であることを特徴とするヘッドホン。
  8. 両端が開口した金属製の外筐体及び内筐体を有し、前記外筐体の内側に前記内筐体を収容した状態で互いの開口端が接合されると共に、前記外筐体と前記内筐体との間に真空層が設けられた真空二重構造体の製造方法であって、
    前記外筐体と前記内筐体との一方の開口端側を溶接により接合し、前記外筐体と前記内筐体との他方の開口端側を前記外筐体と前記内筐体との間に隙間を残して溶接により接合した後に、高真空に減圧されたチャンバー内で、前記隙間をろう付けにより封止することを特徴とする真空二重構造体の製造方法。
  9. 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する円筒状の周壁とを径方向に重ねると共に、その径方向の一部に隙間を設けて配置し、前記隙間を残して互いの開口端を溶接により接合した後に、
    前記他方の開口端側を下方又は上方に向けた状態で、前記チャンバー内を高真空に減圧した後に、加熱することによって溶融したろう材を前記隙間に浸透させることによって、前記隙間をろう付けにより封止することを特徴とする請求項8に記載の真空二重構造体の製造方法。
  10. 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を外周側に向けて凹ませた凹部によって、前記隙間を形成することを特徴とする請求項9に記載の真空二重構造体の製造方法。
  11. 前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁の一部を内周側に向けて凹ませた凹部によって、前記隙間を形成することを特徴とする請求項9に記載の真空二重構造体の製造方法。
  12. 前記外筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁と、前記内筐体の前記他方の接合端部を形成する周壁との何れか一方を径方向に偏心させることによって、前記隙間を形成することを特徴とする請求項9に記載の真空二重構造体の製造方法。
  13. 前記外筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁と、前記内筐体の前記一方の接合端部を形成する円筒状の周壁とを径方向に重なるように配置し、
    この状態で、互いの開口端を溶接により接合することを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の真空二重構造体の製造方法。
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