JP2015039127A - イヤホン - Google Patents

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Abstract

【課題】イヤホンにおいて、低音領域を広げながら小型化を図ることである。
【解決手段】イヤホンのイヤホン本体14は、振動板の前方及び背面に音波を放射するドライバ20と、ドライバ20の背面側にキャビティ31空間を規定し、且つ前方に放射された音波22をユーザーの外耳道側に導くための第1音孔40と背面に放射された音波24を外耳道側に導くための第2音孔42とを有するケース30とを備え、ケース30は、第2音孔42に連通するダクト36と、ダクト36の内部に配置される第1の音響抵抗部材50と、ダクト36のケース内部側開口部を覆う第2の音響抵抗部材52とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザーの耳に装着されるイヤホンに関する。
オーディオ信号を音声・音波に変換して再生するイヤホンは、ユーザーの耳に装着されることによって用いられる。イヤホンは小型なものであるので、音声再生周波数帯域を十分に広げることがなかなか難しい。
特許文献1には、ヘッドホンとして、リスナーの外耳に併置されるヘッドホン支持体に、低周波再生のための第1のトランスデューサと高周波再生のための第2のトランスデューサを含む構成が開示されている。ここでは、第2のトランスデューサは、耳道入口に設けられる多孔質イヤピースを通して音の伝達を行い、第1のトランスデューサは、多孔質イヤピースの中を通る管を通して音の伝達を行っている。
特許文献2には、イヤースピーカ装置の左右の電気音響変換部がそれぞれ筐体部とスピーカユニットと管状ダクトを有し、管状ダクトは、筐体内部空間からユーザーの外耳同入口付近まで延長されると共に筐体部に戻るU字形状に形成される構成が開示されている。ここでは、管状ダクトの内部に抵抗部材を設け、その手前に孔部を設けることで、スピーカユニットから放射される音のうち低音をユーザーの外耳道入口近傍まで到達させることができると述べられている。
特許文献3には、イヤーマフとして、イヤーカップの開口部にバッフルが固定され、バッフルの全面側に通気性クッション材を介してイヤーパッドが係止される構成が開示され、通気性クッション材は内部に空気層を有しているので、この空気層の容積も、バッフルの前面側の前気室の容積とすることができると述べられている。さらに、第3実施例では、イヤーカップの内部空間である後気室とバッフルの前面側の前気室を音響的に連通する連通孔が設けられ、この連通孔の後気室側に音響抵抗部材を貼り付ける構成が述べられている。
特許第4184283号 特開2009−260556号公報 特開2011−15338号公報
イヤホンにおいて、音波の波長が長くて低い周波数に音声再生帯域を広げるには、例えば、音響管(ダクト)を長くすることが行われるが、大型化するという問題がある。
本発明の目的は、低い周波数に音声再生帯域を広げながら小型化を図れるイヤホンを提供することである。
本発明に係るイヤホンは、振動板の前方及び背面に音波を放射するドライバと、ドライバの背面側にキャビティ空間を規定し、且つ前方に放射された音波をユーザーの外耳道側に導くための第1音孔と背面に放射された音波を外耳道側に導くための第2音孔とを有するケースと、を備え、ケースは、第2音孔に連通するダクトと、ダクトの内部に配置される第1の音響抵抗部材と、ダクトのケース内部側開口部を覆う第2の音響抵抗部材と、を有する。
本発明に係るイヤホンにおいて、第1の音響抵抗部材の単位空気体積当たりの充填質量は、第2の音響抵抗部材の単位空気体積当たりの充填質量よりも大きい。
本発明に係るイヤホンにおいて、第1の音響抵抗部材と第2の音響抵抗部材は、ケース内部側開口部で互いに隙間なく接触する。
本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、ケースから突出する外耳道挿入形状を有する。
本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、外耳道の一部を塞ぐ大きさであり、ダクトで塞がれない外耳道の部分に第1音孔からの音波が導かれる。
本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、ケースから突出する外耳道挿入形状に、ダクトで塞がれない外耳道の部分を規定する溝部を有する。
本発明に係るイヤホンは、ドライバの背面に放射された音波を、ダクトの内部に配置される第1の音響抵抗部材とダクトのケース内部側開口部を覆う第2の音響抵抗部材を介して外耳道に導くと、第1の音響抵抗部材のみを用いる場合よりも音声再生帯域が低音側で広がり、あるいは、第2の音響抵抗部材のみを用いる場合よりも音声再生帯域が低音側で広がることを見出したことに基づくものである。つまり、音響抵抗部材を配置する長さが同じでも、第1の音響抵抗部材と第2の音響抵抗部材とを組み合わせることで、音声再生帯域がより低音側で広がる。したがって、上記構成により、低い周波数に音声再生帯域を広げながら小型化を図ることができる。
また、本発明に係るイヤホンにおいて、外耳道側のダクトに配置される第1の音響抵抗部材の単位空気体積当たりの充填質量を、キャビティ側に配置される第2の音響抵抗部材の単位空気体積当たりの充填質量よりも大きくすることで、音声再生帯域がより低音側で広がる。したがって、そのような構成とすることで、音声再生帯域を広げながら小型化を図ることができる。
また、本発明に係るイヤホンにおいて、第1の音響抵抗部材と第2の音響抵抗部材は、ケース内部側開口部で互いに隙間なく接触することで、音声再生帯域がより低音側で広がるとともに、中高音の再生レベルも高くできる。したがって、そのような構成を取ることで、音声再生帯域を広げながら小型化を図ることができる。
また、本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、ケースから突出する外耳道挿入形状を有する。したがって、ユーザーの耳にしっかりとイヤホンが併置できる。
また、本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、外耳道の一部を塞ぐ大きさであり、ダクトで塞がれない外耳道の部分に第1音孔からの音波が導かれるので、音声再生帯域を低音から高音まで広げながら、小型化を図ることができる。
また、本発明に係るイヤホンにおいて、ダクトは、ケースから突出する外耳道挿入形状に、ダクトで塞がれない外耳道の部分を規定する溝部を有する。この溝部が外耳道にダクトで塞がれない部分を規定し、ここに第1音孔からの音波が導かれて、音声再生帯域を低音から高音まで広げながら、小型化を図ることができる。
本発明に係る実施の形態のイヤホンをユーザーの耳に装着される様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態のイヤホン本体の断面図である。 本発明に係る実施の形態のイヤホン本体からハウジングを外した状態を示す図である。(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は底面図である。 イヤホンの音圧周波数特性について、本発明に係る実施の形態の特性と、比較例1,2,3の特性とを示す図である。 イヤホンの音圧周波数特性について、本発明に係る実施の形態の特性と、比較例1,4,5の特性とを示す図である。 イヤホンのドライバの前方方向と背面方向とにそれぞれ放射する音波の位相差の周波数特性について、本発明に係る実施の形態の特性と、比較例1,2,3の特性とを示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下で述べる寸法、形状、材質等は説明のための例示であって、イヤホンの仕様に応じ適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、イヤホン10について、ユーザーの耳に装着される様子を示す図である。ここでは、イヤホン10の構成要素ではないが、(R)として示したユーザーの右耳4と、(L)として示した左耳6と、それぞれの外耳道8を図示した。イヤホン10は、右耳4用の右イヤホン本体12と、左耳6用の左イヤホン本体14と、それぞれに接続されるケーブル16と、図示されていないオーディオ機器等に接続されるジャック部18とを含んで構成される。図1では、右イヤホン本体12を右耳4に装着した状態が示され、左イヤホン本体14は左耳6に装着される前の状態を示している。
右イヤホン本体12と左イヤホン本体14は、互いに左右対称形であることを除けば、構成要素等は同一であるので、以下では、左イヤホン本体14について説明する。なお、以下では、左イヤホン本体14を単にイヤホン本体14と呼ぶ。イヤホン本体14は、バッフル32とハウジング34とバッフル32から突き出すダクト36が一体となってケース30を形成する。イヤホン本体14は、クッション38を左耳6に押し当てながら、左耳6の外耳道8を囲む耳珠7と対珠9と呼ばれる張出部を利用してバッフル32とハウジング34を保持し、外耳道8にダクト36を挿入して、左耳6への装着が行われる。
イヤホン本体14の構造について、図2、図3を用いてさらに詳細に説明する。図2は、イヤホン本体14の断面図である。図3は、イヤホン本体14からハウジング34を取り外したときを示す図で、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は底面図である。
ケース30は、平面形状が楕円形状に近いバッフル32を底面側の部材とし、外形の断面形状が略三角形で内部が中空のハウジング34をバッフル32の上面側に配置する部材とし、バッフル32の上面側の外縁部と、ハウジング34の底面側の外縁部とを組み合わせて一体化した外形を有する。バッフル32には、ダクト36が突出して設けられる。バッフル32の上面とドライバ20とハウジング34の内壁面とによって内部空間であるキャビティ31が形成される。
ケース30の内部空間であるキャビティ31に配置されるドライバ20は、電気信号によって振動する振動板を有する発音体である。振動板は、バッフル32の面に略平行に配置される。したがって、振動板が振動することで、振動板の前方の空気が振動して前方に音波を放射し、背面の空気も振動して背面に音波を放射する。ハウジング34には、ドライバ20からのケーブル16を外部に引き出すための引出穴が設けられる。
ケース30を構成するバッフル32は、一方側の面にドライバ20が配置され、外縁部にハウジング34の外縁部が組み合わされる楕円形の板状部材である。楕円形の大きさは、左耳6の耳珠と対珠の間の間隔等に基づいて設定される。ドライバ20が取り付けられる側と反対側の他方側の面は、イヤホン10がユーザーの左耳6に装着されるときに、外耳道8に向かい合う前方側の面である。前方側の面は、外耳道8の側に緩やかな凸面形状を有する。
バッフル32に設けられる第1の音孔40は、ドライバ20の振動板から前方に放射される音波22を外耳道8側に導く貫通孔で、孔の一方側開口部は振動板に面し、他方側開口部は、外耳道8の側に面する。図3(c)の例では、第1の音孔40は3つ設けられるが、これ以外の数でもよい。
バッフル32に設けられる第2の音孔42は、ドライバ20の振動板から背面に放射される音波24を外耳道8側に導く貫通孔である。この貫通孔は、ダクト36の貫通孔に連通する。第2の音孔42は、図3(a)に破線で示すように、部分円環状の孔である。
ダクト36は、バッフル32から外耳道8側に向かって突き出し、第2の音孔42に連通する貫通孔を有する管部である。ダクト36は、ドライバ20の背面に放射される音波24がキャビティ31に連通する第2の音孔42によって導かれたものを、さらに外耳道8へ導く音響管である。ダクト36は、外耳道8の穴の内径よりやや小さめの外径を有する部分円環状の形状を有する。つまり、ダクト36は、部分円環状の形状の中心側に断面が半円弧状の溝部37を有する。ダクト36の貫通孔は、第2の音孔42と同じ大きさの部分円環状を有する。ダクト36は、イヤホン10を左耳6に装着したときに、ちょうど外耳道8に挿入されるように、バッフル32の前方の面から斜め角度を有して設けられる。ダクト36の突出し量は、装着感を考慮して設定されるが、例えば約3〜8mm程度である。
ダクト36の外形を円管形状とせずに、部分円環状の形状の中心側に断面が半円弧状の溝部37を形成することで、ダクト36を外耳道8に挿入したときに、外耳道8の全部を塞がす、その一部を塞ぐ大きさとすることができる。外耳道8において、ダクト36で塞がれない部分には、第1音孔40からの音波が導かれる。バッフル32の前方面には、外耳道8の大きさに相当する円形部分が周囲と少し高さを変えた輪郭部44として設けられるが、この輪郭部44の中に、ダクト36の根元部と、第1の音孔40とが配置される。
クッション38は、この輪郭線44から適当な離間距離を置いて、その外側に沿って配置される。なお、バッフル32の前方面において、クッション38を挟んで輪郭部44とは反対側に設けられる開放孔35は、ドライバ20から放射された音波で、第1の音孔40、第2の音孔42に導かれない音波を外部に適当に拡散放射させるためのものである。図3(c)の例では3個の開放孔35が設けられるが、その数はこれ以外でもよい。
ケース30を構成するバッフル32、ハウジング34、バッフル32に設けられるダクト36は、適当な強度を有する樹脂材料を所定の形状に成形したものを用いることができる。樹脂材料としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリカーボネート樹脂(PC)を用いることができる。ダクト36は、バッフル32と別体で成形し、接着等で一体化してもよい。
上記構成によって、ドライバ20の背面からの音波は、キャビティ31の内部から、バッフル32に設けられる第2の音孔42と、これに連通するダクト36の貫通孔によって、外耳道8側に導かれる。この背面からの音波の導かれる経路に、第1の音響抵抗部材50と、第2の音響抵抗部材52が設けられる。
第1の音響抵抗部材50は、ダクト36の内部の貫通孔に充填して配置される。第2の音響抵抗部材52は、図3(a)に示されるように、バッフル32の外縁部の外壁面と、ドライバ20の外周面との間の隙間空間33に配置され、第2の音孔42を覆う。第2の音孔42は、ダクト36のケース内部側開口部でもあるので、第2の音響抵抗部材52は、ダクト36のケース内部側開口部を覆うように配置される。
音響抵抗部材は、音波に対する抵抗である音響抵抗を空気に比べて大きくさせる部材であり、音波が導かれる経路の空気体積に対し、その空気体積のところに配置される部材の充填密度が大きいほど音響抵抗が大きくなる。充填密度は、単位空気体積当たりの質量である。充填の際に、音響抵抗は圧縮されるので、圧縮される前の自由状態の密度とは異なる。ここで、第1の音響抵抗部材50の単位空気体積当たりの充填質量は、第2の音響抵抗部材52の単位空気体積当たりの充填質量よりも大きく設定される。かかる第1の音響抵抗部材50、第2の音響抵抗部材52としては、自由状態の密度の互いに異なるウレタン樹脂、不織布等が用いられる。
一例を述べると、第1の音響抵抗部材50としては、自然状態の密度として、300〜400kg/m3の不織布、ウレタンフォームが用いられる。第2の音響抵抗部材52としては、自然状態の密度として、50〜60kg/m3の発泡フォームが用いられる。第1の音響抵抗部材50は、ダクト36の貫通孔に押し込んで充填され、その際の単位空気体積当たりの充填質量は、自然状態の密度の約1.1〜1.5倍となる。例えば、330kg/m3から600kg/m3となる。第2の音響抵抗部材50は、バッフル36とドライバ20との間の隙間空間33に押し込んで充填され、その際の単位空気体積当たりの充填質量は、自然状態の密度の約1.5〜2.5倍となる。例えば、75kg/m3から150kg/m3となる。なお、上記の材質、数値は説明のための例示であって、これ以外の材質、数値であってもよい。
第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52は、第2の音孔42の上面側、すなわち、ダクト36のケース内部側開口部において、互いに隙間なく接触するように互いにしっかり押し込んで配置される。「互いに隙間なく接触するように」とは、少なくともダクト36のケース内部側開口部において、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52の境界に空気のみの層が形成されないように、との意味である。このようにするのは、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52の境界に空気のみの層が形成されると、後述するように、ドライバ20の背面から放射されて、第2の音孔42およびダクト36の貫通孔を介して外耳道に導かれる音波が、音圧周波数特性の改善に寄与しなくなるからである。
したがって、第1の音響抵抗部材50は、図3(c)に示されるように、ダクト36におけるケース内部側開口部である第2の音孔42の上面よりは突き出すように充填する。また、第2の音響抵抗部材52は、図3(a)に示されるように、ダクト36におけるケース内部側開口部である第2の音孔42を十分に覆う広さで、バッフル36とドライバ20との間の隙間空間33の広い範囲に渡って充填する。その際に、第2の音孔42の上面よりは突き出している第1の音響抵抗部材50に接触する寸法として設計することができる。
上記構成のイヤホン10の作用効果について、図4から図6を用いて説明する。図4と図5は、イヤホン10の音圧周波数特性を、他の構造の例と比較した図で、横軸が周波数、縦軸が音圧レベル(SPL)である。図6は、イヤホン10の位相差周波数特性を、他の構造の例と比較した図で、横軸が周波数、縦軸が位相差である。ここでの位相差とは、ドライバ前方方向からの放射音波を基準とした背面方向からの放射音波の位相差を指す。
図4、図5における周波数特性60は、図1〜図3の構造を有する本実施例のイヤホン10の周波数特性である。すなわち、ダクト36を有し、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52が図3に説明した通りに配置されているときの周波数特性である。図4、図5における周波数特性62は、ダクト36がなく、したがって第1の音響抵抗部材50も第2の音響抵抗部材52も設けられていない構造を有する比較例1のイヤホンの周波数特性である。図4、図5からわかるように、比較例1の周波数特性62に比較して、図1〜図3の構造のイヤホン10の周波数特性60は、低い周波数帯域で、音圧レベルが改善されている。
図4において、周波数特性64は、ダクト36を有し、第1の音響抵抗部材50がダクト36に充填されているが、第2の音響抵抗部材52が配置されていない比較例2の周波数特性である。比較例2の周波数特性64は、周波数特性62に比較して低い周波数帯域で音圧レベルが改善されているが、図1〜図3の構造のイヤホン10の周波数特性60には及ばない。
図4において、周波数特性66は、ダクト36を有し、ダクト36に第1の音響抵抗部材50が充填されず貫通孔のままであるが、第2の音響抵抗部材52は第2の音孔42を十分に覆っている比較例3の周波数特性である。比較例3の周波数特性66は、周波数特性62とほとんど変わらず、低い周波数帯域における音圧レベルが改善されていない。
図5において、周波数特性68は、ダクト36を有し、第1の音響抵抗部材50がダクト36に充填されており、第2の音響抵抗部材52の第2の音孔42を十分に覆っているが、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52との間に隙間があって空気層が介在している比較例4の周波数特性である。比較例4の周波数特性68は、図4の周波数特性64に比べ、低い周波数帯域における音圧レベルが低い。すなわち、ダクト36に第1の音響抵抗部材50を充填すると低い周波数帯域における音圧レベルがある程度改善されるが、これにさらに第2の音響抵抗部材52を覆う場合、隙間があると、第2の音響抵抗部材52で覆うことで、低い周波数帯域における音圧レベルが劣化する。すなわち、第1の音響抵抗部材50に第2の音響抵抗部材52を覆うときには、その間に隙間を作らないようにすることが重要で、空気層の隙間が介在すると逆効果であることを示すデータである。
図5において、周波数特性70は、ダクト36のみが設けられ、第1の音響抵抗部材50も第2の音響抵抗部材52も配置されない比較例5の周波数特性である。すなわち、周波数特性70は、中空の音響管の特性を示す図である。比較例5の周波数特性70は、高い周波数帯域で音圧レベルの改善がみられるが、低い周波数帯域における音圧レベルは改善されていない。
図6において、周波数特性61は、図1〜図3の構造を有する本実施例のイヤホン10の位相差の周波数特性を示すもので、図4、図5の音圧周波数特性60に対応する位相差周波数特性である。一方、周波数特性63は、ダクト36がなく、したがって第1の音響抵抗部材50も第2の音響抵抗部材52も設けられていない構造を有する比較例1のイヤホンの周波数特性であり、図4、図5の音圧周波数特性62に対応する位相差周波数特性である。比較例1の周波数特性63は、共振周波数(約400Hz)近辺で位相差が約180度になり、逆相の関係になる。これに対し、図1〜図3の構造を有する本実施例のイヤホン10の周波数特性61は、低音域から高音域まで位相差の絶対値が小さく、また、低い音声周波数帯域における位相差も、周波数特性63の位相差とほぼ同じ値で、安定した特性を示している。したがって、本実施例の場合は、逆相の関係になる音波同士による打消し合いがないので、比較例1と比べて、図4及び図5に示すように、低い周波数に音声再生帯域を広げることができる。
図6において、周波数特性65は、ダクト36を有し、第1の音響抵抗部材50がダクト36に充填されているが、第2の音響抵抗部材52が配置されていない比較例2の位相差の周波数特性を示すもので、図4の音圧周波数特性64に対応する位相差周波数特性である。図6に示されるように、比較例2の周波数特性65は、周波数特性63に対し、共振周波数近辺の位相差周波数特性が改善されるが、低い音声周波数帯域で周波数特性63の位相差と約90度の位相差が生じている。したがって、図4に示すように、比較例2は、低い周波数における音圧レベルが本実施例の場合に及ばない。
図6において、周波数特性67は、ダクト36を有し、ダクト36に第1の音響抵抗部材50が充填されず貫通孔のままであるが、第2の音響抵抗部材52は第2の音孔42を十分に覆っている比較例3の位相差の周波数特性で、図4の音圧周波数特性66に対応する位相差周波数特性である。図6に示されるように、比較例3の周波数特性67は、他の周波数特性に比べ、位相差が周波数によって変化している。したがって、図4に示すように、比較例3は、低い周波数における音圧レベルが本実施例の場合に及ばない。
これらのことから、低音特性を改善するには、ダクト36を有し、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52を図3に説明した通りに配置する。そして、第1の音響抵抗部材50の単位空気体積当たりの充填質量を第2の音響抵抗部材52の単位空気体積当たりの充填質量よりも大きくし、さらに、第1の音響抵抗部材50と第2の音響抵抗部材52がケース内部側開口部である第2の音孔42で互いに隙間なく接触する構造とすることがよい。
上記では、ダクト36がバッフル34から突き出るものとして説明したが、これに代えて、ダクト36をバッフル34が突き出さず、キャビティ31の内部に設けるものとしてもよい。その場合には、バッフル34にダクト36の根元が来て、ダクトの根元側に第2音孔42が設けられる。第2音孔に連通するダクト36のキャビティ31内に突き出す先端に、ケース内部側開口部が設けられることになる。
4 右耳、6 左耳、7 耳珠、8 外耳道、9 対珠、10 イヤホン、12 (右)イヤホン本体、14 (左)イヤホン本体、16 ケーブル、18 ジャック部、20ドライバ、22 前方へ放射される音波、24 背面へ放射される音波、30 ケース、31 キャビティ、32 バッフル、33 隙間空間、34 ハウジング、35 開放孔、36 ダクト、37 溝部、38 クッション、40 第1の音孔、42 第2の音孔、44 輪郭部、50 第1の音響抵抗部材、52 第2の音響抵抗部材、60,61,62,63,64,65,66,67,68,70 周波数特性。

Claims (6)

  1. 振動板の前方及び背面に音波を放射するドライバと、
    前記ドライバの前記背面側にキャビティ空間を規定し、且つ前記前方に放射された音波をユーザーの外耳道側に導くための第1音孔と前記背面に放射された音波を外耳道側に導くための第2音孔とを有するケースと、を備え、前記ケースは、前記第2音孔に連通するダクトと、前記ダクトの内部に配置される第1の音響抵抗部材と、前記ダクトのケース内部側開口部を覆う第2の音響抵抗部材と、を有する、イヤホン。
  2. 請求項1に記載のイヤホンにおいて、
    前記第1の音響抵抗部材の単位空気体積当たりの充填質量は、前記第2の音響抵抗部材の前記単位空気体積当たりの充填質量よりも大きい、イヤホン。
  3. 請求項1に記載のイヤホンにおいて、
    前記第1の音響抵抗部材と前記第2の音響抵抗部材は、前記ケース内部側開口部で互いに隙間なく接触する、イヤホン。
  4. 請求項1に記載のイヤホンにおいて、
    前記ダクトは、前記ケースから突出する外耳道挿入形状を有する、イヤホン。
  5. 請求項4に記載のイヤホンにおいて、
    前記ダクトは、前記外耳道の一部を塞ぐ大きさであり、前記ダクトで塞がれない前記外耳道の部分に前記第1音孔からの音波が導かれる、イヤホン。
  6. 請求項5に記載のイヤホンにおいて、
    前記ダクトは、前記ケースから突出する前記外耳道挿入形状に、前記ダクトで塞がれない前記外耳道の部分を規定する溝部を有する、イヤホン。
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