JP2003092791A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2003092791A
JP2003092791A JP2001283021A JP2001283021A JP2003092791A JP 2003092791 A JP2003092791 A JP 2003092791A JP 2001283021 A JP2001283021 A JP 2001283021A JP 2001283021 A JP2001283021 A JP 2001283021A JP 2003092791 A JP2003092791 A JP 2003092791A
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speaker system
outer case
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JP2001283021A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Yasuda
安田  信行
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンクロージャーの重量を増加させることな
く、エンクロージャーからの不要な音響輻射を大幅に低
減できるようにする。 【解決手段】 エンクロージャー20は、それぞれ前方
部を円筒状とし、後方部を半球面状とした内側ケース2
1および外側ケース22によって二重ケース構造とし、
両者の間の空間を、真空またはほぼ真空の低圧部23と
する。内側ケース21の前方先端部21aを、曲面状に
形成して、外側ケース22の前方先端部22aに接合
し、その接合部22aに、フロントバッフルを兼ねるエ
ンクロージャー固定補強材30を密着固定する。内側ケ
ース21の前方円筒部と後方球面部との境界部分と、エ
ンクロージャー固定補強材30のフロントバッフル部分
との間に、バランス用スプリング29を取り付け、ある
いは、内側ケース21の前方円筒部と後方球面部の直径
を変えて、両者の境界部分に段差を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピーカユニッ
トとスピーカエンクロージャーを備えるスピーカシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカシステムでは、一般に、振動板
前面から放射される音響波を再生音として利用し、振動
板背面から放射される音響波は、前面から放射される音
響波に対して逆相であるため、背面側を覆うエンクロー
ジャーによって遮断し、外部に放射されないようにす
る。
【0003】しかし、一般的なエンクロージャーの機械
インピーダンス(エンクロージャーの重量と強度に比例
する)は、振動板やエンクロージャー内の空気に比べて
高々1000倍程度であるため、エンクロージャーの共
振や振動によるエンクロージャーからの不要な音響輻射
を−60db程度、伴うことは避けられない。
【0004】この不要な音響輻射を−80db程度に低
減するため、エンクロージャーの機械インピーダンスを
振動板やエンクロージャー内の空気の10000倍程度
にするには、エンクロージャーを一般的なエンクロージ
ャーの10倍近い厚みにしなければならず、エンクロー
ジャーの重量が著しく増大してしまう。
【0005】そこで、実開昭63−15691号公報で
は、スピーカユニットの背面側を覆うキャビネットを、
それぞれ上下左右の側板と後部(底部)の板とからなる
内側ケースおよび外側ケースによって二重ケース構造と
し、その内側ケースと外側ケースとの間の空間を真空に
したスピーカシステムが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の実開昭63−1
5691号公報に示されたケース構造によれば、振動板
背面から放射された音響波が内側ケースに伝わって内側
ケースが振動しても、内側ケースと外側ケースとの間の
空間が真空であるため、内側ケースの振動が内側ケース
と外側ケースとの間の空間を介して外側ケースに伝わる
ことはない。
【0007】しかし、この場合、振動板背面から放射さ
れた音響波による内側ケースの振動が、キャビネット前
方先端部の内側ケースと外側ケースとの接合部分から直
接、外側ケースに伝わって、外側ケースから不要な音響
輻射を生じてしまう。
【0008】そこで、この発明は、スピーカユニットの
背面側を覆うエンクロージャーを、内側ケースおよび外
側ケースによって二重ケース構造とし、その内側ケース
と外側ケースとの間の空間を低圧にしたスピーカシステ
ムにおいて、特に、振動板背面から放射された音響波に
よる内側ケースの振動が、内側ケースと外側ケースとの
接合部分から直接、外側ケースに伝わるのを防止するこ
とができ、エンクロージャーからの不要な音響輻射を大
幅に低減させることができるようにしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のスピーカシス
テムは、スピーカユニットと、内側ケースと外側ケース
が前記スピーカユニット側の前方先端部で接合され、そ
の内側ケースと外側ケースとの間の空間が低圧部とされ
て、前記スピーカユニットの後方に配置されたエンクロ
ージャーと、このエンクロージャーの前記外側ケースの
前記内側ケースとの接合部に密着固定された、フロント
バッフルを兼ねるエンクロージャー固定補強材と、を備
えるものとする。
【0010】上記のように構成した、この発明のスピー
カシステムでは、フロントバッフルを兼ねる機械インピ
ーダンスの高いエンクロージャー固定補強材が、エンク
ロージャーの外側ケースの内側ケースとの接合部に密着
固定されているので、振動板背面から放射された音響波
による内側ケースの振動が、内側ケースと外側ケースと
の接合部分から直接、外側ケースに伝わるのが防止さ
れ、エンクロージャーからの不要な音響輻射が大幅に低
減する。
【0011】また、エンクロージャー固定補強材が外側
ケースの内側ケースとの接合部に密着固定されているの
で、内側ケースと外側ケースとの接合が長期に渡って安
定に維持される。
【0012】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態…図1〜図4〕
図1〜図4は、この発明のスピーカシステムの第1の実
施形態を示し、図1はスピーカシステム全体の断面図、
図2は内側ケースと外側ケースとの接合部分の断面図、
図3はスピーカシステム全体の側面図、図4はスピーカ
システム全体の正面図である。
【0013】この実施形態のスピーカシステムは、大別
して、スピーカシステム本体と、これを天井や壁などの
固定部1に取り付けるための支持体とからなるものと
し、そのスピーカシステム本体は、主として、スピーカ
ユニット10、エンクロージャー20、およびフロント
バッフルを兼ねるエンクロージャー固定補強材30から
なるものとする。
【0014】スピーカユニット10は、駆動コイルに駆
動電流が供給されることによって、振動板(コーン)1
1が振動して再生音が得られるものである。
【0015】エンクロージャー20は、内側ケース21
および外側ケース22によって二重ケース構造とし、そ
の内側ケース21と外側ケース22との間の空間を、後
述のような低圧部23とする。
【0016】内側ケース21は、共振や分割共振が生じ
にくく、かつ軽量でも強度が高くなるように、スピーカ
ユニット10側の前方部を円筒状とし、反対側の後方部
を半球面状とするとともに、共振や分割共振の振動エネ
ルギーが小さくなるように、薄く形成して軽量化する。
特に、内側ケース21の後述のように外側ケース22と
接合される前方先端部21aは、薄く形成する。
【0017】さらに、内側ケース21はマグネシウム合
金やマンガン銅合金などの制振材料で形成し、または、
内側ケース21をポリエステルなどの樹脂で形成して、
その内面にゴムなどの制振材25を貼り付け、あるい
は、内側ケース21を制振材料で形成するとともに、そ
の内面に制振材25を貼り付ける。
【0018】外側ケース22も、共振や分割共振が生じ
にくく、かつ強度が高くなるように、前方部を円筒状と
し、後方部を半球面状とする。ただし、外側ケース22
全体、または外側ケース22の後述のように内側ケース
21と接合される前方先端部22aは、内側ケース21
より厚く形成して、または内側ケース21より重い材料
で形成して、機械インピーダンスを高くする。図1の例
は、外側ケース22全体を内側ケース21より厚く形成
した場合である。
【0019】内側ケース21の前方先端部21aは、薄
く形成するとともに、図2(A)または(B)に示すよ
うに、ロール状などの曲面状に形成して、柔軟なバネ特
性を有するものとし、機械インピーダンスを十分に低く
する。そして、この内側ケース21の前方先端部21a
の、外側ケース22の前方先端部22aに沿う部分21
cを、外側ケース22の前方先端部22aに接合する。
【0020】エンクロージャー固定補強材30は、重
く、強度が高い材料で形成するとともに、フロントバッ
フルと一体化することによって、機械インピーダンスを
高くする。そして、このフロントバッフルを兼ねるエン
クロージャー固定補強材30の後方筒部を、外側ケース
22の内側ケース21との接合部22aの外周に密着固
定する。
【0021】このように機械インピーダンスの高いエン
クロージャー固定補強材30を外側ケース22の内側ケ
ース21との接合部22aに密着固定し、さらには内側
ケース21の前方先端部21aを曲面状に形成して前方
先端部21aの機械インピーダンスを低くすることによ
って、振動板11の背面から放射された音響波による内
側ケース21の振動は、内側ケース21の前方先端部2
1aで減衰し、さらに外側ケース22の内側ケース21
との接合部22aで減衰して、内側ケース21の振動が
内側ケース21と外側ケース22との接合部分から直
接、外側ケース22に伝わるのが防止される。
【0022】また、エンクロージャー固定補強材30を
外側ケース22の内側ケース21との接合部22aに密
着固定することによって、内側ケース21と外側ケース
22との接合が長期に渡って安定に維持される。
【0023】さらに、内側ケース21の前方部を円筒
状、後方部を半球面状とし、内側ケース21を軽量化
し、内側ケース21を制振材料で形成し、または内側ケ
ース21の内面に制振材25を貼り付けることによっ
て、振動板11の背面から放射された音響波による内側
ケース21の分割共振振動などが生じにくくなるととも
に、そのエネルギーが小さくなって、内側ケース21の
分割共振振動などによる異音が振動板11を透過して外
部に放射されるのが防止される。
【0024】外側ケース22の後方球面部には、排気口
24を形成し、これから、内側ケース21と外側ケース
22との間の空間を排気して、その空間を真空またはほ
ぼ真空の、1/100気圧(約10hPa)以下の低圧
部23とする。排気後は、封止部24aで示すように、
排気口24を封止する。
【0025】このように内側ケース21と外側ケース2
2との間の空間を低圧部23とすることによって、振動
板11の背面から放射された音響波による内側ケース2
1の振動が、内側ケース21と外側ケース22との間の
空間を介して外側ケース22に伝わることもない。
【0026】さらに、振動板11の背面から放射された
音響波や、内側ケース21で生じた分割共振振動などの
音響波を吸収するために、スピーカユニット10の背面
空間には、グラスウールなどの吸音材26を装填する。
【0027】また、エンクロージャー固定補強材30に
は、外側ケース22の外側に、封止された排気口24を
覆うように、意匠ケース27を取り付け、外側ケース2
2と意匠ケース27との間の空間に、グラスウールなど
の吸音材28を装填する。
【0028】エンクロージャー固定補強材30のフロン
トバッフル部分には、スピーカユニット10の前面側を
覆うように、メッシュ状の前面カバー40を取り付け
る。
【0029】内側ケース21と外側ケース22との間の
空間を低圧部23とすることによって、内側ケース21
は、その内側から大気圧で押し付けられる。その圧力
は、内側ケース21の前方円筒部では、円周上の各点で
スピーカ径方向のものとなるが、内側ケース21の後方
球面部では、スピーカ径方向およびスピーカ軸方向に対
して傾斜した方向の、スピーカ軸方向の前方側から後方
側への向きの成分を有するものとなる。そのため、内側
ケース21の後方球面部には、これを後方側に引っ張る
強い力が作用する。例えば、内側ケース21の後方球面
部の直径が20cmの場合、その引っ張り力は300k
g重以上になる。
【0030】そこで、この実施形態では、内側ケース2
1の前方円筒部と後方球面部との境界部分と、エンクロ
ージャー固定補強材30のフロントバッフル部分との間
に、バランス用スプリング29を取り付けて、内側ケー
ス21の後方球面部に対して、これを前方側に引っ張
る、上記の後方側に引っ張る力に相当する引っ張り力を
与える。
【0031】これによって、内側ケース21の外側ケー
ス22と接合される前方先端部21aを薄く形成して
も、内側ケース21は大気圧に耐えられるようになる。
【0032】以上の構成のスピーカシステム本体を、天
井や壁などの固定部1に取り付けるには、スピーカシス
テム本体の振動が最も少ない部分である、エンクロージ
ャー固定補強材30の、外側ケース22の内側ケース2
1との接合部22aへの密着固定部分の外側に、エンク
ロージャー支持材51および52を取り付け、または一
体に形成し、固定部1に支柱61を固着し、支柱61に
支持アーム62を、軸63によって回転可能に取り付
け、支持アーム62にエンクロージャー支持材51およ
び52のスピーカシステム本体の重心位置Poとなる部
分を、軸65および66によって回転可能に取り付け
る。
【0033】これによって、スピーカシステム本体から
固定部1への振動の伝播を最少にすることができ、固定
部1に伝わる振動による固定部1の共振や固定部1から
の振動音の放射を大幅に低減することができる。
【0034】しかも、エンクロージャー20の重量を増
加させることなく、エンクロージャー20からの不要な
音響輻射を大幅に低減できるので、天井や壁など、取り
付け場所の強度不足や振動の心配をすることなく、スピ
ーカシステムを任意の場所に設置することができる。
【0035】〔第2の実施形態…図5および図6〕図5
および図6は、この発明のスピーカシステムの第2の実
施形態を示し、図5はスピーカシステム本体の要部の断
面図、図6は内側ケースの一部の断面図である。
【0036】図1に示したように、内側ケース21の前
方円筒部と後方球面部との境界部分と、エンクロージャ
ー固定補強材30のフロントバッフル部分との間に、バ
ランス用スプリング29を取り付ける場合には、スピー
カシステムの部品点数や組み立て工数が多くなる。
【0037】そこで、第2の実施形態では、図5に示す
ように、内側ケース21の前方円筒部21fと後方球面
部21gの直径を異ならせて、例えば後方球面部21g
の直径を前方円筒部21fの直径より小さくして、前方
円筒部21fと後方球面部21gとの境界部分21eに
段差を形成する。
【0038】この場合、振動板11の背面から放射され
た音響波によって内側ケース21に生じる振動(音圧)
は、図6に示すように、前方円筒部21fでは、スピー
カ径方向の振動(横波)となり、後方球面部21gで
は、スピーカ径方向の成分が打ち消される結果、スピー
カ軸方向の振動(縦波)となる。
【0039】そして、前方円筒部21fに生じた横波
は、前方円筒部21fが薄く形成されて横波に対してバ
ネとして作用することから、前方円筒部21fで減衰し
て、前方先端部21aまで伝播されなくなる。また、後
方球面部21gに生じた縦波は、段差部21eで生じる
回転モーメントによって横波に変換されて前方円筒部2
1fに伝播され、前方円筒部21fが薄く形成されて横
波に対してバネとして作用することから、前方円筒部2
1fで減衰して、前方先端部21aまで伝播されなくな
る。
【0040】したがって、振動板11の背面から放射さ
れた音響波による内側ケース21の振動が、内側ケース
21と外側ケース22との接合部分から直接、外側ケー
ス22に伝わるのが防止される。
【0041】このように、この実施形態では、振動板1
1の背面から放射された音響波による内側ケース21の
振動が、内側ケース21の前方先端部21aまで伝播さ
れなくなるので、第1の実施形態のように内側ケース2
1の前方先端部21aを薄く形成する必要がなく、前方
先端部21aを大気圧に耐えられるように厚めに形成す
ることができる。
【0042】したがって、内側ケース21の前方先端部
21aを厚くして内側ケース21の強度を補強すること
ができ、図1に示したようなバランス用スプリング29
を取り付けなくても、内側ケース21は上記の大気圧に
よる後方側に引っ張る力に耐えられるようになる。
【0043】図5および図6の例とは逆に、前方円筒部
21fの直径を後方球面部21gの直径より小さくして
もよいが、図5および図6の例のように後方球面部21
gの直径を前方円筒部21fの直径より小さくした方
が、内側ケース21の製造が容易となる。
【0044】図5では省略したが、この実施形態でも、
内側ケース21の内面にゴムなどの制振材を貼り付け、
スピーカユニット10の背面空間にグラスウールなどの
吸音材を装填することが望ましい。
【0045】以上の構成のスピーカシステム本体の、天
井や壁などの固定部への取り付け方法は、第1の実施形
態と同じである。
【0046】〔第3の実施形態…図7〕図7は、この発
明のスピーカシステムの第3の実施形態を示し、スピー
カシステム本体の要部の断面図である。
【0047】この実施形態では、図5および図6に示し
た第2の実施形態と同様に、内側ケース21の前方円筒
部21fと後方球面部21gの直径を異ならせて、前方
円筒部21fと後方球面部21gとの境界部分21eを
段差部とするとともに、さらに、内側ケース21の前方
円筒部21fにロール状のリブ21mを形成し、後方球
面部21gに同心円状のリブ21nを形成し、外側ケー
ス22にロール状のリブ22mを形成する。
【0048】内側ケース21の前方円筒部21fにリブ
21mを形成することによって、前方円筒部21fの強
度を増強できるとともに、リブ構造をバネとして作用さ
せて、後方球面部21gや前方円筒部21fに生じた共
振振動の前方先端部21aへの伝播を一層低減させるこ
とができる。
【0049】後方球面部21gにリブ21nを形成する
ことによって、後方球面部21gの強度を増強できると
ともに、後方球面部21gでの異常な分割共振振動の発
生を防止することができ、後方球面部21gの分割共振
振動による異音が振動板11を透過して外部に放射され
るのを防止することができる。
【0050】また、外側ケース22にリブ22mを形成
することによって、外側ケース22の強度を大気圧に耐
えられるように補強することができる。
【0051】この実施形態でも、第1の実施形態のよう
に内側ケース21の前方先端部21aを薄く形成する必
要がなく、前方先端部21aを大気圧に耐えられるよう
に厚めに形成することができる。
【0052】図7では省略したが、この実施形態でも、
内側ケース21の内面にゴムなどの制振材を貼り付け、
スピーカユニット10の背面空間にグラスウールなどの
吸音材を装填することが望ましい。
【0053】以上の構成のスピーカシステム本体の、天
井や壁などの固定部への取り付け方法は、第1の実施形
態と同じである。
【0054】〔第4の実施形態…図8〜図10〕図8〜
図10は、この発明のスピーカシステムの第4の実施形
態を示し、2個のスピーカユニットを一つのエンクロー
ジャーに逆向きに取り付けた場合であり、図8はスピー
カシステム全体の断面図、図9はスピーカシステム全体
の側面図、図10はスピーカシステム全体の正面図であ
る。
【0055】この実施形態では、エンクロージャー20
の内側ケース21および外側ケース22を、それぞれ円
筒状とし、内側ケース21の一方のスピーカユニット1
0a側の先端部21aおよび他方のスピーカユニット1
0b側の先端部21bを、それぞれ曲面状に形成して、
柔軟なバネ特性を有するものとし、先端部21aを外側
ケース22のスピーカユニット10a側の先端部22a
に接合し、先端部21bを外側ケース22のスピーカユ
ニット10b側の先端部22bに接合する。
【0056】外側ケース22の一側には、排気口を形成
し、これから、内側ケース21と外側ケース22との間
の空間を排気して、低圧部23を形成する。
【0057】第1の実施形態と同様に、内側ケース21
は制振材料で形成し、または、内側ケース21の内面に
制振材25を貼り付け、あるいは、内側ケース21を制
振材料で形成するとともに、その内面に制振材25を貼
り付ける。
【0058】さらに、スピーカユニット10aおよび1
0bの背面から放射された音響波や、内側ケース21で
生じた分割共振振動などの音響波を吸収するために、ス
ピーカユニット10aとスピーカユニット10bとの間
の背面空間には、吸音材26を装填する。
【0059】フロントバッフルを兼ねるエンクロージャ
ー固定補強材としては、それぞれ機械インピーダンスの
高い2つのエンクロージャー固定補強材30aおよび3
0bを設け、エンクロージャー固定補強材30aの筒部
を、スピーカユニット10a側における外側ケース22
の内側ケース21との接合部22aの外周に密着固定
し、エンクロージャー固定補強材30bの筒部を、スピ
ーカユニット10b側における外側ケース22の内側ケ
ース21との接合部22bの外周に密着固定する。
【0060】エンクロージャー固定補強材30aとエン
クロージャー固定補強材30bとに差し渡して、外側ケ
ース22の外側に、意匠ケース27を取り付け、外側ケ
ース22と意匠ケース27との間の空間に、吸音材28
を装填する。
【0061】エンクロージャー固定補強材30aおよび
30bのフロントバッフル部分には、それぞれ、スピー
カユニット10aおよび10bの前面側を覆うように、
メッシュ状の前面カバー40aおよび40bを取り付け
る。
【0062】この実施形態では、内側ケース21には、
その内側から大気圧が、円周上の各点でスピーカ径方向
に加えられるので、図1に示したようなバランス用スプ
リング29は必要ない。
【0063】以上の構成のスピーカシステム本体を、天
井や壁などの固定部1に取り付けるには、エンクロージ
ャー固定補強材30aの、外側ケース22の内側ケース
21との接合部22aへの密着固定部分の外側と、エン
クロージャー固定補強材30bの、外側ケース22の内
側ケース21との接合部22bへの密着固定部分の外側
とに差し渡して、エンクロージャー支持材51および5
2を取り付け、または一体に形成し、固定部1に支柱6
1を固着し、支柱61に支持アーム62を、軸63によ
って回転可能に取り付け、支持アーム62にエンクロー
ジャー支持材51および52のスピーカシステム本体の
重心位置Poとなる部分を、軸65および66によって
回転可能に取り付ける。
【0064】これによって、スピーカシステム本体から
固定部1への振動の伝播を最少にすることができ、固定
部1に伝わる振動による固定部1の共振や固定部1から
の振動音の放射を大幅に低減することができる。
【0065】しかも、エンクロージャー20の重量を増
加させることなく、エンクロージャー20からの不要な
音響輻射を大幅に低減できるので、天井や壁など、取り
付け場所の強度不足や振動の心配をすることなく、スピ
ーカシステムを任意の場所に設置することができる。
【0066】スピーカユニット10aおよび10bは、
同じ信号によって駆動する。これによって、一つのスピ
ーカシステムで広い範囲に拡声することができる。
【0067】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、振
動板背面から放射された音響波による内側ケースの振動
が、内側ケースと外側ケースとの間の空間を介して外側
ケースに伝わることがないだけでなく、内側ケースと外
側ケースとの接合部分から直接、外側ケースに伝わるの
を防止することができ、エンクロージャーからの不要な
音響輻射を大幅に低減させることができる。
【0068】しかも、エンクロージャーの重量を増加さ
せることなく、エンクロージャーからの不要な音響輻射
を大幅に低減できるので、天井や壁など、取り付け場所
の強度不足や振動の心配をすることなく、スピーカシス
テムを任意の場所に設置することができる。
【0069】さらに、ポータブルタイプ程度の軽量なス
ピーカシステムでも、据え置き型の重量のあるスピーカ
システム以上の高音質を得ることができるとともに、サ
ブシステム程度の軽量なスピーカシステムを、メインシ
ステムの高音質のスピーカシステムとして用いることが
できる。
【0070】また、スピーカシステムの重心位置をスピ
ーカシステムの支持位置とすることによって、天井や壁
などへの振動の伝播を最少にすることができ、スピーカ
システムの設置場所の自由と音質向上を同時に達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のスピーカシステム全体の断面
図である。
【図2】第1の実施形態の内側ケースと外側ケースとの
接合部分の断面図である。
【図3】第1の実施形態のスピーカシステム全体の側面
図である。
【図4】第1の実施形態のスピーカシステム全体の正面
図である。
【図5】第2の実施形態のスピーカシステム本体の要部
の断面図である。
【図6】第2の実施形態の内側ケースの一部の断面図で
ある。
【図7】第3の実施形態のスピーカシステム本体の要部
の断面図である。
【図8】第4の実施形態のスピーカシステム全体の断面
図である。
【図9】第4の実施形態のスピーカシステム全体の側面
図である。
【図10】第4の実施形態のスピーカシステム全体の正
面図である。
【符号の説明】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省
略する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカユニットと、 内側ケースと外側ケースが前記スピーカユニット側の前
    方先端部で接合され、その内側ケースと外側ケースとの
    間の空間が低圧部とされて、前記スピーカユニットの後
    方に配置されたエンクロージャーと、 このエンクロージャーの前記外側ケースの前記内側ケー
    スとの接合部に密着固定された、フロントバッフルを兼
    ねるエンクロージャー固定補強材と、 を備えるスピーカシステム。
  2. 【請求項2】請求項1のスピーカシステムにおいて、 前記内側ケースの前方先端部が曲面状とされたスピーカ
    システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2のスピーカシステムにお
    いて、 前記内側ケースの前方部が円筒状とされ、後方部が半球
    面状とされたスピーカシステム。
  4. 【請求項4】請求項3のスピーカシステムにおいて、 前記内側ケースの前方円筒部と後方球面部との境界部分
    に、半径方向に段差が形成されたスピーカシステム。
  5. 【請求項5】請求項4のスピーカシステムにおいて、 前記内側ケースの前方円筒部および後方球面部に、それ
    ぞれリブが形成されたスピーカシステム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかのスピーカシステ
    ムにおいて、 当該スピーカシステムの重心位置が当該スピーカシステ
    ムの支持位置とされたスピーカシステム。
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