JP5204313B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカ装置に関するものである。
キャビネットとスピーカユニットを備えたスピーカ装置では、スピーカユニット(振動板)の背面側から放射される音を積極的に利用する位相反転形のキャビネットを備えたものが知られている。バスレフ形やアクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)形等のキャビネットは、スピーカユニットの背面側に所定の容積の空間を形成し、その空間に一端が開放されて他端がスピーカユニットの音響放射側に開放されるダクトを備えている。
下記特許文献1には、小型且つ軽量な装置で低音域を再生することができるスピーカ装置として、スピーカユニットをスピーカボックスの後面板の中央部に取り付け、スピーカユニットの音響放射側に低音再生用ダクトを設けると共に、スピーカユニットの背面側にバスレフ用ダクトを設け、低音再生用ダクトとして、第1及び第2のダクト部からなり、第1のダクト部は後面板と上面板とに沿って延出してスピーカユニットの前面上部で開口し、第2のダクト部は後面板と下面板とに沿って延出してスピーカボックスの前面下部で開口するものが記載されている。
また、下記特許文献2には、スピーカユニットの正面側から放射される音圧の放射方向に対して直交する方向に延設された第1のダクトと、この第1のダクトに対して一端が接合して延設された第2のダクトを備え、第1のダクトと第2のダクトの接合部にスピーカユニットを配置し、スピーカユニットの背面側から放射された音圧を第2のダクトを介して第1のダクト側に伝搬させるとともに、スピーカユニットの正面側から放射された音圧と合流して第1のダクトから外部に放出されるものが記載されている。
特開平11−136786号公報 特許第3410206号公報
前述したようなキャビネットを備えるスピーカ装置は、スピーカ装置を配置するスペースをキャビネットの容積に応じて確保する必要があり、これによって設置箇所の制約を受けることになる。前述したバスレフ形やアクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)形のキャビネットを採用する場合には、スピーカユニットの音響放射側に対して逆側に空気室を設け、この空気室からスピーカユニットの音響放射側に延設されるダクトを設ける必要があるので狭いスペースへの設置が困難になる。更に、スピーカユニットを複数設ける場合、低音域における良好な音響特性を得るためには十分な空気室の容積確保が必要になり、効率よくスピーカユニットを配置しないとスピーカ装置の設置箇所の制約が更に厳しくなる問題がある。
車室内等の限られたスペース内にスピーカ装置を配置する場合には、本来デッドスペースとなる空間を利用してスピーカ装置を配置することがスペース利用効率を高める上で有効である。この際に、本来デッドスペースとなる空間をキャビネットの空気室に利用しようとすると、空気室の容積に制約が生じるので、キャビネットの区画の仕方やスピーカユニットの配置、ダクトの配置を効率よく行うことが必要になる。
例えば、車体に収納されるスペアタイヤにスピーカ装置を載置する場合、スピーカ装置の外径はスペアタイヤの内径より小さく、或いはホイールの外径より小さくしなければならないという制約が生じる。そのため、キャビネットの外径や形状も必然的に制約を受けることになる。このようなスピーカ装置において、例えばアクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)形のキャビネットを採用しようとすると、スピーカユニットの前面側及び背面側の空気室やダクトの配置に工夫がないと低音域における良好な音響特性を得ることができなくなる。また、2つ以上のスピーカユニットを配置しようとした場合には、更にスピーカユニットの配置を含めて効率の良い空気室やダクトの配置構成が求められる。
キャビネット内にスピーカユニットを配置する低音再生用のスピーカ装置では、キャビネットの高さによってスピーカユニットの振動板の口径が制限を受けるので、スピーカ装置の設置スペースによっては所望の大音圧を得るための振動板口径が設定できない場合がある。この場合に、振動板の振幅を大きくして大音圧を得ようとすると、スピーカユニットの支持系や駆動系の設計が難しく、その結果再生音圧に歪みが生じ易くなる問題がある。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、スピーカ装置の限られた設置スペースにおいても効果的にキャビネットの空気室等を確保して、良好な低音域における音響特性を得ることができること、更にはキャビネットの外径や形状が制限されている場合であっても、空気室やダクトを効率的に配置して、位相反転形のキャビネットを採用することができ、複数のスピーカユニットを用いる場合であっても、比較的大きい空気室を確保できると共に、キャビネット内の空間を効率的に利用することができること、キャビネット内にスピーカユニットを配置する低音再生用のスピーカ装置において、スピーカ装置の設置スペースによって振動板口径が制限を受ける場合であっても大音圧の発生を可能にし、且つ高品位の再生音を発生させることができること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明によるスピーカ装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
筐体部と蓋部とで構成されるキャビネットと、当該キャビネット内に配置され、前記キャビネットの中央部から外周部における異なる2つの位置に向かって延在して前記キャビネットの空間を区画する壁部と、前記キャビネット内に配置され、前記壁部に取り付けられる複数のスピーカユニットとを備え、前記壁部が区画する一方の空間に第1のスピーカユニットを配置して、当該第1のスピーカユニットの音響放射面を前記壁部が区画する他方の空間に向けると共に、前記他方の空間に第2のスピーカユニットを配置して、当該第2のスピーカユニットの音響放射面を前記一方の空間に向け、前記キャビネットには、前記空間と外部とを連通させるダクトが設けられていることを特徴とするスピーカ装置。
本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の外観構成を示した説明図(斜視図)である。 本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の内部構造を示した説明図である。 本発明の一実施形態に係るスピーカ装置のダクト構造を示す説明図(蓋部を外した状態のスピーカ装置1の斜視図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における筐体部と壁部との取付関係を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の蓋部を示した説明図(同図(a)が平面図、同図(b)が背面側斜視図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の放音部を示した説明図(同図(a)が平面図、同図(b)が背面側斜視図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置のスピーカユニットを示した説明図(同図(a)が外観斜視図、同図(b)が断面斜視図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置1の載置例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置を搭載した自動車を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。図1は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置1の外観構成を示した説明図(斜視図)であり、図2は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置1の内部構造を示した説明図である。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、キャビネット2とダクト4を備えており、キャビネット2内にスピーカユニット3(31,32)が配備されている。キャビネット2は筐体部10と蓋部13とを少なくとも備えており、キャビネット2にダクト4が設けられている。図示の例では、キャビネット2が筐体部10とそれとは別部材の放音部14で形成されており、放音部14にダクト4(41,42)が設けられている例を示しているが、これに限らず、筐体10と放音部14とが一体構成になって、そこにダクト4(41,42)を設けたものであってもよい。このスピーカ装置1は、特に低域再生用に適したものであり、キャビネット2内で駆動されるスピーカユニットから発せられた音はダクト4(41,42)から外部に放出される。図示の例では、キャビネット2を形成する筐体部10の側面形状が円柱状の例を示しているが、これに限らず、矩形状等各種の形状であってもよい。キャビネット2の形状はスピーカ装置1が収納されるスペースの形態に応じて設定される。筐体部10,放音部14,蓋部13はそれぞれを別部材にすることもできるし、筐体部10と放音部14或いは放音部14と蓋部13を一体に形成することもできる。
キャビネット2内には、キャビネット2の中央部2cから外周部2rにおける異なる位置2r1,2r2に向かって延在する壁部15が配置されており、この壁部15によってキャビネット2内の空間2Sが2つの空間(一方の空間2S1と他方の空間2S2)に区画されている。図示の例では、壁部15は、板状の部材であって、キャビネット2の軸方向Lに沿った平面部15A,15Bを有しており、その平面部15A,15Bの方向がキャビネット2の軸方向Lと直交する2つの方向R1,R2にそれぞれ沿って延在している。図示の例では、平面部15A,15Bの2つの方向R1,R2のなす角度は180度にはならない屈折状態になっており、区画された一方の空間2S1の容積が他方の空間2S2の容積より大きくなるように、壁部15がキャビネット2内に配置されている。平面部15A,15Bの2つの方向R1,R2のなす角度は、必要に応じて180度にしても構わない。
キャビネット2(筐体部10)内には2つのスピーカユニット3(第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32)が配置され、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が壁部15に取り付けられている。第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32は、それぞれ壁部15の平面部15A,15Bに取り付けられることで、キャビネット2の軸方向Lと直交する2つの方向にそれぞれ音響放射方向を向けている。また、壁部15が区画する一方の空間2S1には第1のスピーカユニット31が配置され、壁部15が区画する他方の空間2S2には第2のスピーカユニット32が配置され、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32は音響放射面3a1,3a2が互いに異なる空間2S1,2S2に向くように配置されている。すなわち、一方の空間2S1に配置される第1のスピーカユニット31の音響放射面3a1が他方の空間2S2に向き、他方の空間2S2に配置される第2のスピーカユニット32の音響放射面3a2が一方の空間2S1に向いている。
壁部15で区画されるキャビネット2内の空間2S1,2S2の一方の中には、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32の一方又は両方と電気的に接続される制御装置40が配置されている。図示の例では、空間2S1を空間2S2より大きくして、大きい方の空間2S1内に制御装置(アンプ)40を配置している。そして、制御装置40の上方には後述するようにダクト4の一方が配置されている。制御装置40には、放熱フィン40aが第1のスピーカユニット31又は第2のスピーカユニット32側に設けられている。制御装置40によって駆動される第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32は、略同位相で駆動される。具体的には、第1のスピーカユニット31が他方の空間2S2に向けて音波を放出する時、第2のスピーカユニット32も他方の空間2S2に向けて音波を放出する。言い換えれば、第1のスピーカユニット31の振動板が他方の空間2S2に向けて振動又は変位する時、第2のスピーカユニット32の振動板も他方の空間2S2に向けて振動又は変位する。
このような構造のスピーカ装置1は、ダクト4を区画した空間2S1,2S2の一方のみから外部に連通させるものでは、バスレフ形のキャビネット方式を実現でき、後述するように空間2S1,2S2のそれぞれから外部に連通する2つのダクト41,42を設ける場合には、アクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)形のキャビネット方式を実現できる。
キャビネット2は蓋部13で覆われており、その内部にスピーカユニット31,32を配置しているので、スピーカユニット31,32の露出するところが無く、実質的にキャビネット2がスピーカユニット31,32を保護する構造になっている。これによって、設置スペースの周囲の状況とは無関係にスピーカ装置1を配備することが可能になる。このスピーカ装置1は、周囲に可動物が存在するスペースや人手の触れやすい場所などであっても、スピーカユニット31,32が損傷する不具合を回避できる。
また、スピーカ装置1は、ダクト4(41,42)が筐体部10の上部に形成されている。これによって、筐体部10の側方が支持体などで覆われる状態であってもダクト4(41,42)の放音口を効果的に開放させることができる。また、ダクト4(41,42)はキャビネット2の側方に開口しているので、蓋部13の上に物が置かれる等して蓋部13の上が覆われる状況下であっても、効果的にダクト4(41,42)の放音口を開放させることができる。特に、図示の例では、蓋部13の上面は平坦状に形成されているので、蓋部13上を物置のスペースとして利用することができる。
キャビネット2内の空間を区画する壁部15は、筒状のキャビネット2内の空間を筒状の軸に沿って区画しているので、キャビネット2の高さを有効に利用した内部配置が可能になる。キャビネット2の軸に沿った平面部15A,15Bを有する壁部15の形成面に対して傾斜する方向に向けて、図示の例では略垂直に向けたスピーカユニット31,32を取り付けているので、キャビネット2の高さに応じた口径のスピーカユニット31,32を配備することができる。
壁部15はキャビネット2の中央部2cからキャビネット2の外周部2rに向けて放射状の平面部15A,15Bを備えており、平面部15A,15Bの角度を任意に設定することで、キャビネット2内の空間を任意の割合で区画することができる。これによって、最低共振周波数又は低域の再生帯域など音響特性の調整が可能になる。
キャビネット2内の空間2S2に制御装置40を配置することで、キャビネット2内の空間を効率的に利用してスピーカ装置1の小型化を図ることができる。また、制御装置40は、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32との間に設けられているので、スピーカユニット31,32から生じる空気流によって空冷され、制御装置40全体の温度を低下させることができる。この際、放熱フィン40aを設けることで、スピーカユニット31,32から生じる空気流が放熱フィン40aに当たることで、制御装置40の更なる冷却を行うことができる。
図示の例では、壁部15の平面部15A,15Bに角度を付けることで、キャビネット2内の区画される空間2S1,2S2の一方が他方に比べて大きくなるが、大きくなる方の空間2S1に制御装置40を配置することで、更にキャビネット2内の空間の利用効率を高め、キャビネット2内の空気室容積を十分に確保している。
2つのスピーカユニット31,32は、振動板がそれぞれ実質的に同じ位相で駆動される。すなわち、2つのスピーカユニット31,32の振動板は実質的に、同時に空間2S2内に入り込むように振動し、同時に空間2S2から出て行く方向に振動する。これによって、スピーカユニットが一つの場合と比較して大音圧を発生することが可能になる。限られたスペース内にキャビネット2を収納する場合には、キャビネット2の高さを大きくできず、振動板の口径を大きくできない場合があるが、2つのスピーカユニット31,32を前述したように実質的に同位相で駆動することで、大音圧の発生が可能になる。
スピーカユニットの再生音圧は、振動板が排斥する空気の量(振動板面積×振幅に比例)で決まるが、振動板面積を大きくできない場合、振幅で再生音圧を大きくしようとすると、大振幅に対応できるスピーカユニットの支持系や駆動系の設計が難しく、その結果再生音圧に歪みが生じ易くなる。本発明の実施形態のように2つのスピーカユニット31,32を実質的に同位相で駆動する場合には、実質的に同じ音圧を発生するのに要する振動板の振幅を半分にできるので、歪みを抑えた高品位な再生音を得ることができる。
なお、2つのスピーカユニット31,32を実質的に略同位相で駆動する時、第1のスピーカユニット31の振動板は他方の空間2S2に向けて振動又は変位し、第2のスピーカユニット32の振動板も他方の空間2S2に向けて振動又は変位する。
2つのスピーカユニット31,32の振動板が実質的に、同時に空間2S2内に入り込むように振動し、同時に空間2S2から出て行く方向に振動すると、それぞれのスピーカユニット31,32から生じる支持系や駆動系の歪みを互いに打ち消し合うことができ、これによっても高品位な再生音を得ることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置のダクト構造を示す説明図(蓋部を外した状態のスピーカ装置1の斜視図)である。キャビネット2には2つのダクト4(第1のダクト41と第2のダクト42)が設けられ、壁部15によって区画されるキャビネット2内の空間のうち、一方の空間2S1と外部とを第1のダクト41が連通しており、他方の空間2S2と外部とを第2のダクト42が連通している。
2つのダクト4(第1のダクト41と第2のダクト42)は2つのスピーカユニット3(第1のスピーカユニット31又は第2のスピーカユニット32)のそれぞれの音響放射側に設けられており、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32は前述したように制御装置40によって略同位相で駆動するか、或いは第2のスピーカユニット32を受動形ユニット(パッシブラジエータ)によって構成することもできる。なお、第2のスピーカユニット32が受動形ユニットである場合には、第2のスピーカユニット32が有するボイスコイルを短絡させるか、或いは磁気回路を除去して、ボイスコイル又はボイスコイルを支持するボイスコイル支持部の内側にダストキャップ等を設け、第1のスピーカユニット31の背面側から放出される空気圧を効率良く受ける振動体(振動板、エッジとボイスコイルとを備えており、ボイスコイル支持部も含んでも構わない)を構成しても構わないし、ボイスコイルを設けなくても構わない。
ダクト4(第1のダクト41及び第2のダクト42)は、一端の端部4aが第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32との間に配置され、他端の端部4bがキャビネット2の外周部2r近傍に配置されている。
また、ダクト4(第1のダクト41及び第2のダクト42)は、一端から他端に向けて、一部がキャビネット2の軸方向(L方向)にて延在しており、更にキャビネット2の中央部2cから外周部2rに向かう方向(R方向)にて延在する形状を有している。すなわち、ダクト4は端部4aがキャビネット2の軸方向(L方向)に沿って形成され、その他の部分は軸方向(L方向)に略垂直な平面に沿った方向に形成されて、キャビネット2の外周部2rに端部4bが向けられている。
また、ダクト4(第1のダクト41及び第2のダクト42)の少なくとも一方(図示の例では第1のダクト41)は、キャビネット2の中央部2cから外周部2rに向かう方向に沿って延在する部分が、キャビネット2の外周部2rに隣接して形成されている。
ダクト4はキャビネット2内に形成されており、第1のダクト41及び第2のダクト42は、第1のスピーカユニット31、第2のスピーカユニット32及びキャビネット2で囲まれる空間内に設けられている。ダクト4は、空間2S1,2S2内のスペースを一部活用して形成されており、第1のダクト41及び第2のダクト42の底面部4cは、キャビネット2の軸方向(L方向)における第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32の上端部3bに対して低い位置に配置されている。必要に応じて、第1のダクト41及び第2のダクト42の底面部4cを、キャビネット2の軸方向(L方向)における第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32の上端部3bに対して略同じ位置又は高い位置に配置しても構わない。
図示の実施形態では、壁部15によって区画されたキャビネット2内の空間2S1,2S2の内、大きい方の空間2S1と外部とを連通させる第1のダクト41を比較的長くとるようにし、小さい方の空間2S2と外部とを連通させる第2のダクト42を比較的短くとるように配置している。また、大きい方の空間2S1と外部とを連通させる第1のダクト41のダクト形状を曲線的にすることで有効長さを比較的大きくしている。また、更に曲線的であっても流体として最短距離を流れて結果的にダクトの有効長さが短くなってしまわないように、第1のダクト41は入口から出口が見えない、すなわち直線的な流路が形成されない形態にしている。このようなダクト形態を採用することで、スピーカ装置1の低域再生限界周波数を下げること、即ち低域の再生帯域を拡大することが可能になる。
また、第1のダクト41及び第2のダクト42のそれぞれは、長さ方向に沿って一定断面形状(長方形)になるようにしており、異音(風切り音)の発生を抑制している。また、第1のダクト41及び第2のダクト42は垂直方向(軸方向)から水平方向(軸と直交する方向)に延設方向が変わる形態になっているが、この方向変換部分ではできるだけ大きな曲率でダクトの流路が変更されるようにしている。これによっても、異音の発生を抑制することができる。
更には、第1のダクト41及び第2のダクト42は、その底面部4cがキャビネット2の軸方向(L方向)における第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32の上端部3bに対して低い位置になるようにし、キャビネット2内のスピーカユニット31,32が存在しない空きスペースの上部を効率的に利用して配置されている。これによって、キャビネット2内の限られた空間内に所望の口径及び有効長さを有するダクト41,42を形成することができ、ダクト41,42の底面部4cの下に比較的大きい空気室を確保することができる。
図4は、スピーカ装置1における筐体部10と壁部15との取付関係を示した説明図である。壁部15は、第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32を取り付ける被取付部15Cを備えている。前述した平面部15A,15Bがこの被取付部15Cを形成している。被取付部15Cは、中央部分がキャビネット2の中央部2cに当接する中央当接部15Dを有し、被取付部15Cの外周部分は両端がキャビネット2の外周部2rに沿うように形成される周縁部15Eと一体になっている。そして、壁部15の周縁部15Eは、キャビネット2の外周部2rに取り付けられる取付部15E1を備える。取付部15E1は周縁部15Eからフランジ状に張り出して形成されており、キャビネット2(筐体部10)の外周部2rに形成される載置面2ra上に載置されて壁部15がキャビネット2に取り付けられる。
キャビネット2は前述した筐体部10(第1の筐体部11)を有しているが、この第1の筐体部11内に第2の筐体部12が構成されて、この第2の筐体部12が前述した壁部15を形成している。この第2の筐体部12は、底面部12aと外周筒部12bを備えている。第2の筐体部12には、キャビネット2の径方向又は周方向に沿って、突出状の補強部12cが形成されている。また、第2の筐体部の底面部12aには、スピーカユニット32、特に後述する磁気回路を支持する図示しない突出部(例えば、後述する突出部2dのような形状を有する)が設けられている。この突出部は、スピーカユニット32の磁気回路と底面部10aとの間に間隙を形成して、スピーカユニット3とキャビネット2との接触により異音が発生することを低減している。なお、突出部とスピーカユニット32の磁気回路との間に緩衝材(クッション材、制振材)を設けて、異音の発生を低減しても構わない。
また、キャビネット2の外周部には、端子部E1が設けられている。この端子部E1は後述する放音部14に設けられており、後述する制御装置と外部とを電気的に接続する端子部として機能する。
筐体部10(第1の筐体部11)は、壁部15を支持する底面部10aと外周筒部10bとを備えており、底面部10aには円筒部10cがキャビネット2の軸方向に立ち上がって中央部2cを形成している。底面部10aには、第2の筐体部12を支持する突出部2dが設けられている。この突起部2dは、第2の筐体部12の底面部12aと筐体部10の底面部との間に間隙を形成して、第2の筐体部12と筐体部10との接触により異音が発生することを低減している。なお、突出部2dと第2の筐体部12との間に緩衝材(クッション材、制振材)を設けて、異音の発生を低減しても構わない。
第1の筐体部11の外周部に形成される載置面2ra上には、後述する別部材の放音部14の外周部が配置される。載置面2ra上に形成される結合部2ra1が放音部14の外周部に結合されることになる。
また、第1の筐体部11を第1のキャビネット21として、壁部15と第2の筐体部12が第2のキャビネット22を構成しており、この第2のキャビネット22は、第1のキャビネット21に対し、第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32と一体となって分離可能になっている。これによって、第1のキャビネット21に対して、壁部15と2つのスピーカユニット31,32を簡易に取り付けることが可能になる。
このように、スピーカ装置1は、第1のキャビネット21内に第2のキャビネット22を配置して、第2のキャビネット22はアクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)方式の片側のキャビネット容積を構成している。第2のキャビネット22は第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が取り付けられた壁部15を備える第2の筐体部12によって、第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32と一体に形成されている。一体物の第2の筐体部12によって第2のキャビネット22を形成することで、アクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)方式の片側のキャビネット容積の密閉度を確保し易くなる。
第2のキャビネット22は、キャビネット2の軸方向に沿った壁部15が2面のバッフル面を形成しており、それぞれに第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が取り付けられている。このようにバッフル面が第2のキャビネット22と一体になっているため、バッフル面の強度を高めることができ、スピーカ装置1を駆動しても、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32をしっかりと保持することができる。すなわち、第2のキャビネット22の一体構造によって、第2の筐体部12の剛性が高められており、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が発生する空気圧による振動を抑制することができる。また、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が駆動することで生じる振動を、スピーカ装置1全体に伝搬することなく、第2の筐体部12内で相殺させることが可能となる。
第2のキャビネット22における壁部15の中央部分は、第1のキャビネット21(第1の筐体部11)の中央部2cに立つ円筒部10cを抱くように配置される。これによって、第1のスピーカユニット31と第2のスピーカユニット32が取り付けられている壁部15が中央部2cから放射状に(周方向に向けて)配備される。第2のキャビネット22は円筒部10cと第1の筐体部11の内面で位置決めされることになるので、実質的に第2のキャビネット22が第1のキャビネット21に設けられる円筒部10cの強度を高めている。円筒部10cは取付具が挿入される被取付部を形成するので、このような2重キャビネット構造によってキャビネット2の取付強度が向上している。
図5は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1の蓋部13を示した説明図(同図(a)が平面図、同図(b)が背面側斜視図)である。蓋部13は前述したキャビネット2の上面を塞ぐ平板状の部材で形成されている。蓋部13の中央部分には孔部13Pが形成されており、この孔部13Pは周囲の凹部13P1内に形成され、凹部13P1が取付具を収容する空間になっている。蓋部13の表面又は背面上には、突起状の補強部13aが、蓋部13の径方向又は周方向に沿って形成されている。また、蓋部13の背面からは、後述する放音部に結合するための結合突起13bが複数突出されている。
図6は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1の放音部14を示した説明図(同図(a)が平面図、同図(b)が背面側斜視図)である。放音部14は、前述したダクト4(第1のダクト41,第2のダクト42)を形成するものであり、前述したキャビネット2と一体に形成することができるが、図示のように別部材で形成することも可能である。このように別部材で形成された放音部14は、筐体部10(第1の筐体部11)上に組み付けられ、第1のダクト41及び第2のダクト42を形成する。
放音部14は、上面に前述した蓋部13を接合するための接合面14sが形成され、その接合面には前述した蓋部13の結合突起13bが嵌合する結合孔14pが形成されている。また、放音部に設けられる端子部は、保護部14tにて覆われている。
放音部14に形成されるダクト4(第1のダクト41,第2のダクト42)は、端部4aがキャビネット2の軸方向(L方向)に沿って形成され、その他の部分は軸方向(L方向)に垂直な平面に沿った方向に形成されて、放音部14の外周部14aに端部4bが臨んでいる。また、放音部14は、第1のダクト41及び第2のダクト42の間に形成される開口部14bを備えており、この開口部14bを塞ぎ、第1のダクト41及び第2のダクト42の上面を形成するように蓋部13が接合される。
図示の例では、第1のダクト41及び第2のダクト42が有する開口部4bは、放音部14と蓋部13とで構成されている。放音部14側に形成される開口部4bの角部は曲面状に形成されており、蓋部13側に形成される開口部4bの角部は角形に形成されているが、蓋部13側の角部を曲面状に形成しても構わなく、異音(風切り音)の発生を低減する点で好ましい。
蓋部13は放音部14に対して一体に接合できるようになっており、放音部14は第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32を含む第2のキャビネット22に一体に接合できるようになっている。また、放音部14の第1のダクト41の底面4cには制御装置40を取り付けるための取付部14cが設けられている。これによって、蓋部13と放音部14と第1のスピーカユニット31及び第2のスピーカユニット32を含む第2のキャビネット22と制御装置40を一体にして、第1のキャビネット21(第1の筐体部11)から分離する、或いは第1のキャビネット21に対して取り付けることができるようにしている。これによると、制御装置40の配線作業等が行い易く、スピーカユニット31,32の各種調整を全て行った後に、設置スペースに取り付けられた第1のキャビネット21内にその他の部位を一体に組み込むことができ、組み付け作業の作業性が向上する。
図7は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1のスピーカユニット3を示した説明図(同図(a)が外観斜視図、同図(b)が断面斜視図及びA部拡大図)である。スピーカユニット3(第1のスピーカユニット31又は第2のスピーカユニット32)は、フレーム等によって形成される静止部30と、静止部30に支持される振動体31と磁気回路38とを備えている。振動体31は、振動板32と、振動板32を静止部30に支持するエッジ33等を備えている。磁気回路38は、磁石38Aとヨーク38Bとプレート38Cを備えている。
振動体31は、ボイスコイル34と、ボイスコイル34の振動を振動板32に伝達する駆動部材35とを備えている。図示の例では、駆動部材35には通気孔35eが設けられている。ボイスコイル34はボイスコイル支持部(ボイスコイルボビン)36に巻かれてこれと一体に振動する。ボイスコイル34の振動がボイスコイル支持部36及び駆動部材35を介して振動板32に伝えられるように、駆動部材35の一端が振動板32に接合され、駆動部材35の他端がボイスコイル支持部36に接合されている。
駆動部材35に形成される通気孔35eは、駆動部材35の内側と外側における空間を連通する孔部であっても良く、ボイスコイル34から引き出される引出線を駆動部材35の外側に配置される端子部に接続させるための、挿通孔としての孔部であっても良い。また、通気孔35eを複数設けることで、駆動部材35の内側と外側における空間を連通する孔部と、挿通孔としての孔部とを駆動部材35に設けても構わない。
振動板32は平板状に形成されており、振動板32の外縁がエッジ33の内縁と直接又は他の部材を介して接合しており、エッジ33の外周部33aが静止部(フレーム)30に接合されている。振動板32を平板状にすることで、振動板32全体から略同じ位相の音波を放射することができる。図示の例では、振動板32の外縁は、駆動部材35の外縁を介して、エッジ33の内縁に取り付けられている。
駆動部材35の外周部35aは、振動板32に取り付けられており、駆動部材35の外周部35aには、振動板32と対面する側に凹部35bが形成されている(図7(b)A部拡大図参照)。駆動部材35の外周部35aには、音響放射方向に向かって突起する突起部35cが、凹部35b及び振動板32の外周部より外側に設けられており、突起部35cにおける磁気回路38側の面に、エッジ33の内周部33bが取り付けられている。エッジ33の外周部33aは、その内側での厚さに対して外側における厚さが大きく形成されており、静止部(フレーム)30の外周部30aとエッジ33の外周部33aとの間には、所定の間隙tが形成されている。
振動板32と駆動部材35とを接合部材で接合する際に、駆動部材35の外周部35aに振動板32と対面する側に凹部35bが形成され、音響放射方向に向かって突起する突起部35cが凹部35b及び振動板32の外周部より外側に設けられているので、振動板32と駆動部材35とを接合する接合部材(例えば、接着剤等)が駆動部材35の内面を伝って、磁気ギャップ等に滴ってしまうことを抑止できる。また、凹部35bに接合部材が溜まるので振動板32と駆動部材35との接合力を向上させることができ、駆動部材35に対して振動板32を所定の位置に精度良く取り付けることができる。
エッジ33の外周部33aは、その内側での厚さに対して外側における厚さが大きく形成されており、静止部(フレーム)30の外周部30aとエッジ33の外周部33aとの間には、所定の間隙tが形成されているので、振動板32からエッジ33を介して静止部30に不要な振動が伝達されることを抑止することができる。また、エッジ33の外周部33aが壁部15に当接されるため、スピーカユニット3と壁部15との接合面から空気が漏れ出すこと、空気が漏れることで異音の発生が生じることを抑止することができる。
振動体31としては、ボイスコイル34を静止部(フレーム)30に支持するダンパ37を備えている。図示の例ではボイスコイル支持部36を介してボイスコイル34がダンパ37によって静止部30に支持されている。駆動部材35の内周部35d及びダンパ37の内周部37aは、ボイスコイル34又はボイスコイル支持部36に取り付けられており、ボイスコイル34又はボイスコイル支持部36の外周側面には、駆動部材35の内周部35d、又はダンパ37の内周部37aを支持する環状の補強部39が連結されている。
スピーカユニット3には静止部(フレーム)30の側部に端子部41が設けられている。端子部41にはボイスコイル34の両端がそれぞれ端子41a,41bに接続されている。そして端子部41a,41bが制御装置40の接続端子に接続されることになる。
図8は本発明の実施形態に係るスピーカ装置1の載置例を示した説明図である。ここでは、スピーカ装置1を自動車が備えるスペアタイヤのホイール内に載置している。同図(a)〜(c)は、取付具の異なる形態を示している。
スピーカ装置1(キャビネット2)は、自動車が備えるスペアタイヤTのホイールT1の内側側面に対応する規定の形状を備えている。そして、キャビネット2には、スペアタイヤTと一体に自動車に取り付ける取付具Mが挿入される孔部2aが、その中央部2cに形成されている。図6に示した放音部14が有する開口部14bは、取付具Mが挿入される孔部2aを構成している。
スピーカ装置1は、スペアタイヤTが備えるホイールKに載せ置きされており、スピーカ装置1の孔部2aに取付具Mの他端が挿入されて、被取付部材Nに取付部材Mの他端が固定される。また、取付部材Mの一端には締付部材Vが設けられ、締付部材Vを回転等させることによりスピーカ装置1を被取付部材N側に固定し、ホイールKに取り付けられる。
前述した第1のダクト41及び第2のダクト42は、スペアタイヤTのホイールT1の内周側面に対面する、キャビネット2の外周側面に放音孔(端部4b)を備え、放音孔が形成されるキャビネット2の外周側面とスペアタイヤTのホイールT1との間には、第1のダクト41又は第2のダクト42から放射される音波を外部へ導く間隙Kが設けられている。このような構造によって、キャビネット2上にフロアマットが載せられるなどした場合であっても、間隙Kを確保することで第1のダクト41と第2のダクト42の放音孔はこの間隙Kに開口し、遮音され難くなる。なお間隙Kは、第1のダクト41又は第2のダクト42から放射される音波を外部へ導く音導管であっても構わない。
図9は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を搭載した自動車を示した説明図である。自動車Cは、スピーカ装置1と、スピーカ装置1が載置されるスペアタイヤTと、スペアタイヤTが取り付けられる被取付部材Nとを備え、取付具Mにて、スピーカ装置1とスペアタイヤTとが一体に被取付部材Nに取り付けられている。
ここでは、スペアタイヤTのホイールT1内に収まるキャビネット2の形態としており、スペアタイヤTのホイールT1内の空間を有効に活用してスピーカ装置1の音響負荷として作用している。また、キャビネット2をスペアタイヤTのホイール形状に対応する形状としているため、ホイールT1内にがたつきが少ない状態で取り付けることができる。ホイールT1にフィットするキャビネット2の形状によって、ホイールT1内に取り付けるキャビネットの容積を最大限大きく確保できるので、低音再生に有利になる。
キャビネット2をスペアタイヤTのホイールT1に取り付けができるように、キャビネット2の外径をホイールT1の内径よりも小さくして、キャビネット2の外周側面とホイールの内周側面との間に間隙を形成しても構わない。この場合には、キャビネット2の底面部がホイールT1に固定されるので、キャビネット2とホイールT1との接触、具体的にはキャビネット2の外周側面とホイールT1の内径側面との接触により異音が発生することを抑止することができる。
キャビネット2内の2つの空間2S1,2S2からそれぞれ外部に連通する第1のダクト41及び第2のダクト42は、アクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)方式キャビネットの放音部として機能している。ホイールT1をホイールT1の軸方向に沿って区画して2つの空間2S1,2S2を形成することで、円筒状のホイールT1内の空間を利用して効率よくアクースティマス(ボーズコーポレーションの登録商標)方式キャビネットを形成している。
この際、空間2S1,2S2を区切る壁部15が、角度の付いた被取付部15C(平面部15A,15B)を備えており、角度の付いた平面部15A,15Bで囲まれた空間2S2は第2のスピーカユニット32の背面側から放出された音波を集約して効率よく第2のダクト42に導くことができる。
キャビネット2内に配置される2つのスピーカユニット31,32は、蓋部13で覆われており、実質的に保護された状態になっている。したがって、ホイールT1の周辺に工具など配備した場合や、トランクルーム内に他の収納物と一緒にスペアタイヤTを配置する場合であっても、キャビネット2内のスピーカユニット31,32が損傷を受けることはない。因みに、スピーカ装置1が低音再生用のサブウーファであれば、低音域での指向特性は比較的小さいので、トランクルーム内のスペアタイヤホイール内にスピーカ装置1を載置した場合であっても良好に、車内全体へ再生音を提供することが可能である。
そしてホイールT1の開口部に近い部分(上方部分)に第1のダクト41と第2のダクト42の放音孔が設けられているので、放音される音波がホイールT1に干渉する割合を小さくできる。仮にダクト4の放音孔が下方にあると放音される音波がホイールT1の側面に遮られて車室内に届くまでに減衰してしまう不具合が生じるが、スピーカ装置1によると、このような不具合が生じない。
なお、スペアタイヤは自動車のトランクルームの床下(フロアマットの下)等に配置されているが、これに限定されず、乗員の乗車に影響がない自動車内の場所に配置しても構わない。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。

Claims (16)

  1. 筐体部と蓋部とで構成されるキャビネットと、
    当該キャビネット内に配置され、前記キャビネットの中央部から外周部における異なる2つの位置に向かって延在して前記キャビネットの空間を区画する壁部と、
    前記キャビネット内に配置され、前記壁部に取り付けられる複数のスピーカユニットとを備え、
    前記壁部が区画する一方の空間に第1のスピーカユニットを配置して、当該第1のスピーカユニットの音響放射面を前記壁部が区画する他方の空間に向けると共に、前記他方の空間に第2のスピーカユニットを配置して、当該第2のスピーカユニットの音響放射面を前記一方の空間に向け、
    前記キャビネットには、前記空間と外部とを連通させるダクトが設けられていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記ダクトは、前記一方の空間と外部とを連通させる第1のダクトと、前記他方の空間と外部とを連通させる第2のダクトとを有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記第1又は第2のダクトの一方に向けた前記スピーカユニットは受動形ユニットであることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記第1のダクト及び前記第2のダクトは、
    一端が前記第1のスピーカユニットと前記第2のスピーカユニットとの間に配置され、他端が前記キャビネットの外周部近傍に配置されており、
    前記一端から前記他端に向けて、一部が前記キャビネットの軸方向にて延在すると共に他部が当該キャビネットの前記中央部から前記外周部に向かう方向にて延在する形状を有することを特徴とする請求項2に記載のスピーカ装置。
  5. 前記ダクトの少なくとも一方が有する、前記キャビネットの前記中央部から前記外周部に向かう方向に沿って延在する部分が、前記キャビネットの前記外周部に隣接して形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ装置。
  6. 前記第1のダクト及び前記第2のダクトは、前記第1のスピーカユニット、前記第2のスピーカユニット及び前記キャビネットで囲まれる空間内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ装置。
  7. 前記第1のダクト及び前記第2のダクトの底面部は、前記キャビネットの軸方向における前記第1のスピーカユニット及び前記第2のスピーカユニットの上端部に対して低いことを特徴とする請求項6に記載のスピーカ装置。
  8. 前記壁部は、前記第1のスピーカユニット及び前記第2のスピーカユニットを取り付ける被取付部を備え、
    前記被取付部の外周部分に前記キャビネットの外周部に沿うように形成される周縁部を備えることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置。
  9. 前記壁部の周縁部は、前記キャビネットの外周部に取り付けられる取付部を備えることを特徴とする請求項8に記載のスピーカ装置。
  10. 前記キャビネットが有する筐体部を第1の筐体部として、当該第1の筐体部内には第2の筐体部が構成されており、
    前記第2の筐体部は、底面部と外周筒部とを備え、
    前記第2の筐体部が前記壁部を形成していることを特徴とする請求項9に記載のスピーカ装置。
  11. 前記第1の筐体部が構成する前記キャビネットを第1のキャビネットとして、
    前記第2の筐体部が前記第1のキャビネット内に形成される第2のキャビネットを構成し、
    前記第2のキャビネットは、前記第1のキャビネットに対し、前記第1のスピーカユニット及び前記第2のスピーカユニットと一体となって分離することを特徴とする請求項10に記載のスピーカ装置。
  12. 前記第2の筐体部には、前記第1のキャビネットの径方向又は周方向に沿って、突出状の補強部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載のスピーカ装置。
  13. 前記第1の筐体部は、前記壁部を支持する底面部と、外周筒部とを備え、
    前記蓋部は平板状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
  14. 前記第1の筐体部と前記蓋部との間には、前記第1のダクト及び前記第2のダクトを備える放音部が配置されており、
    前記放音部の外周部は、前記第1の筐体部の外周部の上に配置され、
    前記第1の筐体部、前記蓋部、前記放音部は別部材で形成されていることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ装置。
  15. 前記放音部は、前記第1のダクト及び前記第2のダクトの間に形成される開口部を備え、
    前記蓋部が前記放音部に取り付けられて、前記放音部の開口部は塞がれることを特徴とする請求項14に記載のスピーカ装置。
  16. 請求項1に記載のスピーカ装置と、当該スピーカ装置が載置されるスペアタイヤと、当該スペアタイヤが取り付けられる被取付部材とを備えることを特徴とする自動車。
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