JP6791066B2 - 空調用薄型レジスタ - Google Patents
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Description
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として方向を規定する。
リテーナ10は、空調装置の通風ダクト(図示略)と、インストルメントパネルに設けられた開口(図示略)とを繋ぐためのものである。リテーナ10の内部空間は、空調用空気A1の流路(以下「通風路16」という)を構成している。
リテーナ10は、上流リテーナ11と、その上流リテーナ11の下流側に隣接した状態で配置された下流リテーナ14とを備えている。上流リテーナ11及び下流リテーナ14は、いずれも、上流端と下流端とが開放され、かつ左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きな四角筒状をなしている。下流リテーナ14は、自身の上下の上流端部に設けられた係止孔15において、上記上流リテーナ11の対応する箇所に設けられた係止突起12(図5参照)に係止されることにより、同上流リテーナ11に連結されている。
図2及び図7に示すように、複数の下流フィンは、下流リテーナ14内において、左右方向へ互いに離間した状態で配置されている。この箇所は、通風路16における吹出口20の上流近傍である。また、複数の下流フィンの配置方向(左右方向)は、上記空調用空気A1の流れ方向に対し交差する方向である。
図3及び図7に示すように、下流フィン36,37は、共通する構成として、板状の下流フィン本体38と、一対の下流フィン軸39と、下流連結ピン41とを備えている。各下流フィン本体38は、空調用空気A1の流れ方向及び上下方向に延びる板状をなしている。下流フィン36,37毎の一対の下流フィン軸39は、下流フィン本体38の上下両端部に設けられて、上下方向に延びており、上記下流シム31の対応する軸受孔32に係合されている。これらの係合により、各下流フィン36,37は、上下の両下流フィン軸39において下流シム31を介して上壁部24及び底壁部25に支持されており、両下流フィン軸39を支点として左右方向へ傾動可能である。
図3及び図9(a)に示すように、バレルフィン50は、上流リテーナ11内であって、下流フィン36,37の上流近傍に配置されている。バレルフィン50は、上下方向へ互いに離間した状態で、それぞれ左右方向に延びる複数(3つ)の板状の上流フィンを備えている。複数の上流フィンの配置方向(上下方向)は、上記流れ方向と、下流フィン36,37の配置方向(左右方向)とに対し交差する方向である。
図6に示すように、操作ノブ60は、吹出口20からの空調用空気A1の吹き出し方向を変更する際に乗員によって操作される部材である。操作ノブ60は、吹出口20において、下流フィン36に対し、上下方向へ操作可能に装着されている。図3及び図8に示すように、操作ノブ60は、ノブ本体部61と、ノブ本体部61に組付けられた一対の伝達部66とを備えている。
図3、図8及び図9(a)に示すように、伝達機構DMは、操作ノブ60と上流フィン51との間に設けられている。伝達機構DMが担う主要な役割は、上下方向のうち、操作ノブ60の操作方向とは反対傾向の方向へバレルフィン50が傾動するように、同操作ノブ60の動きを上流フィン51に伝達することである。操作ノブ60の操作方向が上方である場合の反対傾向の方向は、下方である。上記操作方向が下方である場合の反対傾向の方向は、上方である。
各駆動ギヤ75は、操作ノブ60における各伝達部66の上流端部に形成されている。各駆動ギヤ75は、上下方向に沿って一定間隔毎に配列された複数の歯76を有している。
図1、図4〜図8及び図9(a)は、操作ノブ60が、上下方向の可動領域の中央部であり、かつ左右方向の可動領域の中央部に位置するときの、空調用薄型レジスタの各部の状態を示している。このときの操作ノブ60の状態を「中立状態」という。
上記中立状態の操作ノブ60に対し、これを上方へ移動させるための操作として、上方へ向かう力が加えられると、図9(b)に示すように、その力は、両伝達部66に伝達される。伝達部66毎の駆動ギヤ75が、下流レール部44に沿って、ノブ本体部61と一緒になって上方へスライドする。伝達部66毎の駆動ギヤ75と、下流中間ギヤ87毎の下流ギヤ部89との噛み合い位置が変化し、各下流中間ギヤ87が中間軸46を支点として図9(b)の反時計回り方向へ回動する。この回動に伴い、上流ギヤ部88が中間軸46の周りを下方へ向けて旋回する。上流ギヤ部88と上流中間ギヤ81の下流ギヤ部84との噛み合い位置が変化し、同上流中間ギヤ81が上流レール部45に沿って下方へスライドする。このスライドの方向は、操作ノブ60の操作方向(上方)に対し、反対の方向である。上流中間ギヤ81の上記スライドに伴い、上流ギヤ部82と従動ギヤ77との噛み合い位置が変化し、バレルフィン50が一対の上流フィン軸55を支点として、図9(b)の時計回り方向へ傾動する。このバレルフィン50の傾動の方向(下方)は、上下方向のうち、操作ノブ60の操作方向(上方)とは反対傾向の方向である。バレルフィン50の傾動に伴い、複数の上流フィン51,52の傾きが同期した状態で変化し、各上流フィン51,52が下流側ほど低くなるように傾斜する。
・図3及び図8に示すように、中間軸46と、その中間軸46により支持される下流中間ギヤ87との組み合わせが一対用いられ、しかも、その組み合わせが、下流フィン36における下流フィン本体38の左右両側に配置されている。そのため、下流中間ギヤ87及び中間軸46の組み合わせが1つのみの場合に比べ、駆動ギヤ75から上流中間ギヤ81への動力伝達を安定して行うことができる。
<リテーナ10について>
・吹出口20では、両短辺部21と両長辺部22とが必ずしも直交していなくてもよく、同吹出口20が長方形状となることを条件に、多少斜めに交差してもよい。
・図3のバレルフィン50における3つの上流フィン51,52は、互いに独立した状態で形成されてもよい。この場合、上流フィン軸55は、各上流フィン51,52の左右方向における両端部に設けられる。そして、各上流フィン51,52は、左右の両上流フィン軸55により、リテーナ10の側壁部23に傾動可能に支持される。
<操作ノブ60について>
・操作ノブ60が吹出口20の外部に配置されてもよい。この場合、伝達機構DMの構成部品の少なくとも一部は、通風路16の外部に配置される。
<伝達機構DMについて>
・伝達機構DMに用いられる、下流中間ギヤ87及び中間軸46の組み合わせの数が、「2」から「1」に変更されてもよい。
・上記空調用薄型レジスタは、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所に組付けられる空調用薄型レジスタにも適用可能である。
<その他>
・上記空調用薄型レジスタは、吹出口20が縦長の長方形状となるように配置されるタイプの空調用薄型レジスタにも適用可能である。この場合、下流フィン36,37として、それぞれ、左右方向及び空調用空気A1の流れ方向へ延びるものが用いられ、これらが上下方向に配置される。上流フィン51,52としては、それぞれ上下方向及び上記流れ方向へ延びるものが用いられ、これらが互いに左右方向に離間した状態で配置される。
Claims (6)
- 空調用空気の流れ方向の下流端に吹出口を有する通風路が形成されたリテーナを備え、
前記吹出口は、相対向する一対の短辺部と、両短辺部に対し交差した状態で相対向する一対の長辺部とからなる長方形状をなし、
前記流れ方向における前記リテーナの下流端部には、互いに対向し、かつ下流側ほど間隔が狭くなって両長辺部に繋がる一対の傾斜面が形成され、
前記流れ方向における両傾斜面よりも上流には、前記長辺部に沿って延びる板状の上流フィンが配置され、前記長辺部に沿う方向へ延びる上流フィン軸により前記上流フィンが前記リテーナに傾動可能に支持され、
前記上流フィンに沿って流れて前記リテーナの内壁面に当たることで流れ方向を変えられた空調用空気が、一方の前記傾斜面に沿って流れて前記吹出口から斜め方向へ吹き出される空調用薄型レジスタであって、
前記流れ方向における前記リテーナの下流部には、操作ノブが、前記吹出口に配置されるとともに前記短辺部に沿う方向へ操作可能に設けられ、前記操作ノブと前記上流フィンとの間には、同操作ノブの操作方向とは反対傾向の方向へ前記上流フィンが傾動するように、同操作ノブの動きを前記上流フィンに伝達する伝達機構が設けられ、
前記伝達機構は、
前記流れ方向における前記操作ノブの上流部に設けられ、かつ前記短辺部に沿って複数の歯が配列された駆動ギヤと、
前記流れ方向における前記上流フィンの下流部に設けられ、かつ前記フィン軸を中心とする円弧に沿って複数の歯が配列された従動ギヤと、
前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの間に介在された複数の中間ギヤと
を備え、
前記流れ方向における前記上流フィンよりも下流には、前記短辺部に沿って延びる板状の下流フィンが配置され、
前記下流フィンは、前記短辺部に沿う方向へ延びる下流フィン軸により前記リテーナに傾動可能に支持され、
前記操作ノブは、前記下流フィンに対し、前記短辺部に沿う方向へ操作可能に装着され、
複数の前記中間ギヤは、前記下流フィンに装着されている空調用薄型レジスタ。 - 前記下流フィンは、前記流れ方向における下流端部に、前記短辺部に沿う方向へ延びる下流レール部を有しており、
前記操作ノブは、前記短辺部に沿う方向へ延びる溝部を有しており、前記溝部において前記下流レール部に係合されることで、前記下流フィンに装着されている請求項1に記載の空調用薄型レジスタ。 - 前記下流フィンは、前記流れ方向における上流端部に、前記短辺部に沿う方向へ延びる上流レール部を有しており、
複数の前記中間ギヤは、
前記従動ギヤに噛合された状態で前記上流レール部に対し、前記短辺部に沿う方向へスライド可能に装着された上流中間ギヤと、
前記駆動ギヤ及び前記上流中間ギヤに噛合された状態で、中間軸により前記下流フィンに対し回動可能に支持された下流中間ギヤとを備える請求項2に記載の空調用薄型レジスタ。 - 前記中間軸は、前記上流レール部と前記下流レール部との間において、前記下流フィンから、前記長辺部に沿う方向における両側へ突出しており、
前記下流中間ギヤは、前記長辺部に沿う方向における前記下流フィンの両側に配置されて、前記中間軸により前記下流フィンに回動可能に支持されている請求項3に記載の空調用薄型レジスタ。 - 前記上流フィンは、バレルフィンの一部を構成するものであり、
前記バレルフィンでは、前記上流フィンが、前記短辺部に沿う方向に互いに離間した複数箇所に配置され、
複数の前記上流フィンのうちの1つが前記従動ギヤを有しており、
複数の前記上流フィンの前記長辺部に沿う方向の両端部が、前記短辺部に沿う方向へ延びる側板部により連結され、
前記バレルフィンは、各側板部に設けられた前記上流フィン軸により前記リテーナに傾動可能に支持されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調用薄型レジスタ。 - 前記従動ギヤにおける複数の歯は、前記長辺部に沿う方向へ延びており、
前記上流中間ギヤは、前記短辺部に沿う方向に配列され、かつ前記下流フィン軸を中心とする円弧に沿う方向へ延びる複数の歯を有している請求項3又は4に記載の空調用薄型レジスタ。
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