JP6786776B2 - レドックス電池用電極材の製造方法 - Google Patents

レドックス電池用電極材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レドックス電池に好適な活性能を有する多孔質電極材に関する。
従来より、電極は電池の性能を左右するものとして重点的に開発されている。電極には、それ自体が活物質とならず、活物質の電気化学的反応を促進させる反応場として働くタイプのものがあり、このタイプには導電性や耐薬品性などから炭素材料がよく用いられる。特に電力貯蔵用に開発が盛んなレドックスフロー電池の電極には、耐薬品性があり、導電性を有し、かつ通液性のある炭素質繊維の不織布等が用いられている。
レドックスフロー電池は、正極に鉄の塩酸水溶液、負極にクロムの塩酸水溶液を用いたタイプから、起電力の高いバナジウムの硫酸水溶液を両極に用いるタイプに替わり、高エネルギー密度化されたが、最近さらに活物質濃度を高める開発が進み、一段と高エネルギー密度化が進んでいる。
正極電解液にオキシ硫酸バナジウム、負極電解液に硫酸バナジウムの各々硫酸酸性水溶液を用いたレドックスフロー型電池の場合、放電時には、V2+を含む電解液が負極側に供給され、正極側のにはV5+(実際には酸素を含むイオン)を含む電解液が供給される。負極側の流路では、電極内でV2+が電子を放出しV3+に酸化される。放出された電子は外部回路を通って正極側の電極内でV5+をV4+(実際には酸素を含むイオン)に還元する。この酸化還元反応に伴って負極電解液中のSO4 2-が不足し、正極電解液ではSO4 2-が過剰になるため、イオン交換膜を通ってSO4 2-が正極側から負極側に移動し電荷バランスが保たれる。あるいは、H+がイオン交換膜を通って負極側から正極側へ移動することによっても電荷バランスを保つことができる。充電時には放電と逆の反応が進行する。
レドックス電池用電極材の特性としては、特に以下に示す性能が要求される。
1)目的とする反応以外の副反応を起こさないこと(反応選択性が高いこと)、具体的には電流効率(ηI)が高いこと。
2)電極反応活性が高いこと、具体的にはセル抵抗(R)が小さいこと。すなわち電圧効率(ηV)が高いこと。
3)上記1)、2)に関連する電池エネルギー効率(ηE)が高いこと。
ηE=ηI×ηV
4)くり返し使用に対する劣化が小さいこと(高寿命)、具体的には電池エネルギー効率(ηE)の低下量が小さいこと。
そして、セル抵抗(R)に関しては、炭素質繊維集合体等の繊維間及び、電極材と集電板との接触抵抗、電極材自身の導電性が寄与する導電抵抗、充放電時においてバナジウムイオンが価数変化する際の電極活性が寄与する電荷移動反応抵抗、バナジウムイオンや電解液の拡散が寄与する拡散抵抗に大別される。
電荷移動反応抵抗に関しては、一般的に空気中400〜700℃程度で熱処理を施し、黒鉛結晶化炭素繊維表面にヒドロキシル基やカルボキシル基などの酸性官能基を導入することで活性化させ、該抵抗を低減させている。
しかしながら、前述の導電抵抗と電荷移動反応抵抗は、一方を高めるともう一方の特性を著しく損なう、いわゆるトレードオフの関係にある。そこで、両者の特性をバランス良く発現させるために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、X線広角解析より求めた<002>面間隔が、平均3.70Å以下であり、またc軸方向の結晶子の大きさが平均9.0Å以上の擬黒鉛微結晶を有し、かつ全酸性官能基量が少なくとも0.01meq/gである炭素質材料をレドックスフロー電池の電極材として用いることが提案されている。
また、特許文献2には、ポリアクリロニトリル系繊維を原料とする炭素質繊維で、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.50〜3.60Åの擬黒鉛結晶構造を有し、炭素質材料表面の結合酸素原子数が炭素原子数の10〜25%となるような炭素質材をレドックスフロー電池の電極材として用いることが提案されている。
さらに特許文献3には、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.43〜3.60Åで、c軸方向の結晶子の大きさが15〜33Åで、a軸方向の結晶子の大きさが30〜75Åである擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜1.0%であり、表面結合窒素原子数が全表面炭素原子数の3%以下である炭素質材料をバナジウム系レドックスフロー電池の電解槽用電極材として用いることが提案されている。
特開昭60−232669号公報 特開平5−234612号公報 特開2000−357520号公報 特開昭63−200467号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術においても、前述のトレードオフからの脱却はできておらず、セル抵抗をさらに低減させることは困難であり、高い電池エネルギー効率を得られない。
そこで、本発明の目的は、かかる事情に鑑み、従来の酸性官能基に代わる活性化官能基を導入することで、レドックス電池のセル抵抗を低減してエネルギー効率を高めることができる炭素電極材集合体を提供することにある。
本発明者らは、炭素材料電極の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時し、これを熱分解させることで、レドックス電池における炭素材料の活性能が高くなることを見出した。このような方法により得られた炭素材料は、従来の活性のみを有する酸性官能基と異なり、導電性と活性能を兼ね備えたピリジン型の窒素原子を多く含んでいた。これにより、従来の酸性官能基導入にはない特性を発現させることができた。本発明は、このような知見にしたがい、さらに研究を重ね、完成されたものである。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
本発明は、以下の構成から成る。
1.X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.43〜3.60Åで、c軸方向の結晶子の大きさが15〜50Åで、a軸方向の結晶子の大きさが30〜75Åである擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面の結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以上である炭素質材料の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時し、これを熱分解させて、前記炭素材料表面に窒素原子をドープし、これを電極活性点としたことを特徴とする、レドックスフロー電池用炭素電極。
2.前記窒素原子を含有する化合物が、含窒素複素環化合物であることを特徴とする、1に記載のレドックス電池用炭素電極材。
3.前記含窒素複素環化合物が、メラニン、ピロール、ピリジン、イミダゾールのいずれかを少なくとも1種以上有する低分子または高分子であることを特徴とする、2に記載のレドックス電池用炭素電極材。
4.前記炭素材料が、炭素質繊維の不織布または織布よりなる1〜3のいずれかに記載のレドックス電池用炭素電極材。
5.前記1〜4のいずれかに記載の炭素電極材を用いたレドックス電池。
本発明の窒素原子を導入したレドックス電池用炭素電極材は、優れた活性能を有し、結果として低抵抗な電極材が得られた。これにより、レドックス電池用炭素電極材として際立った性能を示す材料を提供することができる。
(a)バナジウム系レドックスフロー電池の概略図及び(b)バナジウム系レドックフロー電池の電解槽の分解斜図を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、優れた活性能を有し、レドックス電池用炭素電極材として際立った性能を示す材料を提供することができる。すなわち、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.43〜3.60Åで、c軸方向の結晶子の大きさが15〜50Åで、a軸方向の結晶子の大きさが30〜75Åである擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面の結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以上である炭素質材料からなる炭素材料電極の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時し、これを熱分解させることで、導電性と活性能を兼ね備えたピリジン型の窒素原子を含むグラフェン構造を繊維上に導入する。これにより、従来の酸性官能基導入にはない特性を発現させることができ、結果として、低抵抗なレドックス電池用炭素電極材を提供することができる。そして、本発明の炭素電極材はフロータイプおよびノンフロータイプのレッドクス電池、またはリチウム、キャパシタ、燃料電池のシステムと複合化されたようなレドックス電池に好適に用いられるものである。これにより、従来の酸性官能基導入材料にはない特性を発現させることができ、結果として、低抵抗なレドックス電池用炭素電極材を提供することができる。
すなわち、本発明のレドックス電池用炭素電極材は、以下の特徴を有したピリジン型の窒素原子を含有する炭素電極材である。
本発明のレドックス電池用炭素電極材を使用した電解槽は、その一例として図1に示す構造である。前記電解槽は、相対する二枚の集電板1、1間にイオン交換膜3が配設され、イオン交換膜3の両側にスペーサー2によって集電板1、1の内面に沿った電解液の通液路が形成されている。該通液路の少なくとも一方には本発明のレドックス電池用炭素電極材5が配設されており、このようにして電解槽が構成されている。なお、集電板1には、電解液の液流入口と液流出口とが設けられている。
本発明のレドックス電池用炭素電極材5は、炭素質材料からなり、その構成組織は特に限定されないが、電極表面積を大きくできるものが好ましい。具体的には、炭素質繊維よりなる紡績糸、フィラメント集束糸、不織布、編物、織物、特殊編織物(例えば、特許文献4)またはこれらの混成組織からなる炭素質繊維集合体、多孔質炭素体、炭素−炭素複合体、粒子状炭素材料等を挙げることができる。これらのうち、炭素質繊維集合体が好ましく、なかでも炭素質繊維よりなるシート状物である炭素質繊維よりなる不織布、編物、織物、特殊織編物、またはこれらの混成組織からなる炭素質繊維集合体が、取り扱いや加工性、製造性等の点からより好ましい。
前記炭素質材料の目付量は構成組織にもよるが、図1の集電板1とイオン交換膜3に挟まれたスペーサー2の厚み(以下、「スペーサー2の厚み」と言う)を0.3〜3mmで使用する場合、50〜1000g/m2が好ましく、構成組織が編物の場合は50〜1000g/m2、織物の場合は50〜800g/m2、不織布の場合は50〜600g/m2が好ましい。また、炭素質材料として、片面に凹溝加工が施された不織布を使用することも通液性からより好ましい。その場合の溝幅、溝深さは少なくとも0.1mm以上が好ましい。
前記炭素質材料の厚みは、スペーサー2の厚みより少なくとも大きいこと、不織布等の密度の低いものの場合はスペーサー2の厚みの1.5〜6.0倍が好ましい。しかしながら、厚みが厚すぎるとシート状物の圧縮応力のよりイオン交換膜3を突き破ってしまうことがあるので、シート状物の圧縮応力を9.8N/cm2以下のものを使用するのが好ましい。炭素質材料によっては、目付量・厚み・圧縮応力を調整するために、炭素質材料を2層や3層など積層して用いることも可能であり、また別の形態の炭素質材料との組み合わせも可能である。
本発明の炭素電極に用いられる炭素質繊維集合体は、炭素質繊維で構成されるものである。炭素質繊維は、有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる質量比で90%以上が炭素で構成される繊維を意味する(JIS L 0204−2)。炭素質繊維の原料となる有機繊維のプレカーサーとしては、ポリアクリロニトリル等のアクリル繊維;フェノール繊維;ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等のPBO繊維;芳香族ポリアミド繊維;等方性ピッチ、メソフェーズピッチ等のピッチ繊維;セルロース繊維;等を使用することができる。中でも、炭素質繊維の強度・弾性率に優れ、炭素質繊維集合体を形成することが容易となる観点から、有機繊維のプレカーサーとしては、アクリル繊維、ピッチ繊維が好ましく、アクリル繊維がより好ましい。アクリル繊維としては、アクリロニトリルを主成分として含有するものであれば特に限定されないが、アクリル繊維を形成する原料単量体中、アクリロニトリルの含有量が95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。
有機繊維の質量平均分子量は、特に限定されないが、10000以上、100000以下であることが好ましく、15000以上、80000以下であることがより好ましく、20000以上、50000以下であることがさらに好ましい。
炭素質材料として炭素質繊維を使用する場合、その平均繊維径は0.5〜20μmが好ましく、平均繊維長は30〜100mmが好ましい。
特に、加熱炭素化処理は、少なくとも、耐炎化工程、および、炭素化工程を含むことが好ましい。
前記耐炎化工程は、空気雰囲気下、有機繊維のプレカーサーを180℃以上350℃以下の温度で加熱し、耐炎化有機繊維を得る工程を意味する。熱処理温度は、190℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、330℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがさらに好ましい。前記温度範囲で加熱することにより、有機繊維が熱分解することなく炭素質繊維の形態を保持したまま有機繊維中の窒素、水素の含有率を低減し、炭素化率を向上することができる。耐炎化工程の際、有機繊維が熱収縮し分子配向が崩壊して、炭素質繊維の導電性が低下する場合があることから、有機繊維を緊張下ないし延伸下で耐炎化処理することが好ましく、緊張下で耐炎化処理することがより好ましい。
前記炭素化工程は、不活性雰囲気下(好ましくは窒素雰囲気下)、耐炎化有機繊維を1000℃以上2000℃以下の温度で加熱し、炭素質繊維を得る工程を意味する。加熱温度は、1100℃以上であることがより好ましく、1200℃以上であることがさらに好ましい。また、より好ましくは1900℃以下である。前記温度範囲で炭素化工程を行うことにより、有機繊維の炭素化が進行し、擬黒鉛結晶構造を有する炭素質繊維を得ることができる。
有機繊維は、それぞれ異なる結晶性を有するため、加熱温度は、原料とする有機繊維の種類に応じて選択することができる。
例えば、有機繊維としてアクリル樹脂(好ましくはポリアクリロニトリル)を使用する場合、加熱温度は2000℃以下であることが好ましく、1800℃以下であることがさらに好ましい。
前記耐炎化処理工程と炭素化工程とは、連続的に行うことが好ましく、耐炎化温度から炭素化温度へ昇温するときの昇温速度は、20℃/分以下であることが好ましく、より好ましくは15℃分/以下である。昇温速度を前記範囲とすることにより、有機繊維の形状を保持し、かつ機械的性質に優れた炭素質繊維を得ることができる。
加熱炭素化処理は、さらに乾式酸化処理工程を含むことが好ましい。乾式酸化処理工程は、空気雰囲気下、炭素質繊維を500℃以上、900℃以下で加熱する工程を意味する。乾式酸化処理温度は、600℃以上であることがより好ましく、650℃以上であることがさらに好ましい。また、800℃以下であることがより好ましく、750℃以下であることが好ましい。前記温度範囲で炭素質繊維を乾式酸化処理することにより、炭素質繊維中の低結晶性部分が酸化消耗され、さらに結晶性に優れた炭素質繊維を得ることができる。
乾式酸化処理工程においては、炭素質繊維の機械的強度を維持する観点から、酸化前後の質量収率を90%以上、96%以下に調整することが好ましい。
前記炭素質材料は、電池の中に圧接されて組み込まれ、その薄い隙間を粘度の高い電解液が流れるため、炭素質材料が脱落しないためには炭素質材料の引張強度を0.49N/cm2以上にすることが好ましい。また集電板との接触抵抗を良くするために、炭素質材料が不織布組織の場合、密度を0.01g/cm3以上に、電極面に対する反発力を0.98N/cm2以上にすることが好ましい。
本発明の炭素繊維の結晶構造が、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.60Åより大きい、c軸方向の結晶子の大きさが15Åより小さいか、またはa軸方向の結晶子の大きさが50Åより小さい場合、電池内部抵抗(セル抵抗)の内の電極材導電抵抗成分が無視できないようになり、その結果セル抵抗が増加し(電圧効率が低下し)、エネルギー効率が低下する。
また、本発明の炭素繊維の結晶構造が、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.43Åより小さいか、c軸方向の結晶子の大きさが50Åより大きいか、またはa軸方向の結晶子の大きさが75Åより大きい場合、充放電サイクルの繰り返しにより、セル抵抗は増加していき、エネルギー効率は低下していってしまう。これは、上述のような結晶構造を持つ炭素質材料では結晶構造内に歪みを持つか、黒鉛に近い構造を取るため、例えばレドックス電池の電解液に用いられる硫酸による分解を引き起こしやすいからであると考えられる。
本発明の炭素質材料は、XPS(X線光電子分光法)表面分析より求めた炭素質材料表面の結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以上であることが必要である。結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以上の炭素系材料を電極材に用いることにより、電極反応速度を著しく高め得ることができる。XPS表面分析より求めた炭素質材料表面の結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%未満の酸素濃度の低い炭素質材料を用いる場合は放電時の電極反応速度が小さく、電極反応活性を高めることはできない。このように材料表面に酸素原子を多く結合させた炭素質材料を電極材として用いることにより電極反応活性、いいかえれば電圧効率が高められる理由については明らかでないが、炭素質材料と電解液との親和性、電子の授受、錯イオンの炭素材料からの脱離、錯交換反応等に表面の酸素原子が有効に働いているものと考えられる。
本発明のレドックス電池用炭素電極材においては、炭素がsp2混成軌道により化学結合し、二次元に広がった六角網面構造を有する炭素原子の集合体であるグラフェンが存在することが好ましい。この六角網面構造に窒素原子が導入されると、ピリジン型、第4級型、ピロール型、酸化型等の構造を取り、これによってより優れた活性能を示す。なお、これらの構成比は、例えば、X線光電子分光測定(XPS)等により測定することができる。
窒素原子を含有する化合物に関しては、公知の含窒素化合物であれば特に制限はない。中でも、含窒素複素環化合物の方が、熱分解の際に窒素原子が導入されやすくなるため好ましい。また、窒素原子が構成単位中にできるだけ多い方がよく、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピリミジン、トリアゾールなどがより好ましい。
炭素材料電極の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時させる手法については、公知の任意の方法であれば、特に制限はない。例えば、前述の含窒素複素環化合物が低分子、高分子いずれの場合でも、粉末状で炭素材料表面に吹き付けることで担時させることができる。または、前述の含窒素複素環化合物を溶液とした後に、該炭素材料電極を溶液中に浸漬することで担時させることもできる。炭素材料電極の内部まで均一に担持できることから、溶液による担持方法が好ましい。
窒素原子を含有する化合物の熱分解温度は、500℃以上が好ましく、700℃以上がより好ましい。熱分解温度を上記以上とすることで、ピリジン型の窒素原子を含むグラフェン構造を十分に成長させることができる。また、熱分解時の雰囲気は、窒素ガスやアルゴンガスなど不活性雰囲気下で実施することが、同様の理由で好ましい。
本発明のレドックス電池用炭素電極材の形状は、多孔質形態であれば特に制限はなく、織布、不織布、紙、多孔フィルムなど多様な形状を採用することができるが、電解液の通液しやすさの観点から、繊維からなる織布や不織布であることが好ましい。
本発明における、繊維からなる織布や不織布は、平均繊維径は0.5〜20μm、特に1〜10μmが好ましい。上記の範囲内とすることで、電極材としての強度を十分保てると共に、活性能を左右する繊維表面積も十分量確保することができる。
本発明では、炭素材料電極の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時し、これを熱分解させる工程の前後で賦活処理を施してもよい。賦活処理を施すことにより、比表面積をより増大させ、活性能をより向上させることができる。
賦活処理としては、特に制限されない。例えば、水蒸気ガスによる賦活、炭酸ガスによる賦活、アルカリによる賦活、空気酸化による賦活等がいずれも採用できる。
賦活温度は、特に制限されるわけではないが、700〜1000℃程度が好ましく、750〜950℃程度がより好ましい。賦活温度をこの範囲とすれば、比表面積をより増大させ、活性能をより向上させることができる。
具体的な賦活処理の方法としては、例えば、不活性ガスの雰囲気下、毎時400℃以下程度(特に毎時300℃以下程度)の昇温条件で賦活温度(好ましくは700〜1000℃)まで昇温し、例えば水蒸気賦活を行う場合は水蒸気を吹き込んで数時間保持すればよい。この際使用できる還元ガスは、上記したものが挙げられる。
賦活する方法は、特に限定されない。例えば、典型例として、水蒸気賦活する場合には、上記賦活温度まで昇温後、5〜50Vol%、好ましくは10〜30Vol%の濃度になるように水蒸気ガスを吹き込めばよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明において採用される<002>面間隔(d002)、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)、a軸方向の結晶子の大きさ(La)、XPS表面分析、水銀圧入法、電流効率、電圧効率(セル抵抗R)、エネルギー効率および充放電サイクルの経時変化の各測定法について説明する。
(1)<002>面間隔(d002)、結晶子の大きさ(Lc)、a軸方向の結晶子の大きさ(La)
電極材料をメノウ乳鉢で、粒径10μm程度になるまで粉砕し、試料に対して約5重量%のX線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として混合し、試料セルに詰め、CuKα線を線源として、ディフラクトメーター法によって広角X線を測定する。
曲線の補正には、いわゆるローレンツ因子、偏光因子、吸収因子、原子散乱因子等に関する補正を行わず、次の簡便法を用いる。すなわち、<002>回折に相当するピークのベースラインからの実質強度をプロットし直して<002>補正強度曲線を得る。この曲線のピーク高さの2/3の高さに引いた角度軸に平行な線が補正強度曲線と交わる線分の中点を求め、中点の角度を内部標準で補正し、これを回折角の2倍とし、CuKαの波長λとから数式1のBraggの式によって<002>面間隔を求める。
ここで、波長λ=1.5418Å、θは<002>回折角を示す。
さらに、ピーク高さの1/2の高さに引いた角度軸に平行な線が、補正強度曲線と交わる線分の長さ(半値幅β)から、数式2によってc軸方向の結晶子の大きさLcを求める。
ここで、波長λ=1.5418Å、構造係数k1=0.9、θは<002>回折角を、βは<002>回折ピークの半値幅を示す。
また<10>回折に相当するピークのベースラインからの実質強度をプロットし直して<10>補正強度曲線を得る。ピーク高さの1/2の高さに引いた角度軸に平行な線が補正強度曲線と交わる線分の長さ(半値幅β)から数式3によってa軸方向の結晶子の大きさLaを求める。
ここで、波長λ=1.5418Å、構造係数k2=1.84、θは<10>回折角を、βは<10>回折ピークの半値幅を示す。
(2)XPS表面分析
ESCAまたはXPSと略称されているX線光電子分光法の測定に用いた装置はアルバック・ファイ5801MCである。
試料をサンプルホルダー上にMo板で固定し、予備排気室にて十分に排気後、測定室のチャンバーに投入した。線源にはモノクロ化AlKα線を用い、出力は14kV、12mA、装置内真空度は10-8torrとする。
全元素スキャンを行い表面元素の構成を調べ、検出された元素ならびに予想される元素についてナロースキャンを実施し、存在比率を評価する。
全表面炭素原子数に対する表面結合酸素原子数の比を百分率(%)で算出する。
(実施例1)
耐炎化ポリアクリロニトリルからなるフェルト(厚さ4.5mm、坪量600g/m2)を窒素雰囲気下で、100℃/h以下の昇温温度で1500℃まで昇温した。その後1時間焼成して炭素化後、常温まで空冷した。その後、メラミンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、本溶液中に上記の電極材を浸漬し、超音波処理により脱泡を行った。浸漬後の電極材に付着した余分なメラミン溶液を拭き取り、これを100℃で2時間乾燥させた。メラミン担持後の該電極材料を、窒素ガス雰囲気下で900℃で1時間焼成し、目的とする窒素ドープされた電極材料を得た。得られた電極材料の<002>面間隔は3.55Åで、Lcは23Å、Laは45Å、XPS表面分析の結果、窒素原子数は25%、酸素原子数は8%であった。
(実施例2)
メラミンの替わりにポリベンズイミダゾール(佐藤ライト社製)を用いた以外は、実施例1と同様にした。XPS表面分析の結果、窒素原子数は23%、酸素原子数は8%であった。
(比較例1)
含窒素化合物の担持を行わないこと以外は実施例1と同様にした。
(試験例1)
実施例1〜2及び比較例1で得られた電極材料を、上下方向(通液方向)に10cm、幅方向に1.6cmの電極面積16cm2 に切り出し、図1で示したようなセルを組み立てた。イオン交換膜はナフィオン212膜を用い、スペーサー厚みは2.5mmとした。70mA/cm2で1.45Vまで充電を行い、ソーラートロン社製交流インピーダンス装置を用いて、導電抵抗、拡散抵抗、電荷移動反応抵抗をそれぞれ分離した。その結果を表1に示した。また、正極電解液には1.7mol/lのオキシ硫酸バナジウムの2.5mol/l硫酸水溶液を用い、負極電解液には1.7mol/lの硫酸バナジウムの2.5mol/l硫酸水溶液を用いた。電解液量はセル、配管に対して大過剰とした。液流量は毎分6.2mlとし、30℃で測定を行った。
表1から明らかなように、炭素材料電極の表面に窒素原子を含有する化合物を被覆または担時し、これを熱分解させて、前記炭素材料表面に窒素原子をドープし、これを電極活性点とした実施例1〜2については、非常に低い電荷移動反応抵抗を示し、結果として、低い全セル抵抗を示した。これは、ピリジン型の窒素原子が導入されたことで、従来の酸性官能基導入型よりも高活性化されたと考えられる。一方、比較例1については、導電抵抗と拡散抵抗は実施例1〜2と同等であるものの、電荷移動反応抵抗が大きいため全セル抵抗は大きい結果となった。
本発明のレドックス電池用炭素電極材は、アンモニア処理により、導電性と活性能を兼ね備えたピリジン型の窒素原子を含むグラフェン構造を繊維上に導入する。これにより、初期充放電時のセル抵抗を低下させ、電池エネルギー効率を向上させることを可能とするものである。そして、本発明の炭素電極材はフロータイプおよびノンフロータイプのレッドクス電池、またはリチウム、キャパシタ、燃料電池のシステムと複合化されたようなレドックス電池に好適に用いられ、電池性能を向上させることが可能となり、産業界への寄与大である。
1…集電板、2…スペーサ、3…イオン交換膜、4a,b…通液路、5…電極
材、6…正極液タンク、7…負極液タンク、8,9…ポンプ、10…液流入口、11…液流出口

Claims (3)

  1. X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.43〜3.60Åで、c軸方向の結晶子の大きさが15〜50Åで、a軸方向の結晶子の大きさが30〜75Åである擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面の結合酸素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以上であるレドックス電池用炭素電極材の製造方法であって、
    炭素質材料の表面に含窒素複素環化合物を被覆または担するステップと、
    前記含窒素複素環化合物を熱分解させて、前記炭素材料表面に窒素原子をドープするステップと、を含むことを特徴とする、レドックス電池用炭素電極材の製造方法
  2. 前記含窒素複素環化合物が、メラミン、ピロール、ピリジン、イミダゾールのいずれかを少なくとも1種以上有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のレドックス電池用炭素電極材の製造方法
  3. 前記炭素材料が、炭素質繊維の不織布または織布よりなる請求項1または2に記載のレドックス電池用炭素電極材の製造方法
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