JP6781382B2 - 熱硬化性組成物およびそれを用いた導電性接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、高温短時間(100〜150℃で1分以内)で硬化する熱硬化性組成物および当該熱硬化性組成物を用いた等方性の導電性接着剤に関するものである。
特許文献1には二液型のアクリル系封止材に関する発明が記載され、加熱時の突沸を抑制するために粘度を低めに設定することが記載されている。
特開2005−298765号公報
特許文献1に記載の発明によれば、組成物の粘度を低めに設定していることで、加熱時の突沸をある程度抑制することは可能である。しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載のアクリル系封止材の速硬化性は十分であるとは言えないことが判明した。
この特許文献1に記載の発明のように、従来技術の熱硬化性組成物は、高温短時間(100〜150℃で1分以内)における硬化において、突沸を抑制しつつ十分な速硬化性を発揮することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、高温短時間における硬化において、突沸することなく且つ速硬化性を有する熱硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記熱硬化組成物を用いた導電性接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、熱硬化性組成物およびそれを用いた導電性接着剤に関する手法を見いだして本発明に至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(C)成分を含む熱硬化性組成物である:
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
(B)成分:分子量が230以上であって、且つ(A)成分に溶解するフェノール化合物
(C)成分:式1の構造の有機過酸化物。
(ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指す。)
本発明の第二の実施態様は、前記(B)成分の融点が225℃より低い第一の実施態様に記載の熱硬化性組成物である。
本発明の第三の実施態様は、前記(A)成分が、下記(A−1)成分および(A−2)成分を含む第一または第二の実施態様に記載の熱硬化性組成物:
(A−1)成分:(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマー;
(A−2)成分:分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマー。
本発明の第四の実施態様は、前記(C)成分が、式2の構造の有機過酸化物である第一から第三の実施態様のいずれか一つに記載の熱硬化性組成物である。
(ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指す。)
本発明の第五の実施態様は、(D)成分としてステアリン酸により表面処理された導電性粒子をさらに含む、第一から第四の実施態様のいずれか一つに記載の熱硬化性組成物である。
本発明の第六の実施態様は、前記導電性粒子は、ステアリン酸により表面処理された銀粉または銀メッキ粉である、第五の実施態様に記載の熱硬化性組成物である。
本発明の第七の実施態様は、第五または第六の実施態様に記載の熱硬化性組成物を含む導電性接着剤である。
本発明の第八の実施態様は、第七の実施態様に記載の導電性接着剤の硬化物を含む電気電子部品である。
本発明の一実施態様は、(A)〜(C)成分を含む熱硬化性組成物である:
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
(B)成分:分子量が230以上であって、且つ(A)成分に溶解するフェノール化合物
(C)成分:式1の構造の有機過酸化物。
(ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指す。)
本発明の詳細を次に説明する。
なお、本明細書において、「X〜Y」は、その前後に記載される数値(XおよびY)を下限値および上限値として含む意味で使用する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は、室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。また、「(メタ)アクリレート」との用語には、メタクリレートおよびアクリレートの両方が包含される。
本発明で使用することができる(A)成分としては、(メタ)アクリル基を有する化合物である。低粘度化と接着強さの向上を考慮すると、(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマーと分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマーを含むことが好ましい。すなわち、前記(A)成分が、下記(A−1)成分および(A−2)成分を含むことが好ましい:
(A−1)成分:(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマー;
(A−2)成分:分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマー。
(A−1)成分の(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマーの合成方法としては、ポリオールとポリイソシアネートによりウレタン結合を形成して、未反応のイソシアネート基に水酸基と(メタ)アクリル基を有する化合物やアクリル酸を付加させるなどの合成方法が知られている。また、(A−1)成分として市販品を使用することも良く、具体例としては、共栄社化学株式会社製のAH−600、AT−600、UA−306H、UF−8001G、ダイセル・オルネクス株式会社製のEBECRYL8301Rなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A−2)成分の分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマーとしては、本発明の特性を損なわない範囲において分子内に(メタ)アクリル基を2つ以上有するモノマーを添加することができるが、導電性の発現を考慮すると、分子内に(メタ)アクリル基を1つ有するモノマーを使用することが好ましい。
(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下ECHと略記)変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A−1)成分の(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマーと、(A−2)成分の分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマーとの質量比率は20:80〜80:20の範囲であることが好ましい。これにより低温硬化性を発現しやすい。
本発明で使用することができる(B)成分としては、分子量が230以上であって、且つ(A)成分に溶解するフェノール化合物である。(B)成分にはフェノール基が1以上存在すれば良い。(B)成分を含まない熱硬化性組成物の場合、塗出した状態で加熱すると内部で発泡して当該泡が弾けてクレーター状に硬化してしまう。本発明では、当該現象を突沸と表現する。一方、上記の(B)成分を添加することで、加熱硬化時の突沸を抑制することにより硬化物の外観が良好で、面接着の際にも界面に気泡が残ることが無く、剪断接着強さが向上できる。また、本発明の一形態である導電性接着剤において、被着体と本発明の硬化物との界面における抵抗値の安定化を図ることができる。
ここで溶解とは、(B)成分を適量な(A)成分に溶かして、適当な温度下で目視あるいは触感で、(B)成分の原形が認められず、均一な状態であることをさす。前記適量とは、下記で述べる(A)成分に対する(B)成分の添加量と一致する。前記適当な温度は、本発明の熱硬化性組成物が保存される温度を指し、ここでは室温(25℃)である。
また、(B)成分の融点について特に制限されないが、(A)成分に対する溶解性の観点から(B)成分は融点が225℃より低いことが好ましく、50℃以上225℃未満であることがより好ましい。なお、突沸抑制の効果の観点から、(B)成分の融点が120〜220℃であることがより好ましく、180〜215℃であることが特に好ましい。
(B)成分としては、1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(融点:221℃、分子量:784)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(融点:212℃、分子量:383)、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(融点:52℃、分子量:531)、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](融点:115℃、分子量:1178)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(B)成分の具体例としては、ADEKA株式会社製のアデカスタブシリーズとして、AO−20、AO−40、AO−50、AO−60などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(B)成分は0.01〜5質量部添加することが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2質量部である。(B)成分が0.01質量部以上添加されることで、加熱硬化の際に樹脂が突沸することが無い。一方、(B)成分が5質量部以下であると硬化性を低下させることが無い。
本発明で使用することができる(C)成分としては、式1の構造の有機過酸化物である。ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指し、直鎖状でも環状でも良い。式(1)のような構造を有する有機過酸化物により、より低温硬化性、速硬化性に効果があると考えられる。特に好ましいRは置換または非置換の炭素数が1〜8の炭化水素基であり、より好ましいRは置換または非置換の炭素数が3〜8の環状炭化水素基であり、例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、その中で最も好ましい炭化水素基(R)は置換または非置換のシクロヘキシル基である。ここで、Rとしての炭化水素基が置換されている場合の置換基としては、炭素数が1〜7の炭化水素基が挙げられ、好ましくは炭素数が1〜7のアルキル基であり、例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基等が挙げられる。
特に好ましい(C)成分は、低揮発性を考慮すると式2の構造の有機過酸化物である。ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指し、直鎖状でも環状でも良い。特に好ましいRは炭素数が1〜7の炭化水素基であり、より好ましいRは炭素数が1〜7のアルキル基であり、例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基等が挙げられ、その中で最も好ましい炭化水素基(R)はt−ブチル基である。また、本発明の一形態において、熱硬化性組成物に導電性粒子を添加した際の保存安定性を維持する観点から、(C)成分は25℃で固体であることが好ましい。(C)成分としては、ジ−n−プロピル−パーオキシジカーボネート、ジ−iso−プロピル−パーオキシジカーボネート、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル−パーオキシジカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(C)成分を添加することによって、熱硬化性組成物の速硬化性が向上できる。有機過酸化物の反応性の評価指標としては、特定の時間で半減期を迎える時点の温度が目安になる。具体的には、1分間半減期温度、1時間半減期温度、10時間半減期温度などがある。例えば、1分間半減期温度とは、有機過酸化物の濃度が1分間で初期濃度の半分になるための温度を指す。(C)成分の1分間半減期温度が低いほど、熱硬化性組成物の速硬化性が良くなるため好ましい。硬化時間を短くするためには、(C)成分の1分間半減期温度が100℃以下であることが好ましい。(C)成分の具体例としては、日油株式会社製のパーロイルシリーズとしてNPP(1分間半減期温度:94.0℃)、IPP(1分間半減期温度:88.3℃)、SBP(1分間半減期温度:92.4℃)、TCP(1分間半減期温度:92.1℃)、OPP(1分間半減期温度:90.6℃)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して(C)成分を1〜10質量部含むことが好ましい。(C)成分が1質量部以上では低温硬化性が発現する。一方、(C)成分が10質量部以下では本発明の熱硬化性組成物に導電性粒子を添加した際に保存安定性を維持することができる。
また、一実施形態において、本発明の熱硬化性組成物は等方性の導電性を実現するために、(D)成分をさらに含んでも良い。本発明で使用することができる(D)成分としては、ステアリン酸により表面処理された導電性粒子である。
従来技術では、導電性を実現するために導電性粒子を熱硬化性組成物に添加することがあるが、熱硬化性組成物中の有機過酸化物は、導電性粒子から発生する金属イオンにより分解が促進されてゲル化し易くなり、経時で粘度が変化して、熱硬化性組成物の保存安定性に欠けるため取扱性が悪い。そこで、本発明者らの研究によって、明確な理由は分かっていないが、ステアリン酸で処理した銀粉は特に保存安定性を向上させる効果があることが判明した。当該熱硬化性組成物に(D)成分の導電性粒子を添加すれば、25℃雰囲気下における保存安定性が維持できる。金やニッケルの様な難接着の金属製被着体に対して接着強さを発現すると共に安定した導電性を発現できる。
導電性粒子としては、電気伝導性を発現すれば良く、粒子の材質、粒子の形状は限定されない。導電性粒子の材質としては、銀粉、ニッケル粉、パラジウム粉、カーボン粉、タングステン粉、メッキ粉などが挙げられ、特に銀粉が好ましい。また、導電性粒子の形状としては、球状、不定形、フレーク状(鱗片状)、フィラメント状(針状)および樹枝状など挙げられる。複数の種類を混合して使用しても良い。また、原料原価が安いことから、絶縁性酸化金属、ニッケル粉または絶縁体の粉体を銀メッキ処理した導電性粒子も使用できる。前記絶縁性酸化金属とは、具体的に銅粉、アルミニウム粉または鉄粉などが挙げられ、金属表面に不動態が形成されており導電性が発現しないような金属である。樹脂成分に混練するためには、平均粒径が100μm以下であることが好ましい。(D)成分の導電性粒子としては、コストと導電性を考慮すると、ステアリン酸により表面処理された銀粉または銀メッキ粉であることが好ましい。
ステアリン酸による表面処理方法としては、溶剤に希釈したステアリン酸を導電性粒子と共にボールミル等で処理した後に溶剤を乾燥させる方法などが知られているが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(D)成分を100〜1000質量部含むことが好ましく、さらに好ましくは200〜800質量部である。(D)成分が100質量部以上の場合は導電性が発現する。一方、(D)成分が1000質量部以下の場合は、糸ひき発生などが無く作業性が良好である。
さらに、本発明の特性を損なわない範囲において安定剤を添加しても良い。安定剤としては、重合禁止剤やキレート剤などが含まれる。発生したラジカル種を捕捉することで保存安定性を保つために重合禁止剤を使用することもできる。また、発生した金属イオンを捕捉するためにキレート剤を使用することができる。
重合禁止剤の具体例としては、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
キレート剤の具体例としては、株式会社同人化学研究所製のEDTA・2Na、EDTA・4Naなどが挙げられ、25℃で液状のキレート剤としてはキレスト株式会社製のMZ−8などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
安定剤は添加量が多すぎると保存安定性が良くなる一方で、反応性が遅くなるため組成物全体に対して0.001〜1.0質量%にすることが好ましい。
さらに、本発明の特性を損なわない範囲において充填剤を添加することができる。充填剤は、無機充填剤や有機充填剤に分類される。無機充填剤として、導電性を発現しない金属粉(粉体表面が酸化による不動態を形成した金属粉)、アルミナ粉、炭酸カルシウム粉、タルク粉、シリカ粉、ヒュームドシリカ粉等が挙げられ、有機充填剤としては、アクリル粒子、ゴム粒子、スチレン粒子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。充填剤を添加することで粘度やチクソ性を制御することができると共に、強度の向上を計ることができる。平均粒径や形状などの粉体特性については特に限定はないが、組成物への分散のし易さとノズル詰まりを考慮すると、平均粒径は0.001〜50μmが好ましい。特に、ヒュームドシリカ粉は添加することでチクソ性を付与すると共に保存安定性も維持される。ヒュームドシリカ粉の具体例としては、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL R805、R972などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、充填剤は0.1〜10質量部添加されることが好ましい。充填剤が0.1質量部より多い場合は流動性を安定化すると共に作業性を向上することができ、10質量部より少ない場合は保存安定性を維持することができる。
本発明には、本発明の特性を損なわない範囲において顔料、染料などの着色剤、難燃剤、酸化防止剤、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により導電性、樹脂強度、接着強さ、作業性、保存安定性等に優れた接着剤またはその硬化物が得られる。
本発明のもう一つの実施形態では、(D)成分を含む本発明の熱硬化性組成物を含む導電性接着剤を提供する。前記導電性接着剤には、本発明の熱硬化性組成物以外に、導電性接着剤の特性を損なわない範囲において、さらにその他の成分を含んでもよいが、好ましくは、当該導電性接着剤は、(D)成分を含む本発明の熱硬化性組成物からなる。
本発明のもう一つの実施形態は、前記導電性接着剤の硬化物を含む電気電子部品である。すなわち、前記電気電子部品では、半導体素子および各種電気電子部品の組立あるいは基板への接着に導電性接着剤が用いられる。具体的に、前記電気電子部品として、本発明の導電性接着剤により、半導体素子、ソーラーパネル、熱電素子、チップ部品、ディスクリート部品またはこれらの組合せが基板に実装されているもの、または本発明の導電性接着剤により、フィルムアンテナ、キーボードメンブレン、タッチパネル、RFIDアンテナの配線形成及び基板への接続を行ったものが挙げられる。
本発明は、高温短時間(100〜150℃で1分以内)による硬化の際に、突沸すること無く速硬化性を有する熱硬化性組成物を実現し、当該熱硬化性組成物に導電性粒子を添加すれば、25℃雰囲気下における保存安定性が維持できると共に、金やニッケルのような難接着の金属製被着体に対して接着強さを発現すると共に安定した導電性を発現する。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、熱硬化性組成物を単に組成物とも呼ぶ。
実施例1〜6、比較例1〜3の組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
・6官能の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL8301R ダイセル・オルネクス株式会社製)
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA 株式会社日本触媒製)
(B)成分:分子量が230以上であって、且つ(A)成分に溶解するフェノール化合物
・1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(融点:221℃、分子量:784)(アデカスタブAO−20 ADEKA株式会社製)
・4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(融点:212℃、分子量:383)(アデカスタブAO−40 ADEKA株式会社製)
・3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(融点:52℃、分子量:531)(アデカスタブAO−50 ADEKA株式会社製)
・ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](融点:115℃、分子量:1178)(アデカスタブAO−60 ADEKA株式会社製)
(B’)成分:(B)成分以外のフェノール化合物
・1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(融点:184℃、分子量:545)(アデカスタブAO−30 ADEKA株式会社製)
・ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(融点:70℃、分子量:220)(試薬)
(C)成分:式1の構造の有機過酸化物
・ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(25℃で固体、1分間半減期温度:92.1℃)(パーロイルTCP 日油株式会社製)
(C’)成分:(C)成分以外の有機過酸化物
・ジラウロイルパーオキサイド(25℃で固体、1分間半減期温度:116.4℃)(パーロイルL 日油株式会社製)
(A)成分および(B)成分(または(B’)成分)を秤量して攪拌釜に投入し1時間攪拌した。その後、(C)成分(または(C’)成分)を秤量して攪拌釜に投入して30分攪拌した。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例1〜6、比較例1〜3に対して、溶解性確認、突沸確認、硬化時間測定を実施した。その結果を表2にまとめた。
[溶解性確認]
組成物を調製する際に、以下の評価基準に従い、(B)成分(または(B’)成分)が溶解しているか目視にて確認を行い、「溶解性」とする。溶解すれば突沸の抑制に効果を発現する可能性があることから「○」であることが好ましい。
評価基準
○:完全溶解
×:溶解せず
[突沸確認]
ノズル付きシリンジに入った組成物を10mg秤量しガラス板上に塗出して、110℃に設定したホットプレートの上に10分間静置する。目視で外観を以下の評価基準に従って確認し、「突沸」とする。貼り合わせで使用する場合、内部に突沸が発生すると接着強さに影響を与えることから「◎」、「○」であることが好ましい。
評価基準
◎:突沸無し
○:突沸は無いが硬化物の表面が少し荒れている
×:突沸有り
[硬化時間測定]
ノズル付きシリンジに入った組成物を10mg秤量しガラス板上に塗出して、110℃に設定したホットプレートの上に放置して、組成物をポリテトラフルオロエチレン製の棒の先端で押して、棒を引いた時に糸曳きが無くなり、硬化するまでの時間を「硬化時間(秒)」とする。被着体に対して熱によるダメージを低減させるためには、低温硬化性は20秒以内であることが好ましい。
比較例1は、分子量が230以上のフェノール化合物を使用しているが(A)成分に溶解せず、突沸確認と硬化時間測定を確認することができなかった。また、実施例1〜6と比較例2を比較すると、比較例2では反応抑制効果があるBHTを使用しているが、突沸を抑制することができなかった。さらに、(C)成分以外の有機過酸化物を用いた比較例3では、硬化時間が長いことが分かる。これらより、有機過酸化物を含む組成物では、有機過酸化物の反応性を上げすぎると突沸し、反応性を下げすぎると硬化時間が長くなる傾向が見られる。実施例1〜6では、反応性硬化時間を短時間にすると共に突沸を抑制することが実現できる。
実施例7〜14、比較例4と5の組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
・6官能の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL8301R ダイセル・オルネクス株式会社製)
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA 株式会社日本触媒製)
(B)成分:分子量が230以上の(A)成分に溶解するフェノール化合物
・1,3,5−トリス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(融点:221℃、分子量:784)(アデカスタブAO−20 ADEKA株式会社製)
・4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(融点:212℃、分子量:383)(アデカスタブAO−40 ADEKA株式会社製)
・3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(融点:52℃、分子量:531)(アデカスタブAO−50 ADEKA株式会社製)
・ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](融点:115℃、分子量:1178)(アデカスタブAO−60 ADEKA株式会社製)
(C)成分:式1の構造の有機過酸化物
・ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(25℃で固体)(パーロイルTCP 日油株式会社製)
(D)成分:ステアリン酸により表面処理された導電性粒子
・銀粉1:下記の粉体特性を有するステアリン酸処理されたフレーク状銀粉
タップ密度:3.17g/cm
50%平均粒径:5.0μm
BET比表面積:0.67m/g
・銀粉2:下記の粉体特性を有するステアリン酸処理されたフレーク状銀粉
タップ密度:3.57g/cm
50%平均粒径:1.2μm
BET比表面積:2.01m/g
(A)成分、(B)成分を秤量して攪拌釜に投入し1時間攪拌した。その後、(C)成分を秤量して攪拌釜に投入して30分攪拌した。最後に、(D)成分を秤量して攪拌釜に投入して1時間攪拌した。詳細な調製量は表3に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例7〜14、比較例4に対して、保存安定性確認、抵抗値測定、剪断接着強さ測定を実施した。その結果を表4にまとめた。以下、導電性粒子を含む組成物を単に接着剤とも呼ぶ。
[保存安定性確認]
接着剤を2ml使用して、下記の測定条件で粘度を測定して初期粘度とする。その後、25℃雰囲気下で放置して、12時間毎に測定し初期粘度の20%増まで粘度測定を行い、下記の評価基準により「保存安定性」について判断する。接着剤の吐出時に吐出量を変化させないために、保存安定性は「○」であることが好ましい。保存安定性が「×」の場合、抵抗値測定と剪断接着強さ測定を行わない。
測定条件
コーンローター:3°×R2.4
せん断速度:1.0(1/s)
測定温度:25℃(温調装置使用)
評価基準
○:25℃で48時間以上
×:25℃で48時間未満
[抵抗値測定]
厚さ1.6mm×幅25mm×長さ10mmのニッケル板上に、ニッケル板の幅方向の両端部から10mm分を100μm厚のポリイミドテープでマスクして、幅5mm分ニッケル板が剥き出しになったものを2枚用意する。一方のニッケル板が剥き出しになっているところに接着剤を塗布して、もう一方の同寸法のニッケル板を十字に貼り合わせて押さえつけ、はみ出た接着剤を拭き取って固定治具で固定する。140℃雰囲気の熱風乾燥炉に投入して10秒間放置した後、熱風乾燥炉からテストピースを取り出す。サンプルが25℃に下がった後に、針状電極を有するデュアルディスプレイマルチメータを用いて、針状電極をニッケル板の剥き出し部の上下に触れさせ、「抵抗値(Ω)」を測定する。導電性を確保する観点から、抵抗値は0.5Ω以下であることが好ましい。
[剪断接着強さ測定]
厚さ1.6mm×幅25mm×長さ100mmのニッケル板上に、厚さ50μmになる様にマスキングテープを貼り付け、接着剤をスキージーして均一な塗膜を形成した。マスキングテープを剥がした後、塗膜上に2φ×1mmの円筒形のセラミックチップまたは金メッキチップを塗膜から1cm上から垂直に落下させてテストピースを作成した(n=5)。テストピースを5分以内に、140℃雰囲気の熱風乾燥炉に投入して、10秒間放置してから熱風乾燥炉からテストピースを取り出す。25℃に戻った後に、ニッケル板を固定した状態で、接触子付きのデジタルフォースゲージを50mm/分で移動させて、接触子でチップを押して「最大強度(N)」を測定する。接着面積から換算して、接着強さ(MPa)を計算した。セラミックチップを使用した場合を「接着強さ1(MPa)」とし、金メッキチップを使用した場合を「接着強さ2(MPa)」とする。部品の脱落等を考慮すると、接着強さは0.5MPa以上であることが好ましい。
実施例7〜14と比較例4を比較すると、比較例4は(B)成分を含んでいない。テストピース内部で突沸したため、抵抗値が高めになると共に接着強さが低下していることが分かる。導電性接着剤である実施例7〜14においても高温短時間硬化すると共に保存安定性、抵抗値および接着強さに関して良好な結果であることが分かる。
本発明は、25℃雰囲気下における保存安定性と突沸すること無く高温短時間(100〜150℃で1分以内)による速硬化性を両立することから構造用接着剤としても使用することができる。また、突沸が抑制された結果、金やニッケルの様な難接着の金属製被着体に対して高い接着強さを発現し、導電性粒子を添加した導電性接着剤においても安定した電気的接続をすることができる。これらの特性から、様々な電子部品などの組み立てに使用することができ、広い用途に展開される可能性がある。

Claims (7)

  1. (A)〜(C)成分を含む、熱硬化性組成物:
    (A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物であり、下記(A−1)成分および(A−2)成分を含む:
    (A−1)成分:(メタ)アクリル基を有するウレタン変性オリゴマー
    (A−2)成分:分子内に(メタ)アクリル基を1つ以上有するモノマー
    (B)成分:分子量が230以上であって、且つ(A)成分に溶解するフェノール化合物
    (C)成分:式1の構造の有機過酸化物。

    (ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指す。)
  2. 前記(B)成分の融点が225℃より低い、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. 前記(C)成分が、式2の構造の有機過酸化物である、請求項1または2に記載の熱硬化性組成物。

    (ここで、Rはそれぞれ独立した炭化水素基を指す。)
  4. (D)成分としてステアリン酸により表面処理された導電性粒子をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  5. 前記導電性粒子は、ステアリン酸により表面処理された銀粉または銀メッキ粉である、請求項に記載の熱硬化性組成物。
  6. 請求項またはに記載の熱硬化性組成物を含む、導電性接着剤。
  7. 請求項に記載の導電性接着剤の硬化物を含む、電気電子部品。
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