JP2016148012A - 硬化性組成物および電子部品 - Google Patents

硬化性組成物および電子部品 Download PDF

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福島 和信
Kazunobu Fukushima
和信 福島
佐々木 正樹
Masaki Sasaki
正樹 佐々木
和貴 仲田
Kazuki Nakada
和貴 仲田
大作 須藤
Daisaku Sudo
大作 須藤
健太郎 大渕
Kentaro Obuchi
健太郎 大渕
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Abstract

【課題】従来の不具合を有さずに、低温、低圧かつ短時間で優れた接着強度を確保でき、部材同士を電気的に接続し得る硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の硬化性は、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(B)有機バインダーおよび(C)パーオキサイド、を含む有機成分と、(D)導電粉末と、を含有する組成物であって、前記有機成分 (溶剤を含む場合は溶剤を除く)中のエチレン性不飽和結合当量が260以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関し、特に部材同士を低温、低圧かつ短時間で電気的に接続し得る導電接着剤として電子部品に用いて好適な硬化性組成物に関する。
電子機器もしくは電子機器の回路形成技術の分野では、電子部品を基板に実装する際に、はんだ粉末とフラックスを混練したクリームはんだを溶融して導電性と接続強度を得る方法が用いられてきた。しかし、このようなクリームはんだを用いて部材同士を導電接続するためには高温で処理する必要があるため、実装部品を熱から確実に保護する配慮が要求されていた。
これに対し、低融点はんだを用いて低温での導電接続を可能とし、また、エポキシ樹脂を用いて低融点はんだの接着強度を補強する導電性接着剤の技術が提案されている(特許文献1)しかしながら、この従来技術では、はんだペーストを短時間で硬化できないという課題があった。
これに対し、低融点はんだペーストを短時間で硬化する導電性接着剤の技術として、高温で処理することが開示されている(特許文献2)しかしながら、この従来技術では、満足な接着強度を得るには至っていない。
このように、はんだペーストなどの導電性接着剤を低温、低圧かつ短時間で接着強度に優れた導電接続を可能にする技術は依然として提案されていないのが実情である。
特開2012−115871 特開2013−51353
本発明の目的は、低温、低圧かつ短時間で優れた接着強度を確保でき、部材同士を電気的に接続し得る導電性接着剤として好適に用いられる硬化性組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の内容を要旨構成とする発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性組成物は、
(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物、
(B)有機バインダーおよび
(C)パーオキサイド、を含む有機成分と、
(D)導電粉末と、を含有する組成物であって、前記有機成分(溶剤を含む場合は溶剤
を除く)中の硬化性組成物のエチレン性不飽和結合当量が260以上であることを特徴とする。
本発明の硬化性組成物において、前記(D)導電粉末は、低融点はんだ粉末であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含まないことが好ましい。
本発明において、「溶媒を用いない」または「無溶媒」とは、硬化性組成物が実質的に溶媒を含まず、組成物の、150℃、30分加熱による質量の減少が、加熱前の質量と比較して、3質量%以下であることをいう。
本発明の硬化性組成物において、前記(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基含有化合物であることが好ましい。
本明細書において(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、メタクリロイル基及びこれらの混合物を総称する用語であり、(メタ)アクリレート等の類似の表現についても同様である。
本願発明の硬化性組成物は、電子部品の導電接着剤として好ましく使用され、得られる電子部品は、部材同士が電気的に接続されている。
本発明によれば、低温、低圧かつ短時間で優れた接着強度を確保でき、部材同士を電気的に接続し得る導電性接着剤として好適に用いられる硬化性組成物を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(B)有機バインダー、および(C)パーオキサイド、を含む有機成分と、(D)導電粉末と、を含有する硬化性組成物であって、有機成分 (溶剤を含む場合は溶剤を除く)のエチレン性不飽和結合当量が260以上であることを特徴としている。
本発明の硬化性組成物によれば、硬化の際に生じる硬化収縮が抑えられるため、優れた接着強度を得ることができる。
一般に、エチレン性不飽和結合当量が小さいほど、その組成物に含まれるエチレン性不飽和基の量が多くなることにより、架橋点が増加し、架橋密度が高い硬化物が得られる。また、反応基の密度が高い、すなわち濃度が高い方が反応性に優れ低温かつ短時間硬化には有利である。
しかしながら、本発明では、あえてエチレン性不飽和結合当量を大きくすることで架橋密度を低下させ、硬化収縮による接着強度の低下を抑制する。更に、有機バインダーとパーオキサイドを導入することにより低温かつ短時間での硬化が可能とされ、かつ接着強度が良好となる。
[エチレン性不飽和結合当量]
本発明のエチレン性不飽和結合当量とは、グラム当量でエチレン性不飽和結合数あたりの質量である。エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である場合は一般的に(メタ)アクリル当量とも呼ばれる。
たとえば、エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である場合は、(メタ)アクリロイル基1個あたりの有機成分(溶剤を含む場合は溶剤を除く)の質量と定義される。
すなわち、本発明における硬化性組成物の、エチレン性不飽和結合当量は、
有機成分((A)エチレン性不飽和結合を有する化合物+(B)有機バインダー+(C)パーオキサイド+その他有機成分)(溶剤を含む場合は溶剤を除く)の質量合計を組成物中のエチレン性不飽和結合の数で除することにより得ることができる。
以下に、本発明の硬化性組成物を構成する成分について説明する。
[(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物]
本発明の硬化性組成物は、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む組成物である。
(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するものであれば特に制限なく用いることができるが、(メタ)アクリロイル基含有化合物が好ましい。以下のモノマーの他、それらのオリゴマーを用いることもできる。
このような(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、置換又は非置換の脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、ヘテロ環含有アクリレート、およびこれらのエチレンオキサイド変性アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、アルキッドアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、並びにこれらに対応するメタクリレート類などを用いることができる。
より具体的には、単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロキシトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、
脂肪族エポキシ変性(メタ)アクリレート等変性(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシアルキルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、γ−(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)リン酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス[4−(メタ)アクリロキシメチル]トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン、ビス[4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシフェニル]プロパン、イソホロンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴシロキサニルジ(メタ)アクリレート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタン(メタ)アクリレート、
トリアリルイソシアヌレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどを用いることができる。
このほか、本発明の(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、以下の化合物も使用可能である。
(1)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを、2,4−トリレンジイソシアネートを介して液状ポリブタジエンのヒドロキシル基とウレタン付加反応させることにより得られる液状ポリブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、
(2)無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエンに、2−ヒドロキシアクリレートをエステル化反応させて得られる液状ポリブタジエンアクリレート、
(3)ポリブタジエンのカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸グリシジルとのエポキシエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(4)液状ポリブタジエンにエポキシ化剤を作用させて得られるエポキシ化ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、
(5)ヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸クロリドとの脱塩素反応によって得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、及び
(6)分子両末端にヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンの二重結合を水素添加した液状水素化1,2ポリブタジエングリコールを、ウレタン(メタ)アクリレート変性した液状水素化1,2ポリブタジエン(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
これらの市販品の例としては、NISSO PB TE−2000、NISSO PB TEA−1000、NISSO PB TE−3000、NISSO PB TEAI−1000(以上いずれも日本曹達株式会社製)、MM−1000−80、MAC−1000−80(以上いずれも日本石油化学株式会社製)、ポリベックACR−LC(日本ヒドラジン工業株式会社製)、HYCAR VT VTR 2000×164(宇部興産株式会社製)、Quinbeam101(日本ゼオン株式会社製)、Chemlink5000(SARTOMER社製)、BAC−15(大阪有機化学工業株式会社製)、BAC−45(大阪有機化学工業株式会社製)、UAT−2000(共栄社化学株式会社製)、エポリード PB−3600(ダイセル化学工業株式会社製)、EY RESIN、BR−45UAS(ライトケミカル工業株式会社製)などが挙げられる。
上記のうち、特に、2-ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、が好ましく使用される。
これら(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物は、1種または2種以上混合して使用することができる。
以上説明したようなエチレン性不飽和結合を有する化合物は、組成物の溶剤を除く有機成分中のエチレン性不飽和結合当量が260以上となるように配合する。好ましくは、260〜1000、より好ましくは260〜700、さらに好ましくは310〜500、(D)さらに好ましくは330〜500とする。エチレン性不飽和結合当量を260以上とすることで、硬化の際に生じる硬化収縮が抑えられ、十分な接着強度を得ることができる。また、エチレン性不飽和結合当量を1000以下とすることで、十分な硬化性を得ることができる。
このような(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物に対して後述の(C)パーオキサイドを用いることにより、反応が速やかに開始され、迅速な硬化が可能となり、接着強度が良好となる。
ここで、この(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量は、硬化性組成物の総質量に対して10〜90質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは25〜60質量%である。
(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量を、硬化性組成物の総質量に対して10質量%以上とすることにより、十分な硬化性が得られ、接着強度も良好とされる。また、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量を、硬化性組成物の総質量に対して90質量%以下とすることにより、硬化収縮が抑えられ接着強度も良好となる。
[(B)有機バインダー]
本発明の硬化性組成物は、(B)有機バインダーを有する化合物を含む組成物である。この有機バインダーを添加することにより、熱硬化の際に生じる応力を緩和し、接着強度がさらに向上する。
有機バインダーとは有機樹脂成分であり、公知慣用の天然樹脂、合成樹脂を用いることが出来る。
このような有機バインダーとしては、セルロース、およびロジン等の天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂などの合成樹脂を用いることができる。なかでもアクリル樹脂、ブチラール樹脂、飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
ブチラール樹脂の具体例としては、積水化学エスレックシリーズ(積水化学工業株式会社製)のエスレックBL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−10、BL−S、BL−L等が挙げられる。
飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、東洋紡バイロンシリーズ(東洋紡績株式会社製)のバイロン200、220、240、245、270、280、290、296、300、337、500、530、550、560、600、630、650、BX1001、GK110、130、140、150、180、190、250、330、590、640、680、780、810、880、890等が挙げられる。 アクリル樹脂の具体例としては、クラリティシリーズ(株式会社クラレ製)のクラリティ LA2330等が挙げられる。
有機バインダーは、室温(25℃)、大気圧において固形のものを用いるのが好ましい。固形の有機バインダーを用いることで硬化性組成物の硬化後の強度を維持しやすくなる。有機バインダーのTg(ガラス転移温度)は−20〜150℃、好ましくは0〜120℃、より好ましくは10〜70℃であることが好ましい。
(B)有機バインダーの分子量は1,000〜100,000、好ましくは3,000〜80,000、より好ましくは5,000〜60,000であることが好ましい。分子量が1,000以上であれば硬化時にブリードアウトすることなく応力緩和することができ、100,000以下であればエチレン性不飽和結合を有する化合物と容易に相溶し十分な流動性を得ることができる。
(B)有機バインダーの配合量は、硬化性組成物の総質量に対して1〜90質量%、好ましくは3〜60質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
[(C)パーオキサイド]
本発明の硬化性組成物には、上記(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物の重合開始剤として、(C)パーオキサイドが含まれる。
パーオキサイドにより、エチレン性不飽和結合を有する化合物のラジカル反応が開始される。この結果、電子部品における部材同士の接着力が向上する。
本発明で用いられる(C)パーオキサイドとしては液状及び粉末のパーオキサイドが含まれ、具体例としては、以下の材料を挙げることができる。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、およびアセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、および1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、および2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、およびt−ブチルヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジコハク酸パーオキサイド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、およびジ−(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパ−オキシネオデカノエート、t−ブチルパ−オキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、およびt-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等のパーオキシエステル、および3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン。
このような(C)パーオキサイドのなかでも、液状のものを用いることが好ましい。液状のパーオキサイドを用いることにより、硬化性組成物の保存安定性にも優れる。ここで、液状のパーオキサイドとは、室温(25℃)、大気圧において液状のパーオキサイドを
いう。
(C)パーオキサイドを使用することにより、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物の硬化が低温にて短時間で行われる。また、パーオキサイドとして液状のものを用いることにより、硬化性組成物の保存安定性にも優れる。
通常、熱硬化性の組成物では、粉体の硬化剤を配合し、潜在性硬化剤としての機能を付与しているが、本発明では意外にも、液状のパーオキサイドを用いることにより、硬化性組成物の保存安定性が向上することがわかった。その結果、液状のパーオキサイドによれば、硬化性組成物中に良好に分散して、(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物に対して良好に作用し硬化を促進する。
液状のパーオキサイドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、およびアセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、および1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、および2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、およびt−ブチルヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、およびベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパ−オキシネオデカノエート、t−ブチルパ−オキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、およびt-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等のパーオキシエステル、および3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンを挙げることができる。
このうち、本発明では、以下のパーオキサイドを用いると特に好ましい。
1,1-ジ(t−ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール、1,1,3,3-テトラメチルブ
チルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)3−ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、および1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、及びt−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステルが挙げられる。また、上記の特に好ましいパーオキサイドのうち、パーオキシエステルを用いることにより優れた密着性が得られる。なかでもアルキルパーオキシエステル
Figure 2016148012
を用いることにより、極めて優れた接着強度が得られる。
以上説明したような(B)パーオキサイドは、1分間半減期温度が80℃〜160℃、好ましくは85℃〜145℃、より好ましくは90℃〜135℃のものを用いることが好ましい。
1分間半減期温度を80℃以上とすることにより、室温での使用において十分な可使時間を確保することができる。また、1分間半減期温度を160℃以下とすることにより、十分な硬化性を確保することができる。
(B)パーオキサイドは、単独でも使用されるが、複数種類を組み合わせて使用することもできる。
このような(C)パーオキサイドの配合量は、硬化性組成物の総質量に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%の範囲で適宜選択される。
(C)パーオキサイドの配合量を(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物に対して0.1質量%以上とすることにより、十分な硬化性を確保することができる。また、パーオキサイドの配合量を(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物に対して10質量%以下とすることにより、十分な密着性を確保することができる。
[(D)導電粉末]
本発明の硬化性組成物には、(D)導電粉末が含まれる。本発明の導電粉末とは体積固有抵抗が1×10Ω・cm以下である物質の粉末を意味する。
この導電粉末により、部材同士が電気的に接続される。
この導電粉末としては、Au、Ag、Ni、Cu、Pd、および後述の低融点はんだ等の材料とされるSn、Bi、In、Sbの金属粉末、カーボン粉末などが挙げられる。この導電粉末は、核としてのガラスやセラミック、プラスチックなどの非導電性の粉末を金属層で被覆した複合粉末、前記非導電性粉末と金属粉末またはカーボン粉末とを有する複合粉末であってもよい。この導電粉末が、上記複合粉末または熱溶融性の金属粉末であると、加熱加圧により導電粉末が変形するため、接続時に電極との接触面積が増加し、特に高い信頼性が得られる。なお、この導電粉末としては、銀被覆銅粉末や、微細な金属粉末が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を用いることもできる。
本発明の硬化性組成物は、導電粉末が低融点はんだ粉末であることが好ましく、また鉛を含まず、かつ低融点のはんだ粉末がより好適に用いられる。
ここで、低融点のはんだ粉末とは、融点が200℃以下、好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下のはんだ粉末を意味する。
また、鉛を含まないはんだ粉末とは、JIS Z 3282(はんだ−化学成分及び形状)で規定されている、鉛含有率0.10質量%以下のはんだ粉末を意味する。
鉛を含まないはんだ粉末としては、錫、ビスマス、インジウム、銅、銀、アンチモンから選択される1種類以上の金属から構成される低融点はんだが好適に用いられる。特に、
コスト、取り扱い性、接合強度のバランスの観点から、錫(Sn)とビスマス(Bi)との合金が好ましく用いられる。
このようなはんだ粉末中のBiの含有量は、15〜65質量%、好ましくは35〜65質量%、より好ましくは55〜60質量%の範囲で適宜選択される。
Biの含有量を15質量%以上とすることにより、その合金は約160℃で溶融を開始する。さらにBiの含有量を増加させると溶融開始温度は低下していき、20質量%以上で溶融開始温度が139℃となり、58質量%で共晶組成となる。Bi含有量を15〜65質量%の範囲とすることにより、低融点化効果が十分に得られる結果、低温であっても十分な導通接続が得られる。
このような導電粉末は、球状粒子であることが好ましく、平均粒径D50が0.1μm〜20μm、好ましくは3μm〜17μm、より好ましくは7μm〜15μmであることが好ましい。導電粉末の平均粒径D50を20μm以下とすることにより、微細な箇所であっても十分な導電接続が可能となる。また、導電粉末の平均粒径D50を0.1μm以上とすることにより、硬化性組成物中での導電粉末の凝集を抑制することができる。
以上説明したような導電粉末の配合量は、硬化性組成物中に5〜60質量%、好ましくは15〜45質量%、より好ましくは、25〜35質量%の範囲で適宜選択される。
導電粉末の配合量を硬化性組成物中に5質量%以上とすることにより、十分な導通接続を確保することができる。また、導電粉末の配合量を硬化性組成物中に60質量%以下とすることにより、十分な密着性を確保することができる。
[その他成分]
以上説明したような本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、公知慣用のチクソトロピー性付与剤や消泡剤、レベリング剤などの添加剤を配合することができる。
また、電子機器もしくは電子機器の回路等に用いられる銅電極に使用される硬化性組成物またははんだペーストには銅の酸化膜を除去するために一般にカルボキシル基を有する活性剤が使用される。
しかしながら、液晶パネルやタッチパネル等のディスプレイ用部材に用いられる電極は、銀などの導電ペーストやアルミなどのスパッタリングなどの銅以外の材料によって形成されるため、かかる電極は、前記カルボキシル基を有する活性剤により容易に腐食されることに、発明者らは気付いた。
そこで、本願発明の硬化性組成物は、組成物中に、カルボキシル基を有する活性剤を含まないことが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、電子部品における部材同士の電気的接続に用いられる。
例えば、本発明の硬化性組成物は、プリント配線板等における接続部材の電気的接続箇所に、スクリーンメッシュやメタルマスクによるパターン印刷、あるいはディスペンサーなどの塗布装置により塗布される。
接続箇所に硬化性組成物が十分に供給されたことを確認した後、被接続部材(部品)を接続部材(基板)の接続箇所に載せ、所定温度、所定圧力での熱圧着を行うことにより硬化する。これにより、接続部材(基板)と被接続部材(部品)とが電気的に接続される。
本発明では、低温、低圧かつ短時間での熱圧着により優れた接着強度が得られるため、電子部品に損傷が与えられることはない。
具体的には、熱圧着温度は100℃〜240℃、好ましくは120℃〜200℃、より好ましくは140〜160℃とし、熱圧着圧力は0.05MPa〜3.0MPa、好ましくは0.1MPa〜2.0MPa、より好ましくは0.5MPa〜1.5MPaとし、熱圧着時間は1秒〜60秒、好ましくは1秒〜20秒、より好ましくは1秒〜9秒で熱圧着される。100℃以上の温度での処理によると、エチレン性不飽和結合を有する化合物の反応が良好に進行し、240℃以下の温度での処理を行うことにより、接着対象の電子部品等が加熱による損傷を受けずに本来の性能を保持する。また、圧力を0.05MPa以上とすることにより、電子部品間に十分な接合が形成され、導電性も十分となり、3.0MPa以下の圧力とすることにより、電子部品への過剰な負荷の印加による損傷が回避される。また、熱圧着時間は、短時間とすることで電子部品への熱による損傷が回避される。
このようにして本願発明の硬化性組成物を用いれば、低温、低圧かつ短時間で優れた接着強度を確保でき、電子部品における部材同士を電気的に接続することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下において特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準であるものとする。
(実施例1〜8、および比較例1〜4)
I.硬化性組成物の調製
表1に示す配合割合(質量比)にて各成分を配合撹拌し、実施例1〜8、および比較例1〜4の硬化性組成物を調製した。
II.接着強度の評価
II−1.試験片の作製
(1)リジッド基板(銅基板)
前記Iにて調製した実施例1〜8および比較例1〜4の硬化性組成物を、リジット基板(基材:FR−4、パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm、フラッシュAu処理)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、硬化性組成物を塗布した状態のリジッド基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジット基板のパットとフレキシブル基板のパットの位置を合わせ、双方の基板の重なり合う面の長さが4mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.5MPa、150℃、6秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
(2)銀電極基板
実施例1の硬化性組成物を、ソーダライムガラス(厚さ1.1mm)上に銀ペースト(太陽インキ製造株式会社製 ECM-100 AF6100)でパターン形成した基板(銀電極基板)上(パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm)に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、硬化性組成物を塗布した状態のガラス基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジット基板のパットとフレキシブル基板のパットの位置を合わせ、双方の基板の重なり合う面の長さが4mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.5MPa、150℃、6秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
(3)ITO基板
実施例1の硬化性組成物をITO蒸着ガラス基板(ITO基盤)上(旭硝子株式会社製PD200、ITO厚500Å)に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、硬化性組成物を塗布した状態のガラス基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジット基板のパットとフレキシブル基板のパットの位置を合わせ、双方の基板の重なり合う面の長さが4mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.5MPa、150℃、6秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
(4)アルミ基板
実施例1の硬化性組成物をアルミリジット基板(基材:FR-4、アルミ厚25μm)上に、メタルマスク(マスク厚:80μm、開口:15mm×1mm)を介してスクレイパーにより塗布した。次に、硬化性組成物を塗布した状態のガラス基板に対し、フレキシブル基板(幅:16mm、基材:ポリイミド、パット幅:100μm、ピッチ幅:0.2mm、フラッシュAu処理)を載置した。この載置に際しては、リジット基板のパットとフレキシブル基板のパットの位置を合わせ、双方の基板の重なり合う面の長さが4mmとなるようにした。このようにして載置した基板同士の接合面に対し、1.5MPa、150℃、6秒で熱圧着を行い、試験片を作製した。
II−2.接着強度の測定
作製した試験片について、JIS K 6854−1に準じてフレキシブル基板を垂直方向にピールして接着強度を測定した。その評価基準は以下のとおりである。得られた評価結果は表1に併せて示す。
〇:10N/1.6cm以上
△:5N/1.6cm以上
×:5N/1.6cm未満
III.導通性の評価
上記II−1で得られた試験片を用い、リジット基板のパット部とフレキシブル基板のパット部の導通をテスター(日置電機株式会社製、デジタルハイテスター3256)により確認し、評価した。その評価基準は以下のとおりである。得られた評価結果は表1に併せて示す。
〇:導通が確認された。
×:導通が確認されなかった。
IV.保存安定性(増粘率)の評価
上記Iにて調製した硬化性組成物の粘度をE型粘度計(東機産業株式会社製コーンプレート型粘度計TVH−33、測定温度25℃)で測定し、これを初期粘度とした。その後、硬化性組成物を30℃の恒温槽に60時間保管し、60時間経過後の粘度を、上記E型粘度計で同様に測定した。
増粘率は、下記式により算出した。
増粘率(%)=
((60時間経過後の粘度(dPa・s)/初期粘度(dPa・s))−1)×100
得られた評価結果は表1に併せて示す。
Figure 2016148012
表1に記載の各成分の詳細は以下の通りである。
(A)エチレン性不飽和結合を有する化合物:
(A−1)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、東亞合成株式会社製 「アロニックス M 5700」
(A−2)フェノキシエチルアクリレート、共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートPO−A」
(A−3)4−ヒドロキシブチルアクリレート、日本化成株式会社製「4HBA」
(A−4)トリメチロールプロパンEO変性(n≒1)トリアクリレート、東亞合成株式会社製「アロニックス M−350」
(A−5)トリメチロールプロパントリアクリレート、東亞合成株式会社製「アロニックス M−309」
(B)有機バインダー:
(B−1)リン含有ポリエステル樹脂、東洋紡株式会社製「バイロン337」、分子量:Mn10000、Tg:14℃、性状:個体
(B−2)、アルキルアセタ−ル化ポリビニルアルコ−ル(OH基約29モル%、アセチル基3モル%以下、ブチラール化度約71モル%)、積水化学工業株式会社製「エスレックB BL10」、分子量:15000、Tg:59℃、性状:個体)
(B−3)メタクリル酸メチル(MMA)−アクリル酸ブチル(BA)ブロック共重合体、株式会社クラレ製「クラリティ LA2330」、分子量:50000、性状:固体)
(C)パーオキサイド
(C−1)1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油株式会社製 「パーオクタO」、1分間半減期温度:124.3℃、10時間半
減期温度:65.3℃、性状:液体)
(C−2)ベンゾイルパーオキサイド、日油株式会社製 「ナイパーBW」、1分間半減期温度:130℃、10時間半減期温度:73.6℃、性状:粉体)
(D)導電粉末:
(D−1)42Sn-58Bi[42Sn-58Bi組成の球状粒子:平均粒径(D50)、13.12μm)]、
(E)チクソトロピー性付与剤
(E−1)シリカ微粒子(比表面積170m2/g)日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」
有機成分中当量(g/eq)*:有機成分(溶剤を除く)中のエチレン性二重結合の当量数
表1に示す結果から明らかなように、エチレン性不飽和結合当量が260以上の本願発明の組成物による接着では、低温、低圧かつ短時間の導電接着が可能で優れた接着強度が得られることが確認された。
また、液状のパーオキサイドを用いることにより、増粘率が小さく、保存安定性が良好となることが確認された。

Claims (4)

  1. (A)エチレン性不飽和結合を有する化合物、
    (B)有機バインダーおよび
    (C)パーオキサイド、を含む有機成分と、
    (D)導電粉末と、を含有する組成物であって、前記有機成分 (溶剤を含む場合は溶剤を除く)中のエチレン性不飽和結合当量が260以上であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記(D)導電粉末が、低融点はんだ粉末であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 電子部品の導電接着剤として使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いて部材同士が電気的に接続されてなる電子部品。
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